海未「手編みのマフラー」 (53)

穂乃果「う~寒い寒い寒い!寒いよ~」

ことり「今日はほんとに寒いね~」

海未「もう12月の半ばですからね」

穂乃果「あ~寒い寒い寒い!ことりちゃん温めて~」ギュ

ことり「きゃっ、穂乃果ちゃん!?」

穂乃果「はぁ~あったか~い……生き返るぅ~」

ことり「ふふ、確かにこれは暖かくていいかも♪」

海未「まったく、二人してこんなところで……寒いと思うから寒いんですよ穂乃果」

穂乃果「え~!そういう海未ちゃんは寒くないの?」

海未「私は鍛えてますから」

ことり「海未ちゃんは冬の寒い時期でも朝から道場で稽古してるもんね」

穂乃果「確かに……あ、じゃあ鍛えてない私は寒いのは仕方ないよね!」

海未「それでは穂乃果も一緒にやりますか?」

穂乃果「え!?そ、それは遠慮しとくよ!」

海未「ふふ、冗談ですよ」

穂乃果「よかった~」

海未「今朝だって寒さで全然布団から出れなかった穂乃果には絶対無理ですから」

穂乃果「何故それを!?」

海未「適当に言っただけですがどうやら図星だったようですね」

穂乃果「海未ちゃんひどいっ」

ことり「そういえば穂乃果ちゃんはマフラーしないの?」

穂乃果「そう!私もマフラーしてこようと思ったの!でもね」

ことり「でも?」

穂乃果「この前タンスから出したらなんと虫食いが!」

ことり「ああ~……」

穂乃果「あれお気に入りだったのに~!タンスにゴンしとけばよかった~」

海未「それは残念でしたね……」

ことり「新しいマフラーは買わないの?」

穂乃果「う~ん、別に無くても大丈夫かなーって」

海未「さっきまで寒い寒いって言ってたじゃないですか」

穂乃果「寒いって言ってるうちは大丈夫なんだよ!本当にダメなときはそんなこと言えないからね」

海未「はぁ……」

穂乃果「とにかく大丈夫なの!そうだ!朝練がてら走って通えば暖かくなるし一石二鳥だよ!」

ことり「え?」

穂乃果「そうと決まれば行くよ二人共!よーいドン!」ダッ

海未「ちょっと穂乃果!……まったく」

ことり「行っちゃたね」アハハ

海未(マフラーですか……)

海未の家

海未(果たして穂乃果のためにマフラーを編んだら喜んでくれるでしょうか)

----------------------

穂乃果「えー!?海未ちゃんが私の為にマフラーを編んでくれたの!?」

海未「はい、マフラーが無くて困ってたようでしたから」

穂乃果「すっごーい!可愛いー!」

海未「穂乃果によく似合いますよ」

穂乃果「ありがとー海未ちゃん!大好きー!!」モッギュー

海未「ちょ、穂乃果!もう……」

-----------------------

海未「って別に大好きとか言われたいためじゃなくて日頃の感謝で……!」

海未「……誰に言い訳してるんでしょうか私は」

海未「……」

海未「ちょっと編んでみるだけですから……」

穂乃果「海未ちゃんことりちゃんおはよー!」

ことり「おはよう穂乃果ちゃん」

海未「……お早うございます」ボー

穂乃果「……海未ちゃん?」

ことり「海未ちゃん、さっき会ってからずっとこの調子で……」

穂乃果「え?うわ!海未ちゃんすごいクマだよ!?大丈夫?」

ことり「寝れてないの?」

海未「最近ちょっと夜更かししてしまっていて……心配かけてすみません」

穂乃果「もしかして新曲の歌詞が書けないとか?」

海未「それは大丈夫なんですが……」

ことり「じゃあどうして……」

海未「とにかく平気ですからことりも穂乃果も気にしないでください」

穂乃果「本当?じゃあなんかあったら相談してね?」

海未(穂乃果のマフラーの為なんて言えません)

教室


海未「とは言ったものの……全然出来る気がしません」

ことり「何が?」

海未「穂乃果のマフラーです」

ことり「穂乃果ちゃんのマフラー?」

海未「ええ……」ハァ

海未「」

海未「ってことり!いたのですか!?」ガタ!

ことり「ひぃ!」ビクッ

ことり「は~びっくりしたぁ……」

海未「驚かせてしまってすみませんでした」

ことり「うん」

海未「それでは」スッ

ことり「……海未ちゃん穂乃果ちゃんのマフラー編んでるの?」

海未「」ビクン

ことり「海未ちゃん……?」

海未「……」スタスタガシ!

