アルミン「過去の話と未来の話」(45)

http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1376661516.html
↑の続きみたいなもの。
何もかも本当にあり得ない展開になる予定。
先に謝っとくごめんなさい。


ベルトルト「いよいよだね」

ライナー「ああ」

ベルトルト「今日で終わりかあ。実験」

ライナー「長かったな4年」

ベルトルト「なんの娯楽もないからねこんな生活。まあ娯楽なんて与えられるわけないし」

ライナー「実験で幾度となく身体いじくりまわされるし」

ベルトルト「ね」


ライナー「余計長く感じるわな」

ベルトルト「最後はどんなことされるんだろう」

ライナー「さあな…」

ベルトルト「まあ綺麗な終わり方ではないよね」

ライナー「そりゃそうだろ。最後の実験だからな」

ベルトルト「今までできなかったあんなことやこんなことを」

ライナー「思う存分やられるんだろう」


ライナー「そして多分苦しんで苦しんで、苦しみ抜いて」

ベルトルト「死んでいくんだろうね」

ライナー「…覚悟は」

ベルトルト「できてるさ」

ライナー「そうか」

ベルトルト「今更足掻いたってどうにもなんないし」

ライナー「足掻く気もないな」


コンコン

ライナー「ん?」

ベルトルト「もう迎えに来たのかな?」

ライナー「いや、まだ実験の時間にはなってないはずだが」

ベルトルト「じゃあ何だろうね…」


「…おじゃまします」


ライナー「…ああ」

ベルトルト「…驚いたな」

ライナー「…久しぶりだな、アルミン」

アルミン「久しぶり。ライナー、ベルトルト。2人一緒の部屋なんだね」

ベルトルト「この通りライナーとある程度距離は話されて拘束もされてるけどね」

ベルトルト「…君に会うのはエレンを連れ帰ろうとした時以来だね」

アルミン「そうだね」


ライナー「随分と背が伸びたな」

アルミン「でしょ?」

ベルトルト「それに顔つきもだいぶ男らしくなった」

ライナー「男前になったな」

ベルトルト「見違えたよ」

アルミン「ふふ」


ライナー「で、どうしたんだ?」

ベルトルト「アルミンがここに来るなんて」

ライナー「なんでわざわざお前が」

アルミン「…今日が最後だから」

ライナー「…おう」

アルミン「迷ったんだけどね。ここに来ること」

アルミン「…僕は今ハンジさんの補佐をしてるんだ」


ライナー「ほう」

ベルトルト「知らなかった」

アルミン「今まで僕は2人の実験に直接参加してなかったからね。調査書をまとめるくらいだったし」

アルミン「でさ、一昨日ハンジさんに言われたんだ。今日が2人の最後の実験になるって」

アルミン「だから最後に自分の気持ちにけじめをつけに、ハンジさんに無理言ってここに来ることを許可してもらった」


ライナー「けじめ?」

アルミン「うん、けじめ」

ベルトルト「…そう」

アルミン「まあただの自己満足なんだけどさ」

ライナー「…お前の気が済むようにすればいいさ」

アルミン「うん」


アルミン「ねえ、この4年間どうだった?」

ライナー「どうだったって…」

ベルトルト「うーん…実験いっぱいされた」

ライナー「ハンジ分隊長が実験のたびに涎垂らしてた」

アルミン「えっ」

ベルトルト「頬を赤らめて」

ライナー「目を輝かせて」

ベルトルト「すごかった」

ライナー「ああ」


とりあえずここまで。

乙乙
期待!


前スレで人違いした失礼な奴です。
今回のもとても楽しみにしてる。


再開。

>>13
ありがとう!期待に添えるかはわからんが頑張るよ

>>14
おお!今回もコメくれて本当にありがたい
とても嬉しいよ


アルミン「涎垂らすまでいってるのかあの人」

ベルトルト「うん」

ライナー「あとはそうだな、とりあえず長かった」

アルミン「4年だからね」

ベルトルト「でもその長い時間のおかげで、自分の今までの人生を見直すことができたかな」

アルミン「…そう」



ライナー「アルミンこそ、この4年間はどうだったんだ」

アルミン「僕?僕はそうだなあ…君たちがエレンをさらい損ねてからしばらくして、さっき言ったようにハンジさんの補佐になって、今は毎日作戦会議に参加してって感じかな」

ベルトルト「そうかあ。頭いいもんねアルミン」

アルミン「ふふ。ありがとう。毎日大忙しだよ」

ライナー「あんまり無理するんじゃねえぞ」

アルミン「そうだね、気を付ける」


ライナー「…他の奴らは」

アルミン「同期のみんなのこと?みんな生きてるよ。自分の役割をしっかり担って」

ベルトルト「そう」

アルミン「エレンも、ジャンも、コニ―も、サシャも、クリスタも、ユミルも、ミカサも、みんな。調査兵団で頑張って戦いながら生きてる」

アルミン「まあエレンとユミルは大層な監視役がつきながらだけどね」

ライナー「そうか」


アルミン「何度も危ない目にあったんだけど、みんなで助け合ってここまで生きてきた」

アルミン「僕たちは、仲間だから」

ベルトルト「…仲間、か」

アルミン「そう、仲間なんだ」


オカメインコが暴れだしたから一旦ここまで。


アルミン「…ああ、そうだ。仲間といえば」

ベルトルト「ん?」

アルミン「2人は、輪廻転生って知ってるよね」

ライナー「ああ、なんとなくはな」

ベルトルト「うん」

アルミン「一昨日ミカサに会いに行ったんだ」

ライナー「ほう」


アルミン「そのときミカサが言ってた。この先僕らが創る巨人のいない平和な世界で、輪廻転生して、君たちともっと違う形で出会えたらいいって」

ライナー「ミカサがか」

アルミン「うん。ミカサがそんなこと言うなんて驚いたけどね」

ベルトルト「エレンを連れ去ろうとした僕らに対してそんな」

アルミン「ね。でも僕も、それくらい願ってもいいかなと思えたんだ。不思議だね」

ベルトルト「…なんで」


ライナー「…そんな話、俺たちは願えない」

ベルトルト「僕たちは人類からたくさんのものを奪ったんだ。それなのに」

ライナー「都合が良すぎるだろう。誰も許してくれやしないさ」

アルミン「そうだね、ライナー。都合が良すぎる」


アルミン「けれど、僕はどうしても考えてしまうんだ。こんな時代じゃなかったら、君たちと本当の仲間になれたんじゃないかって」

アルミン「あの訓練兵として過ごした3年間は苦しいこともたくさんあったけど、その分楽しいこともあったから」

アルミン「僕は君たちといて幸せだったんだ。あのとき」

アルミン「…だから君たちの事がとても憎いし、失うのも辛い」


ベルトルト「…僕も楽しかったよ。本当はね。正直最初は馬鹿にしてたんだ」

ベルトルト「いつかは殺す。滅ぼす。こんな奴ら虫けら同然だって」

ベルトルト「だから最初は極力関わらないように、感情を表に出さないようにしてたけれど」

ベルトルト「でも駄目だったんだ。1度関わってしまうともう」

ライナー「お前らといると心地いいと思ったんだ。おかしな話だろうが」


ライナー「一緒に訓練して、一緒にまずい飯食って、しょうもないことで喧嘩して」

ライナー「俺たちの居場所を、見つけてしまった。居場所だと思ってしまった」

ライナー「それこそ俺たちの本来の目的を忘れてしまうぐらい、楽しかったよ」

ベルトルト「君たちを騙して、いろいろ奪った僕らがこんなこと言うなんて許されないのはわかってるんだけど」

ベルトルト「ごめんね、今だけ。最後だけ」


アルミン「うん」

ベルトルト「…本当に許されないことだ」

ライナー「自分たちがやったことがどれほどのものか理解しているつもりだ」

ライナー「でもな、願ってしまうんだ」

ベルトルト「どうか」


(これからどうか、幸せに生きて)

ベルトルト「…っ」

ライナー「…いや、やめておこう」

ベルトルト「…ごめん、やっぱり言えないね」

アルミン「…そう」


アルミン「…ねえ2人とも。さっきの話なんだけどさ」

アルミン「輪廻転生なんてとても曖昧な話だよ。本当にあるのかなんてわかりやしない。それにさっき言ったように君たちにも僕たちにも都合がいい話だ」

アルミン「でも、だからこそ願えるんだと思う」

アルミン「自分にとって都合のいい話を信じるって、いかにも人間らしいと思わない?」

ライナー「…アルミン、お前」

ベルトルト「本当に君は」


コンコン

アルミン「…あ」

ベルトルト「…今度こそ、迎えだね」

ライナー「ああ」

ハンジ「はいはーい、迎えに来たよ!」

アルミン「ハンジさん」

ハンジ「おっすアルミン。もうそろそろ実験の時間だ。いいかい?」

アルミン「はい。もう大丈夫です」


ハンジ「じゃあ2人とも、足の拘束解くから」

ベルトルト「はい」

ライナー「はい」

ハンジ「…よし、解いたよ。立って。アルミンも出ておいで」

アルミン「…僕はこの部屋を少し掃除してから戻ります」

ハンジ「そう?」

アルミン「はい。わがまま言ってばかりですみません」


ハンジ「いいよー別に。あまり遅くならないようにね」

アルミン「わかりました」

アルミン「…じゃあね2人とも」

ベルトルト「うん」

ライナー「ああ」

アルミン「…また、来世で」


そうして扉は閉められた。

扉が閉まる直前、僕が小さく呟いた言葉は彼らに聞こえたのだろうか。

かつて2人が生活していたこの湿った部屋をぐるりと見渡す。

掃除する、なんて言ったってこの部屋には何も残ってやいないけれど。

『過去にしがみつくんじゃなく、過去を抱えていけばいい』

『抱きしめて離さないか、優しく撫でるかの違い』


ねえミカサ。

一昨日君に言われたとき、僕はあまり理解できなかったけどさ。

今なら少しわかる気がするよ。

アルミン「優しく撫でる、か」

2人と今日した会話を抱えて、優しく撫でて、僕はこれから生きていく。


ベルトルト「…ねえライナー」

ライナー「なんだよ」

ベルトルト「顔ぐちゃぐちゃだよ」

ライナー「うるせえ。お前こそ人の事言えねえぞ」

ベルトルト「…ふふ」

ライナー「はは…。ああもう」


ベルトルト「最後にあんなこと言われるとねえ」

ライナー「泣かない訳ねえだろ」

ベルトルト「…輪廻転生、ねえ」

ライナー「お前はあると思うか?」

ベルトルト「どうだろう。まあもしあっても、僕たちが生まれ変われるかだよね」

ライナー「…だな」

ベルトルト「…でも」

ハンジ「さあ着いたよ。お喋りはお終いだ。中に入りなさい」


ハンジ「…2人共。今から最後の実験だ」

ハンジ「最後、ということは君たちも意味は理解しているだろう」

ハンジ「今までさんざん身体いじくらせてもらったから、せめてもの情けで聞いてあげるよ」

ハンジ「何か、最期に言い残すことはあるかい?」

ライナー「…そうですね」

ベルトルト「それじゃあ」


ライナー「もし、あの話を願っても許されるなら」

ベルトルト「違う形で、また来世」


終わり。
最初に書いたように、本当にあり得ない展開だから、気分害した人がいたら申し訳ない。
読んでくれた人ありがとう。


前作も好きだったから続き見れてうれしい

乙。とても良かった。ただ、アニはずっとそのままなのか、目覚めるのかその後が気になります。
続編希望します。

オカメインコ乙
良かったよ


>>40
ありがとう。前のやつも読んでくれて本当にありがとう。
前作は初めて書いたやつだから自信なかったんだがそういってくれるのは本当に嬉しい。

>>41
ありがとう。気に入ってもらえたみたいでよかった。
アニは自分の中では目覚めずそのままかなって思ってたんだ。
続編を望んでくれるなんてなんて優しい人なんだ。
ちょっと考えてみる。もし書けなかったらごめんなさい。

>>42
うちのオカメインコ凶暴で懐いてくれないんだよ…どうしたらいいんだよ…
ありがとう。本当に嬉しい。
感謝してもしきれないな。


あ…あげてしまった…

なにこれ切ない乙

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