櫻子「あの…誰ですか?」向日葵「またふざけていますの…?」(120)

櫻子「その…スンマセン ホントに誰ですか?」

向日葵「そういう冗談は私には意味がないと何度も…」

櫻子「とりあえず出てってくださいよ 勝手に人の家にあがって…非常識ですよ ほら!」ドンッ

向日葵「きゃっ… さ、櫻子…?」

向日葵「ちょっと櫻子! 何を… あけなさい!」ドンドン

撫子「ん…? そこの…誰? 櫻子の友達?」

向日葵「隣に住んでいる古谷です… ってお分かりでしょう!?」

撫子「いや… 隣には楓って子しか住んでない それに櫻子とは歳が離れてるし」

向日葵「え……」

向日葵(なんですの…? 何かがおかしいですわ…)

向日葵「と、とにかく櫻子と話したいんですけど… あけてくれなくて」

撫子「そうなの? 櫻子、友達きてるよ」

櫻子「そんな子知らない!」

撫子「…らしいよ?」

向日葵「…何故ですの…」

撫子「まあ今出てけば特に何も言わないから 早く行きな」

向日葵「は、はい… 失礼します…」

向日葵「どうして…? 隣には楓しか住んでない? 櫻子が私を知らない…?」

向日葵「な、何かの遊びですわよね… 明日になればきっと」

-次の日-

楓「うぅん…」
ガチャ

向日葵「ああ楓、おはよう? ご飯できましたわ」

楓「!」ビクッ

向日葵「うん…? どうしましたの?」

楓「お、おねーさん…誰ですか…?」

向日葵「…はい…?」

楓「お、お金の場所とかは わかりません」

向日葵「え?ちょっと楓、落ち着いて…」

楓「なんで私の名前しってるんですか…?」

向日葵「な、なんでって…? 楓…?」

向日葵「わ、私は古谷向日葵 あなたの姉ですわ? わからないの…?」

楓「わたしも ふるたにですけど… わ、わたしにおねーちゃんはいません」

向日葵「そんな…」

楓「ご、ごはんありがとうございます でも ここはわたしのうちだから…」

向日葵「わ、わかりました… ごめんなさい」

最終的にさくひまになるんなら支援します

向日葵(どうなっているの…? 櫻子や撫子さんだけじゃなく、楓まで私を知らない…?)

向日葵「学校に行って他の人に相談を…」

向日葵「って今日は日曜日ですわ」

向日葵「あ…/// い、今思うと勢いでパジャマのまま出てきてしまいましたわ」

向日葵「そうだ とりあえず赤座さんなら…」

-赤座家-

ピンポーン
あかね「はい… ってあら? どなた?」

向日葵「えーと、赤座あかりさんの友達の古谷といいます 赤座さんはいますか?」

あかね「いるわよー ちょっと待っててね?」

向日葵「はいっ」



あかり「お、おまたせしました…」

向日葵「赤座さん…おはようございます」

あかり「おはようございます…」

向日葵「……」

あかり「……」

あかり「…あ、あの あかりのお友達、ですよね」

向日葵「…! 私のこと、わかりませんか…?」

あかり「もし、あかりが忘れてるんだとしたらすみません… でもお初のはずです…」

向日葵「……そうですか…… すみません、失礼しました」

あかり「あの…なんだか、すみません」

向日葵「いえ、いいんですの それでは…」

向日葵(…私のことをみんなが忘れている…? というよりは、知らない…?)

向日葵「あとは吉川さん… でも、ここまでくると希望は薄いですわ…」

向日葵「で、でも もしかしたらってこともありますし」

向日葵「えっと 確かマンションを過ぎて… 結構和風の家だったはずですわ」

-吉川家-

ピンポーン
ちなつ「はい…?」

向日葵「あ、あのっ」

ちなつ「えっと、お姉ちゃんのお友達ですよね…?」

向日葵「…!」

ちなつ「お姉ちゃん お友達きてるよ」

ともこ「そう? ありがとうね  ……? えーと、知らない子なんだけど…」

ちなつ「えっ! じゃ、じゃあどちらさま…?」

向日葵「すみません… 家を間違えたようですわ」ニコッ

向日葵「誰も私を知らない…」

向日葵「独り、ですわ…」

向日葵「………」

向日葵「楓まで私を知らないんじゃ、帰る家もないですわ」

向日葵「…家の近くの公園って、今の時期ならギリギリ泊まれるかしら…?」

いったい何が起こったんだ?夢・・とか?

-夕方-

向日葵「……寒いですわ… さ、さすがにこのままでは 上着くらいは持ってくればよかったですわ」

櫻子「…あ、あの さっきからずっとここにいますよね」

向日葵「さく…  ああ、いえ… 大室さん」

櫻子「昨日はすみませんでした いきなり追い出して」

向日葵「いえ 人の家の人の部屋に勝手にいた私が悪いんですから」

櫻子「…あかりちゃんや、ちなつちゃんの家にも行ったんですよね」

向日葵「何故それを…?」

櫻子「2人から「知らない子がいきなり来た」ってメールが来たので」

向日葵「ああ…そうですの」

櫻子「あの2人のことも知ってるってことは…」

向日葵「?」

櫻子「本当に友達、なんですかね…?」

向日葵「…そちらの記憶はありますのね…」

櫻子「記憶…? あ…そうだ、もしかして泊まるところないんですか?」

向日葵「ええ… あなたの家の隣が私の家なんだけど 妹の記憶にまで私がいないみたいなので…」

櫻子「あ…その 1日くらいだったらうち、大丈夫ですよ」

向日葵「え?」

櫻子「だ、だから 1日くらいなら泊まれますよ?」

櫻子が向日葵に敬語なのってすごい新鮮

向日葵「いいんですの…?」

櫻子「ねーちゃんも、なんか困ってそうだったからって気にしてたので…」

向日葵「お、お言葉に甘えさせていただいていいですか…?」

櫻子「もちろん! じゃあ行きましょう!」

向日葵「はい ありがとうございます」

-大室家-

櫻子「寒かったでしょ? ホットミルクでもいれるのでリビングにいてください」

向日葵「え、ええ… ありがとう…」

コトン
櫻子「どーぞ 隣に住んでるってことは 古谷さん、でいいんですよね」

向日葵「ええ… 向日葵というので 向日葵、でいいですわ」

櫻子「じゃあ私のことも櫻子、で! タメっぽいですよね?」

向日葵「今年で13歳、櫻子…と同じですわ」

櫻子「じゃあタメ口でいくね 敬語あんま得意じゃないから」

向日葵「はい その方が安心しますわ」ボソッ

櫻子「え、なにか?」

向日葵「なんでも…」

向日葵「…温まりますわ」ゴキュゴキュ

櫻子「すごい勢いで飲むね…」

向日葵「あ、朝から何も食べたり飲んだりしてなかったので…///」

櫻子「あーお腹もすいてるんだ 夕飯当番ねーちゃんだから少し待ってれば作ってくれるよ」

向日葵「すみません、ご飯まで…」

櫻子「いーのいーの  それにしても向日葵ちゃん…」

向日葵「はい?」ゴクゴク

櫻子「私たち、友達なんだよね? こんなに可愛い子忘れるわけないと思うんだけど…」

向日葵「ぶっ ゲホッゲホッ…  は、はははい?」

櫻子「え? ど、どしたの?」

>>櫻子「私たち、友達なんだよね? こんなに可愛い子忘れるわけないと思うんだけど…」

櫻子ちゃんまジ天然たらしw

-夕食後-

櫻子「いやー ねーちゃんのご飯はうまい 毎日やって」

撫子「それはどうも でも毎日は無理」

花子「櫻子は自分がやりたくないだけだし」

櫻子「まーね!」

向日葵「あ、あの ごちそうさまでした…」

撫子「おそまつさま なんか、本当に友達っぽく見える」