ことり「ふぇ?」

海未「いいですかことり……!このことは他言無用でお願いしますよ……!」ギロ

ことり「海未ちゃんこわいぃ……!」

ことり「そういうことだったんだー♪」

海未「はぁ……」

ことり「ためいき」

海未「まあいずれことりには相談しようと思ってたんです」

ことり「そうなの?」

海未「ええ……私一人じゃどうしても手に負えないことがありまして」

ことり「そうなんだ、じゃあ私に出来ることならなんでもそうだんしてね海未ちゃん!」

海未「心強いです」

ことり「それで、今はどこまで進んでるの?」

海未「それが何も……」

ことり「何も?」

海未「ええ……何も」

ことり「いつから……?」

海未「三日前くらいから……」

海未「だって仕方ないじゃないですか!」ダン!

ことり「へ?」

海未「私にはセンスが無いんですよ!」

ことり「ふぇ」

海未「どんなのが可愛いとか今何が流行ってるとかそんなの分かるわけ無いじゃないですか!」

ことり「う海未ちゃん一旦落ち着こ?」

海未「あ……すみませんことり……」

ことり「それより海未ちゃんは結構センスあると思うよ?」

海未「無理に慰めないでいいですよ」

ことり「別にそういうわけじゃ……」

海未「じゃあこれを見ても同じことが言えますか?マフラーのデザイン画です……」スッ

ことり「うわぁ……」

海未「その反応流石に傷つきます」ズーン

ことり「確かに女子高生にこれは厳しいかも……?」アハハ

ことり(おじいちゃんに似合いそうとは言えない)

海未「やはりですか……」

ことり「……でも穂乃果ちゃんなら案外可愛く着こなせそうかも」

海未「ほんとですか!?実はここのベージュと茶色のストライプは穂乃果の笑顔をイメージして……!」

ことり「大丈夫今度は私もアドバイスするから一緒に凄く可愛いの考え直そ?」

海未「あ……はい」

海未「ふぅ……出来ました!」パァ

ことり「うん可愛いぃ~!これなら絶対穂乃果ちゃんに似合うよ!」

海未「ことり、ありがとうございました」

ことり「それよりここからが本番でしょ?早くしないとクリスマスに間に合わなくなっちゃうよ?」

海未「クリスマス?」

ことり「え?クリスマスプレゼントじゃないの?」

海未「はい。なので別に急がなくてもよいかと」

ことり「ええ~!ダメだよそんなの!絶対クリスマスに渡さないと!」

海未「は、はぁ」

ことり「クリスマスに好きな人に手編みのマフラーを送る……はぁ~ロマンチックぅ~」

海未「好きな人!?ここここれは別にそういう訳じゃなく……」アセアセ

ことり「いいからいいから♪ほら、材料買いに行こ?」グイグイ

海未「よくありません!こ、コラことり!」

海未(……好きな人///)

海未「それから家で開いてる時間は全て費やしついに完成しました……」

海未「手編みのマフラー!」

海未「なんとクリスマスの前日に!」

海未「……」

海未「改めて完成してみると凄くいいものに見えます……デザインのおかげでしょうか」

海未「チャームポイントの『ほ』の字も完璧です!」

海未「ことりには感謝しきれませんね」

海未(これを明日穂乃果に渡す……)

海未「穂乃果は喜んでくれるでしょうか……なんだか不安になってきました」

海未「……」プルルルル

ことり「もしもし海未ちゃん?」

海未「ことり、やっぱり明日渡すのはやめませんか?」

ことり「何言ってるの海未ちゃん!そういうのは絶対明日渡さないとダメだからね!」

海未「で、ですがことり……」

ことり「大丈夫だよ!海未ちゃんが心をこめて作ったマフラーだもん!絶対穂乃果ちゃんも喜んでくれるよ」

海未「ことり……」

ことり「穂乃果ちゃんにはいつもより早めに来るように言ってあるから頑張ってね海未ちゃん!」

海未「え?ちょ何を勝手に」

ことり「じゃあおやすみ~メリークリスマス♪」ガチャ

海未「ことり!?」

海未「はぁ、まったく勝手なんですから……」

海未「でも元気が出てきました」

海未(明日はμ’sのクリスマスライブ)

海未(その朝練の前に穂乃果にマフラーを渡してみせます!)

