お嬢様「あらあら、そうなの。…で?」(376)

お嬢様「なんなの?」

男「あ、あの…」

お嬢様「好きだから、何?」

男「そ、その……お、俺と…」

お嬢様「はぁ?」

男「ひっ…!」

お嬢様「何を言っているのかよく聞こえないわ」

男「…………」

お嬢様「もういい?私、今日はピアノのお稽古があるから」

男「ま、待って……!」

お嬢様「じゃあね」

男「……お、俺と付き合ってください!」

お嬢様「…はぁ?」

男「だ、だから、俺と付き合って…」

お嬢様「あなたみたいな貧乏人がこの私に?」

男「た、たしかにうちはあんまり裕福じゃないけど…」

お嬢様「身の程をわきまえなさい」

男「…っ」ビクッ

お嬢様「いつもクラスで目立たず騒がず、」

お嬢様「女子ともまともに話さないようなあなたが」

お嬢様「いきなりこの私に告白?笑わせないで」

男「………」

お嬢様「自分で言うのもなんだけど、私って結構モテるのよ?」

男「知ってます…」

お嬢様「なら、あなたの付け入る隙なんてない」

お嬢様「そういうこと考えないの?」

男「考えたよ。でも……」

お嬢様「知ってる?チャラ男君も私のことが好きなんだって」

男「えっ…?」

お嬢様「まあ、本人から聞いたわけじゃないけど」

男「………」

お嬢様「あなたがもし私の立場だったら、チャラ男君とあなた、どちらを選ぶと思う?」

男「……………」

お嬢様「それにしても全くと言っていいほど接点がないのに、よくもまあ告白なんてする気になんてなれたわね」

男「ま、全くじゃない…」

お嬢様「はぁ?ああ、そういえばこの前話したっけ?掃除のときに」

お嬢様「ここのゴミ塵取りで集めて捨てておいて、って」

男「………」

お嬢様「まさかこんな会話だけで好きになってしまったの?笑わせないでよ」クスッ

男「ち、違う…」

お嬢様「違うんだ。じゃあ何?」

男「…去年、体育の校外マラソンのときに、俺が途中でダウンしちゃって…」

男「そのときに色々助けてもらって…それで……」

お嬢様「ああ、それね。覚えてるわよ」

男「………!」

お嬢様「まさか、あのときのアレがあなたがだったなんて。ねえ?」

男「…?」

お嬢様「苦虫を噛んだような顔をしながら、口元を涎まみれにして荒い呼吸をしてたから」

お嬢様「その表情が焼き付いてしまってて。衝撃的だったわ」

男「う…そ……」

お嬢様「そっか。あんな醜態を晒していたのが、あなただったのね」

男「………」

お嬢様「よくもまあそんなファーストコンタクトで告白する気に…恥ずかしくないの?」

男「………」プルプル

お嬢様「あらあら、どうしたの?急に震え出して」

お嬢様「もしかして悔しい?それとも今頃羞恥心がこみ上げてきたの?」

男「………っ」

お嬢様「言葉も返せなくなっちゃったんだ」

クスクス…コソコソ…

男「え………?」

「あーあ、バレちゃった」

「いやあ、まさかあの男が告白するなんてな」

「キモーイ」

「ちょっとー、かわいそうだよー」クスクス

「俺内心ドキドキしちゃったよ。もしOKしたらって…」

「そんなのあるわけないだろ」

「ハハハハ!」

男「な……な……!?」

男「な…んで……」

お嬢様「え?なんでみんながいるのかって?」

男「………」

お嬢様「だって、あなたが呼び出しの手紙なんて書くんだもの」

男「みんなにバラしたの?」

お嬢様「あら、人聞きが悪いわね。あなたがあんな見つかりやすい場所に置いておくから」

男「だって…もし気づいてもらえなかったらって思ったら…」

お嬢様「本当馬鹿ね」

「そうそう。バカじゃないの」ケラケラ

「そんなの見つけたらウチらが興味持たないわけないじゃん」

男「………」

お嬢様「あら、もうこんな時間。外で車を待たせているのに」

男「………!」

お嬢様「じゃあね。私もう帰るから。また明日」

男「ま、待って…!」ギュッ

お嬢様「何、この手?離してよ」

男「せ、せめてちゃんと返事を…」

「おいおい、まだ諦めきれてないのかよ」

「あそこまで言われて」ゲラゲラ

「ひょっとしてアイツどさくさに紛れて手繋ぎたかっただけなんじゃないのぉ?」

「うわー、キモーッ…」

男「…………」

お嬢様「……下衆ね」

男「…………!」

「はい!下衆、いただきましたー」ゲラゲラ

「ウケルー」

「あーあ、男の奴、もう終わりだね」

男「…………」

お嬢様「今度こそ帰らせてもらうから。バイバイ」

男「………」

お嬢様「明日から、よろしくね?」クスッ

男「……………ウッ…」

「ブハッ、男の奴泣き出したよ、キモーッ」

「うわー…うわー……」

「本当これから楽しみだな」ゲラゲラ

「というかあいつ明日から学校来れんの?」

「ウチらイジメじゃん」ケラケラ

男「…………」

男「…………」

男「最悪だ…もう……」

男「学校になんて行きたくない……」

男「どうせイジメられるんだし…しかも…」

お嬢様『明日から、よろしくね』ニタァ

男「主犯格は、よりにもよってお嬢様…か」

男「……グズッ……ヒック…」

男「もういやだぁぁぁ……」

男「…とは言っても、休むわけにはいかない…」

男「今まで頑張って良い成績とってきたのに、こんなことで行きたい大学を諦めるわけには…」ガラッ

シーン

男「…………」

コソコソ…クスクス……

男「………………」

友「あ、男。おはよう」

男「……!お、おはよう…」

友「どうしたんだ?なんか顔色悪いけど…」

男「そ、そうかな…はは…」

英語教師「それじゃあ、隣の人同士で教科書の対話文読み合って」

男「…………!」

男(僕の隣は…昨日あの場にいた…)

「………AとB、どっち読む?」

男「え、あ、あの…どっちでも……」

「ウチもどっちでもいいんだけど」

男「そ、そっか…どうしよう…」

「じゃあウチがA読むから、Bの方読んでよ」

男「う、うん…わかった…」

男「……………」

数学教師「わかったかー?じゃあその下の問題解いてみろ。適当に当ててくから」

「あーやばい、俺教科書忘れたんだわー」

数学教師「じゃあ隣の人に見せてもらうなりしなさい」

男「…………!」

男(こいつも、昨日あの場にいた…)

「あー………悪いけど見せて」

男「あ、うん、いいけど…」

「どこの問題?」

男「えっと、ここの問題を3問」

「おう、サンキュ」

男「……………」

男(別に直接何か言われるわけでもなければ、暴力を振るわれるわけでもない…)

男(ただ……)

コソコソ…クスクス…

男(なんとなく、壁を感じる…)

友「男?飯買いにいこうぜ」

男「え?う、うん…」

友「どうしたんだ…?」

男「いや、なんでもない…」

友「………?」

男「あっ……」

友「どうしたんだ?」

チャラ男「今日はどこで食おっか?」

お嬢様「あなたのいない所がいいわ」

チャラ男「とかいいつつ、毎日俺と一緒に食ってるじゃんwマジツンデレwww」

お嬢様「別にあなたと一緒に食べたいわけじゃないの」

チャラ男「ツンデレセリフwwwマジウケるwww」

男「…………」

友「男?」

男「いや、なんでもない…」

男(チャラ男は昨日あの場にはいなかった…)

男(でも結構な人が見てたし、絶対チャラ男にも伝わってるよな…)

男(というかチャラ男の好きな人って、すでにみんな知ってたのかな…)

男(そうかもな…いつもああやって一緒にいるんだし…)

男(知らないのは俺を含めた極少数…か……)

チャラ男「じゃ、俺部活だから!そうだ、今夜も電話かけていい?」

魔女「ええ、忙しくて出れないかもしれないけど」

男(電話……)

男(俺もメアドか電話番号でも知ってたら、こんなことにはならなかったのかな…)

チャラ男「………あっ」

男「………!」

チャラ男「男wwwじゃあなwwwwww」

男「…………っ」

お嬢様「あら」

男「……!」

お嬢様「学校、ちゃんと来てたんだ」

男「…うん。気づかなかったの…?」

お嬢様「ええ。全く気づかなかったわ」

男「………」

お嬢様「ふふっ…学校楽しい?」

男「…おかげさまで」

お嬢様「怖ぁい。そんなに睨まなくてもいいじゃない」クスッ

男「………っ」

お嬢様「いたのならお喋りしにくればよかったのに」

男「なんで……」

お嬢様「あら、冷たいのね。もう心変わりしちゃった?」

男(そりゃ、あんなことされたら…)

お嬢様「ねえ、そっぽ向いてないで私と目を合わせたら?」

男「………」

お嬢様「まただんまり。昨日の勢いはどうしたの?」

男「その話はもう…」

お嬢様「忘れろって?勝手な人ね」

男「……」

お嬢様「あなたって男子の癖に結構まつ毛が長いのね」

男「え…?」

お嬢様「女子だって短い子もいるのに。ねえ?」

男「あ、あの…」

お嬢様「ねえ、もっとよく見せてよ」グイッ

男「…………!」カァァ

お嬢様「あら、顔真っ赤」

男「う、うるさい……っ」ドキドキ

「おい、あれ見ろよ…」

「なに?うわ、男…まだ諦めてなかったんだ…」

男「………え?」

「おーい!」

「何か変なことされてないー?」

男「な……」

男(は、ハメられた…!?また…っ)

男「…………っ」ダッ

お嬢様「あら?もう帰ってしまうの?またねー」

クスクス…

お嬢様「……本当、下衆ね」

男(くそっ…くそっ……)

チャラ男「明日土曜日だねー」

お嬢様「そうね」

チャラ男「学校も部活もないのかー。あー暇だなー」

お嬢様「へえ」

チャラ男「そうそう、暇なんだよー。超暇ー」

お嬢様「勉強すれば?」

チャラ男「休みの日まで勉強とかマジありえねwww」

お嬢様「そんなことないわよ」

チャラ男「……w それよりー、今見たい映画があってさーwww○×って奴www」

お嬢様「ああ、CM見た限り面白そうよね」

チャラ男「だよねwwだよねwwwそれでさ、もしよかったら…」

キーンコーンカーンコーン

チャラ男「………あw」

お嬢様「授業が始まるわ。席に戻らないと」

チャラ男「あ…また後で話そうwww」

男「………」

男(チャラ男と週末デートか…はぁ……)

男(って、なんでショック受けてるんだろ…)

男(未練がましいな、俺……)

お嬢様「あら、今日も来てたんだ」

男「………」

お嬢様「元気ないわね。寝不足?それとも私と話すのが嫌なのかしら」

クスクス… また男イジメられてる~…

男「………」

お嬢様「ねえ、話があるんだけど」

男「………?」

お嬢様「明日、あなた何か用事ある?」

男「えっ……?」

お嬢様「暇じゃないのなら、それはそれで別にいいのだけど…」

男(こ、これってもしかして…)

男「う、うん!暇だよ!」

クスクス…コソコソ…

お嬢様「クスッ…やっぱり暇なんだ」

男「え……?」

クスクス… ウケルー

お嬢様「そうだろうと思ったわ」

男(ま、またハマった…くそっ…情けない……)

お嬢様「それじゃあ…」

教師「席につけー。授業始めるぞー」

お嬢様「あら残念。お話は終わりね」

男「…………」

男(はぁ、何考えてるんだろ、俺…)

男(さっきチャラ男と遊ぶ約束をしているのを目の前で見てたじゃないか…)

男(なのに俺は…くそっ…)

チャラ男「ふぃー、やっと授業終わったー」

チャラ男「今日も一緒に弁当……って、あれ?いない…」

チャラ男「さっきの話の続きをしようと思ったのに」

「ねえチャラ男、明日のデートで告るの?」

チャラ男「うっせ、まだわかんねえよw」

「早くしないと他の人に取られちゃうよー?隣のクラスのイケメン君も狙ってるみたいだし」

「大丈夫大丈夫、この前お嬢様が男を虐めてたときにチャラ男に気があるみたいなこと言ってたよ」

チャラ男「ウッソ、それマジ!?」

「マジマジ!」

チャラ男「へへっ、じゃあもうちょっと告白は先延ばしに…」

「うわー、チキン」

チャラ男「待ってたら向こうから告ってくるかもしれないだろ?w」

>>43
魔女

お嬢様「こんな所にいた」

男「………」

お嬢様「お昼、今日はお友達と一緒じゃないの?」

男「どうでもいいだろ」

お嬢様「あら、冷たいわ」

男「そっちこそ、チャラ男はどうしたんだよ」

お嬢様「クスッ…嫉妬しているの?」

男「誰が…」

お嬢様「彼とはここのところずっと一緒だったから。たまにはいいじゃない」

男「………」

お嬢様「ねえ、隣いい?」

男「………!」

>>76
お嬢様の間違いでした
ごめんなさい

お嬢様「ねえ、明日暇なのよね?」

男「だ、だからなんだよ」

お嬢様「なら、二人でどこか遊びにいかない?」

男「は、はぁ?」

お嬢様「なによ、そんな声出して」

男「だって、そんな…それって本当に二人なの?」

お嬢様「どういうこと?」

男「どういうこともこういうことも…どうせ誰かが周りで見張ってるんでしょ?」

お嬢様「あら、鋭いのね」

男「…やっぱり」

お嬢様「あなたが嫌と言うのなら仕方ないわ」

男「嫌に決まってるだろ、そんな…」

お嬢様「クスッ…そうよね。それが普通よね」

男「とにかく、俺は…」

お嬢様「それなら私にも策があります。あなたも少し考えを改めてくれたら嬉しいわ」

男「は、はぁ?何を言って…」

お嬢様「あら、もうお昼休みが終わってしまうわ。楽しい時間はあっという間ね」

男(よくもそんなデタラメを…)

お嬢様「次は体育だから、あなたも早めに戻って着替えないと遅刻してしまうわよ」

男「………」

男(どういうつもりだ…だいたい、策ってなんだ?)

チャラ男「おい、男!ボール行ったぞ!」

男「えっ…あっ……」

チャラ男「あーもう何やってんだよおまえ!やる気あんの?」

男「ご、ごめん…」

チャラ男「はー、こういう奴いるとマジ萎えるわー」

男「………」

「チャラ男の奴、やけに荒れてるな。何かあったのか?」

「さぁ?」

男(策ってこういうこと?チャラ男を使って俺をいびって…)

チャラ男「オラッ」バンッ

男「いでっ!」

チャラ男「なんでお前そんなとこに突っ立ってるんだよ!邪魔邪魔!」

男「は、鼻血が…」

チャラ男「マイボマイボー」

男「………」

体育教師「大丈夫か?少し外れて休んでなさい」

男「はい…」

クスクス…あいつ鼻血吹いちゃってるよー…

男「…………」

お嬢様「うわっ、何その顔…」

男「………」

お嬢様「大丈夫なの、それ…?」

男「…鼻血出ただけだし、大したことないよ」

お嬢様「どうしたの?ボールでもぶつかってしまったの?」

男「そうだよ、詳しいね」

お嬢様「顔にボールの跡がついてるもの。それに転んだにしては傷がないし」

男「………」

お嬢様「まだ鼻血止まらないの?」

男「う、うん…」

お嬢様「そう…心配だわ…」

男(ど、どういうこと?これじゃまるで本当に心配してるみたいで…)

男(ええい、騙されるな!今までだってそうだったじゃないか…)

お嬢様「ねえ、明日のこと、考えてくれた?」

男「ちょ、ちょっと、なんでわざわざこんな所で…」

コソコソ…

男「……大体、策ってなんのことだよ」

お嬢様「それはこれから話し合うことだから、まだどうなるか分からないけど」

男「だからどういう…」

お嬢様「見張り役のことよ」

クスクス…お嬢様キッツーイ…

男の顔、チョーウケル…

男「………」

男「……朝…いや、もう昼前か」

男「…ハァ、無理に決まってるだろ…あんなに堂々と見張りがいることを言われて」

男「今日は何があっても外に出ないからな」

男「………」

母「男ー、アンタに電話かかって来てるよー!」

男「誰からー?」

母「アンタも隅に置けないわねー」

男「……?」

告白を断るどころか「よろしく」宣言してるし実は相思相愛なんだろうな

お嬢様「……本当、下衆ね」

これは

お嬢様「……本当、下衆ね(私の性格と私の取り巻きが)」

という意味だろうきっと

男「もしもし?」

お嬢様「おはよう。その声、寝起きね。ずいぶんお寝坊さんだこと」

男「その声、まさか…」

お嬢様「そう、その通りよ」

男「な、何の用だ…こんな朝から」

お嬢様「もうお昼前よ。それに何の用かはもう察しがついているんじゃないの?」

男「…俺は行かないからな」

お嬢様「どうして?一日暇なのでしょう?」

男「どうしてもこうしても……」

お嬢様「困ったわ、もうあなたの家の近くまで来てしまったのに」

男「え……? 」

男(ど、どうしてうちの場所を…やっぱりグルになってる誰かが教えたのか?それとも…)

お嬢様「もしもーし、聞こえてる?」

男「あの、なんでうちの場所を…」

お嬢様「ああ、正確に言うと、あなたの家の近くまで来ている『はず』なの」

男「はず?」

お嬢様「ええ。あなたって○×中学校の出身よね?」

男「え…うん、そうだけど…」

お嬢様「だからあなたの家はこの近くだと踏んできたのだけど…」

男「今どこに…?」

お嬢様「わからないわ」

男「えっ…」

お嬢様「私、今迷子なの」

お嬢様「困ったわ」

男「携帯で地図とか見れないの?」

お嬢様「この辺細い道が多いし、入り組んでいてよくわからないわ」

男「じゃあ周りに目印になるものとか…」

お嬢様「今、公園にいるわ。地図にない、とても小さな公園」

男「ん…そこって小さな滑り台と砂場しかない?」

お嬢様「ええ、そうよ。わかった?」

男「もしかしたら違うかもしれないけど…行ってみる」

お嬢様「ありがとう。待ってるわ」

男「お、おい…」ゼーゼー

お嬢様「随分遅かったわね」

男「遅いも何も、俺の家と学校を挟んで反対側じゃないか」

お嬢様「あら、そうだったの?そんなに学区が広いんだ」

男「………」

お嬢様「それにしても不便な所ね。バスしか通ってないんですもの。びっくりしたわ」

男「別にどうだっていいでしょ。バス停まで送ってあげるからあとは自分で帰ってね」

お嬢様「冷たいわね。あなたも折角ここまで来たんだから、二人でお出掛けしましょう?」

男「………」

>>105
君のせいでSSが止まる変わるなんて思わないけど
もしそうなった時一番悩むのは君だよ?

男(まさか…またハメられた…?道に迷ったのも全部演技で…)

お嬢様「なによ、急にそわそわして」

男「周りに誰かいるの?」

お嬢様「いないはずよ。そういう約束になっているから」

男「約束?」

お嬢様「とにかく、今日は二人きりなのよ。これでもまだ文句ある?」

男「………」

男(なんで先陣切って俺を虐めてる人が俺なんかと…)

男(や、やっぱり俺を馬鹿にする材料を見つけるために…)

男(こうしてる今だって誰かに見られて…)

お嬢様「ちょっと、落ち着きが足りないんじゃないの?」

男「そ、そんなこと言われたって…」

お嬢様「だから誰も見ていないって言っているでしょう」

男「なんでそんなに念を押す必要が…」

お嬢様「あなたがいつまでも疑っているからよ」

男(やっぱり信じられない……)

お嬢様「ねえ、どこ行きたい?そうだ、映画見に行きましょう?見たいものがあるのよ」

男「………」

>>125
このお嬢様キャラの性格が嫌いだから
このSSが止まろうと変わろうと俺は構わない

男(どこだ…どこから監視してるんだ…?)ソワソワ

お嬢様「………」

男(こんなに一杯人がいちゃわかんないよ…)

お嬢様「………」

男(それにしてもつまらない映画だな…お嬢様はこんなものが見たかったのか?)

男(……って…)

お嬢様「………スー…スー…」

男(ね、寝てるし……)

お嬢様「……ん…ぅ……」コクリ

男(ちょ、なんで肩に寄っかかって……!?)

男(ま、まさかこれも俺をハメるための作戦?く、くそっ…)

男(…結局抵抗できずにそのまま終わってしまった)

男(いい匂いだったな…それにすごいドキドキして…)

男(って、何考えてるんだ俺…いくら好きだった子とはいえ、相手は俺を潰しにかかってるんだぞ)

男「お、おい、いつまで寝てるんだよ…もうとっくに終わったぞ…?」

お嬢様「………ん……ん?」パチパチ

男「………」

お嬢様「おやすみ…」

男「ちょ、ちょっと、なんでまた俺の肩で寝るんだよ!」

お嬢様「まったく、損した気分だわ」

男「途中からずっと寝てたから見れなかったもんね」

お嬢様「何を勘違いしているの?入場料のことじゃないわ。これだから貧乏人は」

男「………」

お嬢様「ねえ、お昼どこで食べる?」

男「え、まだ終わらないの?」

お嬢様「何言っているの、当たり前でしょ。まだまだこれからよ」

男「………」

お嬢様「まずまずの味ね、このパスタ。まあ値段相応なのかしら」

男「俺にはちょっと高いけど…」

お嬢様「あらあら、お金をはたいてもこの程度のものしか食べられないの?無様ね」

男「ちょ、ちょっと、お店の人に聞こえちゃうよ」

お嬢様「何をそんなに怯えているの?本当のことじゃない」

男「はぁ…」

お嬢様「うちのシェフに作らせたものの方がずっと美味しいわ。そうだ、よかったら今度はうちにお夕飯を食べにきなさい」

男「えっ…?」

お嬢様「遠慮することはないわ」

男(こ、これも罠なんだ…俺をぬか喜びさせておいて…)

お嬢様「ねえ、次はあっちに行きましょう?」

男(罠なんだ罠なんだ…手を繋いでくるのも全部罠なんだ…)

男(その証拠に、さっきからずっと視線を感じる…被害妄想なんかじゃない)

男(やっぱりハメられてるんだ、俺…)

お嬢様「ねえねえ、あれ見て!」

男「………」

お嬢様「…どうかしたの?」

男「いや、なんでも…」

男(いつまでデートごっこなんか続けるんだろ…いい加減ネタバラシすればいいのに…)

お嬢様「今日は楽しかったわ」

男「そ、そっか…」

お嬢様「また二人で遊びに行きましょうね」

男「………」

お嬢様「どうかしたの?」

男「いつまでこんなこと続けるの?」

お嬢様「はぁ?なんのことかしら」

男「とぼけないでよ。気づいてたんだよ?ずっと後ろから誰かが着いて来るの」

お嬢様「そんなはずは…」

男「いつまでも俺のことを馬鹿にしやがって!もう頭にきたからな!」

お嬢様「気を悪くさせたのなら謝るわ。でも…」

男「そこに隠れているのは分かってるんだぞ!出てこい!」

お嬢様「ちょ、ちょっと…」

男「で、出てこないのならこっちから行くからな!」

お嬢様「う、うそ…」

男「わ、わああああああ!!!」

男「わあぁ…って、ひいいぃぃ!!」

お嬢様「男?まさか……」

男「ごめんなさいごめんなさい!何かするつもりはなかったんです、許して下さい!」

黒服A「どうします?コイツ…」

黒服B「と、とりあえず早くここから離れないと…」

お嬢様「やっぱり…あなたたち。約束が違うじゃないの」

黒服「も、申し訳ございません!お嬢様!」

男「………へ?」

お嬢様「ごめんなさい、彼らは私のボディーガードなの」

男「は、はあ…」

お嬢様「普段からこうして遠くから護衛をしてくれいるのだけど、あなたが嫌がるから今日は外してもらう約束だったのよ」

お嬢様「そうだったわよね?あなたたち」

黒服A「申し訳ございません!…しかし、話が違うじゃないですか!」

お嬢様「なんのことかしら」

黒服A「お嬢様は、今日は信頼できる優秀なSPがずっと側にいる、と仰っていました」

お嬢様「ちょっと、それ言わないでよ」

黒服A「しかし、実際に来てみれば何ですか!あなたと年も変わらない普通の子供じゃありませんか!」

お嬢様「黙りなさい。だいたい何故見にきたのよ。約束通り携帯のGPSは切っていないじゃない」

黒服B「しかしですね…」

男(どうなってるんだこれは…)

お嬢様「ごめんなさい、こんな事になってしまって」

男「い、いや…」

お嬢様「思い返せば、あなたずっと挙動不審だったものね。私もちゃんと気づくべきだったわ」

男(いや、それは別の理由なんだけど…)

お嬢様「でも、さっきのあなたは面白かったわ」

男「え…?」

お嬢様「意気揚々で挑んだものの、出てきたのが黒服と分かるなりすぐに謝罪を始めて」

お嬢様「最後に笑い話が作れてよかったわ」クスッ

男「」

お嬢様「またね。明日はゆっくり休んで頂戴。月曜日にまた会いましょう」

男「………」

男(何を油断しているんだ、俺は…最後の最後で……)

男(月曜日、今度はどんな目にあうんだろう…)

男(またみんなに酷いこと言われて…お嬢様にも……)

男(何で言われるがままについていっちゃったんだろうな…)

お嬢様『下衆ね』

男(あんな酷い振られ方をして、こんなに長く陰湿なことされて…)

男(やっぱり俺には高嶺の花だったんだ…なんで好きになっちゃったんだろう…)

男「…………」

~~~

男「ハッ、ハッ、ひいぃ…」

男「やっぱり、体力ない奴に、こんな長距離マラソンなんて、む、むり…」

男「ゼー…ゼー…苦しい……」

男「肺から変なにおい…味が……ゲホッゲホッ…」

男「ゼー…ゼー…これ、もう歩いた方が早い気が…」

男「でも、今ここで走る体制を崩したら、もう一歩も動けなくなりそう…」

男「が、頑張らないと……」


「おい、あいつ大丈夫なのか?」

「うわ、キツそうな顔してるな。ま、いっか、抜かしてこうぜ」

男「ゼー…ゼー……」

男「ぐるじい……頭も痛い……」

男「も、無理かも…」

男「無理…かも?いや、無理……絶対無理だ………」

男「も、もう、ダメ……」

バタッ

男「ゼー…ゼー……」

「あーあー、あの人こんな畑しかない所のど真ん中で倒れてるよ」

「知らない人だね。他のクラスの子?どうする?助ける?」

「いいよ、めんどくさいし。他の誰かがやってくれるでしょ」

「そうだねー。それにヨダレ垂らしててキモイし」

男「だ、誰か…水……」

「………!」

男「そ、そこの……み、水、ください……」

「ご、ごめんなさい…私、持ってないです…」

「う、後ろから来る人が持ってるかもしれませんので…あの、じゃ、私先に行きますから…」

男「そ、そんな…待って……!」

男「ハァ、ハァ、だ、誰か……」

男「苦しい…息が……」

男「ゲホッ…ゲホッ……」

お嬢様「そこの…そこのあなた」

男「ゼー…ゼー…」

お嬢様「大丈夫?意識はある?」

男「み、水……」

お嬢様「大丈夫のようね。待ってて、今自動販売機探して買ってきてあげるから」

男「ゼー…ゼー…」

お嬢様「待たせてごめんなさい。買ってきたわ」

男「あ、ありがと…ゲホッ、ゲホッ…」

お嬢様「落ち着いて。気管支に入ってしまうわよ」

男「んっ…ゴクッ、ゴクッ…」

お嬢様「どう、少しはよくなった?」

男「待って、まだ、ちょっと…」

お嬢様「大丈夫よ、あなたが落ち着くまで側にいてあげるから」スリスリ

男「………」

お嬢様「だいぶ落ち着いたみたいね」

男「あの…ありがとう…」

お嬢様「いいのよ、私は当然のことをしただけだから」

男「いや、そんな…」

お嬢様「それにしても、あなた無茶しすぎよ。つらいと思ったら休まなきゃ」

お嬢様「真面目な姿勢で授業に臨むのも大切な事だけど、一番大事なのは自分の体なんだから」

男「はい…すいません…」

お嬢様「なに凹んでるのよ。おかしな人」クスッ

男「あの、俺はもう大丈夫だから、君は先に行っても」

お嬢様「何言っているの?全然大丈夫じゃないわ」

男「いや、でも、このままじゃ君もどんどん遅れちゃうよ」

お嬢様「私のことは気にしないで」

男「お、俺の方こそ…心配しないで。俺も良くなったらまた走り始めるから」

お嬢様「あなた、このまままた走ろうとしてたの?」

男「え?うん…そうするしかないかなって…」

お嬢様「バカ。少しは自分の体の心配をしなさい。また倒れるに決まってるじゃない」

男「で、でも…」

お嬢様「待ってなさい。さっき公衆電話を見つけたから、それで先生に電話して車で迎えにきてもらいます」

男「ごめんね、何から何まで…」

お嬢様「困ったときはお互い様だから。私こそあなたをダシにして一緒に車に乗ってきてしまって申し訳ないわ」

男「そ、そんな…そうだ、お金返さないと」

お嬢様「ああ、いいのよ、それくらい。気にしないで」

男「いや、でも迷惑かけた上におごりだなんて…」

お嬢様「本当にいいのに…」

男「あの、今日は本当にありがとう」

お嬢様「クスッ…どういたしまして」

~~~

男「そうだ、俺はお嬢様にこうして助けてもらって…」

男「…こんなことで惚れちゃうなんて、やっぱり変だよな…」

男「でも、あのときのお嬢様は間違いなく救いの女神だったんだ」

男「…2年生になってお嬢様と一緒のクラスになれて喜んでたのに」

男「こんな仕打ちだなんて…」

男「…あんなに優しくしてくれたのに、クラスでも上品に振舞ってたのに」

男「そんな姿を見ていてますます好きになっちゃったのに…」

男「いざ告白したら突然顔色を変えてあんな酷いことを言われて…」

男「…ハァ、今日のこともまたネタにされるのかな」

男「月曜日がつらい…」

「ねえねえ、この前の土曜日、あのキモイ男と一緒にいたでしょ?」

お嬢様「ええ、それが?」

「休みの日までイジメwキッツーイ」

お嬢様「いえ、私は…」

チャラ男「俺と遊ぶ約束を断ったと思ったら、そんなことしてたんだ……w」

お嬢様「ええ。何か?」

チャラ男「………w」

チャラ男「まあいいや、キモ男が何してたか教えてよw」

お嬢様「あら、聞きたいの?」クスッ

チャラ男「聞きたい聞きたいw他にもお嬢様達を影から見張ってた奴らも話聞かせてよwww」

……………

チャラ男「あ、あれ…?もしかして他のクラスの子…?w」

ガラッ

男「…………」

チャラ男「男、堂々と来てるしwww」

チャラ男「まあいいや、あんか奴ほっといて男のウケる話聞かせてよwww」

男「」ビクッ

お嬢様「ちょっと待って、あの人に話少し話があるから」

男「………!」

男(な、なに…?吊るし上げ…?)

お嬢様「今日も来れたんだ」

男「う、うん…な、なにか…?」

お嬢様「いいえ、偉いわよ」

「そーそー、偉いねー。イジメにも屈せずに」クスクス

男「………」

お嬢様「でも学校に来てくれたのなら挨拶してくれないと寂しいわ」

「そうそう、ボスにはちゃんと毎朝挨拶に来いよ」

「ボスwwウケるwww」

お嬢様「………下衆が」

男「え…ご、ごめんなさい」

チャラ男「wwwwwwwww」

チャラ男「おい、男!お前調子に乗りすぎなんだよwww」グイッ

男「別に乗ってないよ!」

お嬢様「ちょっと、やめなさい」

チャラ男「反抗するんだwへえーwww」

チャラ男「お嬢様?こいつどうすればいい?www」

お嬢様「どうもしないわ。離してあげて」

チャラ男「……w」

チャラ男「懲りずにお嬢様の機嫌取ろうとして、話しかけたり、遊びに行ったりwww」

チャラ男「フラれた癖に未練がましいんだよwwwお前www」

男「た、確かにフラれたけど、別にそんなこと…」

お嬢様「ちょっと…ちょっと待って」

チャラ男「ん?なに、お嬢様?」


お嬢様「私、別にフったつもりなんてないのだけど」

男「え」

チャラ男「」

「…………………」

男「あ、あの…」

お嬢様「なに?」

男「いつから俺と付き合ってることに…?」

お嬢様「あら、帰り際にちゃんと返事をしたじゃない」

男「帰り際…?って、まさか…」

男「『明日からよろしく』ってそういう意味…?」

お嬢様「恥ずかしいから言わないで」

男(完璧に勘違いしてたよ…)

ごめんなさい
一つ飛びました
>>268は無しで

男「ふ、フラれてなかったの!?俺」

お嬢様「もうお付き合いしているつもりだったわ」

チャラ男「」

男「で、でも、俺のことを下衆って…」

お嬢様「それはあなたに言ったことじゃないわ」

お嬢様「ねえ?私に媚びへつらい、男のことをいじめるみなさん?」

「…………」

チャラ男「……………」

お嬢様「…今までこんなこともちゃんと言えなかった私だって、十分最低だけどね」

ガラッ

担任「お前ら、なにやってんだ。早く席戻れー」

男「あ、あの…」

お嬢様「なに?」

男「いつから俺と付き合ってることに…?」

お嬢様「あら、帰り際にちゃんと返事をしたじゃない」

男「帰り際…?って、まさか…」

男「『明日からよろしく』ってそういう意味…?」

お嬢様「恥ずかしいから言わないで」

男(完璧に勘違いしてたよ…)

男「でも、なんで俺にあんな酷いことを…」

お嬢様「…照れ隠しよ」

男「照れ隠しって…」

お嬢様「周りでみんなが監視しているってわかってたから」

男「あ、そっか…」

お嬢様「それに、面と向かって気持ちを伝えられることなんて初めてだったから」

男「え…!?」

お嬢様「クスッ…結構嬉しかったわよ」

男「う、うん…」

お嬢様「おかしいとは思っていたけど、やっぱり私の気持ちがちゃんと伝わっていなかったのね」

男「ごめん…」

お嬢様「謝らないで、私がきちんと言わなかったのがいけないのだから」

男「う、うん…」

お嬢様「時間が戻るのからやり直したいわ」

男「………」

お嬢様「…私もあなたのことが好きです」

男「え…急になに…!?」

お嬢様「こんな酷い目にあっても、まだ私とお付き合いを続けてくれますか?」

男「………!」

お嬢様「…どうなの?」

男「…………」

お嬢様「…………」

男「…………」

お嬢様「…………」

男「…………」

お嬢様「…………」

男「…………」

お嬢様「………ん」

男「…………」

お嬢様「………」

男「……」

お嬢様「……ぷはっ」

男「…キス、しちゃったね」

お嬢様「バカ」

男「最近はみんなから特に何も言われなくなったよ」

お嬢様「そう、それはよかったわ」

男「でも、お嬢様も…」

お嬢様「もともと上辺だけの付き合いだったもの。話すことがなくなったって別になんとも思わないわ」

男「そっか…」

お嬢様「それに、あなたが側にいてくれるし」

男「はは…照れるな…」

お嬢様「ねえ、男?週末は空いているかしら?」

男「う、うん…大丈夫だけど」

お嬢様「ならうちにお夕飯を食べにきなさい。そういう約束だったでしょ?」

男「いいの?」

お嬢様「勿論よ。お父様とお母様にもあなたのことを紹介したいしね」

男「え…それはちょっと緊張…」

お嬢様「クスッ…楽しみにしてるわ」

魔女「あらあら、こんな所に人間が落ちているわ」

許嫁「あらあら、随分お寝坊さんなのね」

許嫁「うわっ、汚い部屋…」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月11日 (水) 22:02:44   ID: NXjzrFbe

糞ですね。わかります。

2 :  たくおおおおおおお   2016年03月19日 (土) 02:59:39   ID: QlWXog7H

ちょい胸糞だわ

3 :  SS好きの774さん   2016年05月09日 (月) 21:18:15   ID: TlfLpDw8

シネって感じ

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