向日葵「赤座あかり……ッ!」(197)

櫻子「あかりちゃんありがとー! すっごく助かっちゃったよ!」ダキッ

あかり「えへへ、どういたしまして! 偶さか携行してたショーテルが思わぬ形で役に立ったよぉ」

櫻子「またまた~。そんなこと言ってあかりちゃん、ショーテル片手に颯爽と駆けつけてくれたじゃん!」

あかり「それは櫻子ちゃんが心配だからだよー」

櫻子「え、どゆこと?」

あかり「櫻子ちゃん、いっつも元気に動き回ってるからほっとけないんだぁ。つい目で追っちゃうもん」

櫻子「っ」ドキッ

あかり「えへへ」ニコニコ

櫻子「ぁ……ありが、と///」ポッ



向日葵「赤座あかり……ッ!」ギリッ

向日葵「許せません」

向日葵「許せませんわ……!」ギリッ

向日葵「私と櫻子は素直になれない関係が売りですのに」

向日葵「その隙を突いてああも櫻子を甘やかして……」

向日葵「櫻子もおバカですからコロッと懐いて……」

向日葵「」ギリリッ

向日葵「……」

向日葵「こうなったら」

向日葵「私の手で」

向日葵「……」

向日葵「赤座さんを」ギリッ

~作戦その①~

向日葵「オーソドックスに毒殺と行きましょうか」

向日葵「この、黒の教科書に名前が載るレベルのヤバげな薬を混ぜ込んだクッキー」

向日葵「どれ、香りを一嗅ぎ……」クンクン

向日葵「エンッ!!!!!!!!」ビターン!!!

