櫻子「おっぱい」向日葵「ちっぱい」(187)

あかり「さ、櫻子ちゃん! 向日葵ちゃん! お願い、目を開けてよぉ!」

櫻子「……」グッタリ

向日葵「……」グッタリ

あかり「う、うわぁーん!? ふたりともピクリともしないよぉ、どうしようちなつちゃん!?」

ちなつ「お、落ち着いてあかりちゃん! まだ死んだと決まったわけじゃないから!」

あかり「あかり死んだなんて一言も言ってないよ!?」

櫻子「ぅ……」ピクッ

「「!」」

向日葵「ぅうん……?」モゾッ

ちなつ「ふたりとも、死に損なったの!?」

あかり「よ、良かったぁー! 良かったよぉ~!」ワーン

向日葵「……あかりちゃん……?」

櫻子「どうして泣いてますの……?」

あかり「」

ちなつ「」

~娯楽部~

京子「……」

結衣「……」

あかり「……」

ちなつ「……」

櫻子「……」

向日葵「……」

結衣「……えっと……」

京子「そっちが、ひまっちゃんで?」

櫻子「はい」

結衣「そっちが、大室さん?」

向日葵「はいっ」

京子「」

結衣「」

京子「どうしてこうなった」

ちなつ「それが、今日廊下を歩いてたら――」

――――――

櫻子「おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい」ズドドドドドドド

向日葵「待ちやがれですの待ちやがれですの待ちやがれですの」ズダダダダダダダ

ズルッ

「「ぐわああああああああああああああああ」」ドンガラガッシャーン

あかり「櫻子ちゃーん!?」

ちなつ「向日葵ちゃん!?」

――――――

ちなつ「って――」

結衣「回想雑だねちなつちゃん!?」

そうそう、誰か前にやってたよね
まあ堪忍してくれ

あかり「で、でねっ、ふたりが起きた時には……」チラッ

結衣「……」チラッ

向日葵「うーっ、転んだ時のコブが痛い~」サスサス

櫻子「ちょっと櫻子! 私の身体で情けない声を出さないでくださる!?」

向日葵「んあ?」

櫻子「だからそういうのをやめなさいって!」

向日葵「うっさいなー、今は私の身体だからいいもーん。あぐらかいちゃお」ヨッコイショウイチ

櫻子「いやああああああああって我ながら甲高っ!?」キーン

向日葵「ホントだよ! うるさいからもうちょっと静かにしてよ!」モー

櫻子「元はあなたの声でしょう!?」キー

ちなつ「……」

京子「カオスだなぁ」

ちなつ「結衣せんぷわぁい、どうしましょお?」

結衣「えっ私? そ、そうだなぁ……」ウーン

結衣「……」チラ

京子「?」キョトン

結衣「……やっぱり、叩けば治るってのがお決まりのパターンだと思うけど……」

ちなつ「ですよね!」スチャッ

あかり「ちなつちゃんそのモーニングスターどこから出したのぉ!?」

結衣「こ、こういうのは本人の了解を得ないとダメだから!」

京子「お前が言うな!」

結衣「!?」ドキッ

京子「……って、言わなくちゃいけない気がした。なぜだ」

結衣「(思い出したわけじゃないのか……)」ホッ

あかり「……というわけなんだけど……ふたりとも、どうする?」

向日葵「叩かれるのなんてやだー!」

櫻子「わ、私も自分から叩いてくださいとは言えませんわ……」

あかり「だよねぇ……」

ちなつ「でも、このままじゃいろいろ困るでしょ?」

櫻子「うっ……それは確かに……」

京子「え、なにが?」

結衣「は? 京子、なに言ってんだお前。困るに決まってるだろ?」

京子「えー、だって、入れ替わったのが私と綾乃とかだったら大変だけどさ」

結衣「考えただけで恐ろしくなることをさらっと言うなよ……」

京子「おっぱいちゃんとちっぱいちゃんだよ?」

京子「いつもふたりで1セットだよ?」

「「「「「……」」」」」

京子「別にどっちがどっちでもよくね?」

「「ひどー!?」」

向日葵「ちょっと、それひどすぎますよ歳納先輩ー!」ワッ

櫻子「そうですわ! 私は私、櫻子なんかとセットで考えるなんて!」

向日葵「あ゛!? それってどーゆー意味だよ向日葵!」

櫻子「そのままの意味ですわよ! 櫻子と同列扱いなんて願い下げですの!」

向日葵「ムキー! 私だって向日葵と同じとかまっぴらごめんだし!」

ギャアギャアギャアギャア

京子「ね? どっちがどっちでも問題ないっしょ?」

あかり「うっ、うーん……!?」

ちなつ「そう言われると……」

結衣「ちょっと否定しづらい……かな」

「「そんなあ!?」」

櫻子「と、とにかくっ! とりあえずは叩く以外の、もう少し穏便な解決方法を探してみますわ」

向日葵「うんうん」コクコク

結衣「だね。私もそれがいいと思う」

京子「ダメでも誰も困らないしねー」ケタケタ

結衣「オラァ!」ズドムッ

京子「ダブチっ!」ゲフッ

結衣「ごめんねふたりとも、このバカは気にしないで」ニコッ

向日葵「は、はひっ!」ガクガク

櫻子「(歳納先輩を殴る時の鬼の表情からの菩薩スマイル……パねー振り幅ですわ……)」ブルブル

結衣「じゃあ、今日のところはふたりとも家に帰ったら? その状態で生徒会の仕事ってのも難しいだろ」

櫻子「あ、そうですわね……」

向日葵「え、今日帰っていいんですか? やったーーー!」

櫻子「櫻子っ!」ゴチン

向日葵「いだっ!? 帰っていいんじゃないのかよ! やだーーーーーー!」ギャース

櫻子「うっさいですわ! って……私、自分で自分の頭を叩いちゃった!?」ガーン

結衣「ははは……綾乃には私から伝えとくから、ふたりはもう行っていいよ?」

京子「綾乃んとこ? 私も行くー!」ガバッ

結衣「復活早いな……お前、絶対プリン目当てだろ」

京子「バレた?」ティヒッ

結衣「ったく……ほら行くぞ」グイッ

京子「おうっ! じゃあ今日はここでかいさーん!」テクテク

ちなつ「ええっ!? ちょっと京子先輩、私も行きます! まだ結衣先輩と全然しゃべってないんですからー!」ダッ

あかり「あ、あかりを置いてかないでよぉ~!」タタタッ

「「……」」ポツネン

櫻子「はあ……どうしてこんなことになってしまったのかしら……」

向日葵「お前が悪い」キッパリ

櫻子「どの口がほざきますの!? 明らかにあなたのせいでしょうに!」クワッ

向日葵「へへーん、今は私が向日葵だもーん。ひまわり、悪くないですの~ん」ケタケタ

櫻子「似てねーですわ!! ていうか、自分が悪いって認めてますわよそれ」

向日葵「ふしゅる~」ヒューィ

櫻子「私の身体でも吹けてませんわよ」

向日葵「……はあ。帰る?」

櫻子「ですわね……」

向日葵「よっこら……グワアアアアアアアアアア!!!」ズシャアーッ

櫻子「えっ!? ど、どうしましたの櫻子!?」

向日葵「お、おっぱいが重くて立てないいいいいいいいい!!!」ジタバタ

櫻子「ブチ殺しますわよ!? ふざけるのもたいがいに……グワアアアアアアアアアア!!! お、おっぱいが軽すぎて転びましたわ!!!!!」

向日葵「ナメんな!!!!!!!!!!」

~SOTO~

向日葵「……」ヨタッヨタッ

櫻子「……」フラーリフラーリ

向日葵「ひ、ひまわりー」

櫻子「なんですの、そんな情けない声を出して」

向日葵「ほ、歩幅が変わって、すんごい歩きづらいっ……」

櫻子「それは私のセリフですの。あなたこんなに足短かったんですのね」

向日葵「短くねーし! 向日葵が巨人なだけだろーが!」ガー

櫻子「お、乙女に向かって巨人とか言うんじゃねーですわ!」シャー

向日葵「っとっと……あーもー、歩きづらーい! 向日葵、お手!」

櫻子「犬扱いしないでくださる!?」

向日葵「いいから手ー! せめて杖がわりにぐらいなれやー!」パシッ

櫻子「っ! ちょ、ちょっとっ」ワタタッ

