進撃のグリム童話(23)

進撃キャラでグリム童話です。オリジナル要素入れてるのでご理解ください。

【馬の王様】

昔、ド田舎に一人の食いしん坊な狩人がおりました。

サシャ「今日も食料庫からパンゲットーむふふ///」

サシャ「けど、金色のパンっちゅうのも珍しいもんやね」ヒョイヒョイ ポロッ

サシャ「あー!!」

コロコロコロコロコロコロ ポチャン

サシャ「うちのパンがぁぁ!うちのパンが競馬場の水飲み場に落ちたぁぁぁ!!」

ブクブクブクブク

サシャ「あぁ!あんパン取り戻せるんやったらなんでんやる!うちの服でも、持っとらんけど宝石とか、食えんもんならなんでもやるぅ!!びえぇぇぇぇん」ポロポロ

そこに一匹の、水を飲みに来た馬が現れました。

ジャン「おい、なんで泣いてんだ?」

サシャ「馬!?馬が喋っとる!」

ジャン「そりゃ馬だから喋るだろ」

サシャ「気持ちわりぃ……あんたになんが出来っと?うちんパンが水飲み場に落ちてふやけたとよ!?」

ジャン「お前、狩人かなんか?」

サシャ「そうやけど。あんた競馬場の馬やろ?」

ジャン「騎手が骨折しちまって暇なんだ。騎手やってレースに勝ってくれたら賞金でパン買っていいぜ」

サシャ「やる!絶対やる!!」

狩人と馬は、協力してレースに優勝しました。

サシャ「よっしゃああああ!これでパンたらふく買える!」

ジャン「俺速かったろ」

サシャ「うん!じゃあ賞金貰ってうち帰るね!ばいばーい!!」

ジャン「あっ!!待ってくれよ!ずっと俺の騎手になってくれよ!!」

狩人にその声は届きませんでした。

ジャン「俺は諦めねぇ……あんな手綱と鞭捌きをしてくれるヤツは滅多に現れるもんじゃないからな」

馬は、狩人を自分専属の騎手にすることを心に決めました。

【ブラウス家】

サシャ父「サシャ、お前そん大量のパンはなんや……」

サシャ「盗んだっちゃないよ?うちの戦利品やし!」

サシャ父「なんの勝負や」

サシャ「競馬で優勝したとよ」

サシャ父「競馬場言ったっか!お前まだ未成年やろ!こん不良娘が!」

サシャ「賭けちょらんし!騎手やし!」

サシャ父「どうかしらん」

パカパカ

サシャ「ん?なんか聞こえん?」

パカパカ パカパカ

サシャ父「なんかの足音か?」

コンコン コンコン

サシャ「誰やろ?」

ジャン「狩人、狩人、扉開けてくれ!!」コンコン

サシャ「昨日の馬やん!なんでおっと?」ガチャ

ジャン「騎手になってくれ!!」

サシャ「いや!よだきぃもん!!」バタン

ジャン「即答かよ!!」

サシャ父「なんやっちょっとや?」

サシャ「外に変な馬がおっとよ!」

サシャ「はぁ?」

狩人は、父親に昨日起こった出来事をありのまま話しました。

サシャ父「喋る馬……」

ジャン「狩人!狩人!騎手に!騎手になってくれ!!俺はお前に決めたんだよ!」コンコンコンコン

サシャ父「二人で協力してレースに勝ったんやろ?」

サシャ「二人やなか!相手馬やし」

サシャ父「とにかく、お前が今食べちょるパンも、外の馬と協力せんかったら食えんかったとぞ?蔑ろにしたらあかん」

サシャ「うー……相手馬やのに」ガチャ

ジャン「おぉ!狩人入るぞ」パカパカ

サシャ「ちょっ!入らんで!?せめて馬小屋にして!?」

ジャン「悪い悪い。こりゃ失礼しちまった」

サシャ「ちょっと馬小屋行ってくるね」

サシャ父「あぁ、仲良うな」

【馬小屋】

サシャ「それでなんなん?」

ジャン「俺をお前の競争馬にしてくれ!!」

サシャ「いややし、よだきぃもん。うち狩人やし」

ジャン「頼む!餌とかブラッシングしてくれたらそれで良いんだ!お前の手綱捌きと鞭に惚れたんだよ!!」フーーンッ!!

サシャ「鼻息荒いし……断る選択肢無いとや?」

ジャン「無い!お前に騎手になってほしいんだ!!」

サシャ「干草やるから帰っちゃらん?」

ジャン「帰らん!けど食う!くれ」

サシャ「帰ってよぉ」スッ

サシャ「うめぇ」モシャモシャモシャモシャ

サシャ「あんた結構食うね」

ジャン「お前がくれると美味い。相性が良いんだな」モシャモシャモシャモシャ

サシャ「ブラッシングしちゃるから帰っちゃらん?」

ジャン「帰らん!けど、してくれ」

サシャ「帰ってぇ……」スッスッ

ジャン「そこいい……あっ、そこいい……お前上手いな……」

サシャ「変な声出さんで!!」バチン

ジャン「ヒヒーーン!!」ビクッ

サシャ「こんアホ馬が!ん?」

ジャン「なんだよ」

サシャ「んんんんん!?えっ!?」ゴシゴシ

狩人の目の前には、一人の目付きの悪い相変わらず馬面な王子様がおりました。

ジャン「どうかしたのか?」

サシャ「馬は?」

ジャン「俺だが」

サシャ「ちょっこっち来てん!!」グイッグイッ

ジャン「おいおい、母屋の方に連れ込んでいいのかよ」

サシャ「はよー!」グイッグイッ

ジャン「さっきは一歩入っただけで怒ったくせによ。つーか後ろ足の感覚がおかしいな。俺二足歩行してね!?」

サシャ「いいから!」

サシャ父「そん男は誰や!いきなり連れ込んでからに!許さんぞ!?」

サシャ「ちょっうっさい!」

ジャン「お邪魔します」

>>8
サシャが干し草食ってるんじゃねえかw

サシャ「これ見てん!」スッ

ジャン「ん?鏡か。おー人間になってるな」

サシャ「そっちが本物なん?」

ジャン「そんなもんかな。これじゃ競馬出来ねぇな」

サシャ「あんた何者なん?」

ジャン「うーむ、王子?」

サシャ「まさか!競馬場も所有しとるキルシュタイン家の!?」

ジャン「あー、まぁ」

サシャ「騎手になっちゃる」

ジャン「馬じゃないし」

サシャ「うち嫌い?」

ジャン「可愛いと思うよ」

サシャ「よし結婚やね!」

ジャン「早いな!!」

サシャ「むふふ///」ギュッ

>>11あーミスです……。ジャンですね。

サシャ父「サシャ!サシャ!こら!誰かそん男は!!」ドンドンドンドン

サシャ「うちん旦那になる人やし」

サシャ父「なんてや!?」

ジャン「ちゃんと挨拶したほうが良くね?」

サシャ「そう?ならして」ガチャ

サシャ父「こらあああ!!なんうちの娘にちょっかい出しよっとか!!」

ジャン「すみません。初めましてジャン・キルシュタインです」

サシャ父「ん?キルシュタイン?」

サシャ「うん。ジャン王子」

サシャ父「あっこんなんで良かったらうちの馬鹿娘をよろしくお願いします」

サシャ「おーい、手の平返しー」

サシャ父「一応、これでも貴族でして。こんなお転婆でも姫なんですよ」

サシャ「ふふーん」フーッ

ジャン「可愛いですもんね。明るいし、騎手になってくれたら嬉しかったんですが。人間に戻ったので交際の方向でよろしくお願いします」

サシャ父「騎手?騎乗位がお好き?任せてください!狩人業もやってますから馬術的にグイグイッてなもんで!」

サシャ「ちょっ///」

ジャン「いや……俺、さっきの馬です」

サシャ父「馬?あーー!!どうりで顔と声が同じ訳だ!!」

ジャン「顔は違ってほしいよな」

【夜】

サシャ「むふふー」ギュッ

ジャン「一つ訊いてもいいか?」

サシャ「なん?」

ジャン「人間に戻ってからトントン拍子だった気がするんだが、気味悪くなかったか」

サシャ「そりゃ馬が人間になったんは驚いたけど……」

ジャン「悲鳴上げられてもおかしくはねぇよな」

サシャ「そうやね。うーん、うちの一目惚れかなぁ///」

ジャン「そうか、嬉しいな。これからも仲良く生きよう」

サシャ「うん!よろしくね!」

ジャン「おう、よろしく頼む」

【翌日】

マルコ「王子ー!ジャン王子ーー!!」

ジャン「お前……マルコか」

マルコ「はい!やっと骨折もだいぶ回復したので馬車でお迎えに上がりました!!」

ジャン「おぉ」

サシャ「えっ?なになに!?金色!馬が一杯!!」

サシャ父「なんやなんや!?こりゃビックリ!なんちゅう財力!!」

マルコ「こちらの方々は?」

ジャン「マルコ、俺このサシャと結婚するわ」

マルコ「なんと!なんとなんと!!いたたたっ」ビキッ

ジャン「無茶すんなよ。ボルト三本も入れてんだろ」

マルコ「さぁ!お城に帰りましょう!!姫様もご一緒に」

ジャン「おう、サシャ手を」スッ

サシャ「うん!行ってくるね!」

サシャ父「玉の輿に乗るんやぞー」

サシャ「ちょっと!?」

ジャン「ハハハハ、明るい親父さんで楽しい人だ」

サシャ「うちには恥ずかしいっちゃけど……」

マルコ「では!お城に向けていざ出発です!」

ジャン「おう、骨折に響くだろうから急がなくていいからな。ゆっくりでいい」

サシャ「ジャン優しいねぇ」

ジャン「マルコは良い奴だからな。前の騎手だし」

サシャ「あー!なるほど」

マルコ(良かった良かった)

マルコ(隣国のミカサ姫を、エレン王子に持っていかれ……まぁ最初から勝ち目はなかったけど)

マルコ(やさぐれて、どこぞの怪しいメガネかけた商人の薬を飲んで馬になったジャン王子が……)

マルコ(やっと新しい恋を!結婚を!!今日はなんて良い日だろうか!)ビキッ

マルコ「いてててっ……骨が軋む」

ジャン「お前、こんな時までパンか?」

サシャ「良いやない?そもそも、パンが無かったらジャンとも出逢うこと無かったんやから」

ジャン「それもそうか」

おわり

こんな感じでのんびりグリム童話のやって行きます。

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