一夏「怪我して当分目が見えなくなった」(226)

医者「少し角膜が傷ついただけですので一週間もすればいつも通り見えるようになると思います」

一夏「よかった・・・」

医者「ただ、三日は包帯が取れません」

一夏「えぇっ、三日もこのままですか?」

医者「はい。不便かと思いますので入院をお勧めしますよ」

一夏「ちょっと相談してみます」



一夏「というわけで、すぐ治るらしいんだけど入院したほうがいいかな?」

千冬「そうだな。わたしもずっとお前の世話をしているわけにh」

「僕が!」
「わたしが!」
「あたしが!」
「わたしが!」
「わたくしが!」

セシリア「わたくしが誠心誠意お世話いたしますわ!」

シャル「僕がやるよ!僕なら一夏と同室だったこともあるし!」

鈴「だったら幼なじみのあたしが!一夏のことはあたしが1番知ってるんだから!」

箒「わたしのほうが幼なじみとしての付き合いは長い!」

ラウラ「負傷兵の救護マニュアルは頭に入っている!わたしにまかせろ!」

セシリア「ここは戦場じゃないんですからラウラさんには無理ですわ!わたしにまかせて」

鈴「あんたのポイズンクッキングじゃ一夏が死んじゃうわよ!秘伝の漢方で治したげるから!」

シャル「鈴の油っこい料理じゃ治るものも治らないと思うなぁ。僕がいいよね?ね、一夏」

千冬「だそうだ。どうする」

一夏「い、いや、いいよ。みんなに迷惑かけたら悪いし」

セシリア「迷惑だなんて!」

シャル「むしろご褒美だよっ!」

一夏「ご褒美?」

鈴「あたしが面倒見てあげるって言ってんのよ?頷きなさいよ。ほら、はいって言ってはいって」

一夏「で、でもな」

箒「一夏!お前は誰に世話をして欲しいんだ?」

一夏「誰って、俺は別に入院しt」

千冬「入院は無しだ」

一夏「えぇっ、なんで!?」

千冬「入院するのだって金がかかるんだぞ?世話をしてくれるという奴がこんなにいるんだ。わざわざ金を払うこともないだろう。くっくっ」

一夏「ぜ、絶対面白がってるだろ!」

千冬「ほら早く選べ」

一夏「そんなこと言われたって」

鈴「一夏!」

セシリア「一夏さん!」

ラウラ「一夏!」

箒「一夏!」

シャル「一夏!」

一夏「じゃ、じゃあくじ引き!くじ引きで決めよう!な!」

千冬「はぁ・・・情けない奴だ」



千冬「みんな番号札を取ったな?」

1・シャル
2・鈴
3・箒
4・セシリア
5・ラウラ

千冬「では当たりは一夏に引いてもらおう。この箱から一枚取れ」スッ

一夏「箱?」ムニッ

千冬「どこを触ってる馬鹿者。こっちだ」

一夏「ご、ごめん」ゴソゴソ

一夏「じゃあ、これ」スッ

つ3

箒「わ、わたしだ!わたしだぞ一夏!」

一夏「箒か。よろしくな」

鈴「チッ」

セシリア「残念ですわ・・・」

シャル「・・・」

ラウラ「なにか困ったことがあれば呼んでくれ」

千冬「決まりだな。至らぬ弟だが頼むぞしののの」

箒「は、はいっ!」

千冬「ではあとは頼む。明日の授業はちゃんと受けるんだぞ一夏」

一夏「わかった」

箒「じゃあ、部屋に行くぞ一夏。捕まれ」

一夏「おぅ。頼むな箒」ムニッ

箒「ひゃっ!」

一夏「ん?なんか柔らかいな」ムニムニ

箒「ど・・・」

一夏「ど?」

箒「どどどどこを触ってるんだ不埒者がーーっ!!」ドカッ

一夏「うわらばっ!」ドサッ

箒「あっ」

千冬「・・・」

一夏「ただの脳震盪だって」

シャル「よかった・・・」

セシリア「目が見えない一夏さんを殴り飛ばすなんて信じられませんわ!」

鈴「ほんとに大丈夫なの一夏」

一夏「大丈夫だよ。結構痛かったけど」

ラウラ「大事にならないで幸いだな」

シャル「じゃあ改めて一夏のお世話係を決めないとね」

一夏「えっ、箒は?」

千冬「奴は退場だ」

一夏「た、退場?」

千冬「こんな状態のお前を殴りつける奴に世話をまかせられまい?」

一夏「でも退場って・・・」

千冬「気にするな。一方的に殴られる恐怖を教えてやったまでだ」

セシリア「ま、まあ。とにかく一夏さんのお世話係を決めませんと」

鈴「そうよ。さっさとくじ引いてほら」

一夏「箒はどう」

千冬「ほら早く引け」

一夏「・・・」ガサゴソ

1・鈴
2・セシリア
3・ラウラ
4・シャル

一夏「じゃあこれで」スッ

つ4

シャル「やっぱり僕を選んでくれたんだね一夏っ」

セシリア「選んだわけではないですわ」

鈴「そうよ!ただのくじ引きじゃない」

シャル「くじで引かれたってことは、運命ってことだよね一夏」

一夏「そ、そうかもな。ははは」

ラウラ「うぬぅ・・・」

千冬「では頼んだぞデュノア」

シャル「はいっ!」

シャル「じゃあ行こっか一夏」ギュッ

一夏「しゃ、シャル?」

シャル「なぁに?」

一夏「手だけ引いて貰えれば。そんなくっつかなくても」

セシリア「ですわ!」

鈴「離れなさいよ!」

シャル「だめだよ!転んだりしたらどうするの?これなら支えられるでしょ」

一夏「でもちょっと歩きづr」

シャル「一夏は僕がくっついてるの、嫌なの?」

一夏「い、嫌じゃないけど」

シャル「じゃあ問題ないよねっ。いこ一夏」

鈴「ぐぬぬぬぬ」

セシリア「ぐぬぬぬぬ」

ラウラ「うぬぬぬぬ」


一夏の部屋

シャル「一夏、なにか飲む?」

一夏「じゃあお茶を」

シャル「今煎れるね」

シャル「はい、どうぞ。気をつけてね」

一夏「サンキュー。ずずっあつっ!」

シャル「気をつけてって言ったのに。大丈夫?」フキフキ


一夏「今何時?」

シャル「9時だけど、なにかあるの?」

一夏「いや特には。9時か・・・やることもないし寝ちまうかもう」

シャル「だめだよ!」

一夏「だ、だめ?」

シャル「お風呂入らないとでしょ?」

一夏「いやこれじゃあ風呂なんて入れないし」

シャル「その為に僕がいるんだよ?」

一夏「えっ」

まったかよぉ~

一夏「一体どういうことだよ、シャル?」

シャル「どういうことって………言わせる気なの一夏?」モジモジ

一夏「?よく分かんねぇけど、寝ちゃだめだってことか?」

シャル「そうだよ!今日だって外いっぱい歩いたんだよ!お風呂に入らなきゃ不潔だよ!一夏!」

一夏「ま、まぁ…そうだな」

シャル「でしょ!ほら一夏!立って!」

一夏「わっ…っと、今俺何も見れないんだってば!」フラッ

シャル「よ、よし!一夏、シャワーでいいよね?」

一夏「あ、ああ……」

シャル「………」ゴクッ

一夏「?どうしたんだ?シャ…」

シャル「い、いちぃかぁ!」

一夏「お、おぉ!何だ?」

シャル「ぬ、脱いでぇっ!!!」

一夏「は、はぁあ!?」

一夏「どうしたんだよいきなり……脱げって」

シャル「だ、だって、シャワー入るにはお洋服は……脱ぐでしょ?」

一夏「ああ、そうだな……分かった、じゃあ俺シャワー入ってくるからシャルはのんびりしててく…」

シャル「な、何言ってるの一夏!」

一夏「は、はぁ!?」

シャル「そんな状態じゃ、ひ、一人で浴びれないでしょ!何考えてるのさ!い、一夏はぁ!」

一夏「いや…毎日入ってるから流石に見えなくても慣れでなんとか…」

シャル「だ、ダメだよ!どん臭い一夏が目も見えないのに一人で入っちゃったら……!」

一夏「……どん臭い」

シャル「あっ!べ、別に一夏を責める気で言ったわけじゃ…」

シャル「だ、だからね一夏、僕はただ心配で…」

一夏「はぁ、流石にどん臭い俺でも大丈夫だってばシャル」ナデ

シャル「んっ……目が見えないのによく僕の頭の位置分かったね?……一夏」

一夏「はは、だっていつも一緒に居るからな、感覚で分かるって」ナデナデ

シャル「いつも一緒……感覚……えへへ」ニヤ

一夏「じゃあ、ゆっくりしててくれ、シャル」

シャル「う、うん分かったよ、一夏」ポワポワ

シャル「えへへ…」

シャル「一夏ったらいつも僕と一緒だなんて…」

シャル「そ、そ、それに感覚で僕のことが……」

シャル「………」ニヤニヤ

シャル「う~…どうしようこんな顔、シャワーから出てきた一夏に見られたら………」

シャル「あーーーーー!!!」

一夏『ん~?どうしたんだ?シャルー?』

シャル「ど、どうしたじゃないよ!もう!一夏の馬鹿ぁ!」

一夏「?……いきなり大声出して…」シャー・・・

一夏「大丈夫か、シャルの奴」

シャル「そ、そんなの一夏に言われたくないよっ!」ガラッ!

一夏「うぉっ!?シャ、シャル!?何入ってきてんだよ!」

シャル「うっ……だ、ダメだったかな?一夏?」

一夏「い、いや…ダメってわけじゃあ…」ポリポリ

シャル「じゃあ……いいよね?一夏?」ギュッ

一夏「な、なんで腕に巻きつくんだお前はぁ!」

シャル「えへへ、こうやって密着しなきゃ上手く洗えないんだよ、一夏?」

一夏「そ、そういうものなのか?」

シャル「そういうものだよ♪えへへ~」ギュッ

詰まった
後よろしくな

シャル「さぁ一夏、ここに座って?」

一夏「お、おう」

一夏(慣れた浴室のはずなのに、見えないとやっぱり不便だな)

シャル「頭洗うね」シュポン

シャル「よーく泡立てて……痒いとこございませんかー?」ゴシゴシ

一夏「あぁ、大丈夫だ」

シャル「ふふっ」グリグリ

一夏「なんで人にやってもらうと気持ち良いんだろうな……」

シャル「えへへ、頭揉まれると気持ち良いよね、こんな感じで」グイグイ

一夏「あぁ……ふぅ」

シャル「流すよ」

一夏「おう」

ジャー

シャル「じゃあ次は体ね」

一夏「いや体は自分でやるよ」

シャル「ダメダメ背中とかやりにくし、泡が流し残ってもわからないでしょ?」

一夏「あ、そうか……」

シャル「素直に洗われてねー」ゴシゴシ

シャル(一夏の背中……大きいなぁ)

シャル(それにまた少し逞しくなったみたい)

一夏「シャル?」

ギュッ

シャル「……」ギュッ

一夏「お、おいシャル!?」

シャル「一夏ぁ……」

一夏「い、色々と当たってるんですが」

シャル「気にしないで……体で洗ってあげる」

一夏「俺が気にする!」

シャル「んっ……よいしょ」ヌルヌル

一夏「お、おお」

一夏(スベスベで柔らかい中にコリッとした感触が!)

シャル「一夏の体、温かいね」ニュルンニュルン

一夏「あ、あんまりひっつくなって!」

シャル「どうして?僕のこと嫌?」

一夏「嫌じゃねぇよ……嫌じゃないから困る」

シャル「それって」ススス

一夏「おおおい!!待て待て待て!!いくらなんでもそこはダメだ!!今は特にダメだ!!」

シャル「いいじゃん、ここも洗ってあげる」

一夏「ダメだダメだダメだ!!……き、嫌いになるぞ」

シャル「えっ……」

一夏「世話してくれるのは嬉しいしありがたいが……そんなことまでしなくていい」

シャル「……ごめん」

シャル「泡流すね……」シュン

一夏(言い過ぎたかな……?)

~~~

一夏「ふぅ、とにかくさっぱりした。ありがとうなシャル」

シャル「うん」

一夏(へこみ過ぎだろ)

シャル「もう寝るよね?はい、着替え。一人で着れる?」

一夏「あ、あぁ」

シャル「僕、ちょっと夜風に当たってくる……」

一夏「シャル……」

一夏「じゃ、じゃあ俺も」

シャル「ダメだよ、せっかく温まったのに冷えちゃうよ」クスクス

シャル「すぐ戻ってくるから心配しないで」

シャル「それから……嫌いにならないで」

一夏「あ……」

一夏(行っちまった……この元気な俺の専用機はどうすりゃいいんだよ)

ウィーン

シャル「僕はただ……一夏に喜んでほしかっただけなのに……嫌われたく……ないなぁ……」グスッ

~~~

セシリア「ふっ、うふふ、ふっふっふ」

                          -‐…‐-

                        ´        ` 、
                       /   厶 -===- 、  \
                    / /  /::::::::::::::::::::::::::::::\  \  (⌒)
                      / /  /::_;: -‐===‐- ::_:::ハ ヽ ヽ    °
                  / /  /ヘ/,ハ⌒⌒⌒7ヽ斗 ^}  }i
                    / ′  { i 〕トミ、   折ミ/\′/ハ  、丶.
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        /_,. イ   :{    |  V / /    У ...:::´    /ヾミ==彡、//     丶
      〈 V /    :    ∨ ィ{/ /   /}....::::::'    ∧     /  V /     \
      人 \ /     / / 「:r‐'    ´ / :::::'    ∧ }       〉//>     \
      ヽ \ \    ,   ヽ/ ´       /   ::'    / 八、       /    {\   丶
      . :介x   \  ′  /\      /   ′    〈   > 、__/     ∧ 丶.    ー┐
     / ,r┴-=ミ、  〉 l// r'   ヽ ィ´  ,  ィ´   ‘,         l\    ∧   ` T   /7
   (( r{ マニ=- -r ′l///〉、   /}_厶斗ァ7/,     〉    :.    l  \  ∧    i}   勹
    、_)){ヘ. \{  |  |∨/ ミ=ニニ7/_][__][ ニ=- イ∧    }ハ    l   ヽ } }\ /  /}

一夏「考えてみたらこれは絶好機ではなかろうか」

一夏「部屋に一人、背中にはまだ生々しい感触、元気な専用機」

一夏「久しぶりに一人模擬戦といくか……うむ!」ガッシリ

一夏「善は急げ…………ゆねぇ……」シコシコ

ウィーン

セシリア「お邪魔しま……」

一夏「なっ!?」

セシリア「いっいいいいい一夏さん!?い、いったい何をしてらして!?」

一夏「せ、セシリアか!?ちちち違う、これは違うんだ!!」

トイレにて

一夏「わっ こんなに大きくしたら、オシッコが外に出ちゃうよ///」
一夏「お前が触りまくるからだろ///」
一夏「だって...可愛いんだもん///」

一夏「こ、これは、そう!風呂上がりの柔軟体操なんだよ!」

一夏「硬くなった筋肉を解してるんだよ!うん!そう!」

セシリア「そ、そうなんですの?」

一夏「セシリアは女の子だからな、男も色々大変なんだぞ」

セシリア「はぁ……」

一夏(とりあえずこれで通すしかない)

セシリア「全くデュノアさんにも困ったものですわね」

一夏「ん?」

セシリア「柔軟なら……手伝ってさしあげませんと」

一夏「いやいやいやいや!!もう終わった!終わったから!」

セシリア「あら、私の目にはまだ凝り固まって見えますわよ?」

一夏「いいから!大丈夫だから!」

セシリア「遠慮なさらず」

一夏「こ、ここは大事なところだから、あんまり人に触らせたくないんだよ!な、わかってくれ」

セシリア「そういう事でしたら……」

一夏(あぶねぇあぶねぇ)

セシリア「でしたらお着替えを手伝いますわ、それくらいならよろしいでしょう?」

一夏「あ、あぁ頼むよ」

セシリア(つまり一夏さんの専用機を制す者が一夏さんを制すということですわね)

セシリア「さ、腕を通してください」

一夏「助かるよセシリア」

セシリア「それにしてもデュノアさんはどこへ?喧嘩でもしましたの?」

一夏「いや、あー……夜風に当たってくるとか何とか。別に喧嘩はしてないさ」

セシリア「いずれにせよ、途中で投げ出した事には代わりありませんわね」

セシリア「ここからは私のターンですわ。このセシリア・オルコットが一夏さんのお世話役を勤めてご覧にいれますわ」

一夏(いいのかな……シャルが戻ってきたらどうすんだよ)

グー

一夏「あっ……そういや飯食ってねぇな」

セシリア「夕飯はまだでしたの?」

一夏「箒のせいで倒れてたからな……その後はシャルに連れてこられたし食いそびれた」

セシリア「でしたら私が手料理を」

一夏「悪いセシリア、食堂まで案内してくれないか?」

セシリア「私が作って差し上げますと言っていますのに」

一夏「いやぁ今は目が見えないし、せっかく作ってもらっても見て楽しめないんじゃつまらないだろ?」

セシリア「ま、まぁ、一夏さんったら」ポッ

アコちゃんの家族愛パンチによって僕も愛を取り戻した結果、充電がヤバいのでお昼寝します

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