さやか「ほむらの机にまどかのパンツを置いてみたw」(538)

さやか「ふへへへ、まどかのパンツゲットー」
さやか「おー、純白だねぇ、まだまだお子ちゃまで、さやかお姉さんは安心したよ」
さやか「別に盗んだんじゃありませんぜ。体育で汗べっとりかいたから下着も取り替えたってわけ」
さやか「んで、脱いだもんを預かっているわけですよ」
さやか「…って、わたしは誰に説明してるんだろうね?」
さやか「まぁ、暇だし、黄ばんでるクロッチのにおいでも嗅いでみますか」
さやか「すーはー……」
さやか「うえぇぇぇっ! げほっ! げほっ! くせっ、ごっつくせぇぇーーっ!」
さやか「うげぇ…あまりのくささに鼻がひんまがるところだったよ」

 トコトコトコ。

さやか「お、向こうから転校生が歩いてくる」
さやか「あいつ、まどかの態度が、なーんかあやしーんだよねぇ」
さやか「転校生の机に、まどかのパンツおいてみよっかな?」
さやか「ひひひ、置いちゃったぜ。さやかちゃんやお主もワルよのう。さてと、わたしは隠れますかね」

ほむら「………」

さやか(転校生が教室に入ってきた。ふひひ、机の上にあるものに気付いたぞ)

ほむら「ほむっ!」

さやか(おっ、反応した)

ほむら「こ…これは…!」

さやか(ふひひ、拾った拾った。転校生、お主もエロよのう)

ほむら「まどかのパンツっ!」

さやか(見ただけで分かるのかっ!)

さやカス?

ほむら「きょろっ、きょろっ」

さやか(周囲を確認しているな。気付かれないように隠れなきゃ…)

ほむら「すーはー…」

さやか(パンツを鼻に押しつけて、においを嗅いでいるぞ。臭くないのか…?)

ほむら「はぁぁぁーーー、これは朝の7時13分から、5時限目の体育まで着用していたまどかのパンツね」

さやか(においで、時間まで分かるのかよ!)


ほむら「これが脱ぎたて5秒の生温かさならどんなによかったことか」

さやか(そのときはパンツはいてない本体のごにょごにょを狙った方がいいんじゃね?)

ほむら「はぁはぁ、まどかの香り…なんという至高…たまらないわ…」

さやか(恍惚している!)

ほむら「はぁはぁ…ああん…まどか、まどかぁー、んんんっ!」クチュクチュ

さやか(ちょっ、転校生! いきなり何おっぱじめてんのっ!)


ほむら「我慢できない…まどか…ほしい…ほしいよぅ…はぁはぁはぁ…ああっ!」クチュクチュ

さやか(うわぁ、転校生。まどかのパンツを嗅ぎながら、自分の股間をまさぐってるよ)

ほむら「ん…はぁ…あああああんっ!」ビクッビクッ!

さやか(もうイッたわけ? なんつー速さ。転校生、あなたに秒速絶頂ほむら☆オナヌという異名をあげたいよ)
さやか(でも、なんつーか、女の子のイク姿見たの初めてだけど)
さやか(なんだろう。さいっあくに酷いの見たのに、すごいドキドキしている…)
さやか(なによこの、胸がキュンとする切なさは…?)
さやか(そう、この感情が恋であることに、美樹さやかは気付いていなかったのだ!)


さやか(って、なんでですかー)ピシッ!
さやか(てへっ、誰も見てないのに、自己ツッコミするお茶目なさやかちゃんでしたーっ♪)

ほむら「はぁ、はぁ……」
ほむら「………」

さやか(おや、真面目な顔になった。賢者モード?)

ほむら「まどか、よかったわ」
ほむら「うん、ほむらちゃん。わたしも恥ずかしかったけど、すごく、気持ちよかったよ」

さやか(ちょっ、あんたなにやってんのwwwwww)

ほむら「まどか、大好き」
ほむら「わたしも、ほむらちゃんのこと大好き、ちゅっ」

さやか(パンツにキスするなぁwwwwwwwww)

ほむら「私は、まどかの汗とおりものと尿とうここの匂いがミックスしたパンツだけで、一時間に100回はイケる自信あるわ」

さやか(んなの、自慢にならんわwwwww)

ほむら「やだ、ほむらちゃんったら嬉しいけど恥ずかしいよ、ティヒヒ」

さやか「なにがティヒヒだ気味悪いwwwwwwwwwwwww」

ほむら「…もう一回戦しようかしら?」

さやか(しなくていいよwwwwwwwwww)

ほむら「そうね、続きは家に帰ってからにしましょう」
ほむら「うん、ほむらちゃん、朝までたっぷり可愛がってね」
ほむら「ええ、まどか。今夜はあなたを寝かせない」

さやか(だから、ひとりしばいすんなwwwwwwwwwwwwww)

あうあうあー    て\ (^p^)「つぎはーちんじゅくー」 /( ^p^ )
  ガスターテン!  ん\                //⌒   `ヽ
お             す \━―━[新宿]━―━// /   │\_П  る

ぎ    よだれパン      \         /  ( /ヽ   |\___E)  あ
ゃ                  \ΛΛΛΛ/     \ /   |       で
あwwwぱしへろんだすwww  <    い>いけぬまは健常者より優れた種

―――――──――――――< 予  け>―――――──――――――
(-q-)/  (`q´)  (‘q‘)ノ  (~q~)<   ぬ>            /\たかしちゃんは天使
「l l    〈 ノ  < l   гl l<感  ま>  ┌───   /(^p^)\(補助金うめえw)
 <<    <<   /  7   ノ <<    の> てんすの恵み/ てんす \←─┐
                   /∨∨∨∨ \ └→   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  │

     へ_⌒/(`q´)    /passive hell   \    /    (^o^)     \-┘
@-@[ROCK&ROLL]@-/    and death   \ /     保護者     \
              /                \                  .\ 
             /    受身の地獄と死     \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \


ほむら「装着!」

さやか(パンツをあたまに被るなwwwwwwww)

ほむら「こんにちぱんつ~♪ ありがとまどか~♪」

さやか(うwwwwたwwwwwwうwwwwwなwwwww)

ほむら「イってきまどか~♪ ごちそうさまどか~♪」

さやか(おwwwwwwwどwwwwwwwるwwwwwwなwwwwwwwwww)

ほむら「ま~ど~か~の~ぱ~んつ~で~♪」
ほむら「た~のし~い、おっなに~が~♪」
ほむら「ほむほむーん♪」きゅぷーん♪

さやか「ぷはぁwwwwwwwwwwもうだめwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ほむら「ほむっ!」

さやか「バレたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


ほむら「み、みみみみみ、美樹さやかっ!」

さやか「違います、わたしはミカン星人ですwwwwwwwwwwwwwwww」

ほむら「どっから見ても、美樹さやかじゃない!」

さやか「ワレワレハウチュジンぷっはwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ほむら「ボケないでっ!」

さやか「うっはwwwwwwwダメだwwwwwwwwww最後までしゃべれないwwwwwwwwww」

ほむら「いい加減にしなさい!」

さやか「はーいwwwwほむらちゃーんwwww可愛くてプリチーなミルキィさやかちゃんでーすwwwwwwww」

ほむら「ただの空気読めないバカでマヌケでヘンポコリンなスライム以下の下等生物美樹さやかでしょ!」

さやか「ひどwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



ほむら「私の恥ずかしいところ、見てたのね?」

さやか「見てないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ほむら「じゃあ、なんでそんなに笑ってるのっ!」

さやか「笑ってないってばwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ほむら「笑ってるじゃない!」

さやか「きのこの山を食べたら、それがワライタケでwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ほむら「見え透いた嘘つかないで!」


さやか「転校生が教室に入ってきてまどかのパンツに反応した所からしか見てないから安心しなよwwwww」

ほむら「最初っから目撃してんじゃない!」

さやか「そもそも、まどかのパンツを置いたのわたひぃwwwwwwwwwwはぁwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ほむら「あなたの仕業だったのね!」

さやか「いや、ちょっとした冗談だったというかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ほむら「殺してやる!」ジャキ!

さやか「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーっ!」

ほむら「あんたを殺して、わたしも死ぬっ!」

さやか「いや、ボールペンじゃひと殺せないし!」

ほむら「目を刺すことぐらいできるわよ!」


さやか「転校生落ち着け! このことは、誰にも言わない!」

ほむら「美樹さやかに見られた時点で、自殺ものの屈辱よ!」

さやか「ねぇ、もしかして、わたしのこと嫌ってるっ?」

ほむら「過去のことを考えたら当然よ!」

さやか「過去って、わたし、転校生に恨まれることしたっ?」

ほむら「散々忠告したのに、魔法少女になって、絶望して、あっさり魔女化して、非常に面倒なのよ!」

さやか「意味分かんないよ!」


ほむら「やっぱ、あんた殺す!」

さやか「だからペンじゃ…」

ほむら「見なさい。サインペンにバージョンアップしてるわよ!」

さやか「それ弱くなってるから!」

ほむら「顔に、失恋中って書いてあげるわよ」

さやか「それは地味に嫌だ…」
さやか「って、あたし失恋したことないよ?」

ほむら「これからするのよ」

さやか「だれに?」

ほむら「上条恭介に決まってるじゃない」


さやか「でででで、わたしはきょきょーすけにゃんか、好きじゃないじょ」

ほむら「どもってるのが事実である証拠よ」

さやか「なんであんたが知ってるの! もしかしてバレバレっ!」
さやか「しかもわたし、失恋確定済みっ!」

ほむら「あなたのような、空気読めない女を好きになる男なんて…」
ほむら「いないわ」キリッ!

さやか「いや、ドヤ顔されても」
さやか「それを言うなら、まどかのパンツであんなことしていた転校生のほうが…」

ほむら「殺すっ! 殺すっ! 殺すっ!」

さやか「うわぁっ! わたしが悪かったーっ!」


ほむら「最終兵器消しゴムで死ねっ!」

さやか「いやいや、消しゴムなんて最弱トップクラスでしょ!」

ほむら「これで美樹さやかの記憶を消せるわ!」

さやか「それがドラえもんの道具でない限りは無理だってばっ!」

ほむら「じゃあ今すぐ、ひみつ道具出しなさい!」

さやか「わたし未来からきたネコ型ロボットじゃないし!」

ほむら「青い仲間じゃない!」

さやか「わけがわかんないよ!」


ほむら「その…お願い…」

さやか「…え?」

ほむら「まどかには言わないで…」ポロポロ

さやか「わわっ、急に泣かないでよ、困ったなぁ…」

ほむら「まどかにバレたらわたし、ううう、うぇーん」

さやか「あー、もう、子供みたいに泣かれると、わたしが悪いみたいじゃない」

ほむら「生きていけないびぇぇぇぇーん!」ポロポロポロポロ

さやか「まどかには言わないし、たとえ言ったところで、信じちゃもらえないよ」
さやか「むしろ、わたしがまどかに滅茶苦茶嫌われる」
さやか「だから安心しな。さやかお姉ちゃんは、絶対に言わないと誓います」


ほむら「ほんと?」ポロポロ

さやか「ほんとほんと、約束する。だから泣きやんでよ」
さやか「お詫びに、なにかオゴってあげるからさ」

ほむら「ひっくひっく…わかったわ…」

さやか「その前に、頭にかぶってるまどかのパンツを返してね」

ほむら「あなたは私の大切なものまで奪おうというの!」

さやか「いや、それまどかのだから…」

ほむら「なんで、こんなレアアイテムを持っていたのよ。あなたまさか…」

さやか「着替えを、預かってただけだって!」

ほむら「嘘つきなさい。お持ち帰りして、激しく求めるつもりだったんでしょ!」

さやか「わたしは転校生のような変態じゃなーいっ!」

喫茶店

ほむら「トロピカルデラックススペシャルフルーツパフェ特盛りを下さい」

さやか「なんで一番高いやつ頼むのかなぁ! ちょっとはわたしの財布に優しくしてよ!」

ほむら「ジャンボパフェは女の憧れ」

さやか「分かるけどさ、太るよ?」

ほむら「覚悟の上。体重が気になろうとも、女としてチャレンジしなくてはならないことがあるのよ」

さやか「まぁ、わたしもいつかは頼んでみたいと思っていたけどね」


さやか「はぁ、今月の金が消えた」

ほむら「私としたら、あなたの一生分の稼ぎをいただきたいぐらいよ」

さやか「ひとりじゃ食べきれなくない?」

ほむら「美樹さやかも食べるのよ」

さやか「おおっ、1つのパフェを2人でか。この光景をほむさや派が見たら、萌え萌え大爆発だポポポーン!」

ほむら「なにを言ってるの?」

さやか「けけけ、百合っぽく、あーんしてやるよ」

ほむら「やよ、気色悪い」


さやか「なんか転校生。わたしにたいして容赦ないねぇ」

ほむら「あなたが過去にしてきたことを考えたら当然よ」

さやか「だから、わたしがなにをしたっつーの?」

ほむら「………」

さやか「なによ急に黙って。ひひっ、もしかして、さやかちゃんの可愛さに気づいちゃったか?」

ほむら「キュゥべえ」

さやか「は?」

ほむら「魔法少女。ソウルジェム。グリーフシード。魔女のくちづけ」

さやか「はい?」

ほむら「これらの言葉に、なにか浮かんでくるものない?」

さやか「なにそれ?」

ほむら「はぁ……もういや、死にたい」

さやか「なんで落ち込むわけ!」

ウェイトレス「特盛りパフェお持ちしましたー」

さやか「でかっ! さすがはさやかちゃんのお財布を泣かせるだけあるね」

ほむら「やけ食いしてやるわ」モグモグ

さやか「こっちもやけ食いだ!」モグモグモグモグ

ほむら「ああっ! そのさくらんぼ、わたしが狙ってたのに!」

さやか「うるさい! 転校生はまどかのパンツ食ってりゃいいんだ!」

ほむら「なんでそこでブチギレるの!」

さやか「うおおおお、金のうらみぃぃぃっ!」ガツガツガツ

ほむら「ひとりでがっつかないでよ。私が食べられないじゃない!」

さやか「む、むぐぅ!」ドンドン!

ほむら「きゃあ! 吐き出そうとしないで、早く水のみなさい!」

さやか「たすかった……。危うく、パフェで窒息死するところだったよ」

ほむら「あなたってほんとバカね…」


さやか「それで、さっきの続きは?」モグモグ

ほむら「なんのこと?」モグモグ

さやか「だから、魔法少女とかなんだか言ったじゃない」モグモグ

ほむら「ああ。あることで私の価値観がひっくり返され、さらなるあることで価値観をさらにひっくり返されたの」

さやか「わっかんねー。そのあることってなによ。さやかお姉ちゃんに話してごらん。相談に乗るよ」モグモグ

ほむら「一度価値観がひっくり返って絶望したあなたに何を話したって無駄だわ」モグモグ

さやか「絶望ってなに?」モグモグ

ほむら「志筑仁美は、上条恭介のことが好きだわ」モグモグ


さやか「えええええええええぇぇぇぇぇぇーーーーっ!」

ほむら「このパフェ美味しいわ、人のオゴりとなるとなおさら」モグモグ

さやか「う、うううう、嘘でしょ。さやかちゃんびっくりしたなぁ。ドッキリ大成功だよ!」

ほむら「いずれ、志筑仁美から上条恭介のことが好きだと、あなたに告白する日がくるわ」モグモグ

さやか「え、まじ、ほんと?」

ほむら「事実よ」モグモグ

さやか「なんで、転校生が知ってるわけ! 仁美とそんな親しい仲じゃないし!」

ほむら「見てきたから」モグモグ

さやか「なにを見たってぇんだい、わたしは騙されんぞ」

ほむら「上条恭介を志筑仁美に寝取られて、絶望のあまり魔女になる美樹さやかの姿よ」モグモグ

さやか「わけわかんないし」モグモグ

ほむら「ループしてきた過去の経験からつねづね思うけど、美樹さやかは本当にめんどくさい女よね」モグモグ

さやか「まどかのパンツであーんなことしてた、転校生に言われたくないんだけど」モグモグ

ほむら「由緒正しき芸術嗜好法よ」モグモグ

さやか「ただの変態だろ」モグモグ

さやか「つか、ループって?」モグモグ

ほむら「るーぷ21~」

さやか「そりゃ、リーブやねん!」ペシッ!

ほむら「話せば長くなるし、あなたは信じない話よ」モグモグ

さやか「信じられなくても、転校生がいかにして下のお毛毛を発毛させたかって体験談は聞いてみたいもんだよ」モグモグ

ほむら「生えてないわよ!」

さやか「え?」

ほむら「え?」

さやか「………」

ほむら「………」

ほむら「このパフェ美味しいわね」モグモグ

さやか「…そうだね」モグモグ


さやか「ゲップ、おなかいっぱい…」モグモグ

ほむら「私も」モグモグ

さやか「しかし、ここで残しちゃ女がすたる! スイートさやかちゃん!」モグモグ

ほむら「ええ、完食してやるわ!」モグモグ

さやか「パフェは大量に余っているし、時間は十分にあるんだ。話すだけ話してみなよ」
さやか「信じる信じないも、聞いてみなくちゃ分からないじゃない」

ほむら「そうね、実はかくかくじかじかなのよ」モグモグ

さやか「ええっ! うそっ! 信じられない!」

ほむら「かくかくじかじかしか言ってないわよ」モグモグ

さやか「このネタって良く使われるけど、つまんないよね」モグモグ

ほむら「でも、やりたくなっちゃうのよね」モグモグ

さやか「そうそう。なんかわたしたち、ヘンな所で息があっちゃったね」モグモグ

ほむら「美樹さやかと息が合うなんて…死のう…」

さやか「死ぬほどのことっ!」


ほむら「つまりは…」モグモグ

ほむほむ、まどマギ1話から順にお話し中

………
……


ほむら「私は繰り返す。何度でもまどかを救うために繰り返す」

さやか「ぽっかーん」

ほむら「一人でがんばっても、ワルプルギスの夜を倒すことができない。まどかを救うことができない」
ほむら「私は絶望した」

さやか「文武両道で才色兼備な転校生の正体は、超電波が入ったまどかスキーの変態ヤンデレストーカーさんだったとは…」

ほむら「ソウルジェムが黒く濁ろうとするとき、まどかがやってきたの」

さやか「でも、妄想が凄すぎて、先が気になるっちゃあ、気になるのよね」


ほむら「『ほむらちゃんごめんね』と謝罪をして、やっと見付けた答えだからと、インキュベーターに願い事を告げたの」

さやか「まどかは何を願ったのよ?」

ほむら「まどかは…」

まどか『魔法少女やら魔女やらインキュベーターといった、わたしたち人間にとって非科学的である中二病設定を!』
まどか『すべては巴マミの妄想だったということにしてっ!』


さやか「…は?」

ほむら「は?よっ! は?も良いところでしょ!」

さやか「いや、わけわかんないし」

ほむら「私だってわけわかんないわよ!」
ほむら「まどかが願ったあと、気がつけば私は過去に戻ってるし!」
ほむら「私、魔法少女じゃなくなっていて、インキュベーダーは存在してなくて、まどかは普通の女の子で、自分が願った記憶なくて!」
ほむら「しかも世界は平和になってるの!」

さやか「よかったね…」

ほむら「良かったけど、良くないわよ!」
ほむら「すべては巴マミの妄想だったでオチつけられた、こっちの身になってちょうだい!」
ほむら「今までの努力はなんだったの!」

さやか「すごいねぇ、巴マミさんの妄想力って…」

ほむら「それで片付けられる巴マミって何者よ!」


さやか「はは、巴マミって雲の上の人だもんね…」

ほむら「この世界の巴マミを知ったとき、びっくりしたわよ!」
ほむら「なんで『魔法少女マミとソウルジェムの輝き』なんて本を書いていて、それが聖書に次ぐ世界的ベストセラーになってるわけ!」

さやか「しかも、本人出演でハリウッド映画化して、超メガヒットしてるし…」

ほむら「私たち魔法少女がやってきたことは、巴マミをスターにし、億万長者にしただけじゃない!」

さやか「なんかその、お気の毒様…」

ほむら「これで、やさぐれて、まどかのパンツに興奮していた私の気持ちが分かったでしょ?」

さやか「いや、それはわからん」

なんだろほむぅ
今までのまどかSSで最高な感じがするほむっ

とりあえず栄養失調で杏子ちゃんは死亡ルートか

>>87
てめえはパンツでも嗅いでろ電波野郎


さやか「あ、あーっ!」

ほむら「なによ急に、どうせろくでもないこと思い出したんでしょ」

さやか「そういえば、まどかが魔法少女のこと話していたことがあったっけ?」

ほむら「なんでそんな重要なことを隠していたの!」

さやか「いま、思い出したんだって」
さやか「まどかさ、自分が魔法少女になったすごいリアルな夢を見たんだって」

ほむら「それで、まどかはどうしたの!」

さやか「わたしが『すげーっ、まどかがキャラ立ちしたよ』ってバカにしたから、それっきり…」

ほむら「殺す」


さやか「でもでも、そのときに転校生について話してたよ!」

ほむら「なんて!?」ガタッ!

さやか「いやぁ、夢の中で会ったとか言ったから、さやかちゃんは笑い転げちゃいました、てへ♪」

ほむら「やっぱ殺す」

さやか「その前に、パフェ食い過ぎで死ぬかも…完食したけど気持ち悪い…」

ほむら「すみません、トロピカルデラックススペシャルフルーツパフェ特盛りを追加で」

さやか「わぁぁぁーーっ! キャンセルキャンセル!」


ウェイトレス「ありがとうございましたー」

さやか「胃がスイーツで重くなったけど、財布がめっちゃ軽い…」

ほむら「ごちそうさま。今日の夕食はいらないわね」

さやか「おかずはいるんじゃない」

ほむら「くれるの?」

さやか「えと、恭介のパンツでよければあげれるけど?」

ほむら「なにが楽しくて、さやかがおかずした上条恭介のパンツを貰わなきゃいけないのよ」

さやか「わたしは、んなことしないよ!」

ほむら「第一。なぜ、髪の毛がムカデになったかのようなグロテスクなアイテムを持ってるのよ?」

さやか「持ってるっつーか、これから貰うんだよ」

ほむら「………」

さやか「いやいや、あんたが考えてるような理由じゃないから」


さやか「恭介のお母さんに頼まれてるんだよ。洗濯物を持ってきてほしいって…」

ほむら「なるほど、いつもそれからパンツを抜き取って、夜のおかずにしてるのね」

さやか「そうそう、ああ、恭介のパンツだくんかくんか今日は朝日が昇るまで股間をフル稼働させるぜっ」
さやか「なんて、するかーいっ!」

ほむら「ご褒美なのに勿体ない」

さやか「わたしは、転校生のようにパンツに発情する変態じゃありません」
さやか「好きな人と、手を繋ごうとするドキドキ感が堪らない。健全な少女漫画のような恋を求める乙女なのだ!」

ほむら「あなたが主役の少女漫画は、好きなひとを志筑仁美に取られてバッドエンド」

さやか「そんなルートはわたしは認めない。ハッピーにしてみせるんだ!」

ほむら「無駄。美樹さやかは何やっても報われない、かわいそうな存在なのよ」


さやか「…転校生って、わたしのこと嫌いなの隠そうとしないよね」

ほむら「………」

さやか「どったの?」

ほむら「本気で嫌っているなら、一緒にパフェを食べたりすると思う?」

さやか「え?」

ほむら「…そういうことよ」

さやか「そっか、そっか、そうだったのかぁ!」

ほむら「うるさい」

さやか「くぅ~、転校生ったらツンデレちゃんというキャラ立ちまであったのか!」
さやか「あっはっはー、ほんとはわたしのこと好きなんだな。可愛いぞー、さやかちゃんの嫁にしてやるのだ!」

ほむら「ウザい」


さやか「なあ、ツンデレ転校生」

ほむら「なによ、負け犬美樹さやか」

さやか「そのさ、えっと…」ゴホン

ほむら「だから、なに?」

さやか「本気で、まどかのこと好きなのか?」

ほむら「………」

さやか「わたしが言ってるの、友達としてじゃないよ」
さやか「もうひとつの大きな感情」


ほむら「私は…」

さやか「ん?」

ほむら「まどかが幸せでいてくれたらそれでいい」
ほむら「私が欲しいのはまどかの笑顔だから…」

さやか「その笑顔を、自分に向けて欲しい。まどかを独占したいって思わない?」

ほむら「それは…」

さやか「好きなんだね、まどかのことを、どうしようもないほどに」

ほむら「女が女を愛するなんて、気持ち悪いだけよ…」

さやか(儚げな表情。こうして見ると、転校生って美人だなあ…胸ないけど。ていうか、わたしが勝ってるのってそれぐらい?)

ほむら「まどかが、私の気持ちを知ればきっとドン引きする」

さやか(まどかのパンツにしていた変態行為の方がドン引きもんだけどね…)


さやか「まどかがどう思うかなんて、言ってなきゃ分からないじゃん」
さやか「思い切って、告白してみたら?」

ほむら「できるわけないでしょ」
ほむら「女同士なのよ。この感情が間違っていることぐらい、自分でも分かっているもの」

さやか「じゃあ、どんな感情が正しいというのさ」

ほむら「それは…」

さやか「まどかへの気持ち、押さえきれないんだろ」
さやか「ならそれ、本物だよ」

ほむら「なによ、分かったようなこと言って」

さやか「分かってるよ。わたしも恋してるものね」
さやか「転校生が言うところの、振られたら魔女になるぐらいに」

ほむら「………」


さやか「自分の気持ちを殺しているほうが気持ち悪いでしょ」
さやか「まどかは優しいから、告白しても、転校生を傷つけることはしないよ」

ほむら「無理」

さやか「なんでよ」

ほむら「…怖いの」

さやか「まどかが?」

ほむら「(こくん)」


ほむら「私とまどかの絆は、魔法少女によって結ばれていたの」
ほむら「今はそれがない」
ほむら「ここは、魔法少女が存在しない世界。交わした約束すら、消えてしまっている」
ほむら「まどかとつなぎ止めるものが、何もないの」
ほむら「残されたのは、私のまどかへの想いだけ…」

さやか「………」

ほむら「まどかに捨てられ、唯一残ったこの想いもズタズタになったら、私生きていけそうにない」
ほむら「何度も時を繰り返して、約束を果たすために頑張ってきた私は、一体なんだったの」
ほむら「…バカみたいじゃない」

さやか(お、重い…)


病院

さやか「はぁ~、さやかちゃんこまっちゃったよ。後半、なんて声かけたらいいか分からなかったもん」
さやか「転校生のまどかへの愛情は、本物を通り越して異常だね」
さやか「わたしとまどかの絆は、魔法少女によって結ばれていたの」
さやか「なんてさ、電波具合がハンパなかったもん」
さやか「でもあれ、本当なのかなぁ? 魔法少女マミシリーズの読み過ぎだと思うけど、うーん」

恭介「さやか、なにをブツブツ言ってるんだい?」

さやか「わひゃ、恭介、いつからいたの!」

恭介「(どうやらオナニーしているのはばれてないようだな・・・)」


恭介「さっきだけど?」

さやか「リハビリ終わったんだ」

恭介「うん。今日は来るの遅かったね」

さやか「あはははは、ちょっと恋の相談に乗っちゃっててー」

恭介「さやかに恋の相談? はは、それは相手を間違えたね」

さやか「ちょっと、なにさ、恭介はさやかちゃんの恋のキューピットぶりを知らんな」

恭介「変人と恋人を読み間違えて、僕が男と付き合っていると勘違いしたのは知ってるよ」

さやか「それ、中一のときの話でしょ!」

恭介「半年前、つい最近のことだよ」

さやか「うー、恭介は意地悪だ」


さやか「じゃ、洗濯物をお預かりします」

恭介「いつも、すまないね」

さやか「いいってこと。と、これは…」

さやか(恭介のパンツだ。見える所に置かないでよ、転校生のこともあって意識しちゃうなあ)

恭介「どうしたの、僕の下着をまじまじと見て?」

さやか「え? あー、う、ううん、なんでもない」

恭介「欲しいのならあげるよ」

さやか「いいのラッキー。じゃあ、代わりに、さやかちゃんの脱ぎたてパンティーをさしあげましょう」

恭介「ははは、それも洗濯物の中に入れといてよ」

さやか(この反応、転校生の言う通り脈無しっぽい)
さやか(そもそも、恭介はわたしのこと女として見てないか…はぁ…)

中沢「上条ぶち殺す」


朝。通学中。

さやか「はぁ…告白してみたらって言ったけど、わたしも人のこと言えないね」

ほむら「おはよう、臆病者美樹さやか」

さやか「うわぁっ! パンツ大好き転校生! 幽霊みたいに現れるな!」

ほむら「上条恭介のパンツを手に入れた?」

さやか「洗濯物なら預かったけど」

ほむら「した?」

さやか「家に届けたよ!」


さやか「なあ、変態すぎる転校生」

ほむら「なに、バカすぎる美樹さやか」

さやか「あんたが知ってる別世界のわたしって、恭介に告白したの?」

ほむら「私の話、信じたの?」

さやか「信じるっつーか、気になってきてさ。で、どうなの?」

ほむら「あなたにそんな勇気はなかった」
ほむら「契約で上条恭介の指を治して、後悔して、最悪な結末を迎えたわ」

さやか「どうしたら、良い結末になったのかな?」

ほむら「あなたの失敗は、自分の感情を殺したことよ」
ほむら「それが絶望へと繋がった」

さやか「わたしは、どうすればよかったんだ?」

ほむら「告白する勇気があれば、状況はかなり変わったでしょうね」


さやか「告白する勇気かぁ…」

ほむら「報われるにも、振られるにも、気持ちを伝えるべきなのよ」

さやか「それって、転校生にも言える…」

まどか「さやかちゃーん♪」

さやか「お、まどかだ。それに、仁美も。おーい!」

ほむら「学校で」スタスタスタ

さやか「あ、ちょっと転校生!」
さやか「はぁ、行っちゃった…あんたも臆病者じゃん」


まどか「おはよう、さやかちゃん」

仁美「さやかさん、おはようございます」

さやか「おはよ、ふたりとも」

まどか「あの、いまね、さやかちゃんと一緒にいたの、えっと、暁美…さんだよね?」

さやか(暁美さん…。転校生が知る世界のまどかは、ほむらちゃん、だったよね。ふたりの距離を感じるなぁ)

仁美「お友達になったのですか?」

さやか「あー、うん、昨日の放課後、色々あってね、あははは」

最近まどかって字面を見るだけで情緒が不安定になる


まどか「暁美…さん、勉強も運動もできて、かっこいいよね。それにすっごい可愛いし」

さやか「変態だけどね」ボソッ

まどか「え?」

さやか「まどか、あいつのことどう思ってる?」

まどか「えと、あ…暁美…さんのこと?」

さやか(なんだろう。まどかが、暁美さんと呼ぶとき、たどたどしいような?)

まどか「いいと思うよ、うん、とってもいい」

仁美「なにがいいのでしょう?」

まどか「なにがって、ん、ええと、いいもんはいいんじゃないかな!」

仁美「そ、そうですか…」

さやか(この反応は脈あり? んー、良く分からない)


さやか「まどかは、転校生と話したことないの?」

まどか「ん、7回ほど…かな」

さやか(しっかり数えてるんだね…)

まどか「でも、一言、二言で、ちゃんと話してなくて…」

さやか「気になるなら、近づいてみたら?」

まどか「え、でも、その…話しかけづらいというか…」
まどか「暁美さん、なんかわたしに、壁を作っているような感じがするから」

さやか(意識しすぎるあまり…かねぇ)

それは壁じゃなくておっぱいだよ!気付いてあげて!><


仁美「さやかさんは、昨日も上条君のお見舞いに行かれたのですか?」

さやか「うん。恭介のお母さんから、洗濯物持ってきて欲しいって頼まれていたしね」

まどか「なんかさやかちゃん、奥さんみたいだね」

さやか「幼なじみだから、こき使われてるだけだって」

仁美「…そろそろ、退院できそうですか?」

さやか「どうだろ、歩けるまで回復したら、できるらしいけど」

仁美「腕の方は?」

さやか「ダメみたい…」

仁美「そうですか。上条くん辛いでしょうね」

さやか(たしかに仁美って、恭介のことをさりげなく聞いてくるよね)
さやか(やっぱり転校生の言うとおり…)


廊下。
まどかは用事で職員室。仁美と二人きり。

さやか「………」

仁美「………」

さやか(ちらっ)

仁美「……?」

さやか(やばっ、目が合った!)

仁美「………」

さやか(気まずいなぁ…)

仁美「…さやかさん、なにか私に話したいことでも?」

さやか「え、あ、い、いやぁ、それはその、なんでもないよ」

仁美「おかしいです。いつもなら元気に喋ってくるさやかさんが大人しいなんて…」

さやか「…う」

仁美「聞きたいことがあるんですね?」


さやか(バレバレ…わたしってそんなに顔に出やすいの?)
さやか(つーことは、仁美にもわたしが恭介のこと好きなのもバレバレで…)
さやか(まさか、気付いてないのって恭介だけ?)
さやか(…あの鈍感め。転校生の変態の垢を煎じて飲んで、さやかちゃんのパンツに発情しろ)

仁美「さやかさん?」

さやか「なんでもない。仁美って、恭介のこと好きなのかなぁなんて考えてたとかそんなことないから!」

仁美「…え?」

さやか(ぎゃーっ! 聞いてしまったーっ! わたしってなんてバカ!)

仁美は辺りを見回し、近くに人がいないのを確認してから…
じっと、さやかを見た。

仁美「はい。上条くんのことをお慕いしています」


昼休み。屋上。

さやか「はぁ…さやかちゃん絶体絶命」

ほむら「憂鬱そうね」

さやか「変態生」

ほむら「バカさや。となり座るわ」

さやか「あんたが言ったこと本当だった。仁美。恭介のこと好きだって…」

ほむら「そう」

さやか「退院したら、告白するって、宣戦布告されちゃったよ」
さやか「あー、どうすればいいんだ。相手は仁美だよ、勝てるわけないじゃん!」

ほむら「偉い人はいってたわ。諦めたらそこで終わりですよ」

さやか「バスケマンガじゃない!」


ほむら「私は別に、美樹さやかがフラれようと、ショックでハゲようと、野垂れ死にしようと、知ったこっちゃないわよ」

さやか「冷たいこというね」

ほむら「絶望しても、魔女にならないから気が楽ね」

さやか「パフェを食べ合った仲のさやかちゃんが落ちこんでんだぞ。少しは慰めてくれよ」

ほむら「美樹さやか。心の底から、ザマーミロと祝福させていただくわ」

さやか「わたしって、相当恨まれてんね!」

ほむら「別世界で体験した私の苦労話を、丸一日かけてしたいぐらいだわ」

さやか「そのたくさんの魔女っ子さやかちゃんを見てきた経験から、なにかアドバイスしてくれない?」

ほむら「ロープを首に巻きつけて、屋上からバンジージャンプをおすすめするわ」

さやか「死ぬしかないの!」


ほむら「恭介が付き合ってくれなきゃ私は死ぬと、上条恭介の前で切腹したら?」

さやか「それ、病んでるから!」

ほむら「いっそのこと、犯せば?」

さやか「嫌われるし、できるわけないでしょ!」

ほむら「初物ゲットできるわよ」

さやか「わたしの大事なものも失うよ!」

ほむら「告白しなさい」

さやか「だからバカなことばかり……え?」


ほむら「あなたは一度として、上条恭介に想いを告げたことがない」

さやか「恭介とラブラブになった勇気あるさやからゃんは、一人ぐらいいなかったわけ?」

ほむら「皆無」

さやか「うわぁ」

ほむら「志筑仁美は上条恭介が退院するまで、近づくことはない」
ほむら「だから、その前にアプローチかければいいだけのこと」
ほむら「今朝も言ったけど、あなたにその勇気がちょっとでもあれば、まったく違った未来が生まれていたでしょうね」

さやか「で、わたしが恭介の彼女になれる可能性は?」

ほむら「あなたの行動しだいよ」

さやか「ですよねー」

ですよねー


ほむら「わかっているなら、実行あるのみよ」

さやか「そう言われてもさ、恭介はわたしのこと女として見てないもんなぁ」
さやか「幼なじみという、あまりに近い関係は不幸だよ」
さやか「そもそもわたし、女としての魅力ないし。いくらアプローチかけても、この恋は絶望的?」

ほむら「そうやって勝手に思い込んで、落ち込むのが美樹さやかの悪い癖ね」

さやか「あーあ、恭介のこと諦めて、ガチレズ転校生にしちゃおうかな?」

ほむら「ひぃっ!」

さやか「冗談だし、クールなあんたがそこまで表情に出すほど嫌なわけ!?」


ほむら「苛々するわね。今から病院に行って、股開いて既成事実作ってきなさい」

さやか「告白するだけだよ!」

ほむら「いってらっしゃい」

さやか「え?」

ほむら「だから告白」

さやか「ええっ、今からするわけっ?」

ほむら「当たり前でしょ。先延ばしにしてたら、志筑仁美に取られるわよ」

さやか「え、えーと、でも、その、セリフの用意というか、心の準備ができてないというか…」

ほむら「わかったわ。協力してあげるわよ」

ほむほむ優しい;w;


さやか「…え?」

ほむら「練習よ。私のことを上条恭介だと思って告白しなさい」

さやか「え、えええ! 時代はさやほむ! さやほむなのか!」

ほむら「早くしなさい。志筑仁美に負けたいわけ?」

さやか「わかったよ」

ほむら「私を上条恭介だと思って」

さやか「う、うん…練習とはいえ、緊張するなぁ」


ほむら「さやか。そんな真面目な顔をして、どうしたんだい?」

さやか「へ?」

ほむら「私は上条恭介」

さやか「あ、ああ、そういうことね」

ほむら「なにをブツブツ言ってんだい。おかしな、さやかだな」

さやか「えっと、恭介ー、わたしあんたのこと好きだったり、あはははは」

ほむら「ぼくも前から好きだった。これでぼくたちは恋人だ」

さやか「早っ!」

ほむら「うまくいったわ。さあ本番しに行きましょ」

さやか「ちょっとまって、こんなの全然練習になってないよ。もう一度、仕切り直し!」

ほむら「うるさいわね」

さやか「ムードってものが欲しいんだよ、わたしは!」


ほむら「さやか。そんな真面目な顔をして、どうしたんだい?」(上条恭介の言葉遣いよくわからないわ)

さやか「う、うん、えっとね、恭介…」モジモジ

ほむら「なんだい? 僕の顔になんか付いているのかな?」(…モジモジしてキモい)

さやか「いつもの恭介の顔だよ。わたしのす…」

ほむら「す…? なんだい? 気になるな、続きを話してごらんよ」(好きだとさっさと言いなさい)

さやか「わたしのすきぃーな(かあああああ)」

ほむら「わたしのなにかな? ごめん、よく聞きとれなかった」(苛々するわね)


さやか「あ、あははは、髪の毛に糸くずが付いてるよ」

ほむら「どこだい?」(はぁ、呆れるわ)

さやか「んーと、ここ…」

ほむら「どこ?」(なによもう、さやかのアップなんか見たくないわよ)

さやか「ちょっとまって、その…」チュッ

ほむら「…今のは?」(ほむぅぅぅぅぅーーーーーっ!)

さやか「えへへへへ、大好きな恭介のほっぺにチューしちゃった」

ほむら「さやか、大好きって…」(そういうことね、びっくりしたわよ。でもいいアイデアじゃない)


さやか「やっぱ、おかしいよね。幼なじみだし、恭介、わたしのこと女として見てないの知ってるから」
さやか「友達のままでいいと思った」
さやか「でもわたし、この気持を押さえ切れなくなったの!」

ほむら「さやか」(いい感じね。さやかなのに、こっちまでドキドキしてきたわ)

さやか「好きです。わたしと付き合ってください!」

カチャン!

ほむら(なに、いまの何かが落ちる音は…?)

まどか「う…うそ…」

ほむら&さやか「まどかーーーーっ!」


まどか「ごめんなさい…わたし…邪魔しちゃったね…」

ほむら「違うのまどか! あなたが思っているような事では断じてない!」

さやか「そうだよ! これは告白であるけど告白でない告白なんだ!」

まどか「さやかちゃん、ほむ…暁美さんと仲良しになったの知ってたけど、そういうことだったんだ」

ほむら「だから違うの! 私はこんな女らしくもない愚かでヘタレなバカ女なんか大嫌いよ!」

さやか「変態に言われたくないよ!」

まどか「仲いいね。もう、わたしの入る隙間はないんだ。ううん、はじめからなかった」

ほむら「違うの!」

さやか「隙間はあるし、始まってもいるよ! だって転校生はまどかのパン…」モガモガ

ほむら「あなた、何を暴露しようとしているのー!」


まどか「隠さないでいいんだよ。びっくりしたけど、わたし、誰にも言わないから…」

さやか「まどか、これは勘違いだから、説明させてよ!」

まどか「わたし…ふたりのこと祝福する」

ほむら「しないでちょうだい!」

まどか「さやかちゃんに暁美さん、おめでとう…」

さやか「だからさ、はなしを聞いてよ!」

まどか「…グスっ…幸せに…なっ…なってね」ダッ!

ほむら「まどかぁぁぁーーっ!」


さやか「…いっちゃった」

ほむら「なんてこと…orz」

さやか「その、なんというか、ごめん」

ほむら「私が魔法少女ならソウルジェムがどす黒くなるほどの絶望だわ…orz」

さやか「でも、まどか泣いてたな。これはもしかして…」

ほむら「今の私が欲しいものは拳銃よ、口に入れて引き金を引きたいわ…orz」

さやか「あのさ、まどかって転校生に気があるんじゃない?」

ほむら「死にたい…死なせて…orz」

さやか「だめだこりゃ…」


さやか「落としたのって、弁当箱だったんだ。一緒に食べようと、わたしたちを探してたんだね」
さやか「蓋が開いて、地面にこぼれちゃってる。もったいないなあ」

ほむら「いただくわ」ガツガツ!

さやか「犬みたいに這いつくばって食べるなよ! 汚いじゃない!」

ほむら「まどかのお弁当。まどかの味、美味しいわ。ああ、まどか。まどかまどか。あなたはなんでまどかなの!」

さやか「転校生が壊れたっ!」

ほむら「私もう我慢できない、はぁ、まどかを思って私はイクぅーっ!」

さやか「うわぁぁーっ! わたしが見てるところでおっぱじめようとするなぁぁーーっ!」


放課後

さやか「まどかはあれっきり。授業を受けずにどこいったんだろ?」

ほむら「うう、まどかぁーっ」シクシクシク

さやか「あー、よしよし。ほむらちゃんは泣き虫でちゅね」ナデナデ

ほむら「まどか、行かないでぇーーっ!」シクシクシクシク

さやか「さやかお姉ちゃんがいまちゅよ~」ナデナデ

ほむら「まどかぁぁーっ! びえーん!」

さやか「はぁ、迷子の子の世話をしている気分になってきたよ…」ナデナデ

ほむら「まどかぁっ! あなたがいない世界なんて、世界中の人が美樹さやかになったようなものだわ!」

さやか「いい加減にせい!」ビシッ!