向日葵「え…そうでしょうか…?」

櫻子「さーて お風呂はいっちゃおうかな」

撫子「普通は客から入るものだよ、櫻子」

櫻子「おお、そっか 向日葵ちゃん先に入っていいよ」

向日葵「え、でも… 着替えがないので…///」

櫻子「あー じゃあ私の貸すよ」

撫子「櫻子のじゃサイズ合わないでしょ」

櫻子「それもそっか どうしよう」

向日葵「あ、あの 寝るときは、ブラはつけないので…///」

撫子「え パンツの話じゃないの?」

櫻子「パンツだよ」

向日葵「…///」

向日葵(結局一番に入ってしまいましたわ…)

向日葵「少し不衛生だけど… 1日くらいなら同じものでも…」

向日葵(…女の子としては最低なこと考えてますわね)

櫻子「向日葵ちゃん、とりあえず合うか分かんないけど着替えここね」

向日葵「あ、はい! ありがとう!」

櫻子「湯加減はー?」

向日葵「ちょうどいいですわ」

櫻子「よーし…」ゴソゴソ

向日葵「?」

ガラガラ
櫻子「じゃーん」

向日葵「ちょっ…な、なんで入ってきていますの!?///」

櫻子「友達なんでしょー? じゃあいいじゃん」

向日葵「で、でも…」

櫻子「私さ、一番風呂は譲れないんだよねぇ」

向日葵「それはすみません…」

櫻子「一緒に入っちゃえば2人で一番風呂だから気にしないよ!」

向日葵「ま、まぁ脱いでしまったならもう仕方ないですわね…」

向日葵(さすがに2人じゃ狭いですわ…)

櫻子「それにしても」

向日葵「はい?」

櫻子「おおきいね」ツンツン

向日葵「…あぅっ ちょ、ちょっと あまり触らないで…」

櫻子「あ、ごめん しかしおっきい 私と同い年とは思えないなぁ…」

向日葵「あの、気にしてるので… 言わないでください…」

櫻子「えー いいじゃん? 何が嫌なのー」

しえん

向日葵「色々ありますけど… この胸を羨ましがって、いつも叩いてくる子がいるんです」

櫻子「ほうほう」

向日葵「私はいつもその子につい暴力でやり返してしまって… それを理由に嫌われないか不安で…」

櫻子「ふーん… まあでも 本気で殴ったりしてるわけじゃないなら 平気じゃない?」

向日葵「…そうであってほしいですわ」

櫻子「さーて 出ようか 向日葵ちゃんのおっぱいチェックもできたし」

向日葵「だからそれは言わないで下さいと…///」

-夜-

櫻子「んじゃ、そろそろ寝よ!」

撫子「どうする? 私の部屋で寝る?」

向日葵「あ、いえ… ここでいいですわ こたつもありますし」

櫻子「こたつじゃ風邪ひいちゃうって… 私の布団を一緒につかう?」

向日葵「えっ」

櫻子「おっぱい枕をしてみたい」

撫子「気を付けて これが本心」

向日葵「う…」

櫻子「ほらいこ、そこで寝たら風邪ひいちゃうぞー」

向日葵「ううう…///」

向日葵(本当に一緒に寝ていいんですの…?)

櫻子「おっぱい枕をしてみたい」

それが櫻子の本心かw

櫻子「2人で寝るとすぐあったかくなるよね」

向日葵「そ、そうですわね…」

向日葵(結局流されるあたり、私って櫻子に甘い…?)

