まどか「マミさんが太った…」(151)

――放課後の教室

まどか「そういえば昨日マミさんが泣きついてきたの」

さやか「なんで?」

まどか「『鹿目さん、太っちゃった!どうしよう…うわーん!』だって」

さやか「なんてこった」

ID:pks7axNZ0

まどか「どうしようさやかちゃん…マミさんの泣き顔の破壊力がハンパなかったよ!なんとかしてあげたいよ!」

さやか「うわー泣き顔マミさん私も見たかったわ。いいなーまどか」

まどか「じゃあ次のときは写真撮ってさやかちゃんにあげるよ」

さやか「サンキューまどか」

まどか「…じゃなくてマミさんをどうにかしてあげないと!」

さやか「あ、そうだった。うーん…」

ほむら「それには及ばないわ」ファサッ

まどか「あ、ほむらちゃん」

ほむら「話は聞かせてもらったわ」

さやか「なんかいい案でもあるの?」

ほむら「なにもする必要なんてないわ」

さやか「え?」

ほむら「ぷ、ふふふ…だ、だって巴マミ、すでに太ってるじゃない…ぷぷぷっ!そ、それがいまさら太ったなんて…ぷ、ふふ!」クスクス

まどか「…」

さやか「…」

まどか「うわぁぁーーん!!マミさんをバカにしないでーー!!」

さやか「!」びくっ

ほむら「!」びくっ

まどか「ほむらちゃんのバカー!アホー!変態ガチレズ女ー!」

ほむら「えっ」

まどか「ほむらちゃんなんか円環の理に導かれちゃえ!うわぁぁーん!」ダッ

ほむら「まどか待って!まどかぁー!」

さやか「あーあ」

ほむら「…」

さやか「…」

ほむら「…ねえ美樹しゃやか」

さやか「無理してフルネームで呼ばなくていいよ」

ほむら「…さやか。どうしよう、まどかに嫌われちゃったわ…」

さやか「あんたが悪い。なんであんなこと言ったのよ?」

ほむら「場を和ませようと思って…気の利いたジョークのつもりだったの」

さやか「悪意しか感じなかったけどね」

ほむら「ほむジョークよ」

さやか「いや、知らないから」

ほむら「それにしても…」

さやか「?」

ほむら「まどかはさっき何て言ったのかしら…なんとかのことわりって…」

さやか「そこかよ」

ほむら「セールスお断り?」

さやか「違うと思う」

ほむら「玄関のこだわり?」

さやか「それも違うと思う」

ほむら「尖端のとんがり?」

さやか「もういいから」

ほむら「さて、どうしましょう…」

さやか「とりあえずまどかに謝ったら?」

ほむら「そうね…でも許してくれるかしら…」

さやか「はぁ…一緒に行ってあげるからちゃんと謝りなさいよ」

ほむら「恩に着るわ」

――学校の外

さやか「ほら、まどかを追いかけるわよ」

ほむら「ちょっと待って、これ飲んでから…熱ッ!?」ぐび

さやか「なんでいきなり缶コーヒー飲んでんのよ。しかもホットかよ」

ほむら「巴マミの紅茶キャラに対抗して私はコーヒーキャラ路線で行こうと思って」ぐびぐび

さやか「…」

ほむら「ふぅ…落ち着くわ」ぐびぐび

さやか「…」

ほむら「あ、なんだかお腹が空いてきたわ。コンビニ行かない?」

さやか「やる気ないの?」

とことこ

さやか「そういえば…」

ほむら「何?」

さやか「最近マミさん見てないんだけど、本当に太ったのかな?」

ほむら「まどかに泣き付くくらいだからブヨブヨになったんじゃないかしら」

さやか「ブヨブヨって…あ、まどかの家こっちだから。多分あんたがグダグダやってるうちにまどか帰ってると思う」

ほむら「ごめんなさい。グダグダのブヨブヨで」

さやか「ブヨブヨはマミさんでしょ!って、あ…違う違う!マミさんごめん…」

――まどかの家

ピンポーン

さやか「まどかー」

ほむら「まどかー」

しーん

さやか「…」

ほむら「…」

さやか「出てこない…相当怒ってるかも」

ほむら「そんな…まどかぁ!」

さやか「こうなったらあの子は手強いわよ。いったん引くしかないわね」

ほむら「まどかぁ…」

まどか「もう、マミさん、ハート様みたいになっちゃったわ、しょうが無いから屠殺場に連れていきましょ!!」

まどか「キロ350円ですって、まあ、こんなものかしら」

ほむら「あ、そうだ…すべての原因は巴マミ。ということは私が巴マミの悩みを解決すればまどかの心配もなくなる。そうすれば私はまどかに許してもらえるんじゃないかしら?」

さやか「そうかもね」

ほむら「決めたわ。私、巴マミの悩みを解決する。さやか、あなたも協力してくれないかしら?飴ちゃんあげるから」

さやか「いや、普通に協力してあげるから。飴ちゃんで篭絡しようとしてんじゃないわよ」

ほむら「恩に着るわ」もぐぺろ

さやか「飴ちゃん舐めながらしゃべらないで」

ほむら「でもあの感じだと巴マミは私達を避けてるわね。まずは巴マミに接触しないことには…」

さやか「マミさんの家に行ってみる?」

ほむら「居留守使って出てこないわ、きっと」

さやか「じゃあ明日学校でマミさんのクラスに行ってみる?」

ほむら「私達に見られたくなさすぎてみんなの前で泣いちゃうんじゃないかしら。豆腐メンタルだから」

さやか「それはまずいわね。マミさん、クラスで浮いちゃうわ」

ほむら「すでに浮いてる可能性も有り得るわ」

さやか「なんてこった」

杏子「あ、さやかにほむらじゃん。道ばたで何話してんの?」

さやか「あ、杏子」

ほむら「あら杏子。こんにちは」

さやか「あ、そうだ!杏子、明日暇?」

杏子「え?暇だけど」

さやか「明日一日学校でのマミさんの様子をばれないように観察してほしいの」

ほむら「え、なんでそんなこと…」

さやか「マミさんの悩みを解決するヒントがあるかもしれないよ。それにちょっと興味あるじゃん。学校でのマミさん」

ほむら「なるほむ」

杏子「なんだかわかんないけどめんどくさいな…」

ほむら「ほら、飴ちゃんあげるから」

杏子「………2個なら」

ほむら「ふふ、しょうがないわね…2個あげるわ。しかもイチゴ味よ」

杏子「よっしゃ、あたしにまかせな!」もぐぺろ

さやか「篭絡されてるし」

――次の日の学校

さやか「まどかおはよう」

まどか「おはようさやかちゃん」

ほむら「…」

さやか「ほむら、どう?まどかは」ひそひそ

ほむら「まどか、私が近づくとムスッとするの…」ひそひそ

さやか「あー…とりあえず杏子の報告を待つか…」

ほむら「そうね…」

――マミさんのクラス

ワイワイ ガヤガヤ

マミ「…」ぐだー

杏子(マミ…ずっと机に突っ伏してる…)

マミ「…」ぐだー

杏子(寝てんのか…?)

――授業中

マミ「…」カキカキ

杏子(あ、なんかノートに落書きしてる)

マミ「…ふふ」

杏子(笑ってるし…)

マミ「…アルティマシュート…うーん、ティロフィナ……」

杏子(なんだ?)

先生「それでは自由にペアを作って56ページの英文を交互に音読してくださーい」

マミ「!」びくっ

マミ「…」おろおろ

杏子(なんか焦ってる)

ワイワイ キャッキャ

先生「………え、そう。うーん、あ、そうね。巴さんと組んであげて」

男子「…ぶひひ、よ、よろしく」

マミ「う、うん」

杏子(あぶれてなんかアレな男子とペアになってるし…)

――体育の時間

先生「よし、次走る人達はこっち来てねー」

ワイワイ キャッキャ

マミ「…」とことこ

男子A「あ、あっち見ろよ!巴が走るぞ!」

男子B「ホントだ」

男子C「ぶひひっ!」

杏子(…?)

先生「よーいっ…」

パンッ

ダッ

マミ「ハッ…ハッ…!」ぷるんぷるん

男子達「ヒヒヒ」ニヤニヤ

マミ「はあはあ、疲れた…」

男子A「いいもん見れたな」

男子B「うんうん!」

男子C「ぶひひっ!」

マミ「…」

――昼休みの校舎裏

マミ「…おいし」もぐもぐ

杏子(あんなとこで昼飯食ってるし)

野良猫「にゃあ」

マミ「あら…猫ちゃん、あなたも食べる?私、ダイエット中なの」

野良猫「にゃあ」

マミ「可愛いわねあなた…」

杏子(猫と話してる…)

マミ「ふふ、あなたも私と一緒でひとりぼっちなのね…」

杏子(…)

――放課後

杏子「…で、以上があたしが見たマミの学校での様子だ」

さやか「ちょっと泣きそうになったわ」

ほむら「巴マミ、苦労してるのね」

さやか「あ、そうだ。ねえ杏子、マミさんの体型どうだった?」

杏子「ん?いつもと同じだったぞ」

ほむら「ブヨブヨじゃなかったの?」

杏子「乳はぽよんぽよんだった」

ほむら「くっ…」ぎりっ

さやか「悔しいのはわかるけどこわい顔すんなって」

ほむら「もう一回聞くけど巴マミは太ってないのね?」

杏子「ああ」

ほむら「被害妄想的なアレかしら…それにその体育の授業の様子…」

さやか「うーん…とりあえずマミさんに会いに行こうか」

杏子「マミならまっすぐ帰ったぞ。マミん家行くんならあたしも行くよ。ケーキ食いたい」

ほむら「じゃあ行きましょうか」

――マミさん宅前

ピンポーン

しーん

杏子「出てこないな」

さやか「うーん…」

ほむら「ふ、私にまかせなさい。こう見えても借金取りやってたころの私は『こじ開けのほむほむ』として恐れられたものよ」

さやか「うそつけ」

ピンポーン

ほむら「お荷物でーす」

さやか「手口が古いよ」

ガチャ

マミ「はーい」

杏子「あ、出てきた」

さやか「なんと」

マミ「え!?あ、あなた達どうして…!?」

さやか「えーと…」

ほむら「あなたが太ったと聞いて、なんとかするためにやってきたの」

マミ「」がーん

さやか「ちょ、ストレート過ぎるよ」

杏子「あたしはケーキ食いにきた」

マミ「う、うう…と、とりあえず上がって…」しくしく

さやか「ちょ、マミさん泣いちゃったじゃん」ひそひそ

ほむら「ふ、相変わらずの豆腐メンタルね」

杏子「おじゃましまーす」

――マミさん宅リビング

さやか「マミさん…昨日まどかが言っていました。マミさんが悩んでる、なんとかしてあげたいって」

マミ「そう…」

ほむら「あなたがブヨブヨに太ったと聞いたのだけど」

マミ「うっ…」ぽろぽろ

さやか「ちょ、おい」

マミ「うう、最近…食欲がよく湧いて…つい食べすぎちゃって…体重はかったら…増えてて…」

杏子「食欲の秋だもん。しょーがねえって」

さやか「でも…見た目は全然普通ですよ?むしろやせてるし」

マミ「だ、だけど…」

さやか「?」

マミ「最近…体育の授業を男子と合同でやるのだけど…男子達が私のほうを見てニヤニヤ笑ってるの…それで私、やっぱり太っちゃったんだなって…」

杏子(あー…あれか)

マミ「それで…それで…私…みんなに自分の姿を見られることがなんだかこわくなっちゃって…」

ほむら「ばっきゃろーい!!!」

マミ&さやか&杏子「!」びくっ

ほむら「うじうじしないで巴マミ!太ったなんてあなたの思い込みよ!もっと自信を持ちなさい!!!」

わさび漬けが食べたい、とか言ってそうなほむらだな

マミ「で、でも…」

さやか「んー…マミさんを見てニヤニヤしてたっていう男子達ですけど…多分それはマミさんが太ったからニヤニヤしてたんじゃなくて…えーと…」

ほむら「その連中はぽよんぽよんに揺れるあなたのおっぱいを見てニヤニヤしていたのよ!」

マミ「ええ!?」マミーン

さやか「ちょ、おい、さっきからストレート過ぎるって」

>>99
ちょっと前だったら「本気出す」が引き合いに出されてたんだろうなぁ
……まだ待ってるんだけどなぁ

>>102
何の話やっちゅーに

>>103
半年ほど前に『ほむら「(前置詞)本気出す」』ってスレタイの一連のSSが有って……
面白かったんだけどいつの間にか建たなくなって未完って寸法よ


マミさんの扱いがここみたいな感じだったよって

ほむら「考えてみなさい。体重がたかだか数キロ増えたくらいで人の体型なんてあまり変わらないわ」

マミ「…」

ほむら「そしてはっきり言ってあなたは巨乳よ。さらにそのニヤニヤしてた連中は異性に興味津々なお年頃のバカ丸出しの中学男子。あなたを見ないほうがおかしいわ」

マミ「そうなんだ…」

ほむら「そうよ。あの年頃の男子なんてバカしかいないんだから。この間もクラスメートの中沢君が河原でHな本を拾った後、ニヤニヤしながら全速力で自転車を漕いで帰って行ったのを目撃したわ」

さやか「中沢…」

ほむら「杏子の言うとおり今は食欲の秋。いっぱい食べてもいいじゃない。私達はまだまだ成長期なのよ?私も昨日は味付海苔だけでご飯3杯いけたわ」

さやか「味付海苔だけって…」

ほむら「とにかく巴マミ、あなたは太ってなんかいない。もう一度言うわ。自信を持ちなさい!」

さやか「そうですよ。マミさんは優しくて、可愛くて、かっこよくて、私達の憧れの先輩なんです。うじうじしてる姿なんて見たくないです!」

マミ「う…暁美さん、美樹さん…ありがとう」ぽろぽろ

さやか「マミさん…」

マミ「ふふ…私、みんなの前では先輩ぶってかっこつけてたけど、本当は無理してたの…実際はダメな先輩よ。自分を抑えて、クラスに溶けこめなくて、ひとりぼっちで…」

ほむら「…」

マミ「でもおかげでなんだか元気がでてきたわ。そうね、もっと自信を持って堂々としないとね!私、もう何もこわくないわ!」

さやか「その意気ですよマミさん!」

ほむら「ふ、世話の焼ける先輩ね」

杏子「マ、マミ…あたしお腹が空いて…もうだめ…」

マミ「あらあら、ちょっと待っててね!お茶とケーキ用意するから!」

―――
――

杏子「ケーキうまー!」もぐもぐ

マミ「そう?よかった!」

ワイワイ キャッキャ

さやか「一件落着かな…」

ほむら「………まどかぁ」

さやか「ああ…そうだった…」

さやか「マミさんちょっと」

マミ「え、なに?」

さやか「……が、……それで、……」ひそひそ

マミ「わかったわ。まかせて!」

―――
――

さやか「ほむらー食べなよケーキ。美味しいよー」

ほむら「ええ…」

杏子「食べないんならもらっていいかー?」

マミ「そんなにがっつかなくてもまだ冷蔵庫にチーズケーキ入ってるわよ。食べる?」

杏子「食べる!ありがとうマミ!」

ほむら「…」

ピンポーン

マミ「あ、来た来た!」

まどか「おじゃまします…」

マミ「いらっしゃい鹿目さん!」

ほむら「え…?まどか!?」

マミ「私が呼んだの。鹿目さんいたほうが楽しいでしょう?」

まどか「ほむらちゃん…マミさんに聞いたよ。マミさんの悩みを解決してくれたんだよね…?それなのに私…」

ほむら「まどかぁ…」

まどか「ごめんね…ほむらちゃん。いっぱいひどいこと言って…バカとかアホとか変態とかガチレズとか根暗とかナルシストとか十円ハゲとか…」

さやか「そこまで言ってなかったと思う」

まどか「とにかくごめん!ほむらちゃん!」

ほむら「そんな…私こそごめんね…つまらないジョークで怒らせちゃって…」

まどか「え、あれジョークだったの?」

ほむら「ほむジョークよ…」

さやか「それはいいから」

まどか「…ほむらちゃん、これからも仲良くしてね!」

ほむら「もちろんよまどか!」

さやか「よかったよかった!」

杏子「うんうん!」

マミ「さぁ!お茶の続きをしましょう!」

まどか&さやか&杏子&ほむら「はーい!」

ワイワイ キャッキャ

ほむら(まどかと仲直りできてよかった…みんなとも仲良くできたし…)もぐもぐ

ほむら(そしてケーキうま)もぐもぐ

ほむら(体が軽い…こんな幸せな気分は初めて)もぐもぐ

ほむら(…)もぐもぐ

ほむら「もう何もこわくないっ!!!」ガタッ!

まどか&さやか&マミ&杏子「!!?」びくっ

おわり

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom