マミ「鹿目さんの…お母さん?」(173)

ここはどこ…

くらい…

おとうさん…

おかあさん…

どこにいるの…

こわい…

いたい…

たすけて…

───9/19  AM7:00

マミ「…!」ガバッ

マミ「夢…また…か」


幼い頃に亡くした両親の思い出

幼い頃に無くした両親の温もり

全てを奪っていった交通事故

時折見る悪夢にマミは悩まされていた

マミ「…」ボー

マミ「はっ…いけない、ボーっとしてちゃ…しっかり朝ごはん食べなきゃ…」

マミ「…お母さんとの約束だったしね」

マミ「トーストと牛乳でいいかな」

マミ「あれ…牛乳が無い…そっか、昨日で切らしちゃったんだわ」

マミ「今日は祝日だし、近くのスーパーで買出しにでもいきましょう」

スーパー

マミ「えーっと、牛乳を買って…」

マミ「ついでに今日の夕食の分も買っていきましょう」

マミ「今日のセール品は何かしら………あら?あれは…」

まどか「ママー、これ買ってよ」

詢子「何々…ロッキー?まどか、またお菓子か?ダメ」

まどか「えぇー」

詢子「そもそもパパに『余計な物を買うから』って言われてちょっとしかお金渡されなかったんだ」

詢子「無駄な物買ってる余裕は無いね」

まどか「…じゃあママのカゴに入ってるお酒は何」

詢子「ギクッ…こりゃああれだよ…そう…自分へのご褒美?」

まどか「じゃあ私のもご褒美!」

詢子「ダメっつったらダメー」

まどか「いいじゃんママのケチー買ってよー買ってよー」

マミ「ふふ…こんにちは、鹿目さん…とお母さん?」

まどか「わわっ!マミさん!」

詢子「ん?まどかの友達かい?」

まどか「う、うん!学校の先輩!」

まどか「マミさん…さっきの見てた?」ヒソヒソ

マミ「大丈夫、心配しないで。誰にも言ったりしないから」ヒソヒソ

まどか「うぅ///」

詢子「…はは、その様子じゃまどかが世話になってるみたいだね」

マミ「はい、まどかちゃんにはいつも元気を貰っています」

詢子「へぇーこの子がねぇ?」グリグリ

まどか「痛い!痛いよママ!」

詢子「えーっと、マミちゃんだっけ?あんたも買い物かい?偉いねぇ」

マミ「偉いだなんてそんな…いつものことです」

詢子「いやーうちもさぁ?いつもうちの夫に家事やってもらってるんだけど、たまにゃー私が代わってやろうってことになってね。その買出しさ」

まどか「私はその荷物もち!」

マミ「うふふ、楽しそうで羨ましいです」

詢子「そうだ!マミちゃんもうちに来ないかい?私のとっておきの料理ご馳走するよ?」

マミ「…!いえ…私は…」

まどか「わぁ!マミさんも一緒にお食事できるなんて、とっても楽しみだなぁ」

マミ「…鹿目さん…」

マミ「…そうですね、それじゃお邪魔してもいいですか?えっと…」

詢子「おっと、おばさんは無しだよ?これでもまだバリバリピチピチのキャリアウーマンさ。私は詢子。詢子さんって呼んでくれ」

まどか「あ、じゃあ私もまどかちゃんって呼んでほしいなっ」

マミ「はい、詢子さん、まどかちゃん。それじゃ荷物を家に置いてから伺いますね」

詢子「おう!待ってるからね」

まどか「えへへ、またね、マミさん!」

マミ「ええ、またね」

店員「アリヤトーッシター」


マミ(…なんだろう…お友達のお母さんに食事に誘われて、とってもうれしい)

マミ(…はずなのに…すごく怖い。すごく不安な感じがする…どうして?)

マミ(…ううん、そんなことない。早く行かなきゃ。皆待ってくれてるもの)

──まどホーム PM6:00

マミ「お邪魔しまーす」

まどか「マミさーん!いらっしゃーい」

詢子「お、来たか」

知久「やあ、君がマミちゃんだね?話は聞いてるよ。僕は知久、まどかのパパです」

マミ「はじめまして、今日はご馳走になります」

知久「うん、…といっても、今日はうちのママが作るんだけどね。あんまり期待しちゃダメだよ?」

詢子「おーい、そりゃどういうことだ?」

知久「はは、頑張ってくれってことさ」

タツヤ「だれー?」

まどか「マミさんだよ、マーミーさーん」

タツヤ「まみー!まみー!」

マミ「あらかわいい、弟さん?」

まどか「うん!タツヤっていうの」

マミ「うふふ、だっこしちゃおうかしら」

タツヤ「まみ!まみ!」グイグイ

マミ「いたた」

詢子「こらタツヤ!マミちゃんの髪を引っ張るな!」

マミ「いえいえ、大丈夫ですよ。ふふ、かわいいね~たっくん」

タツヤ「キャッキャッ」

知久「ごめんね、マミちゃん。ほらこっちおいで、タツヤ」

タツヤ「あ~い、ばいばいまみ!」

マミ「ばいばい」

詢子「うっし、それじゃそろそろ夕食の準備に取り掛かるとしますか!」

まどか「ママ、今日は何を作るの?」

詢子「ママの味といえばやっぱりハンバーグでしょ」

マミ「わぁ、楽しみです」

詢子「今日は特別ゲストにも来てもらってるからねぇ、腕が鳴るよ」

知久「本当に大丈夫かい?なんだったら手伝うよ」

詢子「私だって女だよ?料理くらいちゃんとできるって」

知久「うーん…」

詢子「ほらほら、まどかとマミちゃんはご飯できるまで遊んできな。できたら呼ぶから」

まどか「は~い。マミさん私の部屋であそぼっ」

マミ「そうね。まどかちゃんの部屋かぁ。楽しみ」

まどかちゃんに違和感が

>>27俺もそう思ったんだけど詢子出す関係で呼び方変えたスマン


詢子「パパはタツヤと遊んでて」

知久「本当に大丈夫かい?」

詢子「心配性だなぁ。見よ!この包丁さばき!」

詢子「」トントントントンザクブシュ

詢子「いったぁ!?」

知久「包丁の持ち方が違うよ…はい絆創膏」

詢子「うー…」

──PM7:00

詢子「おーい、できたぞー」

まどか「はーい!待ってましたー…ってどうしたのママ、その指の絆創膏」

詢子「ほ、包丁なんて持つの久しぶりでさぁ!ちょこっとミスっちゃった…はは」

知久「まぁでも、結局全部ママ一人で作ったよ」

まどか「ママすごーい」

詢子「ほれ、座った座った。飯がさめるぞ」

まどか「でもちょっと形があれだよね」

詢子「こらそこ、形は言わない。はい、皆で手を合わせてー…

「「「「いただきまーす」」」」

まどか「もぐもぐ…わぁ、美味しいね!」

知久「うん…合格点だね」

タツヤ「おいしー」

まどか「でもどっちかっていうとパパの作ったやつのほうが美味しいかな」

詢子「まーどーかー」

まどか「ティヒヒ、冗談だって」

マミ「…」

詢子「マミちゃんはどうだい?口にあえばいいんだけど…」

マミ「はい…とっても…美味しいです…」ポロポロ

まどか「…!」

タツヤ「まみー?」

詢子「お、おいおい…泣くほど美味しかったかい?それはそれで嬉しいけど…」

マミ「あ、あれ?ご、ごめなさい…えぐっ…泣くつもりじゃ…」

知久「…大丈夫かい?少し横になる?」

マミ「い、え…大丈夫ですっ…おいしい…おいしいよぅ…」

詢子「はは、そりゃ良かった。おかわりはいっぱいあるからね」

マミ「はい…はい…」

まどか「…マミさん…」

「「「「ごちそうさまでした」」」」

マミ「…とっても美味しかったです。あと…ごめんなさい、泣いちゃって…雰囲気、壊しちゃいましたね」

詢子「いいさ、美味しく食べてくれて嬉しかったよ」

マミ「ありがとうございます…それじゃ私はそろそろ」

知久「もう帰るのかい?なんだったら泊まっていってくれてもいいんだよ」

マミ「…いえ、お気持ちは嬉しいんですけど…」

詢子「そうかい、まぁマミちゃんもお家の人が心配するだろうしね」

まどか「…!ママ」

マミ「…私、一人暮らしなんです。小さい頃に両親が死んじゃって…」

詢子「あ…そ、そうなんだ…ごめんね…変なこと言って」

マミ「いえ…それじゃ失礼します」


ガチャ…バタン


まどか「…ごめんねママ。マミさんのこと、ちゃんと説明してなかったね」

詢子「なんでまどかが謝るのさ。全部私が悪いんだよ」

詢子「…全部ね」

まどか「…」

耐えられなかった

家族の温もりが

温もりの中で食べる夕食が

これが私の恐れていた事

私には逃げる事しかできなかった


マミ「…ダメだな、私って…」

マミ「皆に恥ずかしいところ見られちゃった…顔、あわせにくいな…」

マミ「…悪い事しちゃったな」

