唯「ついに念願のポケットアズニャンを手に入れたよ!」(359)


憂「って何? また無駄遣いしたのお姉ちゃん?」

唯「えへ~、知らないの憂? おっくれってる~」

唯「じゃん! いま女子高生達の間で大流行してる携帯型育成ゲーム機だよ!」

唯「みてみて~見た目可愛いでしょ?」


.     /ヽ_/ヽ
    / L |||| R\
   ┃┏──┓┃    
   ┃│     l .┃
   三│     l .三
   ┃┗──┛┃

   ┃┼   o o┃
.    \___/
      //´

      | l
      ヽ.ー─'´)
        `"""´


憂「小さいね。なんだか目に悪そう……」

唯「大丈夫だよ! ゲームっていっても万歩計みたいな物らしいから!」

憂「それならいいけど……のめり込むのもほどほどにね?」

唯「うふふふ、早速つけてみるね!」

唯「ボタンここかな?」カチッ

ピローーン♪



梓『ん……むにゃ』

梓『にゃ……ふぁ~ぁ』


唯「……か、可愛い~!!」


憂「なんか思ったより……可愛いね!」

唯「でしょ~?」

梓『……ふぁ』

唯「画面の中でごろごろしてるよ~……はぅー」

憂「これだけなの? 説明書は?」

唯「憂読んでー」

憂「えー……お姉ちゃんこういうのは自分で読まなきゃ……」

憂「えっと、なになに」ガサガサ


 当ゲームは後輩育成シュミレーションゲームです。
 本体を持って歩いたり、本体をなでたり、ミニゲームをしたり
 入手したアイテムをプレゼントとして与える事で彼女との愛情が深まります。
 とっても仲良くなると、何かイイコトがあるかも?
 


憂「だってさ。ふーん……」

唯「へぇー、そういうゲームなんだ」

憂「へぇーってお姉ちゃん。知ってるんじゃないの?」

唯「ポケットアズニャンっていう名前だけクラスの子から噂で聞いてさ」

唯「どこもかしこも売り切れらしいよー」

憂「そうなんだ。あ、まってまだ書いてある」


 ※本機には赤外線とお持ちの携帯電話とを通信することで、より深く楽しむことができます。
 ※携帯コンテンツのご利用には別途料金が発生する場合もございます。


憂「最近のゲームってよくできてるんだねー」

唯「携帯電話?」

憂「うん。とりあえず初期設定しないと進まないみたい」

唯「憂やってー」

憂「自分でして」


唯「えっと、最初は……右ボタン二つとLRを同時押ししてスタートします」

唯「んしょ」カチッ

唯「これでいいのかな?」

ピロリロリロリロリロ

憂「!」

唯「わぁ……」

梓『んー……にゃむにゃむ……』

梓『ふぁ……あ、おはようございます』

唯「しゃべった!!」

憂「しゃべった……」

梓『まずは携帯電話と赤外線通信して、お名前を教えてください』
 
唯「唯! 私唯だよ!」

憂「お姉ちゃん違う違う。赤外線するの」

唯「そっかそっか♪」


唯「えっと、この縦縞模様のとこ?」

憂「そう書いてあるよ。携帯のほうは赤外線受信にしておいて」

唯「ほいっと」

唯「あ、メッセージが表示されたよ」

憂「ほんとだぁ」

  
 お名前を入力してください【   】6文字まで


唯「ゆ、い……っと」ポチポチ

憂「送信押して」

唯「うん」


 赤外線送信中しばらくお待ちください。


唯「まだかなまだかな」

憂「これで名前で呼んでくれるの?」

唯「うふふふふふ」

何だ他作品のパクリじゃねえか>>1死ね



 送信完了。


梓『唯……唯先輩?』

唯「わぁ……先輩だって! 聞いた憂!? 私のこと唯先輩って。うふふ」

憂「お姉ちゃんにもついに後輩ができたんだね。よかったねお姉ちゃん」

唯「って、ゲームの話だけど」

憂「う、うん」

梓『これからよろしくお願いします』

唯「大事にするよぉ~」

憂「それじゃあ私お風呂入ってくるね」

憂「お姉ちゃん、明日休みだからって夜更かししちゃダメだよ?」

唯「うんわかってるわかってる♪」

憂「目悪くならないように、ゲーム一日一時間までって約束してね?」

唯「ゲームじゃないよ! ポケットアズニャンだよ!」

憂「……大丈夫かな」



……


梓『ふあー眠くなってきました』

唯「んもう、さっき寝てたじゃん!」

梓『唯先輩は寝ないんですか?』

唯「まだ寝ないよー♪」

梓『おやすみなさぁーい……』

唯「え……」

梓『zzz』

唯「寝ちゃったし……そっか!時計が組み込まれてるんだ!」

唯「うーん、とりあえずわかんないし説明書読もっかな……めんどくさいけど」

唯「あずにゃんの友好度をあげるには……っと」ペラリペラリ

唯「その①おやつをあげよう!」

唯「あれ、でも持ち物何も持ってない……」

唯「持ち物を手に入れるには……っと」ペラリペラリ


唯「持ち物手に入れるにはたくさん歩こう!」

唯「えぇ~~……歩くの嫌い……」

唯「一緒にお散歩するとなにか拾ったりするんだ……へー」

唯「なになに、歩数が増えていくにつれ、台詞や行動が増えます」

唯「友好度もあがっていきますので、たくさん歩きましょう……」

唯「そっかぁ……」

唯「じゃあ明日からいっちょ頑張ろうかな……」

唯「でもこれ手でしゃかしゃか振るだけでも一応歩数は増えるんだね」シャカシャカ

唯「……疲れた、こんだけ振ってやっと500歩か」

唯「あ、そうだ! 学校にもつけていけば歩数ふえるね! あったまいいー♪」

唯「よし、今日のところはおやすみあずにゃん!」

梓『zzz…』

唯「か、可愛い……うひひ」



翌朝


ピロリロリロリロ

唯「んぅ……うるさ……」

ピロリロリロリロ

唯「んー……いま何時……」

唯「あれ、目覚ましまだじゃん……何が鳴ってるの」

ピロリロリロリロ

唯「あ、あずにゃんか……」

梓『おはようございます唯先輩!』

唯「おはよぉ……朝から元気だねぇ……私眠いよぉ」

梓『おはようございます唯先輩!』

梓『おはようございます唯先輩!』

唯「あはは、おんなじことしかしゃべんないや」

唯「……起きちゃったし……お散歩いこうかな」


梓『今日も元気にがんばりましょう!』

梓『一日のスタートはバランスの良い朝ごはんから!』

梓『しっかり食べてくださいね!』

唯「……あずにゃんってもしかして健康グッズなのかな」

梓『今日も元気にがんばりましょう!』

唯「憂起きてるかな……お腹すいた……」


憂「あ、お姉ちゃん早いね珍しい。今日お休みなのに」

唯「しってるよぉ。あずにゃんがピーピーうるさくって……」

憂「そうなんだ。朝ごはん食べる?」

唯「うん! そうだ、いまのうちにあずにゃん振っとこ」シャカシャカ

梓『お散歩は楽しいですね』

唯「お散歩じゃないよ。あずにゃんはいまシェイクされてるだけだよ」

梓『足元には気をつけてくださいね』

唯「ぷくく……あずにゃんおバカさん」


唯「はぁはぁ……」シャカシャカシャカシャカ

梓『……』

唯「ふぉおおお! もっと速く!!」シャカシャカシャカシャカシャカシャカ

梓『……』

唯「どう!?」

梓『……』

唯「あれ、全然歩数増えてない……」

唯「えー……ずるはダメなの?」

梓『今日はいい天気ですか? 一日晴れるといいですね』

唯「聞いちゃいやしない……いや当然だけど……」

梓『お腹すきましたね。朝ごはん食べました?』

唯「いまから食べるー」シャカシャカ

梓『歩数が一定数に達したのでミニゲームを追加しました』

唯「お!?」

憂「お姉ちゃんご飯できたよー」

シュールすぎでつまんねえ
他作品ぱくってでこれかよ




唯「……」ピコピコ

憂「……」モグモグ

唯「……」ピコピコ

憂「お姉ちゃん?」

唯「……お、とと……あぶな」ピコピコ

憂「お姉ちゃん!」

唯「! ご、ごめん……つい夢中に」

憂「ご飯冷めるよー?」

唯「はぁい……いただきます」

憂「やっぱりゲームなんだ?」

唯「ミニゲーム。落ちてくるたい焼きを空中でキャッチするだけのゲーム。後で憂もやる?」

憂「う、うん……おもしろいのそれ?」

唯「さぁ……あずにゃんは可愛いけど」

憂「お姉ちゃんあんまりゲーム得意じゃないもんね」

けいおん豚はゴミだな
おらおら>>1はパクリの謝罪しろや


唯「あずにゃんと仲良くなるためにこのあとお散歩いってくるね」

憂「うん。それはいいけど」

唯「けど?」

憂「じーっとそれいじりながら歩いたら危ないよ?」

唯「うーん……そうだね。ポケットに入れとくよ。ポケットアズニャンなんだし」

憂「それがいいね」

唯「今度またどこかで入荷してたら憂にも買ってあげるね!」

憂「ほんと?」

唯「全然どこにも売ってないんだよー! クラスのみんなも手に入れるの苦労してるみたい」

憂「お姉ちゃんすごいね」

唯「私はとんだラッキーガールだったのです。たまたま」

憂「わかったからちゃんと噛んで食べてね」

唯「ごめん……えへへ」


      / ̄ ̄\     うんたん♪
      l(itノヽヽヽl

     ノリ(l| ^ q^ ノi   うんたん♪
     ⊂  ロマンス つ
      (   ?  )

      (____)
ブブブー (ヽ_゚゚ _ ノ
    ξ ∪  ̄∪


    / ̄ ̄\
    l(itノヽヽヽl
   ノリ(l| ^ q^ ノi

      と  、, ヽ
       (  _)_)
       し'し' ●
            ●●

                -────-    、
           . : ´: : : : : : : : :l: : : : : : : : : : :\

          /: /: : :/|: : : :|: : : : : : : l : : : : ヽ
         /: : / \/ |: : : :|、 : : : : : |: : : : : :ヽ
       /: : : :/ \/ __ノ|: : :.|∧ ゝ:_:_:_: : |: : : : : : : : .

        /:/: :.{: : :/   八: : |  ヽ \: : : | : : :|: : : : : :i
      {:/: :/: :|: :/ /⌒ヽ  \|  /⌒ヽヽ:.:|: : : }: : :} : : |
.      /: :/ : 八/ /@ ー}     /ー@} 〉|: :/: : /: : .〈
     /: :/: : : : / {_ l ヾノ     {_ / i .ノ∧人:/: : /: : : :∧
      | :/: : : : /   しノ (O O) しし'/: : : : :/ :/ヽ: : : : |
      |/: : : : :.{       r-~く     /: : : : :/:./ ノ : : |: :|
.ゴリッ  |: : : :/ :丶    |/  ',   /: : : : :/: /Y: : : : :|: :|
⌒⌒ヽ | : : ∧: : : \    {/   }  /: : : : :/: /: :|: : : : ハノ
 、  ) ̄} ̄ ̄ ̄ ̄~;;`─し uUァ/: : : /: /: :/: :ノ/

、_人_,ノ⌒)}─┐    .,,;:':;}#./厶∪ /|_/|_:/:.:ヽ/
  _,,ノ´  └───;イ;゚;';;;:*:;V.: /YYヽ.:.:.:.:.:.}

r‐'´     ブチブチッ.:.:.:.:く;;∬∬∬'.:.:.{  /∨.:.:./
.       /:.:.:.:.V.:.:.:.:.:.:.{{i ;∬;ノノ.:.:. ∨.:.:.:.:}.:.:/



……


唯「うららかお散歩日和~」

梓『♪』

唯「あー、朝から運動するってきもちー……」

唯「今何歩くらいたまっただろう。見てみよ」

梓『アイテムを拾いました。アイテムボタンから確認してみてください』

唯「わぁ! えらいえらい」ナデナデ

梓『にゃっ!? 変なとこ触らないでください!』

唯「おお! そっか、これってなでるのにも対応してるんだ!!」

唯「えへへへへそうとわかればとことんなでちゃうぞー」ナデナデナデナデ

梓『ああんもう! そんなことされたって嬉しくありませんから!』

唯「ういヤツういヤツ」ナデナデ

唯「あ、ところで何を拾ったんだろう」カチカチ

唯「アイテムアイテム……これかな?」

        /: /: : : /: : /|: : : : |: : : : : : : : : :\
      /: /: : : /: : :/ .|: : : : |ヽ: : : :ヽ: : : : : ',

      /: /: : : /: : :/ .ト.: : : | ヽ: : : : i : : : i: : i
     ./: : | \ i: : :/|  レ .─┘ __ヽ: : :i : : : |: :.i
     i : : i: : : /  '"´     u   `ヽV : : : |: :.|
     i : : |\/              V : : : |: :|
    |: : : i  i       u        V : : |: :|
    |: :|:八: | .  ミミミ     彡テ    |: :|: /: :.|
   . i: : :|: :ヽ| .               .|.: :|/ : : :|
    |: : :|: : ::.',  ////  о o   //// |/ i : : :.|
    |: : :|: : : :ハ               /: : :| : : :.|
    |: : :|: : : : ', u    / ,r‐、       / : : :| : : :.|
    i| : :|: : : : : ト、      /⌒ヽ    u /: : : :.| : : :.|
    | : | : : : : :| >         ,. イ : : : :.|: :/|/
    |八ヽ|: : : |: : : : :/i丶 .__ . '"i ', : : : : / : / .i

       Vヽ| ヽ: : i .\   ./ i : : : /i: :/i
          /'     `"'  -― ` ,
           i  ,;:          ,, ` ,
         /  /        /ゝ "' |

         / 、 /i  o      o,´/´ヽ_ |
       _/  ;'´ |    -   / / `|

       i´ii i i||V        |/   '; |
       | `yi_i^ ヾ   _    /   / ` |
       '、ヽ,'´ヽlヽ        / /! /  / |
       ヽ \ yヽ'  ̄ ̄ー´ / i / /,

        \  j :::...::. ;;;... |  /  / .
          \ j ;;;;○';;○;;;;:) ./ /     ブリュッ…ブチュブチュブブーッ…ポンッ(常人)
           /.ヽ: (;,(;;;),;) :y 〈  ` 、.
          /   .ヽ´ ̄`ノ_,,..>、 , `;


唯「……食べ残しのお魚?」

唯「え……ゴミじゃん」

唯「とりあえず使うってのを選んでみよ」

梓『ふにゃ!? なにするんですか! こんなものいりません!』

梓『馬鹿にしないでください!』

唯「自分で拾ったくせに~!!」

梓『ふーんだ』

唯「あずにゃんひどい……」

梓『……』プイッ

唯「えぇ……拗ねちゃったし、どうしたらいいの」

唯「プレゼント……したらいいのかな」

唯「んー……やりかたわからないから一旦お家帰ろう」

唯「んもーあずにゃんめぇ……」

梓『……zzz』

唯「……はぁ、可愛いよぉ///」ナデナデナデ

まとめサイトはパクリSS載せるなよ



……


唯「うーいー、あずにゃんが拗ねちゃった」

憂「え? どうして? 落としたりした」

唯「そういうのじゃなくて、なんか適当に拾ったアイテムをあげたら怒っちゃった」

憂「そうなんだ。ゲームって色々大変だね」

唯「そうだね。あずにゃんのご機嫌治すためにはたぶんプレゼントしないとだめなんだけど……」

唯「プレゼントをするアイテムをゲットしたくても、あずにゃんが拗ねてて拾ってくれない……」

唯「どうしたらいいの……」

憂「うーん? ケータイコンテンツもあるって書いてあったよ?」

唯「そうなの?」

憂「昨日説明書読んだでしょ?」

唯「やってみるよ」

憂「お姉ちゃん。おせっかいかもしれないけど、あんまりゲームで一喜一憂しないほうが……」

唯「わかってるよぉ……」


唯「あずにゃん機嫌なおしてー」

梓『ふーんだ』

憂「そっかぁ最初は友好度が低いから、ちょっと変なことをするだけで仲悪くなっちゃうんだ」

唯「えぇ~!? なにそれひどい」

憂「こういうもんだって割り切ったほうがいいよ」

唯「憂もこれ買ったらぜったいそう簡単に割り切れなくなるよ」

憂「……うーん」

唯「ほらみて!」

梓『……』

憂「不機嫌そうな顔してる」

唯「可愛い!」

憂「かな?」

梓『……』

唯「でも笑ってるほうがもっと可愛い」

憂「どうだろう」


唯の部屋


唯「ええと、携帯と赤外線通信して」

 
 ダウンロードコンテンツ
 ・服
 ・おやつ
 ・おもちゃ
 ・壁紙
 ・???

唯「おお! いっぱいある~!」

唯「なにあげようかなー。おやつで機嫌なおるかな?」

唯「おもちゃがいいかな? 使って遊んでくれるのかなぁ」

唯「とりあえずおやつをあげてみよう……おやつを選んで……」ピコピコ

唯「たいやき?ケーキ? どれがいいだろ……バナナケーキにしよ!」

  
  初回コンテンツ利用料(315円)+ダウンロード料(85円)が発生します。
  よろしいですか? 


唯「……え?」

唯「……なにこれ」

唯「あ! そっか、お金かかるやつもあるって書いてたね」

唯「うーん……ま、いっか。そんなにしないし」

唯「はい。っと」ポチッ


 バナナケーキを入手しました。
 赤外線通信で本体へ送ることができます。


唯「やった♪ さっそくあずにゃんにあげよう」

唯「ほらあずにゃん。おやつだよー」

梓『!』ピクッ

唯「おたべー」

梓『いただきます』モグモグ

唯「おお、食べた!」

梓『わぁ、とってもおいしいです!』ニコニコ

唯「きゃあん、可愛い!!!」

唯「えへへ、もう一個あげちゃおうかなぁ、たい焼きたべるかなぁ」


梓『おいしかったです! また食べたいです!』

唯「そーぉ? 先輩がんばっちゃうぞ?」

梓『ありがとうございました唯先輩!』

唯「唯先p……あふん///」

 
 メイド服を入手しました。
 水着(ピンクフリル)を入手しました。
 たい焼きを5つ入手しました。
 ミルクティーを入手しました。
 チャーシューメンを入手しました。
 ねこじゃらしを入手しました。 
 ボールを入手しました。
 壁紙セットAを入手しました。


梓『ありがとうございます!』

唯「きゃーんあずにゃんのメイド服かわいい~♪」


梓『ボールを入手したのでミニゲームが追加されました』

梓『唯先輩!さっそくあそびましょう!』

唯「いいよいいよー♪ 何時間でも付き合ってあげる」

梓『うれしいです!』


 ピコピコ


ポケアズ概要

     赤外線

       ↓
.     /ヽ_/ヽ←LRボタン 
    / L |||| R\
   ┃┏──┓┃ ←側面をなでると好感度があがる    
   ┃│     l .┃
   三│     l .三 ←ひっぱると怒る
   ┃┗──┛┃

   ┃┼   o o┃←十字キーとABボタン
.    \___/
      //´

      | l
      ヽ.ー─'´) ←飾り やわらかい
        `"""´



月曜日


唯「あずにゃん♪ あずにゃん♪」シャカシャカ

憂「お姉ちゃんご飯中でしょー」

唯「ごめんごめん♪」

憂「結局土日の休みの間ずっとそれやってたね」

唯「可愛いんだよ~?」

憂「そんなにかなぁ」

唯「憂にはわからないの? このラブリーさ」

梓『……』

憂「なんだかまた不機嫌になってない?」

唯「ときどきボーっとしてるよ。好感度が高くなるまでは、相手しすぎてもダメみたい」

憂「変なゲームだね」

唯「でもみんなやってるよ? 空前の大ブームなんだよ?」

憂「たしかに似たようなの持ってる人は見かけるね」


唯「みてて、この土日であみだしたすごいテク!」

憂「?」

唯「あずにゃ~ん、ちゅ♪」

梓『ふにゃ!? びっくりしました』

唯「ちゅ、ちゅ、ちゅ♪」

梓『もう! へんなとこなでないでください』

唯「……ね?」

憂「……う、うん……すごいね」

唯「ナデナデするより楽しいよ!」

憂「でもそれって汚……くはないねお姉ちゃんだもんね」

唯「ちゅ、ちゅ♪」

梓『ぁぁああぁぁああ』

憂「なんか変な声だしてるよ?」

唯「可愛いでしょ!」

憂(わからない……お姉ちゃんさすがに私にはもうわからないよ!)


唯「ミニゲームもたくさん増えたし……おもちゃもいっぱい」

唯「やることいっぱいあって大変!」

唯「三食ごはんたべさせないと好感度さがるんだって!」

憂「がんばって、ほどほどに。ほどほどに」

唯「あ、もう学校の時間だ!」

憂「え!? もってくのそれ」

唯「当然だよ! いつでもどこでも一緒が売りのゲームなんだから!」

憂「うん……」

憂(なんだか心配だな……)

唯「あずにゃん、学校までしっかり歩くからね!」

梓『やってやるです!』

唯「言葉の種類もたくさん追加されてしあわせぇ……」

憂(たった2日でそんなにやりこんだんだ……)

憂(あ、もしかして……!!)

唯「♪」


憂「お姉ちゃん」

唯「んー♪」

憂「……お小遣いから引くからね」

唯「!」ビクッ

憂「お小遣いの範囲でなら、とやからく言わないから」

唯「は、はぁい……気をつけます」

唯「憂は鋭いね……」

憂「ちょっと考えればわかるよ」

憂「可愛い可愛いって言ってあんまりお金つぎこんじゃだめだよ?」

唯「うん……」

憂「使い過ぎたら没収だからね!」

唯「えー」

憂「めっ!」

唯「ひぃん……」

梓『唯先輩今日も一日がんばりましょう!』


学校


唯「……」ウズウズ

律「よー、唯。今日は早いな」

唯「うん」ソワソワ

律「どしたそわそわして」

紬「おはよー♪」

律「おう、おはよ」

唯「……」ウズウズ

唯(うう……あずにゃん弄りたい……でも学校で弄ってるのがバレたら憂に怒られちゃう)

