創真「王様ゲームやるってさ」えりな「何で私まで……」 (76)

日向子「というわけで、王様ゲームやりますよ!」

創真「……こんな晩に突然集められたと思ったら、どういうわけっすか?」

堂島「なに、たまたま遠月の近くに寄ったもんでな。せっかく合宿で親睦を深め合ったんだ」

堂島「色々と面白そうな一年を集めて、みんなで遊ばないかと思ってな。王様ゲームは乾の案だが」

日向子「楽しそうなので来ちゃいました。霧のやは定休日ですし」

恵「は、はぁ……で、何で王様ゲーム?」

日向子「そりゃもう男女混合、盛り上がる遊びといえばこれしかないですから!」

秘書子「王様ゲームですか……やったことないですね」

えりな「ふん、何かと思えば……馬鹿馬鹿しい」

アリス「そうかしら、楽しそうじゃない。それとも怖いの?」

えりな「そ、そんなわけないでしょう!」

郁魅(うぅ、えりな様もいるのか……ちょっと気まずいなぁ)

一色「呼んでいただけたのは嬉しいですけど、いいんですか? 僕は二年生ですが」

堂島「あぁ、君のことはよく覚えてるし、幸平や田所君の先輩だと聞いたからな」

タクミ「ふっふっふっ……早くも勝負の時が来たようだな、幸平創真ぁ!」

創真「王様ゲームでどう勝負するんだよ……」

郁魅(誰だっけこのイタリアン)

日向子「というわけで10人、十分な人数です。早速始めましょうか」

秘書子「あの、ちょっといいですか?」

日向子「はい、何でしょう?」

秘書子「その……王様ゲームって、あれですよね。王様の命令には絶対に従うっていう……」

日向子「はい、それですけど」

秘書子「正直、男子がいるというのは……その、変な命令されたりしたら……」ジトッ

創真(明らかに俺を見て言ったぞ……)

日向子「心配には及びません、一つだけルールを咥えますから。『公序良俗に反する命令は禁止』って」

堂島「まぁ、いざとなれば私からも強制的に中止にするさ」

秘書子「それならいいですけど……」

日向子「王様以外の番号札は1~9ですね……よしっと。それじゃあ、いきますよ。引いてくださーい」

創真「王様ゲームかぁ。そういえばやるのは初めてだな」

恵「うぅ、ドキドキするよ……」

一色「楽しみだね」

郁魅(う、上手くすれば幸平と……いやいや、何考えてんだ私!)

タクミ「覚悟するがいい、幸平!」

えりな「さっさと終わらせて帰りましょう」

秘書子「は、はい」

アリス「さてさて、誰が王様かしら」

堂島「よし……みんな引いたようだな」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

創真「おっ、引いた」

堂島「幸平が王様が。どんな命令をするんだ?」

創真「うーん、そうですね……んじゃ、3番は一発芸をする!」

恵「ええと、3番、3番……」

郁魅「あ、私か」

創真「おぉ、にくみか。期待してんぜー」

日向子「エッチな芸はダメですよー。だっちゅーのとか」

郁魅「古っ!」

郁魅(と言われても、一発芸か……何か私にできるものがあったっけ……)

郁魅(……あ、そうだ。左手をこう、右手をこうして……)