櫻子「…なんで忘れてるんだかわからないけど 早く向日葵ちゃんを思い出せたらいいな」

向日葵「…ええ 私も早く想いだしてほしいですわ」

櫻子「あ、あのさ」

向日葵「はい?」

櫻子「明日も明後日もみんなが向日葵ちゃんを思いだせなかったら… 泊まりにきていいから」

向日葵「…! え、ええ ありがとう…」

櫻子「まあ思い出すのが一番いいんだけどね えへへ」

向日葵「……このままじゃ、私も嫌ですわ…」

向日葵「私と櫻子はケンカとか言い合いばかりしてたけど 本当に仲が良かったの」

櫻子「ふんふん」

向日葵「…またケンカしちゃった、って反省するんだけど その時間も嫌いじゃなくて」

櫻子「へえ…」

向日葵「いつもの櫻子と一緒にいるのは、本当に楽しいんですの」

櫻子「うん、そっか…」

向日葵「って一応本人相手に何を…///」

櫻子「いやいや、私のこと好きなんだなぁ…」

向日葵「…ちょ、真顔でそれは…」

櫻子「……おやすみ」

向日葵「え? はい…おやすみなさい」

櫻子(うわぁ この子マジで私のこと好きなんだ…)

向日葵(ああ、つい言ってしまいましたわ… 記憶が戻った時、この記憶は消えてますように…)

-次の日-

櫻子「うぅん…むにゃ…」

向日葵「ん……あ… もう朝…」

櫻子「…zzz」

向日葵「あ、そうでした… 櫻子の家に泊まって…」

向日葵「学校が始まるのに、大丈夫か不安ですわ…」

向日葵「先生が私のこと覚えてるか分からない、というのもありますわね」

向日葵「櫻子、学校に遅れますわ 起きたら?」

櫻子「うぅーん… あと2時間…」

向日葵「それは許されない時間ですわ 早く起きて」

櫻子「…むぅ おはよう…向日葵」

向日葵「ええ、おはよう」

向日葵「…え、今…向日葵って」

櫻子「んぁ…? なんか変?」

向日葵「も、もしかして… 私のことわかりますの?」

櫻子「寝ぼけてるの…?」

向日葵「櫻子! 私のことわかるの!?」

櫻子「だから何… 朝からうっさいなぁ 低血圧じゃなかったっけ」

向日葵「よ、よかった… 私の記憶戻ったんですのね」

櫻子「うん…? まぁいいや 学校の準備しないと」

向日葵(なんだったのかしら…)

向日葵「まあいいですわ うちに戻って制服に着替えてきますわ」

櫻子「20分くらいしたら迎えに来て」

向日葵「わかりました 服は洗って返しますわ」

櫻子「別にいいよそのままで…」



向日葵「あ、お邪魔しました」

撫子「うん 朝ご飯はいいの? どこか行くあてあるの?」

向日葵「ええ…  え? 行くあてもなにも、家に…」

撫子「そう ならいいんだけど」

向日葵「…?」

-登校-

櫻子「なんか変な夢を見たよ」

向日葵「夢? 櫻子がそんな話をするのも珍しいですわね」

櫻子「…ひ、向日葵がさ」

向日葵「?」

櫻子「私と過ごしてる時間が楽しいんだって言ってた」

向日葵「んなっ… わ、忘れなさい!バカッ!///」ゴツン

櫻子「ごはっ な、何故だぁ…」

向日葵「…あら、赤座さんたちですわ」

あかり「おはよう櫻子ちゃん と、えっと…古谷さんですよね」

ちなつ「あぁ、昨日の…」

櫻子「おはよー!」

向日葵「…え?」

櫻子「…どしたの?」

向日葵「赤座さん…? 吉川さん…?」

あかり「すみません、相変わらず古谷さんとお友達だったって記憶がないんです…」

櫻子「え あかりちゃん 何いってるの…?」

向日葵「…さ、櫻子 後で説明しますから 合わせて」

櫻子「な、なんだよそれ…」

-教室-

あかり「なんか変な感じですね 前の席だったなんて…」

向日葵「ふふ、いずれ思い出していただければ…いいんですのよ」

櫻子「ね、ねえ 結局どういうことなの?」ボソッ

向日葵「簡単に言うと私のことを忘れていますの あなたも昨日まで忘れていたんですのよ」ボソッ

櫻子「はあ・・・? ど、どういう原理で?」

向日葵「知りませんわ… 私が知りたいくらいです」

櫻子「え、じゃあなに? もしかして今私しか向日葵のことしらない?」

向日葵「恐らくはそうなると思いますわ…」

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