────9/20  AM7:00


まどか「おはよーママ、パパ。たっくん」

詢子「おう、おはよー」

タツヤ「まろかー」

知久「おはよう。朝ごはんできてるよ」

まどか「ありがとうパパ。…なんだかお外、すっごく暗いね。風も強いし」モグモグ

詢子「ああ、台風が近づいてるみたいだからねぇ。明日直撃だってさ」

まどか「そうなんだ。学校休みになったりしないかな~」

詢子「子どもはいいねぇ。大人は雨だろうが雪だろうが雷だろうが出社しないといけないんだよ」

まどか「大変だねぇ」

知久「まどかもママも、一応傘は持っていくようにね」

まどか詢子「「はーい」」

まどか「…ごくん。ごちそうさまー。それじゃいってきまーす」

詢子「あーまどか」

まどか「何?」

詢子「その…あれだ。マミちゃんに会ったら家に来るように行ってくれ。謝りたいんだ」

まどか「分かった」

詢子「うん、いってらっしゃい」

────通学路  AM8:00


まどか「おはよーさやかちゃん」

さやか「おーっす」

まどか「あれ?今日は仁美ちゃんはいないんだ」

さやか「ああ、なんか台風が近いから歩いて通学するのは危険だーって言われたから車でいくってさ」

まどか「へぇ、お嬢様ってやっぱりいいよね」

さやか「ほんとほんと。本人は友達と行きたいんですのー!とか言ってたけどね」

さやか「それでもやっぱ羨ましいよなー」

まどか「ティヒヒ、そうだね」

さやか「台風かぁー。学校休みになってくれないかなー」

まどか「あ、やっぱりさやかちゃんもそう思う?」

さやか「そりゃそうでしょー。急な休みってやっぱ嬉しいじゃん?」

??「やれやれ、君達はいつもそうだね」

さやか「げっ…キュウべぇ、あんたいつのまにいたの」

QB「いつでもいいじゃないか。それに台風っていうのは人間にとって好ましくない存在だろう?」

さやか「そりゃそうだけど…」

まどか「電車とか止まっちゃうしねぇ」

QB「…まぁ僕が言ってるのはそういうことじゃないんだけどね」

さやか「じゃあなによ」

QB「おっと、君と話してる場合じゃないんだ美樹さやか。僕は新しい魔法少女を探すのに忙しくてね」

さやか「けっ、まどかは渡さないぞ」

QB「分かってるさ。じゃあね」キュップイ

さやか「ふん。いこっ、まどか」

まどか「う、うん」

───学校

まどかは今日の授業内容を頭に入れる事はできなかった

マミのことだけを考えてしまう

早く謝りたい

早く

早く



─か。まどか!」


まどか「はひっ!?な、なにかなさやかちゃん」

さやか「なにかなじゃないわよ。さっきからお弁当に一つも手をつけてないじゃん」

まどか「あ…そか、お昼ご飯の時間だったね。ティヒヒごめん」

さやか「…どしたまどか?今日ずっとそんな調子だよ?」

まどか「そかな?そんなことないよぅ」

ほむら「…言いたくないならそれでいいわ。でもご飯はちゃんと食べないと」

さやか「そうだぞー」

まどか「うん…」

まどか「…ほむらちゃん、さやかちゃん」

ほむら「何かしら」

まどか「今日の放課後なんだけどね…私、ちょっとよりたい所があるから一緒に帰れないの」

さやか「…そっか。分かった。台風近いんだから、用事が終わったらすぐ帰りなさいよ?」

まどか「うん、ありがとう」

ほむら「…」

───PM4:00

まどか(終わった…早くマミさんの教室に行かないと)

まどか(ここかな…マミさんの教室)

まどか(うう…なんだか上級生のクラスって怖いなぁ)

まどか(で、でもでも勇気を出さないと!)

まどか「あ…あの!すみまふぇん!」

男子生徒「ん?(すみまふぇん?)君は…二年生か?どうしたんだ?」

まどか「えと…その…マミさんは居ますか?」

男子生徒「マミさん…ああ、巴マミのことかい?今日は休んでるよ」

まどか「え…」

男子生徒「なんでも気分が優れないから休むって、朝のホームルームで先生が言ってたぜ」

まどか「そう…ですか」

男子生徒「ん、もういいのか?」

まどか「はい、ありがとうございました」

まどか(どうしよう…やっぱり昨日の事で…)

まどか(…メールだけでもしておこう)

───

カワシタヤクソクワスレナイヨ-♪

マミ(ん…)

マミ「やだ…もうこんな時間…」

マミ「…ちょっと泣き疲れちゃったかな」

マミ「…さっきメールがきてたわね…誰からかしら」

マミ「あ…まどかちゃん…」

『マミさん。昨日はごめんなさい。
放課後謝ろうと思ってクラスによってみたんですけど、休みって聞いたので…。
体調は大丈夫ですか?
もしマミさんがよければ…今日じゃなくてもいいです。明日でもいいです。
また家に来てくれませんか?
ママも謝りたいって言ってるので…』