郁魅「ゆ……指が取れます!」

恵「…………」

えりな「…………」

秘書子「…………」

アリス「…………」

タクミ「…………」

一色「…………」

日向子「…………」

堂島「…………」



創真「え、ええと……その……すまん、にくみ」

郁魅「謝るなぁ! ますます悲しくなるだろうがぁ!」

郁魅「うぅ、ぐすっ……無茶振りだぜ……」

創真「悪かったって、もう……」

日向子「さ、気を取り直して二回目いきますよー」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

一色「おや、僕みたいだね」

創真「一色先輩が王様っすか」

一色「みたいだね。それじゃ、命令していいのかな?」

日向子「はい、どうぞ」

一色「裸エプロンになる」

恵「……へ?」

えりな「……ごめんなさい、もう一度言ってもらえませんか?」

一色「裸エプロンになる」

えりな「ちょ、ちょっと! 何ですかその命令は!」

日向子「そうですよ! そういう命令はまだ早すぎます!」

堂島「……まだ?」

アリス「『公序良俗に反する命令は禁止』だったはずだけど?」

一色「ははは、大丈夫、心配ないさ」

一色「なぜなら……裸エプロンになるのは、僕だからね!」バッ

タクミ「ま、まさかの自分への命令!?」

創真「命令する意味ねぇ!」

秘書子「ちょ、ちょっと……そんな恰好で……」

日向子「うーん……まぁ男子だし、別にいいんじゃないですか?」

恵「正直、こっちの方が何だか落ち着きます」

創真「そうだな」

タクミ「お前ら、絶対おかしいぞ……」

アリス「あはは、十傑には変わった人が多いのね」

えりな「……どういう意味かしら?」

アリス「別にぃ」

郁魅(この人、十傑7位だよな……)

一色「さて、続けましょうか」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

堂島「む、私か」

堂島「それじゃあ、命令だ。8番はスクワット30回。女子なら15回だ」

日向子「げ、私だ……何もこんなところで筋トレさせなくても」

堂島「料理でも何でも、基本は体力だ。肉体のメンテナンスは欠かしてはならん」

一色「そうそう、みんなも青春の汗をかこうじゃないか!」

秘書子(裸エプロンの人に言われても……)

えりな「ほっ……当たらなくてよかったわ」

郁魅「スクワットとか余裕じゃねえか」

日向子「仕方ないですね……ええと、女子は15回でしたっけ。出来るかなぁ」

堂島「何を言っている。もう女子と呼べる年齢じゃないだろう、30回だ」

日向子「」

日向子「あ、あ、足が……」

恵「だ、大丈夫ですか?」

日向子「あ、ありがとう、恵ちゃん……」

堂島「運動不足だな。いかんぞ」

アリス「次いきましょ」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

タクミ「ふっふっふっ……来たな、この僕の時代が!」

日向子「アルディーニ君が王様ですか」

創真「なーに企んでやがんだ」

タクミ「命令だ。1番は僕に土下座しながら『私は負け犬ですタクミ様』と3回唱えろ!」

一同(((((うわぁ……)))))



タクミ(油断したな幸平……さっきチラッとだが番号札が見えたぞ)

タクミ(そう、1番はお前の番号だ! しっかり隠しておくべきだったな!)

タクミ(さぁ、僕にひざまづくがいい!)

恵「わ、私は負け犬ですタクミ様……私は負け犬ですタクミ様……私は負け犬ですタクミ様……」

タクミ「い、いえそんな……って、ちょっと待て幸平! お前の番号はいくつだ!」

創真「俺? 7番だけど」

タクミ(し、しまった! 1と7を見間違えた!)

恵「お、王様の命令だもんね、仕方ないよね……ぐすっ……」

郁魅「サイテーだなお前」

えりな「呆れたものね」

アリス「ていうかこれ、セーフなの?」

堂島「うーむ……まぁギリギリだな」

日向子「若いうちからそんなマニアックな趣味を持っていると、ろくな大人になりませんよ」

タクミ「誤解だあああああああああああああああ!」

えりな「……何だか段々、おかしな方向に行ってません?」

日向子「気のせいですよ。それじゃ、いきますよ」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

郁魅「うっ、私か……」

郁魅「そ、そうだな……」

郁魅「…………」チラッ

創真「ん?」

郁魅「……2番は、好きな人を言う……とか……」

日向子「おぉー、来ましたねー!」

郁魅(つっても、9分の1なんてそうそう当たるわけ……)

創真「あ、俺だ」

郁魅(って、当たったよ!)

郁魅(ゆ、幸平の好きな人……)ドキドキ

恵(そ、創真くんの隙な人……)ドキドキ

えりな「…………」

アリス「気になる?」

えりな「はぁぁぁぁぁ!? そ、そんなわけないでしょ!」

アリス「そこまで熱くならなくてもいいじゃない」

創真「んー……好きっつーか、憧れっつーか、そんな感じなんすけど……」

創真「……てなわけで、いつか親父を超えたいなーって思ってるっす」

日向子「……幸平くん」

創真「何すか?」

日向子「あなたという人は! もーっ、どうしてそこでお父さんが出てくるんですか!」

創真「え? え?」

日向子「全くもう、KYですよKY!」

一色「あはは、無駄ですよ。彼はこういう人ですから」

恵「まぁ、創真くんらしいといえばらしいよね……」

郁魅(何だろう……ホッとしたような残念なような……)

えりな「ふん、つまらない話ね。子が子なら親も親で二流みたいね」

秘書子(なぜだろう……何だかえりな様、墓穴を掘っている気がする)

日向子「あなたにはガッカリです……って堂島先輩、何で満足そうな顔してるんです?」

堂島「ふっ……昔の知り合いを、ちょっと思い出してな」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

えりな「私ね」

えりな「そうね……6番は今すぐ何か私に一品、軽く作って私に食べさせなさい」

堂島「ほう、遠月らしいな」

アリス(なんだかんだで、結構楽しんでるじゃない)

創真「……お、また俺か」

えりな「ふうん、君ね。いいでしょう、急ぎなさい」

創真「よし、ちょっと待ってな!」



数分後

創真「お待たせ! ちりめんじゃこの生クリーム和えだ!」

えりな「……や、やっぱりいいわ!」

創真「そうはいきませんぜ王様。『食べさせなさい』って命令は絶対なもんで。ほらほら」

えりな「~~~~~~~~~~~~!」

秘書子「こ、こらぁー!」

秘書子「だ、大丈夫ですか!?」

えりな「うぅ……酷い目に遭ったわ……」

創真「皆さんもおひとついかがっすか?」

日向子「え、遠慮しておきます……って堂島先輩、何で満足そうな顔してるんです?」

堂島「ふっ……昔の知り合いを、ちょっと思い出してな。ところで遅くなってきたし、あと3回くらいにしておくか」

創真「へーい」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

アリス「あら、私みたい」

アリス「それじゃあ、9番は今穿いてる下着の色を答えなさい」

えりな「な、な、な、何言いだすのよ!」

アリス「あら、これくらい別にいいじゃない。そうした方が盛り上がるわよ」

日向子「うんうん、その通りですね。下着の色くらいなら問題ないでしょう」

堂島「そ、そうなのか……?」

えりな「だ、ダメよダメダメ! そんな質問!」

一色「……うん、そうだね。残念ながらその質問には答えることは無理だ」

一色「なぜならっ! 9番の僕は、見ての通り今下着を穿いてないからさ!」

アリス「あらら……よりによって、裸エプロン先輩に当たっちゃうとはね」

郁魅「ふぅ、びっくりした……」

タクミ「ある意味、平和的に解決したな」

アリス「ちぇっ、えりなに当たれば面白かったのに」

えりな「ふ、ふざけないで! そんな質問、答えるわけないでしょう!」

アリス「あら、王様の命令は絶対よ。それともあなたは、ルールも守れないのかしら?」

えりな「なっ……馬鹿にしないで! 私はどんな命令でも、ちゃんと従うわよ!」

秘書子(えりな様……それはちょっとチョロすぎるのでは……)

堂島「さて、ラス前だ」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

恵「あ、私だ」

恵「えっとね……それじゃあ皆さんも少しお疲れかもしれないし、4番の人はみんなにお茶を淹れてください」

日向子「め、恵ちゃ~ん……なんていい子なのでしょう……」

創真「さすが田所だな」

秘書子「4番です。常識的な命令で助かりました」



数分後

秘書子「どうぞ、えりな様」

えりな「ありがとう」

秘書子「どうぞ、ゆ・き・ひ・ら・さ・ま!」

創真(な、何か言葉がトゲトゲしいような……気のせいか……?)

堂島「さて、最後の一回だな」

えりな「このまま穏便に終わってほしいものね」

アリス「面白い命令、期待してるわよ」



「「「「「王様だーれだ!」」」」」

日向子「引きましたー!」

タクミ「最後の最後で乾先輩か……何か不安だな」

日向子「大丈夫です。そんなに大した命令ではないですから」

秘書子「だから不安なんですけど……」

一色「どんな命令ですか?」

日向子「はい」



日向子「二人でお互い抱き合い、熱い口づけを交わしてください」

創真「大したことありまくりだったぁ!」

郁魅「な、な、何なんだその命令は!」

一色「公序良俗という言葉に、真っ向から喧嘩を売ってますね」

日向子「えー、最後なんだし少々刺激的な方が面白いじゃないですか」

堂島「いや、さすがにそれは少々と言えるレベルでは……」

アリス「……ところで、何番?」

日向子「えーっと、そうですねぇ……じゃあ2番と、6番で」



創真「あ」

タクミ「あ」

創真「タ、タクミ……お前まさか……6番?」

タクミ「ゆ、幸平……まさか2番か?」

創真「た、タンマタンマ! 冗談じゃねえよ!」

タクミ「無し無し! この命令は無しだ!」

日向子「男子同士でしたか。それならますます、何も問題ありませんね」

堂島「そ、そう……なのか……?」

創真「問題ありまくりだっつーの!」

タクミ「みんなも何か言ってくれよ!」

恵「うわわ……男の子同士でキスって……」

郁魅「ま、マジでやるのか……」

秘書子「す、凄いです……」

アリス「なかなか面白いものが見られそうね」

タクミ「何で満更でもなさそうなんだ!」



一色「……ん? ちょっとその番号札、見せてくれないか?」

タクミ「えっ……はい」

一色「これ、6番じゃないよ。9番だね」

堂島「間違えて逆に読んでしまったようだな」

日向子「あら、タクミ君じゃなかったんですか……何だかちょっと残念なような……」

タクミ「た、助かった……」

創真「えっと……それじゃあ6番は誰だ?」

タクミ「僕は9番で……」

創真「俺は2番だよな」

日向子「私は王様ですから違いますね」

一色「僕は3番だね」

堂島「7番だな」

郁魅「よ、4番……」

アリス「1番ね」

恵「私は2番です」

秘書子「えっと……8番です」

郁魅「全員違うな」

恵「あと、言ってない人は……」

えりな「」

秘書子「……えりな様?」

えりな「」

アリス「ちょっと番号札、見せてもらえるかしら?」

えりな「」ポロッ



『6』

郁魅「全員違うな」

恵「あと、言ってない人は……」

えりな「」

秘書子「……えりな様?」

えりな「」

アリス「ちょっと番号札、見せてもらえるかしら?」

えりな「」ポロッ



『6』

ごめん上のはミス



一色「おやおや、薙切くんだったようだね」

えりな「や……や……やるわけないでしょこんな命令ぃ!」

日向子「ダメですよー。王様の命令は絶対です」

堂島「いや、しかしさすがにこれはちょっと……」

アリス「問題ないわよ。さっきえりなは自分で『私はどんな命令でも、ちゃんと従うわよ』って言ったのだから」

アリス「いざ自分に当たったらやっぱり止めたっていうのは、筋が通らないわよねぇ?」

えりな「……! ゆ、幸平君からも何か……!」

創真「うーん、薙切かぁ……まぁさすがにタクミよりはマシか……」

えりな「って、何でやる気なのよ!」

日向子「じゃあ当事者を除いた多数決で決めましょう」

郁魅「反対だ反対! さすがにダメだろ!」

恵「そ、そうそう! やりすぎだべさ!」

秘書子「絶対に許されませんこんなの!」

アリス「いーじゃない、やっちゃえやっちゃえ」

一色「まぁ自分でどんな命令でも従うって言っちゃったしねぇ」

日向子「私は当然、賛成です」

タクミ「どうでもいい。好きにしてくれ」

堂島「う、うーむ、確かに自分でそう言ったが……いやしかし……でも……」

日向子「賛成3反対3無効2、よって王様のいる側の賛成多数ってことで」

えりな「そ、そんな……」



創真「あ、あのー……ちょっといいっすか?」

日向子「何ですか、幸平君」

創真「その……やっぱやめませんか。薙切がこんなに嫌がってるんですから」

創真「やっぱキスとか、やりすぎかなとも思うし……せっかくだから、最後は楽しく終わりたいっすから」

創真「乾先輩だって、後味悪いの嫌でしょう?」

えりな「ゆ、幸平君……」

堂島「……そうだな。彼の言う通りだ」

アリス「あらら、男らしいわね」

日向子「……そうですね。ちょっと調子に乗り過ぎちゃいました、ごめんなさい」

郁魅(ほっ……)

秘書子(ほっ……)

えりな「た、助かった……」



日向子「というわけで、キスは無し。お互いに抱き合うだけとしましょう」

えりな「……へ?」

日向子「さぁさぁどうぞ、お二方」

えりな「ちょ、ちょっと待って! どういうことですか!」

日向子「え? キスが問題なんだから、そこだけ除いたんですけど……」

えりな「は、はぁぁぁぁ!?」

郁魅「ま、まぁ……キスよりはマシだけど……」

堂島「最後だしな。抱き合うくらいすぐ終わるだろう」

秘書子「ファブリーズ取ってきます」

創真「そろそろ眠いし、さっさと終わらせて帰ろーぜ」

えりな(くっ……命令が急にグレードダウンしたせいで、みんな抵抗がなくなってる……)

一色「頑張れ、薙切くん!」

アリス「それとも、抱き合う程度の勇気もないのかしら?」

えりな「……! い、いいわよ! やってやろうじゃないの!」



日向子「さぁ、レッツゴーです!」

創真(うっ……さすがにちょっと緊張するな。てかまつ毛長いなオイ)

創真「ええと……いいのか?」

えりな「い、い、いつでも大丈夫よ!」

創真「んじゃ、失礼して……」ギュッ

えりな(~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!)

創真(うわっ、体やわらけー! なんかいい匂いもするし……)

えりな(~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!)

創真(ん、これってまるで……)



郁魅「…………」ギリギリギリギリ

秘書子「…………」ギリギリギリギリ

恵(こ、怖い……)

えりな「も、もういいでしょ!」

創真「……あ、そうだな」パッ

えりな「…………」

アリス「あはは。えりな、顔真っ赤ね」

えりな「あぁ!?」

秘書子「えりな様……おいたわしや……」

堂島「さぁ、それではお開きにしようか」

日向子「お疲れ様でしたー」

えりな「や、やっと終わった……」

秘書子「お疲れ様です、えりな様」

タクミ「散々な目に遭ったぞ……」

アリス「なかなか楽しかったわよ」

郁魅「やれやれ……」

恵「スリルあったねー」

創真「またやるんなら、ぜひ誘ってほしいっす」

一色「それじゃあ帰ろうか」

日向子(薙切さん、ちょっと……)ヒソヒソ

えりな(……え?)

日向子(幸平くんに、助けられましたね)

えりな(……! あ、あれは元はといえば乾先輩が……!)

日向子(それは、すいませんでした。ところで……)







日向子(……というわけで、頑張ってください)

えりな(な、な……)

日向子(忘れないでください。王様の命令は……)

日向子(絶対、ですよ)

翌日

創真「ふぅ、今日も終わった終わった。さて、帰るか」

えりな「ゆ、幸平君……」

創真「ん? 薙切じゃねーか、昨日は大変だったなー」

えりな(くっ、全く気にしてない……私は昨日、寝られなかったというのに……)

創真「何か用か?」

えりな「その……ちょっと来てくれない?」

えりな「よし、誰もいないわね……」

創真「何だ? 何かの話か……」



ギュッ

創真「……へ?」

えりな「…………」

創真「お、おいおい! どういうわけだこりゃ!」

えりな「その……乾先輩の命令『二人でお互い抱き合う』ってことだったでしょ……」

えりな「昨日はあなたに、その……抱きしめてもらっただけだったから」

えりな「一応、私からもやらないと……命令は、絶対だし……」

創真(うわっ、やっぱり体やわらけーな!)

えりな「そ、それと……」

創真(うん、これってやっぱ……)

えりな「き、昨日は、その……あ、ありが……」

創真「薙切」

えりな「……え?」

創真「お前の体って、シャリアピンステーキみたいだな!」

えりな「」ブチッ

創真「ただいまー……」

榊「お帰り、幸平くん」

吉野「……って、どうしたのそれ!?」

一色「ほっぺたに綺麗な紅葉があるね」

創真「いや、薙切に思いっきり引っぱたかれて」

榊「薙切さんに!? な、何があったの……」

創真「薙切を抱いた。いや、抱いてもらったのか」

恵・吉野「「え、え、えええええええええええええっ!?」」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月14日 (金) 22:22:34   ID: O3UJ5ss5

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