マミ「悪いけど、一揆に決めさせて!」(184)

──vsシャルロッテ

マミ「ティロ・フィナーレ(竹槍)!」
ドスドスドスッ!

シャル「くぱぁ」グワッ!

まどか「えっ……!」

さやか「マミさん!あぶなーい!」


マミ「しまった!横に回られた……竹槍が正面にしか攻撃できないのを読まれてるわ!」

シャカシャカシャカシャシャカシャカシャカ

シャル「!?」スカッ

マミ「ふぅ……竹槍で移動速度が上がってなきゃ危なかったわ」

マミ「ティロ・フィナーレ(鎌)!」ヒュヒュヒュ

シャルロッテ「キャー」ザクッ

さやか「ダメだ……効いてる様子がないよ!」

マミ「いいえ、あれでいいのよ。足止めさえできれば」テクテクテクテク

ピロリッ

マミ「……。」ニコニコニコ

まどか「ま、マミさん?小判なんて拾ってなにニコニコしてるんですか!?」

シャルロッテ「シャー」グワー

さやか「あぶない!あぶない!」

シャルロッテ「シャ……!」シュウウウウ……!

さやか「あぶな……!?」

まどか「魔女が消えた……?」

マミ「結界の中の小判を全部集めたのよ」

まどか「わけがわからないよ」

シュウウウウ……。

まどか「景色が元通りになっていく……。」

ほむら「くっ……離れて……離れて!」ジタバタ

さやか「て、転校生!に抱きついてるのは……誰!?」

マミ「私の魔法よ……もういいわよ、腰元」

腰元「……。」シュウウウ
まどか「あ、消えた……。」

ほむら「はあ、はあ……巴マミ、貴女」

マミ「悪いことをしたわね、それは謝るわ」

ほむら「手を引きなさい……その二人から。」

マミ「あら、魔法少女になるかならないかはこの二人の意志よ。違う?」

マミ「それに、魔法少女に関する正しい知識を教えて導いてあげる人間が二人には必要だと思わない?契約は無償で奇跡を起こしてくれる代物じゃないことくらい、あなただってわかるでしょう?」

ほむら「……自分が正しい知識を持っているというの?魔法少女のシステムについて、全て知っているとでもいうの?」

マミ「……どういう意味?」

ほむら「今は知らなくていいわ……また会いましょう」ザッ

さやか「くーっ……やっぱ感じ悪いヤツ!」

まどか「どうしたんだろう……ほむらちゃん」

マミ「……。」

──マミ家

マミ「魔法少女の力は、契約の時の願いによってその姿を変えるわ」

さやか「へー……ちなみにマミさんはどんな願いだったんですか?」

まどか「あ、それ気になります!」

マミ「……私は、大きな事故に遭って、その時にキュゥべえと契約したの……。」

まどか「事故……?」

マミ「ええ……その時私は『生きたい、死にたくない』って言ったつもりだったんだけど……。」

マミ「『いっ……き……し……たい……!』」

QB「『君の願いはエントロピーを凌駕した』」


マミ「何をどう間違えたか『一揆したい』と取り違えられて……。」

さやか「う、うわぁ……。」

マミ「だからね」ズイッ

まどか「わっ」

マミ「魔法少女になる願いは本当に慎重に決めなきゃだめよ。私みたいに馬鹿みたいな願いで一生を捧げたくないでしょう?」

QB「僕としてはマミは優秀な魔法少女だと思うけど」

マミ「ほめたってあの時のことは許さないわよ?」ギリギリ

QB「苦しいよ」

さやか「は、はい……。」

マミ「……とはいえ、命が助かったのもキュゥべぇのおかげだし、その点は感謝もしてるの。だからもし魔法少女になる決心がついたら、いつでも声をかけてね?」ニコ

まどさや「は、はい!」

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まーたお前か





いいぞもっとやれ

──帰り道

さやか「とは言うけど……まどか、どーする?」

まどか「私はちょっと怖くなってきちゃった……キュゥべぇも失敗するんだね」

さやか「そーだね……でもどうしても頼らなきゃいけなくなったら、その時は……!」

まどか「……ちゃんと、マミさんに相談しようね?」

さやか「うん……。」

──翌日、上条恭介の病室

上条「治らないんだよこの腕は……奇跡でもないかぎり!」
さやか「あるよ!奇跡も、魔法も、あるんだよ!」

──マミ家

さやか「マミさん、私……魔法少女になろうと思うんです」

マミ「そう……願いは?」

さやか「え、それは……。」モジモジ

マミ「いいから、いってみなさい」

さやか「……恭介の、幼なじみの腕が、もう治る見込みがないって。でも魔法少女になれば、私が魔法少女になれば──!」

マミ「美樹さん」

さやか「は、はい……。」

マミ「もう一度聞くわ。あなたは本心からその人の腕を治したいの?それともその人の恩人になりたいの?これだけはハッキリさせて」

さやか「っ……私は……!」

マミ「……意地悪なこと聞いちゃったわね。ちょっと出かけましょ」スク

さやか「どこ……行くんですか?」

マミ「その人の病室よ」

──上条恭介の病室

さやか「き、恭介……。」ガラガラガラ

上条「あ……さやか」

さやか「あのさ……さっきは、ごめん」
上条「あ……うん、僕も……。」

マミ「初めまして、上条恭介くん」

上条「あなたは……?」

マミ「私は三年生の巴マミ……上条くん、もしその腕がもう一度動くようになると言ったら……信じる?」

上条「え!?」

マミ「そのために……どんな試練も受ける覚悟はあるかしら!」

上条「……はい。この腕が治るなら、なんだって……!」

マミ「そう……美樹さん、車椅子の準備をお願い」

さやか「は、はい!」

上条「あの、一体どこに……?」

マミ「……神頼みよ」

マミ「着いたわ」

さやか「マミさん、これって……お地蔵さんじゃないスか」

マミ「ええ。見滝原の外れに昔から立ってる『おにぎり地蔵』。この地蔵に伝わる神話は知ってる?」

上条「ええ、確か……かつて神さまが天から落としたおむすびを全て地面に落とさず掴み、神さまに返した農民がいた。神さまはその農民の謙虚さに打たれ、『なんでもひとつ、願いを叶えてやる』と言った」

さやか「すると農民は『とんでもねえ、ただおらは当たり前のことをしただけだ。おらより他のみんなが幸せならそれでいい』と言った。神さまはまたもその謙虚さに胸を打たれ、農民の住む村を見守る決心をしたという」

マミ「そう。その神さまが、このお地蔵さんというわけよ」

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> マミ「……神頼みよ」
まさか…!ガタッ

さやか「でもそれって単なる言い伝えじゃないんですか?」

マミ「単なる言い伝えだったらわざわざ連れてこないわ……いるのよ、神さまは」スッ

上条「おにぎりをお供えした……?」

マミ「おにぎり地蔵に眠る神さまよ、姿をお見せください……!」ゴゴゴゴゴ

さやか「な、なにこの煙……うわぁ!」

ピカアァァッ!

上条「ここは……今まで地蔵の前にいたはずなのに……。」

さやか「あたしたち……浮いてる!?どこ見ても空しかないよここ!」

?「『私を呼んだのは誰ぞ?』」

マミ「……お久しぶりです、神さま」

神「『チャンスは一度きりといったはずだ』」

マミ「いいえ、私ではありません。今回はこの少年です」

上条「神さま、僕の願いを……聞き届けてくれるんでしょうか?」

神「『言ってみろ』」

上条「僕は……腕がもう一度動くようになりたい、もう一度バイオリンが弾けるようになりたい!」
神「『よかろう、ならば私の試練を越えてみせろ』」

上条「試練……?」

神「『その前に、その足ではろくに試練もできまい』」ピカアァッ!

上条「うわあぁ!」

さやか「恭介!」

上条「あ、歩けるようになってる……。」

さやか「え!?」

マミ「当たり前よ、神さまだもの」

上条「それで、試練って……?」

神「『今から私が10個のおにぎりを投げる。それを落とさずに全て掴み取るのだ』」

さやか「なにその試練……。」

上条「……わかりました。やります!」
神「『チャンスは一度きり……いくぞ』」ポーイ ポーイ

上条「はっ!ふっ!」パシッ!パシッ

さやか「がんばれ!恭介!」

上条「(おにぎりはキャッチした瞬間消えるからしまう場所の心配はないけど……片手じゃ大変だ!)」パシッ! パシッ!

神「『ほう、なかなか粘るな……。』」ポーイ

上条「あ!しまっ……!」ビシッ

マミ「弾いた、これじゃもう……!」

さやか「恭介えぇぇぇッ!」ダダダダダ パシッ!

上条「さやか!」

マミ「美樹さん!?」
さやか「あ……身体が自然に動いちゃった……やっぱ今のって……ダメですか?」

神「『面白い、許そう。ただしノルマは10個追加。二人で協力してよい』」
さやか「……はい!」

神「『ペースを上げていくぞ』」ポーイ ポーイ ポーイ

さやか「恭介!左右に揺さぶられたら捕れない!分担しよう!」パシッ!パシッ!
上条「わかった!」パシッ!パシッ!

マミ「後少しよ!二人とも!」

さやか「これで……最後だあぁぁぁッ!」パシッ……!

神「『……よくやった、願いを叶えてやろう』」
上条「あ……!」

シュパアアアアアア!

上条「腕が……動く!」ニギニギ

神「『願いは叶えてやった。さらばだ』」
さやか「あ、また景色が……ひゃあああああ!」

ピカアアアアアッ!

さやか「地蔵の前に戻ってる……夢?」

上条「……夢じゃない」

さやか「恭介……。」

上条「動く、動くよ……夢じゃないんだよ……さやか!」ポロポロ
さやか「恭介……よかった!」
マミ「(ありがとう……神さま)」

上条「さやか、ありがとう。あの時君が出てきてくれなかったら、僕は……。」

さやか「い、いいってそんな改まって!あたしがやりたくてやっただけなんだからさ!」

上条「それでもさやかには本当に感謝してるんだ。僕にできることなら、なんでもお礼させてくれ」

さやか「……じ、じゃー今度、このさやかちゃんにバイオリンの演奏でも聴かせたまえよ!」

上条「もちろん、なんなら一日中だっていいよ」

さやか「え、えぇ!?」

マミ「(ふふ……いいわね)」

さやか「マミさんも……本当にありがとうございました!」
上条「ありがとうございました!」

マミ「え、えぇ!?私はなにも……!」

さやか「いいえ、マミさんがいなかったら私の、恭介の願いは絶対に叶いませんでした……本当にありがとうございます!」

上条「さやかの……願い?」

さやか「えっ?あっ!いや、なんでも……。」モジモジ

マミ「……美樹さんは貴方を心から想っていたのよ。だから私に相談を持ちかけてきた」

上条「え!?」

さやか「ちょっ、マミさん!!」

マミ「上条くん、あなたの努力と美樹さんの愛が……奇跡を呼び起こしたのよ!」

さやか「あ、あうあうあう……////」

上条「さ、さやか……えっと……。」

さやか「……あのね、私、ずっと恭介のこと見てた。頑張ってる姿も、落ち込んでる姿も、ずっと側で見てた。もっと一緒にいたいって思った!恭介のバイオリンは確かに好きだよ、でも、それだけじゃないの。私は、私は……恭介のことが、好き!」

上条「さやか、さやか……僕はッ」ギュ

さやか「ひゃっ……////」

マミ「……(あとは、若い二人に任せましょう)」スタスタ


──マミ家

マミ「はぁ……。」ガジガジ

QB「どうしたんだいマミ?大根なんて食べて」

マミ「……そういう気分なのよッ」ガジガジ

──翌日、廃工場

使い魔「キャキャキャキャ!」
まどか「嫌あああぁッ!マミさん、早くきて……ッ!」ビヨョーン

パパパァン!
使い魔「ヴェィッ!」

ほむら「……。」ガチャ

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「まどか……また貴女は危険なことに首を突っ込んで……!」ギリッ

まどか「あ……ぅ……!」シュン

ガシィン! ガシィン!

使い魔「ギャー!」

ほむら「なにもしていないのに使い魔が……!?」

『ティロ・フィナーレ(鎌)!』

エリー「ギャアアアアアム!!」ズドォォォン

ほむら「(違う……巴マミが超高速で動いていたのね!)」

まどか「マミさん!」
マミ「ごめんなさい遅くなって、昨日大根を食べてから変に身体が軽くって……。」

ほむら「……。」


マミ「また会ったわね、暁美さん。グリーフシードが望み?」

まどか「ま、マミさん!ほむらちゃんは私を助けてくれたんです!」

マミ「へぇ……。」
ほむら「……。」

マミ「……ねえ、明日私の家に来てみない?」

ほむら「……え?」

マミ「もしかしたら私たちはお互いのことを誤解しているかもしれないわ……もう一度ゆっくり話して、お互いの認識を改めたいの」

ほむら「……いいわ」

マミ「本当!?じゃあ案内するから明日の放課後……。」

ほむら「いいわ。知ってるから……明日会いましょう」スタスタ

まどか「あ、行っちゃった……。」


マミ「知ってる……?」

──翌日

マミ「さ、何もないところだけど上がって」

ほむら「……おじゃまするわ」

マミ「……ところで何で私の家を?」

ほむら「答える必要はないわ」

マミ「そう……じゃあ質問を変えるわ。あなたは魔法少女について、どこまでしってるの?」

ほむら「……。」

マミ「もう……なにも答えてくれないんじゃお話にならないじゃない」

ほむら「……貴女は真実を知ったら……いや、でも今回の巴マミなら……!」

マミ「え、何?何の話?」

ほむら「……巴マミ、魔法少女には全員ソウルジェムが与えられる。それは知っているわね?」

マミ「ええ。これが私たちが魔法少女である証だもの」

ほむら「……そのソウルジェムに、自分の魂が閉じ込められていることは?」

マミ「え!?」

ほむら「……やはり、知らないのね」

マミ「それってつまり……どういうこと?」

ほむら「魂が閉じこめられた以上……肉体は抜け殻よ。ソウルジェムを身体から100m圏外に遠ざければ、肉体は生命活動を停止するわ」

マミ「そんな……!」

ほむら「それだけじゃない。ソウルジェムは魔法を使ったりするたびに徐々に濁っていくわね」

マミ「……ええ」

ほむら「その濁りが……穢れが限界に達したとき、魔法少女はどうなるかわかる?」

マミ「……いいえ」
ほむら「……呪いを、絶望を生み出す存在……魔女へと生まれ変わるわ」

マミ「嘘……どういうこと!?魔法少女が魔女を生み出すってこと!?」

ほむら「ええ。希望と絶望のバランスは……差し引きゼロなのよ。」

マミ「キュゥべえは知ってるの?そのことを……。」

ほむら「……知らないはずがないわ。キュゥべえの……インキュベーターの目的は、魔法少女が魔女に変わる瞬間の感情エネルギーを収集することなのだから」

マミ「そんな……!」

ほむら「突拍子がない話なのもわかる。信じられないのもわかる。でも今話したことは全て事実よ。証明するためなら私のソウルジェムを……窓から投げ捨ててもいい」

マミ「そんな……魔法少女が魔女を生み出すのなら、私!」ポロポロ

ほむら「くっ!(今回も駄目だというの?)」

マミ「一揆を起こすしかないじゃない!」

ほむら「……ん?」

マミ「許せない……いくら命の恩人とはいえ、絶望の末魔女になるなんてこと説明しなかったことは絶対にゆるせないわ!」ドン

ほむら「あ、あの、巴マミ……?」

マミ「これは明らかに詐欺よ!暴虐よ!一揆を起こすしかないわ!」ドドン

ほむら「あ、あの……。」

マミ「暁美さんも一緒に起こすわよね!一揆!」ピキィィィン!

ほむら「は、はひっ!?」

マミ「よかった……それじゃあ早速作戦会議しましょう!」
ほむら「え、えぇ……(む、無意識のうちに承諾してしまった……何が起きたの?)」

マミ「まず決行日を決めなければいけないわね」

ほむら「その前に……この町にワルプルギスの夜が来るわ。それを迎え討たなければ、どうにもならない」

マミ「ワルプルギスの夜……かなりの大物ね」

ほむら「ええ。まずはワルプルギスの夜迎え討つ作戦を立てなければならない」
マミ「ならばまず戦力を集める必要があるわね!私は仲間を集めてくるから、貴女は片っ端から武器をかき集めてきて。ワルプルギスの夜と同じ日に一揆を起こすわよ!」

ほむら「え!?」

マミ「まさかワルプルギスの夜を倒した直後に私たちが一揆を起こすなんて考えないでしょう?」

ほむら「それはそうだけど……勝算はあるの?」

マミ「なければ作るのよ」

──翌日、路地裏

マミ「久しぶりね佐倉さん、ご家族は元気?」

杏子「お久しぶりです、師匠!そりゃもうみんな元気です!ところで用ってなんですか?」

マミ「ええ、実は……これからキュゥべえ相手に一揆を起こそうと思っているの」

杏子「い、一揆ィ!?」

マミ「ええ、実は魔法少女はかくかくしかじかで……。」

杏子「な、なんだってー!そんな……じゃああたしの夢も……!」

マミ「……佐倉さん、協力してほしいの。今回の一揆に」キュイイイイン

杏子「あ……!はい!あたしだってこのままじゃ……冒険家になる夢が叶えられねーから!」

──エルザマリア戦

エルザマリア「テーン」

マミ「魔女の足止めをお願い、佐倉さん!」テクテク

佐倉「へへっ、あたしだって成長したんだ!足止めどころか倒してやりますよ!」ポーイ

エルザマリア「!?」

ボシー!

杏子「どうだ!これ高性能小型爆弾『ボン』だ!これをくらえばひとたまりも……。」

エルザマリア「……!」シュッ!

杏子「な、何!わ!わぁ!」ジタバタ

マミ「佐倉さん、危ない!よけて!」

杏子「わかってるけど足元が滑ってー!」
ボシー!

エルザマリア「……!」グラァ

杏子「な、なんだ?助かったけど……。」
?「久しぶりだなみんな!」

マミ「あ……あなたは!」
マミ杏「「かんしゃく玉投げカン太郎!」」

エルザマリア「ウ……」グググ

カン太郎「おっと しぶといな」プィ ボーン!

エルザマリア「ギャアー!」ジタバタ

カン太郎「しね!」ボーン

エルザマリア「ウギャー!」ボシュウウウ……。

テレッテッテッテッテレッ テッテレッ!

杏子「ふう、助かったよ……カン太郎」
カン太郎「びっくりしたよ ひさしぶりにあったら おそわれてるもんだから」

マミ「あれも魔女なのよ。ところでカン太郎に相談なんだけど……一揆に協力してもらえない?」ピキィィィン

カン太郎「いっき? そいつは おだやかじゃないな どういうことだ」

マミ「じつはかくかくしかじかで……。」

カン太郎「そういうことなら てをかすぜ ももこちゃんを たすけられた れいも まだだしな」

マミ「本当に!?ありがとう、カン太郎!」

──ワルプルギスの夜、前日

ほむら「巴マミ、あなたに頼まれたものは集めてきたわ」

マミ「ご苦労様、これなら明日、万全の状態で戦えるわ。私も、仲間を紹介するわね」

杏子「佐倉杏子だ、よろしくな」

カン太郎「おれは はなびしょくにんの カンたろうだ よろしく」

ほむら「え、えぇ……(杏子はともかくカン太郎って誰よ……どう見ても魔法少女じゃないじゃない)」

マミ「ごめんなさい、結局二人しか集まらなかったの……。」

ほむら「いえ、元々無理な計画なのだから、二人集まっただけでも上出来よ」

マミ「……そうね……それじゃ、明日の成功を祈りましょう」

──翌日



カン太郎「はじまるな」



マミ「いい?ワルプルギスの夜はあくまでも前座よ。戦力を残して倒さなければならない」



杏子「ちぇ、ムチャ行ってくれますよ師匠……。」



ほむら「でも、やらなこれば……やるしかない!」

ワルプルギス「キャッハーハーハー!」

テレレレレレレレテーレレレーテーテレレレレレレレテーレレレー
テーテレレレレーテー!テレレレレー テー! テレレレレーテー!トゥーテー!トゥーテーテテテー!

マミ「いくわよ!」ガジガジガジ

杏子「師匠!なに大根食ってるんスか!?」

マミ「これで……いいのよッ!」ギュン!

ほむら「速い!」

マミ「いくわよ!ティロ・フィナーレ(竹槍)!」シュバババババ

ワルプルギス「アハハハハハ!!」ドスドスドス

カン太郎「やったか?」

ワルプルギス「キャハァ」

マミ「き……効いてない!」

ワルプルギス「アハハハハー」ブォア!

マミ「きゃあーっ!」

テンテテンテテン テン テン

杏子「師匠ーッ!」

マミ「うぅ……!」バタンキュー

ほむら「(やはり強い……余力を残して勝てる相手じゃない!)」

杏子「くそっ!よくも師匠をッ!」ポーイ

ワルプルギス「キャハハハハハハ」ブワアア!!

杏子「へ!?うわ、ボンが風で返ってきたああああ!」ピュー

杏子「あぶねっ!」ボシー

カン太郎「あのかぜじゃ かんしゃくだまも なげられない」

ほむら「それなら私がッ」ガ チ ャ ン

カン太郎「」ピタ

杏子「」ピタ

ほむら「温存しろと言われたけど……温存したら負ける!ありったけの火力で!」ジャキジャキジャキジャキジャキン!

ほむら「……ファイヤ!」 ガ チ ャ ン

ボシュウウウウウウ!!!!

ワルプルギス「ギャハァ!?」
ズドドドドドド!!

