ポケモン戦記 (284)



最後にリメイクしながら上げていきます。


多めに書き溜めてますが遅めのペースでいってみます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364561145



人類が突如ポケモン世界から姿を消した。


残されたポケモン達は人間たちの遺した文明を受け継ぎ、復興と繁栄を遂げた。


彼らは『法』や『技術』など、人間をほとんど模倣することにまで成功したのだ。


その後、彼らはポケモン共和国という国を立ち上げ、協調と共和のもと、永遠の平和を互いに誓い合った。


だが、やがてポケモン達はタイプごとに分かれ独自の国体制を立ち上げた。


そして、それが引き金となり、ポケモン共和国は崩壊の一途をたどることとなっていった…



———某国某所———


?「ヒヒヒ、条約調印に感謝しまス。皆様のおかげで真の平和は目前ですヨ」


?「もうポケモン共和国は滅亡寸前。新たな時代に強力なリーダーは必要不可欠なのですかラ」


ウインディ「がははは!それも貴様の功労だな!」


カメックス「この炎、水、電気という共和国内の超大国同士の連合とは…改めてみても大胆ですね」


カメックス「これだけで共和国領の実に50%が同盟下ですよ」


エレキブル「ふん。協調など必要ないが、水の国と炎帝国が結べば我が国にも損害が出るだけだからな。仕方がない」


?「まあまあエレキブル王…これも平和のためなのですヨ」


?「でハ…明日にも大連合発足のニュースを流すとしましょうカ。各国にリーダーの存在を知らしめるのでス」


ウインディ「がははは!ならば今日のところは解散だ!また会おう諸君!」

これはきたい



簡単な領土図は用意してあるのですがAAにする技術も画像を投稿する方法もしらないのでこのままいきます。


もしできたら順次投稿しますね



———翌日 ノーマル・飛行国 大統領邸———


TV『緊急ニュースです。本日未明、重大な発表がなされました!』


TV『なんと、炎帝国、水の国、電気王国が同盟を結び、「北部大連合」が発足したということです!』


TV『この発表により、ポケモン共和国全土には不安と衝撃が走っています!』


TV『ポケモン共和国元老院主席のペルシアン氏は格闘国本部より…』


エテボース「プ、プクリン大統領、どういたしましょう…」


プクリン「まずいことになったな。あの北部三大国が同盟とは…予想していなかった」



エテボース「あの三国が結べば確かに『三すくみの関係』を打破できます」


エテボース「しかし、電気王国と水の国は犬猿の仲だと聞いていましたが……」


プクリン「ウインディ皇帝だろう」


プクリン「彼としては電気王国と水の国の不仲は不利益だ。ここでその二国を抱き込んでおけば、後々の脅威は無くなる」


プクリン「これは侵略開始の宣言と同意だ。我が国は炎帝国と国境を接している……」


プクリン「エテボース第一議長! すぐに国境へノーマル国防軍を派遣せよ!」


エテボース「はっ」


エテボースは尻尾早に大統領邸を立ち去った。




ノーマル・飛行国は簡単な大統領制をとっている。とは言え、その仕組みは共和国17ヶ国中もっとも複雑で発達している。


�大統領は国民投票で選ばれるが、任期は原則無制限。


�大臣職はほとんどを大統領が兼任する。


�大統領下に第一議会と第二議会を置く。
 

�第一議会は大統領の弾劾権をもつなど、第二議会よりも権限が強く、定員も第二90名に対し第一9名。


�その第一議長は議会内での拒否権を持ち、権限としては実質大統領に次ぐ国のNO.2となる。




エテボース「はぁ、ついに来たか……」


エテボース「そう簡単には攻めてこないだろうけどな……」


エテボース「とにかく、軍の司令部に電報を送らないと」


トテテテ



———数日後 ノーマル・飛行国首都 中央広場———


オタチ「……戦争だって?」


ラッタ「ああ、噂だとこの国も狙われてるらしい」


コラッタ「うそでしょ! ヤバいじゃん!」


ジグザグマ「エテボース議長が国境に国防軍を派遣させたそうじゃぞ……」


ポッポ「これはまずいね。あーあ、平和な時代も終わりかなぁ」


ドードー「まじポケモン共和国なにしとんwww」



———炎帝国 大連合首脳会談———


カメックス「さて、まずはどうするんですかウインディ皇帝閣下?」


カメックス「まさかいきなり他国に攻め込んで戦争でもするつもりではないでしょうね」


ウインディ「がはは! 冗談がうまいな大統領!」


エレキブル「ふん。一応策は練ってあるような顔だな」


ウインディ「もちろんだ! まずは我ら大連合と国境を接する諸国に『不平等条約』を締結させる!」




カメックス「なるほど……傀儡政権ですか」


エレキブル「今までにも例のある戦略か」


ウインディ「その通りだ諸侯! だが今回は過去とは違う!」


ウインディ「周辺諸国すべてを支配下に置くのだ!」


エレキブル「いいだろう。条約締結は諸国それぞれに接する国が担当でいいな」



カメックス「電気王国は鋼、地面・岩、虫の国」


カメックス「炎帝国はノーマル・飛行、草の国」


カメックス「我が国は厄介なエスパー国ですね」


ウインディ「うむ! 問題ない」


カメックス「では2つ質問があります」



カメックス「ノーマル・飛行国は平和主義及び共和国産業の要」


カメックス「下手に扱うことはできないと思いますがどうでしょうか」


カメックス「そしてエスパー国はかなり右翼傾向の強い国家です」


カメックス「ノーマル・飛行国同様扱うのが難しい国家ですがどうでしょう」


エレキブル「ふん。そんなもの恐るるに足らんだろう?力ずくでも服従させればよい」


ウインディ「ノーマル・飛行国は我に任せろ」


ウインディ「そしてエスパー国はエレキブル王の言うとおり! 戦争でもけしかけてやればよいわ!」


ウインディ「よい見せしめにしてやれ!」

悪魔族を2乗する 悪魔に悪魔族モンスター 2重の悪魔族 強そうな属性 〜 弱そうな属性 を並べる



カメックス「いいでしょう。では近く使節団を派遣します」


カメックス「もし無視でもしようものなら、ウインディ皇帝、貴殿におまかせしますね」


ウインディ「いいだろう!」


エレキブル「随分と慎重だなカメックス大統領。まだ電気王国が気に食わんのか」ジロリ


カメックス「いいえそうではありませんよ。南部の中規模国の動きが気になるだけです」ニコッ


ウインディ「そこまで! あまり争うなよ諸侯!」


ウインディ「本日はここまでだ! 次の会談にて会おうぞ!」



このSSの設定上、登場する世界観の情報が膨大になってしまいます


そこで、ぼちぼち設定や登場ポケモンをまとめていったほうがいいでしょうか?

>>8 訂正です 

共和国内は17ヶ国ではなく14ヶ国でした


そんなに長いならまとめてくれた方が読みやすいかな

>>19  わかりました

節目節目で挟んでいくようにします

あと、一応更新はこれからほぼ毎日0時くらいからと明記しておきます



———草・毒の国 ロゼリア元帥邸 大将会議室———


ジュカイン「元帥閣下。先ほど炎帝国より使節団が参りました」


ジュカイン「どうしますか元帥」


ロゼリア「決まっておろうジュカイン大将。要件など知れておる」


ロゼリア「彼奴らは我が草・毒の国を属国にしようとしておるのだ」



ロゼリア「どうやら平穏な手段をとってくれるようだがな」


ドダイトス「しかし元帥。ここは徹底的に反抗すべきでは……」


フシギバナ「無理だ。我が国の国力と相性では勝ち目がない」


チコリータ「そうよそうよ。私はまだ死にたくないわ!」


ジャローダ「……」コクッ


ドダイトス「しかし……」



ロゼリア「そうだな……」


ロゼリア「無駄な足掻きはせんほうが身のためか」


ロゼリア「リーフィア外務担当中将を呼べ」


ロゼリア「儂はまだ諸大将等の命を失う訳にはいかんのだ」


ロゼリア「理解を願う」



———草・毒の国首都 炎帝国大使館———


ブースター「我が国及び大連合は貴国との友好を望んでいます」


ブースター「だから、この友好条約を結んでいただきたいのです。一度お目通しを」


リーフィア「……」パラパラ


リーフィア「治外法権に木の実関税の撤廃、さらには軍の駐留許可だと……」パラパラ


リーフィア「き、貴様! なんだこの不平等な内容は!?」バサッ



ブースター「何を仰いますか。ただの友好条約です。結んでいただければ貴国に武力措置は致しません」ニコッ


ロゼリア「リーフィア中将、力の差は歴然だ。やむをえん」


リーフィア「ロゼリア元帥……ぐ、仕方ない……」ガクッ


リーフィア「調印しよう……」


ブースター「フフ……末永い友好を」


ここで各タイプ国のデータをざっとまとめてみます(大連合結束の時点)

国名       場所       元首        規模     政治の順です


炎帝国      北部       ウインディ皇帝   大国     強力な王政


水の国      北東部      カメックス大統領  大国     共和制


電気王国     北西部      エレキブル国王   大国     王政


ノーマル・飛行国 中央部      プクリン大統領   中規模国   共和制
                  

エスパー国    東部       ヤドキング王    小国     王政


虫の国      中央北西部    ?         小国     ?


草・毒の国    中央北西部    ロゼリア元帥    小国     軍事政権


岩・地面の国   西部       ?         小国     ?


鋼の国      西部       ?         小国     ?
  

竜の国      中央西部     ?         小国     ?


悪国       南東部      ?         中規模国   ?

 
格闘国      中央部      共和国元老院    中規模国   ポケモン共和国本部


氷の国      南西部      ?         中規模国   ?


ゴースト国    南部       ?         中規模国   ?


これはやりすぎた感がwww

ちなみに?は特に決めてないかネタバレ防止のためあえて伏せているかのどっちかです

乙!
とりあえず面白い

面白そうなスレを見つてしまった



———数日後 ノーマル・飛行国 大統領邸———


エテボース「草・毒の国、鋼の国、岩・地面の国さらに虫の国が大連合と不平等条約を?」


プクリン「ああ、国境を交える小国が次々とだ。エスパー国は使者を処刑して抵抗しているそうだがな」


エテボース「いつ我が国に白羽の矢が立つかわかりませんね」


プクリン「うむ。時間の問題だろう。だが、わが国には空軍と産業がある。そう簡単に不平等条約を結ぶつもりはない」


プクリン「多少の粘りは効くだろう」


エテボース「そうですね」




エテボース「これはある方からの助言なのですが…今のうちに氷の国と同盟すべきだと思います」


プクリン「ん?  あの国は国境を接してはいないぞ……」


エテボース「空軍は役に立ちます。しかし、氷の国に敵対されては挟み撃ちの上タイプ的にも不利です」


エテボース「格闘国は仮にも、平和宣言を出したポケモン共和国の本部ですからまず攻めては来ないでしょう」


プクリン「うむ。近いうちに使者を派遣しよう」


プクリン「国境での動きはまだないか?」


エテボース「はい。今のところは」



プクリン「軍を出動させる機会がなければいいのだがな」


エテボース「はい。仰る通りです……」


プクリン「我が国には自国防衛の最低限の戦力しかない」


プクリン「とてもあの大国の勢いを止めるのは無理だろう……」


エテボース「仕方ありませんよ。それが大統領の政権意向だったのですから」


エテボース「それよりも活発な経済と平和をささえることが第一です」


プクリン「そうだな……」



———後 氷の国 王宮———


オニスズメ「お初にお目にかかりますユキメノコ女帝陛下。ノーマル・飛行国より使者として参りました」


ユキメノコ「寒い中ご苦労様ね。で、話とは何かしら?」


オニスズメ「はい。先日、北部大連合が発足したのをご存知だと思います」


オニスズメ「彼らはその軍事力を持って近隣諸国を征服しようとしております」


オニスズメ「我がノーマル・飛行国もその強権に曝されているのです」



ユキメノコ「知っているわ。続けなさい」


オニスズメ「我が国は、伝統と産業を守るため、その蛮行を断固として受け入れないつもりです」


オニスズメ「そこで、貴国との同盟を提案したいのです」


ユキメノコ(そう来ましたか……)


ユキメノコ(ノーマル・飛行国は産業の栄えた国と聞いている。炎帝国に支配されれば我が国への侵略拠点となりかねない……)


ユキメノコ(ここは、条件でも付けて受諾しましょうか)


ユキメノコ「いいでしょう。ただし、ノーマル・飛行国の技マシン産業を我が国と共有すること。これが条件です」


オニスズメ「ありがとうございます。その件については、我が国で審議させていただきます」


ユキメノコ(これでひとまず大丈夫かしら……)


オニスズメ「失礼します」バサッ



———炎帝国 皇居———


ウインディ「がはは! ノーマル国と氷の国が同盟か! これは好機だな!」


ガーディ「と、仰いますと陛下…?」


ウインディ「がはは! 奴らはほのおタイプを弱点にしている! それを利用してやるのだ!」


ウインディ「適当に戦争でもして、どさくさに紛れてノーマル・飛行国を占領してしまえばいいわ!」


ガーディ「次の狙いはやはりノーマル・飛行国ですか」



ウインディ「がははは! 当然だ! 奴らの技マシン産業を抑えてしまえば我が軍はさらに軍事力を高められよう!」


ガーディ「どうして不平等条約ではないのですか?」


ウインディ「がははは! よい質問だ! 奴らの技マシン産業は同盟国の氷の国にも近隣諸国にも流れている! それでは意味がないだろう!」


ガーディ「つまり、独占でなければ意味がないと?」


ウインディ「当然だ!」



ウインディ「それに、草の国も岩・地面の国もいずれは併合するのだ! 特に変わるものではないわ!」


ウインディ「がはは! このご時世、力こそ全てなのだ!」


ガーディ「全くです陛下」


ウインディ「いづれはこのポケモン共和国内諸国全てを我が手中に収めるのだ!」


ガーディ「そのようなことは陛下にしか実現できません」



ウインディ「…ところで、エスパー国はどうなったのだ? 使者を殺したと聞いたが」


ガーディ「はい。条約締結には応じないつもりでしょう」


ガーディ「いかがいたしますか?」


ウインディ「がははは! 腕白小僧め! その勇気に免じてもう一度だけ機会をやろうではないか!」


ガーディ「もう一度使者を送りますか?」


ウインディ「がはは! 今すぐにでも送れ! とびっきりの愛国者をな!」


ガーディ「御意」

属性にスペルスピード重量がありました まずは ここを攻撃力にします 炎属性 は 神の宣告 に達していました
実際色 防御側の色が逆 重度のガスタ で混乱していました 攻撃力− 炎:1200p 雷:600p 水:900p 鋼を無色扱い
炎帝国
神光の宣告者;700pでない炎をやめなさい。 サーヴァントのLv.を表示しなさい。
リバース:エクゾード・フレイム しかし エクゾディアは あまり強くなく 討ち死に 水を操る能力 Lv.6
雷公国 いきなりギガデインで殺戮 守備力後出し族 堕天使族の連打龍で殺戮 他 王魔導士フィアンマ



———…


ガーディ「と、いうことだブースター」


ブースター「そうか…ならば適任を遣るとしよう」


ガーディ「ん? 今回は自分で行かないのか?」


ブースター「ははは。僕も随分と功績をため込んできた」


ブースター「ここで死にたくはないのでね」



ガーディ「ふん。賢い奴だな」


ブースター「側近。君は何故僕がこんな外交職に就いたか知っているか?」


ガーディ「知らないね」


ガーディ「ま、ノーマル国出身風情でここまで出世できたことは賞賛に値するな」


ブースター「まあまあ。もうすぐなんだよ…」


ブースター「僕の夢が叶うのは」



ガーディ「いいだろ。じゃあ使者の件はお前に任せるぞ」


ブースター「あいよ」


ブースター「お前も達者でな」フッ


ガーディ「余計な御世話だ」



———エスパー国 王城———


ヒトカゲ「では、条約に応じる意思はないということでよろしいのですか?」


ヤドキング「うるさい!お前たちなどに従うものか!こいつを処刑しろ!」


ヤドキングの指示とともに、数匹のエスパーポケモンが使者を取り囲んだ。


ヒトカゲ「結構です。自分で行きますよ。私は皇帝陛下に命を捧げた身、死など恐れはしません」


ヤドキング「くっ…バケモノめ!」



ヒトカゲ「それは貴方ですよ閣下?閣下は自国民を危険に曝すのです」


ヒトカゲ「それこそ本当の悪なのですよ」


ヤドキング「つれていけっ!」


ヒトカゲ「では、御武運を祈ります」


使者は自らの足でその場を去った。そして、すぐに刑は執行された。



———死刑台———


ヒトカゲはエスパー国の王城裏に連れてこられた。そして、そこで処刑されることとなった。


ヒトカゲ「……」テクテク


キルリア「ここに立っていなさい」


キルリア「さて、何か最後に言いたいことはありますか?」



ヒトカゲ「そうですね」


ヒトカゲ「最終警告です」


ヒトカゲ「私の命と引き換えに、炎帝国はこの国を滅ぼすでしょう」


ヒトカゲ「こんな小さな代償のために貴方がたはすべてを失うのです」



ヒトカゲ「ははははっ! 愚かな奴らだ!」


ヒトカゲ「すんなりと言うことを聞いてればいいんだよクズが!」


キルリア「もう結構ですね」


ヒトカゲ「あ? お前もすぐ死ぬんだよ」


ヒトカゲ「せいぜい許しでも乞ったらどうだ!」



キルリア「今回は国王から特別な処刑方法を命ぜられました」


キルリア「貴方のような愛国者にとって最も辛い刑となるでしょう」


ヒトカゲ「なんだ? 拷問でもするっていうのか?」


ヒトカゲ「無駄だっ!」


ヒトカゲは思いっきり毒物を仕込んだ奥歯をかみ砕こうとする。だがそれより一歩早くキルリアのサイコキネシスがヒットした。

動きを止められたヒトカゲはなお動じていない。



ヒトカゲ「チッ。煮るなり焼くなり好きにするがいい!」


キルリア「拷問……確かにそうなるかもしれませんね」


キルリア「これからサイコキネシスで貴方の精神に介入します」


キルリア「そして、永遠に悪夢を見続けることとなるでしょう」


キルリア「貴方が愛した国に裏切られ続ける夢を……」


淡々と説明するキルリアの口調と内容に、ヒトカゲは初めて恐怖を感じた。

死ぬよりもつらい苦痛が愛国者の身に降りかかることを察知したのである。



ヒトカゲ「や……やめ……」


キルリア「サイコキネシス」


ヒトカゲ「ぎゃあああああああああああああああああああ」



数日後、彼の言葉通り、エスパー国は窮地に立たされることとなった。



———ノーマル・飛行国———


TV『ついに戦争が勃発しました。ポケモン共和国内国際法に基づき、大連合はエスパー国に宣戦』


TV『その強大な兵力により、エスパー国は圧倒されているということです』


TV『それを受けて、エスパー国の隣国、悪国もエスパー国への侵攻を宣言しました』


TV『我が国が氷の国と同盟を結んだ直後の戦禍に、各国は動揺を見せています』



プリン「戦争だってやっべええええええ」


ゴニョニョ「大連合に勝てるとでも思ったのかよwww」


エネコ「物騒ですわ」


ヨーテリー「決着なんてあっという間につくでしょwwwww」


マッスグマ「ま、オレたちにゃ氷の国が味方に付いてるから余裕だなwww」



———大統領邸———


プクリン「ついに始まったか」


エテボース「はい……平和は、もう維持できないのでしょうか……」


プクリン「残念だが、これは仕方のないことなのかもしれん」


プクリン「かつて人類もこうやって滅びていったのだろう」


エテボース「我らも辿るは滅びの道ですか」


プクリン「もちろん、黙ってみているつもりはない。元ポケモン共和国元老院としてな」




エテボース「承知しております。私はその『貴方』に憧れて政治家となったのですからね」


プクリン「はは。そう言ってもらえて嬉しいよ」


プクリンは一つ微笑んだ。それは大統領などという肩書きのもとではない。


エテボース「私は今でも大統領と話ができるだけも舞い上がる思いです」


エテボース「どうかこの国に戦禍がもたらされないことを祈ります」


プクリン「私も同じ思いだ。我が国に……ポケモンに永遠の平和を」



———エスパー国首都周辺 炎帝国軍最前線———


ヘルガ—「デルビル隊! 突撃準備はいいか!」


デルビル「はっ! 首都包囲完了しました」


デルビル「あとは関所に立てこもるエスパー兵が抵抗しているだけです!」


ヘルガ—「よし。私に続け!」


ヘルガ—「突撃ィィィィィィィ」ドドドド


デルビル隊「オォォォォォッ!」ドドドド



———エスパー国 首都関所———


ランクルス「エーフィ司令!来ました!」


エーフィ「デルビル複数頭の突撃……」


エーフィ「ならばやぐらの上より応戦なさい」


エーフィ「近接攻撃はあくのはどうで一網打尽にされる可能性があるため避けること」


エーフィ「エスパー技しか使えない者は速やかに退避」


エーフィ「国王軍に合流すること」



ランクルス「ではエーフィ司令官。私と共に」


エーフィ「いいえ。わたくしは残ります」


エーフィ「最後まで役目を務めさせていただきますよ」


ランクルス「司令官……わかりました」


ランクルス「お達者で」


ランクルス「テレポート」パシュ



エスパー軍の退避が一通り終わったころ、炎軍は関所に到達した。

               

エスパー軍首都関所守備隊 82■■■■■□□□□□□□126 炎帝国軍デルビル隊





エーフィ「よし! 応戦せよ!」


ネンドール「じしん!」


スターミー「なみのり!」


キヲツケロッ
ヤグラノウエカラカッ 


デルビル「エスパー軍からの応戦! 被害が出ています」


エスパー軍首都関所守備隊 82■■■■■■□□□□□□105 炎帝国軍デルビル隊




ヘルガー「くっ。やぐらか……焼き払え!」


デルビル隊「かえんほうしゃ!」ゴォッ


グワーッ
タイヒッタイヒッ
ヤグラガクズレルゾー


デルビル隊の一斉射撃によってやぐらは全壊した。


エスパー軍首都関所守備隊 64■■■■□□□□□□□□103 炎帝国軍デルビル隊



エーフィ「ちっ。やぐらにいたものは速やかに退避! 兵を門に集めよ!」


エーフィ「サイコキネシスで門を塞ぐのです!」


ヘルガ—「無駄だっ!あくのはどうで跳ね返してやるよ」グワッ


グワァァァ
トッパサレルゾー


エスパー軍首都関所守備隊 32■■■□□□□□□□□□96 炎帝国軍デルビル隊



エーフィ「止むを得ん!近接攻撃で食らいつきなさい!」


ヘルガ—「近接戦で勝てると思ったか?あくのはどうで薙ぎ払えっ!」


デルビル隊「あくのはどう!」ドドドドド


ギャアアア
ニゲローッ


エスパー軍首都関所守備隊 2□□□□□□□□□□□□85 炎帝国軍デルビル隊



炎帝国軍は関所を難なく突破。

エスパー軍は離散し、残るはエーフィが立ちはだかるのみとなった。



ヘルガ—「お前がさっきから指揮をしてる親玉か?」


ヘルガ—「拘束しろっ! 本国へ奴隷として送るぞ」


デルビル「はっ!」


エーフィ「くっ……時間稼ぎもこれまでですね」


エーフィ「ならば最後の仕事、果たさせてもらう!」



エーフィが指示すると、土の中から隠れていたネンドールが現れた。
場所はエーフィの真下。デルビル隊が包囲したど真ん中だ。


ヘルガ—「まずいっ、自爆だ! 逃げろッ」


エーフィ「アハハハハハハハッ」


エーフィ「死ぬがよい」


ネンドール「ジジジガガガガ」


バギャアアアアアアア


エスパー軍首都関所守備隊 0□□□□□□□□□□□□46 炎帝国軍デルビル隊



ヘルガー「大分やられたか……」


ヘルガー「傷害者はすぐさま本隊衛生兵の元へ運べ!」


デルビル「一度退却しますか?」


ヘルガ—「いや、必要ない。王城へ急ぐぞ。国王にまで逃げられるわけにはいかん」


デルビル「はっ!」



———エスパー国首都王城 玉座前———


炎帝国軍は次々と防衛網を突破し、王城内を駆け抜けた。
途中途中の衛兵をなぎ倒し、ついに最奥部に到達した。


ヘルガ—「あそこだっ! 突撃イイイイ」


バタン


ヘルガ—「ヤドキング国王!貴様を拘束……何っ!?」


そこにヤドキングの姿はなかった。代わりに玉座に座っていたのは赤い体、炎のついた尻尾。
先日エスパー国へ向かったきり帰ってこなかったヒトカゲに間違いない。


ヒトカゲ「やぁ君たちごきげんよう」


ヒトカゲがヘルガ—の方を向くと、その黒ずんだ眼差しで彼を見つめた。


ヘルガ—「これはヒトカゲ外務官ではないですか。一体ここで何を……?」


突然彼の表情が歪んだ。



ヒトカゲ「ボクに口を聞くな下衆が。炎帝国の犬め」


ヘルガー「外務官……?」


ヒトカゲ「お前らはボクを裏切った。魂に誓って炎帝国に仕えていたのに……」


ヒトカゲ「皇帝はボクを殺そうとした! どうして? どうして? どうして?」


ヒトカゲ「痛かったよ? 辛かったよ? 皇帝のためならボクは命も惜しくなかった」


ヒトカゲ「なのにどうして? どうしてあんな目に合わないといけないの?」


ヒトカゲ「どうして皇帝はボクに拷問したの?」


ヒトカゲ「分からないよ。教えてよ。君たちなら知っているんだろう?」



ヒトカゲ「教えろよォォォォォォォ」シュタッ


ズバッ


ヘルガー「ぐわぁっ!」ドサッ


デルビル「ヘルガー様! 大丈夫ですか!?」


ヘルガーはヒトカゲのありえない威力のひっかきによって重傷を負った。



ヒトカゲ「さあ……いざ行こう帝国へ」ポタポタ


ヒトカゲ「エスパー国の栄光は明日にあり」ポタポタ


ヒトカゲ「我らは再び舞い戻らん」ダッ


デルビル「う、うわああああああ!」


ヒトカゲ「榯韞凞厴廞䋝傟勜橪媲讝嘑」






ザシュッ






デルビル「……?」


デルビルが目を開けると、そこには自刃し倒れたヒトカゲの姿があった。



キルリア「なんと。賢い奴ですね……」


キルリア「幻影を破って自殺を選ぶとは」


キルリア「彼らの愛国心を侮っていました」


キルリア「しかし、処刑としては十分すぎる苦痛だったでしょう」


キルリア「私も一刻も早く国王軍に合流せねば」


キルリア「テレポート」パシュッ


エスパー国がそれから間もなく敗戦したということは言うまでもない。
エスパー国は炎、水を中心とした部隊と悪国に分断占領され、主権、領土含めて完全に消滅した。
そして、植民地では激しい差別政策などが敷かれた。
元首ヤドキングは逃亡。共和国全土で指名手配となった。


