ミカサ「クリスタがお腹出して寝てる」(93)

※女神のネタバレと百合注意

クリスタ「ミカサがお腹出して寝てる」の続きです


深夜 女子宿舎



クリスタ「zzz…」


ミカサ(シーツがはだけてる……意外と寝相が悪いの?それとも偶然?)

ミカサ(……ともかく直しておこう)



ファサッ



クリスタ「zzz…」

ミカサ(もうすっかり涼しくなった……この時間は少し寒いぐらい……)



ミカサ(……エレンは、お腹を出して寝てないかな……)


クリスタ「zzz…」モゾモゾ

ミカサ(……?)



バサッ



クリスタ「zzz…」スヤァ

ミカサ(……もしかして、寒いと思っているのは私だけなの……?)



クリスタ「zzz…」




ポワポワポワ~ン










ミカサ(妹)「……クリスタ」


クリスタ「どうしたのミカサ?眠れないの?」

ミカサ(妹)「いえ、私は平気……クリスタが心配なだけ」

クリスタ「私はちゃんと眠れてるから大丈夫だよ?」

ミカサ(妹)「でも、ここの寝具は屋敷の物と比べて粗末だし……」

クリスタ「ミカサと一緒に訓練兵になって、もう二年目じゃない。そんなのすっかり慣れちゃったよ」

ミカサ(妹)「……去年の冬、クリスタは震えながら眠っていた事もある……これからもっと寒くなってくるし……わ、私は平気だけど、その……」

クリスタ「……ふふっ」

ミカサ(妹)「……クリスタ?」


クリスタ「ごめんね、私やっぱり一人じゃ寒くて眠れないの。だからミカサが一緒に寝てくれると嬉しいな」

ミカサ(妹)「……!ええ、一緒に寝る!クリスタを一人で凍えさせたりしない!」

クリスタ「うん、じゃあミカサ……こっちへ来て?」

ミカサ(妹)「うん……!」ギューッ


クリスタ「……温かいね、ミカサ……」ギューッ

ミカサ(妹)「うん……」ギューッ












ムニッ


クリスタ(んんっ……か、顔に理由のハッキリした圧迫感が……)


ミカサ(妹)「…………」ホクホク

クリスタ(……でも、ミカサ幸せそうだし……離れなくてもいいかな……)


ミカサ(妹)「ヒストリアお姉様……」

クリスタ「……ミカサ、今の私はクリスタだよ」

ミカサ(妹)「ごめんなさい……でも、こんな風に二人きりの時は昔のように呼ばせて欲しい」

ヒストリア「…………うん……」






ヒストリア「……えっ、二人きり?」


ミカサ(妹)「ええ、何故か今日は私達以外に誰もいないの」

ヒストリア「あれ?あ、本当だ!皆どうしたんだろうね?」キョロキョロ

ミカサ(妹)「……理由なんて、どうでもいいじゃない……」

ヒストリア「いや、でも心配だし……え?ちょっミカサどうして私の上に覆い被さるの」

ミカサ(妹)「せっかく二人きりになれたんだもの……」

ヒストリア「え?え?何で私のシャツのボタンに手をかけるの」

ミカサ(妹)「今日は朝まで……」

ヒストリア「ちょっ、いつの間にかミカサのシャツがはだけてあわわわ」

ミカサ(妹)「私と暖め合いましょう……ねぇ、お姉様……?」








ミカパイ(ぽよーん)


ヒストリア「」





チュンチュン


クリスタ「あう……あつい……らめよみかしゃ~……」

クリスタ「うぉーるまりあさまがとけちゃう~……」




ユミル「……またか」


朝 女子宿舎


クリスタ「……おはおう」

ユミル「別に両頬を引っ張らなくてもこれは現実だぞ」

クリスタ「ほうれふね」

ユミル「立てるか?」

クリスタ「あい」

ユミル「……顔洗いに行くか」

クリスタ「あい」

ここまで。日付が変わる前にはもう一度来たい。


クリスタ(また見ちゃった……何で……どうして今頃になって……)

クリスタ(うぅ……確かにまだ引きずってる自覚はあるけど……)

クリスタ(私って未練がましいのかな……)


クリスタ「……はあぁぁぁ……」

ユミル「でけぇ溜め息だなオイ」

――――
―――

夜 女子宿舎



クリスタ「えっ……私の好きなタイプ?」

サシャ「はい、あの……匿名希望の男子に、パンやるから聞いて来てくれって依頼されまして……」


ユミル「自分で聞きにも来られないヘタレに教えてやる義理はねぇ。適当に追っ払っとけよ、このパン狂いが」

サシャ「ちょっ、パンに釣られたわけじゃないですよ!ただ、あまりにも切実そうで……というか、私まだ報酬もらってないですから!」

クリスタ「私なら大丈夫だよ。好きなタイプを答えればいいだけなんでしょ?」

サシャ「……でも、ユミルの言う事も分かりますし、クリスタのプライバシーに関わる事ですもんね……私やっぱり断って来ます」

クリスタ「優しい人かな」

サシャ「え?」


クリスタ「ごめんね、本当は好きなタイプだなんて考えた事がなくて……でも、しいて言えば優しい人かなぁって」

サシャ「ああっ、なるほど!そう答えておけば無難な上にプライバシーも守られますね!」

クリスタ「えっ、そういうつもりじゃなくて……」

ユミル「断るんじゃなかったのか?」

サシャ「あう……パンは受け取りませんよぉ……」



ミーナ「お疲れさまー。何の話してたの?」

アニ「ちょっと……引っ張んないでよ」

――――
―――

ミーナ「好きなタイプねぇ……自分に無いものを持ってる人に惹かれるんだとか聞くよね」

サシャ「自分に無いものですか……うーん、何ですかね?」

ユミル「お前とは真逆に、食欲と無縁の棒っ切れみたいな奴がいいんじゃねーか?」

サシャ「えーっ!そんないかにも狩りに出られなそうな人じゃ生活に困りますよ!」

ミーナ「いや、生活とかは置いといてさ……背が高い、運動が得意、頭が良い、とかの理想を話してるんじゃないの?」

サシャ「じゃあ狩りが得意な人で!」

ミーナ「いや、だから……」


クリスタ(自分に無いものかぁ……)


クリスタ(沢山あると思うな……身長も、運動も、勉強もあんまり自信ないし……)

クリスタ(……んーと……)

クリスタ(……逆に私って何ならあるんだろう……)










クリスタ「」ドヨーン


サシャ「あれっ?何だか部屋が急に暗くなったような……消灯時間ですか?」

アニ「じゃあ私もう部屋に戻っていいよね」

ミーナ「早いって!まだこれからだって!」


サシャ「気を取り直して……クリスタはどうですか?優しい人って言ってましたけど、クリスタ自身が優しいですもんね」

クリスタ「えっ?そ、そんな事は……」

ミーナ「んー、クリスタが優しいってのは良いとして。優しいだけの男の子ってのはどうなのよ、ねぇ?」

アニ「私に聞かれても」

サシャ「優し過ぎて狩りが出来ないようだと困りますよ、ねぇ?」

アニ「アンタは一旦狩りから離れたら?」

ユミル「別にいいじゃねぇか。いいカモになりそうだよ、なぁ?」

アニ「アンタがこの手の話に向かない事はよく分かった」

クリスタ「まぁまぁ……」


アニ「……そういやミカサは?」

クリスタ「ふぇっ!?」

アニ「えっ」


ユミル「ミカサなら自習室だ。エレンとアルミンと一緒に今日の兵法講義の復習をするんだと」

サシャ「ほー……頑張りますねぇ……」


クリスタ(あ、ああ!まだ戻ってないのかって事……そ、そうよね、アニがあの事を知ってるわけ無いもんね……)

アニ「……?」

とりあえずここまで。
日付またいじゃったよ。

――――
―――

深夜 女子宿舎



クリスタ「zzz……」


ミカサ(……今夜はお腹を出してない……やっぱり昨夜のは偶然か……)

ミカサ(今日は消灯前まで二人とゆっくり過ごせて楽しかっ……)



バサッ



クリスタ「zzz…」スヤァ

ミカサ(…………)



クリスタ「zzz……」



ポワポワポワ~ン











ミカサ(妹)「私はお姉様のような人が理想のタイプ」


ミカサ(妹)「というか、お姉様がいい」

ヒストリア「ありがとうミカサ……私もミカサのこと素敵だと思ってるよ」

ミカサ(妹)「えっ……」カァーッ

ヒストリア「妹からこんなに想って貰えるなんて、私は幸せ者ね」

ミカサ(妹)「お姉様を想う気持ちなら誰にも負けない」

ヒストリア「ふふっ、ミカサったら……」

ミカサ(妹)「お姉様は私の大切な家族だもの」

ヒストリア「うん、そうね。私達は……」



ヒストリア(…………あ、れ……?)


ミカサ(妹)「どうしたの?」

ヒストリア「今……何かを思い出しそうになって……」

ミカサ(妹)「お姉様、無理に思い出さなくてもいい」

ヒストリア「う、うん、そうだよね……でも何だろう……何か、とっても切ない気持ちになるの……」

ミカサ(妹)「……悲しいの?」

ヒストリア「……悲しい……の、かな……でも、一体何が悲しいんだろう……」


ミカサ(妹)「お姉様……」ギュッ

ヒストリア「……ミカサ……温かい……」

ミカサ(妹)「大丈夫……私が側にいるから……」

ヒストリア「…………うん……」


ヒストリア(どうか、このまま……)



コンコン


ヒストリア「ひゃっ!は、はい!」バッ

ミカサ(妹)「あっ……」



教官「レンズ訓練兵はいるか?」

ミカサ「はっ!」ビシッ

教官「ああ、すまない……クリスタ・レンズ訓練兵の方だ」

クリスタ「はっ!」ビシッ

教官「はは、同じ姓の二人が揃っていると紛らわしいな」

――――
―――

翌朝


クリスタ「…………」

ユミル「朝っぱらから辛気くさい顔してんな」ムニー

クリスタ「……いはいお……」

ユミル「怖い夢でも見たか?」パッ

クリスタ「……ううん、いい夢だったよ……」

ユミル「……朝飯食いに行くか」

クリスタ「……うん」

レスありがとうございます。
IDがSMしてる内にもう一回来たいです。


『そのお花、ミカサが摘んできたの?』

『ええ、さっき訓練場の隅で見つけて』

『そうやってグラスに生けるのも可愛いね』

『水切りをしたから、咲いてくれるといいんだけど』

『ミカサはお花を蕾から咲かせるのが好きなの?』

『そう言うわけでは……咲いているものあったけど、この蕾以外は誰かに踏み潰されていたので……』

『そうだったの……うん、きっと明日には咲いてるよ』

『ええ……咲いたら、エレンに渡そうと思う』

――――――
――――
―――





ミカサ「zzz……」

クリスタ「…………」



クリスタ(……眠れない……)


クリスタ(もしかしたら、今日もミカサの夢を見られるかもしれない、って思ってたけど……)

クリスタ(駄目……夢の中のミカサに会うのが怖い……)


クリスタ(……ううん、違う……夢の中で、思い出してしまう事が怖いんだ……)

クリスタ(……都合の悪い事は全部、忘れられてたのに……)


クリスタ(ミカサの家族が……大切な人が誰かなんて、ずっと前から知ってたじゃない……)


クリスタ(それなのに……また勝手にあなたの夢を見て……)

クリスタ(都合のいい事ばかり言わせて……)


クリスタ(…………本当の私は……居なくなる事を望まれた子なのに……)











ミカサ「……どうして泣いてるの?」

クリスタ「……っ!」

短いですがここまで。今日中には終わる予定です。

すみません。クリスタちゃん泣かせてすぐ終わるつもりだったんですが、ソバカスが印象的なエロいお姉さんに脅されたので今日中には終われなくなりそうです。


クリスタ「ごめんなさい……起こしちゃった?」

ミカサ「いえ、何となく目が覚めただけだから」

クリスタ「そっか……あの、変なとこ見せちゃって……」

ミカサ「どこか痛むの?」

クリスタ「ううん、何でもない……気にしないで……」

ミカサ「…………」









クリスタ「……ど、して……抱きしめる、の……?」

ミカサ「震えてたから、寒いのかと思って」

クリスタ「…………」

ミカサ「嫌だった?この間はクリスタの方から頼んできたので、嫌いでは無いはずだと思ったんだけど……」

クリスタ「あ、う……嫌いじゃ、ない……」

ミカサ「じゃあ、落ち着くまでこうしてる」

クリスタ「う…………ひっ、ぐ……」


クリスタ(嫌いなわけないじゃない……)


クリスタ(あなたが本当に私の家族だったら良かったのに)

クリスタ(だけど、それじゃあ、あなたにもきっと嫌われちゃう……)


クリスタ(私が本当にあなたの家族だったら良かったのに)

クリスタ(だけど、それじゃあ、あなたは幸せになれないでしょう?)


クリスタ(あなたに想われてるエレンが羨ましいって事さえ、口にしちゃいけない気がするの……)

クリスタ(……だけど、ねぇ、ミカサ……私は……)






クリスタ「……あなたの事が好き」












ミカサ「…………」

クリスタ「…………あ」


クリスタ「え……わ、私……もしかして、声……」

ミカサ「出してた」








クリスタ「…………」パクパク

ミカサ「クリスタが魚の真似を」

クリスタ「忘れて!!今の聞かなかったことにモガッ!?」

ミカサ「声が大きい。シーッ」

クリスタ「……!!」モゴモゴ

――――――
――――
―――

ミカサ「……前にもやっていたけど、そのシーツを被る遊びはそんなに楽しいの?」

クリスタ「私はシーツの精。今まであなたと話してたのはクリスタに変身した私だったの」

ミカサ「……変身後の姿の方が妖精らしいと思う」

クリスタ「そんなことないもん。私シーツの精だもん」

ミカサ「…………」グイグイ

クリスタ「引っ張っちゃダメ……!内臓出ちゃう!」

ミカサ「そのシーツの下に詰まってるの?怖い」


クリスタ「言うつもりなんてなかったのに……ごめんなさい……」

ミカサ「どうして謝るの?」

クリスタ「どうして、って……私にこんな事言われても迷惑でしょう?」

ミカサ「好かれただけで迷惑だなんて思わない」

クリスタ「気持ち悪いとか思わないの……?」

ミカサ「思わない。驚きはしたけど、別に危害を加えられたわけでも無いし」

クリスタ「…………」


ミカサ「……私は、あなたの事は大切な仲間だと思ってる」

クリスタ「……うん」

ミカサ「……これからも、そう思ってる」

クリスタ「……うん……ありがとう……」


クリスタ「……明日もあるし、寝なきゃね」

ミカサ「もう大丈夫なの?」

クリスタ「うん……今は何だかスッキリしてるから」

ミカサ「……寒いと、物事を良くない方にばかり考えてしまいそうになる」

クリスタ「……うん、そうかもしれないね」

ミカサ「私は寒いのが苦手だから、余計に」

クリスタ「ミカサ、いつもマフラーしてるもんね」

ミカサ「うん……そんな時、あれは特別に温かいの」

クリスタ「……ミカサも……」

ミカサ「……何?」


クリスタ「……ミカサも、温かいよ……」

ここまで。


クリスタ「……じゃあ……おやすみなさい」

ミカサ「ええ」






ファサッ



ガシッ



ミカサ「おやすみなさい」



クリスタ「…………ん?」


ミカサ「どうしたの?」

クリスタ「あの……もう抱きしめてくれなくても大丈夫だよ?」

ミカサ「ああ……これはこうして押さえてないと、クリスタがシーツからお腹を出して寝てしまうから」

クリスタ「気持ちは嬉しいけど、その……えっ?」

ミカサ「私も一昨日の夜に気付いたばかりだけど、風邪を引くといけないから気を付けた方がいい」

クリスタ「ん?一昨日?……えっ、どういう事?」

ミカサ「一昨日の夜もこうしてた。というより、一昨日の夜からこうしてる」

クリスタ「…………?」

ミカサ「だから、こう……ギュッてしたまま寝てた。一昨日から。クリスタを。私が」

――――
―――

クリスタ「今日からシーツは体に巻き付けて寝る事にする」

ミカサ「……はだける事は無さそうだけど、顔はさすがに出した方がいい」

クリスタ「いいの。私シーツの精だからいいの」

ミカサ「息苦しくない?ちゃんと眠れるの?」

クリスタ「抱えられてた方が眠れないよ……」

ミカサ「もしかして痛かった?ごめんなさい、そんなにキツく抱きしめたつもりじゃなかった」

クリスタ「力加減の問題じゃないの……もう!ミカサ!……もう!」


クリスタ「……私が」

ミカサ「うん」

クリスタ「……未練がましいせいで」

ミカサ「そうなの?」

クリスタ「……あの夢を見たのかと……」

ミカサ「あの夢?クリスタ、何の話?」

クリスタ「…………」




クリスタ「……やっぱり息苦しいから顔は出すね」

ミカサ「それがいいと思う」




ミカサの夢は見なかった

もう一度ミカサに抱きしめられて眠ったとしても、あの夢を見る事は無いと思う
多分、もう二度と











その夜は、誰かに頭を撫でられる夢を見ていたような気がする

――――――
――――
―――

翌朝



クリスタ「ん……」



ユミル「起きたか」

クリスタ「あ……おはようユミル」

ユミル「ああ、さっさと着替えろよ」

クリスタ「うん……ミカサはもう行っちゃったの?」

ユミル「いや、花が咲いたから何とかっつって、さっき出てったぞ」

クリスタ「ああ、昨日のお花ね。エレンにあげるんだって」


ユミル「はぁ?女が男に花をやんのかよ」

クリスタ「別にいいじゃない、素敵だと思うよ?」

ユミル「……まぁ、アイツらにはその方が似合うかもな。ミカサが花摘んで来て飾ってんの見た時は熱でもあるのかと思ったが」

クリスタ「そんな言い方……!ミカサだって普通の女の子だよ?お花が好きだっていいでしょ?」

ユミル「へいへい……ミカサはともかく、あの死に急ぎ野郎が花なんて受け取るかね」

クリスタ「そう言われると、ちょっと想像できないけど……」

ユミル「ミカサのヤツ、泣きながら帰ってくるんじゃねーか?」

クリスタ「流石にそんな酷い事にはならないと思うけどなぁ……」


ユミル「酷い事になればいいと思わないか?」

クリスタ「思わないよ……そんな風に人の不幸を面白がっちゃダメだよ?」

ユミル「へいへい、仰る通りだ。クリスタちゃんは良い子だなー」

クリスタ「もう、いつもそうやって茶化すんだから……」



ユミル「良い子のクリスタちゃんには、好きな奴の恋路を邪魔するなんて出来るわけないもんな」

クリスタ「えっ……」


ユミル「いや、恋じゃなくて家族だったか?」

クリスタ「……ミカサにとって大切な人がエレンって事には変わりないよ」

ユミル「……ま、どっちにしろ相手が悪かったな」

クリスタ「いいの……私のは、ただの憧れだもん」

ユミル「…………」

クリスタ「うっかりだけど、気持ちを伝えたらスッキリした……それに、仲間として大切に思ってくれてるって分かったから……それで充分だよ」




ユミル「…………おい」






クリスタ「……いはいお」

ユミル「たかが失恋ぐらいで人生諦めたような面しやがって」グイーッ

クリスタ「ひっはらあいえお~!」

ユミル「生意気だぞ」グニッ

クリスタ「いはい!いはいっへ!」

ユミル「はは、よく伸びる頬っぺだな」パッ

クリスタ「あうっ……もー!酷いよユミルってば……!」



ユミル「浮気した報いだ」

クリスタ「……っ」


クリスタ「……そういう事は、私が吹っ切れたら言うんじゃなかったの?」

ユミル「お前が言わせたわけじゃないから良いだろ」

クリスタ「…………」

ユミル「私はお前と違ってズルでも何でもするんだよ」

クリスタ「……ヒリヒリする……」

ユミル「痛いか?」

クリスタ「痛いよ……涙が出るぐらい痛い……」

ユミル「安心しろ、泣いてる顔も可愛いから」

クリスタ「……何、それ……ふふっ……」

ありがとうございます。
あのまま終わらせるつもりで続き書いてたら寝落ちしたもので、気恥ずかしくてとんずらこいてました。完結させます。





ユミル「……本格的に降ってきやがったな」

クリスタ「えっ……?」

ユミル「窓の外見てみろ」

クリスタ「外?……あ、雨だ……いつの間に降りだしちゃったんだろう……」




ユミル「もしかしたら、女神様の涙につられたのかもな」

クリスタ「またそんな事言ってる……しかも、それじゃあ私が雨を降らせちゃったみたいじゃない」

ユミル「おお、お前がきっちり元気になりゃあ晴れるんじゃないか?」


クリスタ「……ユミルって意外とロマンチストなの?」

ユミル「…………」

クリスタ「っ!髪の毛グシャグシャにしないで……!」

ユミル「寝癖も直さず泣いてた奴が何言ってんだ」

クリスタ「ほっへたひっはるのおやえて……!」

ユミル「うるせーよバカ。私は私のやりたいようにやるだけだ」

クリスタ「……やりたいようにって……」


クリスタ「じゃあ……明日も雨だったら?」

ユミル「さぁな、止まないもんは仕方ねぇだろ」

クリスタ「……明後日も、その次の日も……次の次の日も雨だったら?」

ユミル「そんだけ続けばさすがに冷えるだろうな。何か温かい物で暖を取らねぇと」

クリスタ「……マフラーとか?」

ユミル「はぁ?何言ってんだ、そんなもん……お前がいれば充分だよ」











おわり

何日もダラダラとすみません。ありがとうございました。

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