男「俺の人生ってなんだったんだろうな」 転校生「・・・」(86)

男「・・・ふわぁ・・・・・・うーん!今日もいい天気だな」

男「絶好の登校日和!・・・なんてね」

母「男ー!?起きたならさっさと降りて来て顔洗ってご飯食べなさーい!幼馴染ちゃんが来ちゃうわよー!」

男「はいはい、今行くよー」

男「えーっと、今日の授業は・・・数学と・・・」ゴソゴソ

男「んじゃ、いってきまーす」ガチャ

母「はいはいはい、いってらっしゃい!」ドタドタ

男「・・・母さんは相変わらず忙しそうだな」バタン

男「・・・」

幼馴染「おっはよう!男!」ワッ

男「おう、おはよう」

幼馴染「ねぇねぇ聞いた聞いた?なんか今日転校生来るっていう話!!」

男「みたいだな、昨日の友からのメールで知ったよ」

幼馴染「どんな子なんだろうね!男の子かな、女の子かなー」ワクワク

「――でさっ!私職員室でその子見たんだけどー!」ワイワイ

「――ウチのクラスに来るんだってー」ガヤガヤ

「――マジだぞ?すっげぇ可愛かった」ワイワイ

男「クラス中が転校生の話でもちきりだな」

友「よっ、おはようさん」

男「おはよう、なんか盛り上がってんなー」ドサッ

友「おーそりゃそうだろ!いつだって学生時代はイベントを求めてるんだ」

友「そこに飛び込んできた『転校生』の話!これで盛り上がらないわけがねぇ」

男「まぁ確かにな」

友「そしてこれは確かな筋から得た情報なんだが・・・」

男「転校生が女の子で可愛いって話か?」

友「そう!そうなんだよ、無茶苦茶可愛いかったぜ!」

幼馴染「うんうん、私も見てきたけど凄く可愛かったよー」ヒョイッ

友「お、おー!おはよう幼馴染!今日は男と一緒じゃないと思ってたら転校生を見に行ってたのか?」

幼馴染「おはよう友くん、そうだよー、やっぱりどんな子か気になるじゃない?」チラッ

友「だよなだよなー、普通は気になって見に行っちゃうよな!」チラッ

男「・・・な、なんだよ」

友「いやいや・・・なんでお前そんなにテンション低いんだよ、転校生だぞ!?転 校 生!!」クワッ

男「・・・転校生が来ても交流の無いクラスの人数が1人増えるってだけじゃ・・・」

幼馴染「あっらー、クールぶっちゃって」

友「わかってねぇなー、もしかしたら!もしかするとだぞ!」

友「挨拶から始まりお近づきになってそれからアレやコレやする仲になるかもしれないじゃないか!」ドンッ

男「お前らと違って俺にそんな交流力はねぇよ・・・」

幼馴染「でも友くんとはこの高校で友達になったじゃん」

友「そうそう、この高校で俺にはじめて出来た友達って男だぜ?」

男「あれは・・・(友から話しかけてきたのが最初だし、明らかに当初は幼馴染目当てで話しかけてきてたよな・・・)」

男「・・・まぁ、そうだなー」

友「ほらみろ!お前にだって転校生と・・・っていう可能性は十分あるじゃねーか!」

ガラガラッ

先生「おらー、チャイムはとっくに鳴ってんぞー、席座れー」

ガヤガヤガヤガヤ

幼馴染「あ、先生きちゃった」

友「お、とうとうきたか!」

男「1時限目は現国か・・・準備しとこ」ゴソゴソ

先生「えーホームルームをはじめる前に、散々話題になってるが、今日このクラスに転校生が来る事になった」

ガヤガヤ

先生「何故こんな中途半端な時期に、とは思うかもしれんがー」

ワイワイガヤガヤ

先生「まー、仲良くするように、いじめとか先生の見る限りでは無いから大丈夫だよな」

ワイワイ

先生「では転校生君ー入ってきてくださいー」

ピタッ......

ガラガラガラッ......

転校生「・・・」

カワイー ヤリテェー ガヤガヤ

先生「まずは自己紹介、黒板に名前を書いてな」

転校生「・・・あ、はいっ」クルッ

コエモカワイー ヤリテェー

転校生「・・・」カキカキ

ジーキレーイ ヤリテェー

転校生「え・・・っと、転校生です、家の都合でこちらの学校にやってきました」

転校生「こ、これから卒業まで、よろしくおねがいします」ペコリ

マカセロー ヤラセロー シツモンイイー?

先生「よし、では皆ー!何度も言うが仲良くするように」

先生「質問はホームルームが終わってからにしろよー、うるせーから」

先生「席はとりあえず、一番奥から2番目な」

転校生「は、はい」ツカツカ

転校生「・・・」ツカツカ...ストン

男「・・・(隣かよ・・・)」

先生「えー、転校生君はコチラの手違いでまだ教科書が届いてないので、今日は男に見せてもらえ」

男「・・・え?あ、はい(マジかよ・・・)」

転校生「あ・・・」ペコリ

男「・・・」ペコ

エー オレノミテヨー ガヤガヤ

先生「よっし、それじゃあホームルームをはじめるぞー」

――――――――――――――――………

「――趣味はなんですかー!」ガヤガヤ

転校生「え、えと、趣味は・・・―――」

「――休みの日とかなにしてるのー?」

転校生「い、家で―――」

「――スリーサイズいくつ?」

転校生「そ、それは・・・」オロオロ

バカダンシー アホー ワイワイ

男「・・・(ホームルームが終わってからずっと質問攻めにあってるな、あの子)」

男「友と幼馴染も加わってるし・・・」

男「まぁ、おかげで俺が教科書見せる事について弄られなくて済むからいいか・・・」

男「しかし、これがきっかけで仲良くとか・・・」チラッ

転校生「―――今は特にそういうのは・・・―――」オロオロ

男「・・・ないよな、期待はしない、しちゃいけない」

現国「――つまりこの作者が何を言いたいのかっていうとだな」

男「(俺が左で転校生さんが右で)」カキカキ

男「(俺が右利きで転校生さんが左利きで)」カキカキ

男「(普段は離れてる机をこうしてくっつけてるから・・・)」カキカキ

男「(ことあるごとに肘がぶつかったり、女の子特有の良い匂いがふんわりと流れてきて)」カキ...

男「(その度に意識しちゃって集中できねぇよ・・・!)」コロン...

転校生「・・・あ」ペコリ

男「・・・(転校生さんは肘がぶつかるごとに頭下げてくるし)」ペコリ

男「・・・(・・・可愛いな・・・)」

男「・・・!(いやいやいやいや、何考えてるんだ俺は、俺が好きなのは・・・)」カキカキカキカキ

転校生「・・・?」

キーンコーン カーンコーン.........

男「・・・(よ、ようやく一時限目が終わった・・・)」グッタリ

男「・・・(そして再度はじまる質問攻め・・・転校生さん、ご愁傷様)」

男「・・・うぇ、手汗びっしょりだ、我ながら気持ち悪いな」ベタ

男「女子が隣にいるだけでここまで緊張するものなのか・・・」

男「幼馴染だとそんなことはないんだけどな・・・」

男「うん・・・」

男「・・・・・・」

男「・・・やっぱり、俺は幼馴染が好きみたいだなー」

男「緊張とか、そういうのないし、隣にいると安心するし・・・」

男「アイツが嬉しそうな顔してるの見ると、俺も嬉しくなるし」

男「・・・告白なんてする勇気、俺にはないんだけどな・・・」ハァ

男「まぁ・・・今の関係のままでも、いいか」

男「この関係が壊れるなんて事、ないだろうし」

―――――――――――――………

ワイワイガヤガヤ

友「で、昼休みになったわけだが」

男「うん」モシャモシャ

友「なぜ転校生ちゃんがこのグループにいない!?why!?」

幼馴染「誰かに先に誘われちゃったのかなー」モグモグ

女友「にしては教室内にその姿を確認できないね」グニグニ

男「購買とか食堂に行ったんじゃないのか?」モシャモシャ

幼馴染「かもねー、それか案外一人で食べてるのかも」

友「一人!?ソロ!?」

男「いやいや・・・転校初日で一人飯はないだろ」

男「休み時間とか見てたけど、大人気だったじゃん、転校生さん」

幼馴染「いやーわからないよー?」

女友「あの子、なんだか一人の方が好きそうな雰囲気がしてたしねー」

幼馴染「うんうん、もしくは私達の質問攻めに疲れて逃げちゃったとか!」

男「そんな逃げたくなる程質問したのかよ・・・」

幼馴染「いやいやいやいや、ちょっぴりだよ!?本当にちょっぴり」チョッピリ

女友「見てる限りじゃ幼馴染と友の質問だけで80は越えてたね」

男「本当に大変だな、転校生さん・・・」

男「・・・はぁー、ごちそうさま」カチャリ

友「俺もご馳走様・・・おっと、もう昼休み後半に突入してるじゃねぇか!」

幼馴染「ありゃ、ホントだ」

友「今はいない転校生ちゃんの事を気にしても仕方ない、俺は全力で青春を謳歌してくるぜ」チラッ

幼馴染「・・・あ、私もちょっと行ってくるねー」タッタッ

女友「・・・・・・いってらっしゃい、ほどほどにね」

男「・・・あ、俺も図書室に呼ばれてたんだった」

女友「そか、んじゃ解散かなー、私は寝るね」

男「相変わらず無気力だな・・・」

女友「それが私の長所でもあるよ、それじゃおやすみー、委員の仕事がんばってね」

男「・・・おう」

―――――――――――――………

屋上手前階段

転校生「・・・」テクテク

転校生「・・・」チラッ

転校生「・・・ふぅー」

転校生「(色々と質問されたけど・・・)」

転校生「やっぱり・・・転校生って珍しいんだろうなぁ・・・」

転校生「けど、みんな優しいし、良い人そうだし・・・」

転校生「仲良くやっていけそう・・・かなぁ・・・」

転校生「・・・お昼ご飯、いろんな人から誘われたけど・・・」

転校生「疲れちゃったし、今日は屋上で一人で食べよう・・・」ガチャ

転校生「・・・・・・?」ガチャガチャ

転校生「・・・・・・」

転校生「開かない・・・」ズーン

転校生「うぅ・・・前の学校だと開放されてたのに・・・」ガチャガチャ

転校生「わたしの一人飯ベストスポットだったのに・・・」ガチャガチャ

転校生「・・・・・・」ガチャガチャ

転校生「立ち入り禁止って書いてたし、仕方ないのかな・・・」ガチャ...

転校生「・・・うー、時間もなくなってきてるし今日はここで食べよう・・・色々あるし、なんか埃くさいけど・・・」

カンッ...カンッ...カンッ...

転校生「・・・ッ!(だ、誰か階段を上ってきてる!?)」ビクッ

カンッ...カンッ...

転校生「(どど、どうしよう、こんなところで一人でご飯食べてるの見られたら絶対笑われる・・・!)」

カンッ...

転校生「(や、か、隠れないと・・・)」アセアセ

転校生「(ロ、ロッカーの裏!に板を持って・・・!)」ガタガタゴソ

転校生「(・・・気づかれませんように・・・!)」ドキドキ

カンッ...

友「・・・ふぅ、時間やべーってのに、なにしてんだよー」

転校生「・・・(あれ・・・?)」ドキドキ

幼馴染「あはは、ごめんごめん、けど女の子には準備が必要なんだよー?」タッタッ

転校生「・・・(この人たち・・・私のクラスの人たち・・・?)」ドキドキ

友「準備って、大した事しないだろー」

幼馴染「あるもん!香りとか気を遣うしさー」

転校生「・・・(何の話なんだろう・・・)」ドキドキ

友「ったく、あーあ、こりゃ今からはじめたら5時限目サボりになっちまうなー」ガチャガチャ

幼馴染「うーん、いいんじゃない?普通授業だったら少し怪しまれるかもしれないけど、5時限目って体育でしょ?」

友「あー体育か、なら別に問題ないか、男女別だし」ガチリッ

幼馴染「それにいざとなったら女友ちゃんがフォローしてくれるよ、きっと♪」フフン

友「随分人任せだな!!・・・まぁ、俺の方も先生ろくに点呼取らないからなー、俺がいないってバレないだろきっと・・・」ギィ...

転校生「・・・!(屋上の扉が開いた・・・、なんで鍵をこの人が持ってるんだろ・・・)」

友『んー!風が気持ちいいなー』

幼馴染『ホントだねー・・・んふふっ』

転校生「・・・(まだ・・・声が聞こえる・・・)」

友『よし、時間もないし・・・やるか』ガサガサ

幼馴染『うん・・・えへっ、ムードもないのになんか凄いほわほわしてきた・・・』ガサ

転校生「・・・(何・・・なにをはじめるつもりなんだろ・・・けど、なんだろう・・・)」

友『へぇー、俺との行為を思い出しちゃった?』

転校生「・・・(ここにいたら、いけない気がする)」

幼馴染『う・・・うん・・・あのすごいのが、またできるんだーって思って・・・んんッ』

幼馴染『ちゅっ、んちゅぅ・・・・・・』

友『ん、ちゅぅ・・・ん・・・』

転校生「(えっ!?えっ・・・!!?)」

幼馴染『ん・・・ぷぁっ、えへへ、セカンドキスも奪われちゃった』テレ

友『あっはは、馬鹿だなー、セカンドなんて初めての時にもうやっただろー』

転校生「・・・(が、学校で・・・聖なる学び舎で・・・こんな事・・・)」

幼馴染『あーそっか・・・じゃあ今のキスは何度目なんだろ?』

友『・・・んー、んー?何度目だ?わからん』

転校生「・・・(け、けど、普通なんだろうなぁ、私がきっと遅れてる・・・んだよね)」

幼馴染『あは、分からないくらい友くんに奪われちゃったんだね、私の唇・・・♪』

友『ん・・・そうだな、なんだかんだ言ってファーストキスも俺と・・・なんだよな』

幼馴染『うん、そーだね・・・・・・それに、私の初めても友くんと・・・だよ』

友『・・・俺さ・・・最初、てっきり男とできてるんだーっとか思ってたから、さ』

転校生「・・・(男くん・・・?私の、隣の席の人・・・だよね)」

友『今、こうして幼馴染とこういう事できて・・・初めての男にもなれて、最っ高に嬉しいと思ってる!』

幼馴染『もうー、私とこうしてるのに他の人の事、話題に出さないでよー・・・』

幼馴染『男は・・・今はただの友達なんだから・・・』

幼馴染『だから今はこうやって、私だけの事を考えて、私と一緒に気持ちよくなって、一つになろ・・・?』

友『あぁ・・・・・・大好きだ、幼馴染』

幼馴染『んんぅ・・・私も・・・大好き♪』

転校生「・・・(これ・・・だめだ、もう聞いてちゃだめだ、いかないと・・・!)」ガタッ

タッタッタッタッタ.........

――――――――――――――………

タッタッタッタ.........

転校生「・・・・・・ッ!」ハァッハァッ

転校生「・・・はぁ・・・はぁ・・・っ」

転校生「・・・はぁっ(すごい事・・・聞いちゃったな・・・)」

転校生「・・・ああいうの、私にはまだ早いと思ってたんだけどなぁ・・・」

転校生「・・・進んでる人は、進んでるんだなぁ・・・」テクテク

転校生「・・・(あ、お弁当食べてない)」グゥー

転校生「・・・どこかで食べないと・・・」

キーンコーン カーンコーン

転校生「・・・あっ」グゥー

――――――――――――――………

6時限目

数学「――この式にあてはまるものとしてー」

グゥー

男「・・・(この俺の右耳にすさまじい頻度で聞こえてくるこの音)」カリカリ

男「・・・(そして音が鳴る度に顔を真っ赤にしてわたわたしている転校生さん)」カリカリ

男「・・・(つまり、これは間違いなく・・・腹の音)」カリ...

男「・・・(・・・何でだ?昼飯を食べてないのか?)」

転校生「・・・うぅ・・・」

男「・・・(1時限目とは別の意味で気になってきた・・・)」

男「・・・(それより今はこの音だよな・・・)」チラッ

転校生「・・・っ」ビクッ

男「・・・(何らかの理由でご飯が食べられなかったのなら、なんとかしてあげたいが・・・)」ガサゴソ

男「・・・(何もねぇ)」

キーンコーン カーンコーン

数学「おっ、もう終わりか!はえーな!よーしきりーつ、れーい、お疲れーい!」ガラガラピシャッ

ワイワイガヤガヤ

転校生「・・・(お腹の音・・・おさまってくれなかった・・・)」シクシク

テンコウセイチャーン シツモンイイー?

転校生「・・・(体育の時間は動いてたから、そこまで気にならなかったけど・・・)」グゥ...

アレー? テンコウセイチャーン?

転校生「・・・(お昼抜くだけでこんなにきついなんて・・・)」

ハンノウガナイ... シカバネカ。。。

転校生「・・・(それに、友って人と幼馴染って人、結局6時限目になっても戻ってこなかった)」グッ...

転校生「・・・(それってつまり・・・そういう事だよね・・・)」

転校生「・・・(あ・・・だめだ、おなか空きすぎて何も考えらなくなってきた・・・)」

転校生「・・・(あれ?今わたし、話しかけられてた?」

先生「最近夜遅くまでゲーセンだのカラオケだの行ってる奴いるけどなー、マジで夜道は危ないから気をつけろよ?」

ワイワイガヤガヤ

転校生「(これが終わったら、どこか人気のないところでご飯食べよう・・・)」

先生「んじゃホームルーム終わりなー」

転校生「(あぁ、よかった・・・これで・・・)」

先生「あー、あと誰か、転校生君に部活案内とかしてやってくれ、まだ校内の事わかってないだろうしな」

ハーイ ワタシヤルー オレニマカセロー

転校生「・・・ぅぁぐ」

男「・・・(奇声が聞こえた)」

ワイワイガヤガヤ

男「・・・さて、どうするか」

男「転校生さん、苦笑いしてるしお腹押さえてるし・・・明らかに一人になりたそうだよなぁ・・・」

男「・・・俺しか・・・いないよな」

ネェードコイクー? ナニブニスルー?

転校生「―――え、えっと、部活見るのはまた今度にしようかなって・・・」グッ...

エー イコウヨー 

男「・・・あー、転校生さん、ちょっといいかな」

転校生「あ・・・え?・・・は、はい、なに・・・か・・・な」グッ...

男「いや、数学の先生の課題、教科書をプリントしたものを先生がくれるみたいだから、ちょっと一緒に来てくれる?」

アトデデイイジャーン エー

転校生「あ、あ、えっと、今はちょっと・・・無理・・・かな」グ...

男「・・・いいから、ちょっときて」グイッ

アー ユウカイダー

転校生「あっあっ・・・」グッ...

――――――――――――・・・・・・・・・

図書室物置部屋

転校生「・・・」モグモグ

男「・・・」パラリ

転校生「・・・」パクパク

男「・・・」

転校生「・・・・・・はぁー」ズズ

転校生「・・・ご馳走様でした」カチャリ

男「・・・はい、どうも」

男「・・・」

転校生「・・・」

転校生「・・・あー、えっと、男くん・・・でいいんだよね?」アセアセ

男「・・・うん」

転校生「あ・・・よかった、あってたんだね・・・」ホッ

男「・・・」

転校生「・・・(やっぱり・・・この人が男くん)」

転校生「・・・(屋上にいた人達の知り合い・・・だよね)」

転校生「・・・(男くんとあの人達ってどういう関係なんだろう・・・)」

転校生「・・・(ちょっと、知りたいな)」

転校生「・・・ね、ねぇ、友って人と幼馴染って人、知ってる?」

男「・・・友と幼馴染は・・・俺の友達だよ、幼馴染は小さい頃からの付き合い」

転校生「あ、そ、そうなんだー、へー、知らなかったなー」ドキドキ

転校生「あ、あー!も、もしかして男くんは幼馴染さんの事がす・・・好きだったり?」

男「」ズルッ

男「(び、びびった・・・いきなり核心を突かれるとは思わなかった)」ドキドキ

男「(というか、やっぱこういう小さい頃からの付き合いってそう思われるものなのか・・・?友も最初は勘違いしてたしな・・・)」

男「い、いやいやいやいや、それはない、ないよ!」ガクガク

転校生「(あ、すごく動揺してる)」

転校生「(やっぱり、そうなんだ・・・)」

転校生「(でも、幼馴染さんは友ってひとの恋人で・・・)」

転校生「(男くんはそのことを・・・知ってるのかな)」

転校生「(聞いてみたい・・・けど、もし男くんがその事を知らなかったら)」

転校生「(きっと、すごいショックを受けるよね・・・)」

男「・・・?ど、どうしたの転校生さん」

転校生「あ、え、えっとーなんでもないよ!」アセアセ

転校生「(聞きたい・・・けど、聞くべきじゃない、よね)」

転校生「・・・」

男「・・・えっ、っと・・・」

ガチャッ

女友「やっほー、今日も眠りにきましたよ」ドサッ

転校生「!!」ビクゥッ

男「・・・お前はいつも急に現れるな」

女友「これが仕事だからねー」

転校生「(び、びっくりした・・・)」ドキドキ

女友「しっかし・・・んー?転校初日から転校生ちゃんをマイルームにご招待とは、やるねー」ニヤリ

男「・・・その顔やめてくれ、成り行きでこうなっただけだよ」

女友「成り行きね、それにしては随分とふかーい話をしてたみたいだけど?幼馴染が好きだとかどうとか」

男「・・・!(聞こえてんのかよ・・・!!)」

女友「あー、転校生ちゃん、男はねー昔から幼馴染の事が大好きでねー」

転校生「あ、えっ・・・」チラッ

男「・・・」ガックシ

女友「よく私に相談しにきたのよね、幼馴染が最近冷たいとか、毎朝迎えにきてくれないとか」ペラペラ

女友「そんな愚痴相談を聞かされてるのに、当の本人は幼馴染に告白する勇気もないんだよー」

男「・・・」

女友「で、そんな状態が長々と十数年、今も男は幼馴染に告白できないでいる、と」

男「・・・その事を転校生さんに言う必要ないだろう・・・」ガックリ

女友「まぁ、さすがに私一人じゃ相談の対応にも限界があるしねー」

女友「三人寄れば文殊の知恵とも言うし」

女友「それに、転校生ちゃんも知りたがってたし、ね?」

転校生「え、えっと、その・・・」アセアセ

男「・・・あぁ・・・なんて日だ・・・」

女友「そういうわけで、男」

男「・・・なんだよ」

女友「転校生ちゃん借りてくね、委員のお仕事がんばって」グイッ

転校生「えっ、わっわっ」

男「もう勝手にしてくれ・・・」ガクッ

―――――――――――――・・・・・・・・・

廊下

ツカツカツカツカ......

女友「・・・・・・」

転校生「えっ、えっと女友?さん・・・、どこまで行くの・・・?」

ツカツカツカ......

女友「・・・ふぅ」ピタッ

女友「ここまで来れば・・・いいかな」

転校生「えと、その・・・一体どうしたの?」

女友「・・・多分、言わなくても分かると思うけど」

女友「転校生ちゃん、見たんだよね・・・幼馴染と友が・・・その、してるとこ」

転校生「・・・え、み、見てたんですか・・・!?」

女友「ううん、まったく見てない」ケロリ

女友「ちょっとカマかけてみたんだけど・・・やっぱり見られてたかー」ヘラヘラ

転校生「え・・・ひ、ひどい」ガンッ

女友「・・・」

女友「まぁ・・・つまりそういう事なの」

転校生「・・・」

女友「男と幼馴染の恋愛ゲームはとっくのむかしに終わっちゃってたのよ」

女友「男はバッド、幼馴染はハッピーって結末で」

女友「あいつの十数年に及ぶ恋心は、高校での友達の数ヶ月に負けましたー、ってね」ヘラヘラ

悪い、眠すぎて頭働かないのにこれから仕事だお
設定煮つめて書き溜めてまた出直すわ、初SSとか調子にのって挑戦するもんじゃねーお、死ぬお

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