ベルトルト「いっただっきまーす」(37)


※11巻ネタばれ

※キャラ崩壊注意

※一気に完結させる

※ちょ、お前戦っている最中だろ!?と言うツッコミは認めない


えーっと……よしよし、ユミルともう一人の機動装置要因捕まえたぞ!

いっただっきまーす


ひょいっ

ぱくん


えっと……まずは、飲み込まない様にしないとね

あ、口の中をズバズバ切られたら痛いから――まずは口の中で転がしておこうっと


ころころ

ころころ


うん、これで口内炎の心配は無くなったよね

よし、ここからが本番だ!


まずは、ユミルが乗せられていた担架を外せばいいかな

脱出する際にあったら邪魔だし

えーっと、あっこれが担架かな――じゃあそれに巻かれている紐を、ちょっと噛み切らなくちゃね

慎重に、慎重に

……っと、よしよし出来たぞ

さて次は、飲み込んだ兵士の立体機動装置を外そう

これは噛み切っちゃいけないから、細かい作業になるけれど

一応予行練習で、ライナーの立体機動装置を外す練習やっているしね

よーし、まずは舌上に兵士の体を持ってきて腕の付け根……コレかな?

ベルトを噛み切らない様に注意して……っと


ぷちっ


じゃあ次ね、もう片一方の腕も……よいしょっと

肩口だけは、取り外しやすいんだけれどなー


ここから先は練習に練習を重ねた、さくらんぼのヘタを自由自在に結んで解くと言う修行の成果が試されるぞ!

じゃあ頑張ろう!おー!


うーん、えっと

うー…ん


はっ!し、しまった!


なんか口の中でころころしすぎて、ユミルと兵士がどっちか分かんなくなってきた!

ど、どうしよう


口の中では身長差も髪型も読みとれないし

ユミルは片手と片足が無いし、兵士も両腕が無い

間違える事は無いと思うけれど、ちょっと気を付けないとね

うーん……ユミルの担架外すの、後にすれば良かったなぁ――でも後悔しても遅いし


とりあえずは頭の位置を確認して……て、ああ!

誰かの髪の毛が歯と歯の間に挟まって、気持ち悪い!!

ちょっとー、何処の歯だよ挟まっちゃったのー…

えーと、何処かなぁ


あ、この五体の感じ――これ兵士の方だ!やった見つけたよ

よかったぁ、挟まっているのがユミルじゃなくて

さすがに、女の子の髪が毟り取れていたら可哀想だもんね

うん、あれ?――髪の毛って、再生するのかな?

再生するのは肉体だけだったら、頭皮までしか再生しないよね

もしかして、つるっぱげになってしまったり……するのかな

そう言えばユミルの腕、無くなって居たよね……毛が無くなるとしたら、再生した腕の部分だけ脱毛済みになるの?

あっそうそう、ライナーも片腕無くなっていたね――どうしよう、ライナー体毛が濃いのに

片腕だけつるつるで脱毛されていたら、違和感を感じてしまうかもしれないな

あ、それはどうでもいいか

今は切羽詰まっている状況だし

ベルトルさん器用すぎワロタ


えーっと……あ、よかった

考え事をしながらでも兵士の立体機動装置、八割方外すことに成功したよ!

ライナー!アニ!僕やったよ!

残りも頑張るからね!


ころころ

ころころ


よしっ出来た、完全に立体機動装置を外す事が出来ました!

ホントよかったぁ……失敗していたら、またもう一人確保しなくちゃいけなかったんだもん


ではではユミルは脱出する時に、確保しやすい場所に置いておいて――兵士はま、どこでもいいや

さすがに飲み込むのは気持ち悪いし、すぐに吐き出せる場所に置いておこうっと

じゃあ移動を開始しまーす


ころころ

ころこ……んっ!?


あれ、なんか今感触が違う物があった……これってもしかして

もしかして、えっ

ま、まさか……おっぱい!?


わー、どうしよう!ユミルのおっぱいを舌で触っちゃ……いや、転がしちゃった!

な、なんだろう……僕は今、男としてレベルアップした様な気がする!

うん、そうだよね

おっぱいを触ったって言うよりも、おっぱいを舌で転がしたの方がプロって感じだよね!

今度ライナーに自慢しよっかな


って、あ

調査兵団の皆さまが切り掛って来た

じゃあいらない兵士さん吐きだして……ユミルをもう少し舌の奥に置いて

よし、燃えまーす!


ぼぉお!


えーっと、後は脱出のタイミングに合わせるまで燃え続ければいいんだよね

ライナーの合図を待とう


…………


……





あ、暇だ

どうしよう、何もする事が無いや

うーん

とりあえず……ユミルをもう少し転がしておこうかな、逃走し始めてからすぐに目が覚められても困るし

もう少し、気絶していて貰うとしよう

あ、なんだろう――今、悪役って感じがめっちゃした

悪役になりたいって訳ではないけれどね

そんな親切な僕だから、酸欠状態にはならない様に空気の量を調節してっと


よし、じゃあ転がそうかな


ころころ

ころころ

ころこ…もにゅ



…………



ころころ

ころころ

ころこ…もにゅ

……もにゅ



…………



もにゅ、もにゅ

もにゅ、もにゅ



……はっ!


こ、これは違うからね!不意に当たっただけだから!

本当にこれ偶然だから!巨人の体の感覚なんて、僕であって僕で無い様な物だから!


「ぉおおおお!!」


あ、合図だ

うごぉおお!じゃなくて、ぉおおおお!だったからプランCね

分かったライナー!行くよッ!


ひゅううぅ

ぼっしゅ!


よーし、じゃあ頭部の周辺以外を蒸発させたし――あとは脱出の準備だけだ

立体機動装置の装着を急がないと


えーっと、まずは僕の本体がその装置を掴まないといけないんだけれど

装置はどこだ?


ごそごそ

ごそごそ

ごそご…もにゅ


…………うん、ごめんなさい

今回はちょっと期待しながら探してました

でも、乳揉んだひゃっほおおおお!!――と言う気持ちはさておき、まずは脱出しないとね

じゃないとこの感動を、ライナーに話せないし!


――よし、脱出の準備完了!


邪念に捉われながらも、手を動かしておいてホント良かったぁ

じゃあ残りの風圧を、徐々におさめて……ユミルを担いで脱出だ


ユミルを担ぐ……


うーん


とりあえずは無難にがっしりと抱きしめておこう、風で煽られて落ちちゃったら危ないし

おっぱいは……握るの避けておいた方がいいよね

人様の乳を揉んでいる所なんて、他人に見られると恥ずかしいし

超大型巨人だから、注目されているだろうし

あ、ライナーの方も終わっている――よしっ、ベルトルト、行きます!


よし、着地完了!

