モバP「次のイベントは花見にしよう」 (58)

P「…と思ってるんですよ。どう思います、ちひろさん?」

ちひろ「いいんじゃないですか?既定路線というか、みんなそう来るだろうなって思ってるでしょうし」

P「2月にバレンタイン、3月にひな祭りときて、ちょっとありきたりすぎるかなーとも思うんですけどね…」

ちひろ「かといって季節外れのものをやるわけにはいきませんよ」

P「ま、去年もやってますしね…」

P「じゃ、これで企画書作ってみます」

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P「…とは言ったものの、誰をキャスティングするかが問題だな…」

P「あまり大規模にするわけにもいかないし、今回も4〜5人ってところか」

P「うーん、誰を主役に据えるかなぁ…」

ガチャッ

肇「あ、Pさん、いらしたんですか」

P「肇か。どうしたんだ?」

肇「いえ、実はひな祭りの台本を事務所に忘れてしまいまして…」

P「忘れものとは珍しいな。あ、もしかしてあれか?」

肇「はい、そうです。明日の打ち合わせまでにもう一度読んでおかないとと思って…」

P「それはいいんだが…、ちょっと顔が疲れて見えるな。大丈夫か?」

肇「…やはりわかってしまいますか…。実は、少し疲れてます」

P「正直でよろしい。仕事の量、多かったか?」

肇「いえ、違うんです。アメリカでのライブツアーにちょっと出していただいた後、いっとき仕事が少なくなったので…、情けない話ではあるんですが、ちょっとだけだれてしまったのかもしれません」

P「あぁ…、年末年始はあまり仕事を取ってきてやれなかったから…すまないな…」

肇「そんな…、とんでもありません。私がメインのお仕事を10月にいただけましたし、この事務所は人数も多いですから…」

肇「それに、今からひな祭りに出ることも決まってますし、次のイタリアでのライブツアーも、ゲスト出演させていただけますから」

P「イタリア…、あぁ、加奈と藍子とのユニットか」

肇「はい。前回もうまくいったので、今回も頑張ろうって3人で話してます」

P「同い年だからってことで組ませてみたけど、いい感じになってるようでよかったよ」

肇「華やかさでは他の方に負けるかもしれませんが、私たちは私たちなりにやってみよう、って思ってるんです」

P「そうか。頑張れよ…と言っても、肇は頑張りすぎるからな。ほどほどに頑張れよ」

肇「お言葉は嬉しいですが、『やるからには完璧を』目指しますから」

P「それは…、お祖父さんに言われたってやつか」

肇「覚えていらしたんですか…。少し、恥ずかしいですね」

P「そんなことはないさ。上を目指すのはいいことだ」

P「しかしまあ、体が資本なのに変わりはない。働くのも大事だが、休むのだって大事な仕事だ」

肇「ふふっ、それを言ったら、常に仕事してるってことになっちゃいますね」

P「少しでも体調が悪くなったら言うんだぞ。無理して体調を崩しちゃ元も子もない」

肇「ありがとうございます。Pさんもお忙しそうですから、お体には気をつけてください」

P「ああ。ま、俺の場合替わりはいるし、アイドルに比べれば楽なもんだよ」

肇「そんなこと言って…。Pさんだって替わりのいない、大事な人なんですから」

肇「私では頼りにならないかもしれませんが、何かあったら言ってくださいね」

P「ああ、ありがとう」

肇「では、私はこれで」

P「気を付けて帰れよ」

肇「はい」

P「さて、と…。俺も仕事に戻るか」

P「…花見…と言ったら…何だろうな」

P「花見…花…うーん…花より団子…」

P「団子…あんこ…あずき…」

P「…あずき…?」

P「桃井あずき!いかにもお花見に最適な名前じゃないか!」

P「よし、まず一人目はあずきで決まりだな」

P「ただまあ、こんな安易なことで決めたなんて知られたら怒られるだろうから、後で理由を考えておかないとな…」

P「あとは誰だろうな…」

P「花見…団子…食べ物…」

P「花見で飲み食いと言ったら宴会…となると酒…」

P「…あ、そういえば早苗さんが『私にもお酒の飲める仕事持ってきて!』って言ってたな…」

P「仕事中に飲まれるのは勘弁だけど、打ち上げは花見しながら宴会になるだろうし、ちょうどいいだろう」

P「となるとあとは、志乃さんとか楓さんとかにも声をかけることになるのか…」

P「いや、待てよ…」

P「仕事後に宴会を開く方向で考えてたけど、よく考えたらあずきは未成年じゃないか…すっかり忘れてた…」

P「そうすると、酒メンバーを集めるわけにもいかないな」

P「ただ、そろそろ早苗さんにもちゃんとした仕事を回したいし、早苗さんにはいてほしいな…」

P「そうか、早苗さんが酒を飲むとしても、それを止められる人がいればいいのか」

P「…よし、その役割を…、あいさんあたりにお願いすることにしよう」

P「…早苗さんのストッパー役です、とは言えないし、こっちもちゃんとした理由を考えないとな…」

P「それから…、そうだ、最近スポンサーから、イベントにはできれば一人は小学生を出してほしい、って言われてるんだよな」

P「詳しいことは知らないが、スポンサーからのお願いとあっちゃ無碍にするわけにもいかないし」

P「海外で小学生に無理させるわけにはいかないからイタリアでは勘弁してもらったけど、今回は国内のイベントだし、誰か連れて行くか」

P「最近目立った仕事をしてないのは…薫とかか」

P「お花見の雰囲気にもついていけそうだし、薫にお願いするか」

P「よし、大体決まったな」

P「メインキャストをどうするかについては、もうちょっと悩もう」

P「とりあえず、今日はここまでだ」

P「明日はひな祭りの打ち合わせもあるし、そっちの準備もしないとな…」

P「…というわけで、ひな祭りイベントに関しての全体打ち合わせはこれで終わりです」

P「あとは、各エリアごとにちょくちょく集まって打ち合わせという形になると思うんで、よろしく」

P「じゃ、お疲れさまでした」

P「…あ、そうだ。あいさんと早苗さん、ちょっと話いいですか?」

早苗「ん、私?いいけど」

あい「構わないが…」

早苗「Pくんがあたしに話って、もしかして…!?」

P「仕事の話ですよ」

早苗「ノリ悪いわねー。それくらいはわかってるって」

あい「早苗さん…あんまり彼をからかうと、仕事が来なくなるかもしれないぞ?」

P「そんな贔屓はしませんよ…。実はですね、3月末からお花見イベントをやろうと思っていまして、そこに出ていただけないかなーというお話です」

早苗「うーんと、スケジュール的には空いてるはずだし、あたしは大丈夫よ」

あい「フッ、私も問題ない」

P「話が早くて助かります。じゃあ、3月末から4月頭は押さえときますね」

早苗「よろしく。…で、お花見ってことは…、もちろん、宴会よね?」

P「言うと思ってました。打ち上げはみんなでお花見ってことにしようと思ってるので、それでよければ是非」

あい「なかなか楽しそうじゃないか」

早苗「じゃ、決まりね。まあ、また企画固まったら教えてちょうだい」

P「わかりました」

P「あずきにはさっき電話で確認取ったし、薫は明日のイタリア説明会で会うし、ひとまずこんなところか」

P「うーん、あと誰を引っ張ってくるべきなんだろうか…」

P「コンセプトもいまいち決まってないし、そこを先に決めるかな…」

P「あ、ちひろさん、今いいですか?」

ちひろ「どうしました?」

P「3月末のお花見イベントについてなんですけど…、コンセプトというか、イベントの形式を迷ってまして」

ちひろ「なるほど。確か去年は、ライブがメインでしたよね」

P「そうですね。ライブ対決って感じで、歌を全面に押し出してました」

ちひろ「今回も同じくライブっていうんじゃ、芸がないですよね」

P「やっぱそう思いますか」

ちひろ「うーん、そうしたら、劇とかはどうですか?」

P「あーなるほど。いいかもしれないです」

P「ただ、準備期間がちょっと短いですし、あまり人数も割くわけにはいかないので、少し厳しいですかね…?」

ちひろ「確かに、イタリアのライブツアーはかなり人を使ってますから、厳しいですね」

ちひろ「それに私たちだって、イタリアに行ってる間は準備できないわけですから、あまり手がかかるようなのは…」

P「それもそうか…。そしたら、セルフプロデュースとまではいかないですが、少しアイドルに任せてみるくらいの方がいいでしょうか?」

ちひろ「それもありだと思いますよ。アイドルが企画を作るってだけでも集客力はありますし」

ちひろ「アイドルが企画を作ってイベントを開催します、っていうことにすればアイドルのみんなも張り切りますし、私たちの労力も少なくなりますし。一石二鳥ですね」

P「ちょっと本音が見えましたか?」

ちひろ「気のせいですよ」

P「まあ、アイドルがプロデュースするイベント、ってのもたまにはいいか」

ちひろ「メンバーにもよると思いますが、やってみる価値はあると思いますよ」

ちひろ「ちなみに、今のところ誰を起用する予定なんですか?」

P「あずき、あいさん、早苗さんの3人はスケジュールも大丈夫そうなんで、もう話をしてあります」

P「あとそれから薫も入れようと思っていて、明日事務所で会うのでその時に親御さんとも少し話してみようかと」

ちひろ「なるほど。…それで、メインはどの子ですか?」

P「実は…、未定でして」

ちひろ「あら」

P「薫をメインに、とも思ったんですが、アイドル自身がプロデュースってことになると厳しいですもんね…」

P「早苗さんやあいさんあたりはそろそろ主役を張らせてみてもいいかもとは思ってますが、もっとベストな企画で出したい気もしていて…」

ちひろ「じゃあ、あずきちゃんですかね」

P「そうなりますね」

ちひろ「あずきちゃんの名前って、なんかお花見って感じがしますもんね」

P「そうですか?あずきに言っときますよ」

ちひろ「やめてくださいよ。私が何かバカにしてるみたいになっちゃうじゃないですか」

P「あずきだったら、[お花見大作戦]ってことでいいですかね」

ちひろ「名前考えるの、楽でいいですよね」

P「はは。変に凝る必要がなくて助かりますよ」

コンコン

P「はーい」

肇「失礼します。Pさんいらっしゃいますか?」

P「あぁ、どうした?」

肇「あ、すみません。会議中でしたか。…後でまた来ます」

P「いや、大丈夫だ。もう一段落ついたから」

肇「そうですか。では…えっと、明日のイタリアライブツアーの説明会の資料をまだいただいていなくって…、」

P「しまった。渡してなかったか」

ちひろ「あ、それ、もしかして私のミスかもしれません」

ちひろ「ひな祭り参加者には個別に渡してたいて、イタリアでメインになる美里ちゃんとユニットリーダーの加奈ちゃんには渡した覚えがあるんですけど、肇ちゃんには渡してなかったと思います」

