蒲原「ワハハ、受験勉強がんばるぞー」 (44)

蒲原「でも…実家の経営も厳しいのに」

蒲原「学費どころじゃないよなーワハハ…」

蒲原「やっぱ諦めて実家継ぐしかないかー」

蒲原「どうせ今の成績じゃーロクなとこ行けないしな」ワハハ


蒲原「ワハ? こんな時間に電話だ」ガチャ

「もしもし、蒲原さまのお宅ですか」

蒲原「はい、こちら蒲原かまぼこ料理店です、すみませんがもう営業時間は…」

蒲原「…ってこれ自分の携帯だから関係無かった」ワハハ

「い、いえ…今回お電話差し上げたのは、注文をするためではありません」


「蒲原さまは、ロト6に興味はございませんか?」


蒲原「ロト6…?」

蒲原(確かに…宝くじなんかが当たれば、そのお金で大学に行けるかも…)

蒲原「まぁ、無い…ことはないなぁ」

「実は、弊社ではロト6の当選番号予想を行っておりまして」

蒲原「ロト6の…予想?」

「今回蒲原さまが、その情報を得る権利を当選されましたので、ご連絡させていただきました」

蒲原「当選? って、別に私そんなの応募した覚え無いんだが…」

「いえ、蒲原さまは、お小遣いサイトの『池田バンク』にご登録されてますよね?」

「そのご利用者の中から、自動的に抽選が行われるサービスとなっております」

蒲原(そういえば前にそんなの登録したような…全然貯まらないから放っといたままだったんだよな)

蒲原(その上あれから迷惑メールがどんどん来るようになるし…この電話もそんな感じか?)

蒲原「でも予想って言ったって、そうそううまく当たるもんじゃないんだろ?」

「では、今から申し上げる番号をメモしてください。明日の朝刊で当選番号の発表が行われるので、そこで確認して頂ければ、弊社の予想の正確さが分かっていただけると思います」



翌日―――

蒲原「朝刊きてるなー、ワハハ、そういえば昨日の電話…一応見てみるか」

蒲原「数字は、えっと…09 29 33 34 35 41」

蒲原「……!!全部………当たってる…!!」

プルルルル…ガチャ

「もしもし、蒲原さまですね。当選番号はご確認いただけましたか」

蒲原「いやー、ワハハ、まさかここまでドンピシャで当たるとは思わなかったぞ。最近の予想はすごいんだなー」

「弊社の力を分かっていただけたようで何よりです。では、情報をご購入していただけますか」

蒲原「ご購入? ワハハー、金がいるのか? うーん、そんなにお金持ってないんだが」

「ご安心ください、初回の情報提供料は5000円となっております。ただし当選可能性は最高でも3等となります」

蒲原「3等は…ワハハ、50万か、十分元は取れるなー、4年分の学費には足らないけど…」

「それで効果を実感していただければ、次に2等、更には1等のご案内も差し上げます。では、今から今から振込先をお伝えしますので、メモのご用意をお願いします。振込先は、池田銀行の―――」

その後、私は指定通りの口座に5000円を振り込み、3種類の予想当選番号を教えてもらった。すぐに1口ずつロト6を購入し、当選番号発表の朝――

蒲原「ワハハー、貯めてたお小遣い全部使っちゃったぞ」

蒲原「でもちゃんと50万円が当たれば、それを使って2等…1500万あれば十分学費は払えるな、ワハハ」

蒲原「さて、当選番号は…と…」ペラッ

蒲原「………ぜ、全然当たってないじゃないかー(怒)」



プルルルル…

蒲原「もしもし、こちら蒲原ですが」

「もしもし…ああ、蒲原さまですか、今回は残念でしたね」

蒲原「残念でしたねってなんだ、おかしいじゃないか、5等にも当たってなかったぞ!」

「予想と言っても、確実に当たるわけではございませんので…普通にロト6を購入されるよりは、当たる確率が大きく上がるのはもちろんですが」

蒲原「でも初めの時に教えてもらった数字は、ズバリ1等を当てていたじゃないか」

「…蒲原さま、弊社が情報を提供しているお客様は蒲原さまだけではございません。」

蒲原「ワハ…?」

「ロト6の賞金は分配方式ですので、お客様全てに当選可能性のもっとも高い番号を同じようにお知らせすることはできません。ですから、何通りかの当選番号を用意し、ランダムでお客様に振り分けることになっています」

蒲原「ランダム…?」

「はい、ですがランダムと言いましても、高い情報提供料を払っていただいた方から順に、当選可能性の高い番号をお知らせするようになっておりますので」

蒲原「…じゃあ、私の払った金額じゃ…」

「そうですね…当たればラッキーという程度かと」

蒲原「ワハー…私はどうしてもお金が必要なんだよなー」

蒲原「……いったいいくら位出せば、もっと確実に当たるんだ?」

「はい、1等を当てるには、少なくとも数100万…」

蒲原「ワハハ…!? そんなお金私には無理だぞ…3等でもいいから、もっと確実に当てられないのか?」

「…分かりました、3等を確実に当てたいのであれば…10万あれば、まあ、足りるかと」

鶴賀学園

蒲原「というわけでゆみちん、お金貸してくれないか」

加治木「……いや、蒲原、お前それ騙されてるぞ」

モモ「そーっスよ、そんなのおかしいッス。そもそも当選番号が分かるのなら他人になんか渡さず自分で買うッスよ!」

蒲原「ワハハ…確かに…」


風越女子

池田「そんなうまい話そうそうあるわけ無いし!! 現実見ろし!」

蒲原「そうは言っても…他に頼れるとこもないんだ」

福路「最近は奨学金制度も充実していますし、諦めることは無いのでは…」

蒲原「………」


蒲原「そうだよなぁ…よく考えてみれば明らかに変だよなぁ」

「あ、蒲原様ですか…お金の方はご用意していただけましたか」

蒲原「んーいやあそれがな、やっぱりこの件からは手を引かせてもらおうかなって」

「ど、どうして急に? すぐにご用意いただけないのであれば、もう少しお待ちしても」

蒲原「友達に言われたんだよー。これ、何かおかしいってさ」

「そんなことはございません! こちらは全てのお客様に公正なご抽選をお約束しております」

蒲原「なんか、上手く言えないけど…こんなうまい話おかしいというか。そう、友達は、もし当選番号があらかじめ分かるんなら、他人になんか教えないって言ってたな」

「蒲原様、それには」

蒲原「うん…そんなお人好しがいるわけない、やっぱこの話は」

「それにはある事情というのがございます。弊社自身でその番号を使えない理由があるのです」

蒲原「は? どういうことだ?」

「……この件、口外しないことをお約束できますか?」

蒲原「えー、うー、まあ」

「実はロト6…ロト6にかぎらず、こう言った賭け事はですね、裏があるものなんです」

蒲原「裏だって?」

「ええ、当選番号は実は、最初から決められているのです。お客様、ロト6の抽選をご覧になったことは?」

蒲原「ん…そういや、無いな」ワハハ

「そうですか、実は、その抽選機に仕掛けがありまして。抽選機は、番号の書かれたボールを内部でかき混ぜ、ランダムで排出する…そう、ビンゴゲームの機械のようになっております。しかし、そのランダムというのが本当は嘘なんですね」

蒲原「は…はぁ…ワハハ」

「ボールの中には、磁石にひっつく鉄の棒が仕込まれておりまして…それを機械両側の電磁石を作動させてタイミングに合わせ引き付けることで、狙った番号を出すことが可能になっているのです」

蒲原「ワハ…」

「ご理解いただけましたか?」

蒲原「ワ…いや…わからんが…でも、わかったぞー、要するにヤラセ、だったってことか!」

「ええ、実はロト6は、普通に買っても絶対に1等や2等を当てることは出来ません。意図的に外されますので」

蒲原「じゃあほら…やっぱり当選番号の予想なんてのも嘘っぱちだったんだな!」

「……そうですね、予想する必要がございません、初めから番号はわかっているのですからね」

蒲原「や、やっぱり騙して…」

「いえ、そうではございません。諸々の事情のため、予想という体裁を取らざるを得なかったのです」

蒲原「は…?」

「まず、自分どもで番号を使えない理由ですが…基本的に、当選番号はロト6を主催する、龍門渕銀行が独占しているからです」

蒲原「龍門渕銀行…!?」

「はい、1、2等の当選金のほとんどは、龍門渕銀行の資金繰りに回されています。時には、銀行幹部のボーナス、また政治家への献金に使われることもあるそうです」

蒲原「嘘だろ…?」

「いいえ、これは事実です。そして弊社の池田グループも龍門渕銀行の下請けとして余った当選金を回されるのです」

蒲原「え、ええ」

「しかしそのお金は自分たちで自由に使えるものではありません。龍門渕銀行は不自然さを隠すため、龍門渕銀行の関係者でない一般の方々にもロト6が当選したという事実が欲しいのです。」

「そのため、弊社がその仲介をし、会員の皆様に抽選で当選番号をお知らせしているということです」

蒲原「へ、へー……なんかよく分からないけど、龍門渕銀行ってそんな悪い奴らだったのか…ん? 龍門渕銀行…?」

「いえ、悪いというわけではなく、どこもやっていることなので…」

蒲原「龍門渕って、あの長野に本社を持つ財閥の…」

「え、ええ、そうですが」

蒲原「その龍門渕か」

「は、はぁ……?」

龍門渕の屋敷 衣の別邸

蒲原「ワハハ、まどろっこしいことしないで、はじめからここに来れば良かったなー。ロト6が龍門渕主催なんて知らなかったからなー」

衣「智美ー!! よく遊びに来てくれたなー!!」

蒲原「衣ー! 会いたかったぞ! というのは嘘で」

衣「嘘なのか!?」ガビーン

蒲原「いや、それも嘘じゃないが、今日はもっと別の用事があるんだ」

衣「衣は幼児じゃない!」

蒲原「龍門渕銀行の、ロト6ってやつのことなんだが…」

衣「うーん、確かに龍門渕銀行は龍門渕グループの系列だ。しかし詳しいことは衣には分からないぞ…」

蒲原「ニートだもんな」

衣「透華なら知っているかもしれない! 訊きに行こう!」


透華「ロト6に…不正?」

蒲原「ああ、よく分からんが、ここに直接確かめに来ればだいたい大丈夫だと思ってなー」

透華「事実無根ですわ! そもそも池田グループなんて会社、聞いたことがありません」

蒲原「本当か…? ロト6は実はヤラセで、龍門渕銀行の幹部しか当たらないって」

透華「そんな口からデマカセを信じたんですの?」

蒲原「え、いや…まあ…でも、あの人本当に当選番号を知ってて」

透華「話になりませんわね。蒲原さん、衣、ついていらっしゃい」

衣「どこに行くんだ?」

透華「…蒲原さん、丁度今からロト6の抽選会が行われる時間ですわ。不正があるかどうか、その目でじっくり確かめてご覧なさい」



蒲原「ほー、龍門渕の屋敷にこんな大ホールがあったとは…ほんと広いなーワハハ」

衣「おー! なんだ、祭りか!」

透華「蒲原さん、その当選番号を電話で受け取った時間、と言うのは何曜日の何時頃のことでした?」

蒲原「え? えーと、確か、夜だったけど…」

透華「…8時より前、後、どちらかお分かりになります?」

蒲原「えーと……」


蒲原「はい、こちら蒲原かまぼこ料理店です、すみませんがもう営業時間は…」


蒲原「そ、そうだ、うちの営業時間が9時までだから…それよりは遅いぞ!」

透華「……そしてその番号を、翌日の朝刊で確かめたところ合致していた。ロト6の抽選番号が新聞に載るのは、火曜日と金曜日。逆に言うとつまり、初めの電話があったのは木曜日か月曜日ですわね?」

蒲原「そ、そうなるのか」ワハハ

透華「ちなみに蒲原さん、今日は何曜日か分かりますわね?」

蒲原「えっ…いや…最近学校サボリ気味で曜日感覚が…ワハハ」

衣「今日は月曜日だぞ、智美! 昨日がプリキュアの日だったからな!」

蒲原「月曜日だ!」

透華「…そう、ロト6の抽選番号は、今日、月曜日…もしくは木曜日の7時からなのです。
そして蒲原さんが当選番号を受け取ったのは月曜日か木曜日の9時以降…もう分かりましたわね?」

蒲原「電話のほうが…抽選より後あと? で、でも発表は火曜日か金曜日なのになんで」

透華「そりゃそうでしょう、抽選が夜の7時なのに、その日の夕刊に間に合うわけがありませんわ」

蒲原「ん? んん、本当だ…ワハ……」

透華「……ですから、蒲原さん。あなたは既に結果発表のなされた番号を受け取っていただけなのですわ。新聞に載るのが翌日ですから、まるで相手が当選番号を事前にわかっていた、かのように錯覚していただけなのです」

蒲原「し、新聞に載る前にどうやって番号が分かるんだ」

透華「…………この抽選会はインターネットでライブ配信されています。それに抽選後すぐ、ホームページの方に結果は掲載されますわ!」

蒲原「な…なんだって! インターネット……その手があったのか!!」

透華「今どきインターネットも使えませんの…?」

衣「いんたーねっと?」

透華「衣はあんな世界には身を投じる必要はありません」

蒲原「ワ…ハハ……」

衣「お、抽選結果が出たぞ智美!」

蒲原「……!! そうだ、そもそもその人は抽選の抽選機に細工があるって。ボールの中に磁石とかなんとか」

透華「………………それも実際に見たほうが早いでしょうね」

放送終了後のステージ

透華「ほら、手に取って構いませんわよ。たった今抽選機から排出されたそのままのボールですわ。あなたもしっかりその目でご覧になっていたでしょう?」

蒲原「ワハ、その、話を聞くのに集中してて」

衣「衣はしっかり見ていたぞ! お、意外と軽いんだな。智美ー、それー!」ポイッ

蒲原「おっと…本当だ、中には何も入ってないのか?」

透華「ハギヨシ」

ハギヨシ「はっ」パカッ

衣「手刀で割った!」

蒲原「いたのかハギヨシさん」ワハハ

透華「見ての通り、中は空洞です。このボールは結果に偏りが無いよう1回ずつ作り直しまでしておりますのよ? これで抽選に不正など無いことが分かっていただけましたわね」

蒲原「ワハハ…」

衣「透華の言葉を信じろ、智美!」

蒲原「ああ…本当に、私は騙されてただけか……」

透華「典型的な詐欺ですわね。これは龍門渕の名誉に関わることです。龍門渕の名の公正さに傷をつけるなど許されません。安心していいですわよ、蒲原さんを騙したという詐欺業者、龍門渕の総力を挙げて摘発致しますので」

蒲原「うん…ワハハ、私も協力するよ」

透華「え、ええ、感謝致しますわ」

衣「ワハハ、それにしても智美は馬鹿だなー、このように平明な詐欺に騙されるとは。そんなにお金が入り用だったのか?」

蒲原「ワハハ…ほんと、馬鹿だよな…こんな馬鹿じゃ、大学なんて行ってもやっぱり仕方ないよ…」

衣「大学!?」

蒲原「ああ…でも思い知ったよ、私には高望みだったんだ。奨学金とか、ましてやこんな詐欺に頼って、無理して行くような所じゃない」

衣「大学…高校の次の、学校か」

蒲原「ああ、高校よりずっと難しいことを勉強するんだぞー。ワハハ、高校の勉強でも精一杯の私じゃ行っても無駄だよな」

衣「そんなにか…」

蒲原「それに…どうせゆみちんと同じとこには行けない。多分、かおりんやモモとも」

衣「………」

蒲原「ひとりぼっちで、無駄に四年間を過ごすことになるかもしれない。それならキッパリ、諦めるのが一番だ」ワハハ

衣「ひとりぼっちは、辛いな…」

蒲原「受験勉強もいい加減嫌になってたところだ。実家を継ぐんなら学歴だっていらないし…」

衣「智美…」

蒲原「というか、私みたいな頭の弱い女が…詐欺に騙されるような女が行けるような大学の学歴なんて…あってもなくても、同じようなもんだし……な…」

衣「智美…衣も」

蒲原「これで、良かったんだ…諦められる、いい機会だったんだ」

衣「聞け、智美!」

蒲原「」ビクッ

衣「衣も…衣も頭が悪いんだ!!」

蒲原「は…はぁ…?」

透華「衣…!? 何を言ってますの!?」

衣「知っての通り…衣は授業に全然出ていない。家の事情というのもあるが元々、勉強というのは不得手であった」

透華「……家庭教師は、一応つけているのですけどね…ハギヨシの教育でさえ嫌がる程の勉強嫌いですの」

衣「その上、友達も出来ず、一人ぼっち…出席するのが億劫になるのは、誰でも推察できよう」

蒲原「そりゃ、耐えられそうにないな…」

衣「その後…引きこもるようになってからは、透華や一、純に智樹が友人になってくれた。でも、高校の授業には出る気にはなれなかった。まあこれは、ひとえに衣の懶惰であったと言わざるを得んがな」

蒲原「授業中寝てばかりだった私は何も言えない…」

衣「そういうわけで、衣は勉強が全然出来ない。でもな、それでも…衣は、大学へ行きたい!」

蒲原「衣…?」

透華「えっ…」

衣「智美の話を聞くまで考えたことすら無かった。大学生活なんて想像したことが無かった。でも…衣は行ってみたくなった」


衣「智美と、一緒になら!」

蒲原「衣…!!」

衣「きっと楽しめると思うんだ、智美と一緒の、大学生活!!」

蒲原「それは…そりゃ、楽しいよ、絶対だ!」

衣「どの位勉強すればいいのかわからないが…智美と一緒の大学に行くためなら頑張れる! いいよな、透華!!」

透華「…確かに、衣が誰かと一緒に大学へ通うとしたら…蒲原さん以外にはあり得ませんわね。でも大丈夫ですの、衣…あなたのような勉強嫌いが大学なんて」

衣「衣にはまだ一年以上ある、智美には、その分一年、待ってもらわないといけないが」

蒲原「勉強は心配いらないさ、私くらいならすぐ追いつける…でも…」

衣「嫌か…智美?」

蒲原「嬉しいよ! そんなの、考えるまでもなく、大賛成したいよ!! でも、言っただろう…私にはお金がないって」

衣「お金か…だったら、衣にいい考えがあるぞ!」


衣「智美、結婚しよう!」

蒲原「え」

透華「」ブッ

衣「衣の嫁になれと言っているんだ! それなら、大学の学費程度、なんとかしてくれよう!(透華が)」

透華「こ、衣!? そんな一生の問題をこんな軽々しく!」

透華(というか、衣すら厄介に思ってるお父様がそんなの許して下さるかしら…)

蒲原「いいのか…衣、私でいいのか!」

透華「蒲原さんも乗らないで!」

衣「当然だ! 衣の隣席は智美のもの、これは常々から決めていることだ! 他には有り得ない!」

蒲原「衣…そんなの…」グスッ

衣「智美…?」ノゾキコミ

蒲原「答えるまでもないだろー!! 大好きだ、衣ー!!」ギュッ

衣「わわっ! 衣もだ、智美ー!」ギュー

透華「どうしてこうなったのかしら……」

その後、衣と蒲原はすぐに籍を入れた。結婚式は二人が大学を合格した時のご褒美という約束で。そして、龍門渕家に引き取られた蒲原は、ハギヨシなどの優秀な家庭教師を付け、衣とともに猛勉強を開始した。
また、ロト6の詐欺業者は性懲りもなく電話を掛けてきたところ、携帯電話を預かっていた透華たちによって逆探知をかけられあえなく逮捕された。その主犯格が池田の両親であると分かったときは透華たちも流石に驚きを隠せなかったという。

そして数ヶ月後、合格発表の日―――



蒲原「……落ちてた…」ガーン

衣「まあこれで来年、一緒に大学一年生だな、智美!」

おわり

なんとなく衣と智美をラブラブさせたくなって書いたけど
前半ちょっと冗長すぎたなこれ
寝るおやすみ

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