ほむら「ハッピバースデーまどかぁ・・・」(80)

ほむら「ハッピバースデートゥーユー・・・」

ほむら「ハッピバースデートゥーユー・・・」

ほむら「ハッピバースデーディア・・・まどかぁ・・・」

ほむら「ハッピバースデートゥーユー・・・」

ほむら「・・・」パチパチパチ

ほむら「・・・」

ほむら「・・・まどかぁ」

QB「食べないのかい、暁美ほむら」

ほむら「・・・」

QB「いつまでそうしているつもりなんだい?」

ほむら「・・・いつまでだって良いでしょう・・・まどかが、蝋燭を消すまでおあずけよ」

QB「やれやれ、君がそう言うのなら僕はそれでも構わないけれど」

ほむら「・・・なら、放っておいて頂戴」

QB「それにしても興味深いね。今日が君の仮説に登場する、現在円環の理を為している少女の誕生日だとは。
クリスマスよりも偉大な曜日じゃないか。もっとも、この世界では固定を為していないけれど」

ほむら「・・・」

QB「・・・やれやれ、見て居られないね。居た堪れないから、僕は失礼させてもらうよ」

ほむら「ふん・・・」

ほむら「・・・ねぇ、まどか・・・今日は貴女の十四歳の誕生なのよね・・・」

ほむら「教えてもらってはいたけれど・・・一度も祝えなくてごめんなさい・・・」

ほむら「・・・結局、貴方を救えなかったのよね、私は・・・」

ほむら「・・・」グスッ

ほむら「・・・まどかぁ」

ほむら「・・・プレゼント、用意したのよ」

ほむら「ピンと来るのが無くて、手縫いなの・・・下手くそだけど・・・ぬいぐるみ」

ほむら「・・・貴方の好きそうな動物の・・・」

ほむら「それから、演歌のCD・・・」

ほむら「・・・ふふっ、掛けましょうか」

ほむら「・・・そういえば、そっちには美樹さやかが居るのよね・・・」

ほむら「今頃・・・仲良くまどかの誕生日祝ってるのかな・・・」

ほむら「・・・うっ・・・うぅ・・・」ポロポロ

ほむら「美樹さやかばかり・・・ずるいわ・・・まどかぁ・・・」

ほむら「・・・私だって、貴方の誕生日・・・祝いたいよぉ・・・一緒に居たいよぉ・・・」

ほむら「・・・まどかぁ・・・」グスグス

<ピンポーン

ほむら「!?」ガタッ

ほむら「・・・も、もしかして・・・もしかして!!」

ほむら「まどかぁー!!」

マミ「あ、あら、暁美さん・・・いきなり抱き付かれると、少し照れ」ドンッ

ほむら「・・・」

杏子「よぉ、来てやったぜ」

ほむら「・・・何の用?」

杏子「良いから入れろよ。差しいれ、沢山持ってきたからさ。パーッとやろうぜ!」

ほむら「か、勝手に入らないで!!」

杏子「おっじゃましまーすっ!っと、おっ!すっげぇ豪華だな!こりゃ食い尽くし甲斐がありそうだぜ!」

ほむら「待ちなさい、杏子!それは全部まどかの為のよ!苺一つ、いえからあげのレモン一切れだって貴方にあげないわ!」

杏子「ローストチキンうめー」

ほむら「杏子!!」

マミ「・・・お邪魔・・・します・・・」シクシク

ほむら「貴方って人は・・・!」

杏子「はぐはぐ・・・んっ、ケーキの上に人形が乗ってるな・・・・・・なんかこいつ、何処かで見たような気が・・・」

ほむら「・・・」

杏子「・・・もしかして、これが、あんたの言っていたまどかって奴か?」

ほむら「・・・そうよ」

杏子「・・・そうか・・・」

ほむら「・・・解かったら出て行きなさい。今日の私は少し機嫌が悪いわよ」

マミ「ま、まぁまぁ・・・これ、紅茶を淹れたから、どうぞ?」

杏子「おっ、じゃぁケーキ食おうぜ!」

ほむら「貴方達は・・・!!」

杏子「はっぴばーすでーとぅーゆーまどかーよしっ」

ほむら「待ちなさい、何が良しよ・・・」

杏子「食って良いだろ?」

ほむら「・・・まだよ。まだ、まどかが蝋燭の火を消して」

杏子「ふー!」

ほむら「・・・!」ボカッ

杏子「いってぇー!何しやがる!!」

ほむら「・・・貴方こそ、どういうつもりよ!人の家に許可無く入りこんで、好き放題に荒らして!何のつもり!?私にそんなに嫌がらせがしたいの!?」

杏子「・・・そんなに、迷惑かよ」

ほむら「・・・えぇ、迷惑よ・・・大迷惑だわ・・・!」

杏子「・・・そうかよ。悪かった、邪魔したな」

ほむら「・・・」

マミ「佐倉さん・・・」

杏子「・・・マミ、帰るぞ。・・・こんの陰気野郎はどうしても独りぼっちで騒ぎたいみてーだからな」

マミ「・・・」

マミ「・・・ごめんなさい、失礼するわね、暁美さん・・・」

ほむら「・・・」

ほむら「・・・」

ほむら「・・・まどか、ごめんなさい・・・今、蝋燭取り替えるから・・・」

ほむら「・・・」

ほむら「・・・あの人達、持ってきた物くらい・・・持って帰りなさいよ・・・!」

ほむら「・・・」

ほむら「・・・」

ほむら「・・・」

ガチャッ

マミ「・・・佐倉さん、幾ら何でもあれはやりすぎよ・・・怒られても仕方ないわ・・・」

杏子「わーてるってうるせぇなぁ・・・」

マミ「解かってるならどうしてあんな事を・・・」

杏子「・・・うぜぇ・・・ちょーうぜぇ・・・」

マミ「・・・もう」

タッタッタッタッタ

ほむら「・・・二人とも」

杏子「・・・あ?」クルッ

マミ「・・・暁美さん」

ほむら「・・・これ」

杏子「・・・いらねーよ別に。捨てるなり焼くなり好きにしろよ」

ほむら「これは、何?」

マミ「一応・・・プレゼントなんだけど・・・」

ほむら「・・・誰に?」

マ・杏「「まどか(さん)」」

ほむら「・・・」


ほむら「・・・知らないくせに」

杏子「あぁ、知らねーよ」

マミ「・・・でも、不思議と何買えば良いかは迷わなかったわね・・・」

ほむら「・・・何買ったのよ」

マミ「わたしはノートと、あとペンを・・・佐倉さんは」

杏子「うめえ棒バラエティーパック」

ほむら「・・・馬鹿じゃないの・・・」

杏子「悪かったな!でも、それ以外何買えば良いか解かんなかったんだよ!!」

マミ「包装してほしいって言われた時の店員さんの困った表情ったら無かったわ・・・」

杏子「うっせぇぞマミ!!」

ほむら「・・・ぷっ」

杏子「あーうぜぇ!超うぜぇ!!」

マミ「ふふ・・・暁美さん。さっきはあんなことして・・・本当にごめんなさい・・・でも、わたしも、それに佐倉さんも、悪気が在った訳じゃなかったの・・・
だからお願い・・・許してくれるかしら?ほら、佐倉さんも」

杏子「・・・はぁ。悪かったよ、あんな事して・・・だけどさ、お前もあたしらに声掛けてくれるくらい、してくれたって良かったんじゃないのか?
あんな所に独りでじめじめ誕生会やられたんじゃ、あのまどかってのも出るに出れねーだろ。パーティーなんだ、もっと華やかにやらねーと。
でも、お前がそういうの、苦手だってのは解かってるよ・・・だからそういう時はあたしらを呼んでくれりゃ直ぐに行ってやるからさ・・・
友達との馬鹿騒ぎっての、あの馬鹿にとことん教えてもらったんだ、失敗したりしねーよ」

ほむら「杏子・・・」

マミ「・・・でも勝手に蝋燭を吹き消すのはやりすぎよ」

杏子「うっ!わ、解かってるよ・・・あれはやりすぎた、ごめん・・・」

ほむら「・・・なんだか、さやかっぽかったわ」

杏子「うわ・・・なんかそれすげー嬉しくねぇ・・・」

マミ「ふふふ」

ほむら「・・・ふふっ」

ほむら「・・・それじゃぁ、私の家・・・今からでも、来てくれるかしら・・・?」

杏子「おう」

マミ「えぇ、勿論」

ほむら「今度はせいぜい、さや化しないことね」

杏子「しねえよ!」

マミ「ふふっ。それじゃぁ、まどかさんの誕生会、はりきって始めましょうか」

 まどか。貴方の去った世界に、私は居続ける。

杏子「たっだいまー」

マミ「貴女の家じゃないのよ?」

ほむら「深刻なさや化ね、杏子」

杏子「そのさや化って止めろ!」

 それは寂しくて、どうしようもなく不安だけれど。

マミ「紅茶、すっかり冷めちゃったわね・・・淹れ直すわ」

ほむら「ありがとう、マミ」

杏子「冷たくてもうめえよ、マミの紅茶は。おかわり!」

マミ「はいはい」

だけれど私は独りじゃない。こうして貴方を何処かで覚えて、私を受け止めてくれる仲間が居てくれる。

杏子「あ、蝋燭の火、付けなおしたのか」

ほむら「えぇ・・・今度こそ、消しちゃ駄目よ」

杏子「わぁてるよ!」

マミ「本当かしら?」

杏子「大丈夫だって!少しはあたしを信じろよ!」

マミ「前科があるじゃない。信じられないわ」

杏子「うっ・・・あっ。ならさ、このケーキはどうなんだ?」

ほむら「お預けよ」

杏子「なん・・・だと・・・!?」

マミ「・・・どうして自分から嫌疑を煽るのかしら、この子は」

 貴方の許に、さやかが居るように。私の許には、杏子とマミが居てくれて。私達に出来ない事をする三人が居てくれて。 私達の世界は、繋がっている。

 聞こえるかしら、まどか。

マミ「ハッピバースデートゥーユー、まどかさん」

杏子「はっぴばーすでーとぅーゆー、まどか」

ほむら「ハッピバースデイディア、まどか」

 お誕生日、おめでとう。まどか。

フッ

マミ「・・・え?」

ほむら「・・・杏子」ワナワナ

杏子「ちょっ、ちが!あたしじゃない、あたしじゃない!!」

マミ「嘘おっしゃい」

杏子「本当にあたしじゃないって!!」

マミ「貴女以外に誰が・・・」

杏子「ま、まどかじゃねーの・・・?