ちひろ「ちょっと取ってきますんで、待っててください」

P「肇、まあ座りなよ」

肇「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて…」

肇「何の会議をしていらしたんですか?」

P「これか。イタリアの次にやるイベントでな。お花見なんだが…」

P「イタリアでだいぶスタッフが忙しくなるし、ちょっとアイドルに企画を任せてみようかって話になっててな」

肇「…ということは、企画立案がアイドル、ってことですか?」

P「ま、ある種の手抜きだな」

肇「そんなことありませんよ。面白いと思います」

P「そう言ってもらえると嬉しいな」

肇「そのイベント、どなたが出られるんですか?」

P「こっちは今のところ、あずき、あいさん、早苗さん、それから薫って感じで考えてる。もう1人か2人増やそうかな、ってところさ」

肇「お花見となると…、メインは早苗さんですか?」

P「それもいいかなーと思ったんだが、早苗さんもまだ日が浅いしな」

P「あいさんはもっと似合うところで主役を、と思ってるし、薫はイタリアに行くしで、あずきをメインにしよう、って今話してたんだ」

肇「あずきちゃんですか…」

P「不満か?」

肇「い、いえ、そういうわけでは…」

P「んーまあ、わからなくもないぞ…。よく考えたら、既に2回メイン張ってるもんな…」

P「うーん、そうすると、メインは別で考えた方がいいかなー」

ガチャッ

ちひろ「すみません。遅くなって。これ、明日の資料です」

肇「わざわざありがとうございます。…では、私はこれで」

P「ああ、また明日」

ちひろ「お疲れさまです」

ちひろ「どんな話をしてたんですか?」

P「あずきの主役が多いな、って話をね」

ちひろ「…そういえば、そうですね…。去年のひな祭りと、温泉ですか。…もしかして肇ちゃん、妬いてました?」

P「妬く…ってのとはちょっと違う気もするけど、まあ、似たようなもんかな」

ちひろ「CDデビューの第4弾を逃して、ちょっと焦ってるのかもしれませんよ」

P「…そうなんだろうか…?」

ちひろ「事務所のみんなは仲間であると同時に、一番のライバルですからね。彼女たちも、複雑だと思いますよ」

P「最近頑張りすぎてるのも、そういったことがあるせいなのかねぇ…」

ちひろ「仕事をしている以上忙しくなるのは当たり前ですし、逆に暇な時には仕事が来ていないわけで、それはつまり…」

P「私の努力が足りないのでは、ってことか」

ちひろ「仕事があってもなくても悩みの種は尽きないんですから、難しいですよね」

P「やっぱ、端役じゃアレか…」

ちひろ「肇ちゃんの場合、人気があるのは確かなんですが、それが本人にまで伝わっていないんじゃないかと思いますよ」

ちひろ「ノリがいい子たちはライブの時の盛り上がりで何となく自分の立ち位置を理解できますけど、肇ちゃんはファンまで大人しいですから、他の人と比べると、どうしても…」

P「そういえば、自分で『華やかさがない』なんて言ってたしな…」

ちひろ「その点、お花見っていうイベントは華やかですし、適役かもしれませんよ」

P「それはわかりますね。何というか、似合うんですよね。一応、肇を、と考えなかったわけではないんですよ。ただ…」

ちひろ「ひな祭り、イタリアライブ、お花見の三連続はきついですね」

P「そこなんですよ」

ちひろ「本人に聞いてみたらいいじゃないですか」

P「そんなの、やりたいか聞いたらやりたいって言うに決まってますよ」

P「さすがにプロデューサーとして、仕事の配分は考えさせてください」

ちひろ「じゃあ、また一から練り直しですね」

P「そうですね…。考えてきます」

P「明日のイタリアライブツアーの説明会終わったら、また相談に乗ってもらっていいですか」

ちひろ「ええ。頑張ってくださいね、プロデューサーさん。ドリンク、いります?」

P「…もらいます」

P「ちひろさん、お花見のイベントについてなんですが、今日もいいですか?」

ちひろ「ええ、大丈夫ですよ。何か進展はありました?」

P「さっき薫と親御さんに話をして、了解をもらってきました」

P「イタリアのライブツアーもリーダーは千枝ですし、本人も半分観光気分らしくって、終わってすぐでも問題ないだろう、ってとこです」

ちひろ「じゃあ、4人は決まりですね」

P「ただ、やっぱりイタリアに行ってる間は企画の相談とかができなくなるので、基本的にはあずき、早苗さん、あいさんの3人で企画を考えてもらって、そこに薫も出る、って形になりそうです」

