結衣「あかりを見てると…胸がドキドキする…」(169)

 

結衣「あかり!」

結衣(ヤバイ...胸がドキドキドキドキドキドキドキドキ)

あかり「なーに...って結衣ちゃん顔真っ赤だよ!大丈夫?!」

結衣「ああ..大丈夫だよ!ありがとな心配してくれて....それで...その....」

あかり(結衣ちゃん可愛いよ結衣ちゃん)

結衣「....すぅー」

結衣「私あかりの事が」

結衣「その好...す...ス...すk....うっ!」

結衣(胸が痛い声も出ないあかりに何も伝えられn)

あかり「...え?」

あかり「結衣ちゃん!どうしたの!ねぇ!結衣ちゃん!起きてよ!」

あかり「そんな...結衣ちゃん...結衣ちゃん結衣ちゃん結衣ちゃん結衣ちゃん!」

あかね(害虫駆除完了)ニヤリ




千歳「おはよう船見さん」

結衣「おはよう千歳」

結衣「って今日は1人なのか?」

千歳「...なに言うてんの船見さんが呼び出したんやろ?」

千歳「朝からブランコで待ち合わせなんてどうしたん?」

結衣「まあまあ座って座って」

千歳「よっこらしょ....ブランコなんて久々やわー」

千歳「うわ!楽しい!気持ちいい!懐かしい!」

結衣「楽しそうでなによりだよ」

結衣「.....それで話しなんだけど」

千歳「うんなになに?」

千歳「あっ!もしかして....うち告白されるん?そんな船見さんやったらもっとええ人居るやろうに」

結衣(今日の千歳テンション高いな......)

千歳「例えば、歳納さんとか」

結衣「まああいつの事は好きだし凄く凄く大切に思ってるし私が居てやらなくちゃいけないしでもまあ昔に比べたら......」

千歳(.......そうか)

千歳「船見さんそんなに歳納さんの事思ってるんか.....大丈夫大丈夫うちも協力してあげるからな」

結衣「......ありがとう千歳」

結衣「でも今日話したかったのは別の事なんだ」



結衣「千歳は初恋の相手が誰だったか覚えてる?」

千歳「.......初恋の相手?」

結衣「うん」

結衣「いや誰が好きだったとかじゃなくてさ.....なんていうかな」

結衣「ただ誰かに初めて恋をしたことを今でも覚えてるか」

千歳「覚えてるに決まってるやんか.....うちらまだピチピチに10代やろ」

結衣「....そうか」

千歳「船見さんは覚えてないの?まあ船見さん周りと比べて随分と大人びてるからなあ」

結衣「いやいや千歳も同い年だから」

千歳「知ってるわそのくらい馬鹿にせんといてくれる?」

結衣(千歳の方が私なんかよりずーっとずーっと年上みたいだ....というかおばあちゃんと接してるようなこの安心感)


結衣「.....私はさ」

結衣「思い出せないんだ」

千歳「....初恋の相手について?」

結衣「そう.....昔のアルバムを捲ってみても」

結衣「昔過ごした場所に赴いてブランコを漕いでみても思い出せない」

結衣「まるでナクシモノを探してるようで」

千歳(そろそろブランコ飽きてきたわ)

結衣「なんだか心にぽっかりと穴が空いているようで」

結衣「なんだか.....」

千歳「....船見さんはまだ恋したことがないんじゃないかな?」

結衣「そうなのかな」

千歳「もしそうやったら船見さんはアホやな~」

結衣「はは.....そうだな」

千歳「例えば幽霊だとかUFOだとか」

千歳「ああいうもんって大抵の人には見えないし触れられないし存在するなんて信じられないやろ?」

結衣「ああまあ怖いもんは怖いんだけどな」

千歳「でも誰かが話す怪談話に恐怖して心霊スポットに行ってみて」

千歳「極限のストレスに脳が誤作動おこして変なもん見る」

千歳「それでその体験を誰かに話して」

千歳「また誰かが存在しないかもしれない幻影を日常の中で追い回す」

千歳「そういう行動は周りから見たらただのアホやけど」

結衣「まさに私.....」

千歳「あーなんか何言おうと思ったのか忘れてしまったわ」

結衣「存在しないモノを探しても無駄」

結衣「まずは恋をしたことがあるかだろ?」

千歳「船見さんは恋をした覚えがあるから探そうとしてるんやろ」

結衣「うん....そうなんだけど」

千歳「恋ってなんなんやろうな?」

結衣「....ふふなんだよそれ」

千歳「船見さんの為に考えてるんやから」

千歳「うちが多少くさい事言うても笑うの禁止ええな?」

結衣「ああごめんごめん」

結衣「そうだよなぁ恋ってなんなのかなぁ.....」

結衣「うーん」

結衣「あのさあ....千歳今から言うこと忘れてくれる?」

千歳「ええけど....何?まさか禁断の愛についt......」

結衣「はは....まあ半分合ってるかな?」

千歳「いやああああ襲われる誰かあああああ」

結衣「はいはい黙って」

結衣「恋愛ってのは男が女を好きになって」

結衣「女が男を好きになって」

結衣「互いを愛し合い」

結衣「それで.....その.....ほら」

千歳「ベッドイン?」

結衣「.......まあそうなる」

千歳「....ふふ」

千歳「船見さんはほんとかわいいなあ」

結衣「え?いや可愛くなんか....」

千歳(あかんあかん口に出してた)

結衣「まあそれでゆくゆくは結婚して子供が出来て」

結衣「それが普通だろ?」

千歳「まあそうやなー其処まで上手く事が運ぶとするならそれが普通」

千歳「.....普通?」

結衣「......その.....例えば例えばだぞ?」

結衣「例えば....私の初恋の相手が」

結衣「......女の子だったら千歳は」

結衣「....千歳はどう思う?」

結衣「やっぱり普通じゃないと思う?気持ち悪いと思う?存在しない幻影を追い求めるアホ達よりさらにアホだと思う?気持ち悪いと思う?」

結衣「気持ち悪いとおもう?同性愛者だから気持ち悪いと思う?きもちわr」

千歳「船見さんもうええよ」

結衣「.....ごめんな変な話して」

千歳「いやいやええんよ」

千歳(やっぱ船見さんかわええわあ....)

千歳「まあ女の子が女の子好きになるのは普通ではないけどな」

千歳「うちは例え船見さんの初恋の相手が女の子でも猫でも幽霊でも蜜柑でもうちでも気持ち悪いなんて思ったりせえへんよ」

千歳(むしろウエルカムやわ)

結衣(....うんありがとう千歳)

千歳「船見さんは何で女の子が女の子を好きになったらだめなんやって思うの?」

結衣「だって....だって普通じゃないよそんなの....」

千歳「普通がどうとかはどうでもええんよ」

結衣「でも周りが....その...」

千歳「それは船見さん自身の問題やろ?周りのせいにしたらあかんよ」

結衣「....うんわかってるけど」

結衣(私はわかってるのかな?周りのせいにして....)

千歳「けどなんなん?」

結衣「....相手に迷惑が掛かっちゃうかもしれないから」

結衣(....そのくらいなら)

千歳「船見さんは初恋の人を思い出せない覚えていないんじゃなくて」

千歳「自分の奥深くに封印してたんやろ?」

千歳「初恋の相手は実はもう見つかってる」

千歳「ただ意識しないように相手を巻き込まないように必死に自分で言い訳をして隠し続けてきた」

結衣「なんで....なんで千歳は....」

千歳「うちも船見さんの仲間やから」

結衣「....仲間って?そういう....こと?」

千歳「うちの初恋の相手はな」

千歳「広い広い宇宙の地球で日本のこの町に住んでて」

千歳「同じ学校に通っててな」

千歳「同じクラスで」

結衣(........)

千歳「生徒会を一緒にやってて」

結衣(....何期待してんだろ私)

千歳「その子がまた可愛いんよ~」

千歳「凄く不器用でなその子」

千歳「その子の好きな子に会いに行く時なんか顔まあっかにしてな」

千歳「千歳ぇ~心臓がやばいよぉ~なんて言って」

千歳「落ち着くまで手を握って欲しいなんて言ってくることもあるなぁ~」

結衣「うん...可愛いなその子」

千歳「せやろ?もう可愛くて可愛くて」

千歳「そんでまあ傍におったからうちはその子の事好きになったんか」

千歳「好きやからその子のうちは傍におるんか」

千歳「その子はきっとうちの事見てる余裕がないくらいに他の子の事見てるだろうし」

結衣(.....千歳)

結衣「それってあやn」

千歳「あっちゃあーばれてもうてたかー」

結衣「そりゃ....そこまで言われたら誰だってわかるよ」

千歳「まあこれで周りに一人普通じゃない人見つけたやろ?」

結衣「それは喜ばしいことなのかな....」

千歳「それにな船見さんの周りには船見さんの仲間たーっくさんおると思うよ?」

千歳「うちの初恋の相手の好きな相手も女の子やし」

千歳「櫻子ちゃんはあかりちゃんにアプローチしてたみたいやけど結局叶わず向日葵ちゃんが櫻子ちゃんを今慰めてるとこやし」

千歳「娯楽部の吉川さんも完全にこっち側やし」

結衣(....こっち側って)

千歳「あとこれは絶対に秘密なんやけどな...会長と先生も付き合うてるんよ」

結衣(なんか悩んでた私が馬鹿みたいだなこれ....教師と生徒....あーだめだめ)

千歳「ばれたら逮捕ものやから秘密にしてな」

結衣「大丈夫だよ絶対秘密にするから」

結衣「生徒会長が教師との同性恋愛の末処分下されるなんてとんでもないからな」

千歳「大事件やな」

千歳「いやーでもよくよく考えてみたらうちの学校も変なところやなあ~」

千歳「まるで女の子同士が当たり前みたいな雰囲気で」

結衣「それもそれでどうかと思うがな」

千歳「まあまあええやないのうちらにとったら天国や」

結衣「.....最高だな」

千歳「そんな中でも船見さんは真面目でそれで優しくて」

千歳「だから初恋の相手に遠慮して自分を見ないフリし続けてた」

結衣「....いいんだ初恋の相手はもう見つかったしこれからは見失ったりしない」

千歳「でもよかったわぁ~船見さん最近調子悪そうやったから周りの皆まで落ち込んでたんよ」

結衣「迷惑かけないつもりだったのにしっかりとかけててたんだな」

結衣「....ってもうこんな時間か」

結衣「ブランコともおさらばだな」

千歳「....なあ船見さん」

千歳「今日学校サボろか」

結衣「.....そうだな」

千歳「そうしよそうしよ...うちはもうちょっとブランコ乗ってたいし」

千歳「積もる話もあるやろうから」

結衣(千歳は)

結衣「千歳ってさあ本当に....」

結衣「その...」

千歳「なあに?」

結衣「.....いやなんでもない」

千歳「そっか.....うちは学校サボるのなんて初めてやわー」

千歳「人通りの少ない町ってなんかええな」

結衣「なんかわかるよそれ」

結衣「いつもと同じ場所なのにまったく違う表情を見せてくれる」

千歳「船見さんは何故かうちを相談相手に選んでくれて何時もと全然違う船見さんを見せてくれた」

千歳「嬉しかったよ」

結衣「私も千歳に相談してよかったって思ってる」

千歳「うんうんありがとな」

千歳「まあそれにしても学校サボって公園に二人っきりなんて青春やな」

結衣「たまにはいいなたまにはだけど」

千歳「船見さん....このまま二人で遠くに駆け落ちしてしまおうか?」

結衣「それもいいな~」

千歳「そやな~」

結衣「なあ千歳」

千歳「どうしたん?」

結衣「聞こうかどうか迷ったんだけどさ」

結衣「その.....千歳は」

結衣「綾乃と京子みてて辛くないの?」

千歳「.........」

結衣「いや....ごめん....答えなくてもいいよ」

結衣「....変な事聞いてごめんね」

千歳(ほんとに船見さんは可愛いわぁ)

結衣「いつも綾乃の傍には千歳がいて綾乃を支えてあげて」

結衣「でも綾乃は京子ばっかり見てる」

結衣「千歳は綾乃の事が好きなのにそれに耐えられるなんて」

結衣「.....凄いよ」

千歳「そりゃうちだって辛くないはずないよ?それは当たり前のこと」

千歳「でも綾乃ちゃんが幸せならうちも幸せなんよ?うちは綾乃ちゃんの不幸を祈ったりしたくないし」

千歳「綾乃ちゃんと歳納さんが仲良くするの見るのはあんまり好きじゃないし」

千歳「ほんとは綾乃ちゃんにこっち向いてて貰いたいけど」

千歳「それは私のエゴやし」

千歳「綾乃ちゃんもそれを望んでないから」

千歳「綾乃ちゃんがね...うちにこう言ってくれたんよ」

千歳「千歳の傍に居ると安心できる」

結衣(それはうん....私も思う)

千歳「千歳が居てくれて本当に良かった」

千歳「これは歳納さんに会いに行く前に綾乃ちゃんの手を握って緊張をほぐしてたら言われたんよ」

千歳「単純に凄く嬉しかった」

千歳「うちは綾乃ちゃんの止まり木でもなんでもいいんよ」

千歳「今のうちには時には綾乃ちゃんの手をとり背中を押して」

千歳「綾乃ちゃんを目を背ける事があっても見守ることしかできないからしゃあないんよ.....」



結衣「でもそんなのって....」

千歳「いいのいいの気にせんで」

千歳「うちもね船見さん程じゃないけど....自分を押し殺してんのよ」

結衣「....知ってるよ」

結衣「京子と綾乃が仲良くしてるのを見てる千歳は笑ってるけど笑ってない」

千歳「そうかな?自分では笑ってるつもりなんやけど」

結衣「笑ってるけど....」

千歳「うちなよく鼻血出すやろ?貧血起こすくらいに」

結衣「ああ....いつも出してるな」

千歳「あれは妄想の世界に入ってキャッキャウフフな事になるからこう.....」

結衣「目の前の京子と綾乃を見たくないから?」

千歳「....それもあるかもなぁ」

千歳「だからうちも自分の気持ち押し殺してるいうたやろ?」

千歳「でもええんよ綾乃ちゃんの傍にいれる....例え目が見えんようになっても」

結衣(.................)

千歳「さむくなってきたなぁ」

結衣「あのさ.....私はさ」

結衣「千歳のこと大好きだよ」

千歳「....もうどうしたん?そんな急に」

結衣「もし千歳が止まり木役に疲れたり.....」

結衣「その....綾乃のこととか家事とか勉強の事何でもいい

結衣「もし千歳が疲れたら私を頼ってくれ」

結衣「笑ってるのに笑ってない千歳を見たくないんだ」

結衣「だから...その....」

千歳「.....ふふ」

千歳「船見さん今のうちへの告白?」

結衣「ああ....まあ3分の1くらい合ってる」

千歳(ああああああああかわいいいいいいいいいいいい)

千歳「.....ふふ...うちも船見さんの事大好きやで~」

結衣「うぅ......本格的に寒くなってきた」

千歳「それにお腹もすいてきたなぁ」

結衣「...........」

千歳「..............」

結衣「....私ん家行こうか?」

千歳「船見さんさっきの発言の後にその発言はギリギリアウトや」

結衣「いや.....別に襲ったりしないって」

千歳「うちが船見さん襲ったらどうするんよ」

結衣「.......まあ拒みはしない」

結衣「かも.....」

千歳「じゃあその案はまた今度な」

結衣「.......じゃあ学校?」

千歳「まあしょうがないけどそうなるなぁ」

千歳「なあなあ船見さん早速なんやけどな」

結衣「何?」

千歳「こうなんか寒いやんか?」

結衣「うんうん寒いな.....なんか風も出てきたし」

千歳「それでなこう....手もちべたーくなるやんか?」

結衣「あーなるなる....あかりはならないんだけど何でかな」

千歳「それで寒いときは人肌であっため合うのが一番やと」

結衣「......つまり」

千歳「あーもう船見さん何考えてんの?鼻血出てるよ鼻血」

結衣「えっ!嘘!うわ....ほんとだった」

千歳「はいティッシュ」

千歳「って言ってもこれあかりちゃんから貰った奴なんやけどな」

結衣「ああーありがとう.......それで何をすればいいんだ」

千歳「船見さんが何を考えてたんかはわからんけど」

千歳「その.......」

千歳「......手繋いでもええかな?」

結衣「.........ごめん千歳......ティッシュもうちょっと必要かも」

結衣「なあ千歳」

千歳「はいはいどうしたん」

結衣「もう少し話しておきたい事があるんだが」

結衣「その......聞いてもらってもいいかな?」

千歳「もちろんええよ」

千歳「それにしても今日だけで随分と船見さんと近づけたなぁ」

結衣「うん......ありがとな」

千歳「それで話ってなんやの?」

結衣「その......」

結衣「京子の事なんだけどさ.....」

千歳「歳納さんとなんかあったん?」

結衣「ああ......ちょっとな」

千歳「喧嘩したん?」

結衣「まあだいたいそんな感じなんだけど」

千歳「ゆっくりでええよ」

結衣「私が独り暮らしで京子がよく遊びにくるのは知ってるよね?」

千歳「.................」

結衣「それでいつものように土曜日の夜に京子が遊びにきたんだ」

結衣「いつものように二人でごろごろして」

結衣「夕食にパスタとあいつの好物のラムレーズンのアイスを食べて」

千歳「歳納さんラムレーズンすきやからなぁ」

結衣「であいつがゴロゴロしてる間に私が食器を片付けて」

結衣「食器も洗い終わって風呂に入ろうとしたんだ」

結衣「そしたら京子が珍しく一緒にお風呂に入りたいって言い出したんだ」

結衣「私が食器洗ってる間にテレビで怖い話を見てたらしい」

結衣「結構久しぶりだなーとか思いつつ結局一緒に風呂に入ったんだが」

結衣「流石に二人で湯船に入るのは狭いから別々に湯船に入りたかったんだ」

結衣「でも京子は無垢な笑顔で洗いあっこしようよって言い出して」


結衣「まあ別にいいかなと思って京子に髪を洗ってやって」

結衣「私も京子にワシワシ髪を洗われてさ」

結衣「それで流石に体は自分で洗いたかったんだが」

結衣「京子がお背中流しましょうって言い出してさ」

結衣「背中を洗う手つきがこう......なんていうかな」

千歳「エロかった?」

結衣「まあそうなるかな」

結衣「こちょがすかんじじゃなくてさ......京子に注意したんだけど」

結衣「しまいには下半身とか胸とか京子が触り出して」

結衣「やめろって言ったのに....だんだんエスカレートしていってさ」

結衣「その時の京子の目が凄く怖くて」

結衣「とりあえず体を流して風呂から逃げたんだ」

結衣「それで布団を引いて京子を待ってたんだけど」

結衣「京子はなにくわぬ顔でラムレーズン食いながら私のすぐ横に座って」

結衣「壁を見つめながら一言ごめんって呟いた」

結衣「その言葉を聞いて私も壁を見つめながら別に気にしてないって言った」

結衣「そしたら京子がその事じゃないって言ってさ」

結衣「じゃあなんの事だよって私が少し怒っちゃったんだよね」

結衣「京子の方を向こうとした瞬間に押し倒されてさ」

千歳「...............」

結衣「私は京子に対して甘すぎたんだ」

結衣「耳元で京子がこれからの事について謝ったんだよって」

結衣「それからすぐにキスされた」

結衣「京子とキス位したことくらい何回でもある」

結衣「でも今回は違った」

結衣「京子は私の腕も足も心も押さえつけて無理矢理キスをした」

結衣「暫くはただただ口と口を合わせるだけだったのに」

結衣「そのうち京子は私の口をついばみはじめて」

結衣「私が口を閉ざしていると私の鼻を摘んで無理矢理口を開けさせた」

結衣「私は抵抗出来ずにただただラムレーズンの味を感じていた」

結衣「その後はあんまり覚えてないんだ」

結衣「今まで見たことのないような京子の顔に」

結衣「私のファーストキスの相手は誰だっただろうか」

結衣「確か女の子だったな」

結衣「誰だったかなあ」

結衣「その子は確か私が泣いている時にいつもあらわれて」

結衣「私があなたを守るからって.......かっこよかったなぁ」

結衣「泣いてる時にはキスが一番効くんだよ.....なんてあの子が言ってたなあ」

結衣「あれ?女の子同士か?」

結衣「私も京子と変わらないじゃないか」

結衣「なんて考えてたら」

結衣「京子が泣き始めてさ」

結衣「どうしたらいいかわからなくてあの言葉を思い出して京子にキスしたんだ」

結衣「軽くだけどね」

結衣「そしたらもう吃驚」

結衣「京子がピタッと泣き止んでさ」

結衣「謝り続ける京子を抱きしめてた」

結衣「泣き始めてはキスをして泣き止んで」

結衣「また泣き始めてキスをして」

結衣「それの繰り返し」

結衣「でそのうち京子が食べたモノを戻しちゃってさ」

結衣「イエキしかでないくらいまで追い詰められてたもんだから」

結衣「結衣は優しすぎるんだよなんて京子に怒られたけど」

千歳「ここばっかりは歳納さんの言うとおりやな」

結衣「暫く傍にいてやりたかったんだ」

結衣「それで京子の隣で少し眠ってしまって」

結衣「夢を見たんだ」

結衣「私がまだまだ小さい頃の夢」

結衣「私はあの公園のブランコに乗っている昔の私を見ていた」

結衣「周りには雪が積もっていておひさまはとっくの昔に沈んだよう」

結衣「昔の私はまだ小さくて何故かこんな時間にブランコに揺られている」

結衣「昔の私は今にも泣き出しそうで」

結衣「冷たい風に身を震わせているのがここからでもわかる」

結衣「しばらくすると昔の私はメソメソと泣き出した」

結衣「寒いからなのか淋しいからなのかお腹が空いたのか」

結衣「私にはわからない」

結衣「夢の中でも私は無力で」

結衣「ただただ昔の私を見ているだけしか出来なかった」

結衣「そこに現れたんだ見覚えのあるようなないような」

結衣「でもどこか暖かい誰かが」

結衣「私は必ずあの誰かが誰かを知っている」

結衣「そう思った」

結衣「根拠などない」

結衣「胸の何処か奥底がじーんと暖かくなる」

結衣「その誰かはブランコに揺られ泣いている昔の私に近づいていき」

結衣「手袋さえしていない昔の私の手を握った」

結衣「昔の私はあったかいと泣きながら言った」

結衣「それを聞いたその誰かは優しく微笑んで」

結衣「昔の私をふわっと包み込んだ」

結衣「昔の私はまた泣き出す」

結衣「あったかいあったかいと」

結衣「それをみていた私までもが不思議な暖かさに満たされる」

結衣「その誰かは昔の私を抱きしめていた腕を緩めると」

結衣「まだ泣き止まない昔の私と見つめ合い」

結衣「また優しく微笑んで昔の私にキスをした」

結衣「さっきのまでの様子が嘘のように昔の私はピタリと泣き止んだ」

結衣「その誰かが優しく言った」

結衣「あなたは私が守ってあげる」

結衣「昔の私はまた泣きそうになりながら言う」

結衣「でも私もあなたも女の子だよ?普通女の子は男の子と仲良くするんだよと」

結衣「その誰かはまた昔の私を抱きしめながら」

結衣「大丈夫だよ」

結衣「そんな普通なんて私とあなたで壊せばいい」

結衣「昔の私はまた泣き出した」

結衣「するとその誰かはまた昔の私にキスをしてこう言った」

結衣「泣いてる時にはキスが一番効くんだよと」

結衣「私はその言葉を聞きその誰かのことを私は知っていると確信しすると同時に」

結衣「私の初恋の女の子はあの子だったのだと」

結衣「頭の中でパズルのピースが組み合わさったような気分になった」

結衣「ただひとつだけピースが足りない...........肝心のあの子が誰であるのか」

千歳「ええ話やなぁ.......」

結衣「ちょっと.....千歳泣きすぎだって」

千歳「だって.....だって.....」

結衣「........もうしょうがないなぁ」

結衣「ほら眼鏡外して目つぶって」

千歳「.............ん」

千歳(きたあああああああああああああああ)

結衣「ほらさっきのティッシュ」

千歳「.........船見さんは優しいなぁ」



千歳「それでまだ探してるんやな......」

千歳「その初恋の女の子」

結衣「いやもうだいたい検討はついてるんだ」

結衣「その夢から覚めると京子がまた泣きそうな顔で私の顔を覗いててさ」

結衣「どうしたのって私が聞いたら」

結衣「結衣が泣きながらあかりの名前を呼んでたからさ」

結衣「さっきあかり呼んどいたよって」

結衣「別に呼べなくてもいいのに」

結衣「それで京子は」

結衣「それよりまだ結衣が泣いてる」

結衣「って五月蝿くてさ」

結衣「私も京子に言われて初めて自分が泣いてる事に気付いたんだ」

結衣「何も悲しい事はないし特に嬉しい事もない」

結衣「何で私は泣いているのだろうなんて考えてたら」

結衣「京子がキスしようとしてきたんだ」

結衣「やめろって言ってんのに何度も何度も」

結衣「流石に昨日の夜みたいな妙な感じは京子になかったけど」

結衣「それでも昨日の今日だしどうしても連想しちゃうよな」

結衣「って思いながらも京子を突き放せない私は本当に馬鹿だ」

千歳「そうそう優しすぎるんよ船見さんは」

結衣「京子の猛攻も私の流れる涙も」

結衣「どちらも止まらずに」

結衣「緩やかに時間が流れて」

結衣「私が京子をあしらうのに疲れてへとへとになった頃」

結衣「あかりがやってきたんだ」

結衣「最悪のタイミングで」

結衣「ちょうどまた昨日の夜のような体勢の時にあかりが部屋に飛びこんできたんだ」

結衣「私はボロボロ泣いているし京子は私を押さえつけていて」

結衣「そこからあかりへの誤解を解くのは大変だったよ」

結衣「まあなんとかあかりの私達を見る目も元に戻ってきて」

結衣「京子は今まで無理してたみたいでまたイエキを吐き出しにトイレに行っちゃって」

結衣「それであかりとボロボロ泣いている私が二人きりになったんだ」

結衣「あかりは京子ちゃんに呼ばれて急に来ちゃってごめんねと」

結衣「でもあかりが来たからには大丈夫だよ結衣ちゃんって」

結衣「ってあかりはふわあっと笑って.......私は何故かしゃくり上げ始めちゃってさ」

結衣「私は泣くのに夢中で喋れなくなっちゃてね」

結衣「トイレから帰ってきて京子が私の異変に気づいてさ」

結衣「いや誰でも気づくだろうけど」

結衣「京子はまた自分に責任を感じちゃったみたいで」

結衣「私の隣に申し訳なさそうに座ってさ」

結衣「私の背中をさすってくれるのはいいんだけどね」

結衣「私には逆効果だったみたいで私は過呼吸みたいになってきちゃって」

結衣「京子もまた泣きながらイエキ出しはじめちゃった」

結衣「もう出すもん出し切ったみたいで京子からは何も出てこなかったけど」

結衣「流石にあかりが危険を察知したみたいで京子をトイレに連れていってくれて」

結衣「私には紙袋持ってきてくれたんだ」

結衣「あかりはずっと私の手だったり肩だったり背中だったりを暖かい手で触れててくれた」

結衣「過呼吸なんて一過性のもんだったしそのうち収まったんだけど」

結衣「本当に苦しくて死んじゃうかと思ってさ」

結衣「気づいたら何度も何度もあかりの名前を呼んでて」

結衣「声になってない私の呼びかけにあかりは」

結衣「大丈夫だよって」

結衣「何度も何度も言ってくれたんだ」

結衣「その大丈夫を聞く度になんだか本当に大丈夫になっていくみたいで」

結衣「だから私は何度もあかりを呼んだ」

結衣「過呼吸が収まっても泣きじゃくる私は」

結衣「本当にあかりの年上なのだろうかとか」

結衣「朝飯まだだったなとか」

結衣「京子大丈夫かなとか」

結衣「そんな事を考えていると私は暖かい何かに体を包み込まれていた」

結衣「それがあかりだって理解するまでに大分時間がかかったように思う」

結衣「私はやっぱりまた泣きじゃくって声にならない声であかりの名前を呼ぶ」

結衣「耳元で優しい暖かい声がする」

結衣「どこかで聞いたことのあるような気がした」

結衣「何処かで聞いた事がある?当たり前じゃないか」

結衣「小さい頃から私とあかりたちはずっと一緒だったじゃないか」

結衣「またまた私は子供のように泣きじゃくる」

結衣「暖かい時間が私の中で流れた」

結衣「あかりは少し腕を緩めてこう言ったんだ」

結衣「やっぱりあれしかないかなって」

結衣「私はあれについて考えながら」

結衣「あかりの名前を呼んだ」

結衣「大丈夫だよ結衣ちゃんは私が守るから」

結衣「あかりは真剣な目付きでそう言い切った後」

結衣「私の手を優しく優しく握って」

結衣「何処かで見たような微笑みを私に向けて」

結衣「涙で一杯の私の目を柔らかく見つめると」

結衣「一段と優しく微笑んだ」

結衣「私の中で最後のピースがはまる音がした」

結衣「私はその時間違いなく人生の中で一番泣きじゃくっていた」

結衣「それでもあかりのキスで」

結衣「それがピタリと止んでしまったのだ」

結衣「今までの私が流した涙は何処かに消え去って」

結衣「私は体の内側からじんわりと懐かしい暖かさに包まれた」

結衣「私が泣きやむと部屋が無音になった」

結衣「聞こえてくるのは心臓の音」

結衣「........誰の?」

結衣「あかりの?いや違うな......京子はトイレだし」

結衣「という事は私のだ」

結衣「この私の半径3mに聞こえるような馬鹿でかい心臓の音は」

結衣「ほらね........泣いてる時にはキスが一番効くんだよ」

結衣「そういってあかりが私の顔を安堵したような表情で覗き込む」

結衣「私の初恋の女の子は赤座あかり.......そう確信した瞬間だった」

結衣「っていう感じのお話」

千歳「初恋の相手覚えてるやないの」

結衣「そ.....そうなんだけどさ」

千歳「まあまあええよ別にうちに関係ないしな」

結衣「その......ごめん」

千歳「ええよええよ気にしてないから」

千歳「まあ......もう手は離させて貰うけどな」

結衣「うん.....自業自得だし」

結衣「やっぱりさ女の子同士って今一歩踏み切れなくてさ」

結衣「あの日以来あかりに告白しよう告白しようって」

結衣「そう思うんだけど」

結衣「あかりを見てると......胸がドキドキする...んだ」

結衣「このままじゃ駄目だってわかってるんだけど.........」

千歳「それでうちに背中押して欲しかったんやな」

結衣「ああそういう事......ほんとにごめんな」

千歳「ええよ」

千歳「ほら手だしい」

結衣「うん......寒いもんな」

千歳「そう寒いからな!」

千歳「ああーええなぁ」

結衣「私千歳の手も暖かくて好きだなー」

千歳「..........」

千歳「千歳の手もってなんやの?「も」って」

千歳「まあ......あかりちゃんに勝てるわけもないからええけど」

結衣「どっちも好きだよ私は」

結衣「どっちも違った暖かさだし」

千歳「はいはいわかったわかった」

結衣「それでさ.....私は今日こそあかりに告白するんだ」

千歳「うちがせっかく背中押してやったんやから頑張ってな船見さん」

千歳「うちはいつも背中押してばっかりで.....綾乃ちゃんはヘタレやし」

千歳「まあ其処がまた可愛いんやけどなぁ」

結衣「.....千歳」

結衣「ありがと」

結衣(本当に本当に)

千歳「まだ告白し終わってもないのにそんな事言わんでええって」

千歳「それでもう学校着いてしまうけど」

千歳「準備はええな?船見さん」

結衣「ああ...」

結衣「でもまた胸が......」

千歳「あれや船見さん」

千歳「当たって砕けろ」

結衣「千歳さぁ....私砕けたくないんだけど」

千歳「そういう意味じゃなくてやな」

千歳「まあ準備しときぃ」


結衣「ちとせぇ.......私やっぱり帰r」

千歳「............校門まで来といて何いうてんの」

結衣「ごめんごめん嘘」

結衣「嘘だからその手緩めてくださいお願いします」

千歳「じゃあ船見さん約束しよ」

千歳「逃げ出したらうちと付き合いなさい」

千歳「わかった?」

結衣「.................」

結衣「......じゃあ逃げ出そうかな」

千歳「..................」

結衣「ごめんなさい誓います」

千歳「よしよしよ船見さんええ子ええ子」

結衣「なんか恥ずかしい......」

千歳「ほらいくよ船見さん」

千歳「深呼吸して....................ほないきましょうか」

結衣「あああああああああああああなんかもう胸が......」

千歳「船見さんよかったなぁ」

千歳「あかりちゃんの靴あったで」

結衣「...............」

千歳「ほら逃げたら?」

結衣「........うんわかってる」

結衣「わかってるけどさ胸が」

結衣「千歳.......」

千歳「大丈夫大丈夫大丈夫やから......な?」

結衣(おばあちゃんみたいでかわいいなちとs)

千歳「船見さんうち一応同い年なの忘れんといてな」

結衣「知ってるよそんなの」

結衣「でも千歳は私なんかよりずっt」

千歳「ほらほら私なんかとか言うたらあかんよ?」

結衣「......そうだな」


千歳「あかりちゃんとは放課後に会うとして」

千歳「船見さんは歳納さんとクラスで会うの大丈夫?」

結衣「ああ私は大丈夫だけど.......」

千歳「歳納さんの問題か」

結衣「そうなんだあれから私と京子少しだけおかしくなっちゃってさ」

千歳「まあどうせ何時か歳納さんは船見さんとかち合うんやし」

千歳「大丈夫やきっと」

結衣「千歳が大丈夫って言うと」

結衣「本当に大丈夫な気がしてくるよ」

千歳「ああもうそういうのええって」

千歳「じゃあうちは職員室行って先生に遅刻届け出してくるから」

結衣「私も行こうか?」

千歳「ええよ其処で待っててくれたら」

結衣「ごめんな.....じゃあ頼んだ」

京子「あれ?結衣....?!何で...?」

京子「ゆいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

結衣「...ああおはよう京子」

結衣「あと離して...重い」

京子「なにそれ!失礼だぞ!私こう見えても3kg体重落ちたんだからな!」

結衣「確かに痩せたけど抱きつくのはやめてくれ」

京子「やだ!」

結衣「まあいいか...それより京子」

京子「結衣♪結衣♪結衣♪」

結衣「お前は何で授業中に玄関にいるんだよ」

京子「結衣の匂いがしたから飛んできたキョウコワンワンダー」

結衣「保険室行ってたんだろ?」

結衣「髪ボッサボサだぞ」

京子「おーばれてたかー流石結衣ちゃん!」

京子「さあさあ教室へ行こー!」

結衣「ああごめん私はちょっと....」

京子「千歳を待ってるんでしょ?知ってるよ?」

結衣「そうだけど何でわかったんだ?」

京子「だからキョウコワンワンダー」

結衣「なんだよそれ.....ふふ」

京子(やっと結衣が笑ってくれた)

千歳「船見さんごめんなー先生たちにもみくちゃにされt」

千歳「っておー!歳納さんおはよう....ってもうこんにちわの時間やな」

京子「おはっよー!千歳!今日の綾乃は面白かったんだぞー?」

千歳「なになに!綾乃ちゃんなんかやらかしたん?!」

結衣「いやそんな目を輝かせなくても」

京子「それがね!千歳が行方不明だって聞いてさ玄関から飛び出そうした所を3回も抑えられてさー!3回も!それでさー....」

結衣「なあ千歳....綾乃ってh」

千歳「よし!船見さん歳納さん手繋いで教室いくで」

千歳「綾乃ちゃんに見せびらかしたろう!」

京子「いいね!それ面白そう!綾乃泣いちゃうんじゃないかな?」

結衣「流石に泣かしちゃまずいだろ」

千歳「ええのええの」

千歳「ほらはよいかな...あーうち真ん中な!」

京子「えー...そしたら私結衣と手繋げないじゃん!やだよそんなの!」

結衣「後でいくらでも繋いでやるから...行くぞ京子」

京子「本当に?!じゃあ手錠でがっちr」

結衣「いやそれは無理だろ」

京子「ああわかった!赤いいt」

結衣「もう黙れ...今授業中だからな」

京子(やったああああああああああああああああああああああああ)

千歳「ふふ..歳納さん動きが五月蝿いわ」

京子「千歳の手おばあちゃんみたいー!」

千歳「そうかーありがとーな歳納さん」

千歳「歳納さんの手も小っちゃくて子供の手みたい」

京子「ありがとー!」

結衣「......こここわい」

千歳「よしじゃあ...せーのでいくで?」

結衣・京子「うん....わかった」

千歳「よし....」

千歳・京子・結衣「せーの......で!!」

京子・千歳「たのもーーーーーーー!」



綾乃「.............っ!!!!!」

結衣(綾乃....)

京子「あっやのー!千歳が帰ってきたぞー!」

京子「あと結衣も」

結衣(こっちに降るなよバカ京子)

結衣「ごめんな心配かけて...」

結衣(ほら...もう...見てらんない..今にも泣き出しそうじゃないか)

京子「綾乃はずーっと千歳千歳ちとせちとせチトセチトセって心配してたもんなー」

結衣「京子!ちょっと黙れ!」

京子「なんでー事実だよー?」

綾乃「............」スタッスタッスタ

千歳「......えへへ...ただいm」

スパアーン

千歳「もういったいなー....」

千歳「いくらなんでもそれはないやろ....綾乃ちゃん」

千歳「ほら其処に転がっとるうちの眼鏡見てみい.....」

千歳「まるでうちみたいやな」

結衣「おい...千歳大丈夫か...」

綾乃「さ...んな」

綾乃「...さわ...いで...」

結衣「...え?」

綾乃「私の千歳に触らないでって言ってるのよ!」

結衣(なにこれ.....!)

結衣(何で京子はそんなにニヤニヤしてんだよおおおお)

千歳「京子ちゃん....?なにいうてんの...」

京子「はっはっはっはっは!」

京子「やっと本性を表したな!綾乃!やっぱりキョウコワンワンダーの鼻は正しかったんだ!」

結衣「おいきょうk」

京子「いいからいいから」

京子「見ての通り綾乃は千歳の事が好きなんだよ!」

綾乃「.....違う」

京子「じゃあなんで千歳は私のモノだから触るななんて言ったの?!なんでなんで?


綾乃「....理由なんてない」

京子「千歳が結衣と仲良く手を繋いでたのが気に食わなかったんでしょ?!」


綾乃「別に千歳が誰と仲良くしようが!」

綾乃「誰と手を繋いででいようが!私とは関係.....ないわよ...」

京子「....本当に?」

綾乃「....ええ」

京子「じゃあ結衣ちゃん!と千歳ちゃん!手を繋いでみて」

結衣「....ああ」

結衣「ほら.....千歳」

千歳「..............うん」

京子「綾乃二人をちゃんと見てよ....恋人繋ぎの二人を...ほら指を絡めあってる」

綾乃「.........」

京子「あれおっかしいなー?!何にも反応がないやー」

結衣(おい....京子!綾乃泣いてるって!みりゃわかるだろ!)

京子(知ってるよ?)

京子「じゃあ次は抱き合ってもらおっかなー?!その次がキスでー!その次は学校じゃでk」

綾乃「黙りなさい!!!!としのうきょうこ!!!!」

綾乃「次何か言ったらぶっ飛ばすわよ!!!」

京子「じゃあ千歳の事が好きって言えよ!!!」

綾乃「....なんでさっきからそうなるのよ」

京子「なんで自分の気持ちから逃げるんだよ!!正直になれよ!綾乃!」

綾乃「........」

綾乃「...ああ...わかったわよ」

京子「よかったー!やっと素直になってくれたんだね!」

綾乃「....ええそうよ」

綾乃「...............」

綾乃「私は....」

綾乃「わ...わったし...私はと..と歳納京子の事が好き...」

綾乃「....これでいいでしょ?」

京子「だからさー綾乃?なんで嘘つくの?なんで自分から逃げるの?」

京子「そんな奴罰金バッキンガムだぞ!!」

結衣(......なんでこのタイミング...グフゥ)

綾乃「これ以上私にどうしろっていうのよ....」

千歳「....なあ綾乃ちゃん」

綾乃「なによ.....」

千歳「こっちおいで」

綾乃「..........」

千歳「よーしよーし綾乃ちゃんよう頑張ったなぁ」

千歳「ええ子ええ子」

綾乃「.....何で...あんたはそんなに...」

千歳「眼鏡無いから綾乃ちゃんの顔よう見えんかったんやけど」

千歳「綾乃ちゃん今酷い顔してるよ」

綾乃「....千歳もよ...酷い顔してる」

綾乃「鼻血と涙でぐっちゃぐっちゃよ」

千歳「私が綾乃ちゃんによくするのはな...私は綾乃ちゃんの事が好きやから」

綾乃「....当たり前でしょ?私たちは」

綾乃「と....とも友達なんだから」

千歳「それとはまた別の話し」

千歳「私の好きはそういう好きやなくて」

千歳「綾乃ちゃんが歳納さんに抱くような...」

千歳「それ以上かもしれへんけど」

千歳「そういう好きなんよ」

綾乃「....嘘は罰金バッキンガムよ?」

結衣(またか....罰金バッキンガ....グフゥ)

千歳「....いつ迄も綾乃ちゃんは綾乃ちゃんやな」

綾乃「そんなの当たり前じゃない....」

綾乃「ごめんね千歳....」

綾乃「私は鈍感で馬鹿で不器用で残酷で...」

千歳「あとヘタレも忘れたらあかんよ」

綾乃「そうね...」

千歳「うちも綾乃ちゃんの事最後迄応援してあげられなくて本当にごめんな」

綾乃「でもあなたが居ないと私は....」

千歳「そう思ってくれて嬉しいんやけど」

千歳「最終的に綾乃ちゃんの背中を押してくれたのは歳納さんやで」

綾乃「でも...千歳....」

京子「綾乃が選ぶんだよ?」

京子「私にはちなつちゃんが居るし」

京子「千歳には結衣が居る」

千歳「ちょっと歳納さんなにいうてんの?」

千歳「私と...その...船見さんは別になんもないやろ?」

京子「校門の所で仲良さそうに手を繋いで遅刻してくるカップルを目撃した人がたあーくさんいるんだー」

京子「あれを見てさ」

京子「ああただの友達同士かな」

京子「なーんて思えなかったけどなー」

京子「ねーあーやの?」

綾乃「ええ....まあ...」

京子「でっしょーでっしょー!」

京子「私も思わずヤキモチ妬いちゃったなー!」

京子「綾乃が手を繋いだ二人を見た時の顔二人にも見せてやりたかったなー」

結衣・千歳「..........」

京子「なに二人で見つめあってんの?」

綾乃「否定はしないのね」

結衣「.....まあ手を繋いでいたのは事実だ」

京子「....そうかいそうかい」

京子「ねえ千歳何で手を繋いでたの?」

結衣「それはだな....」

京子「結衣は黙っててよ!私は千歳に聞いているんだよ?」

千歳「...........」

千歳「外が....寒かったから」

京子「ふーんそうなんだ」

京子「それだけだってさよかったね!綾乃」

綾乃「...........」

綾乃「もうわからないわ...何もかも」

綾乃「私が千歳に抱くこの感情も」

綾乃「歳納京子がこんな芝居をしている意味も」

綾乃「船見さんへの怪物のように醜い嫌悪感も」

綾乃「私が誰の事を好きなのか」

綾乃「何故私は今迄ずっとずっと千歳にあんな事をさせていたのか」

綾乃「何故すんなりと歳納京子に告白出来たか」

綾乃「今から私が何を言おうとしているのか」

綾乃「聞いて千歳」

千歳「............」

綾乃「私は何時も私の傍にいてくれた千歳が」

綾乃「何時も私の為に自分を押し殺して背中を押してくれていた千歳が」

綾乃「千歳の痛みを償いたいとかそんなのじゃない」

綾乃「自信を持って言えるわ」

綾乃「私は千歳の事が大好き」

綾乃「私の不器用な言葉じゃ伝わらないかもしれないけど....」

結衣(うん...きっとちゃんと千歳に伝わってるよ)

千歳「........ありがとう」

千歳「うちも綾乃ちゃんの事大好きやで」

千歳「.....でもまだ言わなあかん事残ってるやろ?」

綾乃「.....千歳は何でもお見通しね」

綾乃「歳納京子!」

京子「.....なに?」

綾乃「私はあんたの事も大好きなんだからね!!」

結衣(ええええええええ)

京子「そっか....」

京子「ありがとう綾乃」

綾乃「べっべつにいいわよ....このくらい」

京子「何照れてるの綾乃?可愛いなぁ」

千歳「ホンマや綾乃ちゃんは可愛いなー」

綾乃「うるさいうるさいうるさーい!!」

結衣(....;なんか丸く収まりそうだからいっか)

京子「じゃあ!私はちょっとお花を摘みに....」

結衣「ああじゃあ私も」

京子「えー!私皆でお花積むのは好きじゃないなー」

京子「.....まあいいけど」


綾乃「ねえ千歳」

千歳「なんや綾乃ちゃん?」

綾乃「頭撫でてよ」

千歳「えっ?」

綾乃「だから私の頭を撫でて欲しいの!」

千歳「.....グフゥ.....ふふ」

綾乃「わっわ笑わないでよね....」

千歳「......ふふふ」

千歳「しょうがないなあー綾乃ちゃんは」

綾乃「............」

千歳「ほらええ子ええ子」

綾乃「ああ....心地良いわ凄く」

千歳「そっかーよかったなー」

千歳「ホンマにええ子や綾乃ちゃんは」

結衣「京子.....」

京子「なーに?結衣」

結衣「お前やっぱりずっと無理してたのか」

京子「うんそうだよー」

京子「あんな松岡修造みたいな役は今の私には少しきつかったかなぁ」

京子「ちゃんと出来てた?私上手く笑えてた?ちゃんと声出てた?」

結衣「ああ....凄くよかったよ」

京子「そっか」

京子「じゃあさちゃんと赤い糸の約束守ってよ」

結衣「ああ絶対守るよ」

京子「やった!じゃあ私はもう少しお花摘んでくから」

結衣「絶対京子の事置いていかないから」

京子「......そっか...やっぱり優し過ぎるよ」

京子「結衣は」

あかり「もう寄り道ばっかりしてたから遅刻しちゃいそうだよ.....」

ちなつ「あかりちゃん!後2分無いかも!」

向日葵「まったく櫻子があかりちゃんのお姉様に長々と挨拶してるからこんな事になるんですわよ!いい加減にしてくれませ」

櫻子「五月蝿い!おっぱい禁止!」

向日葵「はあ?!今の会話の何処に胸の話しが出てきましたの?」

櫻子「だから五月蝿いって!向日葵=おっっぱいなんだもん仕方ないでしょ!」

向日葵「まったくもって意味がわかりませんわ.....」

向日葵「櫻子のせいで無駄に疲れましたわ」

櫻子「ふん!無駄にでかいもんつけてるからでしょ?!」

あかり「......もう遅刻決定だね」

ちなつ「大丈夫!まだ間に合うよ!」

あかり「.....もう!」

あかり「ほら!櫻子ちゃん急ぐよ!」

櫻子「えっ....うん」

櫻子「その....あかりちゃん別に手引っ張ってくれなくてもいいんだけd.....」

あかり「ちなつちゃんは向日葵ちゃんおねがーい!!」

ちなつ「はいはーいわかったよーあかりちゃーん」

向日葵「まったくあかりちゃんは....」

ちなつ「しょうがないよ」

ちなつ「あれがあかりちゃんだもん」

向日葵「そうですけど.....あれじゃ櫻子がかわいs」

ちなつ「あー向日葵ちゃん急ぐよ!遅刻しちゃう!」

ちなつ「あーつかれたああああああ」

あかり「結局遅刻しちゃったね」

ちなつ「遅刻するんなら走らなきゃよかった」

あかり「櫻子ちゃん大丈夫かなぁ」

ちなつ「ただ廊下で転んだだけでしょ?大丈夫でしょきっと」

あかり「そうかなぁ」

ちなつ「うんうん大丈夫大丈夫」

ちなつ「それに今あかりちゃんが行ってもややこしい事になっちゃうだけだからね」

あかり「あかり向日葵ちゃんに何か悪い事しちゃったのかな?」

ちなつ「.......私にはわかんない」


櫻子「......何で向日葵なんかに付き添われて保健室に行かなきゃならないのよ」

向日葵「あなたが足を捻ったからですわ」

櫻子「そういう事じゃなくてさ」

向日葵「なんですの?」

櫻子「あの言い方はないんじゃない?」

向日葵「....あれはあなたを守る為に」

櫻子「守る?ふざけないでよ?!」

櫻子「守るって何?私をあかりちゃんから守ったって」

櫻子「向日葵はそう思ってるの?」

向日葵「だって...だって」

向日葵「櫻子はあかりちゃんに近づく度に傷ついて戻ってくるんですもの.....」

櫻子「はあ.....意味わかんない」

櫻子「とりあえずおっぱい禁止」

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