まどか「乗り越えられない壁なんて……ない!!」(325)

ほむら「今回こそは、まどかを…救う」



ほむら「鹿目さん、貴方が保険委員よね。保健室に連れていってもらえるかしら」

まどか「いいよ。ほむらちゃん」


ほむら「鹿目まどか。貴女は自分の人生が、貴いと思う? 家族や友達を、大切にしてる?」

まどか「しているよ。だから、友達も家族も誰も何も失いたくないと思ってる」

ほむら「そう。もしそれが本当なら、今とは違う自分になろうだなんて、絶対に思わないことね」

まどか「違う自分っていうのはどんな私なのかな?」

まどか「不良になった私?  誰かのために全てを犠牲にする私?」

まどか「ほむらちゃんの言う違う私ってどんな私なの?」

ほむら「それは……」

まどか「なんてね。意地悪言っちゃった。保健室はこっちだよ」

ほむら「あ、うん……」

さやか「ええー、なにそれ」

まどか「訳わかんないよね」

さやか「文武両道で才色兼備かと思えば、実はサイコな電波さん」

まどか「あはは、きっとコミュ障で不器用なだけだよ」

仁美「まどかさん。それはひどいですわ……それより、本当に暁美さんとは初対面なんですの?」

まどか「夢の中であった……かな」

さやか「まどかにまで転校生菌が感染したー!!」

QB(助けて……)

仁美「私、これからお稽古事がありますので失礼します」

さやか「そっか。まどかはこれからどうする?」

QB(助けて……まどか)