ちひろ「薫ちゃんもそっちの方が楽でいいんじゃないですかね。一応別枠ということで考えておきましょう」

P「そうですね。まあ残りの3人にはその方向で話をしておきます」

ちひろ「でも、確かお花見のイベントは昼と夜の二回にわかれてますよね?」

ちひろ「昼は4人でいいとして、夜はどうするんです?薫ちゃんに夜までいてもらうのは難しいですよね」

P「そこなんですよ。なので、もう一人メインを据えて、3人プラスメインで夜のイベントってことにしたいんです」

P「昨日から改めて何人か候補は考えたんですけれど、いまいちハマる画が思い浮かばないんですよね…」

ちひろ「誰を考えてます?」

P「みりあを除いたCDデビュー組ですね。幸子、菜々さん、美波、茜の4人です」

ちひろ「確かに妥当ですね」

P「『自称・花の妖精』、『お花見ウサミン』、『夜桜の女神』、『花見ボンバー』、と、名前は思い浮かぶんです」

ちひろ「またそれっぽいのを持ってきましたね」

P「ただ、わざわざお花見じゃなくても…って思ってしまうわけです」

ちひろ「うーん、そうでしょうか…?」

ちひろ「ある程度人気があって、そろそろメインで見たい、あるいはもう一回メインで見たい、って要望のある子ばかりですし、問題はないと思います」

P「そうですか…」

ちひろ「私的には何の問題もないと思うので、問題があるとすれば、それはPさんが一番わかっていることだと思います」

ちひろ「…というか、Pさんの中では、もう答えが出てるんじゃないですか?」

P「…なかなか鋭いですよね、ちひろさんって」

ちひろ「昨日も話しましたからね」

P「…はい、率直に言って、肇をメインに据えたいと思っています。理由はいろいろありますが、やはり、花見のイメージに合うと思うんです」

P「それも、彼女にはきっと、月夜の夜桜が似合います」

P「…花見のメインは、肇でいきます」

P「正直、仕事の配分を間違えてしまったきらいはありますが、ここしかありません」

P「ちひろさん、相談に乗っていただいてありがとうございました。肇に話してきます」

ちひろ「まあ、決まってよかったです。ただ、3月の月末イベントもお忘れなく」

P「そうでしたね。まあ、そこはまた考えときます」

P「おーい、肇」

加奈「あ、プロデューサー!」

藍子「どうしたんですか、Pさん」

P「おっと、ライブツアーの打ち合わせ中だったか」

肇「いえ、それは先ほど終わりまして、今はこの後少しどこかに寄って帰ろうかとお話をしていたところです」

P「そうだったのか。肇、ちょっと話があるんだけどいいか?」

肇「構いません」

P「10分もせずに終わるから、ちょっと肇を借りていくぞ」

加奈「はい、わかりました!」

藍子「ちゃんと返してくださいね」

P「さて、唐突で悪いんだが、お花見のイベントに出る気はないだろうか」

肇「お花見…昨日仰っていたイベントですね」

P「そうだ。ひな祭り、イタリアに続いて休みなしになってしまうんだが、どうだろうか」

肇「私にできることでしたら、是非」

P「そうか。ありがとう。それで、唐突ですまないんだが、メインでいこうと思ってる」

肇「メイン…私が、ですか…?」

P「ああ」

肇「でも、昨日はあずきちゃんだって…」

P「俺も一晩考えたんだが、肇の方が似合うと思ってな」

P「二人とも『和』のイメージがあるという点では同じだが、雰囲気はかなり違っている。今回は、肇に任せたいんだ」

肇「…ふふっ、ありがとうございます。何だか、気を遣わせてしまったみたいですね…」

P「そんなことはないさ。ただ、スケジュール的には大変になるぞ。それに、半分セルフプロデュースだ」

P「大変になるとは思うが、何かあったら頼ってくれ」

肇「ええ。ありがとうございます。…それでは、一つ、お願いが…」

P「ひな祭りをやってイタリアに行って、今度はお花見…やっぱ忙しいですね」

ちひろ「アイドルのお誕生日を祝い始めたり、スタジオの模様替えもしましたしね」

P「模様替えは二回もやりましたからね…(ボソッ」

ちひろ「何か言いましたか?」

P「何でもありません」

ちひろ「でも、お花見はほとんど私たち携わってないですし、これだけ人が集まってるのもアイドルの子たちのおかげですよ」

P「そうですね。こんなに企画力があるとは思ってませんでしたよ」

ちひろ「昼の薫ちゃんのイベントもよかったですし。これは、今から始まる肇ちゃんのイベントも期待大ですね」

P「ちひろさんは、イベントの内容あんま知らないんですよね?」

ちひろ「ええ。ちょっと私用で色々ありまして、衣装合わせとかも立ち会ってなくて…」

P「あれ?ちひろさん今月お休みなかったですよね?私用って…?」

ちひろ「いえ、まあ何というか、私用と言えば私用だけど、公用と言えば公用と言いますか、ちょっと私の衣装を用意してまして…」

P「それなら仕事って言えばいいじゃないですか」

ちひろ「ま、まあそうですね。えーっと、そんなことはどうでもよくって、肇ちゃんですよ!」

ちひろ「噂で聞いたところによると、打ち合わせでちょっと揉めたんだとか?」

P「揉めた、ってほどのことでもないですよ。ただ、肇に譲れないところがあったみたいで」

ちひろ「へぇ、珍しいですね。肇ちゃんがそんな風なのって」

P「あいつも頑固ですからね。ま、こっちは和服衣装のつもりでオファーを出したわけなんですが、それがちょっと引っかかったみたいで」

ちひろ「え?嫌だったんですか…?」

P「嫌、ってわけじゃなかったみたいですけど、今までも和服が多かったじゃないですか」

P「それで、そろそろ新しい自分にも挑戦してみたい、ってことで、ちょっといつもとは違った衣装にしたかったみたいです」

ちひろ「まあ、肇ちゃんなら何を着ても似合いそうですもんね」

P「そうなんですけどね。本人はちょっと緊張してるっぽいですが」

P「肇なら、きっと最高の舞台にしてくれますよ」

P「…今宵は、[夜桜小町]藤原肇をご堪能あれ」



おわり

よりによってエイプリルフールにかぶってしまった…。時間があればお花見当日も書いてみたいなーと。

あと肇ちゃんもっと安くなってくださいお願いします何でもしますから

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