杏子「すげぇ爆風……やったか!?」

ワルプルギス「キャハハハハハハハ」

カン太郎「だめだ ぜんぜんきいてない」

ほむら「く……これじゃあどうやっても倒せないじゃない!」

マミ「いいえ!私がいるわ!」

三人「!?」

杏子「師匠!大丈夫なんですか!?」

マミ「ええ、ごめんなさい、倒れたふりをして今までずっと大根を食べていたわ。そして……今、風がこれを運んできてくれた」ピラッ

ほむら「それは……葉っぱ?」

マミ「今の私は……誰にも負けるもんですか!」ブンッ……!
ほむら「消えた!?」

カン太郎「ちがう はやすぎて みえないだけだ」

マミ「葉っぱの魔力を……解放!」パキイィィィン

杏子「し、師匠が分身している!?」

マミ「速攻で終わらせるわよ……!」ブン!ブン!ブン!

ワルプルギス「キャハ!?キャハ!?」

ほむら「質量を持った、残像……。」

マミ「なんとぉー!」

カン太郎「ばけものか」

マミ「ティロ(刺し穿つ)──」シュン……
ワルプルギス「ア──」


マミ「──フィナーレ(死棘の竹槍)!!」ドスッ……!

ワルプルギス「ギャアアアアアアアア!」パキイィィィン!

ドゴォォォ……。

ほむら「た、倒した……。」

QB「まさかワルプルギスの夜を倒してしまうとはね。マミ、杏子、それに暁美ほむら」

ほむら「キュゥべえ……!」

マミ「キュゥべえ。もう私たちはあなたたちのおもう通りにはならない」

QB「何を言ってるんだい?マミ」

マミ「あなたたちの本拠地を教えなさい」キィィィン!

QB「あ……!つ、月の裏側……!」

マミ「ご苦労様」ドスッ!

QB「がっ」ブスッ

マミ「いくわよ!一揆だぁぁぁぁぁぁ!!」

全員「おおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ほむら「でも月までどうやって行くの?」

マミ「それは……このおにぎりよ」

杏子「それは?」

マミ「神さまのおにぎりよ」

杏子「はあぁ?」


神『──巴マミよ、願いは本当にそれでいいのか?』

マミ『ええ。私は元々一揆が起こしたくて魔法少女になったんじゃありません。だから……一揆を起こしたくないんです』

神『そうか……しかし、気が変わることもあるかもしれぬ。その時のため、おにぎりに魔力を凝縮しておいた。もし一揆を起こしたくなったときにこのおにぎりを食べれば、一揆は必ずや成功するだろう』

マミ『……受け取っておきます』


マミ「まさか、お世話になる日が来るなんて……。」

マミ「さあ、みんな。このおにぎりを食べて」

杏子「は、はい」モグモグ

ほむら「いただくわ」ホムホム

カン太郎「ああ」ピロリッ

ギュイイイイン!!

ほむら「!?」

杏子「な、なんだ!?力が……力が湧いてくる!」

カン太郎「これなら いける」ギュルギュルギュルギュル!

マミ「カン太郎!」
カン太郎「ついてこい」ビシュウウウウ!!

杏子「か、カン太郎が回転して月まで飛んでいった……。」

マミ「ええ……でも、光の道が残されているわ。追いましょう!」

──月面

インキュベーターA「高熱源体、接近!」

インキュベーターB「何だ!?」

ズドォォォォォン!!

杏子「ふぅ……月でも普通に息はできるんだな」シュウウウウ

カン太郎「さてと」クンッ!

ズドォォォォン!

マミ「カン太郎!?」

カン太郎「はは、あいさつが ていねいすぎちまったかな なに かんしゃくだまで おどかしただけさ」

マミ「まだ早いわ……でもいいか、すぐ突入するんだし」

ほむら「ここからが本番ね……。」

全員「いくぞ!一揆だぁぁぁぁぁぁ!!」

杏子「おらぁー!一揆だ一揆だー!」ボゴーン

インキュベーター「たわば!」ボシュー!

ほむら「あなた達は……あなた達はっ!」パァン!パァン!

インキュベーター「ちにゃ!」ピチュ!

カン太郎「やってやる」ポーイ

インキュベーター達「にられば!」「ぞまほん!」「ぎむねま!」ボゴシャアアアア


司令官インキュベーター「異常自体だ、ただちに脱出を……!」

マミ「あなたが司令官ね?」

司令官インキュベーター「!?」

マミ「私たちの要求を呑みなさい。でなければ……命の保証はしないわ」

司令官インキュベーター「く、逃げ……うごけない!?」

マミ「無駄よ。既にあなたは腰元が拘束している」

司令官インキュベーター「……要求は」

マミ「私たちを魔法少女から普通の人間に戻すことと、地球から手を引くこと。地球上の魔女と魔法少女を全て元に戻して」

司令官インキュベーター「せっかくだけど、魔女ばかりはどうにもならない。倒れたグラスの中の水がどうしても元に戻らないように」

マミ「……なら、魔法少女は元に戻るのね?」

司令官インキュベーター「なんとかならないこともないが……しかし、本当に君たちはそれでいいのかい?宇宙の寿命を早めることになるんだよ?」

マミ「知らないわ、あなた達の都合なんて……絶望をエネルギーにして、たくさんの人を不幸にしてまで維持していく宇宙なんて滅べばいい!」

司令官インキュベーター「それは個人のエゴだよ」

マミ「……だとしても、構わない」

まどさやほむ杏「マミさんの、ちょっといいトコ見てみたい!」

マミ「それ一揆!一揆!一揆!一揆!」

マミ「それで、どうするの?要求を呑むか、ここで死ぬか」

司令官インキュベーター「……仕方ないな、要求を呑もう。ここで暴れられたら根こそぎストックをやられるからね。」

マミ「話がわかるようで助かるわ」

司令官インキュベーター「そこの装置を使えば、君の要求は果たされる」

マミ「装置……これね」ギュイーン

ピカアアアアッ!!

マミ「……ソウルジェムが消えてる……他の人たちも?」

司令官インキュベーター「ああ。それじゃ僕は脱出させてもらうよ。さよならだ」

マミ「……さよなら」

ゴシュウウウ……。

マミ「さて、みんなは……!」

杏子「師匠!大変だ!」

マミ「佐倉さん!どうしたの?」

杏子「インキュベーターの野郎、姿が見えなくなったと思ったらみんな月から脱出しやがった!どうしよう、あたしたち帰りのこて考えてなかった!」

マミ「あ……!」

ほむら「二人とも!」

カン太郎「どうする ちきゅうにかえれないぞ」

マミ「みんな……とりあえず宇宙船らしいものを片っ端から探してみるわよ!」
ほむら「ええ」

杏子「はい!」

カン太郎「わかった」

──一時間後

マミ「何か見つけた?」

ほむら「だめ……なに一つ見あたらないわ」

杏子「どうしよう、あたしたち……帰れないのかなぁ……!」ポロポロ

カン太郎「あきらめちゃだめだ あきらめちゃ」

マミ「でも、どうすれば……!」

──諦めるでない

マミ「え!?」

神『忘れたのか?お前には私の加護が付いているのだ。』

マミ「で、でもどうすれば」

神『私の加護を受けたのはお前だけではないだろう……全員の力を合わせるのだ』

マミ「全員の力を、合わせる……?」

神『私から言えるのは、ここまでだ』スウッ……。

マミ「あ……!」

カン太郎「どうしたんだ ぼーっとして」
マミ「え?あ……幻?」

──全員の力を合わせるのだ。

マミ「……みんな!一つだけ方法があるわ!」

杏子「え!?」バッ

マミ「私たちの食べたおにぎりには、神の加護がかかっているわ。その力が私たちにも身についている」

ほむら「つまり……どうすれば?」

マミ「その力を……想いを、一つに合わせるのよ!」

カン太郎「おもいを ひとつに」

マミ「そう、お互いを信じて……力を合わせて!」

ほむら「力を、合わせる……!」ピキィィィン
カン太郎「おたがいを、しんじる」

杏子「想いを込めて……パワーを上げる!」ビキビキビキビキビキ
ピカッ!

マミ「いくわよ……今こそ!」

ほむら「ストナァァァァァアアアア!」

カン太郎「『サン!』」

杏子「シャイン!」
マミ「スパアアアァァァァァァク(電子)!!」

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サン電子というとレミングスと上海しか思い浮かばないウリは負け組

バリバリバリバリバリ……ズドォォォォォン!!

ほむら「エネルギーの塊で……次元の歪みが生まれたわ!」
マミ「今よ、つかまって!一気に加速して……ワームホールを乗り越えるのよ!」

杏子「師匠!大根です!」

マミ「ふふっ、気が利くじゃない……。」ガジガジ

カン太郎「ぷっしゅ すたーと」

マミ「うおおおおおおおおおおおーーッッ!!」

ギュギュギュ……ドシュウウウーー!

杏子「うぅ……身体がねじ切れそうだッ!!」

ほむら「これがワームホール……!」

マミ「がんばって、もう少しよ!もう少しで……!」

ドシュウウウウウウウー!!

パッ!

杏子「うわああぁーっ!」

バッシャアアアアアアン!!

杏子「うぅ……みんな、無事か?」

ほむら「ええ。どういうことか、傷ひとつないわ」
カン太郎「だいじょうぶ」
杏子「ここは……ワルプルギスと戦ってた所だ……戻ってきたんだな……。」キョロキョロ

杏子「……師匠?」
ほむら「巴マミが……いない」

杏子「なんの冗談だよ……なんで師匠がいねーんだよ!」

カン太郎「おちつけ」

杏子「落ち着けるか!師匠がいなきゃあたしは……うぅ、何でだよぉ!どこだよ師匠、返事してくれよ!」

シーーーン……。

杏子「あ……!」

ほむら「……杏子」
杏子「師ぃぃぃぃ匠ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

あたしの慟哭は、町中に響き渡った。
しかし、返事は帰ってこなかった……。

──1ヶ月後

杏子「……。」ゲッソリ
母「杏子、お友達が来てるわよ。リビングで待ってもらってるから」

杏子「……うん」

母「たまには外で遊んできたら?ここ最近、ずっと家にこもりっきりじゃない」


ほむら「久しぶりね、杏子」

杏子「……何しに来たんだ?」

ほむら「つれないわね。せっかくあなたにいい報せを持ってきたっていうのに」ピラッ

杏子「……手紙?」

ほむら「見てみなさい」

杏子「あ……!」

『アトランチスで待ってる 巴マミ』

杏子「……師匠!?」

ほむら「きっとあなたの所にも届いているはずよ」

ガサゴソ……。

杏子「……あった!」

『アトランチスにて待つ 巴マミ』

杏子「ん?裏面になにか書いてある……。」

『杏子、わたしはあなたの夢を応援してる。見事、アトランチスの謎を解いてみせなさい』

杏子「あ……これ、アトランチスへの地図……!」ジワッ

杏子「……わかったよ、師匠。いくぞほむら、旅の準備だ!カン太郎も呼ぶぞ!」ゴシゴシ

ほむら「どうするの?杏子」

杏子「決まってんじゃん、解きにいくんだよ!」


杏子「アトランチスの謎を!」


終わりです
支援ありがとうございました

いっきだと思ったら風呂敷が広がりすぎてとんでもないことになってました
即興ってこわいね

              .,-'''''~~~ ̄ ̄~~''' - 、
 \      ,へ.人ゝ __,,.--──--.、_/              _,,..-一" ̄
   \  £. CO/ ̄            \       _,,..-" ̄   __,,,...--
      ∫  /         ,、.,、       |,,-¬ ̄   _...-¬ ̄
 乙   イ /    /   ._//ノ \丿    ..|__,,..-¬ ̄     __,.-一
      .人 | / ../-" ̄   ||   | 丿 /  ).  _,,..-─" ̄   ._,,,
 マ    .ゝ∨ / ||        " 丿/ノ--冖 ̄ __,,,,....-─¬ ̄
        ( \∨| "  t-¬,,...-一" ̄ __--¬ ̄
 ミ  ⊂-)\_)` -一二 ̄,,..=¬厂~~ (_,,/")

     .⊂--一'''''""|=|( 干. |=| |_      (/
   /  ( /      ∪.冫 干∪ 人 ` 、    `
 /      )         ノ '`--一`ヽ  冫
                 く..          /
                .  ト─-----イ |
                  ∪       ∪

ちなみに言及されまくったので白状しますが
マミ「燭台割ってハート稼ぐのは一苦労ね」
マミ「タッチ!」パァン ドンキー「ホッホッホッハッハッハ」
まどか「わたしのジョブは、見習い魔法少女です!」

の作者は私です、今回で10本目記念だったりします
なんでバレるの?

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>>163
作風が似すぎてる

>>163
毎回チョイスが絶妙すぎるんだよ

自分ではバレないとばかり思いこんでいました
ちなみにほかには

Dボゥイ「交わした約束は忘れない」

マミ「いじめられっこの発想ね」牛尾「『いじめ』がなんだって?」

杏子「さやかー、散歩の時間だぞ」さやか「あんあん!」

さやか「目だ!耳だァ!鼻!」

杏子「やっぱ『おばあちゃんのぽたぽた焼』はうまいな」

マミ「台風のせいでやることがないわ」

などを書いていました、10本も書いたし1回ハッキリさせておきます
6巻全部そろえたキミはえらい!

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> さやか「目だ!耳だァ!鼻!」
やっぱりお前か

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