向日葵「おおっ、いきなりすんごい歩きやすーい♪ さー帰るぞー!」ズンズン

櫻子「ひ、人の身体でガニ股はやめなさいっ!」

向日葵「そういえば」

櫻子「?」

向日葵「どうすんの? 家」

櫻子「家、って……あっ」

向日葵「うちのねーちゃんとか花子とか、楓とかになんて言おう?」

櫻子「そうですわね……撫子さん辺りには隠すだけ無駄な気もしますし、正直に話してみましょうか」

向日葵「じゃあとりあえず私んち行く?」

櫻子「そうしましょう」

~ちっぱい家~

ガラッ

撫子「お」

「「あ」」

撫子「手なんて繋いじゃって……とうとう結婚するの?」

「「ちがーう!?」」

向日葵「ねーちゃんイキナリなに言ってんの! 私が向日葵と結婚とかするわけねーし!」

櫻子「そうですわ撫子さん! どうしたらそんな考えになるのかまったく理解できませんの!」

撫子「……え、なに? 櫻子、ひま子、どうしたの? なんかきもいんだけど」

向日葵「きもいって言……あっ」

櫻子「あ、あのっ! 撫子さん、実は、これこれごれごれこういうわけでして……」

撫子「………………」ジットォォォ...

櫻子「ああッこれっぽっちも信用していない目!」ガーン

向日葵「ホントなんだよねーちゃん、信じてよ!」

撫子「だって……ねぇ」

櫻子「さ、櫻子! なにか撫子さんを納得させられることとかありませんの!?」

向日葵「えっ!? んーとえーと……あ、じゃあ、この前盗み聞きしたねーちゃんの電話の内容を!」

撫子「えっ」

向日葵「『ねえ、最近うちにあそびにきてくれないよね?』」

撫子「!?」

向日葵「『あ、いや、怒ってるとかじゃないんだけど』」

撫子「ちょ、ひま子?」

向日葵「『ただ、やっぱり少し寂しかったりするし』」

撫子「な、なんでそれを……」

向日葵「『うん。ごめんねワガママ言って』」

撫子「」

向日葵「『え? ちょっと、恥ずかしいんだけど』」

撫子「」

向日葵「『あーもー分かった、言う。言うってば、泣き真似やめてよ』」

撫子「」

向日葵「『……大好きっ』」

撫子「」

向日葵「『……うん。うん、うん。おやすみ。じゃあね、また』……って」

撫子「∵」

櫻子「∵」

婚姻届の為には買わざるをえなかった
単行本の楽しみがなくなるから来月からは買わないと思うけど

撫子「わ、わかった……ふたりが入れ替わったっていうのは、痛いほどわかった……」

櫻子「り、理解していただけてなによりですわ……」

撫子「……で、それを私にバラしたのはどうして?」

櫻子「えっと、撫子さんでしたら秘密にする必要もないかと思いまして……でも、楓は……」

撫子「ああそうか、さすがに入れ替わりましたって言って通じるか微妙だもんね」

櫻子「はい……」

撫子「そういうことならウチにいていいよ。代わりに櫻子を貸してあげる」

櫻子「ぁ……ありがとうございます撫子さんっ、助かりますわ!」パァッ

撫子「――」

撫子「」ギュッ

櫻子「ひゃあっ!?」

向日葵「!!!」

櫻子「ちょ、な、撫子さんっ!?」ワタワタ

撫子「あー、櫻子も素直で可愛い頃のまま成長してくれてたらなー」ナデナデナデシコ

向日葵「こ、コラー! ねーちゃん何やってんだー!!!」ガオー

~ちっぱいルーム~

櫻子「(櫻子も私の家に帰しましたし……とりあえず一息かしら)」フゥ

櫻子「あ……制服、着替えませんと」

櫻子「……」

櫻子「着替える!!?」

櫻子「私が!?」

櫻子「櫻子の身体で!?」

櫻子「着替える!?」

櫻子「……ハッ!?」

櫻子「ということはつまり!?」

櫻子「櫻子が!?」

櫻子「私の身体で!?」

櫻子「着替っ……!」

櫻子「……」ワナワナ

櫻子「いやあああああああああああーーーーーーっ!?」ダッッッ

~おっぱい家~

ガラッッッ!

楓「さ、櫻子お姉ちゃ――?」

櫻子「ただいお邪魔しますわ!!!!」ズカズカズカ

楓「???」ビクビク

~おっぱいルーム~

櫻子「櫻子おおおおおおおおおおおお!!!」ガラッッッ!

向日葵「ハッ!? 向日葵がなぜここに!?」

櫻子「いやあああああっ!? なに脱ごうとしてますのあなた!?」

向日葵「いや、脱がなきゃ着替えらんないじゃんか」

櫻子「で、でもっ……!」

向日葵「もうっ、見ないでクダサイマシマシアブラカラメデスワー!」ガバッ

バルンッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!

向日葵「おっぱい禁止ー!!!」ワッシー!

櫻子「人の胸を勝手に鷲掴まないで!!!」

~5分後~

向日葵「おっぱいがでかすぎて着替えるのにすげー手間取った」フィー

櫻子「う、うるさいですわ!」

向日葵「だいたい、なにしにきたんだよー。ふたりで騒いでると楓に怪しまれるからってさっき別れたばかりなーぁのにー」

櫻子「さ、櫻子が私の身体に変なことをしないか見張りにきただけですわっ」プイッ

向日葵「なんだそれ! 人をヘンタイみたいに言うんじゃねー!」

櫻子「実際そうじゃありませんの! 人を自分で自分の胸を掴む変態に貶めておいて!」

向日葵「今オシメの話してない!」シャー

櫻子「私もしてないわよ!」シャー

向日葵「あーもー! 着替えも終わったから帰れよ! しっしっ!」シッシッ

櫻子「言われなくても帰ります! くれぐれも楓に疑われないようにね!」

向日葵「お前が言うな!」

~ちっぱいルーム~

櫻子「はあ……どっと疲れた気がしますわ……」

櫻子「……私も早く着替えませんと」

櫻子「……」

櫻子「え、えいっ」ヌギッ

櫻子「~~~っ///」

櫻子「こ、これ、なんか……」

櫻子「私が櫻子を、ぬ、脱がしてるみたいで……///」

櫻子「わ、ワンピースも脱がないと……ですわよね」

櫻子「……え、えーいっ!」ヌギッ

櫻子「~~~~~~っ///」

櫻子「き、着替え……着替え……」フラフラ

櫻子「タンス……」ガラッ

櫻子「ぱんつの棚でしたわ!!!」アー!

