佐々木「キョン、中日対ヤクルトのCS第三戦が始まるよ」(449)


「やぁキョン、おかえり」

「おう、ただいま」

 古泉とともに我が家の玄関に入ると、エプロン姿の佐々木が出迎えてくれた。

 両親が旅行で不在のため、妹一人での留守番は何かと心配だったのだが、佐々木が子守役を引き受けてくれたのだ。

「悪いな、文化祭の準備とやらで帰りが遅くなっちまった。妹が迷惑かけてなかったか?」

「そんなことはないよ。今日も一緒にクッキーを作って、楽しい時間を過ごさせてもらったのだからね」

 甘い匂いがしていると思ったら、そういうわけだったのか。昨日に引き続き、佐々木の手作りお菓子を堪能できるとは、幸運も続くものだ。


 リビングで待つこと数分。ようやく残りのメンバーも到着したようだ。

 撮影の終わった未編集の映画は俺と古泉に丸投げし、ハルヒはSOS団女子メンバーを引き連れて『重大な用事』とやらを済ませるために別行動となったのだ。

 玄関で出迎えると、なぜだろうか、ハルヒのやつが白い紙箱を俺に向かって突き出してきやがった。

「なんだこれは?」

「……ケーキよ」

 なぜここにケーキがあるのだろうか。

「た、たまたまなんだからね! たまたま、家に材料が余ってたから、試しに作ってみただけなんだから!」

 ハルヒはなぜか顔を赤くしながら、キレ気味に自作のケーキを差し入れしてくれている。

 年頃の少女から、個別に手作りのお菓子を渡されるなんて、今の俺は世界一幸せだと言っても過言ではないのだろう。

 にもかかわらず、デザートばかりで晩飯がないのかと思ってしまった俺は、とても罰当たりな生き物なのだろうか……。

※このスッドレは『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズに登場したキャラクターが、担当チームを応援するスレです。
※原作『涼宮ハルヒの驚愕』までのネタバレがあるかもしれません。アニメだけしか観ていない方はご注意下さい。
※話の流れは実際の試合展開に順じます。
 → 地上波「CBC」、BS「NHK-BS1」、CS「スカチャン1」で視聴できます

【主な登場人物】
 ・古泉一樹:中日ドラゴンズファン
 ・長門有希:東京ヤクルトスワローズファン

 ・キョン:読売ジャイアンツファン
 ・佐々木さん:北海道日本ハムファイターズファン
 ・涼宮ハルヒ:阪神タイガースファン
 ・朝比奈みくる:広島東洋カープファン


※福岡ソフトバンクホークス対埼玉西武ライオンズの試合は、以下の放送局にて視聴できます。
 地上波「RKB(18:15より)」「TOKYO-MX」、BS「NHK-BS1」、CS「JSPORTS3」

Yahoo試合速報

radiko.jp ABCでCS中継
http://radiko.jp/

佐々木「キョン、ファイターズ対西武のCS第一戦が始まるよ」
佐々木「キョン、ファイターズ対西武のCS第一戦が始まるよ」 - SSまとめ速報
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佐々木「キョン、ファイターズ対西武のCS第二戦が始まるよ」
佐々木「キョン、ファイターズ対西武のCS第二戦が始まるよ」 - SSまとめ速報
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佐々木「キョン、ヤクルト対巨人のCS第二戦が始まるよ」
佐々木「キョン、ヤクルト対巨人のCS第二戦が始まるよ」 - SSまとめ速報
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佐々木「キョン、中日対ヤクルトのCS第一戦が始まるよ」
佐々木「キョン、中日対ヤクルトのCS第一戦が始まるよ」 - SSまとめ速報
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佐々木「キョン、中日対ヤクルトのCS第二戦が始まるよ」
佐々木「キョン、中日対ヤクルトのCS第二戦が始まるよ」 - SSまとめ速報
(http://www.vipss.net/haruhi/1320310771.html)

ハルヒ・・・阪神タイガース
キョン・・・読売ジャイアンツ
佐々木・・日本ハムファイターズ
みくる・・・広島東洋カープファン
長門・・・・東京ヤクルトスワローズ
古泉・・・・中日ドラゴンズ
朝倉・・・・埼玉西武ライオンズ
妹・・・・・・千葉ロッテマリーンズ
橘・・・・・・福岡ソフトバンクホークス

一回表 竜0-0燕 チェンジ P:山井
山田 三直
上田 からさん
青木 中飛

「先発は山井なのか。まあ予想通りってところか」

「今年は好不調の波が激しく、投げてみないとわからない部分がありましたが、初回を見る限りでは心配することもなさそうですね」

 山井といえば、日本シリーズでの完全試合だよな。

 まあ、あれは継投で達成したものだが。

21時までに終わってくれないとカイジと被るぞ……

一回裏 竜0-0燕 チェンジ P:村中
荒木 遊ゴ
井端 右飛
森野 遊直

「ヤクルトの先発は村中か。こっちも順当ってところだな」

「村中恭兵はクライマックスシリーズファーストステージからロングリリーフなどで好投をしていた。疲労の蓄積が懸念されるが、今日も彼本来の投球をすることを期待している」

「ファーストステージじゃ、第一戦と第三戦で投げてたよな。ほんとによくがんばってるもんだ」

 村中もコントロールに苦しんでいるようだが、初回を三者凡退か。気力で抑えた感じだな。

セーフ

大丈夫かな

ダブルプレーと思ったら……

二回表 竜0-0燕 一死一二塁 P:山井
畠山 遊内安
バレンティン 中安
宮本 投ゴ(バスター・三塁封殺)

「畠山は調子を戻してきたみたいだな」

「鋭い打球ではなかった。しかし、打球の方向が良かった」

 つづくバレンティンは、センターへの強烈なライナーで続いたようだ。

「山井投手の制球が甘いようです……。変化球も抜けていますので、このままでは心配ですね」

 ヤクルトとしては絶好のチャンスになったか。

二回表 竜0-1燕 チェンジ P:山井
相川 からさん
森岡 中タイムリー!
村中 みのさん

「最後の球は良かったな。好調の相川を三振かよ」

「ええ、ド真ん中からボールになるフォークでしたからね。重要な場面で素晴らしい球を投げてくれたものです」

 しかし、次のバッターもファーストステージで活躍してたからな。中日も気の抜けない場面が続く――おおっ!

「変化球に巧く合わされてしまいましたか。1点とはいえ、序盤での失点は痛いですね」

 しかし、最初のチャンスをしっかりと得点に繋げたのか。

 昨日の勝ちがヤクルトを勢いづけているのかもしれん。

中日は点入らんかったか

二回裏 竜0-1燕 チェンジ P:村中
ブランコ 遊ゴ
谷繁 三ゴ
和田 よんたま
平田 遊ゴ

 ブランコと谷繁は簡単に抑えた村中だったが、和田にはフォアボール、平田にもかなり投げにくそうだったな。

「村中も苦しそうだな」

「アウトコースの制球に苦しんでいる。連投の疲れが投球フォームに影響していると推測される」

 短期決戦のポストシーズンとはいえ、ここまでのヤクルトの戦い方は、陸上の中距離走を最初から全速力で走っているようなものだからな。

 試合が進めば進むほど、徐々に綻びが出てくるのだろう。

三者凡退

中日ヒットでないな

三回表 竜0-1燕 チェンジ P:山井
山田 からさん
上田 左邪飛
青木 左飛

「ルーキーの山田だが、打撃じゃ貢献できてないみたいだな」

「一軍投手の球に慣れていないためと考えられる。しかし、守備においては安定した動きを見せている」

 カンフル剤とはいかないまでも、しっかりと穴は埋めてるってことか。

 調子を落とした選手を休ませる意味でも、山田の存在は役に立ってるってことなのかもしれない。

やっと

四球

三回裏 竜0-1燕 二死一二塁 P:村中
大島 遊ゴ
山井 遊ゴ
荒木 右安
井端 よんたま

「しかし、ずいぶんとショートに打球がいくな」

「ここまでの8つのアウトのうち、ショートに飛んだ打球は6つ。実に打球の75%を処理している」

 難しい打球も処理していたし、山田の起用は決して間違ってないようだな。

「おお、荒木選手にヒットが出ましたね。ようやくこの試合初ヒットですよ」

 続く井端はフォアボール。そして好調の森野を迎えるという場面だ。

 中日にとってはツーアウトながら、大きなチャンスが訪れたか。

あああああああ

三回裏 竜0-1燕 チェンジ P:村中
森野 左飛(上田好捕!)

「おお、あの打球を捕ったのかよ」

 レフト前に落ちようかという打球を、上田が飛び込みながら抑えた。

「俊足の荒木選手と井端選手がランナーでしたので、前に落ちればまず一点、後逸すれば二点という場面だったのですが……。これは捕球した上田選手を褒めるより他ありませんね」

 しかし、中日にも攻めの形というものが見えてきた回だったな。

 村中はセットでのコントロールに苦しんでいる。一人でもランナーが出れば、得点が期待できそうだ。

四回表 竜0-1燕 二死二塁 P:山井
畠山 からさん
バレンティン 中安
宮本 三ゴ(エンドラン・進塁打)

「バレンティンは二安打か、調子が上がってきたみたいだな」

「ウラディミール・バレンティンノだけでなく、畠山和洋も調子を上げている。この打席では三振に倒れたが、彼本来のスイングをしていた」

 ヤクルトにとっては、中軸の復調は大きいだろう。だが――

「宮本慎也の不調が深刻……」

 ファーストステージから音無しなんだよな、こいつは。

もう流れはヤクルトだな

四回表 竜0-1燕 二死一三塁 P:山井
相川 右安

「相川は手をつけられないな……」

「巧く右方向に打たれてしまいましたね。強肩の平田選手でなければ、生還を許していたかもしれません」

 これでツーアウト一三塁か。

 そして、前の打席でタイムリーを打っていた森岡が打席に立つ。

 中日としては、難しい場面が続くな。

耐えた

これで中日に流れが来ればいいのだが

四回表 竜0-1燕 チェンジ P:山井
森岡 敬遠
村中 みのさん

「敬遠か。まあ、森岡の次はピッチャーの村中だし、当然といえば当然か」

「そうですね。しかし、スリーボールまで谷繁捕手が座ったままでしたので、村中投手の打席で代打という場面も考えていたのかもしれません」

 ヤクルトの代打は大当たりだからな。中日としても警戒しちまうか。

 まあ、ヤクルトとしても村中を降ろすわけにもいかなかったようだ。結果は見逃し三振。

 様々な思慮が交錯した場面だったが、結果だけ見れば順当なものだったな。

手堅い

四回裏 竜0-1燕 一死二塁 P:村中
ブランコ 左安
谷繁 投犠打

「ブランコにもヒットが出たか」

「10月の月間MVPに輝くほどの活躍をされていましたからね。本当にようやくといった感じですよ」

 続く谷繁は堅実にバントを決め、これでワンナウト二塁というチャンスを演出した。

「和田選手、平田選手と右の強打者が続きますからね。何としても、ここで同点に追いついてもらいたいところです」

 村中の投球内容は決して良くないが、このまま得点できないでいると、中日としても嫌なムードが流れちまうか。

おや?

キャラがそれぞれの球団のファンになるに至った経緯がわかるというか
元になったSSとかあるの?

四回裏 竜0-1燕 一死一二塁 P:村中
和田 よんたま

「またフォアか」

「これでこのシリーズ五個目ですか。和田選手は多くのフォアボールを選んでいますね」

 選んでいるというよりは、相手投手がストライクを投げられないという感じだがな。

 やはり強打者の風格というものがあるのだろうか。

おいおい

ピッチャー交代

四回裏 竜0-1燕 一死満塁 P:村中
平田 よんたま

「またフォアか」

「やはりランナーを置いた場面での投球時、村中恭兵はコントロールを乱してしまう。相川亮二も慎重なリードをしていたが、最後の球が大きく外れてしまった」

 これで、ワンナウト満塁となってしまった。

 『たられば』は禁物なのだが、さっきの村中の打席で代打を送っていたらと想像したくなる展開だな。

逆転

同点だた

逆転できるかな

四回裏 竜1-1燕 二死満塁 P:村中 → バーネット
大島 右タイムリー!
山井 からさん

「さすが大島選手です! バーネット投手の代わり端を巧く叩きましたね!」

 大島の打球は前進守備の内野の上を跳び越し、ライト前へのタイムリーとなった。

 去年の日本シリーズじゃ、ルーキーながら優秀選手賞を取ってたらしいからな。いい場面で打ったもんだ。

押し出しあるかな?

3アウト

こっちも四球か……

四回裏 竜1-1燕 チェンジ P:バーネット
荒木 二ゴ

「おお、抑えたのか」

 思わず溜息が漏れるような場面だったな。しかし、バーネットはよく抑えたもんだ。

「トニー・バーネットは登板直後から制球が定まらなかった。しかし、打者の手元で僅かに変化する投球によって、この窮地を最小失点で抑えることができた」

「こちらとしては一気に逆転といきたかったのですが、仕方ないですね。しかしながら、打線の繋がりというものが見えてきました。今後に期待できそうですよ」

 ワンナウト満塁というピンチを最小失点で凌いだヤクルト、逆転こそできなかったが打線が繋がり同点に追いついた中日。

 どちらのチームも、今後に繋がるような結果となったようだ。

ヤクルトがー

五回表 竜1-2燕 一死二塁 P:山井
山田 よんたま
上田 投犠打
青木 右タイムリー!

「ふむ、同点に追いついた直後なのですが、先頭にフォアボールですか……。いけませんね」

 二番の上田が手堅く送って、ワンナウト二塁。そして、迎えるバッターは青木だ。

「青木宣親は、ファイナルステージにおいて調子が上向いている。この得点機においても――」

「おー、あっさり打ちやがったな」

「これで再び勝ち越し。流れは東京ヤクルトスワローズに傾きつつある」

 なおもランナー二塁で、畠山とバレンティンが打席に立つのか。

 中日としてはかなり苦しい場面になるな。

>>95
SOS団や佐々木さんの応援するチームは、四年前の交流戦で立てられていたハルヒ野球スレより流用させていただいております。

また、それぞれの球団のファンになる経緯についではありませんが、各キャラクターが好きな選手について話しているSSはいくつか書いた覚えがございます。
とりいそぎ、古泉の分だけでもお知らせいたします。

※ハルヒSSまとめサイト+α様
佐々木「キョン、セ・リーグCSファイナル第一戦が始まるよ」

二死三塁

よし3アウト

五回表 竜1-2燕 チェンジ P:山井 → 鈴木義広
畠山 右飛(タッチアップ)
バレンティン 二直

「中日のブルペンもさすがだな」

「畠山選手、今日二安打をしているバレンティン選手という場面でしたが、鈴木義広投手の変化球が勝ったようですね。素晴らしい火消しですよ」

 中日のブルペンといえば、左右が豊富というだけでなく、本格派から変則型のピッチャーまで揃えているというイメージがあるからな。

 ヤクルトの繋がりも見事だったが、中日のブルペン陣の層を見せつけられたような場面だったぞ。

そろそろホームランでないかな

ソフトバンクで繋がるのは打線だけっていうのは本当だったか……

五回裏 竜1-2燕 チェンジ P:バーネット
井端 遊ゴ
森野 二ゴ
ブランコ 三ゴ

「ふむ、上位打線から始まる回だったのですが、三者凡退ですか」

「トニー・バーネットも打者の膝元となる高さに変化球を集めていた。ランナーのいない場面での制球は安定している」

 この回に中日が得点するようなことがあれば、荒れた試合展開になるかもしれなかったんだが。

 中日ブルペン陣はすごいが、ヤクルトも負けてないな。

そういやまだ>>1はドラフトネタやってないな
浪人するらしいけど

六回表 竜1-2燕 チェンジ P:鈴木義広
宮本 遊ゴ
相川 遊ゴ
森岡 左飛

「しかし、鈴木の球は打ちづらそうだな」

「特に右打者には打ちづらいでしょうね。左打者に対してもさほど相性が悪いわけではありませんので、今シーズンは防御率1.08という素晴らしい成績を残したのですよ」

 左打者には小林正人がいて、終盤には浅尾と岩瀬が控えてるってわけか……。

 リーグ最小失点という結果も頷けるラインナップだな。

今サンテレビで阪神の今シーズン名場面集やってるね

>>180
菅野の話は、どうしてもネタにしづらいですね。

幼少期から巨人への憧れを抱いていたというだけでなく、現役監督の甥でもありますので、
(巨人という球団だけでなく)相思相愛の関係に横槍を入れられてしまった過去の事例よりも、一層の重みがあると感じてしまいます。

日ハムファンのわたしが、それらしいことを言ったとしても角が立ちますし、
やはり取り上げづらいというのが本音となってしまいます。

なるほど……
難しいね

六回裏 竜1-2燕 二死一二塁 P:バーネット
谷繁 中飛
和田 よんたま
平田 からさん
大鹿 よんたま(バーネット → 渡辺恒樹)

「和田は今日、フォアボール三つかよ」

「走者なしでのフォアボールはヒットに等しい価値がありますからね。和田選手の出塁は大きな足がかりとなっていますよ」

「まあ、次の平田が良くないだけに、あまり目立ってないよな」

「そうですね……。平田選手も、シーズン中は価値あるホームランを打っていたのですが、ポストシーズンでは未だに快音を聞けていないですね」

 平田もおもしろいやつだから、出場してもらいたくもあるんだが、今日の試合で中日が負けるようなことにでもなれば、先発落ちもありうるだろうな。

3アウト

六回裏 竜1-2燕 チェンジ P:押本
鈴木義広 → 藤井 よんたま
荒木 二ゴ

※渡辺恒樹 → 田中浩康(二)
  森岡 → 押本(投)

「藤井投手はよく選びましたね。この場面でのフォアボールは大きいですよ」

 押本も外角中心の慎重な攻めをしていたんだがな。藤井の粘り勝ちか。

「荒木選手はここまでチャンスで凡退してしまっておりますが、ドラゴンズの中心選手ですからね。意地を見せてもらいたいですよ」

 荒木が繋げば、好調の井端や森野にまで繋がるかもしれないからな。

 中日にとってもヤクルトにとっても大きな場面に――おー、押本が勝ったか。

「非常に残念な結果ですね。しかし、これが尾を引かなければいいのですが……」

 チャンスで凡退しちまうと、不思議と打てなくなるよな。

 巨人の坂本然り、日ハムの稲葉然りって感じだな。

七回表 竜1-2燕 チェンジ P:平井
浩康 右飛
山田 左飛(和田好捕!)
上田 右飛

※平田 → 平井(投)
  藤井(右)

 ルーキーの山田がレフトへと鋭い打球を放ったのだが、和田の倒れこみながらの好捕にあい、初ヒットとはならかったようだ。

「惜しい当たりだったんだがな」

「山田哲人は初回に続き、ヒット性の打球を放っている。大器の片鱗を垣間見せた場面だった」

 ヒットになっていれば、上田が送って、チャンスで青木を迎えていたかもしれないからな。

 中日にとっては、ビッグプレイになったか。

七回裏 竜1-2燕 一死一三塁 P:押本
井端 右安
森野 一邪飛
ブランコ 中安

「押本はかなり辛そうだな」

「ファーストステージから疲労が蓄積していると思われる。しかし、東京ヤクルトスワローズのブルペンも逼迫している。押本健彦には何としても抑えてもらいたい」

 この回を抑えれば、八回松岡、九回イムって計算ができるだろう。

 だいぶ球が浮いちまってるが、ここを抑えれば――

「おお、ブランコ選手が続きましたね。バットを折りながらもしぶとくセンター前へ落としましたよ」

 これで、ワンナウト一三塁か。

 ヤクルトには六回に続いて厳しい場面が続くな。

七回裏 竜1-2燕 二死一三塁 P:押本
谷繁 からさん

「おおっ、そこでフォークかよ!」

「外へのスライダーを軸に攻めていましたからね。さすがの谷繁選手も、フォークが来るとは思わなかったのかもしれません」

 これでツーアウトか。しかし、次の和田も怖いバッターだ。

 ヤクルトには気の抜けない場面が続くな。

七回裏 竜1-2燕 チェンジ P:押本
和田 遊ゴ

「押本の粘り勝ちか……」

「そうですね。打てない球ではなかったと思うのですが、フォークに対する意識がよぎってしまったのかもしれません……」

 あれほどの窮地をヤクルトは凌ぎ切ったのか。

 本当に溜息の漏れるような勝負だったぞ。

 古泉は嘆息が漏れるような場面だったろうが。

八回表 竜1-2燕 チェンジ P:浅尾
青木 右安
畠山 遊併殺
バレンティン みのさん

「畠山に送りバントさせるのかよ」

「続く、ウラディミール・バレンティンの打棒に期待したと推察される」

「なるほどな。一点でも追加点が欲しいってことか」

 しかし、四番にバントなんて、せっかく調子が上がってきたのに水を差すようなことになりはしない――ああ、最悪のゲッツーになっちまったか。

「パーソナルネーム畠山和洋と敵性と判定。当該対象の有機情報連結を――」

 長門、お前なりの冗談なのだろうがやめておけ……。

八回裏 竜1-2燕 チェンジ P:松岡
浅尾 → 佐伯 遊ゴ
大島 みのさん
藤井 遊ゴ

「松岡もすげえな」

「伸びのあるストレートに、落差のあるフォークですか……。この回は三者凡退に抑えられましたが、九回は一番から始まります。何としても同点、逆転していただきたいですね」

 好調の井端や森野に回るわけだからな。中日としても試合をひっくり返せる期待もできるってものだろう。

 しかし、松岡はいいピッチングしていたな。九回も続投させるのだろうか。

1点だけでもいいから中日に頑張って欲しい

九回表 竜1-2燕 チェンジ P:岩瀬
宮本 遊ゴ
相川 からさん
松岡 → 飯原 遊ゴ

※佐伯 → 岩瀬(投)

「岩瀬もいいピッチングしてるな」

「外を中心に堅実な攻めをしています。今シーズンは失点する場面も散見されたのですが、やはり踏んできた場数が違いますね。緊張を強いられる場面でもしっかりと本来のピッチングをしていますよ」

 ヤクルトも好投していた松岡を代えたのだが、代打策は実らず三者凡退か。

 となると、九回はイムが出てくるってことか。巨人戦じゃ失点していただけに、どうなるか見ものだな。

九回裏 竜1-2燕 一死一塁 P:林昌勇
荒木 からさん
井端 よんたま

※飯原 → 林昌勇(投)

「さすがイムだな……」

 荒木へのラストボールは、内角低めを突き刺すようなストレートだった。

「林昌勇の不調が懸念されたが、ストレートは球威充分だった。あとはコントロール」

 井端にはフォアボール。長門の不安が的中しちまったか。

 そしてバッターは森野。サヨナラホームランもありうる場面になったな。

同点のランナー

あと1人

ボール

空振り

九回裏 竜1-2燕 二死一塁 P:林昌勇
森野 一ゴ(二塁封殺・森野田中交錯・代走:英智)

「ふむ……、森野選手の打ち気を逸らすようにフォークを連投されてしまいましたね」

 森野の打球は、力なく一塁手の前に転がってしまった。

「イムが踏ん張ったか。しかもセカンドアウトで――おおっ!?」

「森野選手が一塁に達した際に、ベースカバーに入っていた田中選手と激突してしまったようですね……」

 やれやれ、二人とも大事には至らなかったことが不幸中の幸いか。

ファール

フライ
試合終了

あと2勝したほうが勝ちか

九回裏 竜1-2燕 試合終了 P:林昌勇
ブランコ 中飛

「ホームランにはあと一伸び足りなかったですね。残念です」

 しかし、ブランコの打球もよく飛んだな。もう少し角度がよければ間違いなくホームランになっただろう。

「東京ヤクルトスワローズは、この勝利で対戦成績を二勝二敗の五分とした。怪我人も多く、また主要投手に連投を強いているという満身創痍の状況だが、勝利こそが選手に活力を与えている」

 この勝利で流れを戻したヤクルトだが、投手陣の疲労はかなりのものだろう。特に押本や村中は疲労の色が濃かったように見えたくらいだ。

 このままヤクルトが突っ走ってしまうのか、それとも中日が意地を見せるのか。本当にどちらが日本シリーズに行くのかわからなくなっちまった。

 高校野球みたいな戦いを続けているヤクルトが、こんなにも粘るなんて思いもしなかったぞ。

 どっちのチームにも肩入れしちゃいないが、明日の試合がどうなるのか楽しみになっちまうな。

お疲れ様でした!

再三のピンチを執念のピッチングで乗り切ったヤクルトが、ロースコアの接戦をものにしました。
中日の打者陣も数多くのチャンスを作ったのですが、あと一本がでませんでした。

これで対戦成績は二勝二敗の五分となりました。
明日の試合を取った方が、ファイナルステージ突破に大きく近づくと思われます。

たくさんのご支援を頂きまして、本当にありがとうございました。
明日ですが、18:00頃にスレ立てしようと思っております。
また次の試合につきましても、お付き合い頂けますと幸いです。

※13:00より、パ・リーグの試合がありますが、そちらにつきましてはお休み致します。

やっぱり明日もきょこたんは出ないか……

残念だ……

>>439
すみません、一日二試合は本当に辛かったもので……

このままの調子で行けば、日本シリーズに出場できそうですし、
また万が一の場合も、火曜の試合をフォローできるかと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。



明日からパは13時からなのか

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