櫻子「私の幼馴染みは低血圧」(156)

櫻子「銀河美少女櫻子ちゃん、颯爽登場!」ガラッ

楓「あ、櫻子お姉ちゃん」

櫻子「おう楓。おはよー」

楓「おはようなの」ペコッ

櫻子「向日葵はー……って、訊くまでもないか」

楓「うん……櫻子お姉ちゃん、今日もお願いしていーい?」

櫻子「いーよいーよ、この櫻子様にまっかせなさーい」フフン

楓「じゃあお願いするの。いつもありがとうなの、櫻子お姉ちゃんっ」

櫻子「おー」ズカズカ

ガラッ

櫻子「おーいひまわ」

ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!

櫻子「うるせええええええええ!!!」ギャー

ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!

櫻子「えっと今日は……ひぃふぅみぃ……10個中4個か、まあまあかな」ポチッポチッポチッポチッ

シーン...

櫻子「ふぃー、こればっかりは毎日やっても慣れないなぁ」

櫻子「まあいいや、こっからが本番だもんね」ムンッ

櫻子「……」チラッ



向日葵「………………ぁ゛ー………………」モゾモゾ

櫻子「向日葵ー?」

向日葵「………………ぁ゛あ……?」

櫻子「おーい、向日葵ってば」ツンツン

向日葵「ぁ゛ぁ゛……」ペイッ

櫻子「むっ、払いのけやがった」

向日葵「ぅ゛ー…………ぅぅ゛ぅぅ゛ぅ゛ぅぅぅぅ……」ゴロンッ

櫻子「ひーまーわーりっ。起きろったら」ユッサユッサ

向日葵「ん゛ん゛ん゛……やーだー……」

櫻子「こいつ……」

向日葵「ふぅうぅぅ……」モゾモゾ

櫻子「……」

向日葵「……」



櫻子「おっぱい魔人」ボソッ

向日葵「誰がおっぱい魔人よ!!」ガバッ

ほう

櫻子「!?」ビクッ

向日葵「っっっ……っあ~~~……っ」フラッ

ボスン

櫻子「おおう……また倒れた……」ドキドキドキ

向日葵「ぁぁぁ゛……ぉぉぉ゛……」ゴロゴロゴロゴロ

櫻子「のたうちまわってる……」

向日葵「……血、急、頭、痛……」

櫻子「ひ、向日葵! 人の言葉を!」

向日葵「さくらこ……?」

櫻子「そうだよ、櫻子だよ! ほら、朝だから起きて!」

向日葵「……ゃ。朝、きらい……」プイッ

櫻子「コノヤロウ……」グヌッ

向日葵「きらいだもーん……」ゴロリ

櫻子「きらいじゃないもーん! ほら起きろっつの!」グイーッ

向日葵「ぁぁあぁあぁぁああぁ~」

櫻子「情けない声だすな!」

向日葵「だってぇ……」

櫻子「調子狂うなぁ……さ、いつものやるよ。手ぇ出して」

向日葵「ぅん……」スッ

櫻子「いくよー。ハイぐー」グッ

向日葵「ぐぅ」zzZ

櫻子「オイコラ」ベシッ

向日葵「ぁたっ」

続けてください

櫻子「まったくこのおっぱいは……」

向日葵「もぉ……なにす、しますのー……あと、おっぱいいうな」ムニャムニャ

櫻子「あ、ちょっとずつ戻ってきたね。じゃあ続きやるよ!」

向日葵「うー……ですの……」ムニャー

櫻子「はいせーの、ぐっ」グッ

向日葵「ぐー……」グッ

櫻子「ぱっ」パッ

向日葵「ぱー……」パッ

櫻子「その調子その調子。はいぐっぱっ」グッパッ

向日葵「ぐーぱー……るーぱー」グッパッ

櫻子「ぐっぱっぐっ」グッパッグッ

向日葵「ぐーぱーぐー……」グッパッグッ

櫻子「ぐっぱっぐっぱっ……からの……おっぱい禁止!」ワシッ

向日葵「」バキィッ

櫻子「ぐぱぁ」ビターン

向日葵「……」シュババババババッ

櫻子「ね、寝ぼけながらシャドーボクシングしてやがる……」

向日葵「」スクッ

櫻子「」ビクッ

向日葵「……顔洗ってきますわ……」

櫻子「お、おう」

ガラッ スタスタスタスタ...

櫻子「……行っちゃった」

櫻子「相変わらず寝起きの向日葵は予測不能だ……」

櫻子「まあ、顔を洗えばいくら向日葵でも」

...スタスタスタスタピタッ

櫻子「」ビクッ

向日葵「……」

ボフンッ

櫻子「おおおおおおおおおおおおおおおおい!!!」

向日葵「おふとん、あったか……血が、しずむぅ……」ドロドロ

櫻子「ちょ、溶けてる! 向日葵溶けてる! ゲルひま!」

向日葵「とぅっとぅるー……」デロデロ

櫻子「ああもう……とにかく着替えるよ! 向日葵、きりーつ!」グイッ

向日葵「ぅうん……」ヨタヨタ

櫻子「ズボン脱がすよー」

向日葵「はー、ぃ……」

スポーン

櫻子「パンツだねー」

向日葵「パンツですわねー……」

櫻子「ピンクだねー」

向日葵「さくら、こ、色……ですのー……」

櫻子「………………そりゃあ、どうも」

向日葵「いえいえー……」

櫻子「じゃ、じゃあ次は上ね? はい、ばんざーい」バンジャーイ

向日葵「ころんびあー……」バンジャーイ

櫻子「ボタン外しまーす」

向日葵「はずされまーす……」

プチ、プチ、プチ、プチ...

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「(勢いでバンザイさせたけど、意味なかった……)」

櫻子「まあいいや、じゃー脱がすよー」

向日葵「脱がされますわよー……」

櫻子「(さて、いよいよ山場だよ。おっぱいだけに。なんちゃって。まあ私も朝から何度も痛い目に遭いたくないし、今回ばかりは見逃してやろうかなー)」スルッ...

バルンッッッ

櫻子「おっぱ」グワッ

向日葵「」ドゴズンッッッ!!!

櫻子「」ゴハァッ

>櫻子「まあいいや、じゃー脱がすよー」

>向日葵「脱がされますわよー……」

ゴクリ

向日葵「」シャキーン

櫻子「三戦立ちしてやがる……寝ぼけっぱなしで……」ガクガク

向日葵「」ブルルッ

櫻子「震えてるし。そりゃー寒かろう。11月の朝だもの。下着姿だもの」

向日葵「ぅう……ふく、ふくー……」フラフラ

櫻子「あーはいはい、制服はこっちだよー。おいでー」

向日葵「制服……制服……フランシスコ・ピサロ……」

櫻子「セイフク違いだよー。着せるよー」

向日葵「キセル乗車はやめましょう……」

櫻子「まったくだよー」

モゾモゾスッポリ

向日葵「……」ポケー

櫻子「やっと着替えさせ終わった……さ、朝ごはん食べにいこー」

向日葵「おー……」

トテトテトテ

櫻子「楓ー、向日葵連れてきたよー!」

楓「櫻子お姉ちゃんありがとー。おねえちゃん、おはようなのっ」

向日葵「かえで……? かぁえで~……」ギュッ

楓「わぷっ?」

向日葵「かえではちっちゃいですわねぇ……」スリスリ

楓「ゎ、っと……お、おねえちゃんは……おっきいね?」

向日葵「それほどでもありますわ……」

櫻子「(背のこと言ったくせに胸のことだと思った楓に合わせていばってんじゃねーよ)」イラッ

楓「あ、おねえちゃん、はやく朝ごはん食べないと遅刻しちゃうのっ」

向日葵「チコク……? 血で茹でろ」

櫻子「四国じゃねーよ! ほら、トーストと熱い紅茶! 楓が用意してくれてたから! さっさと食べて学校行くぞオラァ!」ズボッ

向日葵「もギュッ!? ふご、はががが……!」ジタバタ

楓「あ、あわわわ……」オロオロ

テクテクテクテク...

櫻子「んーっ……朝の空気はきもちーなー」

向日葵「……きもチーナ……?」

櫻子「本人がいたら殺されてたよ」

向日葵「……」ボヘー

櫻子「ったく……もっとシャンとしないと転ぶよ?」

向日葵「転びませんわよ……だって転んでませんもの……」

櫻子「それは私が手ぇ引いてやってるからだろぐーたらっぱい! 私ナシじゃ2秒でこけるっつの!」

向日葵「バリツがあるから平気ですわ」

櫻子「ねーよ! バリツねーよ!」

テクテクテクテク...

知らない人A「みてみてあの子たち」キャー

知らない人B「かわいー、手つないでるー♪」キャー

櫻子「ぬっ!? ぐ、くぅ~~っ……!!」ワナワナ

向日葵「……」ヨチヨチ

テクテクテクテク...クイッ

櫻子「おっ?」ガクン

向日葵「……」

櫻子「向日葵?」

向日葵「さ、櫻子……」モジモジ

櫻子「あー、やっと目ぇ覚めた?」

向日葵「ええ、まあ……」

櫻子「ん。じゃー手つなぎもおしまいね」パッ

向日葵「ぁ……ま、毎朝世話をかけますわねっ」

櫻子「ほんとにな!」

向日葵「ぐっ……じゃあ、いつも通り貸し一つということで」

櫻子「よかろう」フフン

向日葵「今日の宿題やってきました?」

櫻子「」

向日葵「早速貸し借りゼロですわね」フフン

櫻子「ちくしょー……明日こそは宿題やって向日葵への貸しをキープしてやる……」

向日葵「それ、昨日も一昨日も言ってましたわよ」

櫻子「う、うっさい! 明日こそ、明日こそやってやるんだから!」

向日葵「そう言う手合いが有限実行出来た試しなんてありませんわ」ハン

櫻子「鼻で笑うなー!!」ムキー

向日葵「ちょ、大声出さないでくださる……? まだ完全に目が覚めたわけじゃないんですから、頭に響きますわ……」イタタ

櫻子「いーじゃん、櫻子ちゃん目覚ましがバッチリ起こしてやんよ!」

向日葵「全力で遠慮しますわ」

櫻子「えーご通行中のみなさぁーん! ここにいるぅ、古谷向日葵さんはぁー! 実はぁ、小学校4年生ま」

向日葵「ちょーいっ!!?」メギィイッ

櫻子「でぼげぇ!?」ビターン

向日葵「い、いきなり何を暴露しようとしてやがりますのこのバカ娘は!? 信じられませんわ、信じらんない!」

櫻子「お……ぎ……」プルプル

向日葵「もうっ、先に行きますからね!」ズンズン

櫻子「……」

キーンコーンカーンコーン...キーンコーンカーンコーン...

櫻子「給食うまい!!!」ガツガツガツ

向日葵「そんなにがっつくと喉つまらせますわよ」

櫻子「つまらせないもんつまらせないもんつまらせないもーげっふぉあ!?」ブフォッ

向日葵「ばっちい!?」

ギャーギャー

あかり「あ、あはは、櫻子ちゃんってば……」

ちなつ「向日葵ちゃんも大変だねー」

向日葵「まったくですわ、こう毎日毎日櫻子の世話ばかりでは……」フキフキ

櫻子「むっ……いいの向日葵、そんなこと言って?」フカレフカレ

向日葵「な、なんですの……?」

櫻子「ふたりにバラしちゃうよ? 朝のこと」

向日葵「ちょっ!?」ガタッ

「「朝のこと?」」

向日葵「……!」ガクッ

カクカクシカジカ...

あかり「低血圧?」

ちなつ「向日葵ちゃんが?」

向日葵「……はい」

櫻子「そーそー、そーなんだよー」ヘラヘラ

向日葵「くっ……!」

あかり「へ~……なんか意外だねぇ?」

ちなつ「ね。向日葵ちゃん、いつでも隙がなさそうな感じなのに」

向日葵「ぅ……お恥ずかしながら、寝起きの私は隙だらけ……というか、むしろ隙しかありませんの……」

「「へー」」

櫻子「ふふふ、とうとう意外にもだらしない向日葵の正体がみんなにバレちゃったね」

向日葵「半ばあなたのせいじゃないの! もう……私が積み上げてきたイメージが……」ハァ

櫻子「」ニヤニヤ

あかり「だ、大丈夫だよぉ。あかりだってよくお寝坊するもんっ」

向日葵「ご同情ありがとうございますわ……」

ちなつ「ちなみに、朝に弱いって具体的には?」

向日葵「……実は……」

櫻子「」ニヤニヤ

向日葵「覚えていないんですの」

櫻子「」

あかり「覚えてない?」

向日葵「はい……寝起き直後のことは、何も」

櫻子「」

ちなつ「何もって……何も?」

向日葵「何も。気がついたら櫻子に手を……こほん。櫻子と一緒に登校してる始末で……」

櫻子「」

櫻子「……………………………………………………」

櫻子「」

ちなつ「うっわ……かなりの重症だね、それ」

向日葵「仰る通りですわ……たぶん、家では妹が色々してくれているのでしょうけど……」

櫻子「」

向日葵「それにしたって幼稚園児に世話を焼かれているなんて、本当に情けない……」

あかり「ど、ドンマイだよ向日葵ちゃんっ?」アセッ

ちなつ「そうそう、あんまり気にすることないよ!」アセアセッ

向日葵「……はぁああ……」

櫻子「」

ちなつ「?」ハテ

櫻子「………………はぁぁぁぁぁぁぁ……」ドンヨリ

ちなつ「……?」フム

ちなつ「!」ハッ

ちなつ「……」ウム

あかり「(ちなつちゃん、ひとりでなに百面相してるんだろう……?)」

櫻子「……」ハァ

チュンチュン...チュンチュン...

櫻子「……朝……」ムクリ

櫻子「……」スッ

テキテキパキパキ

櫻子「支度完了、っと」

櫻子「ふふふ、向日葵が朝に弱いのが人に知られていないように、私が朝に強いのも人に知られていない」キリッ

櫻子「……」

櫻子「知られてない……」

櫻子「……」

櫻子「……向日葵にさえ」

櫻子「……」

櫻子「……はぁ……」

櫻子「向日葵んち、行こ」

トボトボトボ...

櫻子「……」

櫻子「(そりゃーさー)」

櫻子「(寝起きの向日葵がぼけーーーーーーーーーーーーーーーーっとしてるのはわかってるよ? 知ってるよ?)」

櫻子「(でもなぁ)」

櫻子「(なーんにも覚えてない、ってゆーのは……)」

櫻子「(……ちょっと、ショック……)」

櫻子「……」

櫻子「(ぅー、なんだろ、これ)」

櫻子「(向日葵とは『貸し』とか『借り』とかって言い合ってるけど)」

櫻子「(私は、朝の全部が全部を『貸し』にしてるつもりはなかったんだけどなぁ)」

櫻子「(だって、そうしたら、向日葵のやつは私に気を遣うみたいになっちゃうだろうし)」

櫻子「(それは、やだし)」

櫻子「(だからいつも、手を引いてやってることだけが『貸し』のつもり……だった、のに)」

櫻子「(……なのに、なんで、なんか……)」

トボトボトボ...

ガラッ

櫻子「かーえでー。きたよー」

トテテテテッ

楓「櫻子お姉ちゃん、いらっしゃいっ。おはようなの」

櫻子「あー」クツヌギクツヌギ

楓「……?」

櫻子「ん? なに楓、どうかした?」

楓「えと……櫻子お姉ちゃん、怒ってる?」

櫻子「……え、なんで?」

楓「ううん、なんとなくなの。でも……」オドッ

櫻子「……」

ポム

楓「ふぇ?」

櫻子「楓はいい子だなぁ」ナデリナデリ

楓「ぇ、あ、わっ……え、えへへ……?」ナデラレナデラレ

櫻子「だいじょぶだよ、別になんも怒ってないから」ポムポム

楓「ほんと……?」

櫻子「ほーんと。私は向日葵のやつ起こしてくるから、楓は朝ごはんよろしくね?」

楓「……うん、わかったのっ」

トテテーッ

櫻子「……ほんと、いい子いい子」

櫻子「……」

櫻子「さて……っ」

ガラッ

櫻子「ひ」

ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!

櫻子「うるせええええええええええええええええええええええええええええええええ!!?!!?」

ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!

櫻子「じゅ、10個全部鳴りっぱ!? ありえねー、どんだけ寝てんだよこの低血圧っぱい!」ポチッポチッポチッポチッポチッポチッポチッポチッポチッポチッ

シーン...

櫻子「い、いきなりどっと疲れた……」ゼーハー

櫻子「……」チラ

向日葵「……」

櫻子「向日葵ー」

向日葵「……ぐー」

櫻子「ひーまーわーりー」

向日葵「……ぐー」

櫻子「ひ・ま・わ・り!」

向日葵「……ぐー」

櫻子「……ま、起きないよね。毎朝だもん、慣れっこだけどね」

向日葵「……ぐー」

櫻子「さーて、今日もいつも通りのコースで行くよー」ヨッコイショウイチ

グッパーグッパー

パシャパシャ

ヌギヌギ

キセキセ

櫻子「……」

向日葵「……ぐー」

櫻子「マジかよ……このおっぱい、今日はいつもより手強いぞ……」

向日葵「……ぐー」

櫻子「くっそー……ウソくせー寝顔しやがって」ツンツン

向日葵「……ぐー」

櫻子「もっちりぷよぷよ……よく肥えてらっしゃる」プニプニ

向日葵「……ぐー」

櫻子「……」

向日葵「……ぐー」

櫻子「おいこら、はくじょーもの」モチッ

向日葵「……ぐー」

櫻子「ほんとになんも覚えてないのかよー」

向日葵「……ぐー」

櫻子「毎日毎朝、この櫻子様がわざわざ起こしてやってるんだぞー」

向日葵「……ぐー」

櫻子「それをさぁ、向日葵はさぁ」

向日葵「……ぐー」

櫻子「知らないとか、楓がやってくれてるとか、さぁ」

向日葵「……ぐー」

櫻子「なんかさー、そうゆうのさー」

向日葵「……ぐー」

櫻子「……」

向日葵「……ぐー」

櫻子「……むかつく!」

向日葵「……ぐー」

櫻子「私なのに! いつも、ずっと、私なのに!」

向日葵「……ぐー」

櫻子「わかって欲しかったんじゃないけど、でも、知られてなかったのは……うん、むかつく!」

向日葵「……ぐー」

櫻子「むかつく、むかつく、むかつく! こんな……」

向日葵「……ぐー」

櫻子「こんな……こんな可愛い寝顔で!」ガシッ

向日葵「」ピクッ

櫻子「こんな可愛い寝顔で、知らないなんて言われちゃったら……むかつくよ……」

向日葵「…………ぐー」

櫻子「可愛くて、知らなくて、むかついて、だから……」

向日葵「……」



櫻子「……だから、いたずら、しちゃうもん……」



ちゅっ


 




櫻子「んっ……」



向日葵「<○><○>」



櫻子「」


 

向日葵「ぁ……な、ぅ……」パクパク

櫻子「え、ちょ、ま、そっ、ぷ、へ、お……?」パクパク

向日葵「さ、櫻子……」

櫻子「ひま、わり……起き、て……た?」

向日葵「……」コクッ

櫻子「な、なんで……今日に限って……」

向日葵「……今日に限って、徹夜してましたの……」

櫻子「なんで!?」

向日葵「……吉川さんが」

櫻子「ちなつちゃん?」

向日葵「ええ……吉川さんが昨日、『今夜は朝までオール推奨☆』って……」

櫻子「ちなっさーん……」

向日葵「それで紅茶をがぶ飲みして必死に徹夜してましたの……」

櫻子「無駄な努力すぎる……」

向日葵「それでも眠気が限界で、正直ついさっきまでは夢に片足突っ込んでましたけれど……」

櫻子「っ」

向日葵「あ……ぁぁああああなた、い、いまいま、いまっ、わた、し、わたし、に、キス、ちゅって、キス……」プルプル

櫻子「そ、それはっ!」アセッ

向日葵「それは……?」

櫻子「……それは、その。あの……っ」グッ

向日葵「……」

櫻子「……ぅー……」グスッ

向日葵「……櫻子」

櫻子「な、なにっ?」

向日葵「とりあえず、ひとつ。質問に答えてくださる?」

櫻子「質問……?」

向日葵「櫻子、あなた……もしかして、今までも私が知らない内に、こんな、キスを……」

櫻子「ッ、し、してない! 今日だけ、今日が初めてだから!」

向日葵「本当に……?」

櫻子「ほんとにほんと! ぜーったい、ウソじゃないもん!」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……そう、でしたの」ホッ

櫻子「向日葵……?」

向日葵「少しだけ、安心しましたわ。知らない内にファーストキスを奪われてなくて」

櫻子「……」

向日葵「と言っても、たった今奪われたばかりですけどね」クスッ

櫻子「ぁ……」

向日葵「……」

櫻子「ご、ごめん、なさい……」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「ねえ、櫻子?」

櫻子「なに……?」

向日葵「次の質問をしますわ」

櫻子「……」

向日葵「キスの前に、あなたが言ってたこと」

櫻子「!」

向日葵「今日まで毎日、毎朝、私を起こしてくれていたって……」

櫻子「……っ」

向日葵「あれも、全部本当ですの?」

櫻子「うん……そうだよ、向日葵」

向日葵「……楓じゃなく、あなたが?」

櫻子「そうだよ……私だよ。今までずっと、向日葵を起こしてたのは、私」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「じゃあ、最後の質問」

櫻子「!」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「どうしてあなたは、私にキスをしたの?」

櫻子「っ」

向日葵「どうして?」

櫻子「それ、は……」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「……っ」



ぎゅっ

向日葵「!」

櫻子「っ……」ギュゥゥゥッ

向日葵「櫻子……?」

櫻子「そんなの、決まってるじゃん」ボソッ

向日葵「え?」

櫻子「……そんなの! キスしたかったからに決まってるじゃん!」

向日葵「なっ……!」カァッ

櫻子「私が! 向日葵に、キスしたかったの!」

向日葵「さ、櫻子、あなた」

櫻子「わた、私は……私は、向日葵のことが……」

櫻子「向日葵のことを、キス、したいくらいに……」

向日葵「……っ」




櫻子「アレなの!!!」

向日葵「アレ!!?」

櫻子「そう! 私は向日葵のことがとーってもアレ!」

向日葵「ちょ、なんですのアレって!」

櫻子「アレって言ったらアレなの! 向日葵、アレだよ!」

向日葵「う、うれしくない! 全然嬉しくないですわ!!」

櫻子「えっ……向日葵、うれしくないの……? 私、こんなにも向日葵がアレなのに……」

向日葵「アレ呼ばわりだからこそ嬉しくないんですわ!」

櫻子「ひ、ひどい……」グスッ

向日葵「泣くし!? そこまで傷つくんなら言っちまいなさいな! 私が好きって言っちまいなさいな!!」

櫻子「す、好きじゃねーし! アレだし!!」

向日葵「だからアレって好きって意味ですわよね!?」

櫻子「ご想像にお任せしますー!」

向日葵「ず、ズルいですわ!」

櫻子「ズルくないもん! 向日葵、大アレだよっ!」

向日葵「大アレはいくらなんでもアレすぎますわ!?」

櫻子「うんっ、私、向日葵のことがアレすぎる!」

向日葵「~~~っ……!!!」

櫻子「向日葵?」キョトン

向日葵「……ああ、もう!」

ぎゅうっ

櫻子「っ!」

向日葵「もう、アレでいいですわよ……私も、あなたのことがアレですわ。櫻子」ギュッ

櫻子「っ……ほ、ほんとに? ほんとに私のこと、アレ?」

向日葵「アレ。アレすぎてもうわけわかんないですわ。超アレですの」

櫻子「ちょ、超アレは言いすぎだよぉ~」テレッ

向日葵「(ムードの欠片もありゃしねーですわ……)」

櫻子「向日葵、向日葵っ」クイクイ

向日葵「なんですの?」

櫻子「ね、もっと言って」

向日葵「えぇ?」

櫻子「ねーいいでしょー? アレって言ってよー」

向日葵「……アレですわよ、櫻子」

櫻子「ぁ……も、もっと!」パァァッ

向日葵「もっとって……櫻子、アレですわ」

櫻子「もっとぉ」

向日葵「あなたが世界で一番アレです」

櫻子「もーっと!」

向日葵「櫻子、好きですわ!」

櫻子「のぼせんな!!!」

向日葵「!?」

……
…………
………………

櫻子「じゃ、週末はふたりでピクニック!」

向日葵「トントン拍子ですわね」

櫻子「だってアレなんだもーん」モーン

向日葵「はいはいアレアレ」

櫻子「向日葵はお弁当作ってね! ていうか私も手伝う!」

向日葵「え……手伝うって、あなた何が出来ますの?」

櫻子「おかか!ハードな運動で失われた塩分を即座に補う事の出来る塩加減、これぞアスリートのためのフィットネスフード!」

向日葵「ま、そんなところでしょうね……」ヤレヤレ

櫻子「他は向日葵に任せる!」

向日葵「実質丸投げじゃないの……」

櫻子「……けど、大丈夫? 早起きしなくちゃダメだよ?」

向日葵「そうですわね……」

櫻子「……」

アレ?




向日葵「――大丈夫っ。きっと、その日はしっかり起きれそうな気がしますわ!」


 

※ネタバレ:起きれない
終始櫻子優位で進めるつもりが向日葵さんマジイケメンだった
最近ひまさくSSが減ってきたのでもっと増えればいいなあと思いました まる

おつ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom