ギーグ「マミサン……。」マミ「ギーグさん」(123)

──シャルロッテ戦
マミ「ティロ・フィナーレ!」ドゴォ
シャル「……。」ズドォォン!
さやか「やったぁ!」
ズルリ……!

シャルロッテ「んぐぁ」カパァ

まどか「あ……!」
マミ「(やられる!?助け──)」

……マミサン……。

まどか「!?」

ガガガッ……ビイィーーーーッッ
さやか「なに!?この不協和音!風景が変わって……!」
シャルロッテ「!?」ガブッ!
まどか「ああ!」

さやか「いや……マミさんは無事だよ!何かが盾になったんだ!」
ギーグ「……イタイ、イタイ……。」
ギーグのこうげき!
ギーグの こうげきのしょうたいが つかめない!
シャルロッテ「ア……!」ボジュウウウ!!

マミ「魔女を仕留めた……ありがとう、ギーグさん」

まどか「……キュゥべえ、なんなのこれ……!」ガタガタ
QB「こっちが聞きたいよ」

マミ「魔女の結界が解けていく……一件落着ね」

ギーグ「アー アー アー」
ガガッ……ビピイィーーー

さやか「解けてるんですか!?さっきから不協和音するわ不気味な風景だわで全然わかんないんですけど!」

マミ「不気味だなんて失礼じゃない!彼はギーグ。私の友達よ」

ギーグ「マミサン……トモダチ……。」

まどか「えぇー……。」

さやか「だいたいマミさん、結界が解けてるってなんで分かるんですか?」

マミ「ん?ほら……あれ」

ほむら「何?これ……!何なの!?」

さやか「転校生!?」

ギーグ「ウー ウー……。」

ほむら「……ッッッ!」ガタガタ

まどか「マミさん!ほむらちゃんがかわいそうだよ!こんなのあんまりだよ!」

マミ「そうね……そろそろ解いてあげましょう」シュルシュルシュル


ほむら「あ……!」シュタッ

マミ「魔女は倒したわよ、暁美さん」

ギーグ「アケミサン……。」

ほむら「な……何?何なの?それは……!」

マミ「友達よ」

ほむら「わけがわからないわ」

マミ「わけがわからないって何よ?」

ほむら「いえ、あなた、友達って……そもそも何なのかを聞いているのよ」

マミ「何なのって……ギーグさんはギーグさんだし」

ほむら「そういう話をしているんじゃないの」

QB「それについては僕も非常に興味深いね。マミ」

マミ「キュゥべえ?」

QB「見たところ彼は魔女の結界に似た空間を形成しながら、魔女とは全く異なる存在のようだ。一体キミはどこでそんなものと知り合ったんだい?マミ」

マミ「えっと、気付いたらいたし……キュゥべえ、モノ扱いは酷いと思うわよ」

ギーグ「カナシイ……。」

QB「わけがわからないよ」

QB「……そういえばあの時」

──事故現場

マミ『う、うぅ……!』

QB『さぁ、君はどんな願いでソウルジェムを輝かせる?』

マミ『た、助け……!』

……タスケテ……。

QB『(何だろう?空耳かな?)君の願いはエントロピーを凌駕した』

キィィィィン……!

キ モ チ イ イ……。

マミ『私……助かったの?』


QB『ああ……(予想よりもソウルジェムが小さいけど……どうも妙だな)』


QB「……あの時かな」

さやか「ちょっとあたし、頭痛が……今日はもう帰りますね」

まどか「大丈夫?さやかちゃん……ごめんなさいマミさん、さやかちゃんについてきますね」ペコリ

マミ「ううん、お大事に」

まどか「また明日もお願いしますね!」

マミ「はーい……ふふ」ニコニコ

ほむら「……。」

マミ「さて……暁美さん、あなたに話があるんだけど」

ギーグ「アケミサン……。」

ほむら「……なに?」

マミ「未来から来たのよね?あなた」

ほむら「な……!?何でそれを!」

マミ「ギーグさんはね、未来予知できるマシンを持ってるの。『ちえのリンゴ』って言うんだけど」

ほむら「未来予知……?それで一体なぜ私が未来から来たと分かるの?」

マミ「出てるのよ。『時間を遡る魔法少女、暁美ほむらは、ワルプルギスの夜に敗れる』って」

ほむら「……っ!」

マミ「暁美さん」

ほむら「……予知が本当だとしても、私は戦うわ。まどかのために」タタッ

マミ「あ……行っちゃった。せっかく協力してあげようと思ったのに」

QB「しかし、突拍子もない話だね。未来予知っていうのは本当なのかい?」

マミ「まだハッキリは分かってないわ。それが確定している未来なのかどうかも」

QB「しかし、確かに魔法少女一人でワルプルギスの夜に挑もうなんて、無謀でしかないからね。もし本当に交戦したとしたら、暁美ほむらはとても生きて帰れないだろう」

マミ「そうね」タタッ

QB「どこに行くんだい?マミ」

マミ「暁美さんを捜すのよ。キュゥべえは先に戻ってて」

ギーグ「……カエレ……。」

QB「わ、わかったよ」

──夜、橋の下

ほむら「……ここで」

ほむら「魔法少女になりたての時、ここで練習したのよね……まどかと、巴……巴マミと」

ほむら「(巴マミ……今回の時間軸では私の能力も、ワルプルギスの襲来も知っていた。巴マミに相談する?いいえ、彼女はどうせ……真実を知った瞬間、絶望して発狂するに決まってる、肝心な時に信用できない……!)」

ガガガ……ピィィーーーッ
ほむら「不協和音……?」

マミ「……見つけたわよ!暁美さん!」

ギーグ「アケミサン……。」

ほむら「巴……マミ」

マミ「一人じゃワルプルギスの夜は倒せないかも知れないけど……みんなでかかれば分からないと思わない?」

ほむら「……何を言っているの?」

マミ「飲み込みがわるいわね。協力してあげるって言ってるの」

ほむら「……! いったいどういう風の吹き回し?」

マミ「……言ったわよね。ギーグさんは未来予知のマシンを持ってるって」

ギーグ「アー アー アー」

マミ「私、わかるのよ……変えたいのよ!未来を!」

ほむら「……詳しく聞かせて」

ギーグ「……トモダチ……。」

マミ「私の友達が、魔女になった美樹さんと一緒に死んでしまうって……!」

ほむら「……佐倉杏子のこと?」

マミ「知り合いなの?」

ほむら「……少し、ね」

ほむら「魔女になる、という事を知っているということは……魔法少女のシステムについても理解しているの?」

マミ「……何となくはね」

ほむら「……絶望したり、しなかったの?ソウルジェムが魔女を産むと知って……。」

マミ「それはしたけど……大丈夫だったわ。一人じゃなかったから……ギーグさんが側にいてくれたから」

ギーグ「マミサン……。」

ほむら「……。」

マミ「……それで、どうすればいいの?」

ほむら「え?」

マミ「私はあなたに協力する。だからあなたも、私に協力してほしいの」

ほむら「……ええ、わかったわ」

マミ「本当!ありがとう!」パアァァ

ほむら「(……私は、ズルい……。)」

マミ「それで暁美さん、まずは……美樹さんの魔女化を食い止めるためにはどうすればいいの?」

ほむら「そもそも美樹さやかは好きな男の……上条恭介の腕を治すために魔法少女になるわ。でも結局結ばれず、絶望して魔女一直線よ」

マミ「……ということは美樹さんの恋の悩みを解決すればいいのね!そういうことなら……!」

ほむら「……。」

マミ「そういうことなら……。」

ほむら「……。」

ほむら「……どうしたのよ、巴マミ」

マミ「私、よく考えたら恋愛とか全然わかんない……誰よ、好きとか嫌いとか最初に言い出したの」

ほむら「あなたのメモリアルは駆け抜けていかなかったわけね」

マミ「……そういう暁美さんはどうなのよ!」

ほむら「……っ」

マミ「ほら!結局そんな感じじゃない!だいたいこの年で惚れたハレたとか早いのよ!」プンプン

ほむら「僻みは見苦しいわよ、巴マミ」

マミ「わかってるわよ、でも二人そろってこれじゃ一体どうすれば……!」

ギーグ「キ モ チ イ イ……。」

マミ「……それよ!ギーグさん!ナイスアイデア!」

ほむら「……え?え?」

マミ「もう無理やり押し倒して既成事実を作らせてしまえばいいのよ!」

ほむら「ちょっ……!」

マミ「大丈夫よ!美樹さん美人なんだから喜ばない男はいないわ!」

ほむら「そ、それにしても余りにも……!」アタフタ

マミ「あれ?顔が赤いわよ暁美さん……こういう話、ダメだった?」

ほむら「だ、大丈夫、大丈夫よ……。」ドキドキ

ほむら「(でも、冷静に考えたら……いつまでも告白できずに絶望して魔女になる美樹さやかを見るよりも、そっちのほうがまどかのダメージが少ないかも……。)」

ほむら「そ、その案でいきましょう……!」

マミ「わかったわ!このアイデアもギーグさんのおかげね、ありがとう」ニコ

ギーグ「……ウレシイ……。」

──翌日、病室前

さやか「えへへ、レア物のCD手に入れちゃった……恭介喜ぶかな」

マミ「美樹さん」

さやか「あ、マミさん!なんでこんな所に?」

マミ「……ごめんなさい」

ピィ……ガガガーーーッ

さやか「こ、これは……!」

ギーグ「ミキサン……。」

ギーグの こうげき!
ギーグからの こうげきのしょうたいが つかめない!