穂乃果「おっはよ~海未ちゃん!今日も寒いねー」

海未「穂乃果!お、お早うございます」

穂乃果「あれ?ことりちゃんは?昨日早く来るように言われたのに」

海未「そ、そのことなんですが穂乃果……!」

穂乃果「どうしたの海未ちゃん?」

海未「実はその、穂乃果に渡したいものが」

穂乃果「え!なになに!?もしかしてクリスマスプレゼント!?」

海未「はい……」ドキドキ

穂乃果「え!うそ!ほんとに!?」

海未「あの、穂乃果に似合うか分かりませんが……」ゴソゴソ

穂乃果「わくわく」

海未「こ、これです……」スッ

穂乃果「こ、これは……!」

穂乃果「マフラー!」

海未「その、この前マフラーが虫に食われたとか言ってたので……」

穂乃果「これ、海未ちゃんが編んだの?」

海未「はい、ど、どうでしょうか穂乃果?嫌なら貰ってくれなくても……」

穂乃果「すっ……」

海未「す?」

穂乃果「……っごく嬉しい!」

海未「え……?」

穂乃果「すっごく嬉しいよ!ありがとう海未ちゃん!」モッギュー

海未「あっ……」

穂乃果「なにこれ可愛い!ふわふわしてる!気持ちいい!……どう?似合うかな?」

海未「は、はい!とっても」

穂乃果「えへへ……!これ凄く暖かい」モフ

海未「よかった……」ジーン

穂乃果「ほら海未ちゃんも!」ファサ

海未「え?」

穂乃果「2人で巻いたらもっと暖かいよ!」

海未「ほ、穂乃果!?こここれは////」

穂乃果「ね?暖かいでしょ?」

海未(ここは天国でしょうか……)ポワーン

ことり「おはよー穂乃果ちゃん海未ちゃん」

穂乃果「あっ!お、おはようことりちゃん」サッ

海未(あ……穂乃果とのマフラータイムが……)

海未「おはようございますことり……」

ことり「あれ?二人共顔赤いよ?」

穂乃果「えっ?ああこれ!?ちょっと熱くってさー!ね、海未ちゃん!」アハハ

海未「え!?ええ」

ことり「こんなに寒いのに?」

穂乃果「ま、まあそんなことより朝練行こ!ほら、今日はライブだよ!」

海未「そ、そうですね!」

ことり(二人共焦っちゃって可愛い♪)クスクス

海未(そしてライブは大成功でした)

絵里「それじゃあこの後は今日の打ち上げも兼ねてμ’sのクリスマスパーティーね」

凛「わーいパーティーだにゃー!」

花陽「お米いっぱい炊かなきゃ!」

真姫「花陽はほんとにお米が好きなんだから……」

にこ「にっこにっこにー」

希「それじゃ一旦解散して準備したらまた集合やな」

穂乃果「じゃあ解散!いこ海未ちゃんことりちゃん!」

絵里「あら?穂乃果そのマフラーどうしたの?」

穂乃果「あ、これ?海未ちゃんがくれたんだよ!手編みのマフラー!」

絵里「まあ!」

花陽「手編みのマフラーをクリスマスにあげるなんて……」

凛「恋人同士みたいだにゃー!」

穂乃果「え?」

海未「あ、あの……別にそういう意味じゃ……!」

にこ「でもクリスマスに手編みのマフラーっていったらやっぱりねえ」

希「彼女が彼氏にあげるくらいのもんやん?」

海未「だから……違うんです……」

花陽「2人はそういう関係だったんですか……!?」

絵里「ハラショー」

ことり「あ、あの皆?そのへんで……」

海未(私が穂乃果にマフラーなんかあげたせいで穂乃果までからかわれて……)

海未「」ダッ

穂乃果「あっ!待って海未ちゃん」ダッ

穂乃果「待ってよ海未ちゃん……!」タッタッタ

海未「穂乃果……」

穂乃果「ハァハァ……やっと追いついた」

海未「……」

穂乃果「とりあえずそこの公園のベンチに座ろう?」

海未「はい……」

穂乃果「……」

海未「……」

穂乃果「……あ、雪」

海未「……」

穂乃果「道理で寒いわけだ」

海未「ええ……」

穂乃果「……」マフラーファサ

海未「あ……」

穂乃果「やっぱりこうすると暖かい」ピト

穂乃果「あのね、私、全然嫌じゃなかったよ」

海未「え……?」

穂乃果「皆にからかわれたこと……むしろ嬉しかったかも」

海未「どうして……?」

穂乃果「海未ちゃんとこうしてるとねなんだかドキドキするの……変かな?」

海未「……わ、私もドキドキします」

穂乃果「……これってさ、好きってことだよね?」

海未「私は……そう思います」

穂乃果「じゃあ私達は好き同士だね」

海未「穂乃果……」

穂乃果「私は海未ちゃんが好き」

海未「私も穂乃果が好きです」

海未(その後私達がクリスマスパーティーに着くと皆に謝られました)

海未(ことりにはおめでとうって言われました)

海未(いろいろあったけどマフラーを編んでよかったです)

おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  みなみ   2014年10月31日 (金) 10:36:45   ID: bHKFaBH_

ぐっへへへ

2 :  SS好きの774さん   2014年12月06日 (土) 15:56:03   ID: -Uc1EC9J

↑やめろww

3 :  みなみ   2014年12月10日 (水) 17:07:53   ID: MRj4VI6-

ことりちゃん(´;ω;`)
いい子
私が貰い受けるわ

ぐっふふふ

4 :  SS好きの774さん   2015年02月13日 (金) 21:31:58   ID: CZ4pIcjR

デュフフ

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom