櫻子「なんだか皆にモテまくってる」(109)


京子「大室、さん……!」スリスリ

櫻子「あははー、さ・く・ら・こ、でいいですってばー」

あかり「櫻子ちゃぁん……!」キューッ

櫻子「あらあら、子猫ちゃんたらー」

綾乃「櫻子ちゃん櫻子ちゃん!」ペロペロ

櫻子「ちょっと杉浦せんぱーい、くすぐったいですってー」

りせ「……っ」

櫻子「会長も、そんな恥ずかしいこと言わないでくださいよー」


向日葵「」


ちなつ「櫻子ちゃん!チーナの極上の愛がつまった最高級のお茶です!」

櫻子「ありがとー、おいしいよー」ズズー

千鶴「肩……こってない?」モミモミ

櫻子「あー……気持ちいいですー」

結衣「私、足ツボマッサージ得意なんだ」ペロペロ

櫻子「んっ、あ……ふっ」


向日葵「」


向日葵「うーですのっ!」


向日葵(ぐぬぬ)

向日葵(どうしてこうなってしまったんですの……)

向日葵(櫻子も調子に乗ってますし……)

向日葵(……そういえば、今朝方、櫻子が変なことを言ってたような)

向日葵(え~っと……)

…………。

……。

頑張れ

ふむ

でも最後は向日葵ですよね


――大室家――

ガラッ
向日葵「櫻子ー、朝ですわよー」

  撫子「は~い」

向日葵「あの声は撫子さん……今日も櫻子はまだ寝てますのね」

撫子「ん、おはようひま子」

向日葵「おはようございます撫子さん」

向日葵「えっと、櫻子はやっぱり……?」

撫子「それが……」

tesu

櫻子はへたれだからなぁ
修羅場おこしそう


ヒョイ
櫻子「あれ、向日葵じゃん、おはよー」

向日葵「さ、櫻子!? あなたどうして起きて……」

櫻子「……朝一の第一声がそれとかむかつくんだけど」

撫子「そうなの、櫻子今日は何故か一人で起きてきて」

向日葵「あ、ありえませんわ……」

櫻子「なんだよもうー! ……それに、私まだ向日葵からおはよう、って聞いてないんだけど」

向日葵「」ドキ

向日葵「そ、それは失礼いたしましたわ……おはよう、櫻子」

櫻子「ん、おはよ!」


撫子「じゃあ私は戻ってるから」

櫻子「私もまだ準備のこってるからー」

向日葵「あ、……じゃあ待ってますわね」

櫻子「折角だから中で待ってて!」

撫子「まぁ……お茶くらい出すよ」

向日葵「いえ、お構いなく……」

撫子「まぁまぁ、いつも愚妹が世話になってるし」

櫻子「ぐまい?」

向日葵「……。では、失礼して……」

櫻子「ぐま?ぐまま?」

なんでこんなにss多いのなにかの記念日なの

しえん


ガチャ
櫻子「今居間に戻ったぞー!」

花子「……………………はぁ」

撫子「今日は一段と冷えるな」

向日葵「お茶が欲しいですわ」

櫻子「ど、どうしたのみんな」


花子「おはようひま子お姉ちゃん」

向日葵「花子ちゃん、おはようですわ」

撫子「はい、お茶」

向日葵「ありがとうございます」

撫子「じゃあ櫻子、早く準備ね」

櫻子「わかってるよぉ~」

花子「……テレビ観ながら言っても説得力ないし」


櫻子「そうそう向日葵~」

向日葵「まるで準備する気がない……なんですの」

櫻子「なんかさぁ~、今日変な夢みたんだよねー」

向日葵「夢?」

櫻子「そうそう……えっと、なんか神さまっぽいのが出てきた」

向日葵「はぁ……?」


櫻子「よくわかんないんだけどー、すっげー光ってた!」

櫻子「すごい威厳あったしきっとあれは神さまだね!」

向日葵「はぁ……で、神さまがどうしましたの」

櫻子「ん?」

向日葵「神さまが出てきてはいおしまい、じゃないでしょう?」

櫻子「あーそうそう、え~~っと……そう、それで変なこと言われたんだよね」


向日葵「それは……神さま、とやらに?」

櫻子「そうなんだよー、なんか私の魅力をものごっつい上げてやろうとか」

櫻子「周りの人がメロメロになるであろうとか」

向日葵「よくわかりませんわね……」

櫻子「私もさー、その時は『おー、すっげー!』とか思ってたんだけど」

櫻子「どーなんだろー」


向日葵「どうと言われましても……ただの夢でしょう」

櫻子「むむ」

向日葵「別にいつもの櫻子ですわ。特別変わりありませんもの」

櫻子「むー、そっかー」

向日葵「だからやっぱりただの夢ですわよ」

櫻子「うーむ、残念だ」

花子「櫻子……バカだし」

撫子「夢で見るとか、そういった願望でもあるの?」


向日葵「ほら、二人の反応もいつも通りですし」

櫻子「あーなんか朝からテンション下がるなー……」

向日葵「ただの夢に左右されすぎですわ……」

向日葵「それで、そんな夢を見たものだから早く起きられたと?」

櫻子「そー!その時はすごい『時代きたーー!』って感じだったんだけど……」

向日葵「はいはい、それより早く準備なさいな」

撫子「私らもう家でるからね」

花子「結局櫻子は遅いし」

向日葵「私まで櫻子の遅刻に巻き込まないで欲しいですわ」

櫻子「ちょ、みんな待ってくれてもいいじゃん!」


キーンコーンカーンコーン

...ダダダダ
ガラッ

櫻子「間に合ったー!」

向日葵「はぁ、はぁ、あ、朝からハードですわ……」

櫻子「向日葵もいい加減体力つけろよ」

向日葵「うるさいですわ…………あら?」

ドヨドヨ...

  サクラコチャン...オオムロサン、カワイイ...
 カワイイ...カワイイ...
    ペロペロシタイ...  ハァハァ...
  ○シタイ... ワタシモ...

向日葵「な、なんだか教室の雰囲気が……?」

櫻子「どしたん?向日葵ー」

④   

期待


あかり「櫻子ちゃん……」

櫻子「あ、あかりちゃん!おはよー!」

ちなつ「……」

櫻子「ちなつちゃんもおはよ!」

ドヨドヨ...

 アノフタリ...ヌケガケ...!
  ユルセナイ...
 ワタシモ...   アイサツサレタイ...
     サクラコチャン...

向日葵「ひ、ひぃっ!? 怨詛の声が……!?」ガクガク

櫻子「あれー?ふたりとも元気ないよー?」


向日葵「さっ、櫻子! なんだか様子がおかしいですわ!」

櫻子「なに言ってんの向日葵?」

あかり「櫻子、ちゃん……!」キュッ

櫻子「   へ?」

向日葵「赤座さん!? 突然櫻子に抱きついて何を……!?」

ちなつ「櫻子ちゃぁん……」キュッ

櫻子「は、はれ?」

向日葵「吉川さんまで!?」

ドヨドヨ...

   コxス...! コxサナキャ...!
 アノアマ... 
  ビッチメ... コxス...
     サクラコチャン...

向日葵「」

これは死人が出る


向日葵(い、いったい何がどうなってますの……?)

向日葵(赤座さんと吉川さんは依然として櫻子にくっついてますし)

向日葵(櫻子は櫻子で固まっちゃってますし……)

ガラッ
先生「おーい、みんな席についてー」

ドヨドヨ...

  チッ...
 スクワレタナ...
   ヨミチニハ、キヲツケルンダヨ...
  アッカリーン、シナクチャネ...

櫻子「はっ!? ほ、ほら、二人とも席につかなきゃ!」


あかり「あぁ、うん……」

ちなつ「櫻子ちゃんが、言うなら……」

向日葵「ふ、二人とも顔が真っ赤ですけど、大丈夫ですの?」

あかり「……」

ちなつ「……」

向日葵「えと、ふ、二人とも?」

櫻子「二人ともほんとにだいじょぶー?」

あかり「うん、大丈夫だよぉ……」

ちなつ「櫻子ちゃんがいるだけで、チーナいつも元気いっぱいぃん……」


向日葵「」

しえん


向日葵(もう全然展開についていけませんが)

向日葵(とりあえず授業中は何もないでしょうし)

向日葵(この間に少しでも状況を整理しないと……)


先生「あ……お、大室……」

櫻子「なんですかー?せんせー」

先生「その……折角だから、席、前にこないか……?////」

向日葵「」




向日葵「」


――放課後――

向日葵「さ、散々でしたわ……」

向日葵(休み時間のたびにみんな櫻子のもとへ集まってきて)

向日葵(お昼もクラス中から餌付けされてましたわ……)

あかり「えへへ、櫻子ちゃぁん」

ちなつ「櫻子ちゃん、いい匂いだよね……」

櫻子「え、えぇ~? なんだか照れるなぁ」デヘヘ

向日葵「」イラッ

桜子って、海老塚桜子ですか??


向日葵(櫻子はバカだから全く深刻に考えてませんし……)

向日葵「はぁ……」

向日葵「ほら櫻子、生徒会に行きますわよ」

櫻子「ん、そだねー」

あかり「櫻子ちゃん、行っちゃうの……?」ウルウル

ちなつ「うっうっ……いっちゃやだよぉ……」グスッ

向日葵「お二方も、ごらく部があるのでは?」

あかり「……」

ちなつ「……」

向日葵「」イラッ


櫻子「じゃあ二人とも、またねー!」

あかり「うぅ……」

ちなつ「ひっく、ひっく」

向日葵(とりあえず生徒会の先輩方に相談してみましょう……)

向日葵「ほら、先に行ってしまいますわよ」ガラッ

櫻子「あ、待って~」

   あかり「奪われた……櫻子ちゃん……あの女、xす……」
   ちなつ「絞める……刺す……燃やす……落とす……xす……」

向日葵(何も聞こえない何も聞こえない)


   綾乃「今日の作業はちょっと骨が折れそうね……」
   千歳「量が多いもんな~。ごめんな千鶴? 手伝ってもろうて」
   千鶴「……気にしないで」

向日葵「先輩がた、もういらしてますのね」

ガラッ

向日葵「失礼いたします、遅くなりましてすみません」

綾乃「あら、古谷さん、こんにちは」

千鶴「……」ペコッ

向日葵「今日は池田先輩の妹さんもいらっしゃるのですね」

千歳「ちょっと量が多そうでな~。 はれ、大室さんは?」

向日葵「あぁ、すぐに来ると思いますわ……」


櫻子「遅れてすみませーん! もう向日葵ったら、歩くのはやいよ~」

向日葵「あなたがチンタラしてるのが悪いんですわ……って」

綾乃「」ドッキーン

向日葵「も、もしや……」

千鶴「はぁ、はぁ……」

向日葵「もしかして!?」

櫻子「へ?へ?」

向日葵「櫻子……一旦逃げますわよ!」グイッ

櫻子「うわあぁっ!?」

綾乃「まちなさーい!」


タタタタタ...

向日葵「はぁ、はぁ……」

櫻子「向日葵ぃ、いったいなんなんだよ~?」

向日葵「だまって、はぁ、ついてきなさいな……!」

向日葵(こういうことは大抵西垣先生の仕業……)

向日葵(となると向かうは……)

向日葵「理科室、ですわ……!」

タタタタタ......


…………。

……。



――理科室――

西垣「いや、私は何も知らないが?」

向日葵「はぁ!?」

西垣「ははは、私だっていつも騒動の元凶なわけではないさ」

向日葵「……」ジーッ

西垣「そんなに見たって違うものは違う。……嘘じゃないさ」

向日葵「そう、ですの……」

西垣「それにしても興味深い現象だな……いま、大室は?」

向日葵「……念のため、理科室の外に待たせていますわ」


  櫻子「ぶーぶー、向日葵のやつ、『自分ひとりだけで話しますわー』とか言っちゃって……」

  櫻子「生徒会の仕事もほっぽり出して行っちゃうしさ……」

  櫻子「お留守番つまんない……あーもう!」

  櫻子「私ひとりでどっかいっちゃうぞー!」

  櫻子「……」

  櫻子「ま、そうするとあいつうるさいし」

  櫻子「もうすこしだけ、待ってやりますかね……」


西垣「この状況だと、私も大室を見た瞬間虜になるのだろうか?」

向日葵「……かもしれませんわ」

西垣「それで、『念のため』と外に待たせているわけだ」

向日葵「……」

西垣「いや、いい判断だと思うよ。 ……で、どうするんだ」

向日葵「まったく原因もわかりませんし……」

西垣「そうだろうな。 ……よし、私のほうでも原因を探ってみるよ」


向日葵「お願い致します……」

西垣「なぁに、可愛い教え子のためだ。色々知人にも当たってみる」

向日葵「どうにかなりますでしょうか……」

西垣「わからん……まぁその間はどこか安全なところにでも隠れていてくれ」

向日葵「安全……とは?」

西垣「そうだな……今は使われていない、部室とかな」

向日葵「……」

ガラッ
向日葵「失礼いたしました」

櫻子「向日葵、おっそ~い!」

向日葵「結構お待たせしてしまいましたわね……」

櫻子「まったくだ! ……で、なんかあったの?」

向日葵「……」

向日葵(この子は、いまだ事態についてよくわかっていない……)

向日葵「……いえ、大したことありませんわ」

しえん

櫻子カワイイよ櫻子


櫻子「ん~? 生徒会の仕事を放り投げてきたのに……?」

向日葵(生徒会の方々も頼れない……これは賭けですけれど)

向日葵「櫻子、ごらく部へいきましょうか」

櫻子「へ? あかりちゃん達のとこ?」

向日葵「えぇ」

向日葵(歳納先輩達が、そのままであることを祈りますわ……!!)




…………。

……。



――ごらく部部室――

向日葵「どうしてこうなった」

櫻子「なんか今日は私いい日かも!」

京子「櫻子ちゃん、君の瞳は輝いてるよ……」
ちなつ「京子先輩?抜け駆けはなしですよ……!」
あかり「そういうちなつちゃんも……ね?」
綾乃「歳納京子もいいけれど、大室さんも……はぁはぁ」
結衣「」ペロペロ
千鶴「」ペロペロ

櫻子「ははー、みなさん焦らないでくださいよー」

向日葵「調子に乗って……」ハァ


向日葵(結局歳納先輩も船見先輩も櫻子の毒牙にかかり)

向日葵(なぜか居合わせた杉浦先輩方も混ざって……)

櫻子「そういえば今朝の星座占い1位だったかも!」

向日葵「……」

向日葵(まったく、能天気ですわね……)

みんな「\櫻子ちゃーん!/」

櫻子「はーい!」

向日葵(……その位置は)

向日葵(櫻子の、隣は、わたく……)

向日葵「はっ!?」

向日葵(なな、一体何を考えて!?)ブンブン

向日葵「別に……なんともありませんわ」


向日葵(それにしても、一体なぜこのようなことが)

櫻子「あー、私、一回胴上げってされてみたかったんですよねー!」

みんな「わーっしょい!わーっしょい!」

櫻子「あはは、たんのしー!!」

向日葵「」イラッ

向日葵(西垣先生が、何か掴んでくれることを祈りますけど……)


ダダダダダ......


向日葵(……ん?)

しえん


ガラッ!!
西垣「古谷!いるか!」

りせ「……」

向日葵「先生に会長! なにか、わかりましたか!?」

西垣「あぁ! おそらくだが、大室は、おおむ、ろ、は……」

向日葵「に、西垣先生……?」

西垣「おおむろ……おお、むろ……」トローン

りせ「……っ」ハァハァ

向日葵「」


みんな「わーっしょい!わーっしょい!」

西垣「大室……わっしょい……!」ノソノソ

りせ「……!」フラフラ

櫻子「あははー! ……あ、先生と会長もきたんですね!」

西垣「わーっしょい!わーっしょい!」

りせ「……!!」

みんな「櫻子わっしょい!櫻子わっしょい!!」

櫻子「こんな気持ち、はじめてー! もう何もこわくなーい!」


向日葵「」



向日葵「はあぁぁぁああぁぁぁぁぁ!!?」


どうしてこうなった


向日葵「はぁ、はぁ……」

櫻子「あー、胴上げ楽しかったー! 向日葵も、今度やってもらえば?」

ちなつ「……櫻子ちゃんのことをなんとも思ってないこんな女なんて」ボソッ

向日葵「……っ」ズキ

あかり「あかり、櫻子ちゃんのことだーいすき!」

櫻子「えへへー! 私もあかりちゃんのこと好きだよー!」

向日葵「……! っ、はぁ、はぁ……」


向日葵(わたく、しは……別に、櫻子なんか……)

ワ、ワタシモスキナンダカラネッ
 ワタシダッテー!

向日葵(わたくしは……わたくしは……!!)

オオムロサン...ペロペロ
  スキ...

向日葵「いや……いや……や、や……」ブルブル

 アカリガイチバンナノー!!
チーナノホウガスキダモンネー!!

向日葵「やめて!!!!!」

櫻子「!    ひま、わり……?」

向日葵「わたくしは、わたくしは……」


櫻子「向日葵……」

向日葵「うぅっ、ひっく……ぐす……」

櫻子「向日葵……よし」


櫻子「ねぇ、あかりちゃん!」

あかり「なぁに? 櫻子ちゃんも、あかりのこと、好きだよねぇ?」

櫻子「あかりちゃん……」


櫻子「あかりちゃんは、いつもすっごい優しくてにこにこ笑顔で」

櫻子「お花に水をあげたり、バンソーコーとかいろんなものを備えてて」

櫻子「私が何言ってもどんなイタズラしても受け止めて許してくれるあかりちゃん」

櫻子「あかりちゃんはそんな素敵なコだけど……ごめん!」

あかり「さく、らこ、ちゃん……?」


櫻子「船見先輩!」

結衣「……なんだい、櫻子ちゃん。 やっぱり、あかりよりも私の方が好きだよね?」

櫻子「えっと……」

デレるか


櫻子「船見先輩は、とってもクールで面倒見がよくてツッコミの切れもあって」

櫻子「いっつもあかりちゃんとちなつちゃんから聞くんですよ、かっこいい先輩だって」

櫻子「この間生徒会の仕事を手伝ってもらったときも、すごい手際よくて助かりました」

櫻子「船見先輩は、そんなとっても頼れる先輩なんですけど……ごめんなさい!」

結衣「……ふぅ、かっこいいだけじゃ、ないんだけどな……」


櫻子「杉浦先輩!」

綾乃「な、なに……? やっぱり大室さんは生徒会副会長である私についてきてくれるわよね!」

櫻子「先輩は……」

しえん


櫻子「杉浦先輩は、生徒会の副会長でいろんな仕事をどんどん自分から引き受けて」

櫻子「それを片付けていくだけじゃなく、プリントを忘れた人のフォローまでして」

櫻子「すごくかっこいいのにプリンが好きとか、そういったギャップもかわいくて」

櫻子「杉浦先輩は、そんな目標にしたい憧れの先輩なんですけど……ごめんなさい!」

綾乃「大室さん……そんな、憧れだなんて……」


櫻子「池田先輩Bもとい千鶴先輩!」

千鶴「……ウェルカム」

櫻子「えっと……」


櫻子「千鶴先輩は、あんまり喋らないけどたまに仕事を手伝ってくれたりして」

櫻子「池田先輩も『千鶴ちゃんはすっごくかわええのよ~』って言うんですけど」

櫻子「それ……わかります。 読書家で、努力家で……、自己犠牲もいとわない」

櫻子「千鶴先輩は、そんな他の人たちより大人な先輩なですけど……ごめんなさい!」

千鶴「…………」ダバー


櫻子「歳納先輩!」

京子「さっくらっこちゅわわわ~~ん! ちゅっちゅちゅー!!」

櫻子「先輩は、いつもそうですよね……」

見てるのね


櫻子「歳納先輩は、とびっきりのムードメーカーでみんなを引っ張っていって」

櫻子「私に似てるっていうけど、ほんとはすごい周りのことを気遣っていて」

櫻子「いろんなことをそつなくこなせるって、生半可なことじゃできないと思います」

櫻子「歳納先輩は、そんな心から一緒にいたいと思える先輩ですけど……ごめんなさい!」

京子「ちっぱいちゃん……!!」


櫻子「ちなつちゃん!」

ちなつ「やっぱり……チーナが一番だよね!!」

櫻子「えぇっと……あはは……」

先生と会長すっとばしちゃった☆


櫻子「ちなつちゃんは、いつもいつもかわいくて、すっごい乙女してて」

櫻子「自分の気持ちにもストレートだし、一心不乱で止まらないし」

櫻子「時々、みてて羨ましいなぁ……って思うこともあって」

櫻子「ちなつちゃんは、そんな私に無いものを一杯持ってるコだけど……ごめんね!」

ちなつ「櫻子ちゃん……きゃわわ……」


櫻子「だから……みんな、みなさん!」

櫻子「ごめんなさい!!」


あかり「櫻子ちゃん……」
結衣「大室さん……」

櫻子「みんなの気持ちは嬉しいんだけど」

綾乃「大室さぁん……」ハァハァ
千鶴「すごい、見ててくれたんだね……」ダバー

櫻子「だから……え?」

京子「なんか、もう……さ」ドキドキ
ちなつ「もっともっと、好きになっちゃう……!」ゾクゾク

櫻子「え?え?」サァーッ...

みんな「櫻子ちゃんだいすき~~~~~!!!!」ダダダッ

櫻子「どうしてこうなるのーーーー!!?」


櫻子(みんなに……押しつぶされちゃ……!)

櫻子(そうだ、ひま、向日葵は……!?)チラッ

向日葵「はぁ、もう、帰りますわ……櫻子、お幸せに……」トボトボ

櫻子「ひまっ!?」

櫻子(向日葵、いっちゃ、いっちゃ……!)

向日葵「……ぐすん」

櫻子(!! このまま、じゃ――――



櫻子「ひまわり! いっちゃダメっ!!!」

向日葵「!」ビクッ

ひま・・・・・・・・


あかり「櫻子ちゃん……?」

向日葵「櫻子……ぐす、なんですの……」

櫻子「えーと、えーと……!」

向日葵「用がないのでしたら、私は帰りますわね……」

櫻子「だ、だめ!!」

向日葵「……櫻子には、好いてくださる方々がいるでしょう……?」

櫻子「だめなの!だめったらだめなの!!」

櫻子(み、みんな、よくこんな恥ずかしいことをさらりと言えたな……!)


向日葵「はぁ……」トボトボ

櫻子「だから行かないで!!」

向日葵「……」ピタッ

櫻子「その、あの……!」

向日葵「……」クルッ

櫻子「ひま、わり……?」

向日葵「……」テクテク...スクッ

櫻子「ちょっと、顔、ちかい……よ?」

向日葵「櫻子にとって……私って、なんですの?」

櫻子「!」

向日葵「私にとって櫻子って……なんなんでしょうね」

櫻子「そ、それは……」

向日葵「……」スッ テクテク...

櫻子「だから、いっちゃやぁっ!!」


櫻子「私にとって、私にとって……!」

櫻子「一番大切な人だから!!!」

櫻子「向日葵に……そばにいて欲しいから!!」

向日葵「えっ……」

ちなつ「櫻子……ちゃん……」

おほほ

素晴らしいこれは素晴らしい


櫻子「そうよ! 私が好きなのは、向日葵! あんたなんだから!!」

櫻子「向日葵のことが大好きなの!!」

櫻子「だから! だから……行かないで……」

向日葵「さくっ、さくらこぉ……」グスッ

櫻子「へへ……向日葵、また泣いてんじゃん……」

向日葵「あなたの、せいですわ……!ひっく」グスグス

ひまわりが頃される…


千歳「そやで~、みんな、そろそろ大室さんから降り~?」

櫻子「池田先輩……?」

向日葵「そういえば居なかったような……それに、なぜ眼鏡を?」

千歳「ん~? 眼鏡を外すと、視界を遮ることができるんやで!!」グッ

千歳「そのせいで色んなトコにぶつかってもたけど……」

千歳「大室さんの虜にならずに済んだんやで?」

向日葵「なん……ですって……?」


千歳「生徒会室でたまたま眼鏡を外しとったのが幸いやな~」

千歳「それに……西垣せんせから、薬も受け取ってきてるんやで~」ニヒヒ

櫻子「薬?」

向日葵「……まさか!」

千歳「そのまさかや! ほなみんな、正気に戻ってもらうで~」

櫻子「正気?」


ホワワワ~~


…………。

……。



綾乃「いたた……あら? どうして私ごらく部に……?」

京子「んー? なんか綾乃が突然きて……あれ? その後どうしたんだっけ?」

あかり「あかりはなんだか朝からの記憶がないよぉ……」

向日葵「みなさん、元に戻りましたのね……!!」

櫻子「元に? ……そういえばなんかちょっとおかしかったような」

千歳(相変わらず大室さんは鈍いんやな~)

結衣「千歳に……大室さんと古谷さんも、いつの間にか来てたんだね」

向日葵「良かった……ですわ……!!」グズ

櫻子「また泣いて……」


綾乃「……? なにかあったけど、もう解決したみたいね」

京子「そだねー……そういや綾乃生徒会は? なんかみんないるけど」

千歳「うふふー、まだまだたぁんまり仕事は残っとるで~」

綾乃「そ、そうよ! ここにずっと居たら、最終下刻時間に間に合わないわ!」

綾乃「大室さんに古谷さん! 千歳に……会長! すぐ戻りましょう!」ダッ

櫻子「よーっし! ぱぱっとやっちゃいますかー!」

向日葵「一仕事終えた後ですけれど……やるしかありませんわね!」

千歳「ほないこか~」

りせ「……」

あかり「いってらっしゃ~い!」

ちなつ「がんばってくださ~い!」



…………。

……。



――帰り道――

櫻子「はぁ~……っ!! 今日はなんか山あり谷ありだったな~」

向日葵「そうですわね……でもほんと不思議でしたわ」

櫻子「うん……」

向日葵「どうしましたの? 櫻子」

櫻子「えーっとね、向日葵……」

向日葵「?」

櫻子「ちょっと、いいかな?」


向日葵「はい?」

櫻子「忘れちゃったかな……そんなことないよね、その、さっきのことなんだけど」

向日葵「さっき? ……も、もしかして!」

櫻子「ごらく部で……さ、私、大好きだって伝えたわけなんだけど」

向日葵「そ、そそ、そうでしたわね……」

櫻子「……」モジモジ

向日葵(赤面して照れてる櫻子かわいい……って)

向日葵(そんなこと考えてる場合じゃありませんわ!)

櫻子「その……さ」

向日葵(やっぱり、そうですわよね……)

向日葵「返事が……欲しい、と」

櫻子「!  へへ、やっぱ向日葵、私のことわかってんじゃん……!」


向日葵「櫻子は、いつも元気はつらつとして笑顔を振りまいていて」

向日葵「その分私を振り回しますし、わがままも滅法多いですけれど」

向日葵「でも! 今までずっと隣に居てくれて、これからも、ずっと」

向日葵「櫻子は、そんな私も心から一緒にいたいと思えるコで……」

櫻子「向日葵……」


向日葵「心の底から言いますわ。  櫻子……大好きですのよ」

櫻子「へへっ……! 向日葵、私も、大好きだよ!!」

キマシタワー

いやったー


櫻子(実は知っていた)

櫻子(さっき、西垣先生から向日葵だけがいつも通りなことについて)

櫻子(おそらく、元々大好きだと思われている相手には効果がないのだろう……と)

櫻子(……でも、やっぱり! 直接口で言われたほうが! よっぽど……!)

櫻子「嬉しいっ!!」

向日葵「私も、こんな、今までで一番嬉しいですわ……!」


向日葵「櫻子……これからも一緒ですわ」

櫻子「ん、もちろん」

向日葵「櫻子に……そばにいて欲しいの」

櫻子「いつだって」

向日葵「お菓子も、勉強も……見て差し上げますわ」

櫻子「ふふ、今までどおりに、ねっ」

向日葵「浮気はご法度ですわよ」

櫻子「するわけないじゃん」

向日葵「ねぇ、櫻子……」

櫻子「なぁに」


向日葵「……」

櫻子「……ん」



チュッ



櫻子「ふふ、えへへ……」

向日葵「は、恥ずかしい……でも、大好きですわ」

櫻子「えへへへへ……」


櫻子「なんだか向日葵にモテまくってる」
向日葵「う、うるさいですわ!」

――完――













櫻子「あれ?そういえば花子とねーちゃんもいつも通りだったような……」


やっぱひまさく最高だな

おちまで完璧だな
素晴らしかった乙

実にええのう
おつ


久しぶりの良SS

なんかあっさりしてしまった……次回さくはなをお楽しみに!


ナイスひまさく

おつおつ

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