さやか「ほへっ!?」ピロロロロロロ

マミ「……成功した?」

さやか「ぽぇーん……。」フラフラ

さやかは すこしヘンになった……。

マミ「やった!」

ほむら「(いいのこれ……?)」

ほむら「……巴マミ、あなた何したの?」

マミ「ギーグさんにちょっと頼んで……美樹さんをちょっと大胆にしてあげたの」

ほむら「……足取り怪しかったわよ、『ぽぇーん』とか言ってたわよ?本当に大丈夫なの?」

マミ「大丈夫よ、心配性ね……。」

──上条恭介の病室

ガラガラガラ

上条「あ、さやか」

さやか「おはよう ごじます」

上条「さやか……?」

さやか「おみまい やるです。これを やるます。うなじ。」クイッ
上条「な、何やってるんだよ……さやか」

ほむら「……本当に大丈夫なの?」コソコソ

マミ「うーん……。」

さやか「おんなー」

上条「な、なんだよ……どうしたんだよ今日のさやか、おかしいよ」

さやか「きょうすけ。おんなのこです。さやかちゃん おんなのこでごじます」

上条「さやか?」

さやか「ぷうー。こっちをみるです」グイ

上条「わっ!」

さやか「すきです。きょうすけ」

上条「え……!?」

さやか「すきです。どうしますか」

上条「あ……えっと」

さやか「……。」

上条「……ごめん、さやかのこと、今までそういう目で見たことなくって……気づけなくって」

さやか「……いいえか。いーえーか。」

上条「あ……でも、さやかのことが嫌いなわけじゃないんだ!むしろ……!」

さやか「……てんじょう みてるです。なみだがこぼれるです。」

上条「さやか……。」

さやか「へーき へーき がまんが できます。」

上条「……。」

さやか「ころんだら まっすぐ おきるです。ぽてんしゃる!」

ガラガラガラガラ

さやか「あ……!」ハッ

さやか「恭介ぇ……うっ、うっ……うああぁぁぁぁぁん……!」ポロポロ


ほむら「……巴マミ」

マミ「……ごめんなさい」

──マミの家

マミ「さて……オペレーション1は見事失敗に終わったわけだけど」

ほむら「どうするのよこれ……軌道修正できるの?」

ギーグ「チガウ……チガウ……チガウ」

マミ「ギーグさん……そういうことね!」

ほむら「……どういうこと?」

マミ「そうね……現状をときメモで例えるなら、詩織を攻略してる途中にうっかりヘルメットを紹介されて爆弾を抱えてしまった状態……ということかしら」

ほむら「日本語で喋ってくれる?」

マミ「つまり今回の出来事は予想出来るトラブルであって、このままで問題ないそうよ」

ほむら「そ、そう……というかあなた、何でそれと言葉が通じるのよ……。」

マミ「付き合い長いからかしらね。ツーカーよ」

ギーグ「……トモダチ……。」

ほむら「(頭痛が……。)」

マミ「これで美樹さんの問題は解決したとして……。」

ほむら「私は何もしてない気がするのだけど……。」

マミ「細かい事はいいのよ」

ほむら「……。」

マミ「さて、ワルプルギスの夜が来ること……杏子ちゃんにも知らせなきゃね」

ほむら「……私も行くわ。なんとかしてワルプルギスの夜の討伐に協力してもらえれば……。」

マミ「いい考えね!ついでにそれも頼んじゃいましょう」

──教会跡

マミ「杏子ちゃーん!久しぶりー!」

杏子「マミ!?な、なんでここに!」

マミ「実は大事な話があるのよ……あとこちらは魔法少女の暁美ほむらさんよ、紹介しておくわ」

ほむら「暁美ほむらよ」

杏子「あ、あぁ……大事な話って?」

マミ「実はもうすぐ見滝原に……ワルプルギスの夜が来るわ」

杏子「ワルプルギスの夜?」

ほむら「ええ、だから何とかワルプルギスの夜を倒すために……力を貸してもらえない?」

杏子「お断りだ」

マミ「!?」

マミ「な、なんで!?」

杏子「メリットがねーじゃん。それに、いくらへっぽこマミ太郎といっても、あのバケモンがいるんだから大丈夫でしょ?」

マミ「あのバケモン?ギーグさんのことか……ギーグさんのことかー!」

ギギュ……ピガガビィーーーーッ

杏子「はっ……!」

ギーグ「サクラサン……。」

杏子「嫌だ!やっぱやだ!こいつ怖いぃぃぃッ!」

マミ「かわいいのに」

ほむら「(かわいい……?)」

ギーグ「サクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサンサクラサン……。」

杏子「ひいぃぃぃっ!マミ、マミ!やめて!」ガタガタ

マミ「そうね……杏子ちゃんが協力してくれるんだったら、やめさせてあげてもいいんだけどなー」チラッチラッ

杏子「う、ううぅ……!」

ギーグ「サ ク ラ サ ン……。」

杏子「や、やるよ!やるから……もうやめて……!」ウルッ

マミ「本当ね?ギーグさん……もう引っ込んでてあげて」

ギーグ「カナシイ……。」

マミ「ごめんなさいね……こんな役押し付けちゃって」

ギーグ「キ モ チ イ イ……。」

杏子「う……あぁ……!」グスッ

ほむら「……泣いちゃったわよ」

マミ「あ……ごめんね杏子ちゃん、やりすぎたわ」ナデナデ

杏子「……そんなんでごまかされねーから」

マミ「ごめん……止める?」

杏子「あっ……なんで止めるんだよ」

ほむら「(誤魔化されてるじゃない……。)」

ほむら「……それにしても、二人は一体どんな関係なの?それにへっぽこマミ太郎って……。」

杏子「ん……マミはさ、魔法少女としては驚くほど魔力が少ないんだ。なれたのが不思議なくらいに」

マミ「恥ずかしい話だけどね……私のソウルジェム、小さいでしょう?」コトン

ほむら「本当……私のソウルジェムの半分くらいしか……(でも、どうして?他のループではこんなこと……。)」

杏子「魔女にやられそうになってたマミをあたしが助けたのがはじまりさ。それからなんとなく師匠と弟子みたいな関係になってたんだが……あたしがあんまりにもへっぽこへっぽこバカにしすぎたせいで、ある日マミがキレた」

マミ「ギーグさんに頼むのは私も大人気なかったと思ってるわ……。」

杏子「あたしは初めてあのバケモンを目の当たりにした。不意を疲れてマミにリボンで拘束されるし、あの時は本当に死ぬかと思った」

マミ「すごかったわよね、あの時の杏子ちゃん」ニコニコ

杏子「言うな!んでもって……元々マミのほうが年上だったこともあって、立場が一気に逆転した。あたしは恥ずかしいやらやりきれないやらで袂をわかったんだ」

マミ「漏らしたもんね?」

杏子「おいバカ!」

杏子「そ、それよりマミ……せっかく来たんだし、少しくらいゆっくりしてけよな」

マミ「ええ、それじゃ……お泊まりしようかしら」

杏子「お、お泊まり!?でもここ汚いとこだし、布団とかねーし……。」アタフタ

マミ「大丈夫よ、寝袋持ってきてるし……ふふ、昔を思いだすわね」

ほむら「……私は帰るわ」

マミ「本当?気をつけてね」

ほむら「(やってられないわ)」

ほむら「……結局私一人ね……まあ、いつもと同じね」テクテク

まどか「……。」トボトボ

ほむら「あれは……まどか!?」

仁美「~~♪」テクテク

ほむら「前を歩いているのは……志筑仁美ね」コソコソ

まどか「……?」クル

ほむら「!!」ササッ

まどか「?……。」トボトボ

ほむら「……なんで隠れてるんだろ、なんでこっそり尾けてるんだろ、私……。」

──廃工場


まどか「ひ、仁美ちゃん!何やってるのこの人たち!」

仁美「わかります?」

まどか「わかんないよ!こんな……みんな死んじゃうよ!」

仁美「わかるんですか。それはよかった」

まどか「何……言ってるの!仁美ちゃん!」

仁美「『はい』が『いいえ』で『いいえ』が『はい』。ここではそれが常識ですの」

まどか「何言ってるの仁美ちゃん!ぜんぜんワケわかんないよ!」

仁美「鹿目さんも理解してくれて嬉しいですわ」

まどか「わかんないよ……わかんないんだよ!」

仁美「ずっとここにいると、頭がぼんよよよんになる。ならない。なるない。」カクカクカクカク

まどか「あ……あああ……!」

まどか「い……いやあぁぁぁぁぁッッ!」バシ!

仁美「アッハッハ……イヒヒ!」

まどか「あああぁぁぁぁぁッッッ!」ガッシャアアアアアン!

まどか「はあ……はあ……!」

ドドドド……!

まどか「……はっ!人が……!」

バシュウウッ!

まどか「うおっ、まぶし!」

ほむら「まどか!こっち!」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「(私としたことが……シャッターを閉められる前に気づくべきだった!なんでもっと魔女のマーキングに気づかなかったの!?)」

ガチャ……バタン!
まどか「はあ、はあ……!」

ほむら「……なんであなたは……自ら危険な場所に首を突っ込むの!?あなたは……!」

まどか「う……ごめんなさい」シュン

ほむら「本当はあなたを外に逃がしたかったところだけど……大元の魔女を倒さないと問題は解決しないわ」

まどか「うん……。」

グニャアアアア……!

まどか「空間が……!」

ほむら「来る!?でもいつもと感覚が……!」

ガ ク ン

まどか「お、落ちるよ!?」

ほむら「ま、まどかあぁぁぁぁぁぁッッ!」

ヒュウウウウウウウ……ドスン!

ほむら「うぅ……まどか、大丈夫?」

まどか「うん、ここは……街?」

「──ようこそムーンサイドへ。」

まどか「え?あなたは……?」

ほむら「まどか!不用意に近づいては駄目!」

男「ようこそムーンサイドへ。
ようこそムーンサイド。
ムよーンサうイこドそへ。」

ほむら「……え?」

まどか「あ、あの……。」

男「ようこそムーンサイドへ。
ようこそムーンサイド。
ムよーンサうイこドそへ。」

ほむら「駄目ね……敵意はないようだけど、話しかけても判で押したように同じ抑揚、同じテンポで同じことしか言わないわ」

ほむら「とりあえず情報収集……するしかないわね」

まどか「……うん」

まどか「あ、あの……。」

男A「どいつもこいつもだ!…そう思わないか?」

まどか「え?は、はい……。」

男A「ムーンサ、ムーンサ、ンサイ、ンサイ、ムーンサ。」

まどか「ひっ……!」


まどか「あの……。」

男B「257、256、255254、253…
なんだよ、用がないんならあっち行け。今おれは数字を減らしているとこなんだ。252、251、250…」

まどか「それって一体、何の意味が……。」

男B「……お前は数字を減らしているところを見るのが趣味なのか?62、61、60、59…」

まどか「ねえ、これ……私がヘンなのかなぁ」

ほむら「惑わされてはダメよまどか。ここは魔女の結界の中だということを忘れないで」

男B「9、8、7、6、5、4、3、2、1…」

男B「0……ドッカアーーーン!!」

まどか「ひっ!?」ビクッ

ほむら「!?」ビクッ

使い魔「キャハハハハハ!!」ババッ

ほむら「使い魔……やはり出たわね」チャキッ

男B「…ああ、びっくりした!」

使い魔「キャーハハハハハハ!!」



ほむら「……。」パァン!パァン!パァン!

男B「さっきはびっくりしたよな。」

使い魔「ギャギャ!?」ビチュ!ビチュ!ドサ……。
ほむら「……行きましょう」

まどか「うん……。」

男C「けずってあげようか?おれはけずるのすきなんだ。きみたちけずられたいんだろ?ンサイ、ンサイ、ンサイドムー、こそよう、こそよう、こそよう。」

男D「ようこそムーンサイドへ。よう、こそムー、そムー、ンサイ、ンサイ、ンサイ……ドへ。」

女A「ケッハ、モルタア!ケッハ、モヌラタア!
壊れたハコの前で二人きり、黒焦げのあなたはどっこい大丈夫……私にはみえるのです。」

女B「スープがさめないうちにエリーをなんとかしないと。
ナイフがさびないうちにエリーをなんとかしないと。」


まどか「もう……やだよぉ……!」ポロポロ

ほむら「大丈夫、大丈夫よ……きっと出られるから……諦めないで」

まどか「うん……ありがとう」

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