櫻子「歳納先輩殺人事件」(65)

~合宿中~

~夜~


京子「あやの、プリン食べてもいい?」

綾乃「え、だ、だめよ、それ、私のだもの!」

京子「えー、いいじゃん、じゃあ、半分あげるから、さ?」

京子「はい、あーん♪」

綾乃「え、え、ちょ///」

綾乃「……///」パクッ

京子「美味しい?」

綾乃「///」コクコク

京子「そ、良かった」ニコ

綾乃(ああ、可愛い、歳納京子、可愛い、私だけのものにしたい…)

綾乃(どうすれば、私だけの物になるだろ…どうすれば…どうすれぱ…)

コンビニかと思ったぞ

コンビニじゃなくて良かった

コンビニの奴は基本的にスレタイのセンス無いからな

櫻子「杉浦先輩、何か大きな音が聞こえましたけど…て…え?」ガラッ

綾乃「大室、さん…」

櫻子「え、と、歳納先輩が、た、倒れて…あ、頭から、血が…?」

綾乃「ち、違うのよ、大室さん、違うの、私、何もしてないの」

綾乃「私が戻ってきた時には、もう、歳納京子が、倒れてて…」

櫻子「え、じゃ、じゃあ、その、机の下に置いてある、ハンマー…」

櫻子「そ、それ、何なんですか…?」

綾乃「え、知らない、私、知らないわ…そんなの知らない!」

あかり「櫻子ちゃん、どうしたの?」

あかり「え、きょ、京子ちゃん…ど、どうしたの!京子ちゃん!」ユサユサ

櫻子「駄目だよ、あかりちゃん、無暗に揺すったら」

あかり「け、けど、櫻子ちゃん、京子ちゃんが、京子ちゃんが死んじゃうよお…!」

櫻子「あかりちゃん、ごめん、ちょっと船見先輩達、呼んできて」

櫻子「早く!」

あかり「う、うん、わ、判ったよ、櫻子ちゃん…!」タッ

綾乃「歳納京子…どうして、どうしてこんなことに…」ポロポロ

櫻子「……」

~数分後~

結衣「そ、そんな…京子が、大怪我だなんて…ほ、本当なの?大室さん」

櫻子「病院には私から電話しておきました」

櫻子「けど…この嵐のおかげで、到着が遅れるようです」

ちなつ「櫻子ちゃん、京子先輩、命に別条はないんだよね?」

ちなつ「大丈夫なんだよね?」

櫻子「うん、大丈夫、生徒会で習った応急処置をしておいたから」

櫻子「傷自体、大きくなかったというのも理由だけど…」

櫻子「今は、隣の部屋で安静にして貰ってるよ」

櫻子「けど、あまり騒ぐと良くないから、無暗に入らない方がいいかも…」

あかり「良かった…本当に、良かったよぉ…」グスン

結衣「ああ、京子、運はいいからな…机で頭を打ったくらいで、死ぬはずないよ…」

櫻子「……」

櫻子「……そんな事より、問題が一つあるんです」

ちなつ「問題…?」

櫻子「実は、事故現場に、ハンマーが残されてました…」

櫻子「そのハンマー、警察が来た時の為に触らず残してるんですけど…」

櫻子「どうも、血がついてるみたいなんです」

ちなつ「え……」

あかり「そ、それって…」

結衣「……待ってよ、それって、本当に血なの?ちゃんと確認した?」

櫻子「触れてまでは確認は出来てません」

櫻子「けど、あれは、血でした、ぬるっとした質感見れば、判りますよね、女の子なんですし」

結衣「……」

ちなつ「櫻子ちゃん、何が、言いたいの?」

櫻子「これが、殺人未遂事件の可能性がある…って事です」

あかり「そ、そんな…きょ、京子ちゃんが、殺されそうになったってこと?」

あかり「どうして、そんな、京子ちゃんが人から恨まれるはずないのに…」

櫻子「あかりちゃん、人は、憎悪以外の理由ででも、人を殺す物なんだよ」

あかり「櫻子…ちゃん…?」

結衣「大室さん」

結衣「確かに、ハンマーに血がついてるのは、不自然だけどさ」

結衣「京子が転んで机で頭を打った時に、血が出たんだよね?」

結衣「なら机の下のハンマーに血が飛び散ったって可能性も、あるんじゃないかな?」

櫻子「……」

櫻子「そうですね、それも有り得ます」

櫻子「だからこそ、可能性という話にしてあるんですよ、船見先輩」

馬鹿が櫻子じゃないだと…?

こんな櫻子知らない

スレタイからするとこのあと京子は死ぬのか

結衣「可能性…という話なら、するべきじゃないと思うよ」

結衣「ちょっと、不謹慎だしさ…」

櫻子「……すみません、確かに、皆さんの気持ちを考えてなかったかもしれません…」

結衣「あ、いや、良いんだよ…」

ちなつ「そ、そういえば、杉浦先輩はどうしたんです?」

ちなつ「確か、事故現場に居合わせたって聞きましたけど…」

櫻子「……」

櫻子「杉浦先輩は、ちょっとショックが多かったみたいで、休んでもらってます」

結衣「そ、そうか…そりゃ、ショックだったろうな…血まみれの京子を見たんだし…」

櫻子「……」

あかり「さ、櫻子ちゃん?何か顔が、怖いけど…」

櫻子「あ、うん、ごめん、何でもないよ」




フッ



あかり「え、で、電気消えちゃったよ…!」

ちなつ「て、停電かな?ど、どうしよう、懐中電灯とか、誰か持ってる?」


ガタガタガタッ


あかり「ひっ!な、何の音…!?」

ちなつ「こ、この音、隣の部屋から、聞こえなかった?」

あかり「きょ、京子ちゃんが、起きたんじゃ…?」

あかり「京子ちゃん!大丈夫!?京子ちゃん!」タッ




ドカーン



あかり「へぶっ!」コロン

あかり「い、いたた…襖にぶつかっちゃった…」

ちなつ「あ、あかりちゃん、大丈夫!?もう、前が見えないのに…」

櫻子「携帯のライト機能使えばいいよ」パッ

ちなつ「あ、なるほど…櫻子ちゃん、今日は冴えてるね」パッ

櫻子「あかりちゃん、無事?」

あかり「え、えへへ、大丈夫だよ、櫻子ちゃん、ちなつちゃん、ありがとうね」

ちなつ「もう、心配掛けさせないでよ…」

結衣「お、おい!皆、部屋の中、み、見て!」

ちなつ「結衣先輩?」

ちなつ「……え?」

ちなつ「きょ、京子先輩の…胸に、ナイフが…刺さって…」

あかり「え、そ、そんな…嘘…京子ちゃん…京子ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

支援

おい




おい

櫻子「……だめ、歳納先輩、死んでる…」

結衣「う、嘘…嘘だよね、そんな、京子が、京子が死ぬはずは…」

ちなつ「そ、そうだよ、櫻子ちゃん、お医者さんでもないのに、どうして判るの?」

ちなつ「死んでないよ、京子先輩、もうすぐ救急車も来るし、きっと…」

あかり「……」ボーゼン

櫻子「……みなさん、目を覚ましてください」

櫻子「心臓にナイフが突き刺さってるんですよ」

櫻子「あんなに深く…それで、生きてるはずは、ありません…」

この櫻子にはなにがあったんだ

ちなつ「そんな…そんな、嘘…京子先輩」ポロ

ちなつ「京子先輩…もう、会えないなんて…喋れないなんて…そんなの、ないよ…」ヘタリ

結衣「ちなつちゃん…」

結衣「私も、信じられない…どうして、いったい誰がこんな事を…」

あかり「……」ボーゼン

櫻子「……」

櫻子「すみません、ちょっと、みなさん、聞いてください」

ちなつ「……」グスン

あかり「……」ボーゼン

結衣「……なに?大室さん…」

櫻子「あ、その前に…杉浦先輩も呼ばないと」

結衣「……だから、なに」イラッ

櫻子「判ったんです、犯人が」

犯人がわかっただって!?

~数分後~

綾乃「ま、まさか…嘘、嘘でしょ、歳納京子が…こんな…」ガクッ

結衣「あ、綾乃…」

ちなつ「櫻子ちゃん、酷いよ、こんな状態なのに、杉浦先輩を呼んでくるなんて…」

あかり「……」ボーゼン

櫻子「……ごめん、ちなつちゃん、どうしても必要な事だから」

向日葵がいないな・・・

犯人はヤス

結衣「犯人が判ったって言って、綾乃を呼んだって事は…」

結衣「もしかして、綾乃が犯人だとか言い出すつもりじゃないよね?」

櫻子「……正直、最初に歳納先輩が頭を打った事件は、杉浦先輩の犯行だと思ってました」

綾乃「……」

結衣「大室さん、本人を前にして、良くも、そんな事を…!」

櫻子「事件を整理しましょう」

櫻子「まず、歳納先輩が頭を打って大怪我を負った…」

櫻子「そのあと、停電が起こり…」

櫻子「歳納先輩が寝てる部屋で何か物音がして」

櫻子「私達が部屋を覗くと歳納先輩がの心臓にナイフが突き刺さっていた…」

櫻子「そして、その場には私・船見先輩・あかりちゃん・ちなつちゃんしか居なかった…」

櫻子「そうですよね、船見先輩」

結衣「な、何で私に聞くの」

結衣「…まあ、間違ってはいないんじゃないかな」

櫻子「では、ここで杉浦先輩が犯人だった場合を考えてみましょう」

櫻子「まず、歳納先輩の頭をハンマーで殴打…」

綾乃「……」

結衣「言い方考えろよ…」イラッ

向日葵どこー?

櫻子「……そして、休んでる事を口実に私達の知らない所でブレーカを落とし停電させる」

櫻子「杉浦先輩に出来るのは、ここまでなんですよ」

櫻子「だって、私達が携帯ライトを持って歳納先輩が寝てる部屋に入った時」

櫻子「杉浦先輩はそこに居なかったんですから」

結衣「じゃあ、犯人じゃないんだろ」

櫻子「ですね、犯人ではないと思います」

結衣「何が言いたいの、大室さん」

結衣は良い子

櫻子「あかりちゃんや、ちなつちゃんにも、犯行は不可能ですよね」

櫻子「だって、停電が起こってから、ずっと二人は声をあげて騒いでましたし」

櫻子「私も、あかりちゃんが襖にぶつかった直後に声を出してますから、無いと言えるはずです」

結衣「……で?」

櫻子「そうなってくると、残された可能性は…」

櫻子「船見先輩、貴女だけ、という事です」

また結衣がクズなのか

結衣「私が、京子を、殺した?この、私が?」

結衣「というか、停電した時、私は大室さんの目の前に居たじゃないか!」

櫻子「私達が停電に戸惑ってる隙に、隣の部屋に入り、歳納先輩を刺し殺すことは可能です」

結衣「けど!あの時は真っ暗だっただろ!」

櫻子「ここは船見先輩が1年以上過ごした娯楽部の部室ですからね」

櫻子「真っ暗でも隣の部屋まで何歩で行けるかくらい判るんじゃないですか?」

櫻子「隣の部屋にさえ入って襖を閉めてしまえば、携帯ライトも使えますし」

結衣「そ、そんな強引な推理、ありえないだろ…」

櫻子「そうですか?」

櫻子「まだ入部して日の浅いあかりちゃんでさえ、真っ暗な中で歳納先輩の部屋の方角くらいは判ったんですよ?」

櫻子「まあ、あかりちゃんは襖にぶつかってましたけど…」

櫻子「船見先輩ならあかりちゃんより上手くやれたんじゃないですか?」

櫻子「歳納先輩を刺し殺した後は…何食わぬ顔をしてこちらの部屋に戻って、改めて死体を発見したように装う…」

櫻子「そうしておけば、船見先輩が歳納先輩の部屋に入ってたなんて、誰も思わないでしょうから」

結衣「……100歩譲ってそうだとしても」

結衣「それは停電が起こる事を前提とした話だよね」

結衣「私はあのタイミングで停電を起こす事が出来ない…」

結衣「運に頼った犯行だった…とでも言うつもり?」

櫻子「確かに、船見先輩一人では、無理だったでしょうね」

櫻子「けど、杉浦先輩を利用したなら…話は違います」

結衣「綾乃を…?」

この櫻子頭打ってんだろ

櫻子「時系列別に語って行きましょう」

櫻子「まず、歳納先輩と杉浦先輩がイチャついてる様子を船見先輩が目撃」

櫻子「杉浦先輩が外に出た隙に、船見先輩は歳納先輩に詰め寄り…そのままハンマーで殴打」

櫻子「戻ってきた杉浦先輩を脅迫…」

櫻子「内容は、歳納先輩の命を助ける代わりに事件のもみ消しに協力しろ…と言ったところでしょうか?」

櫻子「そして、時間を指定してブレーカを落とすように杉浦先輩に指示」

櫻子「あとは、先ほど説明したトリックで歳納先輩を今度こそ殺害…」

櫻子「杉浦先輩、さぞ驚いたでしょうね、歳納先輩を助ける為に起こした停電で」

櫻子「歳納先輩が殺されてたんですから」

櫻子「でも、そんな事は誰にも言えません」

櫻子「だって、杉浦先輩は、その時点で共犯者になってるかんですから…」

櫻子「さっきから一言も喋ってないのは、そういう事ですよね?杉浦先輩」

綾乃「……」

ちなつ「ゆ、結衣先輩…まさか…?」

結衣「ちなつちゃん、違うよ、言いがかりだ」

結衣「こ、こんな穴だらけの推理、信じちゃだめだよ!」

結衣「あ、綾乃も何か言って!」ユサユサ

綾乃「……」


ピーポーピーポー


櫻子「ああ、やっと来たみたいですね、パトカーと救急車…」

゙、\_ノ  i o (    )      ,' メ ヘ     。   / oへ、     `、_メ
 ` 、゙   ノ /`;;;;;_ノ      ,' メ /::`、 o    / /_____\    `、     ◯  o
  \  i,//´   o   .,' メ /二:`、     i  | |ロ|ロ| | 。    `、           o
   i  ◯/    。    ,' メ /|iロiロ|`、  。  i.__|_|ロ|ロ|_|      ○   。
  /   / 。          ,' メ /..|iロiロ|..`、   O    ̄ ̄ ̄ o    `、     。  *
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ノ、.......,iー.  __ ..(_  _)....|..|| |$:::::::::| | |二ニニ二ニニニ二ニニニ|`ー-、.,_.................................
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◯  。        ゚    ゚。 o_,,,,,,    ◯  。        ゚    ゚。 o
               .-'''"-─ `ー,-i'⌒ヽ''''''i-、,,

     o       ,.-,//`` ⌒ー /(    )::::::!,,  \
          ⌒(  ,'(   京子 i: :`;;;;;_ノ::;ノ⌒ヽ-、,,/''ー'''"7⌒o
           ヾ`''|  :;,,___ノ   |:::::::::::::::::::::}     ``ー''"⌒    ○
   o          !       '、::::::(  ):::i
      ○     ⌒ヽ''、 `-=''''フ'ー''ヽ、::::::::::/ヽ、-─-、,,-'''ヽ o

                 \_/⌒ヽ'   ヽ--く   _,,,..--┴-、 ヽ⌒

結衣「え、ぱ、パトカー?」

櫻子「当然、皆を集める前に連絡してありますよ」

櫻子「逆上した犯人に殺されたりしたら、怖いですし…」

結衣「私は、やってない…やってないって!」

綾乃「……」

櫻子「それは…警察に言ってください、探偵櫻子の仕事は、ここまでですから…」

33レス探偵か

京子「殺人犯が居ると聞いてきましたー!」バーン

櫻子「さあ、船見先輩、潔くお縄についてください…」

結衣「 」

ちなつ「 」

綾乃「 」

あかり「 」

京子「いやあ、大成功だったね、櫻子ちゃん」

京子「というか、櫻子ちゃん、あそこまで演技が出来るとは思ってなかった!」

櫻子「えへへ///歳納先輩が用意してくれた無線イヤホンのおかげですよ///」

櫻子「歳納先輩からの指示を理解するのに苦労して、行動までにタイムラグが出たりしちゃてまいしたけど」

櫻子「まあ、後半は歳納先輩が言って来る内容をそのまま口に出してただけなので、超楽でした!」

櫻子「歳納先輩こそ、死んだふりの演技、凄かったです!」

京子「いやあ、ビックリナイフ胸につけて寝てただけだよ///」

これって無視されるやつ前の話?

京子「それにしても、綾乃がショックで部室から出て行った時はビックリしたよね…」

櫻子「はい、元々『杉浦先輩殺人犯事件』として立ち上げた企画ですし」

櫻子「杉浦先輩が部室に居ないと成立しませんでしたので…」

京子「まあ、駄目もとで結衣を犯人にしてみたんだけど…思ったよりすんなり行ってびっくりしたよ!」

櫻子「よーし、じゃあ、次の企画、ちなつちゃん一人ぼっちの廃旅館事件も、この調子で頑張りましょう!」

京子「うん、まあ、その前に、皆の怒りを鎮める事から始めようか…」

櫻子「向日葵がいなくて、本当に良かったですよ、あいつ、手加減しないから…」

あー、こりゃみんなに無視されても仕方ないな

自業自得ですわ

~数日後~


結衣「あの二人を無視したらどうなるか」

ちなつ「いいんじゃないですか、ちょっとお灸をすえといた方が」

ちなつ「こないだは二人をボコボコにしてなんとか怒り納めましたけど」

ちなつ「最近、ちょっと酷いですし、二人の悪戯」

綾乃「そ、そうね、私達の大切さを、想い知らせてあげましょう!」

結衣「じゃあ、決行は明日からで…生徒会の皆にも、話通しておいてね」





乙。


>>14の時点で結衣がハンマーが机の下にあるってことに気づいてるのは可笑しいから結衣が犯人だなと思ってたら全然違ったでござる

>>57
この前の無視してみるのスピンオフ作品じゃねぇかwww
面白かったwww

あ、その辺の伏線拾うの忘れてた

おつおつ

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