男「恋する乙女は手段を選ばず、ね(5)

男(女の涙とはよく、『武器』と言われているモノだ)

男(『泣き落とし』なんて言葉も存在する程、『涙』というモノは時に、強力な説得力を持つ矛になる)

男「…それが乙女なら尚更ってね」

女「………」

男「あの、黙っていても話が始まらないんだけどさ」

男「とりあえず、口を開いてもらえないかなー…って」

女「………」

男(……面倒臭ぇ)

男(時は、丁度一週間前に遡るーー)


友「まさか、居残りさせられるなんてねぇ」

男「宿題を忘れたお前が悪い」

男(俺は数少ない友達に、居残りの付き合いをさせられていた)

男(残念ながらその友達は男だが、まぁ腹を割って話せる仲ではある)

友「まぁそう眉間に皺をよせないで、リラックスしなよ」

友「ハゲちゃうよ?」

男「ふぅん、なら今すぐ帰らせてもらおうか?」

男「帰りにスーパーにも寄りたいし、セールに備えたい」

男(タイムセールは貧乏学生にとっては大切な戦いだからな)

男(仕方のない事だ)

友「そんなぁ、僕を置いていくなんて酷いなぁ男は」

男「ニヤニヤしながら言うな、気持ち悪い」

友「へいへい」

男「兎に角さっさとそれを終わらせろ、このアホ野郎」

友「そんな事言いながらも、やっぱり待ってくれるなんて」

友「ははっ、本当にツンデレだね、君は」

男「付き合ってるのはお前がジュースを奢ると言ったからだ」

男「決して俺はツンデレなんかじゃない」

友「あーはいはい、そういう事にしておくよ」

今更ながら、タイトルは
男「恋と書いて、『あこがれ』と読む」
に頭の中で訂正しといて下さい。
お願いします。

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