マミ「・・・まさか・・・」

ほむら「・・・」

ほむら「マドカァー」

マ・杏「「!?」」

ほむら「マドカァーマドカァーマドカァー!!」

マミ「ちょっ、暁美さん・・・?」

杏子「どういうことだ・・・おい・・・こいつ鳴いてるじゃねーか!」

ほむら「マドカァーマドカァーマドカァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

マミ「お、落ち着いて暁美さん、ね?」

杏子「ほら、苺、食うか?」

ほむら「マドカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

さやか『まどかかと思った、残念、さやかちゃんでしたぁ!』

まど神『酷いよぉさやかちゃん!折角消せそうな気がしたのに!!』

~終わり~

マミ「そういえば、QBは居ないのかしら」

ほむら「今頃何処かで勧誘でもしているのでしょ」

杏子「そーいや、あいつの分とか残しとかなくて良いのかな・・・?」ムシャムシャ

ほむら「構わないわよ。どうせ奴等には味わうだけの感覚が無いのだもの」

マミ「暁美さんは・・・本当にQBにはけんもほろろな態度ね・・・」

ほむら「当たり前でしょう・・・!」

杏子「ん、でもまー。ケーキ一切れくらいは残してやろうぜ。なんたって今日の立役者はあいつなんだからさ」

ほむら「は?杏子、今日の主役はまどかよ。まどかで始まりまどかで終わる日よ?何を言っているの?」

杏子「いや・・・あんたこそ・・・何言ってんだよ・・・」

マミ「実はね、暁美さん・・・今日の事を教えてくれたのは他でもない、QBなのよ?」

ほむら「え・・・?あいつが・・・?」

杏子「そうそう。あいつが『暁美ほむらが深刻な局面を迎えている。注意した方が良いよ』とか言い出してお前が前々から
言っていたまどかって奴の誕生日だって事、教えてくれたんだよ」

ほむら「・・・そう」

マミ「貴方達があまり良好な仲ではないの知っているから、無理に、とは言わないけれど・・・一応QBにもお礼を言った方が良いんじゃないかしら、暁美さん」

ほむら「・・・ふんっ」

QB「この惑星には多くの休日がある。国家、宗教によって定められた休日が幾つもあり、
それらは代表者の誕生日に当て嵌めれている事も多々あるよね。ならば、今日という日も休日で
あることが君たちにとっての道理なのだろうけれど、そういう訳にもいかない。どうやら魔獣には、
休日など無いようだからね」

ほむら「言われるまでもないわ。彼女の救った世界を、私は護り続ける。休日なんていらない」

QB「どうやら、調子が戻ってくれたようで安心したよ。
僕等としても、君のような実力者に早々に円環の理に導かれるのは困るんだよね。
勿体無いじゃないか」

ほむら「そうよね・・・お前たちって、そういう奴等よね」

QB「さてと、今日も瘴気が濃いよ。魔獣共がうじゃうじゃ出てくる。放っておくと、厄介な事になるよ」

ほむら「言われるまでもないわ」

ほむら「・・・」コトッ

QB「・・・ん?ほむら、これは・・・」

ほむら「・・・食べなさい。味は杏子が保証してくれたから」

QB「・・・」

ほむら「食べないのなら、捨てるわよ」

QB「・・・いや、頂くよ・・・そんな事をしたら僕も君も、杏子にただじゃ置かれないだろうからね」

ほむら「・・・ふん」

QB「いただきます」キュベキュベ

ほむら「それじゃぁ私は行ってくるわね・・・」

ほむら「・・・ありがとう、QB」

はい今度こそ終わりです
本当はたてにげで終わるつもりがアイディアが溢れてきて最後まで書いてしまった
読んでくれた人、乙くれた人はありがとう
ハッピバースデイまどっち!
さやかちゃんさやさや!

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 \      ,へ.人ゝ __,,.--──--.、_/              _,,..-一" ̄
   \  £. CO/ ̄            \       _,,..-" ̄   __,,,...--
      ∫  /         ,、.,、       |,,-¬ ̄   _...-¬ ̄
 乙   イ /    /   ._//ノ \丿    ..|__,,..-¬ ̄     __,.-一
      .人 | / ../-" ̄   ||   | 丿 /  ).  _,,..-─" ̄   ._,,,
 マ    .ゝ∨ / ||        " 丿/ノ--冖 ̄ __,,,,....-─¬ ̄
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 ミ  ⊂-)\_)` -一二 ̄,,..=¬厂~~ (_,,/")

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