櫻子「き、気を取り直して……」

櫻子「着替え……あの子、結構衣装持ちですのね」

櫻子「どれを着ましょうか……」

櫻子「い、いつまでも下着姿じゃいけませんし……///」

櫻子「えっと……これなんてどうかしら」サッ

櫻子「……むー、いまいちかしら」

櫻子「じゃあ……これなんてどうでしょう」サッ

櫻子「……カワイイデスワ……」

櫻子「!!!」

櫻子「ちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがう」ブンブンブンッ

櫻子「も、もうどれでもいいから着ちゃいましょう! うん!」

櫻子「……」

櫻子「あ、これ櫻子に似合いそう」サッ

櫻子「……」

櫻子「(着せ替え人形みたいで楽しいですわ……)」

櫻子「完璧なコーディネートですわ」キリッ

櫻子「これならどこに出しても恥ずかしくない、櫻子の魅力を十二分に発揮した……」

櫻子「」ハッ

櫻子「いやいやいやいや、別にこの子に大した魅力とかないですけどね?」

櫻子「こんな、生意気でスレンダーすぎてチビで頭悪くてたまに優しくて社交的で笑顔がまぶしくて……」

櫻子「……」

櫻子「……えがお……」

櫻子「……」

櫻子「鏡……」スッ

櫻子「……」

櫻子「えへ」ニパッ

櫻子「!!!!!!!!!!!!」ズギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン

櫻子「」ヨロッ

櫻子「な、なんですの……この可愛い生き物……」ブルブル

櫻子「誰? どなた? 櫻子? またまたご冗談を」

櫻子「……」

櫻子「えへっ」ニッコリ

櫻子「!!!!!!!!!!!」ドキューーーーーーーーーーーーーーーン

櫻子「」ズルッ

櫻子「まぶしい……笑顔、まぶしすぎますわ……」ガクガク

櫻子「この笑顔……本当に櫻子のものなんですの……?」

櫻子「……いえ」

櫻子「本来は櫻子のものでも、今は……」

櫻子「この顔も、声も、身体も」

櫻子「私の……」

櫻子「……」

櫻子「……」

櫻子「向日葵」

櫻子「……向日葵」

櫻子「向日葵……」

櫻子「向日葵ー」

櫻子「向日葵っ」

櫻子「向日葵ぃ」

櫻子「ひまわり」

櫻子「ひっまわりー」

櫻子「ひーまっわりっ」

櫻子「ひーまーわーりー」

櫻子「……」

櫻子「ひまちゃん」ボソッ

櫻子「~~~!」ジタバタジタバタ

あれ?これいつ終わんの

櫻子「……」ハァハァ

櫻子「……」ジッ

櫻子「ひまちゃん大好き!」ニパッ

櫻子「くぁwせdrftgyふじこlp;@:!!!」ジッタンバッタン

櫻子「……」ハァハァハァハァ

櫻子「だ、だめ……もうだめですわ……これ以上は……死ねますわ……!」ガクガクガク

櫻子「……」

櫻子「け、携帯携帯」ゴソゴソ

櫻子「櫻子のと交換してませんでしたわ……」

櫻子「ええい、もうこの際これで……録音録音……」カチカチ

櫻子「」ピローン♪

櫻子「あ、あのねー。私、ひまちゃんのことだーい好きっ♪」

櫻子「~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ

櫻子「ひまちゃんのお菓子おいしーね!」ピローン♪

櫻子「ひまちゃん、櫻子のこと好き?」ピローン♪

櫻子「おっぱい許可!」ピローン♪

櫻子「ひまちゃんに比べれば山岡はんの磯辺揚げはカスや!」ピローン♪

櫻子「ほ、ホアーッ! ホアアアアーッッッ!!!」ガクガクガクガクーッ

櫻子「や、やべーですわ……マジでくたばる5秒前ですわ……」ビクンビクン

櫻子「こ、この音声ファイルは家宝にしましょう……」

櫻子「さっそく私の携帯に送っ」

櫻子「いやいやいやいやいや」

櫻子「なに考えてますのいやむしろよく考えなさいよバカですの死にますの」

櫻子「いま送ったら櫻子にバレてしまいますわ」

櫻子「あとでコッソリ送っておきましょう」

コンコン

撫子「ひま子ー。今日櫻子が夕飯当番だったんだけど」ヒョコッ

櫻子「あ、そうだったんですの? じゃあ私がやりますわ。お台所お借りしますねー」トテトテ

~おっぱい家~

ピンポーン♪

楓「はーい」トテチテ

向日葵「あ、いーよ楓! 私が出まっせ」トテテ

楓「!?」

ピンポーン♪

向日葵「うぇーいどなたー」ガラッ

櫻子「……」

向日葵「うおっ私!? じゃねえ、向日葵か。どったの?」

櫻子「……撫子さんが」

向日葵「ねーちゃん?」

櫻子「撫子さんが、「ゴメン櫻子の顔で料理出来たりですのですの礼儀正しいと逆に殴りたくなっちゃうから隣いってくれる?」って……」

向日葵「ねーちゃんェ……」

向日葵「まあちょうどいいや、だったらうちの料理も作ってよー」

櫻子「ああ……うちも私が当番でしたわね……」

向日葵「そうそう、もう出前にしようかって思ってたんだよ」

櫻子「人の家で不精しないでくださる?」

向日葵「未遂なんだからいーじゃん、気にすんなよ」

櫻子「いい加減ですわね……料理するのはいいですけど、あなたも手伝いなさいよ?」

向日葵「えー!?」

櫻子「当然ですの。中身は私でも、外見が櫻子のまま料理をこなしたら楓にどう思われます?」

向日葵「私の子分になる」

櫻子「怪しまれるだけですわ! 人の妹を勝手に子分扱いしないでくださる!?」

向日葵「ふしゅる~」ヒューィ

櫻子「いいから手伝えですの」

~おっぱいルーム~

向日葵「はー食べた食べた」キュップイ

櫻子「……食卓では楓がいたから黙ってましたけど、私の身体であんまり食べないでよ……」ズーン

向日葵「しかたないじゃーん。向日葵の身体、私よりたくさん食べれるっぽいからチョップスティックが進むんデース」

櫻子「なんて中途半端な英語……ていうか、それじゃまるで私が大飯食らいみたいじゃないありませんの!」

向日葵「ちがうの?」

櫻子「ちげーし! ですわ!」

向日葵「うわー私ってば怒った顔もかわいー」

櫻子「この子ったら臆面もなくなに言ってますの!?」

向日葵「さて、お風呂入ろっかな」スック

櫻子「!!?」

向日葵「あ、向日葵も入っていくよね? さっと上がるから待っててー」

櫻子「ちょ、ちょちょちょちょちょーーーっと待ちなさい櫻子!」

向日葵「へ、なに?」キョトン

櫻子「いやキョトンじゃなくて! え、なに自分ちみたいに振舞ってますの!?」

向日葵「自分ちみたいなもんじゃん。今は本当にそうだし」

櫻子「そ、そうですけど……でも、お風呂はダメ、絶対ダメです!」

向日葵「えー!? なんでだよ、向日葵のおっぱいめっちゃ汗っかきだから気持ち悪いって!」

櫻子「む、胸のことは言わないでよ! いえ、その胸が問題だからお風呂は許さないって言ってるんですの!」

向日葵「はあ?」

櫻子「わ、私の裸の胸なんて見たら、櫻子が何をしでかすかわかりませんから……だから!」

向日葵「だから?」

櫻子「どうしても入りたいと言うなら……私も一緒に入ります!!!」

向日葵「」

  /\___/\
/ /    ヽ ::: \
| (●), 、(●)、 |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|  ,,ノ(、_, )ヽ、,,   |  < はやく
|   ,;‐=‐ヽ   .:::::|    \_______
\  `ニニ´  .:::/
/`ー‐--‐‐―´´\

だが眠い

  /\___/\
/ /    ヽ ::: \
| (●), 、(●)、 |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|  ,,ノ(、_, )ヽ、,,   |  < ……寝るなよ
|   ,;‐=‐ヽ   .:::::|    \_______
\  `ニニ´  .:::/
/`ー‐--‐‐―´´\

~入浴シーンはダイジェストでお楽しみください~

向日葵「ギャー!! 私の胸にバケモンがくっついてる!!!」

櫻子「おっぱ……な、ない!?」

向日葵「おおお……足元が、見えない……」

櫻子「私は立った状態でつま先を見たのが久しぶりですわ……」

向日葵「あわあわー」

櫻子「ちょっ、目に染みるでしょ!?」

向日葵「ひ、ひまわり、なんか手つきが……」

櫻子「し、仕方ないでしょう……こうしないと洗えないんですから……」

向日葵「……じゃあ、さわるね?」

櫻子「や、優しくお願いしますわ……」

向日葵「せまい」

櫻子「うるさい」

向日葵「おっぱい」

櫻子「死ね」

~おっぱいルーム~

櫻子「……」

櫻子「(気まずすぎて先に上がってきてしまいましたわ……)」

櫻子「……」

櫻子「(なんというか、私の身体って……)」

櫻子「……」

櫻子「(……えろい……)」

ガチャ

櫻子「!」

向日葵「はーさっぱりー」バルンッバルンッ

櫻子「ブラをしろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」

向日葵「えー? やだよ、あれすっげー苦しいんだもん」ブルンッ

櫻子「苦しくてもするものなんですの! 外して寝ると将来カタチが崩れちゃうんだから」

向日葵「寝る時も!? なにそれバカじゃないの?」バルルンッ

櫻子「バカじゃないっ! 万年スポーツブラのあなたにはわからないでしょうけどね!」

向日葵「はあ!? ケンカ売ってんのかこんにゃろー!」ドルーンドルーン

櫻子「ちょっ、暴れないでくださる!?」

向日葵「うるせー! 謝れ! 私とスポブラの神様に謝れー!」ブロロロローン

櫻子「ぶッ、ちょ、ば、待、ぐ、っの、お、もおおおおおおおおおボヨヨンうざい!!!!!!! おっぱい禁止ですわ!!!!!!!!!」

向日葵「それ私のセリフー!!!」

~5分後~

櫻子「もう……いいから、早くブラつけなさいな……」ゼーハー

向日葵「……むり……」ヒーハー

櫻子「はあ? 無理ってなんですの。YesかNoで答えなさいよ」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……もん」

櫻子「え?」

向日葵「ブラの着け方なんて、わかんないんだもん!!」

櫻子「」

櫻子「Oops」

~もう3分後~

櫻子「……じゃあ、脱がしますわよ」

向日葵「う、うん……」

櫻子「……」

櫻子「(気がついたら、私が櫻子の代わりにブラを着けてあげる展開になっていましたわ)」

櫻子「……」

櫻子「(どうしてこうなった)」

向日葵「向日葵」

櫻子「ぇあ、はいッ?」

向日葵「上、脱ぐね」

櫻子「ぁ、は、はい……どう、ぞ?」

向日葵「ん……」スッ

バルンッッッッッッッッッッッッッッッッッ

櫻子「(鼻血出そうですわ)」

向日葵「……っ」ドキドキ

櫻子「ッッッ」ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

櫻子「(えー……なに、なんですのこれ。本当におっぱい? なにか別の、遊星からの物体Xとかじゃなく?)」

櫻子「(楓も認めたスタイルにこのサイズ……それに比べて櫻子は……)」

櫻子「(……むなしいっぱい……)」

櫻子「(この子が日頃からおっぱい禁止を叫ぶ気持ちが、少しだけわかった気がしますわ……)」

向日葵「ね、ねえ、まだ……?」

櫻子「あ、ごめんなさい! い、今やりますわ」スッ

むにゅん

向日葵「っ!」ピクンッ

櫻子「」バクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバクバク

おもむろに「ブラジャー 着け方」で検索をはじめる

櫻子「い、いきますわよ?」

向日葵「こ、こいや」

櫻子「まず、大まかに胸をカップに収めて……」ポヨポヨ

向日葵「う、うー……さわんなヘンタイ、おっぱい禁止っ」モジモジ

櫻子「さ、触らないと着けられないでしょうに」

向日葵「だったら着けなくていいし……」

櫻子「それはダメ! あとから私が困るんですのよ」

向日葵「うー。知らねーしぃ……」

櫻子「もう、静かにしなさいなっ。ホックを止めますわよ。えいっ」ギュウ

向日葵「ぉだっ!? あだだだだだだだいたいきついいたいきついいたいきつい! 向日葵これ絶対サイズあってないって!!」ギブギブ

櫻子「う、うるさいっ! じっとしてなさいってば!」ギチギチギチ

向日葵「おぎぎぎぎぎぎぎぎ死ぬ死ぬ死んじゃうー!!!」ア゛ー

櫻子「で、カップのふちにアンダーバストをぴったり合わせるように……!」モニュモニュ

向日葵「ギニ゛ャ゛ー!?!?!?」マ゛ー

ギニャー...ギニャー...ニャー...

~事後~

向日葵「永世おっぱい禁止」グッタリ

櫻子「だからうるさいですわ……」グッタリ

向日葵「にゃー、窮屈すぎるー……こんなんでよく眠れるね向日葵」

櫻子「まあ、もう慣れてしまいましたわ……」

向日葵「ふーん……えらいんだね」

櫻子「!?」ガタッ

向日葵「……ちょっと、なんだよそのリアクション」

櫻子「だ、だって……櫻子が私を褒めるようなこと言うから……」

向日葵「なんだよ褒めたらダメなわけ!? だったら褒めなきゃ良かったよ、あー損した!」プリプリ

櫻子「あ、ごめんなさい……」

向日葵「ふんっ! やっぱり向日葵はエターナル禁止ザおっぱいだよ! 封印されしおっぱいだよっ!」ププンスコ

櫻子「櫻子……」

櫻子「……おっぱいの前につけるなら、定冠詞の読みはジですわよ……」

向日葵「ムキー!」

~小一時間後~

櫻子「じゃあ、電気消しますわよ」

向日葵「おー」

パチン

櫻子「よいしょ……」モゾモゾ

向日葵「……せまい」

櫻子「あ、当たり前でしょ、ふたりも入ってるんですから……」

向日葵「せまいー。寝返りも打てないよー」

櫻子「また聞き分けのないことばかり……」

向日葵「……でも……」

櫻子「え?」

向日葵「……でも、あったかい、かも」ニヘ

櫻子「――っ!」ドキッ

櫻子「(ま、待て待て待て……落ち着きなさい向日葵。そう、私は古谷向日葵ですのよ)」

櫻子「(そして目と鼻の先にあるのも私の顔……なにをときめいてますの)」

向日葵「ねー」

櫻子「な、なんですの?」

向日葵「すぐ眼の前に自分の顔があるのって、なんか変な感じしない?」

櫻子「ああ……そうですわね。不思議な気分ですわ」

向日葵「だよね。でも……」

櫻子「でも?」

向日葵「でも、なんだろ……きらいじゃないかな」

櫻子「っ……」

向日葵「向日葵は?」

櫻子「……わ、私も、嫌じゃあない、かしら」

向日葵「……そっかぁ」

櫻子「さ、さあ……もう寝ますわよ」

向日葵「あ、うん」






櫻子「おやすみ、向日葵」

向日葵「おやすみなさい、櫻子」




櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「っ!?」ガバッ

向日葵「っ!?」ガバッ

櫻子「も、」

向日葵「も、」

「「戻ってるーーーーーーーーーーーーっ!!?」」

櫻子「えっうそ、なんで!? どーして!?」

向日葵「それはわかりませんけど……戻ったのは間違いありませんわ!」

櫻子「だよね、だよね! やったー!」ダキッ

向日葵「ええ、やりましたわっ!」ギュッ

櫻子「あー、やっぱり向日葵の身体は抱きつく方がいいね!」

向日葵「櫻子こそ、体温が高いですから抱きしめた方がいいですわ!」

櫻子「……って……」ハッ

向日葵「ぁ……」ハッ

バッッッ

櫻子「い、今のナシ! ナシだかんね!」

向日葵「こ、こっちのセリフですわ! 是非ともナシでお願いしますっ!」

櫻子「っ……」プイッ

向日葵「……っ」フイ

櫻子「と、とりあえず、ねーちゃんにメールでもしよっかな!」アセッ

向日葵「そ、そうですわねっ。心配されてるかもしれませんし!」アセアセッ

櫻子「えーっと、携帯携帯」ゴソゴソ

向日葵「はあ、それにしても疲れましたわ。一日櫻子体験なんてもう勘弁してほしいですわね」ヤレヤレ

櫻子「むっ。うっさいなー……ってあれ、なんか変なとこ押しちった」カチカチ

向日葵「だって事実でしょう? 櫻子の身体って不便が多いんですもの」

櫻子「……」カチカチ

向日葵「それに、自分で動かしてみて分かりましたけど、あなた本当に可愛げがありませんのね~」

櫻子「……」

向日葵「まったく、もう少し愛想よく出来ませんの? これじゃあお嫁の貰い手も見つからな……」

櫻子「向日葵」

向日葵「なんですの?」


櫻子「なにこの音声」ピッ<ア、アノネー。ワタシ、ヒマチャンノコトダースキッ♪


向日葵「」

え、終わりだけど

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