外。帰宅中。

ほむら「ごめんなさい、ショックのあまり我を失ってしまったわ」

さやか「黄色い救急車を呼びたいぐらいだったよ…」

ほむら「美樹さやかに醜態を晒すとは、一生の不覚」

さやか「転校生ってほんと、まどかしか頭の中にないんだね」

ほむら「まどかを救うことが、私の全てだったもの」

さやか「そこまで愛されるなんて、まどかは責任取らなきゃなぁ」

ほむら「いいのよ、まどかは何も悪くない」
ほむら「まどかが私を必要としない世界になっても、まどかしか考えられない私が悪いの」

さやか「一途だねぇ。あのさ、まどかの一番になるよう、努力してみたら?」

ほむら「なに言ってるの。こんな変態、まどかが好きになるわけない」

さやか「変態って自覚あったんだね…」

ほむら「私なんて、美樹さやか以下の存在だもの」

さやか「わたし、どんぐらい低い人間に思われてるわけ!」


さやか「それこそ、コクるべきだよ。あんたがわたしに散々言っていたように。人のこと言えないじゃん」
さやか「まどかが転校生のことどう思っているかなんて、伝えなきゃ分かんないでしょ」

ほむら「私は、まどかに嫌われてしまったわ」

さやか「さっきのこと? あれ、まどかが転校生のこと意識している証拠だと思うんだけど?」

ほむら「あれのどこがよ。親友の美樹さやかを奪った憎らしい女としか思われてないわよ」

さやか「ええっ! わたしのほむらちゃんをさやかちゃんに取られちゃった、ええーーん!でしょ!」


ほむら「そんなわけないでしょ。私、まどかに近づいてもいないのよ」

さやか「暁美さんだもんね」

ほむら「ただのクラスメイト。友達ですらない。しかも、美樹さやかの恋人と勘違いされている」

さやか「じゃあ、誤解を解いて、友達になれば? 魔法少女の世界じゃ直ぐになれたんでしょ? それもすごい親しい」

ほむら「だって私、魔法少女じゃないし、約束だって無くなってる…」

さやか「はぁ、まどかといる理由がなくなって、怖くなったんだね」

保守→ほむ
 (変換)


ほむら「これなら魔法少女のままが良かった。美樹さやかだって、過去に戻って直ぐに殺せばいいだけの話だし」

さやか「わたし、暗殺される!」

ほむら「私ったらどうしようもないわね。平和な世界より、絶望の世界の方を望むだなんて…」

さやか「時間停止能力だって? そりゃ、変態やりほうだいだもんね…」

ほむら「盗みも、覗きも、しほうだいだったわ」

さやか「やってたのかよ!」

ほむら「妄想オチにしてしまった巴マミを恨むわ…」

さやか「恨むなら、その願いにしたまどかの方じゃ…」

マミ「ティロ・フィナーレっ♪」

ほむら&さやか「え?」


女学生1「きゃー、マミさーん!」

女学生2「生マミさんは素敵だわ。握手してください!」

幼女「あたちも、あくちゅしたい」

男の子「おー、おっぱい、ぷるんぷるんだぞー」

マミ「はいはい、握手は順番ね」

杏子「ちゃんと並べよ。握手100円、おっぱいひと揉み1000円だ」

女学生「一万円でマミさんと夢のひとときが!」

杏子「じょ、冗談だからな…」

女の子「マミさん、必殺技!」

マミ「ティロ・フィナーレ♪」

みんな「きゃーっ!」


ほむら「なにあれ? なぜ、ふたりして魔法少女の格好してるわけ?」

さやか「ああ、本物のマミさんかっこいいなぁ」

ほむら「ええええっ!」


杏子「あー、うぜぇ、超うぜぇ、恥ずかしげもなく良くやれるな、この強烈妄想電波女は」

マミ「佐倉さんもご一緒に、やりましょう」

杏子「えー、ヤダよ。晩飯抜きの方がまだマシだぜ」

マミ「晩ご飯一週間抜きにしようかしら」ニッコリ

杏子「………」

マミ「いくわよ、輝け二人のソウルジェム! せーの!」

マミ&杏子「ティロ・フィナーレ!」

みんな「キャーっ! キャーっ!」

女学生「マミさん、かっこいい!」

女の子「お付きの人も、かわいいーっ!」

男の子「おっぱいぷるぷるぷるんっぷるんすげーっ」

杏子「恥ずかしさで死にそうだぜ…」


ほむら「佐倉杏子って、巴マミのところにいたのね」

さやか「わたし、サイン貰ってこようかな」

ほむら「あんなのが世界的スターなんて世も末ね」

マミ「あら?」

ほむら(他人のフリと行きたかったのに、目が合ってしまったわ)

杏子「あん? なに見てんだてめぇ。遊びじゃねぇんだぞ」

マミ「佐倉さんは今月のお給料、欲しくないようね」

杏子「ティロ・フィナーレ!」

さやか「ぷっ、なにこいつ。マミさんの犬?」

杏子「笑うなてめぇ、ポッキーを鼻の穴にぶっ刺すぞ」


マミ「みなさんごめんなさい。待ち合わせの人がきたから、今日はこれまで」

女学生1「えー、もうちょっと話したかったのに」

女学生2「マミさん、次回作楽しみにしています」

幼女「がんば、がんば」

男の子「また、ぷるぷるしてくれよ!」

マミ「ええ、ありがとう。見滝原には暫くいるから、またお会いできる日を楽しみにしているわ」

さやか「わわ、巴マミがこっちにくる!」

マミ「こんにちは、暁美ほむらさんに美樹さやかさん。って、もうこんばんはの時間ね」

ほむら「巴マミ、あなた…?」

さやか「わたしのこと知ってるんですか?」


マミ「良く知っているわ。もっとも、この世界では初めましてだけど」

ほむら「この世界では…」

マミ「改めて自己紹介するわ。はじめまして、ファンタステックスターオブクイーン巴マミよ」

ほむら「なにその通り名…」

さやか「は…はじめまして…中学二年の美樹さやかです」

マミ「そちらは、ハートエンジェルメイドマネージャー佐倉杏子」

杏子「ただの、佐倉杏子だ!」

マミ「珍しい組み合わせね。二人がいる場合は、必ず鹿目まどかさんが付いているのに」

さやか「まどかのことまで、知ってるなんて」

杏子「ケッ、マミが知らねぇことなどなんもねぇんだよ、すべてお見通しなんだ」

マミ「一番よく知っているのは佐倉さんのせ…」

杏子「うわぁぁぁぁーー、言うなっ!」


ほむら「巴マミ、その格好は?」

マミ「ふふ、ただのコスプレ。自分の妄想を頼りに再現してみたの、さあ、佐倉さん、せーの」

マミ&杏子「ティロ・フィナーレ!」

杏子「もうやだ、こんな生活…」

さやか「ぷーーっ!」

杏子「笑うな、てめぇ」

ほむら「あなた、まさか…?」

マミ「やっぱり、暁美さんは魔法少女の記憶があるのね」

ほむら「あなたにもあるようね」

マミ「だって全ては、私の妄想なんでしょ?」


マミホーム

マミ「遠慮しないで。ろくにおもてなしの準備もないんだけど」

さやか「おじゃましまーす。大スターの家、緊張するなぁ…」

ほむら「部屋の様子は、私が知る世界と変わりないようね。ちょっと汚いけど」

杏子「散らかってんのは、アタシのせいじゃないからな」

マミ「ろくに掃除できないどころか、お菓子の袋をポンポン投げ捨てるんだから、メイド失格ね」

杏子「誰がメイドだ、コラ!」


さやか「お二人って同棲してるんですか?」

マミ「付き人みたいなものね。万引きで捕まっていたのを助けた縁で、飼うことにしたの」

杏子「人をキュゥべえみたいに言うな!」

ほむら「キュゥべえ?」

マミ「この子のこと。ただいまキュゥべえ」ポチッ

QB「おかえり、マミ」

ほむら「インキューベーダーっ!」


マミ「…のぬいぐるみ」

ほむら「え?」

マミ「このお腹のところを押すと」ポチッ

QB「おかえり、マミ」

マミ「それだけよ。あなたの恐れるインキューベーターは存在しないわ」

杏子「こいつはマミのキャラクターで、小説のマミが飼っているペットなんだ」
杏子「ぬいぐるみは一体1500円。2000円で売るけど欲しいか?」

さやか「値段上がってるし」

ほむら「いらない。貰っても燃やしたくなるわ」

さやか「あのぅ、マミさん、サインくれますか?」

マミ「ふふ、喜んで。来週発売する最新刊にサインしましょうか?」


さやか「やったーっ! ファンタステックスターオブクイーン巴マミのサインだー!」

ほむら「恥ずかしげもなく良く言えるわね」

さやか「しかも、発売されてない最新刊までプレゼント! ひゃっほーい、お友達に自慢しちゃおう!」

杏子「ったく、サービスしすぎだ」

マミ「魔法少女仲間だもの。安いぐらいだわ」

ほむら「『魔法少女マミとワルプルギスの夜』…?」

マミ「最新刊にはね、ワルプルギスの夜の正体ついて書かれてあるの」
マミ「暁美さんが知りたがっていた弱点まで。読んでみる?」

ほむら「やめておくわ」


マミ「そうね、あなたにはもう関係のないことだもの」
マミ「魔法少女だったことなど忘れて、普通の女の子であるのを楽しみなさい」

ほむら「普通の女の子…」

マミ「まだ妄想オチというドンデン返しをされた、戸惑いがあるようね」

さやか「まどかに告白するどころか、話しかけることすらできない臆病者ですからね」

ほむら「あなた、人のこと言えないでしょ」

マミ「なるほど。似たもの同士で友情の絆が強く結び合ったのね」

さやか&ほむら「違います(違うわ)!」

杏子「こいつら超うぜぇ」

マミ「そういえば、暁美さんメガネかけてないわね。視力や、心臓の病についてはどう?」

さやか「なにいぃっ! 転校生は、メガネっ子に、病弱っ子のキャラまで持ってたのか!」

ほむら「不思議と魔法力があるときのままなのよ」

マミ「そう、素敵な置き土産があったわけね」


ほむら「巴マミ。あなたは、一体どこまで覚えているの?」

マミ「覚えているなんてものじゃない」
マミ「全ての宇宙、過去と未来の全ての魔法少女の記憶がこの中にあるの」
マミ「記憶というか、妄想なのかしらね」
マミ「おかげさまで、ストーリー作りに苦労しないですむわ」

杏子「妄想ひでぇぜ。変なネーミングを作っちまうし、聞いてるこっちは歯が浮いてたまんねぇ」

ほむら「それは前からよ」

杏子「げっ、平常運転だったのかよ…」

さやか「魔法少女がいた世界って、実際にあったんですか?」
さやか「わたしは、ちょっと信じられないというか…」

杏子「アタシなんか、端から信じちゃいねぇ」

ほむら「それが普通でしょうね」


マミ「あったとも言えるし、無かったとも言える。証明する術はどこにもないわ」
マミ「別に信じなくていいの。私が作ったフィクションだと解釈してくれて結構」
マミ「それでも、魔法少女たちのことを、多くの人の記憶にとどめることができるのだから…」

ほむら「あなたは、自分の妄想が、現実にあったと信じているのね」

マミ「信じざる得なかった」
マミ「だって、私の妄想のキャラクターと思っていた、佐倉さん、暁美さん、美樹さんが、いまこの目の前にいるんですもの」
マミ「他の町、いえ世界中で暮らす、魔法少女であった子たちもね」

杏子「嘘くせえけどよ。アタシの過去とか全部、知ってたもんな」

マミ「暁美さんが、過去を何回繰り返したのか、私は知ってるわ」

ほむら「自分が死んだ数も」

マミ「暁美さんが、鹿目さんにこっそりしていたエッチな悪戯も」

ほむら「ほむぅーーっ!」

さやか「やっぱり、やってたんだ…」


マミ「暁美さん。あの時はごめんなさいね」

ほむら「覚えがありすぎて、どの時かわからないわ」

マミ「みんなまとめてよ」

ほむら「じゃあ私の方も、ありがとう」

マミ「あら?」

ほむら「巴マミがいなければ、私は魔法少女として強くなれなかった」

マミ「どういたしまして。あなたは本当に強くなったものね。弟子が師匠を超えるほどに」

さやか「はっはっはっ、暁美ほむらはワシが育てた!」

ほむら「あなたは邪魔してばっかいたわよ」

マミ「契約したら、すぐに魔女ですものね」


さやか「わたしって、そんなに酷かったんですか?」

杏子「ひでぇ、ひでぇ、最悪にひでぇ。テメェ、三回まわってワンとあやまれ」

さやか「なんで、なんも知らないあんたに謝んなきゃならないのさ!」

マミ「知っていたなら、なおさら謝らなきゃいけないわね」

ほむら「そうね。100回まわらなきゃならないぐらいに」


ほむら「巴マミは、魔法少女の記録を小説として残そうとしているのね」

マミ「そういうこと。暁美さんなんて、主人公にしたい最高の素材ね」

ほむら「ラストは、まどかのひどい願いで終わらす気?」

マミ「もっと別のを用意してあるわ」

ほむら「どんな?」

マミ「それは読んでのお楽しみに」

さやか「わたし、マミさんの小説を二冊読んでるけど、どれもハッピーエンドですよね?」

マミ「そうね、最悪の終わりではない。最高の終わりへと使命に翻弄されし少女たちを導いているわ」

さやか「あれも、実際に起きたこと?」

マミ「嘘よ」

さやか「嘘って、別世界であったことを書いてるんじゃないんですか?」


マミ「インキュベーターによって契約をした何万もの少女たちは、誰もが奇跡を叶え、最後は絶望に終わっている」

ほむら「わかってはいたけど、救われた子はいなかったのね…」

マミ「ええ、インキュベーターは狡猾よ。一人として例外はない」
マミ「たとえば『友達の契約を取り消して欲しい』や『感情エネルギーを絶望でなく愛にして』など、都合の悪い願いをする子には、契約を求めたりはしない」
マミ「たいていは、美樹さんが上条恭介くんの腕を治して欲しいというような、そんなものね」

さやか「わたしはカモにされたんだね」

杏子「カモ鍋食いたくなってきた」

さやか「でもさ、まどかの願いは? あれは、世界を変えちゃったほど都合の悪い願い事でしょ?」

マミ「想定外もいいところよ。あの子は元々別の願い事をして魔法少女になるはずだったの」

ほむら「それを私が阻止してきた」

マミ「そういうインキュベーターの想定外が重なった結果でしょうね」


マミ「本来なら、契約を一度失敗した時点で、鹿目さんのことを諦めるべきだったのよ」
マミ「けれど、暁美さんが時を繰り返す影響で、彼女の魔法力が絶大なものになってしまった」

ほむら「インキュベーターにとって、誘惑が強すぎたのね」

杏子「その結果、自滅しちゃいましたってわけか」

マミ「鹿目さんも失礼しちゃうわよ。すべてを私の妄想にしてほしいなんて」
マミ「私をなんだと思っているのかしら」

杏子「そのまんまだよ…」

ほむら「あのとき、感情のないはずのインキュベーターでさえ目が点になっていたわ」

さやか「映画なら、ポップコーンをスクリーンに投げつけるレベルだよね…」

マミ「シリアスが一転ギャグに。その妄想が浮かんできたとき、頭痛が止まらなかったわ」


マミ「それで、私の小説の嘘のことだけど」

さやか「あ、はい」

マミ「魔法少女マミは、魔女シャルロッテによって殺されてしまう」
マミ「死の淵で、マミは『希望』というサンクチュアリの女神のティロ・ミラクパワーを手に入れる」
マミ「慈愛の魔法聖少女として生まれ変わったマミは、生ある絶望の世界へと戻り、過去と未来の時空を旅しながらインキュベーターに魂を売った魔法少女たちの希望の光を作っていく」
マミ「それが、魔法少女マミのストーリーなの」

杏子「日本語でしゃべろ」

さやか「つまり、魔法少女たちは実際にいたけど、時間を旅するマミさんがその子たちを救うのは嘘?」

ほむら(時間を旅するって、私の能力の盗用?)

マミ「そう、私が書いているのはフィクション。だからこそ許される嘘の救い」


さやか「それになんの意味があるんですか?」

マミ「ないかもしれない」
マミ「それでも、涙すら浮かばない滅びの道を歩んだ彼女たちに、一筋の光を見せてあげたいの」

ほむら「妄想の中の魔法少女に笑顔を」

マミ「そういうことね、自己満足かもしれないけど」

さやか「それでも、素敵だと思います」
さやか「魔法少女たちは、マミさんの小説の中で生きて、救われるんですから」

マミ「それが別世界で魔法少女だった巴マミの新たなる使命だと悟り、小説世界の魔法少女マミとして私は頑張ることにした」


マミ「そしたらなんと世界的大ベストセラー! 即映画化! 私が魔法少女マミ役として出演して数多くの映画賞を獲得!」
マミ「第二の巴マミの人生は、ファンタステックスターオブクイーン! まさに夢のような輝かしきティロ・スタートを送っているの!」

杏子「でやがった、ナルシストマミの暴走妄想癖。こうなると止まらないんだよなあ」

さやか「でも、すごい売れているし、映画スターとして成功してるのも事実だよね」

ほむら「この世界も、巴マミの妄想ってオチじゃない?」

杏子「早く夢からさめてぇ…」

マミ「ああっ、新しい必殺技を思いついたわ、佐倉さん一緒に!」

杏子「やらねぇぇぇーーっ!」


マミ「いくわよ、せーの!」

マミ&さやか「ゴールデン・メモリーズ・ハーモニーっ!」

マミ「ソウルジェムを輝かすパワーが足りない、もう一度!」

さやか「えええええ!」

杏子「代わりがいてくれて助かったぜ」

ほむら「あなた良く巴マミと一緒にいるわね」

杏子「ほっとけないんだよ」
杏子「あいつ、世界を飛び回っては、魔法少女になるはずだった子に救いの手をさしのべようとするんだぜ」

ほむら「どれも、事情のある子たちばかりでしょうからね」

杏子「そうそう、マミはその事情が分かってる」
杏子「インキュベーターってヤツにした願いを、マミが叶えてやろうとするんだ」


ほむら「できるわけ?」

杏子「限界はあるが、金はたんまりある。なんとかなる場合は、なんとしてでも叶えようとする」
杏子「マミを殺したっつーシャルロッテだったか? その子も実際に会って救おうとした」

ほむら「それで?」

杏子「無理だったよ。病気が重すぎた。奇跡でも起こらなきゃなあ…」

ほむら「キュゥべえの契約には勝てなかったのね…」

杏子「マミがいうには、皮肉な形で叶えたらしいぜ。その子が絶望するほどの」

ほむら「………」

杏子「マミは、彼女が生きている間にその子の物語を書いた」
杏子「インキュベーターの契約で魔法少女になり、シャルロッテという魔女となった別世界の彼女のことをな」
杏子「もちろんラストは、マミの手でハッピーエンド。救われておしまいさ」


ほむら「その子は、自分の物語を読んだの?」

杏子「衰弱して体を動かせないから、マミが読み聞かせたんだ」

ほむら「それで?」

杏子「自分がよく見る悪夢とそっくりだと驚いていた」

ほむら「悪夢…?」

杏子「その子は、自分が魔女になった悪夢に苦しんでいたんだ」
杏子「妄想になったといっても、別世界で起きたことだ。どっかしら繋がってるのかもな」
杏子「マミの小説を読んで、その子は『幸せな私がいる、悪夢も見なくなった』と喜んだ」
杏子「そして安らかに息を引き取った」

ほむら「…救われたのね」

杏子「ある意味ではな」
杏子「でも、マミはそう思っちゃいない。救えなかったと泣いていたよ」
杏子「見てらんねぇや、ったくよ」


ほむら「魔法少女がいない世界でも、巴マミは魔法少女として戦っているのね」

杏子「頑張りすぎなんだよ」
杏子「表向きはああだけど、相当無理している」
杏子「誰かがついててやんなきゃな」

ほむら「…ひとりぼっちは寂しいものね」

杏子「ああ、アタシがいてやらなきゃな」

マミホームの玄関

マミ「暁美さん、美樹さん、暫くは家にいるから、いつでも遊びに来てね」

杏子「仕事の手伝いしてくれると助かるぜ」

ほむら「遠慮なく頼んで。いつでも駆け付けるわ」

さやか「わたしも、ドンっと任せてくださいよ」

マミ「ふふ、次は鹿目さんもご一緒にね」

ほむら「え、ええ」

さやか「まどか、喜ぶだろうな。明日にでも来たがりますよ」

マミ「そうそう、暁美さん。あなたは主人公として最高の素材と言ったけど、実際に書くつもりはないから」
マミ「私は、あなたを救う気はないわ」

ほむら「え?」

マミ「だって暁美さんを救えるのは、あの子だけだもの」ニコッ

まみさんがすげぇ・・・納得いかねぇ

あと何気に本編での絡みの薄いペアだよな
さやほむ&あんまみって

マミ「すばらしきこのせかい」
杏子「うぜぇ」


夜。帰り道。

さやか「はぁ~、マミさん素敵だったなあ」

ほむら「あの人を尊敬していた私がいたのを、思い出したわ。ちょっとだけだけど」

さやか「よーし、ここでわたしは宣言する。マミさんのような魅力的な女性になってみせるぞ!」

ほむら「コスプレして、変なネーミング付けて、必殺技を叫ぶ痛い女になるのね」

さやか「たくさんの人を救い、笑顔を見せていくんだ。魔法少女じゃなくても、あたしは正義のヒロインなのさ」
さやか「ナイチンゲール・ホーリー・キュートさやかちゃんだ!」

ほむら「マミの病気が移ったわ」


ほむら「やめなさい。あなたがやることはなんでも裏目にでるんだから」

さやか「もー、ああいえば、こういう」

ほむら「総計よ」

さやか「新生さやかちゃんは、空気読める女なんだ。別世界のわたしのような失敗はしない!」

ほむら「すでに空気読めてないじゃない」

さやか「ふっふっふ、まずは転校生だ。わたしは、あんたの恋のキューピットになる」

ほむら「その前に、自分の恋を成就させなさい」

さやか「転校生がまどかに想いを伝えたら、わたしも恭介に想いを伝える」
さやか「結果はどうあれ、そうしなきゃいけないのはわたしだって分かっているんだからね」

ほむら「………」

さやか「約束する。まずは転校生からだ」


ほむら「私は別に、いいから」

さやか「さあ、転校生とまどかをくっつけちゃおうぜ、時代は百合だぜ大作戦の始まりだ!」

ほむら「余計なお世話よ」

さやか「余計だろうと、世話は焼くよ」
さやか「なんか転校生って、おねしょしちゃってワンワン泣いている女の子に見えるもん」

ほむら「どんな例えよ」

さやか「マミさんが言ってた通りだよね」
さやか「転校生を救えるのは、たったひとりしかいない」

ほむら「救うって、なにから救うわけ? 私はもう…」

さやか「魔法」

ほむら「え?」

さやか「まだ、魔法から目が覚めてないんだ」
さやか「今も魔法少女であった暁美ほむらのままでいて、この新しい世界に入れないでいる」
さやか「だから、さやかお姉ちゃんが連れて行って、転校生を普通の女の子に戻してあげるよ」

ほむら「連れて行くって、どこに?」

さやか「決まっているじゃない。まどかの笑顔だよ」

橋の上

さやか「ありゃりゃ、まどか携帯でないわ。お昼のアレ、相当堪えてるのかな?」

ほむら「いいから…その、次の機会で」

さやか「ダメダメ。善は急げっていうでしょ。まどかを連れてくるから、ここで待ってて」

ほむら「…まって」クイ

さやか「どうしたんだよ? わたしの袖なんか掴んで」
さやか「ははーん、お主はさやかお姉ちゃんの方が好きになっちゃったんだな?」

ほむら「その、まどかに…」

さやか「冗談言える雰囲気じゃないな…泣きそうじゃないの」

ほむら「まどかに…」

さやか「安心して。ちゃんと誤解を解いてから、連れてくるよ」

ほむら「そうじゃなくて…なんて声をかけていいか、わからない…」

さやか(なにこいつ。変態なのに可愛すぎるだろ…)


ほむら「どうすればいいの?」

さやか「どうすればって、えっと、それはやっぱあれだよ、あれを言えばいいんだ」

ほむら「好きといえる…勇気ない…」

さやか「えっと、いきなり好きっつーのも変だし、まずは友達から…そうだ!」
さやか「転校生が、まどかに言って欲しいことをお願いすればいいんだよ」

ほむら「私に言って欲しいこと…?」

さやか「そうそう、ひとつあるでしょ。転校生の知っているまどかが言っていて、今のまどかが言ってないこと…」

ほむら「私が知っているまどかが言っていて、今のまどかが言ってないこと…?」

さやか「まずは、そっから始めるべきじゃないかな」

さやかが・・・がんばってる!


まどかの家

ぴんぽーん

詢子「はーい、あら、さやかちゃんじゃない」

さやか「夜に失礼します。まどかいますか?」

詢子「いるんだけどねぇ。そうね。さやかちゃんが来てくれたのは、渡りに船だよ」

さやか「まどかになにか?」

詢子「学校を早退して部屋に籠もったっきり、出てこないんだよ。夕飯も食べにこようともしないし」
詢子「なにかあったんだろうけど、悩みを打ち明けてくれないから、困っていたんだ」

さやか「あはは、そりゃ重傷だなぁ」

詢子「理由しってんだろ。アイツになんかあったのかい?」

さやか「親にも言えない、お年ごろの女の子に良くある悩みですよ」



詢子「そっか、やっぱりねぇ。まどかも女になろうとしてんだね」

さやか「まぁ、相手はちょっと……だけど、わたしは応援していますんで」

詢子「相手は、アタシのお目にかないそうかい? つまんないヤツなら、うちのまどかは渡さないよ」

さやか「あははは、普通じゃないのは保証します。上手くいけば、紹介してくれますよ」

詢子「それは楽しみだ。それで、まどかのヤツは、さやかちゃんに任せていいんだね」

さやか「はい。そのためにここに来ましたから」


まどかの部屋の前

さやか「まどかー、いるんだろ?」トントン

まどか「さやかちゃん…?」カチャ

さやか「ナイチンゲール・ラブリー・エンジェルさやかちゃん参上! あなたの恋をティロ・フィナーレ♪」

まどか「………」

さやか「ハズしてしまった!」

さやかファン総立ち(ひyな意味ではなく普通に あくまで普通に


まどかの部屋

まどか「なんのよう?」

さやか(うっ、まどかの声に、トゲのようなグサグサ感が)

まどか「わたし、忙しいの。用がないなら、帰って」

さやか「忙しいって、部屋に閉じこもって、落ち込むことにか?」

まどか「落ち込んでなんか…いない」

さやか「あのさ、わたしが転校生と付き合うとか、そんなことないから」

まどか「うそ。じゃあ、わたしが屋上で見たのはなに?」


さやか「告白の練習だよ。わたしが恭介に告白するから、転校生が相手役をやってくれたんだ」

まどか「………」

さやか「ほっとした?」

まどか「なんで、わたしがほっとするの…」

さやか「ヤキモチ焼いてるじゃない」

まどか「そんなんじゃない…と思う」

さやか「わたしが、その、転校生に告白したのを目撃したの、そんなにショックだった?」

まどか「………」

さやか「まどか…?」

まどか「自分でも…おかしいの…」
まどか「なんで、こんなに苦しいのか…わからなくて」
まどか「少しだけ寝れば収まるって思った。なのに、ぜんぜんで、むしろもっと苦しくなってきて…」
まどか「わたしってどうしたんだろう、わけがわかんないよ…」

さやか「好きだからじゃない?」

まどか「好きって…わたし…ほむ…暁美さんと出会って1ヶ月も経ってないのに、それなのに、やっぱり変だよ…」

さやか「ねぇ、まどかってたまに、転校生のことほむらって呼ぼうとするよね?」

まどか「それは…」

さやか「どうして?」

まどか「夢のことだから、話せばさやかちゃん…絶対に笑うもの」

さやか(大笑いをした過去のわたしを恨む)

さやか「大丈夫。いまのわたしは、なに喋っても笑わないよ」

まどか「…でも。やっぱりさやかちゃんなら笑う」

さやか(わたしってほんと空気読めなかったんだなぁ)

反省することに意義があるんだよさやかちゃん!たはは・・・

マザー2しながら応援してる

>>379
ビシィさんは帰れ

さやか「じゃあ、わたしから話そっか?」

まどか「…え?」

さやか「その世界は、まどかも転校生も魔法少女になっているの。それにわたしもね」
さやか「でもさ、わたしってバカだから、すぐに魔女になっちゃって、みんなに迷惑かけちゃうんだよね」

まどか「さやかちゃん?」

さやか「転校生とまどかは魔法少女で、大切なパートナーだった」
さやか「仲良かったんでしょ? お互いを信じ合い、相手のために命を捨てられるぐらいに」

まどか「なんで、それ…?」

さやか「キュゥべえの契約。ワルプルギスの夜。交わした約束。転校生の過去に戻ることができる能力」
さやか「まどかを救うために、何度も時を繰り返してきた転校生」

落としてなるものか!保守

ほむほむ


さやか「そういった話じゃない?」

まどか「………」

さやか「まどかは、そのときの感情が残ってるんだね」

まどか「…なんで、さやかちゃんが知ってるの?」

さやか「聞いたから」

まどか「だれ…から?」

さやか「暁美ほむら」

まどか「そんなのありえないよ」
まどか「だって、これは、マミさんの世界に憧れて、わたしが作った妄想なんだよ。最後なんて酷いものだし」
まどか「暁美さんのことも、かっこいいなと思って、それで、夢の中でそんなストーリーが出来上がってて…」

さやか(そっか、まどかは自分が見た夢を、そのように解釈したんだ)

まどか「これは、わたしの願望で、ううん、お話は悲しかったけど…でも…」

さやか「あれは夢と思っても、転校生のことを意識してしまうんでしょ?」

まどか「…うん、なんでだろう」

さやか「その気持ちが本物だからだよ」

まどか「………」

さやか「まどかって、巴マミのファンだよね」

まどか「全部、持ってる…」

さやか(まどかの本棚に、マミさんの本とDVDがたくさんあるもんな。私もそれを借りて読んだんだし)

さやか「この本を見てよ」


まどか「『魔法少女マミとワルプルギスの夜』…?」
まどか「これって、まだ発売されてない!」

さやか「へへっ、サイン付き、いいでしょ」
さやか「放課後に偶然マミさんに会ったんだよ。それでプレゼントしてくれたんだ」
さやか「マミさん、まどかのこと知ってたよ」

まどか「マミさんが…なんで…?」

さやか「魔法少女だから」

まどか「………」

さやか「まどかがキュゥべえにした願いごと」

まどか「………」

さやか「…そんな世界があったんだよ」


外。
さやかが、まどかの手を引っ張って連れて行っている。

まどか「さやかちゃん、まだ心の準備が!」

さやか「だーめ。転校生、待たせちゃってるからね」

まどか「でも、暁美さんに会ってどうするの? なに言えばいいのか、分かんないよ」

さやか「自分の中にある気持ちを、正直にぶつければいいんだよ」

まどか「わたし、恥ずかしいよ、そんなの見せたら、暁美さんに嫌われちゃう!」

さやか「大丈夫。向こうも同じこと思ってるから、ぜんぜん平気!」

まどか「でも、おめかししてないし、この服、やっぱヘンだよね、わたし家に戻って着替えて…」

さやか「スピードアップ!」ダダダッ!

まどか「きゃあ! こっ、転ぶっ!」



橋の上

さやか「転校生、おまたせ」

ほむら「………」

まどか「はぁはぁ…ええと、こ、こんばんは」

ほむら「こんばんは…です」

さやか(うわ、ガチガチに緊張してる)

さやか「まどかを連れてきたから、後は自分でできるよね? わたしはこのへんで…」

ほむら「そばに…いて…」

さやか「…分かりました」(そんなすがる顔しないでよ…)

まどか「その…あけ…暁美…さん?」

ほむら「………」

まどか「えっと、あけ…」

ほむら「ほむら」

まどか「え?」

ほむら「名前で…よんでほしい…です」

まどか「ほむらさん?」

ほむら「…ちゃん」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「うん」


まどか「ほむらちゃん」

ほむら「まどか」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「まどか」

まどか「ほ~むらちゃん」

ほむら「まどか」

まどか「えへへっ、なんなのほむらちゃん」

ほむら「まどか、まどか、まどか」

まどか「もう、ほむらちゃん。そんなに、わたしのこと呼ばないでよ」

ほむら「まどか」

さやか(もううち解けたつーか、バカップル爆発しろ)

リア充め・・・・末永く爆発しろぉ!(感嘆


ほむら「まどか」

まどか「なぁに、ほむらちゃん?」

ほむら「ずっと、会いたかった」

まどか「会いたかったって、学校でいつも会ってるよ?」

ほむら「会いたかった」

まどか「そっか、うん、わたしもほむらちゃんに会いたかった」

ほむら「やっと会えた」

まどか「やっと会えたね、えへへっ」

ほむら「会えること、できた」

まどか「そうだね、明日も会えることができるよ」

さやか(なにこの会話? つか、わたしってももういらないんじゃ?)

まどか「わたしね、以前に自分が魔法少女になっている夢を見たことあるの」

ほむら「それは…」

まどか「夢なのに、自分が映画の中の主人公になったみたいに凄いリアル」
まどか「でも良い夢じゃないの。巴マミさんの小説とちがって、みんな不幸になっちゃう悲しいおはなし」
まどか「その中でね、ほむらちゃんは、わたしと交わした約束のためにすっごい頑張っているの」
まどか「辛い思いをして、傷だらけになりながら、わたしなんかのために」

ほむら「でもそれは、夢でしかない」

まどか「夢だったのかもしれない、それでも…」

ほむら「忘れてしまいなさい。それが一番」

まどか「ううん。その夢の世界で感じた、この気持ちだけは忘れたくない。忘れてはいけないことなの」

ほむら「まどか…」

まどか「わたしはほむらちゃんに言いたい」
まどか「これは、言わなきゃいけないことだから」
まどか「ほむらちゃん、わたしのために、いっぱいいっぱいありがとう」

         r-‐、   ,ィ=┐
     _,.-l::トミ:\// 斗.-―-..._
  -=二__: :}:}: : ヾ}''": : : : : : : : : : : `ヽ、    __
    /: :ノノ:/: : : : : : : :/: : : : : : : : :ミ=- 〃~》
   ,:': : : :{l{/:{: ゞ: : : : : / : : : : : : : : / : ∧≦≠ミx、
   /: /: : :/:{: : : : / : : / : : /:/ : : : / : : : ∧ヽ,,x彡'
  /:/: : :/i: : :i : : !: : :斗-/!:{ : : : /i: : : : : :ハ〃、    \ウェヒヒヒ/

 ,:'/i : //{: ヘl: : :i: : ://  i/i: : : / ト、:/ : } : }: :ト\
/  i 〈/: i{ i : : iィ    { i: :/  j: ∧ :/: ノi: :i
    i: : /:弋 i:l: : }iィ=ミ   }/   レ : :/i :/l::|: }
    }ノ {: リ`ii: : j!,,,,,      =ミノイ: :i/: L| j!
        ∨ λ: リ、   r- 、'  ,,,,/ : {: ト、 : : リ  まどまど!
        ,,_Y ノ}ヽ、 ー .......-‐<:i: :∧{ ヽ / 
       /{{''"´ ノ   { `ーrァ、_ j/    ソ  
      j! {弋゙辷ヽ    __r‐f/.: .: ヽ
      λ }.: {トミト-にフ斗'".: .∧.: {
     ノ.: `j.: .: }i ii 不、ii  i{.: .: ゙、.: .:\
    弋.: .:i.: .: {i /∧ }ll i) .: .: .}: .: .: 〉

      \{.: .: .:}i〈ノ ソ ii }}.: .: .:i/.:/

いい話だなぁ・・・


ほむら「グス…まどか…まどか…」ギュッ!

まどか「よしよし、ほむらちゃんって泣き虫だったんだね」

ほむら「まどか…私…まどかのこと…」

まどか「わたしのことなに? いってほしいな」

ほむら「好き…です」

まどか「うん、わたしもほむらちゃんのこと大好きだよ」

ほむら「まどかぁーっ!」

まどか「ティヘヘ、ほむらちゃんがかわいすぎて、一生離したくないよ」

さやか(まどかは天使でありました、ちゃんちゃん)


病室

さやか「そういうわけで、さやかちゃんの恋のキューピットは大成功だったのです」
さやか「いや、友のキューピットっていうのかな? まずはそういう付き合いだしね、まぁ、どっちにしろ結果オーライ」
さやか「この先、どうなるにしろ、わたしは二人を応援するつもり」

恭介「さやかにしたら珍しく、上手く行ったんだね」

さやか「わたしにしたらってなにさ!」

恭介「ははっ、こういう話はいいね、元気がでてくるよ」

さやか「うん、それでさ、言われちゃった」
さやか「次はさやかの番だって」

恭介「さやかの…?」

さやか「約束してたから。あはは、緊張するけど、思い切って言うね」


さやか「えっと、ごほん…」

恭介「………」

さやか「恭介、好きだよ」
さやか「それは友達としてじゃない」
さやか「美樹さやかは、異性として上条恭介のことが好きです」

恭介「さやか…」

さやか「あ、でも待って! 返事はしないで欲しいの!」
さやか「恭介が、わたしのことそういう目で見てないのは分かってる」
さやか「だから、恭介に女として見てもらえるよう努力する。女を磨くから!」
さやか「それで、ちょっとでも、わたしのことを女として意識してくれるようになって」
さやか「それでも、付き合えないなら…」
さやか「フッてほしいんだ」


朝。通学中

さやか「やっほー、おっふたりさん」

まどか「さやかちゃん、おはよう」

ほむら「おはよう」

さやか「お、仲良いね。おそろいのリボンかぁ?」

まどか「えへへ、ほむらちゃんにプレゼントしたんだ。気に入ってもらえて嬉しいな」

ほむら「まどかのだから」

まどか「もう、ほむらちゃんってばわたしばっかりっ」

さやか「一途だねぇ。まどか、ちゃんと責任取れよ」

まどか「はーい、責任もって、ほむらちゃんをわたしの嫁にしまーす」

ほむら「ほむうっ!」


さやか「放課後、マミさんの家に行くけど、ふたりも行くよね?」

まどか「行く行く、喜んで!」

ほむら「まどかが行くなら」

さやか「マミさんの美しさはわたしの理想だ。弟子入りして女を磨いて、恭介を振り向かせるぞ!」

ほむら「…人選を誤ったわね」

まどか「はいはーい。わたしも、巴マミさんの弟子になりまーす!」

ほむら「えええ!」

まどか「ほむらちゃんも、なろ? ねっ!」

ほむら「…巴マミの病気が移りそうで心配だわ」


さやか「ほむら」

ほむら「なによ、さやか?」

さやか「わたし、あんたといい友達になれそうな気がするよ」

ほむら「私はすでに、いい友達と思ってるわ」

さやか「へっへっへ~」

ほむら「な、なによ?」

さやか「素直になりやがって、ういやつめー!」ギュッ!

ほむら「ちょっと、バカが移るから、抱きついてこないで!」

どうでもいいけど、4時30分に家を出て5時に出社で
9時に関西から東京を往復の高速バス走らせるんだけど
寝なきゃいけないのに寝られない


まどか「さやかちゃんずるーい、わたしもーっ!」ギュッ!

ほむら「まどかまで!」

さやか「ほむらは、これからはわたしことを、さやかお姉ちゃんって呼ぶのだーっ!」

ほむら「だれがぁ!」

まどか「わたしのことは、まどかお姉ちゃんって呼ぶのだーっ!」

ほむら「まどかぁーっ!」

さやか「お…?」

まどか「どうしたのさやかちゃん?」

さやか「ごめん、わたし先に行ってるね!」タッタッタ


さやか「おーい、仁美ーっ!」

仁美「さやかさん…?」クルッ

さやか「わたし、恭介に告白した!」

仁美「え?」

さやか「返事はお預けにしてもらった。今のわたしは、女として見てくれてないから」
さやか「でもね、わたしは魅力的な女になる。きっと恭介を振り向かせる!」
さやか「負けないから!」

仁美はちょっと驚いた顔をするけれど…

仁美「ふふっ、私も負けませんわ、さやかさん」

その笑顔は、さやかが今まで見たなかでも最高に輝いていた。

おしまい

>>481
申し訳ありませんでした。お気を付け下さい。

              .,-'''''~~~ ̄ ̄~~''' - 、
 \      ,へ.人ゝ __,,.--──--.、_/              _,,..-一" ̄
   \  £. CO/ ̄            \       _,,..-" ̄   __,,,...--
      ∫  /         ,、.,、       |,,-¬ ̄   _...-¬ ̄
 乙   イ /    /   ._//ノ \丿    ..|__,,..-¬ ̄     __,.-一
      .人 | / ../-" ̄   ||   | 丿 /  ).  _,,..-─" ̄   ._,,,
 マ    .ゝ∨ / ||        " 丿/ノ--冖 ̄ __,,,,....-─¬ ̄
        ( \∨| "  t-¬,,...-一" ̄ __--¬ ̄
 ミ  ⊂-)\_)` -一二 ̄,,..=¬厂~~ (_,,/")

     .⊂--一'''''""|=|( 干. |=| |_      (/
   /  ( /      ∪.冫 干∪ 人 ` 、    `
 /      )         ノ '`--一`ヽ  冫
                 く..          /
                .  ト─-----イ |
                  ∪       ∪

             乙タヴィア・フォン・ゼッケンドルフ

                 ,、_   ,、_  ,、_    ,、_
                 f'´   f'´  f'´   f'´
                 込   鼎  丱   仍
                 |\ ∧  ∧   /|_
               ,.<三二Λ ト、| | | |// ////>、
            /////////Λ|ム|_.iM|_.|//_∠///////ヽ
         /////////// / : : : : : : : : : : : : : ヽ、////\

         ,'///////// , ´ : : :i : : : : : : : : : : : : : :.`、////∧
           {////////// : : : : :l : : : : : : ',: : :\: : : : .∨///∧
           {////////,' : : : :/iΛ : : : :ト、 ',\ : :Y7 : : i/////} ____
         V//////ノ : ::i イ/{≧ト、: : i ヽ}=≦ミ| : i7i :i////∠三二ニ二三ミ、
            ∨/////イ : :|: { {::心 \{  {:::心 i : :| :i :|///仁二二二二三ヨュ.
           ∨/////| : :| ヘ弋少  ,`  弋少 | : :| :i :|//γニミ、γ三ミ、γニミミ
           \////VΛ:ハ ,,,,        ,,, | : :| :| :}// {{;;ili;;}}{{;;illllli;;}}{{;;illi;;}}
            `<//}从:込、   `     ,ィノハイ从// {{;;;ili;;}}{{;;illlli;;;}}{{;;illi;;}}
                `<//rー ,、≧=-=≦=ー┐/>´  'ゞ=ィヘゞ二彡ヘゞ=彳
                  `>{;;;;;;;;;;;;≧{;;;}≦;;;;;;;;;;;;;}≦、    Vr==ニ二ミV/
               / ゞ:;;;;;;;;:ィ;;|ト、ヾ:;;;;;;;;;;ノ   `ヽ、  圷iil}.{lll}.{ll}.{iiメノ
              /    `ー'´ .|;;|.iΛゞ` -'´     `、  `=ニ(\\='´
                i、         |;;|ハ ヾ;\       /  ヽ、   (\、ヽi
                l ヽ、       i;;|llllヽ \;;\  /    \  (\  }
                 |   \     /|;;|llllllΛ  VΛ         \入  ノ

長かった、やっと寝られるよ! 遅くまで付き合ってくれてありがとう! 本当に感謝!
最初は軽いギャグのつもりで書いたら、妄想が広がって、こんなのになってしまいました。
最初はコメディー、段々といい話になっていくのを狙いました。
予想外にマミさんが女神に。
(本来は「ティデ・オナーレ(か、シュイン・フィナーレ)!」の必殺技を武器に、
変態ほむらさんと世界一の変態の座をかけて対決する最低ストーリーだったんだけどなあ。さやかは寝取られ属性に目覚めるし)

別タイトルは「さやかちゃんがほむらのお姉ちゃんになりました!」
主役はさやかちゃん。最後に「ほむら」「さやか」と呼び合うようになる、
ほむほむとの喧嘩するほど仲がよい関係を書いてみたかった。
以前に書いた作品よりも、スレが伸びて嬉しかったです。
読んで下さって、ありがとうございます!

そして>>481さん。事故にならないようお気を付けください。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月03日 (火) 15:47:30   ID: TwFWb8Ct

乙乙!スレタイからは想像できない後半で驚いたけど大満足だよ

マミさんの妄想オチで概念化も悪魔化も魔法少女システムも無くしてしまえるなんて…
妄想スゲーなッ!!

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