向日葵「」

向日葵「はっ!?」ビクッ

向日葵「あ、危なかった……危うく天に召されるところでしたわ……」

向日葵「ですが、その効果は実証されたようなものですわね」

向日葵「他のクッキーと混ざらないようにラッピングして……」

向日葵「準備完了ですわ!」

向日葵「ふふふ……明日が楽しみですわね、赤座さん♪」

~翌日~

向日葵「あ、そういえば今日もクッキーを焼いてきたんですけど……」スッ

櫻子「クッキー!?」ジュルッ

あかり「わぁ、おいしそ~」

向日葵「」ニヤリ

ちなつ「あれ? 今日は別々にラッピングしてるの?」

向日葵「えっ」ギクリ

櫻子「あ、ほんとだ。なんで?」

向日葵「え、ええと……ふ、袋ごとに少し味付けが変えてあって……それぞれの好みに合うようになってると思いますわ!」アセアセ

あかり「へ~、向日葵ちゃん器用だねぇ」

向日葵「そ、それほどでもありませんわ! はいこれ、まずは赤座さんに!」サッ

あかり「ありがとー」ニコニコ

向日葵「い、いえ……」ニヤリ

櫻子「向日葵! 私のは、私のは!?」ウズウズ

向日葵「ああはいはい櫻子のはこれですの」ポイッ

櫻子「えっ……?」パシッ

向日葵「(今は赤座さんの毒死を見届けるのが一番重要ですの!)」ギンギン

ちなつ「じゃあ私のはこれかな? もらうねー」スッ

向日葵「ええ。お口に合うか確認したいので、よければ今ここで一枚食べてもらってもいいですか?」

ちなつ「うん、いいけど? ね、あかりちゃん」

あかり「うんっ! じゃあもらおうかなぁ」ガサゴソ

向日葵「」グッ

櫻子「ひ、向日葵向日葵! 私も食べるよ!」

向日葵「櫻子は別に今じゃなくても」

櫻子「えっ……?」

向日葵「(櫻子の好みを今更間違えるとかありえませんし)」

あかり「いっただっきまーす!」

向日葵「!」

あかり「あむっ」パクッ

向日葵「(YES! YESYESYES!!!)」グッ

あかり「……」モグモグモグ

あかり「」\アッカリーン/

あかり「……」ゴクン

向日葵「……」

あかり「……」

向日葵「あ、赤座さん。お味、いかがでした?」

あかり「……」

向日葵「……」ゴクリ

あかり「うん、とっても美味しいよ、向日葵ちゃん!」ニコッ

向日葵「!?」

ちなつ「ほんとだ、私好みの味かも!」モグモグ

あかり「ねー、おいしいよね~」ニコニコ

向日葵「(な……ば、馬鹿な……こんな事が……)」

櫻子「向日葵! このクッキー、すっごくおいしいね!」

向日葵「(確かに毒は入れた筈……あの匂いからもそれは間違いない……)」

櫻子「甘さもちょうど私の好きな感じだし……」

向日葵「(渡す袋を間違えた? それもありえない。他のふたりも平然としているし……)」

櫻子「……で、でねっ! 私、いつも文句ばっか言ってるけど……ほんとは向日葵のクッキー、す、好――」

向日葵「ああもう、うるさいですわっ!」ガッ

櫻子「っ!?」ビクッ

向日葵「(とにかく作戦その①の失敗は確定。早急に次の作戦を……)」イライラ

櫻子「……」ジワッ

向日葵「……ちょっとお手洗いへ」ガタッ

櫻子「ぅ……ぁあ……」プルプル

櫻子「ぅぁぁぁぁぁ……」ポロポロ

~作戦その②~

向日葵「とくれば次は爆殺ですわね」

向日葵「ここに取りい出したるは」ゴソゴソ

向日葵「西垣先生謹製の地球はかいばくだん」ドンッ

向日葵「先生から(ごく平和的な手段で)借りたコイツで……」

向日葵「BOM☆」

向日葵「ですわ!」グッ

向日葵「あのメァッドュォサイエンティストの発明品なので正常に機能するか否かが問題ですが……」

向日葵「まあそれはダメで元々、爆発さえしたならこちらのものですわ」

向日葵「ククク……見ていなさい、赤座あかり……ッ!」ギンッ

~昼休み~

ちなつ「じゃああかりちゃん、私たち先に行くね」

櫻子「体育館で待ってるよー」

あかり「あぁん待って~、お団子が、お団子が引っ掛かって着替えられないよぉ~」モタモタ

向日葵「……」

向日葵「(来た! 絶好の機会!)」

向日葵「(脱ぎかけの制服に視界を遮られた赤座さん、体育の授業を控えて無人の教室)」

向日葵「(そしてこの手に地球はかいばくだん!)」

向日葵「(赤座さんの足元に置いて……)」ソッ

向日葵「」サッ

ガラッ ピシャッ ピシャッ

向日葵「(廊下に退避完了!)」

あかり「あ、待って、まだ閉めないでぇ~」モタモタ

向日葵「……」

向日葵「さようなら、赤座さん」ポチッ

ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!

向日葵「……!!」ビリビリ

向日葵「(すごい衝撃……! 西垣先生、やる時はやりますのね!)」

向日葵「((ごく平和的な手段で)爆弾を借りる直前、『あれぇ? おっかしいなあ、育毛剤を作ってたのになぁ……』と言ってたのはこの際聞かなかったことにしておきますわ!)」

向日葵「(この爆発の中ではさしもの赤座さんとて回避不可能! お陀仏確定! 極楽浄土へA列車で行こう!)」

向日葵「(ちなみにこの場合の『A列車で行こう』はゲームでなくジャズの楽曲の方ですの)」

向日葵「!」

向日葵「(煙が晴れますわ……)」

モクモク...

向日葵「……」

モク...

向日葵「……」ゴクリ

...ザッ

向日葵「!?」

あかり「ぶっひぇ~! 危うくA列車であの世行きだったよぉ~」\アッカリーン/

向日葵「ぁ……な……!?」ワナワナ

あかり「あぁっ!? 爆発のせいであかりのお団子がアフロになってる! お団子だけが!」

向日葵「そんな……なんで……!?」ガクガク

あかり「……でも、これでもしかして少しはキャラが立つかも?」

向日葵「あの爆発の中で生きていられる訳が……」ブルブル

あかり「あっ、向日葵ちゃん!」

向日葵「!」ビクゥ

あかり「まだ廊下にいたんだぁ。もしかして待っててくれた?」トテトテ

向日葵「ぁ……その……ぇ、ええ、まあ……」シドロモド

あかり「えへへ、ありがとっ。じゃあ行こっか」

向日葵「……そう、ですわね……」

あかり「しゅっぱーつ☆」

向日葵「……」

向日葵「(また失敗……いったいどうして……?)」

~作戦その③~

向日葵「撲殺」

向日葵「殴って」

向日葵「殺す」

向日葵「この」

向日葵「なんでも出来ちゃうバットで」スチャッ

向日葵「殴って」

向日葵「殺す」

向日葵「ユーノウ?」

向日葵「アイノウ」

向日葵「オーケー」

向日葵「レッツパーリィ!」ダッ

~放課後~

ズダダダダダダダダダダダダダダ...

あかり「ん?」

向日葵「南無三!!!」ブゥンッッッ

あかり「――」



スカッ



向日葵「!?」

あかり「向日葵ちゃん」

向日葵「」ビクッ

あかり「そこで何をしてるの?」

向日葵「……」

あかり「ねぇ」

あかり「そこで」

あかり「床に」

あかり「その」

あかり「なんでも出来ちゃうバットを」

あかり「打ち付けて」

あかり「……」

あかり「どうしたの?」ニコッ

向日葵「……!!!」ガタガタガタガタ

向日葵「(何)」

向日葵「(何。何。何)」

向日葵「(今。一体。何。が?)」

向日葵「(私。私は、振り下ろして、バット。釘が。赤座さんを狙って。間違いなく。なのに)」

向日葵「( 赤 座 さ ん は 後 ろ に い た )」

向日葵「(避けたとか、動いたとか、全部ちがう。 い た 。振り下ろした瞬間には、もう)」

向日葵「(……なに、これ)」

向日葵「(どうして、こんな……)」

あかり「向日葵ちゃん」

向日葵「――」

ギュッ

向日葵「!?」

あかり「……つかまえた♪」

向日葵「あ、赤座さ、んっ!?」ピクンッ

あかり「あれぇ? どうしたのかな、向日葵ちゃん」ツゥー

向日葵「んん、赤座さん、やめっ……」モゾッ

あかり「やめて? そんなこと言えるんだぁ。あかりを何度も殺そうとしたのに」

向日葵「!?」

あかり「あは。気付いてないと思った? クッキーはともかく、目の前に爆弾を置かれて気付かない人はいないよぉ」

向日葵「み、見えてましたの……!?」

あかり「足元だったしね。前は見えなくても下ぐらいは見えるよ」

向日葵「……!」

あかり「……そ・れ・で」サワッ

向日葵「ふぁ……!?」ピクッ

あかり「どうしてくれるのかなぁ。あかり、これから毎日向日葵ちゃんに狙われなくちゃいけないのかなぁ? ふええ、怖いよぉー」サワサワ

向日葵「だ、だめっ……や、いやぁ……っ」ピクピク

あかり「はーっ……向日葵ちゃん、あったかくていい気持ち。ふぅっ」フッ

向日葵「んひぁ!?」ビクンッ

あかり「……なんてね」パッ

向日葵「っ!」トサッ

あかり「……」ニコニコ

向日葵「あ、赤座さん……?」

あかり「本当はね、全部わかってるんだよ?」

向日葵「え……」

あかり「向日葵ちゃん、あかりに櫻子ちゃんを取られたくないんでしょ?」

向日葵「っ!」

あかり「あはは、図星だぁ」

向日葵「……っ」

あかり「……ごめんね?」

向日葵「え」

あかり「あかり、わかっててもついつい櫻子ちゃんに優しくしちゃうから。向日葵ちゃんが怒るのも当たり前だよね?」

向日葵「そ、それはっ」

あかり「いいよ、向日葵ちゃん」

向日葵「っ」

あかり「これからはあかり、あんまりやりすぎないようにするから」

向日葵「赤座さん……」

あかり「だから」

あかり「向日葵ちゃんはその分も、櫻子ちゃんに優しくしたげて?」ニコッ

向日葵「……!」

あかり「じゃあ、あかりは部活に行くから」スッ

向日葵「!」

向日葵「ま、待って!」

あかり「えっ?」

向日葵「……待って、ください……」

あかり「向日葵ちゃん、どうしたの?」

向日葵「……」

あかり「……?」

向日葵「……私を」

あかり「?」

向日葵「私を……弟子にしてくださいっ!!」

あかり「」

あかり「……」

あかり「ええーーーっ!?」

~翌日~

あかり「……確認するけど、本当にあかりの弟子になりたいの? 向日葵ちゃん」

向日葵「はい」

あかり「本気で?」

向日葵「本気ですわ」

向日葵「昨日、赤座さんが見せてくださった包容力、深い優しさ……」

向日葵「それらすべては、今の私に欠けているものです」

向日葵「赤座さんの下で修行を積むことで、それを手に入れられたなら……」

向日葵「私は、今より少しだけ、櫻子に近づけると思うんですの」

向日葵「だから……」

あかり「……わかった」

向日葵「えっ?」

あかり「向日葵ちゃんの気持ちはよーくわかったよ」

あかり「……あかりは、厳しいよ?」ニコッ

向日葵「ぁ……はいっ!」

あかり「じゃあまずは、あかりの顔を殴ってみて?」

向日葵「オラッシャア!」ブゥンッ

スカッ

向日葵「!?」

あかり「こっちだよ」\アッカリーン/

向日葵「ま、また……一体どうやって!?」

あかり「ふふ、焦らない焦らない。向日葵ちゃんにもいずれはこれを習得してもらうんだから」

向日葵「えっ……?」

一休み一休み。30分くらい

あかり「まずは向日葵ちゃんの一番の疑問を解消しちゃおうかな」

向日葵「は、はあ……」

あかり「『どうやって向日葵ちゃんの奇襲を回避し続けたか』」

向日葵「!」

あかり「簡単だよ。まず最初のクッキーね」

あかり「これは、飲み込む寸前に」

\アッカリーン/

あかり「して、毒さんにあかりの存在を認識できなくさせたの」

向日葵「え?」

あかり「次に爆弾だけどー、これも爆発の瞬間に」

\アッカリーン/

あかり「して、爆発の衝撃から逃げたの」

向日葵「」

向日葵「え?」

あかり「最後は言わなくてもわかるよね!」

向日葵「……バットが当たる、直前に……?」

あかり「うんっ」

\アッカリーン/

あかり「したんだよ!」

向日葵「………………」

あかり「向日葵ちゃん? どうかした?」

向日葵「……あの……」

向日葵「……」

向日葵「……いえ……」

あかり「? 変な向日葵ちゃん」ニコニコ

向日葵「くっ……!」グヌッ

~STEP1~

あかり「あかりへの第一歩! それは笑顔! あかりといえば笑顔だよね!」

向日葵「自分で言いますのね……」

あかり「さあ向日葵ちゃん、いっしょに!」ニコッ

向日葵「は、はい! こう、ですの?」ニコ...

あかり「うーん……ちょっと違うかな?」

向日葵「ち、ちがいますか」

あかり「ちょっとね。あかりの言う通りにしてみてくれる?」

向日葵「わかりましたわ」

あかり「じゃあまず、もうちょっと目尻を垂れ下げて? それと口角は吊り上げて……そうそう、まるで変質者のように」

向日葵「いやな喩えですわ……」ニマァ

あかり「うん! グッと良くなったよ! これなら櫻子ちゃんもいちころだねっ!」

向日葵「い、いちころだなんて……///」ニマァ

~STEP2~

あかり「さあ、ここからは一気に難易度を上げていくよー!」

向日葵「急ですわね……それで、何をしますの?」

あかり「スカートめくり」

向日葵「えっ」

あかり「スカートめくり」

向日葵「なにそれこわい」

あかり「なにって、あかりしょっちゅうやってるよ?」

向日葵「えっ」

あかり「ほら」\アッカリーン/

ピラッ

向日葵「きゃあああっ!?」バッ

あかり「あはは、桜色だー」ニコニコ

向日葵「ま、まったく反応できませんでしたわ……!」

あかり「とまあこんな具合に、あかりは持ち前の存在感のなさを逆手に取って日々を面白おかしく過ごしてるんだよ」

向日葵「驚愕の事実ですわ……」

あかり「だから向日葵ちゃんもあかりを目指すなら誰にもバレずにスカートめくりが出来るようにならなくちゃ」

向日葵「えぇー……」

あかり「さあ、櫻子ちゃん相手にレッツトライ!」グッ

向日葵「……へ、ぇえぇぇええええ!?」

あかり「レッツトライ!」グッ

向日葵「むむむムリですわ! 出来ません!」

あかり「えー?」

向日葵「えーじゃなくて! だいたい、私はまだ赤座さんの極意を何も学んでいませんし、この状態でスカートめくりをしても……」

あかり「うん、絶対バレるね」

向日葵「なら――!」

あかり「でもね、向日葵ちゃん」

向日葵「え?」

あかり「最初はバレる所から始めるんだよ? そうしないと、どうすればバレないか、を理解できないもん」

向日葵「そ、それは……一理あるかもしれません、けど……!」

あかり「恥ずかしい?」

向日葵「あ、当たり前ですわっ」

あかり「だよねぇ。あかりだって最初は恥ずかしかったもん」

向日葵「……赤座さん、も?」

あかり「もちろん。だからね、そんな時の対処法も一緒に教えたあげる!」

向日葵「対処法……?」

あかり「うん。あのね――」

……

向日葵「……では、往ってきます」キリッ

あかり「向日葵ちゃんファイトっ」

× 教えたあげる
○ 教えてあげる

ザッ

向日葵「……」

櫻子「あ、向日葵。なんか用?」

向日葵「……」

櫻子「?」

向日葵「……」

櫻子「ちょっと、どうかした? 無視すんなって」

向日葵「……」

櫻子「ねえ、返事してよ……怒ってるの?」

向日葵「……」グッ

櫻子「え、ひまわ」


向日葵「アッカリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!」


バサァッッッ

櫻子「!!!!!!!!!」

向日葵「」

櫻子「~~~っ!?///」バッ

向日葵「(黄色とオレンジのチェック……)」

櫻子「ひ、ひ、ひ、向日葵っ!?」カァァ

向日葵「(可愛いですわ……)」

櫻子「ななっ、何すんの!? こんな、人前で、ひどい……」ウルウル

向日葵「(あああ、櫻子が涙目に!)」

櫻子「ぅ……ぐすっ、ふぇええ……」メソメソ

向日葵「」ゾクゾクゾクゾクゾク

櫻子「ひどいよぉ……ひまわりのばかぁ……」シクシク

向日葵「(ぁ……そうでしたわ、こんな時の対処法を……櫻子の肩を叩いて、視線をこちらに向けさせて、からの……)」ポンポン

櫻子「ふぇ、なに……?」グジュッ

向日葵「(笑顔!)」ニマァ

櫻子「」

タッタッタッタッ

向日葵「師匠! やりましたわ!」グッ

あかり「上出来だよ向日葵ちゃん!」グッ

向日葵「向こうの方で櫻子がさめざめと泣いてますけど、本当に上出来ですの!?」

あかり「これ以上ないくらいに良い立ち上がりだよ!」グッ

向日葵「ありがとうございます!」

あかり「これは奥義習得も時間の問題だね!」

向日葵「はいっ、がんばりますわ!」グッ



櫻子「ぅぅぅ……」サメザメ

~STEP3~

あかり「次は更に難易度あげてくよー!」オーッ

向日葵「こ、こうなったらなんでもやってやるですの!」ダーッ

あかり「その意気だよ向日葵ちゃん!」

向日葵「はい! それで、次は何を!?」

あかり「痴漢!」

向日葵「」

あかり「……あれ? どうしたのかな向日葵ちゃん、ちゃんと元気よく返事してくれないと」

向日葵「……」ピ、ポ、パ

あかり「待って」パシッ

向日葵「は、離してください!」

あかり「なにしようとしてたの?」

向日葵「け、警察に電話ですわ!」

あかり「やめてよぉ」

向日葵「やめる道理がありません! この古谷向日葵、次期生徒会副会長として目の前の悪を看過することなど!」

あかり「やめてよぉ。それに犯罪じゃないから問題ないよぉ」

向日葵「……ど、どういうことですの……?」

あかり「うん。あのね」

向日葵「……」

あかり「身内とお友達にしかやってないから」

向日葵「おまわりさーん!!!」

あかり「普段はクールな結衣ちゃんや色気とは無縁な京子ちゃんがあかりの見えざる手に陵辱される様は正直そそったよぉ」

向日葵「お、おまわりさあああああああん!」

あかり「だからやめてってば」\アッカリーン/

モニュンッ

向日葵「ひぁああッ!?」ピクンッ

(どう? これがあかりの極意の一端だよ)

向日葵「(ぁ、頭の中に直接……)んっ!」

(このまま向日葵ちゃんを一人で悶える痴女に仕立て上げることも出来るけど……どうする?)

向日葵「そ、そんな、のっ……ふぅ、んあっ……!?」

(どうするどうする、君ならどうする?)

向日葵「わ、わかりまし、ひぅ!? った、からぁ……っ、やめ、もう、いやぁ……」

あかり「わかってくれたんなら嬉しいよぉ~」

向日葵「……」ハァハァ

あかり「じゃあ、今回はあかりがお手本を見せてあげるね?」

向日葵「えっ……?」

あかり「んん? お手本なんていらなかった?」

向日葵「いっいえ! そうではなく……あの、お手本って……やっぱり、櫻子を……」

あかり「ああ……大丈夫だよ、向日葵ちゃん! 櫻子ちゃんには手を出さないから!」パァッ

向日葵「ぁ……そうなんですか……」ホッ

あかり「」ニコニコ

向日葵「……でも、だったら誰に?」

あかり「あかりはし慣れてる人がいるから」

向日葵「し慣れてる……人?」

あかり「」ニコッ

ヽ('A`)ノ ユリユララララユルユリ
  ( )へ
 くω ユラユラ

         ヽ('A`)ノユリユララララユルユリ

          へ(  )
         ユラユラ ω>

ヽ('A`)ノ ユリユララララユルユリ
へ(  )へ
  ω ユラユラ

       __[警]

        (  ) ('A`) ダイジケン・・・・
        (  )Vノ )
         | |  | |

\アッカリーン/

ちなつ「ふにゃぁっ!? ま、またっ……!?」

ちなつ「やだ……お尻ばっかりむずむずして……ぁんっ……」

ちなつ「う、くぅん……!? だ、だめっ! そこはまだ、にゃぁん!?」

エーチナツチャンドウシタノーダイジョウブー?
ナンカエロクナイ? エロイエロイ
インランダ、インランピンクダ

ちなつ「ぁ、違ぁっあっあっ……も、やめてぇ……!」

向日葵「す、すごい……」

向日葵「あの歩く同性愛者こと吉川さんを、まるでオフィスレディの尻を撫でるが如く……」

向日葵「これが……赤座さんの力……」

向日葵「……」ゴクリ

あかり「こんな感じかなぁ」ユラッ

向日葵「」ビクッ

あかり「さ、向日葵ちゃんもやってみよ?」

向日葵「は、はい……」

あかり「ん、今度はムリとか言わないの?」

向日葵「ええ……そもそも、自分から頼み込んで弟子入りしたんですし」

向日葵「こうでもしないと、私から櫻子に歩み寄るなんて出来ませんから……」

あかり「向日葵ちゃんえらい!」

向日葵「……往ってきますわ」ザッ

あかり「」ニコニコ

向日葵「……」スススッ...

櫻子「でさーくさくってさー」アハハ

向日葵「……」スッ...

ピト

櫻子「そうそう。で、頭に赤い洗面器を乗せた人が――ん?」ピクッ

向日葵「……」

サワサワ

櫻子「~~~っ!?」ゾワゾワゾワ

向日葵「……」

櫻子「……!」クルッ

向日葵「……」

櫻子「……」



向日葵「」ニマァ

櫻子「」

~放課後~

あかり「じゃあ、今から最後の教えを伝えるね」

向日葵「最後!?」

あかり「うん。これを覚えればもうあかりから教えることはないよぉ」

向日葵「は、早過ぎでは……? 私、櫻子のスカートめくったりお尻をまさぐったりしかしてないんですけど……」

あかり「十分十分。向日葵ちゃん飲み込み早いし、大丈夫だよぉ」

向日葵「そうでしょうか……」

あかり「自信持って! 師匠のあかりが太鼓判を押してあげるから」ニコッ

向日葵「わ、わかりました……」

あかり「じゃあ教えるね……赤座流の真髄を……」スッ

向日葵「え……赤座さん、お団子を両手で掴んで何を――」

あかり「ふんっ!」ブヂッ

向日葵「!?」

\アッカ.. .

向日葵「」

向日葵「……」

向日葵「……?」

向日葵「あれ……私……?」

向日葵「いったい何を……」



向日葵「……今まで、誰と……?」

.. . ッリーン/

あかり「えい☆」スチャッ

向日葵「!?」ビクゥッ

あかり「」ニコニコ

向日葵「あ、赤座さん……?」

あかり「なぁに、向日葵ちゃん?」

向日葵「わ、私……ずっと赤座さんと一緒でしたわよね?」

あかり「そうだねえ、ついさっきまでは一緒だったよー」

向日葵「まで、って……じゃあ、今は……」

あかり「うん。向日葵ちゃんは記憶の中ですらあかりの存在を見失ってたんだよ」

向日葵「……!」

あかり「これがあかりの最大奥義」

あかり「お団子――その人にとっての最大の特徴を放棄することで、この世界そのものから存在感をかき消す技」

あかり「あかりはこれを、アッカリン零式と呼んでるよ」

向日葵「」

あかり「じゃあ、向日葵ちゃんもやってみようか」

向日葵「え、や、やってみようかと言われましても……」

あかり「どうしたの?」

向日葵「いえ、その……わ、私の最大の特徴、って……?」

あかり「……」

向日葵「……」

あかり「……ぷっ。あははははははははっ!」

向日葵「!」

あかり「向日葵ちゃんの最大の特徴? そんなの決まってるよぉ」\アッカリーン/

向日葵「ま、また消え――!」

ムニョン

向日葵「ひゃうん!?」

あかり「これ……だよねぇ?」

ムシリッ

向日葵「――」






























 

あかり「……これは独り言だけどね」

あかり「あかり、櫻子ちゃんのこと好きなんだぁ」

あかり「結衣ちゃんと京子ちゃんとちなつちゃんの次、くらいだけど」

あかり「だからさ。ほら、向日葵ちゃんが、ね?」

あかり「このおっぱいがあれば櫻子ちゃん、あかりでもいいって言ってくれるかな?」

あかり「よいしょ、っと」スチャッ

あかり「うわぁ! すごい、おもーい! おっきーい!」ボヨヨン

あかり「間違いないよぉ、これなら櫻子ちゃん、ぜったい喜んでくれる」

あかり「まあ、そういうことだから」

あかり「じゃあね、知らない誰かさん♪」

ガラッ ピシャッ

……

…………

………………

(あ――赤座あかりィいイィィいイィイイぃィぃいイいいいィイいいイ!!!!!!!!!!)

(……)

(身体が軽い)

(おっぱいがないから)

(……)

(だけ、じゃ、ない)

(私が、なくなっていく)

(うすくなる、かるくなる、もろくなる)

(きえる)

(――)

(きえる?)

(いや、だ)

(消えたくない消えたくない消えたくない)

(消えたく、ない!)

(歳納先輩、船見先輩!!!)

京子「うひゃっ!?」

結衣「な、なんだ? 扉がいきなり……」

京子「あ、あかりかな? おーい、アッカリーン?」

(私です先輩、古谷です!)

結衣「どう?」

京子「んー……いないっぽい」

(ここです、ここにいます! お願い、気づいて……!)

結衣「そっか。だったら……」

京子「ん。もう少しだけ……」

結衣「ああ。おいで」

京子「ゆいーっ」

結衣「ふふっ……しょうがないな、京子は」

京子「~♪」

(このクッソレズがぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

(杉浦先輩、池田先輩!!!)

綾乃「ぁっ……だめ、だめよ千歳、そんなぁ……」

千歳「そんなこと言わんと……なぁ……スケベしようや……」

綾乃「んっ! やぁ、そこ、見ちゃだめ……お願い凱旋門……っ!」

千歳「ええやん……なぁ……ええやん……」

(横恋慕メガネと尻軽チョロもみあげ!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

(先生! 会長!)

西垣「ああ、綺麗だぞ松本……」

りせ「……」

西垣「え? 綺麗より可愛いの方がいい? 意外とワガママだな」

りせ「……」

西垣「ああ、別に構わんよ。可愛いぞ、松本」

りせ「……奈々さん……」

(キェアアアアアアアアアアアアアアアアシャベッタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

(撫子さん!!!)

撫子「はぁ……はっ、ぁ……」

撫子「ぅ、ん……いま、胸……ずっといじって、もう、おかしくなりそう……」

撫子「……るさいっ。電話越しでとか、言い出してきたの、ぁ、そっち……く、ぅっ……!」

撫子「へ、変態なのは、んぅ、お互い様……っ」

撫子「……やめ、やわらかそうとか、いまゆうなぁ……!」

(上級者すぎる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

まだ深夜31時だよぉ

(楓……楓ー!!!)

花子「かえでぇっ、もっと、もっとぉ!」

楓「花子ちゃん、ベッドの上では子猫ちゃんなの」

花子「ああーっだれうまーっ!」

(何が!!?!!?!!?!!?!!?!!?!!?!!?)

(も、もうダメですわ……)

(誰も私の声なんて聞こえない、好き勝手に色ボケ放題……)

(ああ、なんだか気が遠くなってキマシタワー……)

(私、このまま、消える、の?)

(誰も知らないまま)

(誰にも知られないまま)

(誰との繋がりもない、まっさらなまま)

(誰とも別れを交わさないまま)

(誰、と

――

……櫻子……

さよな

櫻子「あれ、向日葵なにしてんの?」

向日葵「えっ?」

櫻子「……」モシャモシャ

向日葵「……」ポカーン

櫻子「……」モシャモシャ

櫻子「」ゴクン

櫻子「」キュップイ

櫻子「だから、なにしてんのって」

向日葵「さ、櫻子……あなた……」プルプル

櫻子「?」

向日葵「私のことが、見えますの?」

櫻子「はあ?」

向日葵「だって私、あの、お、おっぱい、取られっ……」チラッ

ボヨヨ~ン

向日葵「おっぱいおっきい!!!!!!!!!」

櫻子「イヤミか!!!!!!!!!!!!!!!!!」

向日葵「櫻子、櫻子! ほら見て見て、私おっぱいおっきい!!!」バルンッッッッッッッッッッッッッ!!!!!

櫻子「うっせー見せつけんじゃね……でけえ!!!!!!!!!!」

ガチャッ

花子「ちょっと櫻子、人んちでうるさすぎるし……でけえ!!!!!!!!!!」

楓「お、おねえちゃんっ? 帰ってたの、おかえ……でけえ!!!!!!!!!!!!」

ガラッ

撫子「あんたたち、隣まで筒抜けだか……でけえ!!!!!!!!!!!!!!」

向日葵「やったぁ、戻ってこれた! おかえりおっぱい! ただいま櫻子ーっ!」ダキッ

櫻子「むきゅぅ!? な、なまちちっ、苦しっ……!!!」

「「「おおお……」」」ゴクリ

櫻子「ちょ、ねーちゃん花子楓! おおおじゃねーって! 死ぬって! 窒息するって! ギブギブギブギブー!」ヒー

向日葵「……あのね、あのね櫻子っ」

櫻子「もがもがもが」

向日葵「私、今まで言えなかったんだけど……けど、私……」

向日葵「……私、櫻子のことが――!」

あかり「……」

あかり「正直、想定外だったよぉ」

あかり「まさか櫻子ちゃんが、おっぱいナシでも向日葵ちゃんを見つけられるなんて」

あかり「少し、あのふたりを甘く見てたかな?」

あかり「向日葵ちゃんが復活した瞬間、あかりのおっぱいも元に戻っちゃったし……」

あかり「やっぱり愛の力は偉大だなぁ」

あかり「……」

あかり「あかりも当分は――」

サワサワ

ちなつ「ぅにゃんっ!? ま、またぁ!?」

あかり「ちなつちゃんのお尻で我慢しておこうっと」\アッカリーン/

\オッワリーン/

乙!楽しかった
ところで普通の同性愛者は歩かないの?

>>189
そのツッコミを心待ちにしていた

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom