実験モルモット (10)

第一話 暗闇
キィィィィ
黒板を爪で引っ掻いたような不快な音で、目を覚ました。
けれども目を開けたはずなのに広がるのは真っ暗闇。
確かめるようにまた目を瞑った
(3.2.1...)俺は心の中で数えた。
恐る恐る目を開けた。
眼前に広がるのは不安を仰ぐような暗闇。
何度か繰り返し同じ事をしてみたけど、
結局は暗闇でしかなかった。
俺は何かを探るように手足を動かした。
それはまるで、自分ではまともに動けない、生まれて間もない赤子のように恐る恐る、あるいは勇敢に何も見えないこの場所を探るように。


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だけど何も触れない。
苛立たしい。
触覚があるはずなのに、何も感じられない。
視覚も触覚も刺激がないと、どこか不安で頭がおかしくなる。
ー無だーーー

でも確かに俺は存在していた。
苛立つ心は感じれた。
それだけでホッとできた。

どのくらい時間が経ったのか、それを調べる術も今はない。

(くそっ!なんなんだよここ)

俺は既に限界だった。

第二話 光明

パァッ

(うっ、)
急に目の前が白くなった、俺は少しずつ目を開けた。

光だ!
俺は嬉しくなった、それと同時に怖くもなった。
知りたい知りたいと思っていても、いざ真相がわかる時、誰しも怖くて逃げたくなるもの。
さらにはそれが自分の行動によってではなく、急に誰かに目の前にこれが真相だよ。
なんて叩きつけられたら恐怖のほうが勝つのは至極当然。

だが光だ。
光とはなんて暖かい、誰だって光の下に居たいと思うもの。
今までの暗闇に比べれば、それはまるで天国。

僕は目を開けた。
周りをキョロキョロ見回した。
(何だよここ)
そこは四角い広くも狭くもない部屋のようだった。

何もなかった
普通なら部屋にあるようなものがなにも。
窓も扉もそこにはなかった。

(何なんだよ!)
僕はどうすればいいんだろう。

こんな事なら暗闇のままで良かった。
こんな事、見えない方が良かった。

でも知ってしまった。
見てしまった。

なにか隅々まで探せばなにかあるかもしれない。
そんな淡い期待を胸に僕は壁伝いに部屋を一周した。

なにもなかった。
僕は項垂れて座り込んだ。

何これ?

続き無いの?

第三話 一声

キィィィィ
(うわっ)
またあの音だ。
僕は身震いした。

(どこから聴こえるんだ?)
僕は周りをキョロキョロ見回した。

するとさっきまでは確かに何もなかった壁に小さい窓がある。

僕は恐る恐るゆっくりとその窓に近づいた。

窓を覗こうとしたその時だった。

ガガガガガ、、、
ピィーン

(な、なんだ?)

僕は音のする方向を見た、そこにはスピーカーみたいなものがあった。

(さっきまで確かになかったはずなのに、どうなってんだ?)

僕が不思議に思っていると

「あー、あー。ごほん。聴こえてる?」

第三話 一声

キィィィィ
(うわっ)
またあの音だ。
僕は身震いした。

(どこから聴こえるんだ?)
僕は周りをキョロキョロ見回した。

するとさっきまでは確かに何もなかった壁に小さい窓がある。

僕は恐る恐るゆっくりとその窓に近づいた。

窓を覗こうとしたその時だった。

ガガガガガ、、、
ピィーン

(な、なんだ?)

僕は音のする方向を見た、そこにはスピーカーみたいなものがあった。

(さっきまで確かになかったはずなのに、どうなってんだ?)

僕が不思議に思っていると

「あー、あー。ごほん。聴こえてる?」

何か上手く書き込めないな

僕以外の誰かの声だ。
ここで目を覚まして初めての視覚への刺激に僕は喜んだ。

「聴こえているの?」
その謎の誰かの声が僕にといかける。

(聴こえてるよ。てかここはどこなんだ!あんた誰だよ!)

「なるほど、カメラで見る限り口は動かしてる。
と、なると、そーゆーことね。」

(どーゆー事だよ!てかカメラって、どっかで僕を見てるのか?)

「ふふっ、怒ってるの?それとも困惑してるの?」

(どっちもだよ!ここはどこなんだ!)

(なんで何も答えてくれないんだ?)

スピーカーの奥で笑い声が聴こえた

(なんだよ!)
ガッ!

僕は壁をできる限りの力で蹴った。

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