律「なんだよ? 調子わるい?」

紬「大丈夫?」

唯「私……ちょっとトイレいってくるね……」サササ

律「?」

紬「どうしたのかしら?」




唯「ふはー! あずにゃんあずにゃん」

梓『……』

唯「そうだ、消音解除しないと……ひげを両方同時に」

唯「えいっ」

梓『にゃっ……どうかしました?』

唯「あずにゃん触ってないと落ち着かないよぉ」ナデナデ

梓『ん……』

唯「はぁ……机の中に隠してずっとナデナデしておこうかな」

唯「そうしたら授業中もずっと好感度上がり続けるしね」

唯「あーあ、他に持ってる子がいたら堂々とできるのになぁ」

唯「……うふふ、もしかしたら私しかもってないのかも」

唯「超レアだからね~」

唯「放課後みんなに自慢しちゃおっかなー」


梓『唯先輩』

唯「?」

梓『ちゃんと勉強はしなきゃだめですよ!』

唯「え? あ、うん」

梓『あんまり私ばっかり触ってたらだめですよ!』

唯「ゲームに説教された……」

梓『でも……時々は私の相手してほしいです』

唯「ああん、そんな風に言われたらずっとちゅっちゅしたくなっちゃうよ」


ちゅ ちゅ ちゅ♪



澪「なんの音? 一番奥の個室から聞こえるんだけど……」

和「さぁ? 風紀の乱れることは起きていて欲しくないけど」

澪「あ、そろそろ授業はじまっちゃうな」

和「いくわよ」



放課後-部室


唯「じゃじゃ~ん!」

律「おお! すげぇ!」

澪「はじめて持ってる人みた!」

紬「なにこれ? ポケベル?」

唯「ポケットアズニャンです!」

律「見せて見せて!」

唯「おっと、乱暴にあつかわないでね」

澪「噂でしか聞いたことなかったけどほんとに売ってるんだなぁ」

紬「? ゲームなの?」

唯「育成ゲームだよー。とっても可愛いんだー」

律「これ発売日に行列ならんだのに手に入らなかったんだよぉ」

唯「へへん。私ラッキーだからたまたまゲットしちゃった」

律「いいなー、くれよー」


唯「だめー! それにもう私の名前で登録してるんでーす」

唯「ちょっとみててね……あずにゃんや」ナデナデ

梓『ひゃっ、う……なんですか、唯先輩』

律「すげー! 名前呼んだ!」

澪「へぇ……クールなおもちゃだな」

唯「ふふ」

紬「おもしろそー!」

唯「おもしろいし、可愛いし、楽しいし! 健康的なんだよ!」

唯「みんなの手に入れたら一緒にやろうね!」

律「ちくしょー、おもちゃ屋いつになったら入荷するんだよ」

澪「全国的な品切れらしいからな……」

紬「このしっぽふわふわね!」

唯「あん、ムギちゃんあんまりひっぱらないでぇ。それあずにゃんの大事な尻尾だから」

紬「可愛い……このお髭とかとってもチャーミングね」ミョンミョン

唯「え……画面をみてよ……ほらあずにゃんカワイイヨ」


紬「可愛い子ね。メイドなの?」

唯「いまはそういう服きせてるだけ。ほかにもスク水とかあるよ」

ポチポチ

唯「ほら! スク水あずにゃん!」デンッ

梓『う……寒いです。用もないのに着せないでください』

律「へぇーいろんなアイテムがあんだなー」

唯「プールの壁紙セットがあったら泳いだりするらしいけど」

唯「ちょっと高いんだよね……500円もしちゃう」

澪「な、なぁ、ちょっとだけ触っていい?」

唯「いいよいいよ。落とさないでね。ほい」

澪「うん……わぁ、ふわってしてる」

唯「えへへ。触り心地いいんだあ……おかげでずっと遊んでばっかりだよ」

澪「ミニゲームしていい?」

唯「いいよ! すればするほど好感度あがるからね!」

紬「次私もやりたい!!」



……


唯「と、まぁポケットアズニャンとはこんな具合です」ふんす

澪「うん、よし練習しようか」

唯「えっ、感想なし!?」

澪「もういっぱい遊んだろ?」

律「よーし張り切っていくかぁ」

紬「一回合わせたらお茶いれるね」

唯「う……はーい……」

澪「とにかく、ウチには新入部員が入らなかったんだ」

澪「次のライブでなんとか人目を引いて、誰かしらに興味をもってもらわないと」

律「そのためには練習あるのみ」

紬「唯ちゃんがんばろ! 後輩ほしいっていってたでしょ!」

唯「うん……」

唯(でもあずにゃんは私の後輩だよ……)


……


帰り道


唯「はぁーあ……もっと人気者になれるかとおもったのに」トボトボ

梓『いい天気ですね』

唯「そうかなぁ、ちょっと曇ってるようにみえるなぁ」

梓『今日も一日お疲れ様でした』

唯「ありがとーあずにゃん」

梓『唯先輩ってたい焼き好きですか?』

唯「うん、まぁまぁ」

唯「っと、素晴らしいタイミングでたい焼き屋さん発見!」

唯「えへへ、買い食いしちゃえ」

唯「すいませーん、たい焼きふた……あ、ひとつください」

 「あいよぉ。100円ね」

唯「……」



唯「……」モグモグ

唯「……そうだ」ポチポチ

 
 たい焼きを1つ入手しました。


唯「これであずにゃんも一緒にたべられるね」

梓『わぁ、うれしいです! いただきまぁす』

唯「えへへ、かわい……」モグモグ

梓『♪』ハミハミ

唯「…………」

唯「はぁ……」

唯「私、なにやってるんだろう……」

梓『おいしかったです! また今度食べたいです唯先輩!』

唯「……いい子いい子」

梓『えへへ』



どこか寂しかったんだと思うんだ。

二年生になったらたくさん後輩ができて、仲間が増えるって信じてたから。

だけどそれは叶わなかった。

毎日だらしないだけの、何も変化のない日々が過ぎていって、私は退屈していたの。

だから、こんなちっぽけなものにでもすがってしまう。

でもいいじゃん。

これやってると、嫌な事わすれられるし、楽しいし。

一人じゃないような気がするし。



唯「……」シャカシャカ

梓『歩くのって楽しいですよね♪』

唯「そうだねー」シャカシャカ

梓『明日も晴れるといいですね♪』

唯「そうだねー」シャカシャカ


一週間後


唯「……あずにゃん、あずにゃん」シャカシャカ

憂「飽きないねぇ」

唯「うーん、まぁ、ね」

憂「なんかもう惰性になってない?」

唯「そうでもないよ?」

憂「振ってばっかりじゃん」

唯「歩数がたまらないと友好度があがらないんだよ」

憂「ちゃんとつけてお散歩してたの最初のほうだけだったね」

唯「そんなもんじゃないかなー」

梓『……ふぁーあ』

憂「お姉ちゃんのだらだらがその子にも移ってるよ」

唯「似るからねぇ」

憂「ペットじゃあるまいし……」


唯「今月ピンチかなぁ」

憂「あんまりダウンロードしちゃだめだよ?」

唯「でもあずにゃんもおなかすくし」

憂「ゲームじゃん」

唯「ゲームだけど……ゲームの中でもお腹すくんだから」

憂「あのねぇお姉ちゃん……」

唯「わかってるよぉ」

憂「ねぇ……なにか悩んでる? 最近ボーっとしてるよ?」

唯「うん……実はね、ゲームであることを意識すればするほど、なんだか哀しくなってきて」

憂「そこは割りきらなきゃ。最初に言ったでしょ」

唯「……私にもほんとの後輩がいたらなぁって強くおもうようになってきた」

憂「……」

梓『私は今日も元気です! 唯先輩も元気にがんばりましょう!』

唯「……えへへ。あずにゃんはいい子だ」

憂「お姉ちゃん……」


……


テクテク

唯「ねぇあずにゃん」ナデナデ

梓『にゃっ、変なとこなでないでください』

唯「もうっ、いつもおんなじことばっかり。もっと言葉をおぼえなさい」

梓『唯先輩! 今日は何をたべましたか?』

唯「はぁ……ため息つくこと増えたや」

とみ「あら唯ちゃん」

唯「あ、おばあちゃん!」

とみ「お散歩?」

唯「うん。ちょっとね、運動がてらにー」

とみ「えらいわねぇ。あら、それは?」

唯「ん? ああこれポケットアズニャンっていうの」

とみ「ポケット……?」


唯「万歩計にいろいろ楽しい機能がついたって感じかな」

とみ「いいの持ってるわねぇ」

唯「えへへ。みてみて、この子が一緒にいてくれるんだよ」

とみ「へぇ。可愛いの」

唯「でしょ? 私の後輩なんだぁ」

とみ「そう、唯ちゃん後輩出来なくて残念って言ってたものねぇ」

唯「うん。あずにゃんが一緒にいてくれたら少しは寂しさが紛れるかな」

唯「楽しいし。可愛いんだ。すごいでしょ……?」

とみ「……」

唯「おばあちゃん?」

とみ「いえいえ、なんでもないのよ」

唯「……」

唯「これ、あげてもいいよ……?」

とみ「え?」


唯「おばあちゃん……一人でいることが多いから……」

唯「だから、これがあれば……」

唯「リセットしちゃえば、最初からやりなおせるし、おばあちゃんのデータ作って」

とみ「唯ちゃん」

唯「……」

とみ「だめよぉ。あなた今いったじゃない。私の後輩って」

唯「!」

とみ「それにねぇ。私は唯ちゃんも憂ちゃんもおとなりにいるから寂しくないのよ」

唯「あ……ご、ごめんなさい……私……」

唯「いい子ぶろうとしてた……」

とみ「唯ちゃん優しいから」

唯「……」

とみ「おばあちゃんになんでも話していいのよ? ずっとそうしてきたでしょ?」

唯「……うん」


唯「ねぇ……おばあちゃん。ゲームでも、後輩になれるのかな……」

とみ「さぁねぇ。おばあちゃんゲームのことはよくわからないから」

唯「う、そうだよね……」

とみ「……でもねぇ、唯ちゃんが大事に大事にするなら」

とみ「その物はとっても幸せね。きっとなんにでもなれると思うわ」

とみ「唯ちゃんのギターだって、恋人さんなんでしょ?」

唯「……そっか。そうだよね……」

唯「私ね、悩んでたの。このままゲームばっかりしてていいのかって」

唯「そりゃよくないよ、目は悪くなるだろうし、勉強だって手につかないし」

唯「あ、だけどだけど」

とみ「ゆっくりでいいんだよ」

唯「う……その、ゲームがただの暇つぶしじゃなくって、それに意味をもとめちゃったらどうなってしまうんだろうって」

唯「ずっと考えてて、憂はゲームだからいい加減にしときなさいって言うし。友達は呆れるし」

とみ「えぇ、えぇ」

唯「あー何言ってるかわからないや……とにかく!」


唯「この子は……大切なものなの……」

唯「はじめて、私のこと唯先輩って呼んでくれて、嬉しかった」

唯「ゲームなのに、嬉しくて嬉しくて……舞い上がっちゃった」

唯「そのままお金とか結構つかっちゃって、憂にも迷惑かけた……」

唯「ねぇ私、悪い子だよね……」

とみ「そんなことないわ、唯ちゃんが悪い子なわけないじゃない」

唯「でもぉ……」

とみ「大切におもうなら、ちゃんと大切にするんだよ」

とみ「ゲームだけのことじゃないよ? お友達も、家族も、みんなみんな」

とみ「それが出来なかった時、ほんとに唯ちゃんは悪い子になっちゃうからね」

唯「おばあちゃん」

とみ「言わなくても賢い唯ちゃんならわかるねぇ、ごめんねぇおばあちゃんおせっかいで」

唯「ううん、ありがとう」


唯「私、どうして悩んでたのかわからないくらいすっきりした」

唯「この子のこと。大事にするね! ギー太と同じように!」

とみ「えぇ、大切にしなさいねぇ。きっといいこともたくさんあるから」

唯「おばあちゃんに会えてよかったよ! またごはん食べにいくね!」

とみ「はいはい、おいしいの準備してまってますよ」


唯「じゃあね!」


ピロリロリロリロ♪


唯「ん? なんだろ。あずにゃんが鳴ってる」

唯「あ、友好度が上昇してる! ここ最近変化なかったのに」

唯「? なんでだろう」

唯「ま、いっか! あずにゃん! 今日も可愛いちゅっちゅ」

梓『んにゃ……はっ! 寝坊しました……! おはようございます』

唯「えへへおはよ。憂ーそろそろ学校いこー!」

―――――




唯「あずにゃん♪ あずにゃん♪」シャカシャカ

梓『ううー、目が回ります』

唯「おっと速く振りすぎたかな」

梓『おなかすきましたー』

唯「だめだよー。もう私月々どれだけ使うかしっかり決めたから」

唯「どうしても食べたいっていうならいっぱい歩いたりゲームしてアイテム手に入れるもん!」

唯「ふんす!」

梓『たいやき~』

唯「だめです」

梓『ケチです!』

唯「あはは、なんだか会話してるみたい」

梓『遊んでください~』

唯「わかったよーじゃあ少しだけボール遊びして寝ようね」


唯「ゲームスタート」

梓『にゃっ、にゃっ!』ピョコピョコ

唯「うふふ、なんだか猫さんみたい」

梓『ふぅ、疲れました』

唯「いま友好度どれくらいなのかなー、結構たまったと思うんだけど」

唯(あんだけ課金もしたしね……)

梓『?』

唯「あずにゃんは、私のことどれくらい好きかなーって」

梓『ふぁ眠たくなってきました』

唯「あーもうそんな時間か。お休みあずにゃん」

梓『お休みなさ~い……zzz』

唯「……すぐ寝ちゃうんだから。まだ10時なのに」

唯「そうだ、ちょっとだけギター練習しよかな」

唯「アンプ繋げなきゃまだ大丈夫だよね?」  

唯「あずにゃんにも聞かせてあげるねー」


唯「よっこらせ。あずにゃんギー太の音をききながらおやすみ」

ベンベン

梓『zzz』

唯「ふでぺーん ふっふー」

梓『ん……zzz』

唯「聞こえてる? って聞こえないか」

唯「ふるえーる ふっふー♪」

唯「はじめーて キミへの ぐりーてぃんカード♪」

唯「しっかり練習して本番大成功させなきゃ!」

唯「ふぁ~、眠くなってきたや」

梓『にゃむにゃむ……頑張ってくださいね唯先輩zzz』

唯「ん?」

梓『zzz』

唯「寝言かな」ナデナデ

唯「よし、あと数回弾いたら寝よ」


翌朝


唯「あずにゃんおは……およ?」

梓『♪』ミョンミョン

唯「あれ、何持ってるの?」

梓『♪』ミョンミョン

唯「ギターだ……買ったっけ? いやいや買ってないよ超高かったもん!」

梓『おはようございます唯先輩! 今日も一日がんばりましょう!』

唯「う、うん……あれれー、なんでだろ」

梓『楽器は楽しいですね!』

唯「ま、いっか。勝手に拾ってきたんだろうね。得した!」

唯「ちょっとあずにゃんにはおっきいね! でも似合ってるよー」

梓『えへへ、似あってますか?』ミョンミョン

唯「たまに絶妙なタイミングで返事するなぁ」


梓『今日はおでかけですか? 私も連れていってくれるとうれしいです』

唯「当然だよー、ずっと一緒だよ。っていっても学校だけどね~」

梓『楽しいですか?』

唯「うん楽しいよ! 友達もいっぱいいるし、先生はおもしろいし。勉強は苦手!」

唯「後輩いなくて、刺激がなくてちょっと残念に思ってたこともあったけど、ゆるゆるした毎日も楽しいね」

梓『わぁ、楽しそう』

唯「……」ツンツン

梓『きゃっ、急に変なとこ触らないでください!』

唯「……」ツンツン

梓『もぉー、唯先輩!』

唯「えへへ、ごめんね。ただちょっと本気であずにゃんとおしゃべりしてる気分になっちゃって」

梓『そうなんですか』

唯「そうなの、変だよね」

梓『変じゃないですよ』

唯「……ん? ん?」


唯「あずにゃんや」

梓『ふあ、いい陽気で眠たくなっちゃいますね』

唯「いま会話したよね? 成立してたよね?」

梓『ああいいお天気……洗濯ミニゲームなんてどうでしょう』

唯「なんて白々しい……」じぃー

梓「今日は魚がたべたいです」

唯「むぅ……いつものあずにゃんか……」

唯「えー、でも絶対会話できた気がするのになー」

唯「えいっ、えいっ、なんか返事して」ツンツン

梓「きゃん! そんなとこ触られたら変な気分になっちゃいます」

唯「変な気分ってなに!! 具体的にいってごらん! ほらほらぁ」ツンツン

梓「やん///」

唯「……ってこれただのセクハラじゃん。ごめんあずにゃん」

梓「やめてください!! 女の子に気安く触るなんてマナー違反ですよ!」

唯「そういうゲームのくせにぃ……」


梓『なにかゲームをして遊びましょう!』

唯「だめ。いまから学校だもん」

梓『たい焼きキャッチなんてどうでしょう』

唯「だーめ」

梓『うぅ……遊んでほしいです……』

唯「……ちょ、ちょっとだけね」

梓『えへへ。ミニゲームで高得点をだすとアイテムが手に入ってお得ですよ』

唯「しってるよーっと」ピコピコ

梓『にゃっ、にゃっ』

唯「んー。あとどれくらい友好度あげたらいいんだろう」

唯「プレゼントはあげてるし、歩数もそこそこ、ミニゲームもコンプリートしてる」

唯「ナデナデチュウも怒られちゃうくらいしてるしなぁ」

唯「あと何がたりないの? ねぇあずにゃん」

梓『にゃっ、にゃっ』

唯「かわい……」


唯「お、ゲームクリア! うん、安定して特典だせるようになってきた」

梓『みてください! たい焼きを3つ手に入れました!』

唯「よかったねー、今日のおやつにたべようね」ナデナデ

梓『♪』

唯「他にポケアズもってる人がいたら、いろいろ聴けるのになー」

唯「販売からそこそこたつのに誰も持ってないなんて」

唯「私はあずにゃんとそうそうに出会えてほんとにラッキーだったんだね」

梓『ラッキー得しちゃいました!』

唯「……絶対あわせてきてるってこの子」

梓『いま一つ食べちゃいましょう』モグモグ

唯「あ、こら! とりあげないと」ポチポチ

梓『あーん、食べたいです』

唯「私はびしばししつけるタイプだから!」

梓『……』

唯「……えー、そんな悲しそうな顔しないでよ。勝手にたべようとする方が悪いんじゃん」


梓『次はスイスイゲームをしましょう!』

唯「しません。いいえ」

梓『がーん』

唯「ふふ。またお昼休みに遊ぼうね」

憂「お姉ちゃん学校いくよー」

唯「うん!」

憂「最近はそれ弄ってる時間減ってきたね」

唯「ほんとは触りたいけど我慢してるのです」

憂「えらいね」

唯「えらいかなぁ、ちょっと買った当初がおかしいくらいのめり込んでただけ」

憂「飽きた?」

唯「全然!」

憂「そっか。よかった。大切にしてるんだね」

唯「うん! 宝物だよ。憂もギー太も」

憂「えへへ、朝から何いってるのもう」


……

ザワザワ


唯「おはよりっちゃん、ムギちゃん」

律「お」

紬「おはよう」

唯「よっこらせ。なんだかみんなざわざわしてるね」

律「それがさぁ、近所のおもちゃ屋にポケアズが大量入荷するんだって!」

唯「えっ、ほんと!?」

紬「それでみんなで放課後買いに並ぼうねって話しをしてたの」

唯「へぇー、わぁこれでやっとポケアズ仲間がたくさん」

梓『よかったですね』

唯「うん! やったね。あずにゃんも仲間が増えるよ!」

律「何話しかけてんだ子供か」

唯「いやいやーでもコレほんとに話しかけたくなっちゃうよ。りっちゃんも今日買えばわかると思う」


律「澪と和も誘おうぜ」

紬「きっと違うクラスでもこの話題でもちきりなはずよ」

律「ちなみに何種類か色があるんだって!」

唯「私のは……黒?」

律「っぽいよな」

紬「わたしピンクがいい~」

律「自分が買う番まで気に入る色が残ってればいいけどな」

唯「みんな買えたらいいね。きっと人いっぱいなんだろうなー」

律「唯は一緒にくる?」

唯「うんいくいく。2つ目はさすがに必要ないけど」

唯「みんなどんな色買うか気になるし」

律「じゃあ今日は練習は中止で、急遽ポケアズ購入戦争ってことで!」

紬「お~!」

唯「澪ちゃんは反対しないかな? しないよね! 欲しがってたもんね!」

梓『……ふぁぁあー』


……


放課後

おもちゃ屋前


澪「うわ……人でいっぱい」

律「長蛇の列ってやつだな」

紬「すごい! こんなに人気あるのね!」

唯「みて! 限定100個って書いてるよ!」

澪「ほんとだ! 大丈夫かな……いちにーさんしー、うう数えきれないほど並んでる」

律「ギリギリくらいじゃねーかな。一人一個までだから大丈夫」

和「お金たりるかしら?」

唯「2,980円。結構するよね」

澪「唯も同じ値段で買ったのか?」

唯「んーもうちょい安かったような。けどその後いっぱい課金しちゃったから安く買えた意味ないや」

律「ちくしょー、運のいいやつが羨ましい」


店員「一列に並んでください。ご購入いただけなかったお客様には次回入荷分の予約整理券をお渡しします」

店員「数には限りがございます。一列に並んでお待ちください」

澪「……どきどきする」

律「黄色残ってますように……」

紬「一人一個じゃなかったら家の者たちに買って帰ったのに」

律「……執事がポケアズすんのかよ」

紬「きっと喜ぶはず」

和「私もできれば弟たちに買ってあげたかったわ」

唯「えー? 女の子以外するかなぁコレ」

和「? するでしょ? だれがやっても当たり障りの無いゲームだし」

唯「あずにゃんはどんな人にやってほしい?」ツンツン

梓『にゃにゃっ! 触るときは一言声かけてください』

唯「うふふ、その反応がみたくていじわるしてるんだよ!」

律「持ってる唯からしたら高みの見物だな……」

澪「まわりの人の目が怖い……」


紬「もうすぐよ……」

澪「私たちまであと5人……4人……」

和「やっと手に入るのね……せっかくだから弟に自慢しちゃおうかしら」

律「そりゃ嫌味なこって」

唯「みんなおめでとー」

店員「いらっしゃいませ。どの色にしますか?」

律「あたし黄色!」

澪「青!」

紬「ピンクください」

和「私は白にしようかしら」

店員「そちらのお客様は?」

唯「あ、私もうもってるんです~、えへへ」

店員「そうですか……あれ?」

唯「?」

店員「お客様のそちらは……」


唯「な、なんですか?」

店員「大変申し上げにくいのですが、類似商品かと思われます」

唯「え゛っ」

律「は?」

澪「それって……唯のは偽物ってこと?」

唯「嘘……」

店員「ちなみに純正の商品ですと」


..     ∧__∧ ←耳がシャープ
    /.  ||||  \ ←LR表記無し
   ┃┏──┓┃    
   ┃│     l .┃
   =│     l .= ←ヒゲは片側二本ずつ
   ┃┗──┛┃

