京子「しばらく泊めて!」結衣「しかたないなぁ」(465)

ピンポーン

結衣「はーい」

ピッ

京子『京子だよん♪』

結衣「なんだ京子か」

京子『なんだって事はないだろー』

結衣「はいはい、今開けるから」


変なとこ補完よろ

ガチャッ

京子「やっほー」

結衣「今日はどうしたんだ?」

京子「結衣の顔が見たくって」キリッ

結衣「何言ってんだ」

京子「本当だぞー」

結衣「いつも会ってるだろうが」

京子「うん…そうだね…」

結衣「?」

結衣「京子?どうかした?」

京子「い、いや、なんでもないよ!」

京子「ほら、急に顔見たくなる事ってあるだろー!」

結衣「…まぁな」

京子「おー、結衣にゃん照れてるー?」

結衣「ばかっ/// 照れてなんかないっ!」

結衣「それでどうしたんだ?」

京子「しばらく泊めてもらおうと思ってさ」

結衣「え?どうして?」

京子「実はさ、家のクーラーが壊れて点かなくってさー」

結衣「リモコンの電池が切れてるとかじゃなくて?」

京子「そ、そんなミス私がする訳無いじゃんか」

京子「とにかく!」

京子「修理に何日か時間かかるんだってさ」

京子「私、暑いの苦手じゃん?」

結衣「それでいつもより荷物が多いのか」

京子「そうでーす」

京子「頼むよー、ゆいー」グイグイ

結衣「…わかったから引っ張るなって」

京子「というわけでお願いしまーす」

結衣「しかたないなぁ」

京子「さすが結衣にゃん!」

結衣「いつものことだしな」

京子「うん…」

結衣「とりあえず夕飯の買い物でも行くか」

京子「うんっ」

イラッシャイマセー

結衣「何食べたい?」

京子「ラムレーズン!」

結衣「それはデザートだろ」

京子「え~食べたいよ~!」

結衣「…前もって買って冷蔵庫に入れてあるよ」

京子「さすが私の結衣!愛してる!」

京子「そういえばいつ行っても置いてあるけどなんで?」

今日「結衣が食べてるとこあんま見ないんだけど?」

結衣「それは…」

結衣「いつお前が来てもいいようにな…」

京子「あ、ありがと///」

結衣「て、照れるなよ!」カァッ

結衣「そっ、それより何にするっ?」

京子「ウインナーカレー!」

結衣「あれそんな気にいったのか?」

京子「うん!毎日食べてもいいよ!」

結衣「はいはい」

アリガトウゴザイマシター

京子「外あっつ!」

結衣「もう夏も終わりだけどな」

京子「お腹すいた!」

結衣「あいかわらず自由だなお前は」

ガチャ

京子「ただいまー」

結衣「ただいま」

京子「おかえりなさいあ・な・た」

結衣「一緒に帰ってきただろ」

京子「ご飯にする?お風呂にする?そ・れ・と・も」グー

結衣「…」

京子「…」

結衣「ご飯だな」

京子「そうだね」

結衣「できたぞー」

京子「おぉ、うまそー」

結衣「頂きます」

京子「いただきまーす!」

モグモグ

京子「うまい!」

結衣「そうか」

京子「ごちそうさまー」

結衣「お粗末さま」

京子「ラムレーズン!」

結衣「はいはい、ちょっと待ってろ」

ガチャッ

結衣「あれ?奥のほうにやっちゃったかな…」ゴソゴソ

京子「…」ジーッ

京子「ねぇ結衣…」

結衣「ん?」ゴソゴソ

京子「…」ギュッ

結衣「きょ、京子!?」ドキッ

京子「結衣…だめ?」

結衣「だ、だめって…」ドキドキ

京子「少し…こうしてたいんだ…」

結衣「う、うん…」ドキドキ

京子「…」ギュッ

結衣「…」ドキドキ

京子「…」ギュウ

結衣「…///」ドキドキ

京子「…」スリスリ

結衣「~~っ!///」カァッ

結衣「も、もういいだろ!?///」

京子「うん…ありがと!」

結衣「どうしたんだよ急に…」ドキドキ

京子「いやぁ~なんか結衣に抱きつきたくなってさ~」

結衣「そ、そんな理由かよ…」ドキドキ

京子「いやだった?」

結衣「…いやじゃない…」ボソッ

京子「え?」

結衣「ううん!急だったからちょっとびっくりしただけ!」



結衣「電気消すぞ」

京子「うん、おやすみ~」モゾモゾ

結衣「おやすみ」

カチッ

結衣「…」モゾモゾ

京子「…」

京子「…結衣?」

結衣「ん、何?」

京子「そっちで…一緒に寝ていい?」

結衣「っ!?」ドキン

京子「だめ?」

結衣「い、いいよ…」ドキドキ

京子「えへへ」モゾモゾ ピタッ

結衣「…///」カァッ

結衣「今日はやけに甘えんぼだな…///」ドキドキ

京子「うん…」

結衣「…」ドキドキ

京子「ねぇ…手、握ってちょうだい…」

結衣「う、うん…///」ドキドキ

ギュッ

京子「えへへ、なんか落ち着く…」ニヘッ

結衣「そ、そうか///」ドキドキ

京子「うん…おやすみ結衣…」

結衣「おやすみ…///」ドキドキ

チチチチ

結衣「ん」ムクッ

結衣「7時か」

結衣「京子、朝だぞ」

京子「んぅ…、結衣ぃ…」

結衣(幸せそうに寝てるな…)

結衣「…」

結衣(昨日…何かあったのかな…)

京子「スースー」

結衣(柔らかそうなほっぺだな)

結衣「…」

プニプニ

京子「うー」

プニプニ

京子「むー」

結衣「ふふっ」

結衣「ご飯出来るまで寝かせておくか」

ジュー グツグツ

京子「んー」ムクッ

京子「…いい匂いがする」

結衣「おはよう京子」

京子「…おはー」

結衣「ご飯できてるから食べよう」

京子「ごはんなぁにぃ」

結衣「白米と味噌汁と焼き魚と目玉焼きと漬物」

京子「起きる!」ガバッ

なんとも和食

京子「和食うめぇ!」

結衣「そうか」

京子「結衣って和食も得意だね」

結衣「和食っていってもこのくらいの料理だったら作れるだろ」

京子「いやいや、これならいいお嫁さんになれるよ」

結衣「お嫁さんて」

京子「結衣の味噌汁を毎日飲みたい」キリッ

結衣「朝から何いってんだよ」

京子「告白?」

結衣「なんで疑問形」

京子「ところで今日はどうする?」

結衣「んー、もともと予定はなかったしなぁ」

京子「それじゃあごろごろするー」ゴロゴロ

結衣「ごろごろって」

京子「じゃあまったり」

結衣「まったりなぁ」

京子「昨日はまったりした感があんまなかった!」

結衣「たしかにな」

京子「じゃあまったりターイム」

結衣「なんだそれ」

ツギノコーナーハダンセイモジョセイモヒッケンノレンアイコーナーデス

京子「結衣、恋愛コーナーだってよ」

結衣「そうみたいだな」

ウンタラカンタラウンタラカンタラ

ガイトウアンケートヲオコナッテミタトコロ

ドウセイニレンアイカンジョウヲイダイタコトガアルジョセイハ0%トイウケッカニナリマシタ

サテソレデハツギノアンケートニ…

京子「…」

結衣「…」

京子「これってさー」

結衣「うん」

京子「ほんとに0%なのかなぁ」

結衣「答えた人はみんなノーにしたんだろ」

京子「そうだけどさ」

京子「テレビで使われるって言われたらノーって言っちゃうんじゃない」

結衣「うーん、そうかも」

京子「結衣はさ」

京子「同性の恋愛ってあるとおもう?」

結衣「わ、私!?」

京子「うん」

結衣「わ、わかんないよ…」

結衣「京子こそどう思ってるんだよ!?」

うん

京子「私は」

京子「あると思うよ」

結衣「…」

京子「ほ、ほら、おっぱいちゃんとちっぱいちゃんとか」

京子「西垣ちゃんと会長とかさ」

結衣「うん…」

京子「それにさ」

京子「恋愛は男女じゃなきゃいけないなんて理由」

京子「どこにもないじゃん」

結衣「…うん」

京子「…結衣h」

結衣「私も」

結衣「私も…あると思うよ」

京子「…うん」

結衣「…」

京子「…」

ツギノコーナーハハワイカラオオクリシマース

結衣「ほ、ほらハワイだってよ京子!」

京子「う、うん!」

ハワイカラオススメノリゾートジョウホウヲ…

結衣「ハワイ行ってみたいよなぁ」

京子「行きたい?」

結衣「海外って行ったことないし」

結衣「ハワイって日本語も結構通じるらしいからね」

京子「私は…行きたくないなぁ…」

結衣「京子?」

京子「あ、あれだよ。日本よりももっと暑いからさ!」

京子「私なんかが行ったらずっとクーラーある部屋にいないと溶けちゃいそうじゃん!」

結衣「日本に住んでてもこの現状だもんな」

京子「そうそう!」

京子「ラムレーズン食べたい!」

結衣「ん、ちょうど3時か」

京子「3時のおやつ!」

結衣「はいはい、今持ってくるから」

京子「へへー」

これはわけありの愛なのね



結衣「電気消すぞ」

京子「はーい」

カチッ

京子「…」

結衣「…」

京子「起きてる?」

結衣「うん」

京子「昼の話の続きなんだけどさ」

結衣「うん」

京子「結衣の初恋って覚えてる?」

結衣「初恋…」

京子「うん」

結衣「多分、覚えてるよ」

京子「多分?」

結衣「うん」

京子「なんか曖昧だね」

結衣「うん。曖昧なんだ」

京子「なんで?」

結衣「どういう感情が恋なのか」

結衣「よくわからないから」

京子「そっか」

結衣「…」

京子「私には聞かないの?」

結衣「聞いて欲しかったのか?」

京子「聞いて欲しいから聞いたんじゃん」

結衣「そうだったのか」

京子「そうだったのです」

結衣「…それで京子は?」

京子「もちろん覚えてるんだ」

結衣「へぇ」

京子「誰だかわかる?」

結衣「…」

京子「…」

京子「変なこと聞いてごめんね」

結衣「ううん、そんなこと…」

結衣「今日は…こっちで寝なくていいのか…?」

京子「うん…今日は大丈夫…かな?」

結衣「そうか…」

京子「おやすみ、結衣」

結衣「…うん、おやすみ」

チチチチ

結衣「ん」ムク

京子「…」

結衣(京子の布団捲れ上がってる)

結衣「風邪ひくぞ京子」バサ

京子「うーん、結衣ぃ…」スゥスゥ

結衣「…」

結衣(どんな夢見てるんだろう)

結衣「初恋…か」

京子「う…ん」ムクッ

結衣「ん、おはよう京子」

京子「…」

結衣「どうした?」

京子「…お腹痛い」

結衣「え?」

京子「ちょっと前から起きてたんだけど起きれなくて…」

京子「寝てれば治るかなって思ったんだけど…」

結衣「ばかっ!」

京子「っ!」ビクッ

結衣「あ、ごめん…」

京子「ううん…」

結衣「今薬持ってくるから」

京子「うん」

ゴクゴク

京子「薬、苦い」

結衣「我慢しろって、飲んだらもう少し寝てな」

京子「うん…」

結衣「ご飯、おかゆにしようか?」

京子「おかゆにする」

結衣「はいはい」

京子「ねぇ結衣?」

結衣「なに?」

京子「もっと怒らないの?」

結衣「なんて?」

京子「ちゃんと布団かぶってないからこうなるんだぞ、とか」

結衣「言わないよ」

京子「そっか」

京子「ねぇ」

結衣「ん?」

京子「お腹…さすって欲しいな…」

結衣「…子供みたいだな」

京子「結衣がさすってくれたらすぐによくなるかも!」

京子「って、いててて…」

結衣「大きな声出すから…」サスサス

京子「あ…」

結衣「どう?」サスサス

京子「気持ちいぃ」ニヘー

結衣(ドキッ)

結衣「…」サスサス

京子「…結衣って」

結衣「うん」

京子「あったかくって、優しくて」

京子「すっごく落ち着くね」

結衣「お母さんみたい?」サスサス

京子「お母さんよりかは…」

結衣「うん」サスサス

京子「なんだろう…わかんない」

結衣「そっか」サスサス

京子「うん」

結衣「京子は」サスサス

京子「うん…」

結衣「いつも強がってるけど」サスサス

結衣「本当は気弱で脆くて」サスサス

結衣「私なんかよりずっと女の子だからね」サスサス

京子「…」

結衣「どこかで支えてあげないとさ」サスサス

京子「…」

結衣「京子?」サスサス

京子「…」スヤスヤ

結衣「寝ちゃったか」スッ

結衣「…」

結衣「おやすみ」ナデナデ

京子「結衣ー」ユサユサ

結衣「ん…」モゾ

京子「そんなとこで寝てると風邪引いちゃうぞー」

結衣「あ、テレビ見ながら眠てたのか…」

京子「駄目だぞ~私みたいになっちゃうぞ」

結衣「ごめんごめん」

京子「私が毛布かけてあげたから大丈夫だけどな!」

結衣「ありがとう」

結衣「それで京子、調子は?」

京子「いつもの可愛い京子ちゃんです!」ビシッ

結衣「そっか」

京子「結衣のサスサスが効いたんだね!」

結衣「そうかもな」

京子「お腹すいた!」

結衣「もう2時か」

結衣「結局朝も食べてなかったもんな」

京子「おかゆおかゆー」

結衣「はいはい、今用意するから」

京子「ゆい・・・私ね、妊娠しちゃったんだ・・・。」

京子・結衣「いただきまーす」

モグモグ

京子「おかゆって久々に食べたかも」

結衣「私も作るの綾乃の風邪以来だな」

京子「おいしいね!」

結衣「そうだね」

京子「ふいー、ごちそうさまー」

結衣「お粗末さま」

結衣「今日はどうする?」

京子「んー」

京子「さっき結衣がご飯作ってる時テレビで言ってたんだけど」

京子「今日は夜空が綺麗なんだってさ」

結衣「夜空?」

京子「だから、一緒に見に行きたいです!」

結衣「…病み上がりなんだから家でゆっくりしたほうが」

京子「夜だから大丈夫だよ!」

結衣「夜は関係ないだろ」

京子「それにこの通りもう元気だし!」ブンブン

結衣「…しかたないなぁ」

結衣「あんまりはしゃぎ過ぎるなよ」

京子「やったー!」

京子「夜だね」

結衣「うん」

京子「どこに見に行く?」

結衣「そうだなぁ」

京子「なるべく高いところでしょ?」

結衣「そっちの方が星とか綺麗だろうし」

結衣「あんまり街灯とかが無いほうが良さそうだから」

京子「七森小学校の裏山とかは?」

結衣「あぁ、あそこなら良さそうだね」

京子「よーし、じゃあ行こう!」

裏山

京子「久しぶりだね、ここにくるの」

結衣「そうだな、昔はよくあかりも連れて遊びに来てたけど」

京子「ねぇ、手繋いでいい?」

結衣「ん、暗いから危ないもんな」ギュッ

京子「…」

結衣「…」

京子「昔もこんなことあったよね」

結衣「あったな」

京子「あの時はなんでここに来たんだっけ?」

結衣「…覚えてないな」

結衣「そろそろ開けてくるはずだな」

京子「お」

結衣「わぁ」

京子「すっげー!」

結衣「予想以上に、綺麗だ」

結衣「そろそろ開けてくるはずだな」

京子「お」

結衣「わぁ」

京子「すっげー!」

結衣「予想以上に、綺麗だ」

結衣「あれが夏の大三角だな」

京子「夏の大三角ってなんだっけ?」

結衣「デネブとアルタイルとベガ」

京子「どれがどれ?」

結衣「あれがベガであれがアルタイル」

結衣「あのちょっと暗くて目立たないのがデネブ」

京子「そっかー」

結衣(…そうだ)

結衣「…思い出した」

京子「何を?」

結衣「昔ここに来た時のこと」

結衣「夏の大三角の事を本で見てさ」

京子「あーそうだ…」

京子「2人で見に来たんだっけ」

結衣「そう」

結衣「ちょうどさ」

結衣「京子がベガで私がアルタイル」

結衣「デネブがあかりみたいで」

京子「うん…」

いつからだろう

結衣「ベガとアルタイルって、織姫と彦星だろ」

結衣「だから私が彦星で、京子が織姫って言って…」

結衣「今思うと結構恥ずかしいな…」

京子「うん…」

結衣「そういえばその後にさ」

結衣「織姫と彦星の絵本読んだ京子が泣いてな」

京子「うん…覚えてる…」

結衣「京子が…

『結衣と離れたくないよ~』

結衣「って言ってな」

京子「うん…」

京子「それで結衣が…

『大丈夫!絶対に離さないから!』」

『ずっと側にいて守るから!』

京子「って言ったんだよね…」

結衣「うん…」

京子「…」

京子「あのね」

京子「昨日の話の続きの続き」

結衣「…」

京子「結衣はさ…」

京子「子どもの頃から私のそばにいて」

京子「いじめっこから守ってくれたり」

京子「不安なときには勇気づけてくれたり」

京子「私にとって王子様みたいな存在だったんだよ」

京子「ずっと側にいてあげるって言われた時」

京子「私すごく嬉しかったんだ」

京子「嬉しくて嬉しくて」

京子「嬉しいのに涙が出るなんて変だなって思ったんだよね」

隕石「スタンバイおkでーす」

京子「私の初恋って…まだ終わってないんだ…」

京子「私は小さい頃からずっと…」

京子「結衣のことが好きなんだ…」

結衣「…京子」

シタマワキー

結衣「…私はさ、恋とか好きとかっていうのは…」

結衣「誰かとずっと…一緒に居たいって事なんだと思う…」

結衣「だったら…私の気持ちは変わってないんだ…」

結衣「小さいときから…14歳の今でも…これから先も…」

結衣「私の初恋も…まだ終わってないんだ…」

結衣「私も京子とずっと居たい…」

結衣「私も京子の事が好きなんだ…」

結衣「多分…京子の好きと同じ意味で…」

京子「結衣…」

京子「やっぱり変だよ…」

結衣「何が…?」

京子「嬉しいのに、涙が出るんだよ…」ポロポロ

結衣「うん、わたしも…」ポロッ

京子「結衣ぃっ!」ギュッ

結衣「京子…顔上げて」

京子「ん…」クイッ

チュッ

京子「ゆ、結衣ぃ…///」グスッ

結衣「照れるなって…」

結衣「凄く…恥ずかしくなってくるだろ…///」カァッ

結衣「ところで京子…わかってた?」

京子「何を…?」

結衣「織姫と彦星の関係…」

京子「私たちみたいな恋人じゃないの…///」

結衣「違うよ…」

結衣「織姫と彦星は…夫婦なんだよ…///」

京子「え?じゃあ…///」

結衣「うん…小さかったとはいえ…あの頃から私は京子の事をさ…///」

京子「そっか…嬉しい…///」

結衣「そろそろ帰ろっか…」

京子「汗かいちゃったし、早く帰ろう!」

結衣「お風呂沸かさないと…あ」

京子「どうしたの?」

結衣「い、一緒に、入る?///」

京子「う、うん!///」

ザパー

京子「ふぃー」

結衣「ふぅ」

京子「生き返りますなぁ」

結衣「うん、気持ち良い」

京子「…」

結衣「…」

京子「やっぱ照れるね///」

結衣「う、うん//」

京子「結衣はさ」

京子「ほんとに私でよかったの?」

結衣「当たり前だろ…」

結衣「京子以外いないよ」

京子「結衣…」

京子「結衣の肌、キレイだね」

結衣「そうかな…」

京子「結衣にゃんペロペロ」

結衣「なっ、なんだよそれ!」

京子「いやいやつい」

結衣「…京子のほうがキレイだよ」

京子「ふっふっふ」

京子「この体を結衣の好きにしてもいいんだぜー」

結衣「バ、バカッ!///」

京子「エヘヘ」

結衣「どうした?」

京子「結衣ー、好きだよー」ペタッ

結衣「うん…私も」

京子「私も?」

結衣「その…」

京子「その?」

結衣「大好き…だよ…」

京子「エヘヘ」

ジャイ子もゆりゆりしたら美しいのかな

風呂上り

京子「お、携帯が光ってる」

結衣「私のもだ」

京子「あかりからメールだ」

結衣「こっちはちなつちゃんからだ」

京子「何々、ちなつちゃんがプールの入場券を手に入れたから」

結衣「明日一緒に行きませんか、か」

京子「プールかー」

結衣「せっかくのお誘いだし、行く?」

京子「そうだね、あの2人とも最近会ってなかったし」

結衣「じゃあOKの返事出しとくね」

京子「よろしくー」

結衣「ところで」

結衣「私たちの関係って、伝える?」

京子「うーん、まだ言わなくていいんじゃないかなぁ」

京子「あかりはともかく、ちなつちゃんにはすぐに言いづらいよ」

結衣「うーん、それもそうか」

結衣「夏休み明けにでも伝えるか」

京子「そう…だね」

結衣「あ、そうだこれ」スッ

京子「ん?鍵?」

結衣「この部屋の合鍵」

京子「あ」

結衣「必要だろ?」

京子「うん///」

京子「私たちの愛の巣だもんね!///」

結衣「…バカ///」

結衣「じゃあ寝よっか、って」

京子「なに?」

結衣「そこ、私の布団だろ」

京子「え?一緒に寝るんじゃないの?」

結衣「そっか、そうだね」

京子「かも~ん」ポンポン

結衣「…」モゾモゾ

京子「へへ」ピタ

結衣「くっついて暑くない?」

京子「むしろあったかい」スリスリ

結衣「くすぐったいぞ」

京子「結衣の匂いがする」スゥー

結衣「恥ずかしいぞ…///」

京子「だって…落ち着くんだもん…」

京子「ねぇ結衣」

結衣「なぁ、んっ」

チュッ

京子「おやすみっ!」バサッ

結衣「…おやすみ///」ドキドキ

チチチチ

結衣「ん」ムクッ

結衣「なんか腕が重いな」

京子「むにゃ…」スヤスヤギュウッ

結衣「…」

結衣「夢…じゃないんだな」

結衣(もう少しこうしてよう…)

京子「ふあぁ」ムクリ

結衣「おはよう」

京子「んー」ボケー

チュッ

結衣「ん…ぷはぁ…」

京子「ん…おはようのチュー」ニヘラー

結衣「ふ、不意打ちだぞ…///」

京子「じゃあもう一回…」

チュッチュッ

結衣「ん…」

京子「ぷはっ…」

京子「目が覚めたよ!」

結衣「///」プシュー

京子「ご飯食べよう!」

結衣「そう…だね///」

京子「あ、ご飯食べたら一回家に帰るね」

結衣「ん、何か用事でもあったの?」

京子「いやぁ、さすがに水着の用意までしてなかったからさ」

京子「プールの方向的に家に寄ってくわけにもいかないからね」

結衣「そういえば私も用意しないとな」

京子「プール楽しみだね」

結衣「うん、楽しみだ」

京子「じゃあ行ってきまーす」

結衣「気をつけて行けよ」

京子「行ってらっしゃいのチューは?」

チュッ

結衣「ん、ほらこれでいいだろ///」

京子「うん!じゃあ私も行ってきますのチュー」

チュッ

京子「ん…じゃあ改めて行ってきます!」

結衣「…全く///」

結衣「さて、私も用意するかな」

プール前


あかり「結衣ちゃーん、京子ちゃーん」ブンブン

ちなつ「結衣センパイお久しぶりですぅ」

結衣「待たせてごめんね2人とも」

京子「いやー悪い悪い」

あかり「ん?」

ちなつ「あかりちゃん、どうしたの?」

あかり「結衣ちゃんと京子ちゃん、いつもと雰囲気が違うかなって…」

結衣「そ、そうかなー」アセアセ

京子「あかりの気のせいじゃないか?」アセアセ

あかり「んー、そうだね。あかりの気のせいかも」

ちなつ「それより早く入りましょう。楽しみにしてたんですよー」

京子「よし!行こう行こう」ダッ

結衣「危ないから走るなって」

プール後

あかり「楽しかったねー」

結衣「そうだね」

結衣「今日はありがとねちなつちゃん」

京子「お礼にチューしてやるぞー」

ちなつ「ちょ、やめてくださいよ京子先輩!」

結衣(ムカッ)

結衣「こら京子!」

京子「じょ、冗談じゃんかー」

ちなつ「次は結衣センパイと2人で来たいですぅ」

結衣「あはは、機会があったらね」

京子「…」ムカッ

グイグイ

結衣(あ)

ちなつ「あー!京子センパイ、何結衣センパイの手握ってるんですか!」

京子「いいじゃーん、私と結衣の仲なんだし」

ちなつ「ずるいですー!私も握りたいですー!」

あかり「まぁまぁちなつちゃん」ポンポン

結衣「ん、そろそろ分かれ道だね」

あかり「じゃああかりたちはこっちだから」

ちなつ「結衣センパイ、京子センパイ今日は有難うございましたー」

結衣「ううん、こちらこそ」

京子「2人とも気をつけて帰れよー」

バイバーイ

結衣「…」

京子「…」

結衣「…ごめん」

京子「私こそ…」

結衣「…」

京子「…」

結衣「ねぇ京子」

京子「ん」

結衣「仲直りのキスしよう」

京子「うん」

チュッ

京子「私からも…」

チュッ

京子「これで仲直り!」

結衣「うん…///」

京子「あ、水着家においてこないと」

結衣「そうだな」

京子「家寄ってからまた結衣ん家行くから」

結衣「わかった」

結衣部屋

結衣「…」

結衣(私って独占欲強いんだなぁ)

ガチャガチャ

結衣「ん、京子か」

京子「たっだいまー」

結衣「おかえり」

結衣(ん?)

結衣「京子、なにかあった?」

京子「え?どうして?」

結衣「目、涙ぐんでるし、ちょっと充血してるような…」

京子「いやー、恥ずかしながら」

京子「結衣の顔が早く見たすぎてさ」

京子「エレベーターのドアがちゃんと開く前に飛び出しておでこぶつけちゃってねー」アハハ

結衣「だから気をつけろっていっただろ」オデコサスサス

京子「あっ…」

結衣「痛い?腫れてはいないみたいだけど…」サスサス

京子「そんなこと無いよ!」

結衣「そっか、よかった」

京子「お腹すいた!」

結衣「もうこんな時間か」

京子「オムライス食べたい!」

結衣「じゃあそうしよっか」

京子「…」モグモグ

結衣「京子?」

京子「…」モグモグ

結衣「もしかして、おいしくなかった?」

京子「あ、ううん!そんなことないよ!」モグモグ

結衣「?」



結衣「電気消すぞ」

京子「うん」

カチッ

結衣「あと2日で夏休みも終わるんだな」

京子「そうだね…」

結衣「そういえば京子、制服って持って来てないよな」

京子「うん…」

結衣「どうせ始業式の日、この家から通うんだろ?」

結衣「明日、制服持ってこないとな」

京子「うん…そうする…」

結衣「京子、どっか調子悪い?」

京子「そ、そんなことないよ」

結衣「プールの後からなんか元気が無いような…」

京子「あれかな?はしゃぎ疲れちゃったのかもなー」

結衣「そっか、じゃあもう寝よっか」

ギュッ

京子「結衣?」

結衣「ほら…手握っててやるから…」

京子「うん…おやすみ」

結衣「おやすみ」

チチチチ

結衣「ん」モゾ

ムクッ

結衣「今日もいい天気だな…」

京子「ん、むにゃ」スゥスゥ

結衣「京子、起きろー」ユサユサ

京子「んー、もう2日…」ムニャムニャ

結衣「いや寝すぎだろ」

京子「うーん…」スースー

結衣(寝る前元気なかったみたいだけど…)

結衣「仕方ないな…」

チュッ チュウッ



京子「ん…むぅっ…、ぷはぁっ」

結衣「ん…起きた?」

京子「お、起きたよ///」

結衣「じゃあご飯食べよっか」

京子「私が食べられちゃった気分だよ…///」ボソッ

結衣「? 何か言った?」

京子「ううん!何も言ってないよ!」

京子「ゴチ!」

結衣「ごちそうさま」

京子「こうしてるとさ」

京子「なんか、ずっと前から暮らしてるみたいだね」

結衣「同棲みたいな?」

京子「同姓と同棲?」

結衣「…」

京子「ごめん今のなし」

結衣「うん」

キョウハアイニクノクモリゾラデゴゴカラハカミナリヲトモナウハゲシイアメニナルデショウ

京子「昨日は晴れたのにねー」

結衣「雨が降る前に制服取りに行った方がいいな」

京子「うん…そうだね」

京子「じゃあ行ってくるね」

結衣「気をつけて行けよ」

京子「うん」

結衣「あ、京子」

京子「ん?」

チュッ

京子「あ…///」

結衣「ほら、行ってらっしゃいのチューだろ///」

京子「うん…じゃあ私も」

チュッ

京子「じゃあ行ってくるね!」

結衣「うん」

結衣(京子が帰ってくるまで暇だな…)

結衣「…」ウトウト

結衣「ん…なんか眠くなってきちゃったな…」

結衣「…」ウトウト

結衣「少しだけ…寝よう…」

ザァザァ

ちび京子『雨ふってきちゃった』

ちび結衣『急いであそこまで行こう』

ちび京子『うん』 

ちび結衣『行くぞー京子ぉ』

ちび京子『待ってよぉ、結衣ぃ』

タタタタッ

ちび京子『あっ』ズテッ

ちび結衣『京子!?』

ちび京子『ふえぇぇーん…すりむいたよぉ…』グスン

ちび結衣『こんなの平気だよ、私が治してやるから』ペロペロ

ちび京子『ありがとう…結衣ぃ…』

ちび結衣『ほら、行こう』

ちび京子『うん…』

ちび結衣『雨宿り成功!』

ちび京子『うん…』

ピカッ!  ゴロゴロゴロ…

ちび京子『きゃあっ!』

ちび結衣『大丈夫だよ京子』ギュッ

ちび京子『こわいよぉ…結衣ぃ…』

ちび結衣『私がそばで守ってあげるから』

ちび京子『ほんとぉ…?』

ちび結衣『うん、約束する』

オーイ

ちび結衣『誰か呼んでる…』

ちび京子『お母さんだ!』ダッ

京子母『ここに居たの?』

ちび京子『うん!』

京子母『ほら、ちゃんと結衣ちゃんにお別れしないと』

京子『じゃあね結衣…』

結衣「え?」

京子『もう…行くね…』

結衣「京子?どこ行くんだよ?」

結衣「京子!京子ぉっ!!」

結衣「京子っ」ガバッ!

結衣「…」ハァッハァッ

結衣「夢…か」

結衣「もうこんな時間か…」

結衣「…京子、まだ来ないのか」

結衣(夢のせいか落ち着かない)

結衣「あいつ、制服のこと忘れてないかな…」

結衣「家に電話してみるか…」

プルル プルル プルル

プルル プル ガチャッ

京子母『はい、歳納です』

結衣「あ、船見ですけど」

京子母『あら、結衣ちゃん。どうしたの?』

結衣「京子、居ますか?」

京子母『あぁ、あの子ならちょっと前に帰って来てまた出てったみたいだけど』

結衣「そうですか」

京子母『それより結衣ちゃん、京子の事ありがとね』

京子母『また泊めてもらっちゃって』

結衣「い、いえ…そんな…」

京子母『最後の日は泊り行くって聞かなくてね』

京子母『でも仕方ないわよね、あの子結衣ちゃんとずっといたんだもの』

結衣「は、はぁ…」

結衣「あ、京子って制服ちゃんと持ちました?」

京子母『え?制服?』

結衣「はい、そうですけど」

結衣 「夏休みも最後なんで用意しt…」

京子母『…結衣ちゃん、聞いてないの?』

結衣「え?何を…」

京子母『何って…』

京子母『ハワイに引っ越すのよ、私たち』

結衣「…」

京子母『結衣ちゃん?本当に聞いてなかったの?』

結衣「…いえ、聞いてましたよ…」

結衣「ただ、京子が夏休みの最後に学校行きたいって言ってたもんで…」

京子母『あらそうなの、あの子ったら全く最後まで迷惑かけて…』

結衣「そんなこと…ないですよ…」

京子母『本当にありがとうね。あんな子だけど最後までよろしくね?』

結衣「はい…こちらこそ…失礼します…」

ガチャ ツーツー

結衣「そんな…」

結衣「夢じゃ…ないのかよぉ…」

結衣(まだ帰ってこない…)

結衣(聞きたいことが一杯あるのに…)

結衣(まさか、もう帰ってこないなんてことは…)

ガチャッ

結衣(っ!)

バタン

京子「たっだいまー」

京子「いやー、家でごろごろしてたらつい遅くなっちゃったよー」

結衣「京子…」

京子「そろそろ買い物行こうぜー」

結衣「京子…」

京子「あ、傘持って行かないとなー、雨振りそうだったぞー」

結衣「京子っ!!」

京子「っ!ど、どうしたんだ結衣?」

結衣「今日、どこに行ってた…」

京子「どこって、ずっと家に…」

結衣「京子の家に電話掛けたんだ」

京子「っ!」

結衣「京子のお母さんから聞いた…」

京子「…」

結衣「本当、なのか…?」

京子「…うん」

結衣「そんな…」

結衣「…なんで言ってくれなかったんだよ」

京子「ごめん…」

京子「…言わなきゃ、言わなきゃってずっと思ってた」

京子「けど、どんどん言い出せくなっちゃって…」

京子「どうしていいかわかんなくて…」

結衣「…」

京子「ごめんね…結衣…」

結衣「…つ?」

京子「え?」

結衣「いつ行っちゃうんだ…?」

京子「明日…」

結衣「明日…って…」

結衣「なんで!?」

京子「お父さんの仕事の関係なんだって…」

結衣「どのくらい向こうにいるの…」

京子「3年…くらい…」

結衣「3…年…」

結衣「…」

京子「…」

結衣「…そっか」

京子「結衣…?」

結衣「しかた…ないよね…」

結衣「もう2度と会えないってわけ「…んで」

結衣「…京子?」

京子「なんで仕方ないなんて言うの!?」

結衣「京子…」

京子「なんで引き止めてくれないの!?」

京子「私が遠くに行っちゃってもいいの!?」

結衣「…なこと…」

京子「もういい!」

京子「結衣のバカッ!!!」ダッ

結衣「おい!京子っ!」

ガチャ バタン!

結衣「…」

結衣「いいわけないに決まってるだろぉ…」グスッ

30分後

結衣(京子…)

結衣(帰ってこないな…)

ピリリリリリ ピリリリリリ

結衣「っ!」

結衣(電話…京子からか!?)

ピッ

結衣「もしもし!」

あかり『あ、結衣ちゃん?』

結衣「あかりか…」

あかり『うん、あかりだよぉ』

あかり『…結衣ちゃん、何かあった?』

結衣「えっ!そんなこと無いよ」

あかり『本当?』

結衣「そ、それよりどうしたの?」

あかり『うん、京子ちゃんの事なんだけど』

結衣「っ!?」

あかり『もう…聞いたよね…?』

結衣「うん…聞いたよ」

結衣「あかりは…いつ聞いたの?」

あかり『うんとね…プールの後に京子ちゃんから電話があって』

あかり『会って話したいことがあるって…ちなつちゃんと一緒に聞いたよ…』

結衣(そうか、だからあの時涙ぐんで…)

あかり『その時、結衣ちゃんにまだ言ってないって言ってたから』

あかり『あかり、ちょっと心配になっちゃって…』

結衣「あかり…」

あかり『ごめんね、余計なお世話だったよね』

結衣「そんな事…ないよ…」

あかり『…』

あかり『あのね…結衣ちゃん』

結衣「うん…」

あかり『京子ちゃんと結衣ちゃんが喧嘩してるのは』

あかり『あかり、嫌だよ』 

結衣「…」

あかり『あとね、もし結衣ちゃんが困ってるんだったら1人で抱え込まないで』

あかり『いつでもあかりたちを頼って欲しいなって』

結衣「あかり…」

あかり『あかりに出来ることなんてあんまり無いんだけど』

あかり『ちょっとカッコつけちゃったね』エヘヘ

結衣「そんなことないよ…」

結衣「ありがとう」

あかり『あかり、まだお礼言われるようなことしてないよ?』

結衣「ううん」

結衣「私の背中を押してくれたよ」

結衣「だから、ありがとう」

結衣(何を悩んでいたんだろう)

結衣(私がすべき事は京子を待ってることじゃない)

結衣「探しに行かないと」

結衣(きっと京子は、一人で泣いてるんだ…)

結衣(携帯の電源はやっぱ切ってるか…)

結衣(どこに行ったんだろう)

結衣(京子が行きそうな場所…)

結衣「部室…かな」

ごらく部部室前

ガチャガチャ

結衣「京子!」

シーン

結衣「いない…か」

結衣(他に京子が行きそうな場所…)

綾乃「あら?船見さん?」

結衣「ん?あぁ、綾乃」

綾乃「どうしたの?私服で学校に来て…」

結衣「いや、実は京子を…」

綾乃「っ!」

結衣(あ)

結衣「綾乃はさ…聞いた?」

綾乃「…」コクッ

結衣「いつ…?」

綾乃「今日の午前中に、急に私のところに連絡が来て…」

綾乃「直接会って話したいって言われて…」

結衣「そっか…」

綾乃「…」

綾乃「…私ね、歳納京子のことが好きだったの」

結衣「うん…」

綾乃「だから、直接会って話したいって言われたとき」

綾乃「少し期待しちゃったんだ」

綾乃「でも、あんな話されるなんて思ってなくて」

綾乃「結局告白なんて出来なかったわ」

結衣「…」

綾乃「けど…告白できてたとしても駄目だったと思うの」

綾乃「歳納京子が、船見さんにはまだ引っ越すこと伝えてないって言ったとき」

綾乃「あんな辛そうな歳納京子の顔見たら…」

綾乃「敵わないな…って」

結衣「綾乃…」

綾乃「…歳納京子と何かあったんでしょ?」

結衣「…うん」

綾乃「あなたが歳納京子を支えてあげて…」

結衣「…」

綾乃「私じゃ駄目だから…」

綾乃「あなたじゃないと出来ないことなの!」

結衣「うん…」

結衣「わかったよ…」

結衣「ありがとう、綾乃」

綾乃「お礼なんていいから、早く行きなさい」

結衣「うん…じゃあ!」タッタッタッ



綾乃「ハッピーエンドじゃなきゃ、罰金バッキンガムなんだから」

結衣「はぁ…はぁ…」

結衣(あと、京子が行きそうな場所は)

ポツ ポツ

結衣(ん?)

ポツポツ 
ザァァァァ

結衣「雨か…」

結衣(そういえば夕方から雨って言ってたっけ…)

結衣(雨…)

結衣(もしかして…)

結衣「はぁ…はぁ…」

結衣(きっとあの遊具の中…)

ピカッ! ゴロゴロ

結衣(急がないと…)

結衣(京子っ!)

公園遊具前


結衣「はぁ…はぁ…」

結衣「…」

結衣「京子…中にいるか?」

結衣「…」

結衣「入るぞ…」スッ

結衣「京子…」

京子「…結衣」

結衣「風邪…ひくぞ」

京子「結衣こそ…」

結衣「隣り…いいか?」

京子「うん…」

結衣「…」

京子「…」

京子「…私ね」

京子「さっきまですっごく怒ってた」

京子「結衣の反応が悔しくて悔しくて…」

京子「けど、雨が降ってきてさ」

京子「ずぶ濡れになってこの公園の前に来たとき」

京子「子どもの頃を思い出してね」

京子「すっごく懐かしくて」

京子「どうでもよくなっちゃった…」

結衣「…」

京子「最後の最後まで、私は結衣の事を困らせてるよね」

京子「バカだよ、私…」

結衣「…」

結衣「いつもいつも周りの人に気をかけるくせに」

結衣「自分の事は気をかけないように振舞って」

結衣「自分の気持を吐き出せば急に逃げ出して」

京子「う…」

結衣「けど」



結衣「それが京子だもんな」

結衣「私も京子とずっと居たいよ」

結衣「仕方ないなんて、思いたくない」

結衣「これからも一緒に登校して部活で遊んで」

結衣「京子に料理を作って、ラムレーズンも食べさせてあげて」

結衣「海に行ったり、温泉に行ったり、クリスマスを過ごしたり」

結衣「そんな日常が当たり前に続くんだと思ってた」

結衣「けど」

結衣「乗り越えないといけないことなんだね…」

京子「うん…」

結衣「3年…」

京子「ん…?」

結衣「3年経って、京子が帰ってきたら」

結衣「一緒に暮らそう」

京子「結衣…」

結衣「京子が帰ってくるまでに親にも全部話して納得してもらう」

結衣「京子と暮らせる環境を作っておく」

結衣「だから」

結衣「少しだけ…がんばろう…」

京子「うん…!」ポロポロ

結衣「雨、止んだね」

京子「うん」

結衣「…」

京子「…」

京子「帰ろっか」

結衣「私たちの家に」



結衣「明日の予定ってどうなってるんだ?」

京子「空港から飛行機で東京まで行くんだよ」

結衣「何時起き?」

京子「んー、8時に起きれば全然間にあうよ」

結衣「じゃあ8時に目覚ましかけておくよ」

京子「うん」

結衣「…」

京子「…」

京子「3年…」

結衣「え?」

京子「3年経ったらさ」

京子「私、ラブリーでプリティーでキュートで」

京子「めちゃかわいくなってるからさ!」

京子「だから!」

京子「だから…」

結衣「…」

京子「…」

結衣「待ってる」

京子「…」

結衣「ずっと待ってるから」

京子「…うん」

結衣「だから、おやすみ」

京子「おやすみ…」

早朝

京子「ん」ムクッ

京子(5時半…)

結衣「…」スゥスゥ

京子「ごめんね…結衣」ボソッ

京子「荷物もOKだし」

京子「書き置きして…と」

京子「…」

京子「じゃあね…結衣」

京子「ただいま」

京子母「おかえり、あら?結衣ちゃんは?」

京子「うん、ちゃんとお別れしてきたから大丈夫」

京子母「そう?じゃあ行きましょう」

京子「うん…」

結衣「ん…」ムクッ

結衣「今何時だ…」

結衣「7時…」

結衣(まだ早いけど起きるか)

結衣「京子」

結衣「ん?」

結衣「っ!」

結衣「京子っ!?」

結衣「京子!いるんだろ!?」

シーン

結衣「嘘…だろ…」

結衣「ん?テーブルの上に何かある…」

結衣「書き置き…?」


『こんな形でごめんね』

『旅立つ前に結衣と顔を合わせると決心がどうして揺らいじゃうから』

『こっそり出ていくね』

『向こうに着いたら手紙出すから』

『ばいばい結衣』

『愛しの京子たんより』 

結衣「ふざけるなよ…」

結衣「なんでなんだよ!!」

結衣「なんでこんな!!」

結衣「こんな形なんて…」

結衣「嫌だよぉ…きょうこぉ…」グスッ

結衣「…泣いてる場合じゃない」

結衣「空港に行かないと」

結衣(でも、どうやって…)

結衣(今から空港行きのバスは間に合わない…)

結衣(タクシーに乗るお金もないし…)

結衣(そもそも何時発の便かもわかってない…)

結衣(調べてからじゃ遅いかもしれない…)

結衣「くそっ…」

結衣(早く、早くしないと)

結衣(どうすれば…!)

ヒトリデカカエコマナイデ

結衣(あ)

結衣「…」ピッ

トゥルルルルル トゥルルルル

あかり『はい、あかりだよ』

結衣「あかり…」

あかり『結衣ちゃん?こんな時間にどうかしたの?』

結衣「あかり…助けて欲しいんだ…」

あかり『っ!』

あかり『わかったよ』

あかり『あかりは、何をすればいいのかな?』

あかり「お姉ちゃん、急いで頂戴!」

あかね「えぇ、わかってるわ」

ちなつ「あ、あそこに結衣センパイ居る!」

ともこ「赤座さんブレーキ!!」
キキー!
結衣「あかり!」

あかり「結衣ちゃん、早く乗って!」

結衣「うん!」

結衣「ごめんね、あかり」

あかり「気にしなくていいよ!」

あかり「あかりは当たり前の事をしただけだもん」

結衣「ちなつちゃんにお姉さん方もすみません…」

ともこ「いいのよ気にしなくて」

あかね「そうよ、いつもあかり達がお世話になってるんだもの」

結衣「…ありがとうございます」

ちなつ「お姉ちゃんと飛行機の時間調べてみたんですけど」

ちなつ「多分7時40分発、東京行きの便だと思います」

あかり「あと20分…」

ともこ「ギリギリってとこかしら…」

あかね「絶対に間に合わせてみせるわ」

あかり「お姉ちゃんかっこいい…」

あかね「ほ、ほんと!?あかり!?お姉ちゃんかっこいい?」

ちなつ「あ、あかりちゃんのお姉さん、前!前見て運転してください!」

結衣(みんな…)

結衣(ありがとう…)

あかり「間に合った!」

あかね「結衣さん、早く降りて行って!」

結衣「はい!」

ちなつ「京子先輩にガツンと言ってやって下さい!」

結衣「うん!行ってくる!」

京子母「もうすぐ時間ね」

京子「うん…」

京子母「出発前にちょっとお手洗い行ってくるから」

京子母「ここを動かないでね」

京子「うん…」

京子(結衣、怒ってるかな…)

京子(怒ってるに決まってる…)

京子(けど)

京子(怒られてもいいから…やっぱり会いたいよ…)

…!

京子(結衣ぃ…)

…こ!

京子(え?)

「京子ぉ!」

結衣「京子っ!」

京子「なんで…」

結衣「はぁ…はぁ…」

京子「結衣…」

結衣「全く…お前ってやつは…」

京子「ごめん…」

結衣「…」

京子「…」

結衣「ここまで来る途中さ、一杯考えてた」

結衣「会ったら文句言ってやる、叱ってやる、励ましてやる…って」

結衣「けど」

結衣「京子の顔見たら、全部忘れちゃったよ…」

京子「結衣…」

結衣「京子」

結衣「向こう行っても手うがちゃんとしろよ」

京子「うん…」

結衣「落ちてるものは食べるんじゃないぞ」

京子「うん…」

結衣「手紙、ちゃんと出せよ」

京子「うん…いっぱい書くよ…」

結衣「一緒に住む約束…忘れるなよ」

京子「うん…絶対忘れない…」グスッ

京子「もう…行かないと」

結衣「うん…」

京子「…」

結衣「京子」

京子「ん?」

結衣「また忘れ物あるぞ」

京子「わすれ…んっ」

チュッ

結衣「ん…今のは行ってらっしゃいのチューだぞ」

京子「あ…///」

結衣「ほら、京子も」

京子「っうん!」

チュッ

京子「行ってくるね…結衣」

結衣「行ってらっしゃい…京子」

あかり「京子ちゃん、行っちゃったね…」

あかね「本当に会いに行かなくてよかったの?」

あかり「うん…」

ちなつ「本当に最後の最後まで京子先輩は京子先輩なんだから」

ともこ「ちなつ…」

あかね「2人とも、我慢しちゃ駄目よ」

あかり「お姉ちゃん…」

ともこ「そうよ、悲しかったらちゃんと泣きなさい」

あかね「お姉ちゃんたちが受け止めてあげるから」

あかり「う…うえぇぇぇぇぇん……」

ちなつ「うっ…ぐすっ…うぁぁぁぁぁっぁん……」

ともこ「よしよし」ナデナデ

あかね「あかりたちもこうやって大人になっていくのよ」ナデナデ

結衣(飛行機…)

結衣(行っちゃう…)

結衣(…)

結衣「京子おぉっ!!」

結衣「ずっと、ずっと待ってるからなぁーっ!!」

それから

中学2年秋

結衣「お母さん…その…話したい事があるんだけど…」

結衣母「もしかして、京子ちゃんの事?」

結衣「な…なんでわかるの!?」

結衣母「京子ちゃんのお母さんから聞いてあるもの」

結衣母「あなた達の空港でので・き・ご・と」

結衣「あ…///」カァッ

結衣母「京子ちゃんの事となるとあんたは…全く…」

結衣「ご、ごめんなさい…」

結衣母「いいわよ…好きになさい」

結衣「え?」

結衣母「あなたが、本気で決めた事なんでしょう?」

結衣母「じゃあ、そうしなさい」

結衣「うん…ありがとう…」グスッ

中学3年秋

あかり「結衣ちゃん、京子ちゃんって元気?」

結衣「うん、手紙で読む分には元気そうだよ」

あかり「そっか~、よかったぁ」

ちなつ「結衣先輩って、進学先もう決まってるんですか?」

結衣「うん、七森高校に行こうと思ってるんだ」

結衣「今の家からも通えるし、綾乃たちもそこにするみたいだしね」

あかり「あかり、結衣ちゃんの事応援するからね!」

ちなつ「私もいっぱい応援しますね!」

結衣「うん、ありがとう」

中学3年冬

結衣「328…328…」

結衣「!…あった!」

綾乃「船見さん、どうだった?」

結衣「愛かったよ、綾乃達は?」

千歳「うちらもばっちりやでぇー」

綾乃「よかった…高校でもよろしくね」

結衣「うん…こちらこそ」

中学卒業


あかり「結衣ちゃん、卒業おめでとう!」

ちなつ「おめでとう…グスッ…ございます…グスッ」

結衣「2人ともありがとう…」

あかり「高校に行っても、あかりたちのこと忘れないでね」

結衣「忘れるわけないだろ…」

結衣「暇だったら…今までみたいに私の家に遊びに来てもいいんだし…」

ちなつ「いいん…ですか…?」グスッ

結衣「当たり前じゃないか…」

結衣「2人は、私の大切な親友なんだからさ…」

あかり「…うん!」グスッ

ちなつ「結衣せんぱぁい…!」グスッ

高校1年夏

綾乃「ふ、船見さん!」

結衣「ん、やぁ綾乃」

綾乃「そ、その…話があるんだけど…いいかしら?」

結衣「うん、なんの話?」

綾乃「じ、実は…私、千歳と…付き合い始めたの…」

結衣「ほ、ほんとに!?」

綾乃「うん…、それで、船見さんには言っておかないとって思って…」

結衣「そっか…おめでとう…」グスッ

綾乃「な、何で船見さんが泣くの!?」

結衣「うれしい時には…涙が出るもんだろ…」グスッ

綾乃「…うん、そうね…」

映 画 化  決 定

高校1年秋


結衣「2人とも志望校は決まってるの?」

ちなつ「もちろん七森高校に決めてます!」

あかり「あかりも一緒の高校を受けるよぉ」

結衣「そっか…」

結衣「2人がよければ…勉強見てあげようか?」

ちなつ「い、いいんですか!?」

結衣「うん、時間のある時だけだけど」

あかり「じゃあ、お願いしちゃおっかなぁ」

ちなつ「よろしくお願いします!結衣先生!」

結衣「せ、先生は照れるなぁ…」

ほんとにないちゃう

2人の合格発表

あかり「724…724…」ドキドキ

ちなつ「116…116…」ドキドキ

結衣「…」ドキドキ

あかり・ちなつ「!」

ちなつ「あった!ありました!」

あかり「あかりもあったよ!」

結衣「よかった…」ジワッ

結衣「おめでとう…あかり、ちなつちゃん」

高校2年春

あかり「えへへ、3人で登校するのも久しぶりだね」

ちなつ「また結衣先輩と登校できて嬉しいです!」

結衣「あかりにちなつちゃん、これからも宜しくね」

あかり「ううん、こちらこそ」

ちなつ「宜しくお願いします!」

あれから3年目

高校2年夏…………

あかり「じゃあねー結衣ちゃーん」

ちなつ「結衣センパイお疲れさまでーす」

結衣「うん、2人とも気を付けてね」


結衣「さて」

結衣「晩御飯の買い物していかないとな」

イラッシャイマセー

結衣「キャベツにウインナーにケチャップに…」

結衣「こんなもんかな」

結衣「あ」

結衣(昨日まりちゃんが家に来た時ラムレーズン出したんだった)

結衣(確かあと1個しかストックなかったはずだから)

結衣「買っておかないとなぁ」

アリガトウゴザイマシター

結衣「さて帰るか」

結衣(…)

結衣(もう、夏も終わりなんだな…)

結衣自宅前

結衣(鍵、鍵っと)

ガチャリ ガキッ

結衣(ん…開かない?)

結衣(!?なんで…チェーンロックが…?)

結衣(っ!?)

結衣「まさか…」

結衣(指が…震える…)ドックン ドックン

ピンポーン




『山!』

結衣「川っ…!」 

タッタッタッ ガチャン

京子「へへー」

結衣「京…子…」ポロポロ

全米が泣いた

スティーブン・スピルバーグ「ゆるゆりは世界で最も素晴らしい作品だ。」

ジェームズ・キャメロン「ただ、涙が流れ出た。」

クリント・イーストウッド「ゆるゆり最高!」

マイケル・ベイ「いつもミラクル☆」

京子「愛しの京子たんですっ!」ビシッ

結衣「うん…」グスッ

京子「いやー部屋の鍵が変わってなくてよかったよー」

結衣「変えたら…京子がいつでも入ってこれなくなるだろ…」

京子「冷凍庫にラムレーズンも入ってるしさ、ってまた買ってきてるじゃん!」

結衣「いつでも…お前が食べたいって言ってもいいようにさ…」

結衣「…」

京子「…」

京子「…3年」

京子「3年間、ほんとに色んな事がいっぱいあったんだよ」

京子「手紙に書けないくらいいっぱい、いーっぱい」

京子「あれも喋ろう、これも喋ろうって」

京子「さっきまでずっと考えてたんだ…」

結衣「うん…」

京子「でも結衣の言うとおりだったよ」

結衣「え?」

京子「結衣の顔見たら…全部忘れちゃった…」

京子「あんなに喋ろうと…思ってたのにさ…」

結衣「…」

結衣「いいんじゃないか…」

結衣「喋る時間なんて」

結衣「これからいくらでも…あるんだからさ…」

京子「結衣ぃっ!!」ダキッ

結衣「京子…」

京子「ただいま!ただいま!ただいまっ!!」

京子「私…帰ってきたよぉ…」グスッ

結衣「うん…」ギュッ

結衣「おかえり…京子…」

結衣「ねぇ、京子」

結衣「私、ずっと側に居るよ…」

京子「うん…」

結衣「もう2度と離さないから…」

京子「うんっ…!!」


結衣「京子、愛してる…」

京子「私もだよ…結衣」

チュッ


終わり

長々とすいません

読んでくれた人ありがとう!

>>1、お疲れ様でした。感動した。

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