だが、この戦争はまだ序章に過ぎなかった…


その後しばらくは特に各国での動きはなかった。突然の戦争勃発により、各国は慎重に動かざるを得なかったのだ。


Chapter1 「北部大連合進撃」END


ここまでで一区切りです

ここでの初SSですがレスもらえてよかったです
これからもこのくらいの亀ペースでやっていきますね

今日はここまでにしますが一つ設定まとめて続き投下していきます


1章までの主要国の雰囲気と設定をさらっと
モデルの国はそれなりにあります


ポケモン共和国  かなり歴史がある国。昔は力があったが物語の時間軸では末期の神聖ローマ帝国状態

炎帝国 ほぼ絶対王政。世代ごとに権力争いがおこる危ない国。現在はウインディ皇帝によって安定中

水の国 国土?の80%が海。首都も水中にあって大きめの島ごとに主要都市が成っている

電気王国 社会主義

エスパー国 右翼

草・毒の国 木の実産業が盛んで自給率400%を誇る

ノーマル・飛行国 平和主義。国防軍もゆるゆる

氷の国 女帝制



———数か月後 氷の国 王宮———


ユキメノコ「まさか…あなたが直接出向いてくるなんてねウインディ」

ウインディ「がははは!今回の提案は極秘としておきたいことだからな!」

ユキメノコ「提案…?」

ウインディ「がはは!その通り!」

ウインディ「我の次の標的はほかでもない、ノーマル・飛行国だ!」

ウインディ「奴らの産業!空軍!そして地理!世界平定には有利なものがすべて揃っている!」

ウインディ「手に入れないなどという手はないだろう!」


ユキメノコ「世界平定とは呆れたものね…」

ユキメノコ「貴方も元は共和国元老院の議員だったじゃない」

ウインディ「あの頃の我は若かったのだ…そして、無知だった」

ウインディ「がははは! 我は気付いたのだ! 世界平和など無意味だとな!」

ウインディ「いづれは解れ、まやかしの平和など終わりを迎えるのだ! このポケモン共和国のように!」


ユキメノコ「つまるところ、ノーマル・飛行国を犠牲にしろというのね」

ウインディ「がははは!ご名答だ!」

ウインディ「炎帝国は氷の国との平等友好条約締結と引き換えに、ノーマル・飛行国との同盟破棄を要求する!」

ユキメノコ「我が国は今、ノーマル・飛行国よりもたらされた技マシン産業により、潤っているわ」

ユキメノコ「世論が同盟存続に傾くことは必至よ……」


ウインディ「がははは! そこも考えてある!」

ウインディ「最近、我の周りで我の命を狙う者が現れたのだ」

ウインディ「そやつらの粛清をついでに、氷の国との交戦理由をつくるのだ!」

ユキメノコ「氷の国民によるテロにでも見せかけると言うのね……」

ウインディ「その通り! そしてノーマル・飛行国を戦争に引きずり出すのだ!」

ウインディ「あとは氷の国が同盟を破棄してしまえばよい! 戦時のごたごたで多少の融通は利く!」

ウインディ「強者こそ正義なのだ」

ユキメノコ「貴方の大胆さはやっぱり消えてないのね」


ウインディ「どうする! 提案を受け入れるか?」

ユキメノコ「はじめからそのつもりしかないのでしょうに。タイプ相性を考えればすぐわかるわ」

ユキメノコ「……約束しましょう」

ウインディ「がはは!お互いの繁栄を望もうではないか!」

ウインディ(束の間の、な……)

ユキメノコ(束の間の、ね……)



———暫く後 炎帝国 皇居———


ガーディ皇子兄「キャハハハ! 暗殺計画の方はどうだ参謀長?漏れていないだろうな!」

バシャーモ「はっ。もちろんです皇子」

ガーディ皇子兄「父上め……よりによって弟を正統後継者に選抜するとは……許せない!」

バシャーモ「お気持ちはよくわかります皇子」

ガーディ皇子兄「キャハハ! でももうすぐ終わりさ! この国は僕のものになるんだ!」

ガーディ皇子兄「キャハハ! 弟も父上もみんな死んじゃえばいいんだ!」


バシャーモ「……」

バシャーモ「それはどうでしょうか」

ガーディ皇子兄「キャハハ! なんだなんだ参謀長? 怖気づいたか?」

バシャーモ「いえ、そうではありません」

ガーディ皇子兄「ん? お前も父上に恨みがあるんじゃないのか」


バシャーモ「はい。あります。初めのうちは私も皇子に賛同していました」

バシャーモ「ですが、それはただ皇位継承に異議を立てる程度のもの」

バシャーモ「このようなばかげた考えではなかったはずです」

ガーディ皇子兄「きっ……きさまっ!」

ガーディ皇子兄「僕に逆らうつもりか!?」

バシャーモ「はい。罰は受けるつもりです。ただし……」

バシャーモ「お前も一緒にだこのドラ息子めッ!」ガシッ



コロコロ


ビリリダマ「出番これだけかよwwwwww」

ガーディ皇子兄「まさか、今までのことは全て……」


カッ

ドガァァァァ…



———ノーマル・飛行国 大統領邸———


プクリン「なんということだ……最悪の事態が起きてしまった」

プクリン「炎帝国が氷の国に宣戦とは……同盟国の戦争とあっては我が国も参戦せざるをえなくなる」

プクリン「他タイプの国民が、あの差別風潮の厳しい炎帝国に入り込めるはずがない」

プクリン「やはり炎帝国の次の狙いは……?」


そこに、ドタドタと足音を立ててエテボースが駆け込んできた。


エテボース「だ、大統領! 国内に動揺の声が広がっています!」

プクリン「わかってる。だが、どうしようもない」

プクリン「すぐにでも参戦要求がくるだろう」

エテボース「し、しかし! ここで戦争となれば世論は」


エテボース「大統領不信任になりかねません……」

プクリン「私のことなどかまうな。それよりも我が国のこと考えるべきだろう」

エテボース「わ、わかりました……」

エテボース「近日第一議会にて審議を行います……宣戦権は憲法により第一議会にありますから……」

プクリン「ああ。私も出席しよう」



———後日 第一議会———


エテボース「…では本日最後の議題に入ります。」

エテボース「先日の炎帝国皇居の爆破事件は、氷の国民によるテロだと断定されたのはご存じに思います」

エテボース「事件により、炎帝国の皇子や軍参謀長など多数の死傷者をだしました。これは甚大な被害です」

エテボース「そこで、炎帝国は氷の国に宣戦。氷の国は我が国に参戦および軍の駐留を要求しております」


エテボース「私としては、もちろん戦争など避けるべきものであるという意見です」

エテボース「ですが、近隣情勢を考慮するともう戦争は不可避……」

プクリン「炎帝国、そして大連合は後々草・毒の国ら諸国を併合するつもりだろう」

プクリン「ここで意地を張ってももう彼らと同じ道をたどるだけだ」

プクリン「私はすぐにでも宣戦権を行使することを第一議会に要求する」

エテボース「……では、本日の欠席は0。宣戦権行使の是非を9名全員に問います」



———…

賛成…4
反対…4
棄権…1



エテボース「このような結果となりました。」

エテボース「憲法により、第一議会同票の場合は議長である私の投票結果により決議されます」

エテボース「私の投票は……」

 


エテボース「賛成です」






ザワザワ…ザワザワ…
フザケルナー ハンタイダー

エテボース「宣戦権は行使されました。すぐにでも帝国にこの旨を通達致します」チラッ

プクリン「……」コクッ

エテボース「それでは、本日の第一議会を閉会します」



———中央広場———

ピジョン「おい、第一議会が宣戦布告を議決したって本当なのかよ」

オニドリル「何が平和宣言だよあのへっぽこ大統領め!」

ピッピ「信頼してたのに……」

ドーブル「ど、どうすんだよ。あんな大国にかてるわけないだろう」

ペラップ「俺たちも終わりか」

ホーホー「おい! そろそろ演説が始まるぞ!」



プクリン『…ノーマル・飛行国民の皆様。大統領のプクリンです』

プクリン『我が国は第一議会の宣戦権行使により、炎帝国に宣戦を布告します』

プクリン『私のことを平和主義者として大統領へと推した方が大勢いらっしゃることは存じ上げております』

プクリン『ですが、近隣諸国の情勢悪化及び同盟国の参戦要求により、私は平和存続を不可能だと判断しました』

ザワザワ…



プクリン『大国はいづれ我が国に目を付けるでしょう。しかし、黙って搾取されるのを見ていることはできません』

プクリン『我が国には優秀な軍と産業があります』

プクリン『決して敗北などありえません!』

プクリン『決して……』

こうして長い演説は続いた。それでも、世論は動きを見せず、大統領への反感は全土へと広がることとなっていった。



———ノーマル・飛行国 国防軍ノースエリア基地———

ムクホーク「諸君! 国防軍総司令部のムクホークだ! これより君らは国境へ行く」

ムクホーク「我らの目的はあくまで駐留氷軍の応援だ!」

ムクホーク「『てだすけ』などの補助技を主に使い、攻撃技は上官の許可によってのみ使用せよ!」


ムクホーク「自発的な交戦は可能な限り避けよ! 自衛に徹するのだ!」

ムクホーク「では祖国に勝利と平和を!」

ワァァァァァァ!!!

ノーマル・飛行国万歳!!!

ムクホークとか特攻隊じゃないですか…

いきなりこのような批評をして、ご不快になられる方もいらっしゃるとおもいますので、先に謝罪させていただきます。
>>1様に許可を頂いていますので、なにとぞご了承下さい。

ポケモンの特性や弱点を生かした、国同士の強弱関係等、世界設定がとても魅力的です。
今後どのような物語が、展開されるのかワクワクしてしまいます。

ただ、多数の国家間での戦争の物語あるため、登場国家が多く、更に登場するポケモンの数が多いです。そのため、読者が物語を把握するのが少し困難になっていると思われます。

まだ、物語もまだ序章部分なのでしょうから、このようなことを言うのは少々早いですが、どのポケモンも均等に登場していて、少々言い方はきついですが、登場ポケモンのほとんどがモブキャラのような印象をうけてしまいます。

そのため、物語の主軸がぼやけていまい、全体的に物語性が薄くなっている印象をうけました。
>>1様は、壮大な設定のもとつづられる物語を時系列通りに、書かれているのではないでしょうか?そのため、場面がA国、B国、C国、D国と目まぐるしく変わって行っているのだと思われます。
そこで提案ですが、各国または、各章で主役のポケモンを決めて、そのポケモンを中心に物語を展開されてはいかがでしょうか?つまり、まずはA国とB国の戦争を中心にし、それぞれの国で主役を決め、そのポケモンをメインに物語をつづり、その物語が一区切りついたら、次章として時間をさかのぼり、今度はC国とD国の戦争を物語ると言う形で書かれてはいかがでしょうか。

そうすることにより、物語の場面が目まぐるしく変わることを押さえ、物語の小さな主軸を明確にでき、読者を物語にひきつけやすくなると思います。

わかりやすく例えるなら、銀河英雄伝説と言う小説は、登場国家(勢力)は、さほど多くはないですが、登場人物が非常に多い物語です。
ですが、この小説では登場人物の把握に困ることはあまりありません、それは、帝国側、同盟側にそれぞれ主役を作りその二人を中心に物語を展開し、読者が世界観や設定、登場キャラクターを把握した辺りで、別のキャラクターを中心とした物語をつづる形をとっているからです。

つまり何が言いたいかと言えば、物語を章立てに小分けにして、各章の中心を明確にしたうえで、物語を読者に語りかけてはいかがでしょうかという事です。

最後にちょっとした提案ですが、皇帝とか、国王、隊長などと役職を持っているポケモンの名前に、「ウインディ皇帝」というように、役職を明記されてはいかがでしょうか?
そうすることにより、それぞれの上下関係や立場が明確になり、物語を把握しやすくする一助になるかとおもいます。
これは>>1様の執筆の負担が増えるので、よろしければということで!

色々と、偉そうに語ってしまい大変失礼しました。

ポケモンはそれぞれ平等に主役だろ
その程度の違いは作者によってこそ加減されわざわざ読者が口を出す必要性を感じない
馬鹿みたいな長文で本文を見にくくしていることを恥じるべき
それぞれに主張があることを踏まえて自分の主張を置く

別に今のままでいいと思う

今まで通りでよろしく

>>101
>>1です すぐに返信できず失礼いたしました 説得力のあるコメントありがとうございます
もう少し文章を練り直して来ようと思います

>>102 >>103 >>104
意見ありがとうございます 私は依頼した>>101さんの意見が正しいと感じており、折角のリメイクなので戦時中
二国間の戦争について詳しく書き足そうと思っています
しかし、今まで通りのアドバイスも頂いたので、場面の都合でそのような書き方になる場所は校正せず残そうと思います

レスありがとうございました
続き投下はもう少しかかります 




———2週間後 氷の国 中央軍事委員会———



トドゼルガ「ついに第二師団と帝国軍が激突したかジュゴン総参謀長」

ジュゴン「はい主席。第三、第五師団もノーマル・飛行国と炎帝国の国境付近の要塞に入りました」

ジュゴン「順次戦闘開始となるでしょう」

ユキノオー「戦況の見込みはどうだグレイシア情報参謀長?」



グレイシア姉「現在こおり+みずタイプの兵を多く配置しているわユキノオー総司令官」

グレイシア姉「ノーマル・飛行国の援護もあるし、恐らく拮抗するわね」

グレイシア姉「まあ、現地の指示は各師団長に任せても問題ないでしょう」

ルージュラ「師団長も十分優秀な者ばかりだからねぇ」

ルージュラ「グレイシア。アータの双子の片割れもいるんでしょ?」

ルージュラ「せいぜい戦死でもしないことねぇ」



グレイシア姉「フン。もちろんよ政治部長」

ユキノオー「ハハハ。新人いびりも大概にな」

ジュゴン「さて……例の臨時作戦コードについてはこの中央軍事委員会より各師団に送られます」

ジュゴン「タイミングも炎帝国との協議によって決定したいと思います」



トドゼルガ「女帝陛下も相変わらず黒いお方よ」

トドゼルガ「第一、第四師団には引き続きノーマル・飛行国の基地周辺で待機するよう伝えておけ」

ジュゴン「はっ」

グレイシア姉「分かりました」




———ノーマル・飛行国−炎帝国国境付近 第三、第五師団合同駐留要塞———


デリバード「第二師団が交戦を開始したそうだなグレイシア中将」

デリバード「そちらの第五師団の戦闘態勢は万全かな?」

グレイシア妹「はいデリバード上将。本国からも通信が来ています」

グレイシア妹「現地の指示は各師団長に一任すると……」



デリバード「ふん。よく言ってくれる」

デリバード「なぜ第三師団長の私が第五師団の面倒まで見なければならんのだ!」

デリバード「しかも第五師団長は新任の若造ときたもんだ」

デリバード「何が一任だ! こんなやつに司令をまかせたら我が第三師団まで壊滅だぞ」

グレイシア妹「……」

デリバード「せいぜい邪魔してくれないことだな」



デリバード「明日正午より我ら第三師団は敵国国境付近の要塞を攻撃する」

デリバード「貴様らはノーマル・飛行国防軍と共にバックアップをしておけ」

デリバード「余計なことは許さんぞ」

デリバード「ノーマル・飛行国にばれない程度で戦争を『演じ』ねばならん」

グレイシア妹「はい……」




———翌日 同 作戦会議室———


デリバード「タイプ的に、我らはかなり不利だ。しかしオオスバメ将軍、貴国の軍の補助があれば敗退はまずないだろう」

グレイシア妹「そうですね。戦況は膠着が予想されます」

オオスバメ「私たちも攻撃はできないが、氷軍のサポートはできる限り充実させよう」

オオスバメ「国防軍を氷軍師団以下、小隊単位で複数配属させる」

オオスバメ「これが最良の配備だと考えているが、どうだ?」

デリバード「うむ。十分だ」



デリバード「グレイシア中将。第五師団は右翼側の敵をせき止めよ」

デリバード「我ら第三師団は氷+みず部隊を先頭に左翼及び中央より敵軍を蹴散らす」

デリバード「奴らの要塞は丘を越えた川の沿岸」

デリバード「上手く川を利用して部隊を敵軍要塞付近まで通過させるのだ」

グレイシア妹「了解です上将」

デリバード「では、健闘を、両国の栄誉を願おう」




———数か月後 ノーマル・飛行国首都 軍司令部———

ムクホーク「戦況はどうだエイパム少佐」

エイパム「はい司令。現在国境線付近で膠着している模様です」

エイパム「氷軍は相性の悪さから苦戦を強いられているようですが、水+氷部隊やノーマル・飛行軍の援助によりそれを脱却しています」

エイパム「『鳥の4将』の他司令も優秀で、理想的な戦術を保っています」



ムクホーク「被害は」

エイパム「連合軍全体では死傷4135、うち自国国防軍は342ということです」

エイパム「現在も国境付近にて交戦が行われているようですね」

ムクホーク「うむ。まだ想定の範囲内というところか……」

ムクホーク「各将校に戦況の維持を指示せよ」

ムクホーク「決して攻撃をしないようにな」




ノーマル・飛行及び氷軍と炎帝国軍との交戦は膠着し続けた。

ただ、氷軍がノーマル・飛行国の戦火のない部分へ進駐していったことへ、誰として疑問を抱くことはなかった。




———氷の国 中央軍事委員会———

トドゼルガ「未だに戦況の変化はないか……」

ジュゴン「はい。このままではいたづらに犠牲者が増えるだけです」

グレイシア姉「もう炎帝国の指示なんて待たずにコードを発令したらどうなの」

ルージュラ「おだまり! そんなことをしたら炎帝国がどんな反応をするか……考えてもごらんなさいよ!」

ユキノオー「俺もグレイシア情報参謀長の案に賛成だ。タイミングなど大した問題ではないと思うが」



トドゼルガ「そうだな……」

ジュゴン「しかし、やはりここは待つべきでしょう」

ジュゴン「炎帝国との密約、尊重せねば我が国の危機も近いと思われます」

ルージュラ「そうよそうよ!」

ザザッ


突然、氷の会議室を疾風が駆け巡った。ふと目をやると、そこにいたのはウインディ。

炎帝国皇帝自身であった。



ユキノオー「!? お前は!」

グレイシア姉「炎帝国皇帝……?」

トドゼルガ「なるほど。噂にも聞いていた通りの俊足だな」

ウインディ「がははは! ここが氷軍の中枢だな!」

ルージュラ「どうしてここに来たのよ……」

ウインディ「がはは! 決まっておろう!」



ウインディ「これは最高機密だからな! 我が直接出向く必要があったのだ!」

ウインディ「喜べ! 戦争は終わるぞ!」

ウインディ「今こそ、ノーマル・飛行国との同盟を破棄するのだ!」

ウインディ「では、また会おう諸君!」

ビュンッ



ジュゴン「と、いうことですね」

トドゼルガ「ああ」

トドゼルガ「すぐに作戦コードを各師団長に伝えよ」

トドゼルガ「こんな無駄な戦い、さっさと終わらせるぞ」




———ノーマル・飛行国 ノースエリア氷軍第一師団駐留陣地———

フリージオ「失礼します。フリージオ副長です」

ツンベアー「なんだ。また被害報告か?」

フリージオ「いいえ、ツンベアー師団長! 本国総司令部より臨時作戦コードです!」

ツンベアー「何!? ついに来たか!」

フリージオ「その通りです! 作戦コード『シロガネヤマ クダレ』…ノーマル・飛行国軍への攻撃、撤退命令です!」

ツンベアー「直ちに第一師団全員に知らせろ! 戦争は終わるぞ!」

フリージオ「はっ!」




———ノーマル・飛行国−炎帝国国境付近 第三、第五師団合同駐留要塞 作戦会議室———


オオスバメ「デリバード上将?用とは一体なんですかな」

オオスバメ「そんなことより何か月も滞っている戦況をどうにかした方がよいのでは」

デリバード「そうだな。だが、もうそんな必要はなくなったようだ」

ビッ

パキィッ



オオスバメ「ぐっ!?」カチーン

オオスバメ「くそっ! 背後かられいとうビームだと!」

オオスバメ「体が凍って身動きが取れない……」

デリバード「ご苦労だ中将」

グレイシア妹「……」テクテク



デリバード「さて。オオスバメ将軍、冥土の土産だ。聞いていけ」

デリバード「我らは先ほどある臨時作戦コードを本国中央軍事委員会から受け取った」

デリバード「『シロガネヤマ クダレ』…ノーマル・飛行国軍への攻撃、撤退命令だよ」

オオスバメ「な、攻撃だと!?」

デリバード「そうだ。我らの狙いは何を隠そう、貴様らノーマル・飛行国だったのだ」

オオスバメ「なんということだ……」



デリバード「初めから戦争をする気などなかったのだよ」

デリバード「生憎貴様には暗殺命令が出ている」

デリバード「私をもって執行させていただこう」ガバッ

オオスバメ「ぐ……『鳥の4将』オオスバメ。もはやこれまでか……」ギリッ

ズバッ



———数日後 国防軍ノースエリア基地 司令部———

ムクホーク「ノースエリア全域の基地が攻撃を?」

エイパム「はい! それだけではありません!」

エイパム「国内各地の基地が氷軍によって攻撃されているのです!」

ムクホーク「は? そんな馬鹿な」

エイパム「氷軍の声明では、ノーマル・飛行国軍の工作を受けて国境の部隊が全滅したと…」

ムクホーク「ありえない! 攻撃技はあれだけ規制していたんだ!」

ムクホーク「これは奴らの裏ぎり……」


ナッ!オマエハッ!

ドガァァァ

ギャァァァ!!

バタン 

ムクホーク「ん? 貴様は!?」

オニゴーリ「れいとうビーム!」ビッ

ムクホーク「ぐわあああああ」カチーン

エイパム「司令!?」



オニゴーリ「れいとうビーム!」ビッ

ムクホーク「ぐわあああああ」カチーン

エイパム「司令!?」

オニゴーリ「任務完了」

エイパム「ま、まてっ」

エイパムはあわてて部屋を飛び出したが、既に敵の姿はなかった。

エイパム「今のは氷軍の……」

エイパム「司令! 大丈夫ですか!?」

ムクホーク「」コオリー

エイパム「あぁぁ……司令がやられた……でもどうして氷軍が……」




———…


氷軍が寝返った後、戦況は一変した。
国境付近で抵抗していたノーマル・飛行国軍は次々と敗走を余儀なくされ、南退していった。

ノーマル・飛行国軍のみで炎帝国軍にかなうはずなどなく、炎帝国軍はあっというまに首都市街地まで迫った。



———ノーマル・飛行国首都 第一議員邸宅———

ニャース「もうこの国も終わりかニャ……」

カクレオン「そうですね……」

カクレオン「はぁ。あの時私たちの反対が伝わっていれば」

カクレオン「第一議会の議決も変わっていたのに……」

ニャース「言ってもしょうがないニャ。今は生きることのみを考えるんだニャ」

バタン



ワカシャモ「第一議員二名発見!」

ニャース「な、なんだニャ!?」

ワカシャモ「かえんほうしゃ!」

ニャース「ぐわぁっ」ゴォォォ

カクレオン「ニャース! くっ……は、話せばわかる!」

ワカシャモ「問答無用!」ゴォッ

グワッ



———ノーマル・飛行国 第一議会———


数名の姿が消えた第一会議で、エテボースが絶望的な口どりで話し始めた。

エテボース「し、首都はもう陥落寸前です……」

エテボース「無条件降伏するしかありません……」

ザングース「どうして奴らが寝返ったのだ」

ザングース「やはり完全に彼らの思うつぼだったということではないのか!?」


ザングース「大統領! 議長! あなた方は我が国を売るつもりだったのか!?」

プクリン「……」

エテボース「い、今そのようなことを話している場合では……」

ザングース「だから俺は反対したのだ!」

エテボース「で、ですが……」

ザングース「もうこりごりだ!もう俺は議会なんかやめてやる!」

エテボース「はい……」

エテボース「炎帝国に、無条件降伏します……」ガクッ

プクリン「すまない……」



——————


後日、ノーマル・飛行国、炎帝国に無条件降伏。 

粛清により第一議会9名中5名 第二議会90名中72名が死亡。 
軍司令部も氷軍の暗殺指令により約半数が死亡。

炎帝国はすぐに氷の国と平和条約を締結。いつぞやのテロの容疑者はノーマル・飛行国民へと化けていた。


Chapter2「ノーマル・飛行国の終焉」END

すごく面白い
これからどうなるか期待

しかし電気王国は王政なのに社会主義ってよくわからん



———数日後 ノーマル・飛行国首都———


中央広場の高台に、炎帝国の使者団とノーマル・飛行国の首脳、そして多くの炎帝国民が集った。


ブースター「炎帝国はこの戦争終結に当たり、ノーマル・飛行国へと要求する」

ブースター「ノーマル・飛行国は直ちに軍を解体すること」

ブースター「ノーマル・飛行国は憲法を改正すること」

ブースター「ノーマル・飛行国は北部領土を炎帝国へ割譲すること」

ブースター「ノーマル・飛行国は主要産業を炎帝国へ譲渡すること」

ブースター「ノーマル・飛行国は季節単位で炎帝国に友好金として1億ポケを支払うこと」



ブースター「ノーマル・飛行国はひこうタイプの国民を炎帝国へ全て移住させ、逆に帝国民の移住を受け入れること。その際、帝国民の権利を侵害しないこと」

ブースター「ノーマル・飛行国は炎帝国の選出した大統領を元首とすること」

ブースター「ノーマル・飛行国は直ちに国名を『炎帝国領ノーマル共和国』へ改称すること」

ブースター「ノーマル・飛行国は現政権の大統領、国務大臣、軍司令部、そして、第二議長を戦犯として炎帝国に引き渡すこと」

ブースター「ノーマル・飛行国第一議長は直ちに辞任すること」



異論を唱えるエテボースに、プクリンはぽんと肩をたたいた。


プクリン「もういい。君は生き残るのだ。私の後に平和な世を築いてくれ」

エテボース「大統領……」

エテボースはがくりと肩を落とした。

ブースター「これで以上だ。そして、炎帝国は炎帝国領ノーマル共和国の新大統領にこの私を選出した!」

ブースター「新生ノーマル共和国大統領として、ここに新たな独立を宣言する!」

ワァァァァァァァァ!!!

「炎帝国に栄光あれ!!」

「炎帝国に栄光あれ!!」



———炎帝国 某死刑執行所———

ピジョット「大統領……第二議長ピジョット、お先に失礼いたします」ギリッ

ブースター「撃て!」

「かえんほうしゃ!」ゴオオオオオオ


整列したほのおポケモン達が一斉に射撃した。


ピジョット「うぐああああああ!!!!ぐっ…ノーマル…飛行国…万…歳…」ドサッ

ブースター「さあ、お前が最後だ」

ブースター「最後に何か遺言はないか?」


戦犯は裁判の余地もなく死刑を宣告された。

そして戦犯の処刑は後日、炎帝国皇帝とノーマル共和国新大統領の付き添いの下にて行われることになった。その模様は炎帝国やその支配下の国々全土で生中継された。

処刑は淡々と進み、軍幹部、参謀長、政府高官、第二議長と、次々にノーマル・飛行国のために尽くした者が消えて行った。

その度に帝国では歓声が巻き起こり、属国では嘆きの悲鳴が漏れ出した。



プクリン「ウインディ。君はこれで本当にいいのか」

ウインディ「がはは! 久しぶりなのは認めよう」

プクリン「君は僕と一緒にポケモン共和国の元老院を務めていたはずだろう?」

ウインディ「がはは! あの頃は若かったのだよ!」

ウインディ「我はもうあの頃の我ではないのだ……」


ウインディ「そもそも協調など不可能なのだよ!」

プクリン「そんなことはない! 証拠に、いままでポケモン共和国は続いている!」

ブースター「貴様っ! 生意気な口を……」

ウインディ「黙っていろブースター」

ブースター「はっ。申し訳ありません……」


ウインディ「ふん。そこまで言うなら平和な世を築いてみるがよいわ」

ウインディ「お前はもう生きてはいられないが、意志は生き続けるのだろう?」

ウインディ「がはは! そのための『彼』だ! 旧友への最後の情け、受け取るがよい」

ウインディ「楽しませてもらおうではないか」

ウインディ「もちろん、全力で叩き潰すがな!」

プクリン「……大胆なところだけは変わってないんだな」ハハ



プクリン「元ノーマル・飛行国民に告ぐ」

プクリン「私は国民全員を裏切った。史上最悪の政治家だ」

プクリン「謝罪などし切れはしない」

プクリン「だが、ノーマル・飛行国民は決して屈することはない! なぜなら、力は決して強くはないというのに、ここまで栄えることができたからだ!」

プクリン「希望は消えてはいない。必ず……平和は訪れる」

プクリン「それまで、しばしの我慢は必要のようだ」

プクリン「大統領職を全うしたことを光栄に思う」


プクリン「以上だ」

ブースター「では、もういいか……?」


ブースターは確認をしながら、敬礼のサインを示していた。


ブースター「撃て!」






———数日後 ノーマル共和国大統領邸———

タタッ

エテボース「大統領。お呼びですか?」

ブースター「ああ。君に伝えたいことがあってね」

ブースター「僕は君に協力したいと思っている」

エテボース「!? いきなりどうされたんですか」

ブースター「もちろんこれは極秘だ。ただの私情だからな」



ブースター「僕にはこの国を独立させてあげたいのだ」

ブースター「だが、このまま炎帝国に従っていては不可能」

ブースター「君には彼らの強権を打破してほしいのだ。そのカリスマ性とリーダーシップを使ってな」

ブースター「僕は目立った動きはできないが、裏では少しでも協力を講じよう」

エテボース「それは誠ですか?」

ブースター「わざわざ警備員も大臣もいないこの時に一般市民を大統領邸に呼んだのだ。理解を願う」

エテボース「分かりました…」

エテボース(唐突すぎる…いったい何を考えて…)

エテボース(しかし…今はそんなことを考える暇はない…か)



———数か月後 炎帝国領ノーマル共和国———

ジグザグマ「あーあどうしよ……差別のせいでもう就活100連敗だよ…」

ピィ「大丈夫?まだチャンスはあるよ」

マッスグマ「まだ残った議員たちがギリギリノーマルタイプの権利を守ってくれてるからな」

ミミロル「それに比べてあの元大統領は……私たちを炎帝国に売ったんだわ!」

ニャルマー「まあまあ、お前も見ただろあの生中継……」

チラーミィ「そんなの関係ないだろ!もう俺たちは終わりだっ」



リザード「おい貴様ら! 何を喚いている!」

ピィ「わぁっ帝国軍だ! 逃げろ!」

リザード「ひのこ!」ゴォッ

ピィ「うわあああああ!!」

ジグザグマ「やめてくれえええええ!!」

リザード「ははは! お前らを攻撃したって何も罪にはならないんだよ!」



タタタッ

エテボース「すまない……ノーマルタイプをあまり虐めないで頂きたい」

リザード「ああん!?」

エテボース「新憲法に基ずく法により確かに炎タイプによるノーマルタイプへの攻撃は罪にならない…」

エテボース「でも、それは相手に非がある場合だけなんだ」

リザード「そんなものでっちあげて……貴様、元第一議長の!?」

リザード「ちっ面倒な奴だ……」タタタ


エテボース「はぁ……」

エテボース「もうこのような風景は日常茶飯事になってしまった……」

エテボース「まだ賠償金を産業で支払っただけ、経済へのダメージはそう大きくはなかったけど」

エテボース「新憲法の差別項目は難題になりそうだ……」

エテボース「もう大統領がほとんどの権限を握っている……」

エテボース「でも、まだ道はある」

エテボース「次の国民選挙だ……」



エテボース「現在のノーマル共和国の人口はまだ70%がノーマルタイプ」

エテボース「議会を取り戻せば」

エテボース「憲法も改正できる……」

エテボース「だけど最大の問題は拒否権の発動……」

エテボース「ブースター大統領はまだ信用しきれない……」

エテボース「ああ、プクリン大統領……僕は、貴方のようになれるでしょうか……」



———…


エテボース「というわけなんだ。協力してほしい」

ザングース「俺だってそんなことは分かっている」

ザングース「だが、こうなった原因は誰にあると思っているんだ?」

エテボース「う……」

ザングース「まあいい。協力しよう。また第二議会からのスタートだ」

エテボース「ありがとう。ノーマル・飛行国のために」




———…


ハーデリア「なるほど。次の選挙で立候補するための資金を提供してほしいということだな?」

エテボース「はいハーデリア会長。いくら産業が奪われたといっても、まだシルフ社は大企業に変わりありません」

ハーデリア「もちろん! 協力は惜しまんよ」

ハーデリア「是非この国を建て直してほしい」

エテボース「ありがとうございます! あと、シルフ社にはノーマル国民の働き口として雇用を確保していただきたい」



エテボース「このままでは失業者は増えるばかりなのです」

ハーデリア「うむ。検討しよう」

ハーデリア「しかし、わが社にも帝国からの監視や圧力が来ているからなぁ」

ハーデリア「可能な限りは援助させてもらうが、完全とはいかないかもしれん」

ハーデリア「不甲斐ないものだ」

エテボース「いえいえ。そのお気持ちだけでも……」

ハーデリア「すまんな」

ハーデリア「私は選挙に出ることはできんが……」

ハーデリア「応援しているぞ」

エテボース「はい。ありがとうございます」



エテボースは、こうして協力者を集めることに徹した。

現第二議会の定員90のうちノーマルタイプは僅か5。国民選挙の得票数が多い順に選ばれる第一議会に至っては定員9中0である。

立案成立に必要な、過半数までの道ははるか遠くに見られた。だが、エテボースの必死な呼び込みは水面下で続いた。



———電気王国 王城———

エレキブル「ほう……なかなか面白いことをはじめたようだな」

ライボルト「はい。ノーマル共和国内ではにわかに反帝国の世論が上がってきています」

ライボルト「それもすべてエテボース元第一議長の影響でしょう」

エレキブル「他の元ノーマル・飛行国上層部が全て処刑されているというのに生き残っている奴だろう?」



エレキブル「ますます興味がわいてきた。ライボルト、炎帝国軍からなるべくノーマル共和国内の情報を手に入れろ」

ライボルト「かしこまりました」タタッ

エレキブル「ん、ちょっとまて」

ライボルト「はぃッ! なんでしょうか?」

エレキブル「お前、王宮内で恋愛しているそうだな」

ライボルト「ま、まさか……」ガクガク



エレキブル「側近からの情報だ。言い訳は無用」

エレキブル「電気王国憲法56条違反。悪いが決まりなのだ……」

エレキブル「連れて行け」バリィッ

ライボルト「そ、そんな……ギャァァッ」

エレキブル「また国王顧問官も交代か。うんざりだな」

エレキブル「さて……ウインディもエテボースもどう対峙するかな?吾輩は黙って見物でもさせてもらおうか」


Chapter3「希望」END



———4年後 ノーマル共和国第一議会———

エンブオー「大統領、今月の失業率は17%になりました」

エンブオー「そのほとんどがノーマルタイプのようです」

ブースター「うーむ。何か対策はないか?」

キュウコン「まあ仕方ないですわ。所詮ノーマルタイプは脆弱…」

キュウコン「炎帝国移民が優先されるのは当然よ」



ゴウカザル「未だにノーマルタイプの雇用先になってるシルフ社がたんこぶだけどな」

エンブオー「それでも社員の34%はもうほのおタイプだ」

エンブオー「それらが幹部まで昇ってしまえばこっちのものだろ」

ブースター「そうか……」

キュウコン「大統領……? 顔色があまりよろしくないようですね?」

ブースター「ん? ああちょっと考え事をしていてな」

ブースター「それより、最近はインフレが進んでいるようだが」


キュウコン「はい。本国への友好金の支払いが滞りはじめまして……」

キュウコン「ポケを増刷して対応しているのですが、ギリギリの状態です」

ゴウカザル「そんなことしたらそりゃあインフレにもなるだろうな」

ゴウカザル「まあ大統領、どうせ打撃を受けるのなんてノーマルタイプの貧困層くらいでしょうし」

ゴウカザル「我らの知ったことではありませんよ」

ゴウカザル「下手に生かしておくと治安悪化の原因にもなります」

ゴウカザル「軍部の慰み物になっている分は結構なんですがね」

ブースター「それもそうか……」



エンブオー「まったく、皇帝陛下もやることが小賢しいもんだ」

エンブオー「パーッとこんな国滅ぼしちまえば楽だったのによ」

キュウコン「貴様、口を慎みなさい」ゴォッ

エンブオー「まあまあいいじゃねーか。聞こえちゃいねーんだ」

エンブオー「それにここはどっちにしろ『俺達の国』だぜ。何をやっても文句は言われねーよ」

ブースター「キュウコン。ここは会議場だぞ。やるなら外でやれ」

キュウコン「失礼」シュン

ブースター(『俺達の国』、ね。よく言うよ)

ブースター(いつまでそんなことが言えるかも知らずに…)

ブースター(さて、そろそろ『彼』も動き出すかな?)



———その頃 ノーマル共和国首都某所———

エテボース「祖国を取り戻すために!私をリーダー、ザングースを副リーダーとして反帝国組織を設立する!」

エテボース「財的な問題は元技マシン産業の中心核、シルフ社の会長により解決された!」

エテボース「私達はあくまで平和的に祖国を取り戻すんだ!」

エテボース「まずは第一、二議会議席の奪還を目標としよう!」

エテボース「近いノーマル共和国総選挙に有志で出馬するんだ!」

ワーワー!

リーダーバンザイ!



———…

ザングース「反帝国組織の設立おめでとう。素直に賞賛させてもらうよ」

エテボース「ありがとう!」

エテボース「こんなに協力者が集うなんて思ってもいなかったよ!」

ザングース「本当だな」

ザングース「これで議席はそれなりに確保できるだろうが…」

ザングース「最後の問題は迫る選挙本番だ」

エテボース「弾圧によって思うように票が集まらない可能性はあるね」

ザングース「ああ。ここまで動いたからには奴らも黙ってはいないだろうしな」

ザングース「まあ戦略は練ってみるさ」

エテボース「うむむ…十分用心しなきゃ…」

待っていた



———数日後 炎帝国 皇居———

ウインディ「がははは! ついに動いたかあの小僧!」

ガーディ「はっ。反帝国組織の設立はノーマル共和国内で大々的に報道されました」

ガーディ「これによってノーマルタイプ達の支持と反帝国思想が湧き上がっています」

ガーディ「いかがいたします?」



ウインディ「がはは! 見逃すわけにはいかんな!」

ウインディ「まずは奴らの後ろ盾から崩す!」

ガーディ「それはまたどうしてですか?」

ウインディ「このご時世だ。下手に武力で抑えつけ、各国に悪い印象を与えてはまずいからな」

ガーディ「なるほど…さすがは陛下ですね」

ウインディ「これほど考えられなくてなにが帝だというのだ」

ウインディ「はやく行けガーディ!」

ガーディ「御意」



———ノーマル共和国 ウェストエリア工業地帯 きずぐすり工場———


コソコソ……


ヒノアラシ「圧力最大……警報解除……」

ヒノアラシ「よし。一通りの準備は済んだな」

ヒノアラシ「あとは一斉に吹き飛ぶのを待つだけか……」

ヒノアラシ「はは。炎帝国に逆らうからこういうことになるんだ」

ヒノアラシ「弱小タイプはおとなしく従っていればいいものを……」


オイッ!ソコデナニヲシテイル!


ヒノアラシ「チッ。タイミングが悪い」

ヒノアラシ「さっさとずらかるか」テテテッ

マテッ!

ナ、ナンダコレハ……!



ギュウウウウウウウン

カッ

ズガアアアアアアアン



———数日後 ノーマル共和国 反帝国組織本部———

TV『ただ今現場と中継が繋がっております!』

TV『本日未明、ウェストエリア工業地帯のきずぐすり工場にて出火した火は、瞬く間に工業地帯の30%に拡大!』

TV『ビーダル消防隊の消火活動も空しく、火は今現在も燃え上っています!』

TV『これにより、シルフ社の負債総額は約1300億ポケに上ると見られています!』

TV『さらに、当時シルフ社の取締役は工業地帯内におり、会長を含め、全員生死は不明となっています!』



エテボース「ついに炎帝国も動き出したか……」

ザングース「ああ。工業地帯から逃げ出した者の多くが、同時に複数の工場から火が出たのを目撃している」

ザングース「帝国軍の工作とみて間違いない」

エテボース「後ろ盾から崩し始めたとは」

エテボース「厳しい戦いになりそうだね……」



ザングース「とびっきり不利だな。この火事のせいで財的後ろ盾を失った」

エテボース「財力でのごりおしが利かなくなったか……」

ザングース「選挙活動も滞りそうだな」

エテボース「だけど、選挙はもう再来月に迫っている!」

エテボース「そろそろ一斉に開始しよう」



ザングース「ああ。全体指揮は俺に任せて宣伝に専念しろよ」

エテボース「そうさせてもらうよ」

ザングース「さて、早速なんだが計画を立てておいた」

ザングース「お前はまずサウスエリアに向かってくれ」

ザングース「俺はウェストエリアに行く」

ザングース「各支部で選挙活動をリードするんだ」



エテボース「軍の支配があまりいっていない地域からいくんだね?」

ザングース「そうだ。そして俺たちがリードをしながら反時計回りに各エリアを回るんだ」

ザングース「そうすれば確実に票を得られるし第一議会も狙える」

エテボース「なるほど」

エテボース「危険な地域ではくれぐれも襲撃に遭わないようにしなきゃ……」

ザングース「ああ。十分気を付けてくれ」

エテボース「じゃあ用意するよ。明日にでも出発しよう!」

ザングース「いいだろう。ならばまた後でな」



———そのころ ノーマル共和国大統領邸———

ブースター「そろそろ始まったか」

キュウコン「はい」

キュウコン「どういたしましょう」

ブースター「どうすると言ってもなぁ……」

キュウコン「このまま憲法改正に持ち込まれでもしたら私たちの首も危ないですね」

ブースター「まさか。そこまでは無いだろ」



ブースター「お前にしては珍しいな泣き言なんて」

キュウコン「いえ。私はあくまで最悪のケースを述べたまでです」

ブースター「まあ様子を見るしか……」

バタン

不意に執務室の扉が開き、帝国軍の印をつけたポケモンが三匹ほど入ってきた。
印のランクから見て、中央のポケモンが最も高位であった。しかも最高幹部。



ザッザッザッザッ

ブーバー「やあ御機嫌よう大統領」

キュウコン「ブーバー大将!? どうしてここに」

ブースター「僕は何も聞いていないぞ」

ブーバー「失礼いたしました大統領」

ブーバー「この度私は皇帝閣下の勅命により、『ノーマル共和国副大統領』として派遣されたのです」


ブーバー「今までどうもノーマル国駐留帝国軍の統制が疎かになっていたということで、私が直々に派遣されたのですよ」

キュウコン「それでも……わざわざ炎帝国軍最高幹部である貴方が来る必要は無かったのでは?」

ブースター「それだけ皇帝陛下も本気だっていうことかな」

ブーバー「はい。陛下も崩御が近いことを予感しておられるのです」

ブースター(それにしても無断とは……)

ブースター(勘付かれたか?)