調査兵団の方も……あぁ良かった、死人が出る程のダメージを受けている人はいないみたい

あ……そう言えば居たっけ、死人

僕が立体機動装置を毟り取って、放りだした人

腕を噛み切っちゃったし……もう、駄目だよね

本当に、ごめんなさい


駄目だなぁ――人型に戻ると、どうしても罪の意識を感じてしまう

うん、駄目だよね

もう戻れないよね



さようなら、壁の中の人たち

出来ればもう、僕達を追ってこないで下さい

……それも、無理か

だってミカサやアルミンはエレンを、クリスタはユミルを追ってくる事だろうし

だから、願わくば



――僕達が故郷まで、運良く逃げ切れますように





ベルトルト「いっただっきまーす」【終】


11巻の数ページにアテレコしてみたところ
ベルトルさんが、テンパっちゃうって思考がただの青少年になってしまった……の巻き

11巻を読み返して、ふと浮かび上がったネタでした


最後に――短い短編でスレ立ててごめんなさい
次はもうちょっと長くしたいです

読んで下さった皆様
本当に本当にありがとうございました

あのモブ兵士さん、飲み込まれたとき意識あるよな絶対…
喰われるの怖かっただろうなぁ

大概の兵士は意識あるうちに喰われてるからなぁ

にしても乙!
軽快なテンポで俺は好き

アニがエレンを口に入れたときもこんな感じだったのか

軽いノリで割とエグイことしてるベルさんこわい


>>7 あの展開で何処までの事が出来ていたのか、と思うとやっぱり器用ですよね

>>18 一瞬モブさん視点考えちゃったじゃないですか、食べられて終わりでしたけど

>>19 お褒めの言葉、本当に嬉しいです!ありがとうございます

>>20 がぶっとしてあとは移動だったので、おそらく後を追ってきたミカサの方が怖かっ…

>>21 軽いノリでエグイ事をさせえたのは私の趣味です、ベルさんは悪くないよ



こんばんわ、>>20さんのコメで少しだけ妄想が湧いたので
もう一度湧いた>>1です

本当に軽く書いているので、誤字脱字があっても気にしないと言う方のみ
下へとどうぞ

同郷組、少しベルアニ風味です


【壁外調査前】



ベルトルト「でね、エレンの配置はここ。――僕の配置とはまた違うけれど、ライナーの担当している辺りからこう突っ切って行けば……」

アニ「あぁ、それだけで十分さ――作戦は了解したよ」

ベルトルト「僕の説明で、大丈夫だった?」

アニ「あぁ、丁寧過ぎるくらいさ――もっとサクサク言ってくれて構わない」

ベルトルト「そっか、うん……頑張ってみるよ」

アニ「でさ、もし調査兵団の精鋭達と戦闘になったら。なんだけれど」

ベルトルト「うん」

アニ「エレンを手で掴んで連れ去る余裕なんて無いと思うんだ、傷をつけてしまって変身されても厄介だしね」

ベルトルト「そうだ、ね……精鋭部隊も厄介だけれど、どうエレンを無力化するかだよね」

アニ「だからさ――手っ取り早く、最初っから口の中に放り込もうと思っているんだけれど」


アニ「コツとかあったら、教えてくれない?」

ベルトルト「――――ん?」

アニ「あんたさ、一番高い所に捕獲場所を作れるって理由で舌の細かい動きを練習していただろ?」

ベルトルト「うん」

アニ「それを教えてくれない?」

ベルトルト「…………」

アニ「なんだ、嫌なのか?」

ベルトルト「うーん、と言っても」

アニ「言っても?」

ベルトルト「座学の授業中や対人格闘中を利用して、コツコツと人知れずに練習を重ねて来た――僕にとっては大切な技術だからなぁ」


アニ「人知れずに練習をしすぎだろ。私もあんたと組んでいたってのに、全然気付けてなかった」

ベルトルト「そう簡単にコツと言われても、言い表せないって言うか」

アニ「…………」

ベルトルト「言いたくないと、言うか」

アニ「その心は」

ベルトルト「僕の個性を奪わないで下さい」

アニ「舌を動かすだけの個性に固執するな」

ベルトルト「え、でも!ようやく僕の個性が出て来たんだよ!ベルなんとかとか言われる個性じゃなくて!」

アニ「あたふたするな、必死すぎ――それに作戦に必要なんだから、しょうがないだろ」

ベルトルト「……そ、そうだよね。アニを危険に晒してしまうんだもの――少しでも、軽減させなきゃね!」


アニ「そう言ってくれるとありがたい――じゃあ早速、コツを教えて」

ベルトルト「え」

アニ「え」

ベルトルト「……コツって、どうやって伝えればいいんだろ」

アニ「…………」


げしぃ!


ベルトルト「え、アニ!どうしたのっ蹴らないで!」


げしっ げしっ

どたばた


ライナー「えぇ!?おいおい、お前ら何やっているんだ!?」


ベルトルト「ら、らいなぁあああ!」

アニ「何、あんたは人が来ない様に見張りを頼んでいたでしょ」

ライナー「こんなに大きな音が出ていたら、見張りにも限界がある!――どうしたんだ、お前ら」

アニ「……はぁ、実はね。かくかくしかじかなんだよ」

ライナー「ベルトルト、お前そんなに自分のキャラクターにこだわっていたのか」

ベルトルト「ち、違うんだよライナー!僕もきちんと伝えようと思ったんだけれど、その」

アニ「何」

ベルトルト「……あまりに人と話さなさ過ぎて、どう表現したらいいのか」

ライナー「…………」

アニ「…………」

ベルトルト「止めて!その憐みの視線は止めて!」

ライナー「ま、まぁ確かに……舌の動きなんて、どう伝えていいか分かりにくいしな」

アニ「そう言えば、そうだね」

ベルトルト「じゃあどうすれば」


ライナー「そうだベルトルト、いい案があるぞ!」

ベルトルト「えっそうなの?さすがライナー!」

ライナー「言葉に出すのが駄目ならな」

ベルトルト「ん?」

アニ「えっ、なにライナー……離し…」

ライナー「実技指導しちゃえば、いいんじぇねぇ!?」

ベルトルト「えっ、わ!」

アニ「……!?」


ちゅっ


ライナー「あ……、あれ?」


ベルトルト「…………」

アニ「…………」

ライナー「あ、当たっちゃ……た」

アニ「ライ」

ベルトルト「ナー……?」

ライナー「い、いやすまん!まさかこんなに綺麗に当たるなんて、ホントにミジンコ程も思わず…っ!」

アニ「いいから、死んどけ」

ベルトルト「デリカシーが無いにも、程があるよ」

ライナー「ま、待てお前らっ……話せばわか…」


ぎゃー!!




アニ「…………」

ベルトルト「…………」

アニ「とりあえず」

ベルトルト「…………」

アニ「さくらんぼ、買ってくるわ」

ベルトルト「……よろしく」





おまけ【終】


言い訳と言う名の蛇足

ベルトルさんの「僕の個性を奪わないで!」と言う叫びが書きたかったのです
そしてライナーさんは100%善意での行動でした

ちなみに、最初にライナーが見張りに回っていたのは
金髪で二人組の「近寄るな」オーラがあまりにも酷かったので分けていた、と言う理由です

それでは、これにて御終い
ありがとうございました、コメントへの返信は後に纏めて行います

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