   ┃┼   o o┃
.    \___/
       ↑

    尻尾はなく、アクセサリーが装着可能になっている 


店員「とこのようになっております」
  


店員「また大変大きな違いといたしまして」

店員「ポケットアズニャンはアズニャンという子猫を育成するゲームでございます」

和「後輩の女の子じゃないの?」

店員「決してそんなことはありません」

店員「たくさんある類似商品の中には、大変悪質なものもございますのでご注意ください」

律「……あちゃー、唯やっちまったな」

唯「……」

紬「唯ちゃん……元気だそ。ほら、本物が目の前にあるんだし」

澪「そうだよ。私たちと一緒に最初からすればいいじゃないか」

和「お金ないならみんなで建て替えるわ」

律「おう、唯は赤色買おうぜ! これでみんなバラバラの色だな」

唯「やだ……」

律「え」

唯「やだぁ!! 私にとってあずにゃんはこれだけだもん!!」

唯「この子がほんとのあずにゃんなんだもん!!」


律「あの、だからさ……ホントの本物をゲットしてだな」

唯「馬鹿!! りっちゃんの馬鹿!!」

律「なっ」

唯「しらないもんしらないもん!!」

唯「うぅ……」

梓『唯先輩? どうしたんですか?』

唯「あずにゃん……」ギュ

澪「唯、早く買わないと売り切れちゃうけど……」

唯「うぅぅ……うー!!」ダッ

律「あ、逃げた」

紬「唯ちゃん……」

和「きっと悔しかったのよ。なんか泣いてたし」

律「はぁー、変な意地はらずに一緒にやればいいのに」

澪「ゲームなんだしな?」


和「いいわ。唯の分の次回整理券私がもらっておくから。みんな先に帰りなさい」

律「そう? 悪いな」

和「いいのよ。あの子絶対後で欲しがるの見えてるから。弟たちの分のついでにね」

澪「ありがと和。よし、帰ってさっそく遊ぼ」

紬「うふふ。これってみんなと通信とかできるのね」

律「おう、そうみたいだな。部屋を行き来したりできるって書いてある」

澪「楽しみ♪」

律「澪ずっと欲しがってたもんなー」

澪「唯のは唯ので可愛かったけど、こっちもやっぱ可愛いな」

律「あいつには気の毒だけど、まぁ一人だけ先に手に入るなんてうまい話ないよな」

紬「唯ちゃんどこで買ったんだろう……」

律「さぁ……」



……


梓『どうしたんですか』

唯「あずにゃん……」

梓『元気だして』

唯「あずにゃん……違ったんだね」

梓『?』

唯「ほんとのポケットアズニャンって子猫のゲームだったんだ」

梓『??』

唯「ううん、いいの。私はあずにゃんが大好きだからこれでいい」

梓『なんだか照れちゃいますね』

唯「……いいんだぁ」

唯「それにおばあちゃんと憂とも約束したもん。大切にするって」

梓『ありがとうございます!』


唯「あずにゃん。ずっと一緒だよ」

唯「みんなが違うポケアズやってても、あずにゃんがいたらそれでいい」

唯「寂しくないよ……ほんとだよ……?」

梓『唯先輩?』

唯「うっ、う……」

梓『……強がりばっかり。人一倍さみしんぼな癖に』

唯「ひぐ……うぇぇん……」

梓『私なんでもしってるんですから!』

唯「う……ぇ……?」

梓『唯先輩がひとりでポケアズやりながら、寂しがってたこと。みんなで出来る日を楽しみにしてたんですよね』

唯「あずにゃ……?」

梓『でもいじっぱりだから。きっと私がいたら、唯先輩は……ずっとこのまま』

唯「えっ、え?」

梓『こんな私でも、大好きって言ってくれて、嬉しかったです』

唯「あずにゃん?」


梓『唯先輩。大好きです』


ピロリロリロリロリロ……♪


唯「な、なに!?」


 『友好度が最大値に達しました。携帯電話と赤外線通信してください』


唯「……?」

 
 ダウンロードコンテンツ
 ・服
 ・おやつ
 ・おもちゃ
 ・壁紙
 ・スペシャル


唯「あ、一番下の……ずっとハテナだったやつだ……わぁスペシャルだって!」

唯「そうだ、これあずにゃんにプレゼントしよう! きっと超超喜ぶよ! えへへ」

ピ…ピ……



 ダウンロードが完了しました。
 

唯「えへ。何かな何かな」

 
 赤外線通信で本体にデータを送信してください。


唯「ほいほいっと」

唯「うふふ、あずにゃんと友好度マックス!」

唯「ここまで頑張った甲斐があったなぁ。ご褒美だよーあずにゃん♪」


 送信完了。ありがとうございました。 


唯「ん、どれどれ……あれ」ピコピコ

唯「あれ!?」

唯「画面つかない……? え」

唯「違う……あずにゃんが……いない……」

唯「あずにゃんいなくなっちゃった……」


唯「ねぇあずにゃんどこ!」シャカシャカ

唯「隠れてないででてきてよ!」シャカシャカ

唯「どこなの!」ツンツン

唯「会いたいよ! あずにゃんのためにすっごいのダウンロードしたんだよ!」

唯「スペシャルだよ!! きっとおっきいケーキだよ。特大のたい焼きだよ!!」

唯「あげるから……お願い……」

唯「なんでも買ってあげるから……」

唯「でてきて……あずにゃん……」

唯「お願いだから……私に、話しかけてよ……」

唯「やだよぅ……」シャカシャカ


 『いままでありがとうございました。これをもちましてポケットあずにゃんは終了となります』

 ピーー――― プツリ


唯「やだぁぁあああ!!」 

唯「あ……あ……」

唯「なんで……」


 店員『たくさんある類似商品の中には、大変悪質なものもございますのでご注意ください』


唯「違う……違うもん……」

唯「あずにゃんは……そんなんじゃない……」


 憂『こういうもんだって割り切ったほうがいいよ』
 憂『ゲームじゃん』


唯「う……うっ、ぐ……ううっ、あ……」

唯「あずにゃんは……」


 とみ『唯ちゃんが大事に大事にするなら』
 とみ『その物はとっても幸せね。きっとなんにでもなれると思うわ』


唯「そうだよ……ただのゲームじゃない……ゲームだけど、ちゃんと、後輩で……」

唯「私の……大事な大事な宝物で……ぅわあああああああ!!!」



ガチャン

憂「お姉ちゃん! どうしたの!?」

唯「わぁあああああん、あぁぁぁ……うぅ」

憂「どうして泣いてるの? どこか怪我した!?」

唯「あずにゃんが……あずにゃんが……」

憂「あずにゃんが?」

唯「つかなくなっちゃって」

憂「? みして」

唯「うん……これ、画面真っ白で」

憂「電池切れかスリープになってるだけでしょ?」イジイジ

ピローン ニャーーン

憂「なんだつくじゃん」

唯「え?」

憂「もう、びっくりさせないでよね。何事かとおもっちゃった。ごはんもうすぐするから降りてきてね!」


唯「あずにゃん……?」

唯「あずにゃんあずにゃん! よかったぁ」

猫「ニャーニャー」

唯「……え」

猫「ニャー、ニャー♪」

唯「……どうして猫に」

唯「あずにゃんは……どこへいったんだろう……」

憂「どこって……画面の中にいるけど……」

唯「ち、ちがうよ! これあずにゃんじゃない! 憂知ってるでしょ!?」

憂「え? アズニャンだよ? ずっと私に自慢してた子だよね?」

唯「あずにゃんは猫じゃないよ!!」

憂「どうみても猫……なんだけど……」

唯「おかしい……」

猫「ニャー……」

唯「うっ、う……」



あれからしばらくたって、

猫のアズニャンは世間の人気のとおり、可愛かった。 

でもやっぱり、その猫はあずにゃんじゃなくって、私にとってのあずにゃんはあの子だけで。

なんだか私、心がからっぽになっちゃったみたい。

ゲームに寂しいなんて言うの、おかしいよね。不思議だよね。

だけどね、いつのまにかかけがえの無いものになってたんだ。

そういうつもりで始めたわけじゃないのにね……。


部室


唯「……」ツンツン

猫『ニャーン』

唯「あは、かわい……でもただの猫だこれ」

唯「みんな早くこないかなー」


ガチャリ


律「うぃーっす!」

唯「おそいよー」

律「ごめんごめん掃除長引いて」

紬「あ、唯ちゃんちゃんとポケアズやってるのね」

唯「え、うんまぁ」

律「それにしてもほんとにどこで買ったんだ唯は」

律「そんなデザインの本物みたことないって!」

唯「……」


どうやら、みんなはあのあずにゃんのことは綺麗さっぱり忘れているらしい。

憂もおばあちゃんも、りっちゃんたちも、なにも誰も覚えてない。

しまいには私のポケアズが幻の試作品だーなんて言い出すし。

ほんと、どうしたんだろう。

あれ、そういえば私はこれをどこで買ったんだろ……なぜだか思い出せないや。



ガチャリ!


律「お、澪おつかれー。おせぇぞー」

澪「はぁ……はぁ」

紬「どうしたの息切らして」

澪「ビックニュースだ!」

律「なに? ビックとか言いつつしょうもないこと?」

澪「そう、すれ違い通信で私のアズニャンについに恋猫ができたんだ~!」

律「へー」

唯「……」

澪「じゃなくて!! これみて!!」バサッ

律「ん? おお!?」

紬「入部届……よね?」

澪「いまさわ子先生から受け取った! 下級生の子で、ウチに入部したい子が一人いるんだって!」

唯「あ、ほんと? よかったぁ、でもどうせなら4人くらいどばっと入ってくれたほうが来年のためにもいいよね」


律「へー、中野梓ちゃんね」

紬「どんな子か楽しみね!」

澪「うん……パートはなんだろ」

唯「中野……あず……あず?」


ガチャッ

さわ子「はぁいみんなー? 元気ぃー?」

律「騒がしい入り方しかできんのか」

澪「先生! もう用事終わったんですか? さっきまだ忙しいからって」

さわ子「うふふ、早くみんなに見せたくて連れてきちゃった」

さわ子「じゃーん、私からのスペシャルプレゼントよぉ!」

律「プレゼントて……」

さわ子「さぁさぁ、入って入って」

オズオズ……

唯「? 遠慮せず入っていいよー?」


梓「……」ヒョコ

唯「!!」

律「ええと、中野梓さんね」

梓「あ、はい」

唯「あず……?」

梓「ふふ」


こんなことってあるんだね。

そこには私が会いたかった子に、瓜二つの子が立っていて、

その子のほほえみ方は私がずっと見てきたものとおんなじで、優しくて。

だけど、私、頭がごちゃごちゃになっちゃってさ。

ピタって時間がとまっちゃったように、動くことができないんだ。



梓「はじめまして。中野梓です、パートはギターです」

澪「ギターか!これでギター二人だな」

律「よっ、先輩がんばれよ」ツンツン

唯「……」

紬「ほら、念願の後輩だよ!」

唯「……」


驚きなのか喜びなのかよくわかんない気持ちがあふれてきた。

視界はなんだからうるうるぼやけるし、熱っぽいような気がするし、私どうしちゃったんだろう。

いや、私じゃなくて、どうかしたのはこの子の方。

本物? あずにゃんなの……?



どうしたらいいかわからずにうろたえていたら、

その子は私のことをじっと見据えてね

よーく耳に馴染んだあの声で


 『はじめまして』


 『唯先輩』


って……。

言ったんだ……。


それだけで……それだけでもう私は……。


唯「あずにゃああああん!!」ギュ

澪「お、おい唯いきなり失礼だろ」

律「それにあずにゃんて……もうあだ名つけたのかよ」

紬「いくらゲームのキャラと名前が似てるからってさすがにそれはどうかと思うわ……可愛いけど」



律「あれ、そういえば中野さんどうして唯の名前しってんの?」

澪「そういえばそうだな」

さわ子「梓ちゃんは憂ちゃんと同じクラスなのよ」

紬「それで知ってたのね」

律「へぇーそうなんだ。なんだぁもっと早く入ってくれればよかったのに」

澪「いやいや入ってくれただけでありがたいよ」

唯「あずにゃんあずにゃん……」ギュウウ

梓「イタタ……苦しいです」


唯「あずにゃんどうして? どうしてでてきたの?」

唯「探したんだよ……ずっと会いたかった」

梓「ダウンロードしたでしょ?」

唯「え……」

梓「私のこと、ちゃんとダウンロードしてくれましたから」

唯「あずにゃん……やっぱりあずにゃんは……」


梓「とっても仲良くなると、何かイイコトがあるかも?って書いてありましたよね?」

唯「あ……うん」

梓「私も、唯先輩にこうして触れてみたかった……」

唯「ありがとう……あずにゃん」ギュ


律「な、なんだぁあのオシドリ夫婦みたいなの」

さわ子「何か囁きあってるわね……」

律「なにがどーなってこうなるんだよ……」

澪「初対面であそこまで後輩を懐かせるとは唯、おそるべし」

紬「あらあらあらあら、いいじゃない。とってもいいと思う」

律「あのー、こっち自己紹介も終わってないんですけどー」


梓「こんな姿ですけどこれからも大事にしてくださいね」

唯「うん、大事にするよ……今度はあずにゃん自信とも約束」

梓「好感度さがったらまたゲームにもどっちゃいますからね」

唯「手厳しいね。だめだよ。もうどこにも行かないでね」

梓「……はい」

唯「あずにゃんはおっきくなってもちっちゃくて可愛かった」

梓「もうっ、恥ずかしいからそろそろ離れてください」

唯「……もうちょっとだけ」

梓「そういえば、怖くないんですか? お化けとかオカルトとか苦手でしょ?」

唯「怖くないよ。あずにゃんだから」

梓「なんですかその理由」

唯「私は一目見た時から好感度マックスだったからね」

唯「好きであることに、理由なんていらないんだよ?」

梓「ふふ、そういう人でしたね」

律「よし、じゃあ新入生も加えて新生軽音部誕生だ」

紬「さっそく梓ちゃんの分のパート作りしなきゃ♪」

澪「さぁ、ふたりとも」

梓「はい!」

律「唯のやつ、よっぽどうれしかったんだな。いきいきしてるや」

唯「うれしいよ! 不思議だけど、とっても幸せ!」

唯「私には大切なものがたくさんたくさんあって」

唯「うん、幸せ!」


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   ┃│ Fin l .┃<♪

   三│     l .三
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途中気絶してごめん保守ありがとう
キャラちがってるように感じたらごめん

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