マミ「…そうよね。私、失礼なことしちゃったもんね…。明日、行こう。謝りに」

マミ「メール、返しておかなきゃ」

───9/21  AM7:00  天気 大雨

まどか「おはよー…」

詢子「おはよう…って目の下にクマできてるよ」

まどか「雨の音がうるさくて眠れなくて…ふぁあ」

詢子「はは、喜びな。警報でてるから学校休みだよ」

まどか「ほんと?わーい!」

詢子「…私は仕事だけどねぇ…はぁ、こんな日でもあのハゲ散らかした上司を見ないといけないなんて気が滅入るよ」

まどか「わ、私大人になりたくないなぁ」

詢子「なにいってるんだい。誰でもいつかは大きくなって社会の荒波にもまれるもんさ」

詢子「…それで、まどか。マミちゃんは」

まどか「今日、来てくれるって。昨日メール返してくれた」

詢子「そうかい。ってこんな天気だけど大丈夫か?」

まどか「来るよ、マミさんは。絶対」

詢子「…分かった。私も今日は早く帰れると思う」

まどか「うん。マミさんと待ってるね」

詢子「おう。じゃ、行ってくる」

まどか「はーい、行ってらっしゃい」

───PM3:00

ピンポーン

まどか「はーい」ガチャ

マミ「こんにちは…まどかちゃん」ベッチョベチョ

まどか「わわ!マミさんびしょ濡れだよぉ!」

マミ「えへへ…傘持ってきたんだけど、風が強すぎて壊れてどこか飛んで行っちゃった…へくちっ」

まどか「風邪ひいちゃうよ!パパー!お風呂の用意できてる?」

知久「バッチリさ」

まどか「さっすがパパ!マミさん、入って入って!」

マミ「ずずっ、ふふ、ごめんなさい」

(お風呂シーンは吹き飛びました)


マミ「いいお湯でした」

知久「はい、ホットミルクできてるよ」コトッ

マミ「あ…ありがとうございます」

まどか「換えの服…私のじゃちょっと小さいかなって、ママの服なんだけど…大丈夫?その…お胸とかきつくない?」

マミ「うん、大丈夫。ありがとうまどかちゃん。すみません、知久さん。洗って返しますね」

知久「ああ、いいよいいよ。今日はうちに泊まっていきなさい。どうやら今日はずっとこの嵐らしいからね」

知久「マミちゃんの服も一緒に洗濯しておくから、明日それを着て帰るといい。パジャマも用意するよ」

マミ「じゃあ今日はお言葉に甘えて…」

まどか「わーい、マミさんとお泊りだー」

───PM5:00

ピンポーン

まどか「あ、ママ帰ってきたかな?」

知久「あれ、流石にこの時間は早すぎると思うけど…」

まどか「はーい、いまでまーす」ガチャ

ほむら「こんばんは、まどか…」ベッチョベチョ

まどか「ほ、ほむらちゃん!どうしたの!?」

ほむら「まどかの様子を…いえ、ちょっと近くを散歩していたら雨に濡れちゃって」

まどか「そ、そうなんだ?今日は朝からずっと雨だったはずだけど…」

まどか「って、そんなこと言ってる場合じゃないよね!お風呂はいる?沸いてるよ!」

ほむら「ええ、お借りするわ」ヌッチョオ

まどか(ああ、髪が濡れてて決めポーズが台無し)

(お風呂シーンは爆破されました)


知久「はい、ホットミルク」コトッ

ほむら「すみません」

まどか「ほむらちゃんは私の服でいいよね」

ほむら「ええ」

ほむら(…あれ?嬉しいはずなのにどこか悲しい感じ)

マミ「あら、暁美さんも来てたのね?」

ほむら「そういう貴方は巴マミ。どうしてここに?」

マミ「えっ…私はちょっと…ね。貴方は?」


ほむら「私も別に…散歩してただけよ」

マミ(散歩…?)

ほむら「でも…まどかが元気そうで安心したわ」

まどか「あ、もしかしてほむらちゃん、私を心配して来てくれたの…?」

ほむら「えっ!?あっ…そ、それは…」

マミ(分かりやすいわね)

まどか「ありがとうほむらちゃん!私ならもう大丈夫だよ!昨日はごめんね」

ほむら「ほむぅ…」

───PM7:00

TV『─…今回の台風は非常に強力です。これから夜にかけてピークを迎えるでしょう』

TV『ですので、大雨による土砂崩れ、川の氾濫等にはくれぐれも注意してください』

まどか「大変だねぇ…」

ほむら「そうね…」

まどか「ママ、大丈夫かな」

知久「ママなら今から帰るってメールきてたよ。雨のせいでちょっと遅くなるかもしれないけど。先にご飯食べておくかい?」

まどか「そうだね、もうお腹ぺこぺこだよ」

マミ「あ、私手伝います」

知久「いいのかい?」

マミ「これでも、料理の腕には自信あるんですよ?」

知久「はは、マミちゃんはいいお嫁さんになれそうだね」

マミ「お、お嫁さん…///」

知久「それじゃお願いしようかな?今日の献立は──…

───PM10:00

まどか「ねぇパパ…ママ遅くない?」

知久「そうだね…もうあれから3時間がたってる」

知久「…ちょっとママを探してくる。君達に留守番をお願いしていいかい?」

知久「僕が探しに言ってる間にママが帰ってくるかもしれないし、タツヤも見ててほしいんだ」

まどか「うん…わかった」

知久「それじゃ行って来るね」

ガチャ…バタン

まどか「…ねぇマミさん、ほむらちゃん…ママ、大丈夫だよね?」

ほむら「ええ…きっと交通機関がストップして帰れなくなってるだけよ」

マミ「そうそう、まどかちゃんは気にしなくていいわ」

まどか「うん…そう思いたいんだけど…すごく胸騒ぎがするの…」

ほむら「まどか…」

マミ『暁美さん』

ほむら『ええ…感じるわ。ソウルジェムが反応している』

マミ『嵐がノイズになってしまって正確な情報はつかめないけれど、魔女がいる』

マミ『…もし、もしまどかのお母さんが魔女の口付けを付けられたのだとしたら』

ほむら『やめて』

マミ『…ごめんなさい。それでも、私達が行かなくてはならないわ』

ほむら『そうね…』

ほむら「…まどか」

まどか「うん…」

ほむら「私達のソウルジェムが、魔女を感知したわ。この魔女による被害がでる前に、私達が倒さなくてはならない」

まどか「まさかママはその魔女に!?やだよ…そんなのってないよ…」

マミ「落ち着いて、そうかもしれないしそうでないかもしれない」

マミ「…そうだったとしても、私達が助ける。絶対に」

ほむら「…だから、ちょっと行って来るわね。一人にしてしまうけど…ごめんなさい」

まどか「ううん…分かった。皆で帰ってきてね。私信じてるから…」

ほむら「約束するわ」

───PM10:10

マミ「くっ…ひどい雨ね…」

ほむら「巴マミ、ソウルジェムの反応は?」

マミ「ダメね…全く反応をしめさないわ」

ほむら「まさか、これを狙って…?だとすれば相当強力な魔女なのでは…」

マミ「考えていてもしかたがないわ。ここは二手に分かれて探しましょう!」

ほむら「そうね、私は東へ行く。貴方は西からお願い」

マミ「分かったわ」

───PM10:20

TV『─…台風のニュースにつきましては続報が入り次第お伝えいたします。それでは次のニュースです─…

まどか「…」

??「やぁ、まどか。入っていいかい?」

まどか「…キュウべぇ」

QB「よっと。どうしたんだい、辛気臭い顔して」

まどか「…ママが帰ってこないの。皆は魔女が現れたって言って行っちゃった」

QB「ふむ…ねぇまどか。君は昨日の朝、僕が言った事を覚えているかい?」

まどか「台風は人間にとって好ましくない存在?」

QB「そうだ。台風が起こるとこの世界は多くの二次災害が起こる」

QB「土砂崩れ、水難事故…多くの人間がこの台風によって死ぬんだ」

まどか「…」

QB「君はこれらが本当に偶然、事故によって起こるものだと思うかい?」

QB「君達はまがりなりにも知的生命体だ。危険を察知することができるし避ける事もできる」

QB「なら何故、人は自ら危険を犯し死んでいくのか?」

まどか「…魔女のせいだっていうの?」

QB「ご名答。魔女は絶望を振りまく存在だ。台風という自然災害を狙ってくる可能性だって当然ある」

QB「台風自体が魔女ということもありえるけどね」

まどか「なら私のママは!?ママはどうなの!?」

QB「さぁ。それは僕の知る事ではないね」

QB「ただ」

QB「君の母親が死ぬ事によって発生する絶望という感情は周りの親しい者にどう影響するかな?」

まどか「それ以上言わないでっ!!」

QB「おっと、怒らせてしまったか。すまない、加減という物がいまいちよくわからなくてね」

まどか「私には何もすることができない…皆頑張ってるのに…何もできない…」

QB「君にはまだ最後の選択が残されているじゃないか。君が願えばソウルジェムと引き換えにすべての命を救う事ができる」

まどか「…」

QB「良く考えなよ。僕はいつでもかまわないよ」

まどか「…キュウべぇ…私…」

TV『えー只今ニュースが入ってきました。○×川が危険水域を大きく超え、氾濫の恐れがあるということです』

TV『付近の皆様は直ちに避難してください。ここで中継が繋がっています。現場の中沢さーん?』

TV『はい!こちら中沢です!○×川上空をヘリで飛んでいます!』

TV『ご覧ください、川の量は大きく増え恐ろしい速さで流れています!』

TV『これに巻き込まれてしまったら最後、海まで流されて行方も分からなくなってしまうでしょう!付近の皆さんはすぐ避難を─

TV『お、おい!あいつらなにやってるんだ!?傘もささないで川に集団でまっすぐ向かってるぞ!?』

まどか「こ、これって…!」

QB「ああ、間違いないだろうね」

TV『お、おい!あの人たちの近くまでいって注意を─

TV『ダメです!雨がひどすぎてこれ以上飛行していられません!』

TV『な、なんだってー!?仕方ない、撤収だ撤収!!』

まどか「キュウべぇ!皆にテレパシーを!お願い!!」

QB「…いいよ」


『マミさん!ほむらちゃん!魔女は○×川にいる!操られている人もそこに向かってる!!』

マミ「テレパシー!?まどかちゃん…!」

ほむら「あそこね…!よくやったわまどか!」


───PM10:40


○×川に魔女は居た

結界を持たないタイプの巨大な魔女

台風に紛れ、人知れず人間を殺す魔女

今までに何人も深淵の底に突き落としてきたであろう魔女

ワルプルギスの夜に比べれば小さいがそれでも強大な力を持っているのは目に見えて明らかだった

川の上空をゆらゆらと漂っている

まるで人間を絶望へといざなうかのように

マミ「でかい…」

ほむら「まさか…こんな巨大な魔女がまた来るなんて…!」

ほむら「で、でも私達が力をあわせれば─

マミ「いいえ。あなたは魔女に操られている人たちをお願い」

ほむら「!?何を馬鹿な!貴方一人でこいつを相手するというの!?」

マミ「二人で相手して、あの人たちはどうするの!?このままじゃあいつを倒す前に皆死んじゃうじゃない!」

ほむら「それは…」

マミ「あなたの能力があれば皆を助けられるかもしれない」

マミ「あの人たちの中にまどかちゃんのお母さんもいるかもしれないの」

マミ「お母さんを無くした子のつらさは、私がよくわかってる」

ほむら「あなた…死ぬわよ」

マミ「私と同じ悲しみを皆に背負って欲しくないの。お願い、ほむら」

ほむら「…くっ!」ダッ

マミ「…それでいい…それでいいのよ…」

マミ「…魔女、私はあなたを許さない!!」

魔女「ヒヒ…」

───PM10:50

ほむら「いたっ…操られてる人達…!」

ほむら「な、なんて数なの!?あれだけ強力な魔女なら一度に数十人操れる事も可能…ということか」

ほむら(確かに時を止めながらやれば何人かは助けられるかもしれない)

ほむら(でもタイムリミットまでに全員を救うことはほぼ不可能…)

ほむら(それに…人が多すぎてまどかのお母さんがどこにいるか分からない!)

ほむら(いや…いるのかどうかすら分からない)

───私と同じ悲しみを皆に背負って欲しくないの

ほむら(そんなの分かってる!まどかの悲しむ顔はもう見たくない!!)

ほむら(どうすればいいの…どうすれば…)

───PM11:00   川氾濫まであと一時間


マミ「ぐっ…ううっ…」

使い魔1「アハハァー」

使い魔2「ウフフフ」

マミ(強い!使い魔の数も多すぎる!やっぱり一人じゃ無理なの…?)

マミ「ダメよマミ…ここで諦めたら…詢子さんが…」

まどかのお母さんが死ぬ

マミ「…死んじゃう」

お母さんが 死ぬ

マミ「…」

オカアサン ガ

マミ「

シヌ

マミ「うっ…おええっ…」ビチャビチャ

マミはもう限界だった

視界が狭い

照準が定まらない

自分の母との思い出がフラッシュバックして戦いどころではない

彼女の魂は黒く染まり始めていた

マミ(ごめんなさい…まどかちゃん…暁美さん…私、やっぱり駄目な子だ…)

マミ(約束も守れなかった。お母さんも守れなかった…)

マミ(何も…できなかった…)

マミ「せめて…自分自身が魔女になる前に…死のう」

ガシャン

マミ「銃ももういらない」

マミ「さぁ…時間稼ぎくらいにはなったでしょう?もう十分頑張ったよね…私…」

マミ「皆…いままでありがとう…」

マミ「今行くよ…おかあさん…おとうさん…」

使い魔1「アハーーーハァーーー」

使い魔2「ウフフフフフ」


  ザシュッ


───PM11:50 氾濫まであと10分

ほむら「ハァ…ハァ…」

ほむら(何人かは気絶させて高台まで運ぶ事ができた…でもこの方法じゃ時間がかかりすぎる)

ほむら(私の魔力ももう限界近い)

ほむら(まどかのお母さんらしき人物もまだ見つけられない)

ほむら(無茶だったのよ…!一人でなんて!私も、あなたも!)

ほむら(またまどかにつらい思いをさせてしまうの?)

ほむら(私達のしてきたことってなんだったの?)

ほむら(私のしてきたことは無駄だったの!?)

ほむら「う…ううううう!!!」

??「暁美さんっ!手をかして!!」

ほむら「え!?あ…あなたは!?巴マミ!!」

マミ「早く!!私の手をとって時間停止を!」

ほむら「え、ええ…」カチッ

マミ「ふぅ…止まったわね、この状態ならゆっくり詢子さんを探す事ができる…」

ほむら「あなた…魔女を倒したの?」

マミ「まさか。魔女ならあの子達が相手してるわ」

ほむら「あの子達…?」

マミ(詢子さんは仕事だった…ならスーツを着ているはず)

マミ(髪の色…背の高さ…思い出すのよマミ…)

マミ「…!居た!詢子さん!」

ほむら「えっ?」

マミ「停止を解除して!二人で皆を助けましょう!」

ほむら「え、ええ…そうね。二人ならなんとかなるかもしれない!」

───PM11:40 10分ほど前

使い魔1「ア…アハハァ…」

使い魔2「…ウヒ…」

シュウウウ…

マミ「…え?どうして…」

???「ったく、なにしてんだよマミ。だらしねぇな」

???「悪を裁くは正義の剣!ってね」

マミ「さ、佐倉さん…美樹さん…どうしてここに…」

杏子「あ?どうしてって…魔女の気配がありゃ飛んでくるのが魔法少女だろ」

さやか「それに私達にも聞こえたんです、まどかのテレパシーが」

杏子「そういやなんであいつテレパシーなんか…」

さやか「キュウべぇじゃない?あいつには損得なんて感情ないしねぇ」

杏子「ふーん、そんなもんか」

さやか「さ、マミさん。あいつの相手は私達に任せてください」

マミ「そ、そんな!私も手伝うわ!」

杏子「馬鹿いってんじゃねぇ。今のお前じゃ足手まといっつってんだよ」

マミ「…佐倉さん」

杏子「どうも心ここにあらずって感じなんだよな。居るんだろ?助けたい人がさ」

杏子「魔女は私達二人でやる。お前はほむらの手伝いにいってやんな」

マミ「…分かった、ごめんなさい二人とも。任せたわ」

さやか「うんうん、素直でよろしい」

杏子「さやか。でけぇが怖気づくんじゃねぇぞ?」

さやか「へっ誰が!あんたこそ調子にのってやられるんじゃないわよ?」

杏子「ばーか。私の傷はさやかが治す。これでいいだろ?」

さやか「じゃああんたは私を守りなさいよね!回復と援護はしてやるから!」

杏子「了解了解」

さやか杏子「「さぁ!いくぜ魔女!!」」

魔女「…ヒヒ」

────PM12:00 



ほむら「…なんとかなったわね…」

マミ「ええ…誰も死なずに、助ける事ができた」

杏子「へへっ…よかったじゃねーか」

ほむら「貴方達も、よくあのクラスの魔女に二人で勝てたわね」

さやか「あはは…けっこう満身創痍だったんだけどね。ギリギリかな」

マミ「でも、魔女を倒してくれたおかげで口付けがとけて気絶させる手間がはぶけたわ」

さやか「皆の頑張りの成果ですよ。もちろん、まどかもね」

詢子「…うう…」

マミ「詢子さん!」

詢子「そこにいるのは…マミかい…?」

マミ「あっ…はい。詢子さんが帰ってくるのが遅いから皆で探してたんです…そしたら道端で倒れてる詢子さんを見つけて…」

詢子「いや…嘘は言わなくていい。マミが助けてくれたんだろ?」

マミ「えっ…?」

詢子「今日はマミに謝らないとって急いで会社から出たのはいいんだけどさ…」

詢子「気がついたら周りが真っ暗でなにもなかったんだ」

詢子「知久も…まどかもタツヤもいない。でさ、こう思ったね…私死ぬんだ…って」

詢子「私なりに頑張って生きてきたと思う。でもいざ死を目の前にするとさ…死にたくないって…思っちゃうんだよね」

詢子「まだしなきゃいけないことも、やりたいこともいっぱいあった」

詢子「だからすごく怖かった。でもそんな時、目の前が金色に光ったんだ」

詢子「とても眩しかった…手を伸ばした先にいたのは…マミだったんだ」

詢子「ありがとう…マミ…」

マミ「…ぁさん…」

マミ「おかぁさぁん…うえええええええええん!」

詢子「おう、泣け泣け…泣きたい時に泣かなくていつ泣くんだい」

詢子「私の胸ならいつでも貸してやるよ。寂しいならうちに来い」

詢子「お前はもう一人じゃないんだ…マミ…」

マミ「うわぁあああああん!うわああああああん!!」

ほむら「…」

杏子「…」

さやか「…良かったねマミさん」

詢子「ふふっ…娘がもう一人できたみたいだね。嬉しい…ねぇ…」ガクッ

マミ「!?お母さん?お母さん!!」

ほむら「…安心して、気絶しているだけよ」

マミ「あ…」

杏子「…マミ、ほむら。その人をまどかの家まで送ってやってくれよ。他の人はあたし達が面倒みとくからさ」

ほむら「え?わ、私もあなた達を手伝うわ」

さやか「あのねぇ、今一番不安なのは誰だと思う?はいほむら君」

ほむら「あ…まどか」

さやか「そういうこと。あんたが行って安心させてやりな」

ほむら「…ありがとう」

さやか「ううっ、ほむらに礼を言われるとなんだかむずかゆい!」

杏子「はは、違いねぇ」

ほむら「ちょ、ちょっと、どういうことよ!」

マミ「うふふ…行きましょう、暁美さん」

───まどホーム  AM0:30

ガチャ

マミ「ただいま…」

まどか「ママ!」

知久「詢子!」

ほむら「すみません、おじさん…遅くなりました」

知久「…君達もまだ子どもなんだ。こんな危ない事をしてはいけないよ」

まどか「パパ…」

知久「…それでも、君達が見つけてくれたんだろう?ありがとう…心から礼を言うよ」

マミ「知久さん…」

知久「どこにいたんだとか、なにがあったんだとか野暮な事は聞かない」

知久「さ、お風呂も用意してある。ゆっくり入ってきなさい」

───まどルーム  AM  2:00

ガチャ
ほむら「おまたせ、まどか」

まどか「あ、お帰りほむらちゃん。ティヒヒ、ほかほかだね」

ほむら「巴マミは?」

まどか「今日はママと一緒に寝るって」

ほむら「それがいいかもしれないわね」

まどか「私達も寝よっか。さっきまで全然眠くなかったけど、安心したら…ふぁあ…」

ほむら「ふふ、ごめんなさい」

まどか「ううん、ほむらちゃんのせいじゃないよ」

まどか「私のベッド…一人用だから二人で入ると狭いね」

ほむら「あら、じゃあ私は下で…」

まどか「ううん」ギュ

まどか「いいの、今日はこうしていたいな」

ほむら「そ、そう」

まどか「…」

ほむら「…」

まどか「やっぱり、魔女のせいだった?」

ほむら「ええ・・・」

まどか「そっか・・・」

ほむら「・・・」

まどか「実はね、皆がいってる間キュウべぇに契約迫られてたんだ」

ほむら「・・・」

まどか「でも私信じてた。皆が無事に帰ってくるって。明日からまた普通の生活ができるって」

ほむら「・・・」

まどか「ってキュウべぇに言ったらね、『信じるなんて曖昧な物にすがるなんて、どうかしてるよ』だってさ」

ほむら「ふふ、さっきのモノマネ似てたわ」

まどか「そかな。『キュップイ』」

ほむら「あはは、まどか、それ反則…うふふ」

まどか「えへへ…」

ほむら「ふふ…」

まどか「…ありがとうほむらちゃん」

ほむら「…いいえ、杏子とさやかが助けにきてくれたわ。あなたがなければ魔女にたどり着くこともできなかったと思う」

ほむら「皆のおかげよ」

まどか「ティヒヒ…嬉しいな、私も役に立てたんだね」

ほむら「もちろん」

まどか「…」

ほむら「…」

まどか「…マミさんってパパもママも居ないんだよね」

ほむら「…そうね」

まどか「私、ずっと考えてた。もし自分のママがいなくなったら…パパがいなくなったら…って」

ほむら「…うん」

まどか「そう考えただけで悲しくなってきて…涙が止まらなくなるの」

ほむら「…」

まどか「私って弱い子だよね…マミさんって強いんだなぁって

ほむら「それは違うわ、まどか」

まどか「え?」

ほむら「それが普通なの。それでいいの。巴マミだって、強がっているだけ」

ほむら「良き先輩を演じる事で寂しさを紛らわせているだけ」

ほむら「巴マミも私達と一つしか違わないのよ?どんなに強がってもあの子もまだ子どもなの」

まどか「…」

ほむら「…だからこそ、マミを支えなきゃいけない。私達がマミの支えにならなければいけない」

まどか「そっか…そうだね。ほむらちゃん」

ほむら「分かってくれたかしら」

まどか「うん…マミさんってやっぱり強いんだなぁ…」

ほむら(分かってない気がする)

まどか「…」

ほむら「まどか」

まどか「…」

ほむら「…寝ちゃった?」

ほむら「…ふふ、おやすみなさい、まどか」チュ

───7/22  AM7:00  天気 快晴

まどか「おっはよー」

ほむら「おはようございます」

マミ「おはよう」

タツヤ「まろかー!まみー!ほみゅらー!」

まどか「わぁ、朝起きたらほむらちゃんとマミさんが家にいるって不思議だなっ」

マミ「ふふ、そうね」

まどか「あれ?ママは?」

知久「ああ、ママなら今日は大事な会議があるって言って朝早くに飛んでいっちゃったよ」

ほむら「すごいですね」

知久「ほんとだよ…昨日まであんなに衰弱してたのに。病院に連れて行くって言っても聞かなくてねぇ」

まどか「あはは…」

知久「…まぁそんなところもママの魅力なんだけどね」

知久「君達は今日はゆっくり休みなさい。昨日は色々あったからね、学校には僕が連絡しておこう」

ほむら「そうさせてもらいます。昨日は魔力を使いすぎ…あ、いえ…疲れました」

マミ「そうね…今日はゆっくりしたいわ」

まどか「じゃあ私もーなんて…」

知久「まどかは今日だけだからね」

まどか「やったー!」

知久「今日は皆に美味しいご飯をご馳走するから、楽しみに待っててくれよ」

マミ「ふふ、まどかちゃんのお父さんはやっぱり優しいね」

まどか「うん!私の自慢のパパだよ!」

ほむら「…まどか」

まどか「あっ…その…ごめんなさい」

マミ「ううん、もういいの」

マミ「でも…ちょっと寂しくなった時、つらくなった時は、まどかちゃんのママとパパに甘えていいかな?」

まどか「…!うん!もちろんだよ!」

マミ「ありがとう」ニコッ



お前は一人じゃないと言われたとき とても嬉しかった…

こんな気持ちはじめて

私 ひとりじゃない

もう 何も怖くない



おわり

巴マミのソウルジェムが濁る事はもう未来永劫無かったという

読んでくれた人ありがとうございました

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