向日葵「恋は密やかに」(135)

櫻子「私……向日葵のことが好き! 大好きっ!」

向日葵「――」

櫻子「今までケンカばっかりだったけど、また昔みたいに仲良く遊びたい……」

向日葵「櫻子……」

櫻子「昔――いっしょに、婚姻届を書いた時みたいに」

向日葵「!」

櫻子「ねえ、覚えてる? 向日葵が妻で、私がつま」

櫻子「向日葵がひまちゃんで、私がさーちゃん」

櫻子「あの頃のふたりに戻りたい。またいっしょに笑いたい」

向日葵「……」

櫻子「……いろいろ、たくさん、ダメなところもある私だけど」

櫻子「それでも良かったら、私と付き合って……くださいっ」

向日葵「……」

櫻子「……っ」ドキドキ

向日葵「……」

櫻子「……」ビクビク

向日葵「……私は……」

櫻子「!」ビクッ

向日葵「私は、昔みたいに……」

櫻子「……」

向日葵「……なんて、嫌ですわ」

櫻子「……ぇ……」

向日葵「だって」

ギュッ

櫻子「!」

向日葵「あの頃のままの気持ちじゃ、今の私はもう、満足できないんですもの」ギュウッ

櫻子「っ……ひま、わり……?」

向日葵「ありがとう、櫻子。あなたの気持ち、とても嬉しく思いますわ」

櫻子「向日葵……っ」

向日葵「本当は、いつか私から言いたかったのですけれど、あなたに先を越されちゃいましたわね」

櫻子「ひまわり……向日葵ぃ!」ギュッ

向日葵「櫻子……」ギュウ

櫻子「向日葵、向日葵っ!」

向日葵「私の先に立って、私の手を引いてくれる。そういうところ、昔のままですわね」

櫻子「向日葵っ……私、私……!」

向日葵「……櫻子。次は私の番ですわ」

向日葵「こんな私で良かったら、私と……付き合ってくださるかしら」

櫻子「――」

向日葵「ダメ、かしら?」

櫻子「っ……そんなわけ、ない……!」

櫻子「だって、先に言ったの、私だもんっ……!」

櫻子「私の方が、向日葵のこと好きだもん!」

向日葵「あら、それは聞き捨てなりませんわね」

櫻子「え……?」

向日葵「私の方が、ずーっと櫻子のこと好きですもの」

櫻子「~~~っ!」

向日葵「ね?」

櫻子「ば、ばかぁっ! 向日葵のばか、ばかあ!」ギューッ

向日葵「あらあら……櫻子におバカ呼ばわりされるなんて、私も相当のものですわね」ギュ...

櫻子「そうだよぉ……相当の大バカだよ! ばかばかばかっ!」

向日葵「はいはい、いいから泣きやんでくださらないかしら?」ナデナデ

櫻子「ぅ、うるさいっ、ばかぁ……!」グスグス

……

櫻子「……」グスッ

向日葵「もう……いい加減に泣き止みなさいな」

櫻子「う、うっさい……ばか、ばかおっぱい……」メソメソ

向日葵「またそれですの? せっかく好き合えたのに、変わりませんわね」

櫻子「だって……いきなり仲良しとか、恥ずかしい……」

向日葵「それはそうですけど……」

櫻子「でも……少しずつでも変わんないといけないよね?」

向日葵「……ええ。やっと無駄ないがみ合いを終えられるんですもの」

櫻子「だったら……」

向日葵「?」

櫻子「その、なんていうか……」モジモジ

向日葵「なんですの?」

櫻子「えと、ね? 私たち、好き同士でしょ? 今までとは違うでしょ?」

櫻子「だから、これからよろしくって、そういう、なんだろ、誓い……? とか、そうゆうアレが、あったらいいなって――」

ちゅっ

櫻子「――!?」ババッ

向日葵「……ふぅ」スッ

櫻子「ぅえぇ、ちょ、にゃ、なぬにゃっ!?」アタフタ

向日葵「何語ですの」クスッ

櫻子「にゃ、にゃんで、どーしてキスっ!?」ワタワタ

向日葵「あら、今のはキスして欲しいって意味じゃなかったんですの?」

櫻子「そーだけどっ! キスして欲しかったんだけどっ!」

向日葵「ならいいじゃありませんの」シレッ

櫻子「ぅ、うー……あっ?」

向日葵「どうかしまして?」

櫻子「向日葵……顔真っ赤」

向日葵「……う、うるさいですわねっ」プイッ

櫻子「ねえ、向日葵」

向日葵「なに?」

櫻子「その……向日葵は、昔みたいはイヤって言ってたけど」

櫻子「私は、昔みたいにしたいこともある……っていうか」

櫻子「つまり……」モジッ

向日葵「?」

櫻子「……ひまちゃんって、呼びたいな……」

向日葵「!」

櫻子「……だめ?」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……恋人の頼みなら」

櫻子「!」

向日葵「恋人の頼みなら仕方ない……ということにさせてもらいますわね、さーちゃん」ニコッ

櫻子「ぁ……うんっ!」ニパッ

……

向日葵「……それじゃ、せーので行きますわよ」

櫻子「う、うんっ」

向日葵「……せーのっ」

向日葵「私たち、付き合――」
櫻子「私たち、付き合゛にゃ゛っ!?」

向日葵「ちょ、大丈夫ですの!?」

櫻子「う゛ー……ひまちゃん、ひははんひゃっは……」チロッ

向日葵「もう……緊張しすぎですわ」

櫻子「らってぇ……」

向日葵「ほら、もう一度。できますわね?」

櫻子「……うん、がんばるっ」

向日葵「じゃあ……せーのっ」



向日葵「私たち、付き合うことになりました」
櫻子「私たち、付き合うことになりましたっ」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「って……言えます?」

櫻子「……言えないね!」

向日葵「ですわよねー」ネー

櫻子「ねー」ネー

櫻子「ど、どどどどうしようひまちゃん!? むりっ、恥ずかしくて絶対みんなに言えないよぉ!」

向日葵「そ、それは私も同じですわ……今日の放課後まではいつも通りケンカしてましたのに、明日の朝には突然」

櫻子「ひまちゃん!」ニコッ

向日葵「さーちゃんっ」ニコッ

向日葵「とか! 気恥ずかしさでおかしくなりそうですわ!」

櫻子「どうしよう……どうしたらいい!?」

向日葵「丸投げ!? まあ、さーちゃんに頭脳労働は期待してませんけど……」

櫻子「むぅ、ひまちゃん酷い」

向日葵「事実じゃありませんの」

向日葵「……とにかく、当面はふたりの関係は秘密にした方が賢明だと思いますわ」

櫻子「えー、ないしょなの……?」

向日葵「仕方ないですわよ、言い出せるようになるまでの我慢ですわ」

櫻子「ぅー……」プゥ

向日葵「さーちゃん。みんなには秘密でも、私たちはれっきとした恋人同士ですわ。だから……ね?」

櫻子「……うん、わかった。私がんばる!」フンス

~翌朝~

向日葵「よし、私の方は支度完了ですわ」キチッ

ガラッ

楓「あ、おねえちゃん」

向日葵「あら楓」

楓「もう学校いくの?」

向日葵「ええ、さーちゃ……櫻子を起こしに行かないといけませんし」

楓「……おねえちゃん、なにかいいことあったの?」

向日葵「え、えぇえッ!? ど、どうして急にそんな!?」

楓「お顔、すっごくうれしそうだから……」

向日葵「ッ!?」ニコォーーー

楓「おねえちゃん?」

向日葵「あッ、いえ、その、これは、別に! 別になんでもありませんから! ぜんぜん、さー、くらことは、なにも、ありませんから! ぁ、は、早くしないと遅刻ですわ! それでは楓、ごめんあそばせ? おーっほっほっほっほっほ!」ソソクサッ

ピシャンッ

楓「(ああ……櫻子お姉ちゃんと付き合ってるの……)」

~ちっぱい家~

撫子「……」

花子「……」

櫻子「」ニマニマニマニマニマニマニマニマニマニマニマニマ

花子「……櫻子」

櫻子「なにっ?」ニコーッ

撫子「気色悪い」

櫻子「なにー!?」

花子「ほんとに気色悪いし。起きてからニヤニヤしっぱなしだし」

撫子「なにか楽しいことでもあったの?」

櫻子「え、全然!? 向日葵と付き合ったりしてないよ!?」ニッコニッコニー

向日葵「ごめんくださーい。櫻子起きてますー?」ピンポーン

櫻子「あっ、ひまちゃ……向日葵ー! 起きてるよ、今すぐ行くーっ♪」バビューン

撫子「(ああ……ひま子と付き合ってるのか……)」

花子「(ああ……ひま子ねーちゃんと付き合ってるし……)」

諸用につきちょびっと小休止

~通学路~

向日葵「じゃあ、もう一度確認しますわよ」

櫻子「おっけー」

向日葵「学校では、私と櫻子は昨日までと同じライバル関係を演じること」

櫻子「うん」

向日葵「くれぐれもお互いをさーちゃん、とか、ひまちゃん、とか、呼ばないこと」

櫻子「おうよ」

向日葵「特に教室と、生徒会室では細心の注意を払うこと」

櫻子「らじゃー」

向日葵「……ちょっと、さっきから二つ返事ですけど、本当に大丈夫なんでしょうね?」

櫻子「だーいじょぶだって。だからさ、学校に着く前に……」ンー

向日葵「……もう、仕方ありませんわねっ」チュッ

櫻子「んっ。ぅ……ぅへへ。そんじゃー張り切って行くよー!」ダッ

向日葵「ぁ、ま、待ちなさいってば!」ダッ

あかり「(ああ……櫻子ちゃんと向日葵ちゃん、付き合ってるんだぁ……)」\アッカリーン/

~教室~

櫻子「おっはよー!」

向日葵「おはようございますわ」

オハヨーオハヨー

あかり「櫻子ちゃん、向日葵ちゃん、おはよ~」ウシロカラ

櫻子「あかりちゃーん! おっはー!」ダキッ

あかり「わわっ!?」

向日葵「!?」

櫻子「えへへ、あかりちゃんあったけー!」スリスリ

あかり「さ、櫻子ちゃん、苦しいよぉ」

向日葵「……」ムスッ

櫻子「ほれほれよいではないかよいではナニャ゛ァ゛!?」ビクッ

あかり「!?」ビクッ

向日葵「……」プイッ

櫻子「向日葵ー! 私のお尻をつねったのはお前かー!?」ウガー

向日葵「いいえ、私ではありませんわ」シレッ

櫻子「ウソつけ! 私の後ろは向日葵しかいないじゃん!」

向日葵「じゃあ天狗の仕業ですわねー」

櫻子「天狗か、なら仕方ないな!」

あかり「信じた!?」

向日葵「ほら、いつまでも抱きついていては赤座さんに迷惑ですわよ。席につきましょう」

櫻子「ちぇー」シブシブ

あかり「(……ふたりとも、昨日と同じで朝からケンカしてる……)」

あかり「(通学路で見た仲良さそうなふたりはあかりの見間違いだったのかなぁ……?)」

あかり「(でも、あかりの真ん前でキスしてたしなぁ……)」

あかり「うーん……」チャクセキ

あかり「……?」ハタ

向日葵「……櫻子、櫻子」コソッ

櫻子「……なに?」コソッ

向日葵「さっきはお尻、ごめんなさい」

櫻子「ん、平気だけど……え、天狗は?」

向日葵「嘘に決まってるじゃありませんの」

櫻子「!?」ガタッ

向日葵「本当に信じてましたの……?」

櫻子「信じてたよ! まんまと騙されたよ!」

向日葵「それは……お気の毒ですわね」

櫻子「ぐぬぬ……ってか、そもそもなんでつねったの?」

向日葵「……その、ちょっと……やきもち、を」

櫻子「モチ?」

向日葵「……」コクン

櫻子「ひょっとして……私があかりちゃんに抱きついたから?」

向日葵「……」コクン

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「……向日葵」

向日葵「な、なんです?」

櫻子「可愛い」

向日葵「っは、はああっ!?」ガタンッ

櫻子「可愛い、すっごい可愛い」

向日葵「ちょ、なにを……!」

櫻子「わかってあげらんなくて、ごめんね?」ナデナデ

向日葵「っ……」カァァッ

櫻子「えへへ」

向日葵「わ……私も、口より先に手が出て、ごめんなさい」ナデナデ

櫻子「お尻撫でるのは違うと思うよ」

~給食~

櫻子「ちくわの磯辺揚げー!」キョホー

向日葵「櫻子の分も並んでおきますわね」

櫻子「うんっありがと!」

ちなつ「……」ジッ

向日葵「? 吉川さん、私の顔に何か?」

ちなつ「あ、ううん。ちょっと珍しいなって」

向日葵「珍しい?」

ちなつ「うん。向日葵ちゃん、いつも櫻子ちゃんにお願いされてシカタナイデスワネーって小芝居が入るから」

向日葵「ぎくっ!」ギクッ

ちなつ「ぎくっ?」

向日葵「べ、別に深い意味はありませんわっ! その、そう、小芝居にも飽きただけですの! それに……」

ちなつ「それに?」

向日葵「つまのご飯の支度をするのも、妻の勤め……とか全然思ってませんけどねっ!」キャッ

ちなつ「(ああ……櫻子ちゃんと付き合ってんなこれ……)」

「「いただきまーす」」
「「いただ……!」」ハッ

向日葵「櫻子、ピーマン!」シュバッ

櫻子「よしこい!」アーン

パクッ

向日葵「おいしい?」

櫻子「うん、なんかいつもよりおいしいかも……」ニヘ

向日葵「そう」ニコッ

櫻子「向日葵、ニンジン!」シュババッ

向日葵「承りましたわ!」アーン

パクッ

櫻子「おいしい?」

向日葵「ええ、今までより甘く感じますわ……」ポワ

櫻子「そっかー」ニヘッ

ちなつ「(なにこれェ……)」ゲンナリ

あかり「(仲良いなぁ~)」ニコニコ

~昼休み~

櫻子「……よし、この辺なら大丈夫かな」キョロキョロ

向日葵「ちょっと櫻子、昼休みになった途端にこんなところまで引っ張ってきて、どうしましたの?」

櫻子「さーちゃん」

向日葵「え?」

櫻子「さーちゃんって呼んで、ひまちゃん」

向日葵「で、でも……」

櫻子「だいじょぶだよ、ここなら人もこないし」

向日葵「……今朝、約束したばかりですわよ? さーちゃん」

櫻子「ごめん……でも、やっぱり我慢できなくて」シュン

向日葵「……」スッ

ポスン

櫻子「ぁ……」

向日葵「謝らないでさーちゃん。私も同じ気持ちですから」ナデナデ

櫻子「ひまちゃん……」ポワ

向日葵「力、強すぎたりしてません?」ナデナデ

櫻子「ん……いーよ、きもちー……」フニャフニャ

向日葵「そう」ナデナデ

櫻子「……ひまちゃん……」ウトウト

向日葵「なぁに、さーちゃん」ナデナデ

櫻子「ぎゅってして、いーい……?」

向日葵「……おいで」

櫻子「うんっ……」ポフン

向日葵「……」ナデナデ

櫻子「……」ギュッ

向日葵「さーちゃん、寝ちゃわないように気をつけなさいね」

櫻子「ん、がんばる……」

向日葵「……」ナデナデ

櫻子「……」ギュー

~♪ ~♪

向日葵「あ、予鈴……」

櫻子「……」スヤスヤ

向日葵「結局寝てるし……立ったまま支えるのも楽じゃありませんのに……」

櫻子「むにゃ……ひまちゃん、好きー……」

向日葵「……」

櫻子「……」スヤスヤ

向日葵「……櫻子、櫻子。起きなさい、授業に遅れますわよ」

櫻子「ぅ……?」パチッ

向日葵「さあ、しゃんとして。歩けますわね?」

櫻子「……手ーつないで……」

向日葵「……ひ、人目のないところまでですからねっ」ギュッ

櫻子「やったぁ……」

向日葵「い、行きますわよ!」グイッ

スタスタスタ...

シーン...

京子「とうっ!」バッ

シュタッ

京子「ふう……」

結衣「あ、京子!」タッタッタ

京子「ん? おー結衣にゃん。おいすー」

結衣「おいすーじゃないだろ……お前どこ行ってたんだよ」

京子「ずっとここの天井に貼り付いてた」

結衣「貼り付っ……え、なんで」

京子「忍者ごっこ!」

結衣「昼休み中ずっとかよ……まあいいや、授業遅れるぞ、行こう」タッ

京子「てやんでい」テッ

京子「……」

京子「(おっぱいちゃんとちっぱいちゃんはラブラブですな)」

タッタッタッタッ...

~授業中~

向日葵「……」カリカリカリ

向日葵「……」

向日葵「(やっぱり古谷櫻子の方が語感がいいかしら)」カリカリカリ

ポイス

向日葵「!」

向日葵「(手紙……櫻子からですわ)」カサカサ

向日葵「(『好き』)」

向日葵「……」ホッコリ

向日葵「(『私もですわ』……と)」カリカリ

向日葵「(ぇぃっ)」ポイス

向日葵「……」

ポイス

向日葵「!」カサカサ

向日葵「(『どのへんが?』)」

向日葵「……」

向日葵「(『この紙じゃ小さすぎますわ』……と)」

向日葵「(ぇぃっ)」ポイス

向日葵「……」チラツ

櫻子「……」ジー

向日葵「!」

櫻子「……」ジー

向日葵「……」フリフリ

櫻子「!」

櫻子「」ブンブンブンッ

向日葵「(ちょ、バレますバレますバレますって!)」アセッ

西垣「(なんだこいつら付き合ってるのか)」

~放課後~

向日葵「じゃあ……もう一度、もう一度だけ確認しますわよ」

櫻子「うむ」

向日葵「これから生徒会ですけど、くれぐれも私たちの関係に気付かれないよう振る舞うこと」

櫻子「おす」

向日葵「杉浦先輩は正直チョロいと思いますが、池田先輩の鼻血というセンサーは脅威ですわ。十分に気をつけましょう」

櫻子「がってん!」

向日葵「相変わらず返事だけはいいんだから……」

櫻子「ね、ね、ひまちゃん」

向日葵「いきなり呼び方ぁー!?」

櫻子「周りに誰もいないから平気だってば。だから生徒会の前に……ね?」ンー

向日葵「呆れた……ほんと、仕方ないですわね。あなたも、私も」

櫻子「プッキー!」

向日葵「……先に行きますから、大室さんは後からゆっくり来てくださって結構ですわ」ツカツカツカ

櫻子「ごめんー!?」ワーン

~廊下~

結衣「!」キュピーン

結衣「……」

結衣「(古谷さんと大室さん、付き合ってるのか……)」

京子「ゆいー、そんなところで突っ立ってどうしたん?」

結衣「ん? 別に、なんでもないよ」

京子「んじゃ早く部室いこーぜぃ!」

結衣「おー、行こうか」

テクテクテク...

~生徒会室~

ガラッ

向日葵「おつかれさまで……って、誰もいませんわ」

櫻子「ひまちゃーん! 待ってってばー!」

向日葵「ちょ、呼び方呼び方!」

櫻子「わわっ、やば、聞かれた!?」ムグッ

向日葵「いえ、幸い先輩方はまだいらしてませんわ」

櫻子「よかったー……」ホッ

向日葵「お願いですからもう少し警戒してくださらない……?」

櫻子「えへへ、ごめ――」

ちゅっ

櫻子「――」パチクリ

向日葵「……前払いですわ。これで学校にいる間は我慢しなさいね」テレッ

櫻子「ぁ……うんっ!」パァッ

りせ「……」

綾乃「ごめんなさい、遅れたわね」ガラッ

千歳「ふたりともお疲れさん~」

向日葵「おつかれさまです」

櫻子「おつかれさまーっす」

千歳「……あれぇ?」

向日葵「ど、どうかしました?」

千歳「いや……ふたり、なんか椅子近ない?」

「「!」」バッ

綾乃「ほんと……珍しいわね」

向日葵「そ、そそ、そうでしょうかっ? ぐぐぐ、偶然ではありませんこと!?」アセアセ

櫻子「そーそー、ぐーぜんですよぐーぜん!」アタフタ

綾乃「……」

綾乃「なんだ、偶然なのね」チョロッ

櫻子「(チョロい!)」

向日葵「(チョロいですわ!)」

カリカリ...モクモク...

綾乃「あっ! このプリント、まーた歳納京子だけ提出してないわ♪ 千歳!」ガタッ

千歳「せやなー、そらぁ歳納さんから直接回収せななー」

綾乃「せやろ! そうと決まればいざ鎌倉よ!」ダッ

千歳「ほな、ちょっと行ってくるわー。あとよろしゅう~」

ガラッ ピシャン

千歳「……」

綾乃「どうしたの千歳? 早く行かないと歳納京子が逃げちゃうわ!」ソワソワ

千歳「うん。うちもちゃんと行くから、先に行っててええでー」

綾乃「そう? ほんとに? ほんとに来てくれるのね?」チョロッ

千歳「ほんまやでー」

綾乃「じゃあお先に長崎県!」ダッ

千歳「いってらっしゃい~」フリフリ

千歳「……」

千歳「」カララ...

櫻子「えへへっ、ひまちゃんの膝の上、きもちーなー♪」ルンルン

向日葵「もう、さーちゃんったら……仕事がしづらいじゃありませんの」

櫻子「ひまちゃんの分まで私がやるよ!」キリッ

向日葵「物理的に不可能ですわ」

櫻子「ぶー……じゃあ、降ろす?」

向日葵「……まあ……もう少しだけなら……」

櫻子「……えへ!」

向日葵「ふふっ……」

カララ...パタン

千歳「……」

千歳「」スチャ

千歳「(……綾乃ちゃん、歳納さん。この鼻血は浮気やない。心の鼻血なんや……)」タラー

~帰り道~

櫻子「今日は早く終わったね!」

向日葵「池田先輩がやたらとハッスルしてましたわね」

櫻子「でもラッキーだったよね、お陰でこうして、ひまちゃんって呼べる時間が増えたんだから」

向日葵「さーちゃん……」

櫻子「ね、腕組んでいーい?」

向日葵「だめ」

櫻子「えー!?」

向日葵「……次の角を曲がるまでは、だめですわ」

櫻子「」パァッ

向日葵「……」フイッ

櫻子「……えへ。えへへへ!」ギュッ

向日葵「あ、こらっ。まだだめだって言ってますのに……」

櫻子「角はすぐそこだからいーじゃん。ねっ?」

向日葵「もう……」

~おっぱいルーム~

櫻子「ねえひまちゃん」

向日葵「なんですの?」

櫻子「私さ、今日一日で思ったことがあるんだ」

向日葵「……思ったこと、って?」

櫻子「うん」

櫻子「……」

櫻子「やっぱり、みんなにちゃんと言おうと思う。私たちのこと」

向日葵「!」

櫻子「このまま黙ってるなんて気持ち悪いよ。我慢できない」

向日葵「でも、恥ずかしかったんじゃありませんの?」

櫻子「恥ずかしいよ。言ってどうなるかを考えたら、すっごい顔が赤くなるし」

櫻子「でも」

櫻子「そんな恥ずかしさ、関係ない」

櫻子「関係ないって思えるくらい、私はひまちゃんのことが好き!」

櫻子「だから――」

向日葵「もういいですわ」

櫻子「へ?」

向日葵「これ以上は聞かなくてもわかります。ていうか、最初からわかりきっていましたし」

櫻子「ひまちゃん……?」

向日葵「さーちゃん」

櫻子「ん?」

向日葵「大好きですわ」

櫻子「!」

向日葵「……みんなになんて言うか、いっしょに考えましょうか」

櫻子「……うん……うんっ!」

~小一時間後~

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「準備、出来ましたわね?」

櫻子「う、うん」コクッ

向日葵「誤字脱字は?」

櫻子「見た。間違ってない」

向日葵「宛先は?」

櫻子「えっと、あかりちゃんと、船見先輩と、池田先輩。あとねーちゃん」

向日葵「私は吉川さんと歳納先輩、杉浦先輩(チョロい)に、西垣先生と会長ですわ」

櫻子「だ、大丈夫だよね? 誰も抜けてないよね? 私、あかりちゃん数に入れてたよね!?」

向日葵「ま、間違いなく入ってましたわ! それと、楓には後で直接言いますしっ……」

櫻子「わ、私も花子には自分で言う……じゃあ、せーので?」

向日葵「ええ……行きますわよ。せーのっ」

「「送信っ」」ポチッ

向日葵「……」

櫻子「……」

♪キライジャナイモンキライジャナイモンキライジャナイモーン

♪デイバイデイワータークシーカラーアイヲコーメテー(ウーデスノ!)

♪キライジャナイモンキライジャナイモンキライジャナイモーン

♪デイバイデイワータークシーカラーアイヲコーメテー(ウーデスノ!)

♪キライジャナイモンキライジャナイモンキライジャナイモーン

♪デイバイデイワータークシーカラーアイヲコーメテー(ウーデスノ!)

♪キライジャナイモンキライジャナイモンキライジャナイモーン

♪デイバイデイワータークシーカラーアイヲコーメテー(ウーデスノ!)

♪キライジャナイモンキライジャナイモンキライジャナイモーン

向日葵「!?」

櫻子「い、一斉に来た!」

向日葵「ええ、キマシタワ――」パカッ

櫻子「な、なんて書いてあんだろ――」パカッ

『知ってた』

『知ってた』

『知ってたよぉ~』

『知ってた』

『知っとるでー』

『∵』

『知ってた』

『知ってたぞ』

『知ってた』

向日葵「」

櫻子「」

ガラッ

楓「ちなみに楓も知ってたの」

花子「花子も知ってるし」

「「ねーっ」」

ピシャッ

向日葵「」

櫻子「」



綾乃「∵」

終わる!

         ./^l、.,r''^゙.i′
         l゙:r i:i′ .|            ど ん な  か な し い こ と が あ っ て も
      :i^¨''iノー-i (_.vv,、
      i.、/:::::::::::::::::゙彳_ >

     _,ノ i::::::::::::::::::::.('`,.ヽ         や せ が ま ん で も い い
     ( 、:|:::::.i;i;i:::::::::::i:.'^゙'<       
     '' ::.!:::::.ii;i.|::::::::::.i‐ ,フ''
    .< :::i::::::.ii;i;|:::::::::.,「=(          ひ の あ た る ば し ょ で
     `ー::|,.:::::i;i;::::::::::/.\^':、
      ./゙,r|:::::::::::::::::,i゙.'!'=;^′
     .) ,/ソ,:::::::::::,l'_ .).:r          つ よ く い き て い こ う と お も ふ

      ゙'レ'´i''!゙ー/'(゙゙ | .|
         | ._,i'!(冫.;i .| 
            .. |. |           そ う  た ん ぽ ぽ の よ う に
              .! .i   ._,,,‐''^^'''''>
    、....,,,,..,,_      ! .;! .,/'゙`,_   .,ノ
    \  .⌒\  │ .|!.,,iミ/ ._,,,./′

      i  '^'''‐、..゙'hノ| .|厂 . ̄′
     .ヽ_    ゙メリ| .|
         ̄ ̄   |. |    ._,,,‐''^^'''''>


もうこのコミュ使ってないみたいなので、別作品書きます


あかり「いじめSOS団!」



あかり「みんなのアイドルあかりだぴょん!みんなよろしくねー!」

ちなつ(なにこいつ・・うざ)

ちなつ「ねえ、自己紹介のときにいた、あのキチガイ、なに?」

京子「あ、あれはあかりって言って、悪い奴じゃないんだよ・・・」

結衣「そ、そうだよ」

向日葵「・・・キチガイとかやめなよ」


ちなつ「は?今なんか言った?」

櫻子「向日葵!ちなつさんに逆らっちゃだめよ!」

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