まどか「行きたい場所があるの。さやかちゃんも来る?」

さやか「どうしよっかなー。あたしCDショップに行きたいんだよねー……」

まどか「ティヒヒ、無理しなくていいよ」

廃墟

QB「ハァハァ……」

まどか「私を読んだのは貴方よね」

QB「たす……けて」



ほむら「そいつから離れて」

まどか「この子、ひどいケガしてるんだよ」

ほむら「貴方には関係ない」

まどか「私に助けを求めてたんだよ」

ほむら「…………」




プシュー

さやか「まどか。こっち」

まどか「ほむらちゃんって、ホントバカ……」


ほむら「くっ……これは」

さやか「あれ……ここどこ?」

まどか「ヒゲわたあめの化け物に囲まれてる……ね」

さやか「私、悪い夢見てるんだよね。ね、まどかぁ」




マミ「危なかったわね。でも、もう大丈夫」

まどか「さやかちゃん、目を開けて」

さやか「……化け物が、いなくなってる」

マミ「あら、QBを助けてくれたのね。その子は私の大切な友達なの」

まどか「マミさん……」

マミ「あれ、私を知ってるの?」

まどか「いえ、気にしないでください」

マミ「その制服、貴方たちも三滝原生徒みたいね」

まどか「はい、二年の鹿目まどかです。こちらは美樹さやか」

さやか「ちょっ、まどか」

マミ「私は3年の巴マミ、ご丁寧にありがとう、さて、積もる話は後にして……」



さやか「す、すごい」

まどか「あっという間に魔女を追い払っちゃったね」

それから数日

さやか「マミさんってちょーかっこいい」

まどか「だからってマミさんに憧れて魔法少女になりたいなんて思っちゃダメだよ」

さやか「えー、私だって格好よく人助けしたーい………ねぇまどか」

まどか「なに?」

さやか「あんた、私になにか隠し事してない?」

まどか「うん、実は……」

まどか「わたし、未来からきたんだよ」

さやか「」




さやか「こういう時、どんな顔していいか分からないの」

まどか「笑えばいいと思うよ」

さやか「あーっはっは、分かった。これ以上は聞かない。ところで今日恭介のお見舞いに行くんだけど」

まどか「うん、私も行くよ」

さやか「恭介今日都合悪いみたいでさー。会えなかったよ」

まどか「残念だったね」

さやか「わざわざ来てやったのにさー。失礼しちゃうわよねぇ」

まどか「さやかちゃん……あれ」

QB「グレーフシードだ。羽化しかかってる」

まどか「私、マミさんを呼んでくる」

さやか「あっ、まどか。仕方ない。私がGSを見張っておくか」

QB「僕もついて行くよ。マミを最短距離で魔女の元に導くことくらいなら出来るから」

ほむら「こんなことしてる場合じゃない。今度の魔女はいつもと違う」


まどか「マミさん、ほむらちゃんを離してあげて」

マミ「魔女を倒した帰りに離してあげるわ」

マミ「これで決めるわ。ティロフィナーレ」

さやか「敵をリボンで縛り上げ必殺の一撃。くぅー、必勝パターン。しびれますなぁ」

まどか「油断しないでマミさん」

マミ「大丈夫よ。鹿目さ……」

シャルロッテ「アーン」

まどか「マミさん」ドンッ

マミ「魔女の中から魔女が……鹿目さん。貴方」

まどか「右足、食べられちゃった。マミさん、ほむらちゃんの拘束を消して時間を稼いで」

マミ「え、は、はい」




まどか「ははっ、さすがほむらちゃん。あっさりと魔女を倒してくれた」

ほむら「まどか、あなた!?  巴マミ、説明してもらうわ」

マミ「ごめん…なさい……」

まどか「マミさん、いいから治療してもらえるかな……血、止まってないんです」

まどか「魔女の体内から出てきた右足、無事にくっついて良かった」

マミ「ごめんなさい。ごめんなさい……」

まどか「マミさんが私の足直してくれたんですよ。謝らないで」

まどか「それでも申し訳ないと思うなら、私に力を貸してください」

マミ「え?」

まどか「まずはここからでましょう。出来れば、マミさんの家でお話したい。ほむらちゃんも交えて」

マミ「素直に来てくれるとは思わなかったわ」

ほむら「まどかに言われたからきただけよ」

まどか「あー、右足痛いなぁ。喧嘩してるところ見るとズキズキ痛むなぁ」

マミほむ「ご、ごめんなさい」

まどか「ティヒヒ、冗談だけど喧嘩しないでくれると嬉しいな」

まどか「ほむらちゃん、怖がらないで。本当のことを話して」

ほむら「まどか、貴方まさか記憶を」

まどか「さぁ?」


ほむら(よく分からないけど、まどかにはまどかの考えがある)

ほむら「魔法少女の秘密を話すわ」

まどか「QB、捕まえたー。一緒にお話聞こうね。もふもふ」

マミ「魔法少女の魂はソウルジェムに封じ込まれて、濁りきったら魔女になる。そんなの」

ほむら「っ!!」

まどか「死ぬまで魔女狩りするべきですよね。正義の味方」


まどか「マミさんは交通事故で死にかけた時に契約したんでしたよね」

まどか「なら、その命を正義のために、弱い人々のために限界まで使うべきですよ」

まどか「ヒーローは人知れず消える。その時までヒーローでいられたなら、どんな運命が待っていようが英雄ですよ」

まどか「役目を終えたとき、静かに消える。ヒーローとはかくあるべきですよね」

マミ「……その通りよ。明美さんのおかげで知らない真実を知れたわ」

まどか「マミさんとほむらちゃんが協力すれば勝てない魔女はいないね」

ほむら「そんなことは……」

まどか「私QBに勧誘されたんだ。私には才能があるんだって」

ほむら「私とマミで十分対処できるわ」

QB(あれ、僕まだ勧誘してないよ)

まどか「私、死にたくないよ。本当に大丈夫?」

ほむら「まどか、貴方まさか記憶が。未来の、前回の記憶があるんじゃないの?」

まどか「うん、あるよ。そういう契約だったから」




ほむら「そんな」

まどか「前回のまどかの願いだから、私はまだ魔法少女じゃないよ」

ごめん、眠くて仕方がない

途中で送信してしまった
乗っ取るなり、落とすなり好きにしてください
明日の夕方まで残ってたらかくかもしれない。ごめんなさい。おやすみ

>>65から


まどか「そんなことより、マミさん。佐倉杏子ちゃんってご存知ですか?」

マミ「隣町の魔法少女ね。好戦的で利己的な子よ」

まどか「一時的な同盟でも構いません。杏子ちゃんを仲間に引き入れましょう」

マミ「難しいでしょうね……」

ほむら「まどか、どんな契約をしたの?」

まどか「秘密。それより、杏子ちゃんを仲間にする方法考えてよ」

ほむら「う、うーん。今までのループでは美樹さやかと喧嘩して、仲直りして仲間になることばかりだったから」

ほむら「美樹さやかが契約していない状態では思いつかないわ」

さやか「あ、あたし?」

まどか「杏子ちゃんはさやかちゃんのこと大好きだったからね。でも、それは同情。自分の身の上にどこか似ていたから」

まどか「契約していない状態ではお話にならないよ」

さやか「じゃあ、やっぱり私が契約して……」

まどか「杏子ちゃんを仲間にするためだけに、ゾンビになるの?」

まどか「そんな自分を使い捨てるような契約、友達にして欲しくない」

さやか「ううん、そこまで言われちゃ契約なんて出来ないなぁ」


まどか「杏子ちゃんは悪い子じゃない。何度も何度もお願いすれば仲間になってくれないかなぁ」

ほむら「結局まどかもいい案浮かばないのね」

まどか「一つだけ……ほむらちゃんが弱い魔法少女の振りして杏子ちゃんにやられる」

まどか「何ども挑んで負けて仲良くなる。その上で協力をお願いするって案だけど」

ほむら「美樹さやかのモノマネね」

まどか「ワルプルギスの夜当日に嘘がバレるだろうし、そうなったらきっと関係が壊れちゃう」

まどか「どうしたらいいのかな……」

さやか「とりあえず会ってみない。その、杏子…だっけ?」

マミ「隣町だから、行くのは簡単だけど……」

さやか「じゃあ、明日。明日の放課後行きましょう」

ほむら「いいんじゃない。こちらの情報を全て開示してもいい」

ほむら「何かしないと進展しないのだから」

まどか「やっぱりそれしかないよね……」





杏子「アンタたち、ぞろぞろ雁首揃えてあたしになんか用かい?」

杏子「マミ、アンタ三滝原っていう絶好の狩場だけじゃ物足りなくなったのか」

杏子「まぁいいさ。やろうってのなら相手になるよ」

ほむら「佐倉杏子」

杏子「アンタが最初の相手かい?」

ほむら「これ、お土産の大判焼き」

杏子「え、うん。ありがとう」

杏子「この大判焼き、中々だな」

マミ「わざわざ焼きたてを買ってきたからね。チーズ味も美味しいわ」

まどか「私はクリーム」

ほむら「私もクリーム派よ」

杏子「邪道だな。やっぱアンコだろ」

さやか「私もアンコ派だな」

杏子「あんた分かってるよ。名前は? さやか。いい名前だな」

杏子「さて、美味かった。ごちそーさん」

ほむら「待ちなさい」

まどか「わたし達、お願いがあってきたの」

杏子「そーだよな。わざわざ飯奢りに来るわけないよな」

マミ「これくらい、いつでもご馳走するわよ?」

ほむら「2週間後、三滝原にワルプルギスの夜が来る。戦力不足なの。手を貸して欲しい」



ほむら「報酬は……魔法少女の秘密でどうかしら?」

杏子「話してみろよ。内容次第では手伝ってやらねーこともない」

杏子「その話が本当なら酷い話だ。ゾンビにされちまったようなもんだからな」

杏子「しかし、理由としては弱いね。どうしてもというなら、他にも報酬を寄越しな」ニヤ

ほむら「分かった。そこにいる美樹さやかを進呈するわ」

さやか「ちょっ、ほむら」

まどか「良かったねさやかちゃん。嫁が出来るよ」

杏子「いらねーよ!!」

マミ(ペース乱されてる……)

マミ「三滝原魔女退治も一緒にするってことでどうかしら?」

杏子「分け前は等分。あたしは使い魔退治はしない」

ほむら「それでいいわ。ただし、貴方もマミや私の使い魔退治に口出ししないでね」

杏子「へいへい。お人好しなことで」

まどか「交渉成立だね。ありがとう杏子ちゃん」

杏子「礼を言われる筋合いねーよ。じゃあ、話はこれで終わりだな」

マミ「あ、まって。佐倉さん」

杏子「あんだよ」

マミ「放課後、私の家でよくお茶してるの。貴方もいかが?」

杏子「……気が向いたら行ってやるよ」

さやか「一応協力してくれるみたいだね」

まどか「うん。一応、ね」

ほむら「あと2週間……」

まどか「出来るだけGSを集めて、魔力を温存しよう。いざというときエネルギー不足じゃダメだよ」

マミ「そうね。これから2週間、英気を養いましょう」

さやか「なんだか、呑気だなぁ」

まどか「やれることはやったから。後はワルプルギスの夜に備えるだけだよ」

さやか「ねぇ、まどか。あんた色々知ってるようだけど、どういうこと?」

まどか「前世の記憶があるんだって言ったら信じる?」

マミ「信じるわ。ううん、ここにいる誰も鹿目さんを疑ったりしない」

さやか「うんうん、そうだよ。ほむらもそうだよね」

まどか「まだ時間あるし、どこかで少し話そうか」

まどか「こんなお時間にお邪魔してすみません」

マミ「気にしないで。ほかの人に聞かれたくない話は自宅でするのが一番よ」

まどか「ティヒヒ、人に聞かれても作り話にしか聞こえませんけどね」

まどか「まずほむらちゃんは過去に戻る能力を持っています」

まどか「そして、何度も何度もワルプルギスに挑みその度に敗れ過去に戻っています」

まどか「前回のループでほむらちゃんに事情を聞いた私は、少し離れた場所からほむらちゃんの戦いを眺めていたの」

さやか「私やマミさんは?」

ほむら「巴マミはお菓子の魔女、まどかの足を食べた魔女に食べられさやかは失恋して魔女化」

ほむら「杏子は魔女さやかと一緒に心中したわ。一人で逝かせるのは可哀想だからって」

さやか「は、はは、聞かなきゃ良かった」

さやか「しっかし、あの子がねぇ。ううん、分からないものだ」

まどか「だから、ワルプルギスにはほむらちゃんが一人で挑んでいた」

ほむら「けれど、力及ばず敗北したわ」

まどか「ほむらちゃんは次のループ、つまりこの世界に望みを託して去っていった」

まどか「私が契約したのはその後。その時交わした契約により、今の私には前回の記憶があるの」

ほむら「どうして黙っていたの?」

まどか「最初の魔女の時にマミさんに助けてもらわないと、お近づきになれないでしょ」

まどか「後は……下手に話して胡散臭い子だって思われたくなかったからかな」

マミ「この間暁美さんに聞いたこと以外になにか知ってることある?」

まどか「ループを繰り返すごとに、私とワルプルギスの因縁が深まっていく」

まどか「ループを重ねるごとに私とワルプルギスは強くなっていく」

ほむら「なんでそんなことが分かるの?」

まどか「ほむらちゃんが去ったあと、QBに全部話したんだ。そしたら教えてくれた」

ほむら「……そう」

まどか「後はほむらちゃんが知ってることと一緒かな」

まどか「私が魔法少女になればワルプルギスを倒せる。けれど力を使い果たし、世界を滅ぼす魔女になる」

マミ「八方塞がりね」

ほむら「だから、戦力を集めたのね。3人でかかれば勝ちの目もあるかもしれない」

QB「無理じゃないかな」

ほむら「インキュベーター」

QB「面白い話を聞かせてもらったよ。なるほど、鹿目まどかの異常な才能は暁美ほむら、君の行動ゆえか」

QB「礼を言うよ。最強の魔法少女を生んでくれて」

さやか「こうしてみると、おぞましく見えてくるわね」

ほむら「そう思うなら絶対に契約しないこと。取り返しがつかなくなるわ」

QB「美樹さやかはそれでいいだろう。しかし、鹿目まどか。君は別だ」

QB「君が契約しなければ、君の友人家族その他大勢の人間が死ぬことになる」

QB「予言しよう。君は耐え切れずに僕と契約する」

まどか「そうならないように祈ってる……ううん、信じてる。きっと私は契約しないよ」

まどか「もうこんな時間。これ以上いるとマミさんの迷惑になっちゃう。今日はもう解散だね」

マミ「え、私は別に迷惑なんかじゃ……」

さやか「マミさん………」

マミ「あ、そうね。今日はもう遅いしお開きにしましょう」

ほむら「まどか、家まで送ってくわ」

まどか「ティヒヒ、ありがとうほむらちゃん」

さやか「私は?」

ほむら「一人で勝手に帰りなさい」

さやか「ぐすぐすっ。どうせさやかちゃんなんか……」

さやか「ちぇー、ほむらのやつ。あからさまな差別しやがってー……って、あれは」



さやか「杏子。こんなところで何してんの?」

杏子「お前は……」

さやか「さやか。美樹さやか」

杏子「そうそう。さやかだ。ワリーな」

杏子「下見してたのさ。ここらの魔女も狩って良くなったからな」

さやか「ふーん………」



ほむら「杏子は魔女さやかと一緒に心中したわ。一人で逝かせるのは可哀想だからって」



さやか「ねぇ杏子。あんたご飯はもう食べたの?」




ほむら「予想外だわ」

まどか「ここ最近様子がおかしいと思ったら。ティヒヒ、さやかちゃんの女ったらし~」

さやか「いや、違くて。ふつーだし。普通に友達になっただけだし」

杏子「お前ら何考えてんだよ」

マミ「あらあら仲が良くて妬けちゃうわぁ」

まどか「さやかちゃんほどじゃなくても、私たちとも仲良くしてくれたら嬉しいなって」

杏子「ま、まぁ仲間だしそれなりによろしくやってやるよ」

まどか「ティヒヒ、じゃあお近づきのうんまい棒。空海? なんてね」



ほむら「いよいよね。みんな、準備はいい?」

マミ「ええ」

杏子「はいよ」

まどか「みんな、頑張ってね。私たちは少し離れた場所で見てるから」

ほむら「本当は避難所に居て欲しいんだけど」

さやか「わたし達、何も出来ないけど」

杏子「神様に祈っててくれよ。私たちが無事に帰って来れますようにって」

さやか「うん……祈るよ。杏子が信じた神様に」

ほむら「一気に畳み掛けるわよ」

5

マミ「了解。早く終わらせて帰りましょう」



杏子「賛成だ」



ほむら「頼りにしてるわよ」



マミ「こちらこそ」

0




ワルプルギスの夜「キャーーーーーーッハッハハハハハハハ」

ほむら「一気に決めさせて」
カチッ


カチッ
マミ「もらうわよ。全力のぉティロ・フィナーレ!!」

杏子「いっけぇ。巨大槍」





ワルプルギスの夜「キャーーーーーーッハハ?」

杏子「タンクローリーにミサイルの嵐。あと、なんだ?  すげー爆炎」

マミ「暁美さん、想像以上の武器を揃えてきたわね」

ほむら「まだまだ、あの程度じゃワルプルギスは倒れない」パチン

杏子「次は潜水艦?」

マミ「フラついたワルプルギスに一斉砲撃……倒れたワルプルギスに反応してビル状の地雷が爆発」

杏子「えげつねぇ。粉塵でどうなってるのか全然分からねぇ」

ほむら「解説してないで攻撃しなさ、ああっ」

マミ「暁美さん!?」

杏子「黒い帯び!?  ほむらがはねとばされた」

マミ「援護よ。佐倉さん」

杏子「ああ、わかってる。魔力が尽きるまでやるぞ」

ほむら「………う。まどか?」

まどか「頭から血が出てる……ガーゼで軽く拭き取って、包帯巻いて」

ほむら「まど…か。本物……?」

まどか「そうだよ」

ほむら「っどうして来たの。危ないから遠くで見てなさいって」

まどか「ほむらちゃん……」





まどか「一緒に逃げよう」

ほむら「何を言っているの、まどか」

まどか「一緒に逃げようって言ってるの。私のお願い聞いてくれるよね?」

QB「懸命な判断かもしれないね」

まどか「QBどっかいってよ。顔も見たくない」

QB「君が魔法少女になればみんなを救えるのに」

ほむら「消えなさい、インキュベーター」

まどか「ほむらちゃん、行こう」

ほむら「まど、か……………分かったわ。私は、貴方さえいればそれでいい」

QB「鹿目まどか。君の素質ならこの大災害を無かったことにだって出来るだろう」

QB「ワルプルギスに全ての力を注ぎ込まなければ即座に魔女化することもない」

QB「決心がついたらいつでも呼んでくれ。すぐに駆けつけるよ」

ほむら「ここは……」

まどか「私が前回ほむらちゃんの戦いを見ていた場所。全体像がよく見えるでしょ」

ほむら「あまり、見たくない光景ね。杏子もマミも必死に戦っている……まどか?」

背中に感じるまどかの重み

まどか「しばらく、このままでいさせて……何も言わずに」

ほむら「まどかぁ………」

まどか「ほむらちゃんのソウルジェム、ひんやり冷たい」

ほむら「それが私よ。心と一緒ですっかり冷えきってる」

まどか「ほむらちゃんはあったかいよ。名前と一緒」

ほむら「まどか……ふふ、おかしい。なんだか体が熱くなってきたわ」

まどか「私が、くっついてるからだよ。ほむらちゃん」

杏子「マミ、気付いてるか?」

マミ「鹿目さんと暁美さんのこと?」

杏子「あいつら、人を巻き込んでおいてまっ先に逃げやがった」

マミ「どうする?  佐倉さんも逃げていいのよ」

杏子「いいや、逃げらんないね。さやかも、さやかの大事なやつらもまだこの街に残ってるからな」

杏子「そういうマミこそ逃げたっていいんだぜ。そろそろ限界だろ」

マミ「私は、最後まで正義の味方でいたいの。今逃げたら罪悪感に押しつぶされて、魔女になっちゃう」

杏子「難儀な性格だな。スパっと割り切って別の場所でやり直せばいいのに」

ほむら「まどか、貴方」

まどか「マミさんも杏子ちゃんも人がいいよね。私たちが逃げたんだから、自分たちも逃げればいいのに」

ほむら「そうして欲しいなら、先に言っておけば良かったのに」

まどか「言えないよ」

ほむら「ワルプルギスの夜は相変わらず笑っているけど、ダメージは蓄積されているはず」

まどか「どれくらい?」

ほむら「半分くらいかな」

まどか「丈夫だね」

ほむら「とてつもなくね」

まどか「ほむらちゃん、動ける?」

ほむら「出来れば動きたくないわ。もう、限界いっぱいだもの」

ほむら「やってみる?」

まどか「そうしようか。なんだか疲れちゃった」

QB「君たち、まだこんなところにいたのかい」

まどか「きゅうべぇ……」

QB「マミと杏子は今も戦っている。そろそろ限界だろうけどね」

ほむら「そう……」

QB「おや、マミたちの魔力が尽きたようだ。ワルプルギスがこちらに向かってくるよ」

QB「ワルプルギスの夜もまどかの素質に気がついたようだ」


ワルプルギスの夜「アーーーーーーッハッハハハハハハハ」


ほむら「どんどん迫ってくるわ」

QB「ほら、早く僕と契約を。間に合わなくなっても知らないよ」



ワルプルギスの夜「アーーーーーーッハハハハハハハハ」



QB「モタモタしてるから来ちゃったじゃないか。もう契約をしている時間はない」

まどか「ワルプルギスの夜。大きいね」

まどか「前回と同じ、山のような威圧感。絶対的な恐怖」

まどか「手を伸ばせば届きそうな距離」

ほむら「これなら、外さない。まどか、私から離れないでね」

まどか「離れないよ。安心して、私がほむらちゃんを支えるから」

QB「弓?」

QB「っ。暁美ほむらがどうしてそんなエネルギーを持っているんだい」

QB「そんな膨大なエネルギーを。それじゃまるで鹿目まどかの」

まどか「私の契約は「次のほむらちゃんのループへ記憶と魔力を送る」こと」




ほむら「さようなら、ワルプルギス。貴方を倒す日をずっと夢に見てきたわ」

まどか「さようなら、ワルプルギス。やっとお別れだよ」

なんかその願い先週くらいに見た気がする

QB「訳が分からないよ。しかし、事実としてワルプルギスの夜は消滅した」

ほむら「まどかが持ち越した魔力は人間では扱えない。だから、一度私のソウルジェムを通して武器にした」

ほむら「逃げたフリをしたのは、インキュベーター。あなたに邪魔されないため」

ほむら「つまり、時間稼ぎ」

まどか「魔力を委託するのには多少時間がかかるからね。ほむらちゃんに抱きついていたのも、少しでもQBに感づかれないようにするためだよ」

ほむら「マミと杏子がさっさと逃げてくれれば良かったのだけれど」

ほむら「粘ってくれていた。まどかの魔力を引き受けた私は身動き出来なくなってたし、遠距離では外すかもしれない」

まどか「だから、ワルプルギスが近寄ってきてくれて良かったよ」

ほむら「まどかが不良になった…」
かな

>>283
すまん。そのSS知らない。被っただけ
ありがちな願いだろうしね

>>284
スレタイ思い出せないけどマミ「魔女め!鋼鉄マミが相手よ!!」 みたいな感じだったかもしれない
>>287
そんなことはいいからとっとと書け太郎

QB「しかし、前ループの僕は何を思ってそんな願いを叶えたのか。これではエネルギーが回収できないじゃないか」

まどか「前ループのQBは過去に戻るというより、異世界に移動していると考えたみたい」

まどか「根拠は私の因果が増え続けていくこと。複数の異世界で私を軸に因果を紡いでいると考えた」

まどか「そうして至った結論が「僕はこの時間軸でエネルギーを手に入れられればそれでいいから、君の願いを叶えよう」だって」

QB「やれやれ、なんて身勝手な奴なんだ」

ほむら「お前が言うな」

QB「祭りは終わった。僕は去るよ。用があったらまた呼んでくれ」

ほむら「遠慮しておくわ」

まどか「ほむらちゃんに同じく」

QB「やれやれ」

まどか「終わったね……」

ほむら「終わったわね……」

まどか「じゃあ………」


パァン

ほむら「まど…か……」

突然頬を叩かれた




まどか「ほむらちゃんの裏切り者!!」



.

まどか「ほむらちゃんは私を裏切った。必ず守るって言ってたのに、見捨てて逃げたんだ」

ほむら「前回の…ループ……」

まどか「そうやって何度私を裏切ったの?」

ほむら「まど…かぁ」

まどか「何回まどかを見殺しにしたの?」

ほむら「まどか…ごめん」

まどか「ほむらちゃんの人殺しぃ!!」

まどかが胸に顔を埋めて泣きじゃくる。弱々しい力で肩を叩いてくる

>>286
ほむら「まどかが不良になった…」
ttp://uprekasvip.blog33.fc2.com/blog-entry-1286.html
たしかに同じような願いだったな。

>>289
マミ「魔女め!鋼鉄マミが相手よ!!」
ttp://morikinoko.com/archives/51748722.html
願いではないが力を与えてるところは似てる。

>>287
>>1が言ったとおり被っただけという事で
というよりこんだけ大量のまどかSSで被らないで
作るのは不可能(笑)

ほむら「ごめん…なさい。ごめんなさい、まどかぁ………」

まどか「許さない。絶対に許さない」

まどか「ほむらちゃんはこれから、償いをしなくちゃいけない」

まどか「私が貴方を許すまで、償い…続けてよぉ」

ほむら「償う…まどかのためなら、なんでもするわ……」

胸の中で泣きじゃくるこの子が、私は……

まどか「でも、それでも、ほむらちゃんは私の…最高の友達、なんだよぉ」

一緒に泣いていた
何時間経ったか忘れた頃、まどかがポツリとつぶやく

まどか「私も、裏切り者だ」

まどか「私も人殺しなんだ」

まどか「前の世界を見捨てて、パパもママもたっくんも仁美ちゃんもみんな見捨ててこの世界に来ちゃった」

まどか「私だって許されない。みんなに許してもらえない」

まどか「痛いよ。腕や足を失うよりも、死ぬような怪我よりもずっとずっと胸が痛い」

ほむら「許すわ」

ほむら「なんの権利も権限も何もない私だけど、貴方を許す」

ほむら「世界中が許さなくても、私だけは貴方を許すわ」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん……」

ほむら「貴方が私を許してくれなくても、私はずっと―――」


おわり

後日

杏子「おお、やっぱりアンタたちも生きてたか」

マミ「心配したわ。ごめんなさい、私たちも限界であなた達を探す余裕がなかったの」

まどか「気にしないでください。それより、逃げ出してすみませんでした」

杏子「なんだかよく分かんないけど、ワルプルギスを倒したのはお前らなんだろ。気にしなくていいぜ」

ほむら「そんなところね」

マミ「みんな無事で良かったわぁ。ねぇ、みんなで祝勝会やらない?」

まどか「今はちょっと……」

杏子「傷が治ったらな」

ほむら「食欲がないの。ごめんなさい」

マミ「そ、そう……」ショボン

さやか「ま、まぁまぁ後日改めてやればいいですよ。今は傷を癒すのが先」

杏子「さやか……」

さやか「ふふふー、なに?」

杏子「お前いたのか」

おわり

なんか期待と違うって人ごめん
すっきりしない終わり方のを書いてみたくなっちゃって

楽しんでくれた人ありがとうございました
そして何より、保守ありがとうございました。実は残ってるとは思わなかった

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