ブーバー「……」ニヤッ

ブーバー「当分の間軍の統制はこのブーバーにお任せください」

ブースター「勝手なことはするなよ?ここはあくまで『ノーマル共和国』だ」

ブーバー「存じておりますとも」ニコッ

ブーバー「マグマラシ大佐。ブビィ中将。」

マグマラシ「はっ」

ブビィ「はいっ」



ブーバー「駐留軍全軍にこのことを通達しなさい」

ブーバー「これより私が指揮を執ります」

ブーバー「では大統領、失礼します」スタスタ


バタン

キュウコン「まさか彼がやってくるなんて……」

ブースター「冷徹冷酷の男か。こりゃあ下手に動いてもらわれたら困るな」

ブースター「一応親衛隊を送っておくか……」

ブースター(チャンスか、それともピンチかな?)



———2週間後 サウスエリア 反帝国組織支部———

エテボース『ノーマルタイプ国民の皆さん!』

エテボース『私たちは再び政界に戻ってきました!』

エテボース『炎帝国の支配が進んだこの国を必ず変えて見せます!』

エテボース『まず私たちは、産業を復興し、ノーマルタイプ国民の権利を取り戻します!』

エテボース『もう帝国軍に脅される日々は終わりを迎えるのです!』

ワーワー!



———…

エテボース「こんなに集まってくれるとは……大成功だね支部長」

グランブル「おう。サウスエリアはまだまだ捨てたもんじゃないぜ!」

グランブル「で、もう次の場所へ行くのか?」

エテボース「そうだね。今夜にここを出てイーストエリアに行くよ」

エテボース「本部からの候補者全員を連れてね」

グランブル「そうか……しかし気をつけろよ!」



グランブル「イーストエリアは政策で炎帝国移民が大量に移り住んだ場所だからな」

グランブル「帝国軍も血の気が多い連中ばかりらしい」

エテボース「ちゃんと調べてあるよ。でもありがとう」

エテボース「こっちには元国防陸軍大佐のリングマもいるし、多分大丈夫だよ」

グランブル「ならいいんだがな……」

グランブル「知っているか?最近政府にやってきた副大統領のことなんだが……」



———同 出発間際———

エテボース「……どうも貴族出身の炎帝国軍最高幹部らしいんだ」

リングマ「ほーう?」

エテボース「冷徹冷酷の男と呼ばれているらしい」

エテボース「なんでも一部からは皇帝を差し置いて『独裁者』とも呼ばれているそうだよ」

リングマ「なーんて酷い奴だ」

リングマ「おーれが一発拳骨でもくらわせてやりたいーぜ」

エテボース「そうだね。上に立つ者がそれじゃあ部下もついていきたくなくなるよ」

エテボース「さて、そろそろいこうか」

リングマ「よーし! みんな! 出発だー!」


オー!


?「……」コソコソ

タタタッ……



——— 真夜中 イースト‐サウスエリア間境界付近山道 ———

ザワザワ ガヤガヤ

エテボース「ふう。この辺りは小高い山が多いからね。ちょっと疲れたな」

リングマ「もーう少しでイーストエリアだぞ!」

リングマ「ほーらっきばれきばれ!」

エテボース「ははは。その元気さがうらやましいよ」

エテボース「でも、まだ木が多くて隠れやすいうちに休まないかい?」

リングマ「そーんなことでどうする!」

リングマ「リーダーなら堂々としろよ!」

エテボース「ごめんごめん」



ミルホッグ「な、なんだあれは!?」

エテボース「どうしたミルホッグ?」

木の上に登って周りを見渡していたミルホッグが叫び、降りてきた。

ミルホッグ「この山の麓に不審なポケモンが10、100……1000はいるぞ……」ガクガク

ミルホッグ「明らかに組織的に包囲されている……帝国軍だ!」ガタガタ

ザワザワ……
テイコクグンダッテ!?
ヤバイヨヤバイヨ



エテボース「なにぃっ!?」

エテボース「どうしてここが……」

ダッダッダッダッ

リングマ「あーし音が近づいてくるぞ!」

エテボース「まずい! みんな隠れろ!」




エテボース「襲撃だ!」



「かえんほうしゃ!」

ゴォォッ

突如一本道の前後から帝国軍が現れ、行列に向かってかえんほうしゃをはなった。

ウワー!
ニゲロー!

エテボース「うわっ!」バッ

リングマ「ぐっ」ダッ

エテボースとリングマは咄嗟に横に逸れ、傾斜の急な坂を滑って下った。


ザザザザッ

エテボース「とりあえず木に登るんだ!やりすごそう!」

リングマ「わーったぞ!」

二匹は滑りながらそれぞれ一本の木を捕まえ、葉の中に身を隠した。
図体のでかいリングマでさえ、この暗闇の中ではあまり目立っていなかった。

「エテボースが逃げたぞ! この下だ! 追えっ!」

……ザザザザッ

エテボース「……」

リングマ「……」

ザザザザ……

エテボース「ほっ」

リングマ「やーり過ごしたか?」



ザザザザッ

「この辺か?」

エテボース(うっ、まずい……)

「出てこい! 今なら殺さないでいてやるぞ」

リングマ(うーそをつきおって……)

「……」

「ふむ」

「ならこれでどうだ。かえんほうしゃ!」ゴォッ

ボォォォォ

帝国軍の将校は目の前にある木を燃やしてしまった。
幸いにもそれは少し遠めの木だった。


「はずれか……」

「ここか?」ゴォッ

ボォォォ

「これか」ゴォッ

ボォォォ

「これも違うか」ゴォッ

ボォォォッ

エテボース(どんどん近づいている……)

エテボース(このままでは……)



「そろそろ無くなってきたか?」ゴォッ

ボォォォ

「まだか」ゴォッ

ボォォォ

エテボース(くっ、もう二つ隣まで来た……)

エテボース(どうする……)ガサッ

ポトポト

エテボース(しまった! きのみが)

「ほう……見つけたぞ?」

「ブーバー大将の命により、お前を……」ボォッ



リングマ「でやぁぁぁぁっ!」バッ

エテボース(リングマ!?)

「な、なんだ貴様!」

ズウウウン

「ぐわぁぁぁぁっ」バキバキッ

「隊長!?」

「どうされましたか!」

リングマ「おーらおらおらっ!」ドガッ バキッ


「うわぁっ」

「な、なんだこいつは!? 応援をよべっ」

リングマ「がーははは! 帝国軍なんてものはこの程度か!」

ズンズンズン……

エテボース(リングマ!)

エテボース(すまない……)



———…

リングマの足跡と共に、帝国軍の声も遠ざかっていった。
しばらくはかすかに騒ぎの声が聞こえていたが、それも途絶えてしまった。

少し夜が明け、まわりは薄暗い闇に包まれていた。

エテボース(なんてことだ……リングマまで失ってしまうとは)

エテボース(一体私はどうしたら……)

エテボース(どれだけ生き残ってくれただろうか)

エテボース(まさか全滅なんてことも?)

ザッザッザッザッ



再び落ち葉を踏みしめる音が近づいてきた。その軽さから測るに、リングマではなかった。

エテボース(誰だ? また帝国軍か)

闇の中に小さい炎がふわりと浮かんでいるのが見える。どうやらそれは尻尾に繋がっているようだった。

?「あーららまたこれは派手にやりましたね」

?「おっとこれは……第二小隊の隊長ですか」

?「まったく自然は大切にしなきゃ」

?「ですよねエテボース代表?」

エテボース(!?)

突然話題を降られて動揺してしまった。この場所が分かっていたのか。



?「あれ?いないのかな」

?「騒ぎの元はこの辺りのはず」

?「どうもさっきのリングマはエテボース代表と一緒に坂を転がっていったって聞いたんだけどな」

?「おかげで帝国軍は200名以上やられました。すごい怪力でしたよ彼」

?「最後は将官クラスが出てようやく決着がつきました」

?「賞賛に値します」

エテボース(やはりリングマは……)



?「うーん。反応なし」

?「まあ信用できるわけないか」

?「大丈夫ですよ」

リザード「私はブースター大統領直属親衛隊のリザードです」

リザード「今回はエテボース代表らの保護のため派遣されました」

リザード「副大統領軍にまじってですけどね」

リザード「あれは新しく来たブーバー大将及びノーマル国新副大統領の軍です」

リザード「完全なる独断ですね。皇帝陛下も恐らく命じていないでしょう」

リザード「ブースター大統領もエテボース代表に死なれては困るはずですよね?」

リザード「今なら軍が一度退いているので逃げ出せます」

リザード「急ぎましょう」


エテボース(ブースター大統領の部下?)

エテボース(それにあのことも知っているということは……信用できるかな)

スルスル

リザード「あ、やはりここにいらっしゃったのですね!」

エテボース「ああ。ずっとひやひやしていたよ」

リザード「お疲れでしょう。早く親衛隊の陣地へ」

リザード「他のノーマルタイプの方々も多数保護しております」

リザード「すべてはあのリングマのお陰です」

エテボース「ならば、はやく行こうか」

リザード「はいっ!」

ザザッザザッザザッ……



隊長「いいことを聞いたぞ……」ニヤ

隊長「しかし、助けがこねば動けん……」

隊長「あのリングマめ……」

隊長「ヤーナカンジー」


———…

山を下ると、炎帝国軍の陣地がいくつもはられていた。ミネズミ一匹通さない包囲体制だ。

リザード「あれが親衛隊の陣地です」

リザードはそのうちの一つを指さした。
それは、周りより少し見渡しの悪い場所に陣地を構えていた。あれなら他の軍に見つからないように陣地に入れそうだ

リザード「もうすぐ次の突撃が始まります。その隙をついて背後の森から首都へ向けて出発しましょう」

エテボース「分かった。とにかく詳しい話は陣地で聞くよ」



———炎帝国軍 親衛隊陣地———

バッ

リザード「今戻ったよ。出発の準備はどうだい?」

アチャモ「隊長!準備万端です!いつでも行けますよ!」

ミルホッグ「リーダー!生きていらしたんですね!」

二匹に向かって同時にリアクションが行われる。
ざっと見て親衛隊も生き残ったノーマルタイプ組織員も20名程だった。

エテボース「もちろんだとも! みんなも大分生き残っているようでよかったよ」

リザード「今ここにいる無傷の者だけで25名、奥にいる負傷者で14名」

リザード「合わせて39名の救出に成功しました」



リザード「これより首都南東より帰還します」

リザード「現在首都東側はブーバー大将軍により検問が行われています」

リザード「しかし、その点は我々が解決しているのでご安心を」

「突撃ィィィィィ! 根絶やしにせよ!」ドドドドドド

エテボース「始まったか」

リザード「はい。では参りましょう。もしまだ隠れている方がいらっしゃるなら、残念ですが……」

エテボース「本当だったら全滅だったんだ。君にもブースター大統領にも感謝しなきゃね」


エテボース代表には明るさが欠けていた。



———首都近郊 南東検問所———

リザード「お疲れ様」

ヒヒダルマ「はっ! どうぞお通りください隊長! そして皆さん」

ヒヒダルマ「選挙の結果、期待しております!」

エテボース「ありがとう」

リザード「きっといい結果になりますよ」

エテボース「君たちはノーマルタイプを差別したりしないのかい?」

リザード「え?もちろんですよ」



リザード「あのノーマルタイプ好きなブースター大統領の親衛隊に抜擢されているんですから」

リザード「ひとえに親衛隊と言っても、ただのボディーガードではなく私設軍のようなものなんですけどね」

リザード「規模もそれなりですし」

エテボース「ノーマルタイプ好きか……なるほどね」

リザード「はは。まあ帝国軍の30%を支配下に置くブーバー大将ほどではありませんが」

リザード「ノーマル共和国の帝国軍は親衛隊が約40%を占めていますね」

エテボース「それはまた凄い規模だね」

リザード「炎帝国にも調和を望む者がいるってことです」


リザード「エテボース代表。貴方は我々の『希望』なのですよ」


酉テスト
つけるといろいろ便利そうですね


———二週間後 反帝国組織本部———

リザード「エテボース代表、ザングース氏が帰還されました」

エテボース「お、早く通して通して」

ドタドタ

ザングース「おい、無事だったのか!?」

ザングース「て、帝国軍!?なぜここに」ジャキッ

エテボース「ああ気にしないで」

エテボース「彼は私の『監視役』だよ。名目上はね」

リザード「お初にお目にかかります」


ザングース「……まあいい」

ザングース「それより被害の方はどうなんだ」

ザングース「全滅とまでは行かなかったらしいが……選挙に支障は出るんじゃないか」

エテボース「それも問題ないよ。彼らの軍のお陰でね」

ザングース「どういうことだ?」

エテボースはザングースに親衛隊のことを話した。

ザングース「そうか……そこまで言うなら信じよう」

ザングース「選挙に支障もないんだな」

ザングース「くそっ! 俺の計画が甘かった」

ザングース「炎帝国があんな奴を派遣してくるとは」

ザングース「死んでいった仲間たちに申し訳がつかない」

エテボース「君が気負うことじゃないさ」

エテボース「皆命を懸けてこの反帝国組織にいるんだ」


エテボース「それより選挙で勝つことが私たちの最前の使命だよ」

ザングース「すまない」

ザングース「南と西の票だけでも十分集まった」

ザングース「北と東もつられてくるだろう」

ザングース「俺たちはこのまま首都で宣伝を続けるべきだな」

エテボース「ああ。そうしよう」

エテボース「必ず勝って、ノーマル・飛行国復興の第一陣を切らなければ!」

リザード「……」ウルウル



反帝国組織の面々は残りの期間一生懸命選挙活動をした。



———総選挙当日 開票速報———

TV『さて、ただ今より開票が始まりました!』

TV『共和国放送局による事前調査によりますと』

TV『第一議会6名が既に当選確実』

TV『うち、ノーマルタイプが2名いるということです!』

TV『そしてこの間も続々と当選確実の一報が伝えられています』

TV『それによりますと、先日発足した反帝国組織からも当選がでている模様です』

TV『この全国1区の総選挙では、第一議会と第二議会を同時に選出します』

TV『そして得票数の多い順に9名を第一議会議員、その下90名を第二議会議員として選出します』

TV『ですので、あまりにも票が集中しすぎた場合は当確を除いて再選挙となります』


TV『現在はそこまでの傾向はみられませんのでその見込みはなさそうです……』

TV『さあ、この間も続々と当選が決まっています』

TV『あ、なんと、現第一議員のマグカルゴ氏が落選!』

TV『新たな勢力の参入によって共和国4度目の選挙は大荒れの模様です!』

TV『現在第一議会 反帝2 炎4 第二議会 反帝19 炎43』

TV『この後も引き続き追っていきたいと思います』



————…


結果、第二議会議席32議席を獲得。第一議会も2議席を獲得し、エテボース、ザングースが就任した。

これは両議会とも約30%を占めるという大躍進である。

これにより、ノーマル共和国内ではよりいっそう反帝国の世論が強まっていった。


少し相談なのですが、更新する最初と終わりに軽く挨拶をつけておいたほうがいいですかね
他スレ見てるとその方がレスとか指摘とかしやすそうなので

ここ一か月やけにペースが遅かったのはこの共和国編をガラっと書き直していたからです
もうひと段落したのでスムーズに行けます!

つけた方が乙はしやすいね

そうだな
続き期待

コテテスト

まったりいきましょう


———反帝国組織本部———

エテボース「やったぞ!これで一気に前進だ!」

ザングース「そうだな……一時はどうなるかと思ったが、予想以上だ」

エテボース「これもザングースの選挙戦略のおかげさ!」

ザングース「いや、それだけじゃないさ」

ザングース「ノーマル国民も4年に渡る圧政に耐えかねたんだ」

ザングース「俺たちが政界に再参入したことで希望が見えたんだよ」

エテボース「是非ともその希望にこたえなくちゃ…」


エテボース「死んでいった仲間たちの為にもね」

ザングース「ああ。今回は得票数が俺達二匹に集中したようだ」

ザングース「さらに、あの事件のせいで東と北の投票が渋ったが……」

ザングース「次はそうはいかない」

ザングース「得票数トップ9を占めて第一議会を取り返す!」

エテボース「必ずや、この国を復興しないと!」



———数日後 大統領邸———

ブースター「おめでとう!第一、第二議員再就任を心から祝福する!」

エテボース「ありがとうございます。ブースター大統領は私の命の恩人ですよ」

エテボース「しかし議会の時は真っ赤な顔をして文句を言っていらしたのに、随分な変わりようですね」

ブースター「まあな。元から顔は赤いが…作り表情だけは得意なのだよ」

エテボース「以前は炎帝国の外務大臣に仕えていたんでしたっけ」

ブースター「ああその通りだ。そして、ノーマル国のことをよく知る僕が大統領に選ばれた」

エテボース「やはり元はノーマル国に…?」



ブースター「当たり前だ。進化前はノーマルタイプだったからな」

ブースター「イーブイ族の場合は進化がそのまま国籍の変更になってしまうのだ」

エテボース「随分苦労されますね」

ブースター「いいさ。結局はそれも大統領就任ためになったのだからな」

エテボース「そうですか…」



反帝国派の議員はその後ノーマル・ほのお共同社会法と特定企業保護法案を提出。

もちろん両法とも否決されたが、反帝国の世論は無視しきれず、半年後に修正共同社会法と特定企業保護法が成立した。

これにより、差別は緩和されシルフ社の惨事をきっかけに衰弱したノーマル共和国産業を建て直すことに成功したのである。


だが……



———深夜 イーストエリア 反帝国組織支部周辺———

ブビィ「全軍に告ぐ」

ブビィ「これより作戦を開始する」

ブビィ「目的はノーマルタイプの廃絶である」

ブビィ「ノーマルタイプによる暴動を偽装し、全て捕えるか始末せよ」

ブビィ「それでは……かかれっ!」

ドドドドド……



———翌々日 反帝国組織本部 入口———

ミルホッグ「ついにノーマルタイプにも光が差してきたんじゃないか?」

ミネズミ「そうだな。あの法案が通るなんて思ってもいなかったぜ」

ミルホッグ「ま、俺様のお陰かな」ドヤ

ミネズミ「何言ってんだ。ずーっと自席でショボショボしてたやつがよぉ」

ミルホッグ「うるせぇ! 俺がいなかったらいまごろリーダーも生きて……」

ミルホッグ「ん?あれは……」

ミネズミ「あ、イーストエリア支部長じゃないか!?」



ミネズミ「どうしてあんなボロボロに……」

ミルホッグ「と、とにかく俺はリーダーに伝えに行く!」

ミルホッグ「この場は頼んだ」ダダッ

ミネズミ「ちょっ」

ミネズミ「支部長!大丈夫ですか!?」

ガルーラ「ぐ……奴らめ……」ハァハァ

ガルーラ「イースト……エリア……全滅……」ドサッ

ミネズミ「支部長!?」

短いですが今日はここまでで

書き足しも同時進行したいんで短くハイペースで投下しようと思います
ではおやすみなさい!


他の国がどうなってるか気になるわ

エラーにひっかかってます



———後 同 医務室———

ザングース「傷の方はどうなんだラッキー」

ラッキー「ラッキー」

エテボース「支部長、一体何があったんだい?」

エテボース「他のみんなは……」

ガルーラ「うっ……すまねぇ」



ガルーラ「オラがいながらなんて情けねぇんだ」

ガルーラ「全滅したよ……突然帝国軍が攻め込んできやがったんだ」

ガルーラ「必死に抵抗したが……ダメだった。副支部長がなんとかオラだけでも逃がしてくれたんだが……」

ガルーラ「あぁ情けねぇ……」

エテボース「ぜ、全滅だって……」

ザングース「ば、馬鹿な!」



ザングース「どうして突然そんな強硬手段に出てきたんだ」

ザングース「いくら奴らと言っても同盟国に愛想をつけられたくはないはずだぞ」

エテボース「何かおかしいね」

エテボース「帝国軍の過激さが増してきている……」

エテボース「嫌な予感がするぞ……」



———後日 ノースエリア 炎帝国軍軍事戦略本部———

ブーバー『ほのおタイプの皆さん』

ブーバー『先日の選挙、及びノーマルタイプびいきの法案』

ブーバー『私は由々しきものとして感じております』

ブーバー『皆さんもそうではありませんか?』

ブーバー『ここは炎帝国の属国、いわば『私たちの国』なのです』

ブーバー『それを原住のノーマルタイプが脅かそうとしているのですよ』

ブーバー『このまま野放しにしてはおけません』



ブーバー『さあ、今こそノーマルタイプを排斥するのです』

ブーバー『先日のノーマルタイプによる暴動』

ブーバー『それによって炎帝国軍にも移民の皆さんにも多くの死傷者を出しました』

ブーバー『今こそ戦う時です』

ブーバー『ノースエリア、イーストエリアよ、私と共に立ち上がりましょう』

ブーバー『炎帝国の名に懸け、敵を徹底的に打ちのめすのです』

ブーバー『ここに、「ノース&イーストエリア閉鎖」を宣言します』

ブーバー『全てのノーマルタイプをこのエリアから、いや「私たちの国」から追放するのです』

ワーワー!
ノーマルタイプハデテイケー!
ノーマルタイプハンタイ!
ノーマルタイプハテキダ!


こうして炎帝国陣営にも皇帝派、大統領派、副大統領派という三つ巴の関係が出来上がった。
しかし、副大統領派の巧妙な情報操作により、副大統領派の存在は本国には通じることは無かった。


さらに、このノース&イーストエリア閉鎖宣言によって大統領派と副大統領派は真っ向から対立。
緊張状態が続いた。

ちなみに



副大統領派……帝国軍 ノースエリア、イーストエリア


大統領派……帝国軍大統領親衛隊 サウスエリア、ウェストエリア


皇帝派……共和国ほのおタイプ第一、第二議員



※首都……全エリアの中心に位置する中立地帯



——— 一方 炎帝国 皇居———

ウインディ「むむ…なかなか手ごわいな」

ガーディ「はい。結局彼らは経費を最大限に縮小して選挙活動を行ったそうです。軍の妨害にも屈しなかったと…」

ウインディ「ちぃ。少し侮りすぎたか」

ガーディ「どう致しますか?」

ウインディ「反帝国の動きが強まった以上…大規模な工作はし辛くなった…」

ウインディ「的確に、かつダメージの大きい砦を崩さねばな!」



ウインディ「がははは!ガーディ、反帝国組織のリーダーは知っているだろう?」

ガーディ「もちろんです。元第一議長エテボース、亡きプクリン元大統領の後継者ですね」

ウインディ「がはは!その通りだ!だが、奴一匹であの選挙の大勝はありえない」

ウインディ「奴は判断力や戦略術に今一つ欠けるところがあるのだ」

ウインディ「そして、今それを補っている者がいる」

ウインディ「先の選挙でほのおタイプ議員、エテボースまでも抜き去り、ダントツ1位の得票数を得たザングースだ!」



ガーディ「現第一議員のですか」

ウインディ「うむ。ザングースは最後まで戦争に反対していたそうだ」

ウインディ「もしかしたら我らのことまでも読んでいたのかもしれんな」

ガーディ「それは厄介ですね」

ウインディ「がははは! ところで、最近ブーバーを見んが……どこへ行ったのだ?」

ガーディ「存じ上げておりません」

ガーディ「もとから軍事会議もよく欠席される方なので何とも言い難いですね」

ウインディ「がはは! それなら仕方がない」

ウインディ「実力は確かだからな、文句を言ってやるものでもないか!」

ガーディ「そうですね」

今日はここまでで

また設定がごちゃごちゃしてきましたね……
何か質問があれば更新中でもいつでもレス飛ばしてください

逆になさ過ぎて怖いですからね……

乙!



———数週間後 ノーマル共和国 反帝国組織ウェストエリア支部———

ザングース「よし、2か月後に控えた選挙戦略は…こーして…こーして…こうだ!」

ザングース「前回は移民自治区近辺からの票が少なかった。それを利用するのさ」

ザングース「だがくれぐれも軍や住民の妨害には気を付けるように。危険だと思ったら逃げろ」

ラッキー「おおおおおお!」

オドシシ「これはいけるっ! 過半数なんて余裕じゃないか!」

ドゴーム「自慢の大声で宣伝しまくるぜ!」

ザングース「みんな、頑張ってくれ」

バタンッ




ザングース「なんだ!?」ザッ

バオップ「チーっス。帝国軍少尉のバオップっス。ザングース、アンタに用っス」

ザングース「な、俺が何かしたとでもいうのか?」

バオップ「そーっス。まあともかく来て欲しいっス。詳しいことはまたこちらでよろろろろろろろっス」

ザングース「ちっ…抵抗は無駄か。すぐ戻る」テクテク

オドシシ「あ、はい!」

ドゴーム「まってますよ!」


バタン

そのまま、彼が戻ってくることはなかった。

———数日後 反帝国組織本部———

エテボース「なんだって!? ザングースが!?」

ドゴーム「はい! 突然帝国軍に拘束されて…そのままです」

オドシシ「我々はどうしたら…」


ドタドタ


リザード「代表! ザングース氏が……」

エテボース「リザード! それなら今聞いたところだよ」

リザード「申し訳ありません。情報を把握するのが一歩遅れてしまいました」

エテボース「ザングースはどうなったんだい? 一体何が……」



リザード「皇帝陛下からの直接命令、及びブーバー大将の独断ですね……」

リザード「どうもブーバー大将が情報を制限してしまっているようです」

リザード「皇帝陛下の命令を利用してザングース氏を暗殺するつもりだったんでしょうが……」

リザード「部下がギリギリで現場を押さえました」

リザード「しかし、彼は現在行方不明で、ウェストエリアを捜索中です」

リザード「生存の望みは薄いかと……」

エテボース「く……」


エテボース「なんてことだ。遂にザングースさえも失ってしまうとは……!」

オドシシ「しかしリーダー! 私達はこのくらいでは諦めません!」

ドゴーム「必ず次の選挙で仕返ししてやりましょう!」

エテボース「『ノース&イーストエリア閉鎖』からのこの半年間……少しづつ反帝国組織への弾圧が強まってきた……」

エテボース「すまない……これ以上は君たちの安全が保証できないんだ」

エテボース「潮時かもしれない」

ドゴーム「何を言うのですか! せっかくここまで来たのを台無しにするつもりですか!?」

オドシシ「ようやく第二議会議席も過半数を超え、第一議会も時間の問題です」

オドシシ「それに……今まで死んでいった仲間たちに示しがつきません」

オドシシ「危険などとうに承知です! ザングースさんの意志を無駄にはできません!」


エテボース「みんな……」

エテボース「わかった」

エテボース「ノーマル・飛行国の再興に王手をかけよう」

エテボース「第一議会を過半数超えさせ、憲法改正にのりだす! もう少しの辛抱だ!」


オオー!!


リザード「さて、僕も頑張ろうかな」


次期選挙の結果、第二議会及び第一議会はノーマルタイプが過半数を超え、リザードも立候補、当選した。
そして、新第一議長としてリザードが選出された。

憲法改正への手筈はついに整ったのだ。



——— 炎帝国 皇居———

ウインディ「がはは! まだあきらめんか」

ガーディ「そのようです。第一議会が過半数を超えるのも時間の問題です」

ガーディ「憲法改正もそう遠くないと思われます」

ウインディ「……がはは! そろそろ終わりにせねばならぬな」

ガーディ「と、仰いますと?」

ウインディ「がはは! 我も舐められているだけでは示しがつかん」

ウインディ「このまま憲法改正を許そうものなら帝国国内情勢の悪化は必須だ!」

ウインディ「毒芽は刈り取っておかねばならんのだよ」


ウインディ「ひとつ残らず、だ」

ガーディ「まさか……陛下……?」

ウインディ「気が変わった! 完全なる戦意の喪失は諦めざるをえない!」

ウインディ「ブースター大統領に伝えろ。決着をつける」

ウインディ「少し強引ではあるがな」

ガーディ「はっ……しかし……」

ウインディ「いつまでもノーマル共和国にてこずっているわけにはいかん」

ウインディ「我は世界を平定せねばならんのだ」

ウインディ「さらばだプクリン……」


ここまでで

ようやく共和国編のクライマックスなのです!


ザングースさん…



———数日後 反帝国組織本部———

トテテテ

リザード「代表、ブースター大統領がお呼びです。大統領邸へ向かってもらえませんか」

エテボース「第一議長、どうかしたのかい?」

リザード「いえ、今回は直接言いたいということです……」

エテボース「? そんな重要なことなのかな」

リザード「分かりません」

エテボース「分かった。行こう」

エテボース「……」



エテボース「リザード、今まで本当にありがとう」

エテボース「ここまで来れたのは君のお陰さ」

リザード「それが私の任務ですから」グッ

エテボース「ははは。君も随分顔つきが変わったみたいだね」

エテボース「進化が近いんじゃないのかい?」

リザード「おっとそれは気付かなかった」

リザード「次会うときは誰かわからないかもですよ」

エテボース「はは。じゃあいってくるよ」トテテテ

リザード「はい!」



———ノーマル共和国 大統領邸———

エテボース「お呼びですか大統領?」

ブースター「ああ。まずはじめに第一議会の過半数獲得、おめでとう。よくここまでやったな」

エテボース「いえ、私だけの力ではありませんよ……」

ブースター「……まあそれはいい。本題はここからだ」

エテボース「随分と深刻そうな顔ですね」

ブースター「はは。君らにとっては最悪だよ」

ブースター「本国が、先日とある命令を送ってきてね」

エテボース「はあ……命令ですか?」

ブースター「反帝国組織メンバーの完全粛清だ」



エテボース「そ、そんな…虐殺!?」

ブースター「悪く言えばそうだ」

エテボース「そんなの…国際法で認められるはずが…」

ブースター「だが、ポケモン共和国はもうほとんど権力を失ってしまった」

ブースター「ここは仮にも炎帝国の属国…多少の偽装は簡単だ」

ブースター「もう虐殺なんかが起きても、どうとでも言い訳すればそう各国の非難が集まることはないだろう」

ブースター「皇帝も焦っているようだな…」

エテボース「ですが…」



ブースター「それに合わせてブーバー大将も本国から兵を集結させているそうだ」

ブースター「やつめ本気で戦争でも始める気なのか……」

エテボース「私たちはどうしたら……」

ブースター「安心しろ。僕は本国の命令など聞くつもりはない。それを逆手に取る」

ブースター「君には僕の言うことに従ってほしいんだ」

エテボース「?」

ブースター「次の第一議会で、全権委任法と憲法の改正を決議してくれ」

ブースター「憲法の改正と同時に、親衛隊に、皇帝の息のかかった議員を粛清させるんだ」

ブースター「そして、帝国軍には撤退命令をだす」



ブースター「その後直ちにこの国を帝政に移行し、『ノーマル・飛行連合帝国』として新たに独立させるんだ」

ブースター「ああ、君には皇帝になってもらう」

エテボース「私が皇帝に!?」

ブースター「ああ。ノーマルタイプの長はやはりノーマルタイプでないといけないからね」

ブースター「僕は差し詰め参謀と言ったところだよ」

ブースター「その方がいろいろと便利でもある」ニヤリ

エテボース「……再軍備は行うんですか?」

ブースター「もちろんだ。もう自衛のためなどではない。大国になるには必要不可欠だろう?」

エテボース「しかし……私は平和を目指す身です。自ら戦争をしかけるなど……」


ブースターの表情が凍った。



ブースター「その考えのせいで一体どれだけの国民が犠牲になったか……」

ブースター「いや、まだこれからもなろうとしているのかわかっているのか!?」

ブースター「平和とは戦争の果てにあるものなんだよ!」

ブースター「いい加減自覚したらどうだ? こんな薄っぺらい平和とノーマル国民の幸福を両立するなど不可能だ」

ブースター「大国はその権力をもって再びこの国を脅かすだろう」

ブースター「それに対抗するには……この国も強くならなければならないのだ」

エテボース「……」



エテボース「プクリン大統領も気づいていたのかもしれませんね」

エテボース「戦争なしで平和を求めることが不可能であることはうすうすわかっていました」

エテボース「しかし、私達は自分のプライドのために国民を危険に曝してしまった……」

エテボース「もう限界ですね……平和のためなら戦争も厭いません」

ブースター「それでいいんだよ。帝政に移行したら第二議会は廃止するが、第一議会は残し、再構成するつもりだ。反帝国組織の面々から選んでやれ」

エテボース「はい。ですが……まだもう一つ……」

ブースター「なんだ?」



エテボース「一体どうやって独立するんですか?」

エテボース「ノース&イーストエリアはまだ閉鎖されたままですし……」

エテボース「炎帝国が黙っているとは思えません」

ブースター「フフ……そこも考えてある」

ブースター「そのうち勝手に黙ってくれるようになるさ」

ブースター「外務大臣直属時代の僕の情報網を舐めてもらっちゃ困るよ」


切りまーす

あと2、3回で共和国編終わります



———数日後 炎帝国皇居———

ウインディ「がはは! まだ動かないのかブースターは?」

ガーディ「はい。まだ機ではないと粛清を延期し続けています」

ウインディ「急がせろ! 時間がないのだ」

ササッ

ロコン「陛下、オレンの実をお持ちしました。草・毒の国の最高級品です」

ウインディ「ん、御苦労」ヒョイッ パク モグモグ

ウインディ「ん? 苦みが強いな?」

ロコン「……いえ、草・毒の国でとれた最高級品はほろ苦い風味が特徴なのです」


ウインディ「ふむ……」ゴクン

ウインディ「お前も一つどうだ?」

ロコン「」

ウインディ「なんだ我が食えというのが気に食わんのか」

ロコン「……いえ……大変恐縮でありまして……頂きます」ヒョイパク モグモグゴックン 

ウインディ「がはは! そう硬くなるでない!」ヒョイパク モグモグゴックン

ウインディ「美味かったぞ。下がれ」

ロコン「はい……」テクテク




ウインディ「まあそれでノーマル共和国のなのだが……」

ガーディ「陛下? どうされました? 顔色が優れないようですが」

ウインディ「ああ、最近体調が優れなくてな……」

ウインディ「ノーマル共和国出身のハピナス医師団は優秀で助かるのだが……ゲホッ」ビシャッ

ガーディ「陛下!?」

ウインディ「うぐ……苦しい……早く……医師団を……」ゼェゼェ





テクテク

?「無駄ですよ父上」

ウインディ「お前は……」ゼェゼェ

ガーディ皇子弟「兄の件、忘れたとは言わせません。父上は同じ運命をたどるのですよ」

ガーディ皇子弟「父上がこの国を共和制にしようとしている、という噂も聞いてしまいましたしね」

ガーディ皇子弟「そうなれば、私の正統後継者の位が意味を成さなくなってしまいますから」

ウインディ「き……さま……」ゼェゼェ

ウインディ「ガーディ……こいつを……始末しろ……」ゼェゼェ

ガーディ「それはできません」

ウインディ「な……」

ガーディ皇子弟「ロコンを失うとは予想外だったが……仕方がない」

ガーディ皇子弟「帝位をお譲りください父上」



ウインディ「この……ドラ……息子……め……」ゼェゼェ

ウインディ「ああ…我……の………国……我…の………世……界……」ゼェゼェ

ウインディ「消え…て……ゆ…………く……………」ガクッ

ガーディ皇子弟「アハハハハ! これでこの国はボクのものだ!」

ガーディ皇子弟「さて葬式の準備を……」

ガーディ「そう簡単にはいきませんね」

ガーディ皇子弟「なんだと!?」

ガーディ「私は今皇帝陛下暗殺の現場を目撃しました」

ガーディ「もしこれを公にすれば貴方は失脚です」

ガーディ皇子弟「貴様!? ボクを脅すつもりか!?」



ガーディ皇子弟「貴様!? ボクを脅すつもりか!?」

ガーディ「はい。私は帝位をシャンデラ左大臣にお譲りしていただくことを要求します」

ガーディ皇子弟「貴様……左大臣派の者だったか!」

ガーディ「はい。内部の対立はもう限界です。皇帝陛下が逝去された今、決裂は決定的となるでしょう」

ガーディ「ウインディ政権とともに貴族制度も帝国も崩壊するのです」

ガーディ「すべては貴方が陛下を暗殺したおかげですよ……宣戦布告です!」ザザザッ

ガーディ皇子弟「くそっ、あいつを始末しろ!」


その後、玉座は大乱闘となった。結局、側近のガーディは逃走に成功。ウインディ皇太子の悪行は公に広められることとなった。
炎帝国は左大臣派と皇太子派で真っ二つに割れ、未曾有の大紛争を繰り広げることとなっていった。



———ノーマル共和国 ノースエリア炎帝国軍軍事戦略本部———

炎帝国軍軍事戦略本部には、ブーバー大将の召集の下、ブーバー大将配下の全軍が集っていた。
その数は万をはるかに超え、その熱気で戦略本部周辺は気温500℃を上回っていた。
整然と並んだ軍隊の正面には戦略本部の演説台が位置している。ブーバー大将が告知した時刻はとうに過ぎたが、まだ彼の姿は無い。

ザワザワ……
ナニカアッタノカ……?

オッタイショウカッカダ!
シズカニシロ!

ブーバー「……」ハァハァ

そこに、20分遅れでブーバー大将が現れた。



しかし、何か様子がおかしい。

ブーバー「全軍に告ぐ!」ハァハァ

ブーバー「全軍……ぐふっ」バタッ

ザワザワザワ……
タイショウカッカガ!
ドウナッテルンダ!?


ブーバー大将死亡。本部内からも幹部の死体がいくつか発見された。

そして、場は混乱に包まれた。


ここまでで
また明日

>>269訂正です

ウインディ皇太子→ガーディ皇子



———その頃 ノーマル共和国 第一議会———

リザードン「さて、今回第二議会を通過した全権委任法と憲法改正立案だけど……」

リザードン「欠席は0。これより9名による投票で決議を行います」

リザードン「なお、両立案は第一議会議席の2分の1の賛成によって成立すします」

エテボース「……」

ゴウカザル(おい……やばいんじゃねえのか……)

エンブオー(こんなもん通ったら炎帝国の支配が消え失せるぞ……)

ゴウカザル(第一議会ももうノーマルタイプが5議席を取っちまった……)

キュウコン(第一議長も新憲法では拒否権がないわ……)

ゴウカザル(ま、まあ大丈夫だろ……ブースター大統領の拒否権があるし……)

キュウコン(そう……無駄な努力だってことね……)

エンブオー(ノーマルがほのおに勝てるわけねぇっつの……)



———…

リザードン「では開票を行います」


賛成・・・6
反対・・・3
棄権・・・0


リザードン「賛成が2分の1を超え、立案は成立しました」



ゴウカザル(ち……ま、まあここまでは予想通り……)

エンブオー(さあ大統領…拒否権を…)チラッ

ブースター「……」ニヤッ

キュウコン(?おかしいわね……)

ブースター「さて…立案は成立した」

ブースター「現憲法に基づき、君たちには御退場を願おう」

ゴウカザル「な!? 拒否権は!?」

ブースター「何のことかな?」



キュウコン「裏切ったのですか!」

エンブオー「貴様ぁ!」

エンブオー「エテボース!! キサマが指示したのか!」

エテボース「いえ。あなた方とやったことは変わりませんよ」

ブースター「たった今、ほのおタイプの優位は崩れ去った」

ブースター「皇帝陛下の命により、ほのおタイプ議員の粛清を命じる」

ブースター「かかれ!」



突然、会議場の扉が押し破られ、多数の炎帝国軍が押し入った。

エンブオー「お前ら!俺が誰か分かってるのか!」

帝国軍兵「問答無用です!」ゴォッ



ノーマルタイプ議員、大統領、第一議長はすぐさまその場から退避。ほのおタイプ第一議員3名は再三抵抗するも拘束された。


数分後、第二議会でも粛清が起こり、第二議長を含めほのおタイプ第二議員43名は全員拘束。
その後、混乱した帝国軍は撤退。一部の親衛隊員のみが残った。


ノーマル共和国への炎帝国移住民は、飛行タイプ送還の人質とされた。
各国は炎帝国の惨事にばかり目が行き、ほとんどこの小国の動きを見ていることはなかった。



———数週間後 ノーマル共和国 演説台———

ブースター『ノーマル共和国第一議会は全権委任法および憲法の改正を決議した!』

ブースター『私はこの演説をもって大統領職を辞する!』

ブースター『ここにおいて、ノーマル共和国はエテボースを皇帝とし、【ノーマル・飛行連合帝国】として新たに独立する!』

ブースター『帝国は直ちに第二議会を廃止し、憲法を改正する! ほのおタイプとノーマルタイプは平等となるのだ!』

ブースター『そして、先日の炎帝国皇帝暗殺事件により、炎帝国内は混乱に陥っている!』

ブースター『それを利用し、私はひこうタイプの送還、そして草・毒の国の編入を約束した!』

ブースター『炎帝国に奪われた産業も完全に復興するだろう!』

ブースター『ここに再軍備を宣言する!』

ブースター『我らも、大国としての一歩を踏み出す時が来たのだ!』

「ワアアアアアア!!」

「連合帝国万歳!!」

「連合帝国万歳!!」



———反帝国組織本部———

エテボース「みんな今までありがとう」

エテボース「ノーマル・飛行国はついに復活した」

エテボース「戦争のない国にはならないけど……それでももう炎タイプに弾圧されることもないんだ!」

エテボース「ここに、反帝国組織の解散を宣言する」

エテボース「そして、私の推薦により、旧第一議会……新帝国議会の議員を決定する」

エテボース「皇帝の君主主義のみでは国は繁栄しないというブースターの助言だ」

エテボース「皆で大国を、平和な世界を築こう!」

「皇帝陛下万歳!!!」

「ノーマル・飛行連合帝国万歳!!」



———…


ノーマル共和国、『ノーマル・飛行連合帝国』として再び独立。炎帝国の影響は親衛隊を除き排斥された。
ブースターは首相となり、軍の司令官も兼任することとなった。
 

連合帝国は予算の大部分を軍事費と産業支援にあて、急速に国力を増大していった。




炎帝国は内部紛争により元エスパー国領北部、ノーマル・飛行国北部領土の領有を放棄。
後に連合帝国により併合された。


草・毒の国も大国の圧政に耐えかねて連合帝国『草・毒州』として傘下に入った。


同時に、周辺各国は連合帝国に警戒の目を向け始めることとなった。


戦争は、着実にその影を世界に落としつつあったのだ… 




なお、この共和国内の動乱については詳しく後述する。

Chapter4「平和の日暮れ」

及び

ポケモン戦記 上巻 END

おつ

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