森島「ねぇ、橘君」(470)

森島「ちょっといいかな?」

橘「はい!なんですか?」

森島「バター犬ってわんちゃん知ってる?」

橘「」

森島「どんなわんちゃんなのかな!?きっと牧場を走り回ってるわんちゃんよね!」

橘「」

森島「…どうしたの?顔赤いわよ?」

橘「(うわ~、どうしよう。本当のことを教えた方がいいのかな…?)」

森島「もう、さっきから黙っちゃって!私そんなに変なこといったかな…?」

橘「先輩…その…バター犬って言葉を…どこで知ったんですか?」

森島「え~とね、昨日お兄ちゃんが『バター犬最高ッ!』って叫んでたから、気になっちゃって」

橘「な、なるほど!(どんな状況なんだ!?)」

森島「それで、お兄ちゃんにバター犬って何かを聞いても教えてもらえなかったの!」

橘「そ、そうだったんですか!」

森島「でね、橘くんならもしかして知ってるんじゃないかな~って思ったんだけど、やっぱり知らないかな?」

橘「(ここは勇気を持って教えてあげるべきか!?いや…それじゃ変態じゃないか!)」

橘「(誤魔化したほうがいいよな、よし、そうしよう)」

橘「その~…僕もよくわからないです」

森島「そっかー、橘くんでもわからないことあるよね」

森島「あ~ん、気になる!バター犬ってどんなわんちゃんなのかしら!」

橘「先輩!声が大きいですって!」

?「ちょっと、はるか」

森島「あ、響ちゃん!」

塚原「あ、響ちゃん!じゃないわよ。あなた、さっきから何てことを叫んでるわけ?」

森島「えっ?何が?」

塚原「えっ?何が?…って…そ、その…ば、バター犬が…どうとか。こんなところで出していい言葉じゃないわよ?」

森島「え~と…あ!もしかして響ちゃん、
バター犬のこと知ってるの!?わぉ!こんな身近なところにバター犬を知ってる人がいたのね!」

塚原「はるか!だから声が大きいって!」

橘「(なんだか大変なことになっちゃったぞ)」

森島「響ちゃんも人が悪いなー!知ってるなら教えてくれたっていいじゃない!」

森島「響ちゃ~ん?バター犬ってどんなわんちゃんなの!?」

塚原「わかった!わかったから!ここじゃ説明したくないから、場所を変えるわよ?」

塚原「橘くん、悪いけどはるかを借りてくわよ?」

橘「は、はい!」

森島「え~、橘くんはバター犬に興味ないの?一緒に響ちゃんからバター犬の正体聞こうよ!」

塚原「」

橘「」

橘「は、はは…」

塚原「橘くん」

橘「は、は、はい!」

塚原「こうなったのも君の責任よ。責任をとりなさい」

橘「せ、責任といいますと…?」

橘「…で、僕は何故かスーパーにバターを買いにきているわけだが」

橘「…塚原先輩、何を考えてるんだろう?」

橘「責任をとれって言ってたし…」

橘「…まさか実演!?」


~妄想~
森島「響ちゃん?何で私の身体にバターを塗ってるの?」

塚原「はるか、バター犬っていうのはね…口でいうよりやったほうが早いわね。」

塚原「橘くん。Go!」

橘「わんわん!」

森島「ちょっと!橘くん!?何の真似…だめだよ!そんなとこ舐めちゃ…!ダメだってば!」

橘「ぺろぺろ」

森島「~っ!?そこはだめだっ…て…や、やめなさい!この!この!」

橘「わんわん!じゃあここをぺろぺろ」

森島「ひ、膝の裏!?」

塚原「はるか、バター犬が何かわかってもらえたかしら?」

~妄想終了~

橘「…ありだな」

橘「そうじゃない!何を考えてるんだろう、僕は!」

橘「そんなお宝本的な展開があるわけ」

?「じゅんいちー?何をぶつぶついってふの?」

橘「う、うわぁ!」

橘「…って、なんだ、梨穂子か」

梨穂子「何だとは失礼だなぁ~!もう!」

橘「ごめん、ごめん!梨穂子も買い物?」

梨穂子「うん!晩御飯の材料をお母さんが買い忘れちゃってて」

梨穂子「じゅんいちは~?…何でバターをそんなに持ってるのかな?」

橘「あ、こ、これは…そ、そうだ!お菓子作りしようと思って!」

梨穂子「へぇ~、純一がお菓子作りか~!」

橘「う、うん!急に作りたくなっちゃってね!」

梨穂子「何を作るの?クッキー?でもそんなにバターは使わないし…」

橘「な、内緒!できあがったら梨穂子のところに持っていくから楽しみにしてて!」

梨穂子「そっか~、楽しみにしてるね!」

梨穂子「じゃあ、私は帰るから~」

橘「う、うん。じゃあ、また今度」



橘「…はぁ、びっくりした…」

橘「…お菓子作らなきゃな、こうなったら」

~公園~

橘「塚原先輩、バター買ってきました」

塚原「うん、ご苦労様」

橘「これ、何に使うんですか?」

塚原「それは内緒。それとも私の口から言わせたいのかな?」

橘「す、すみません!」

橘「あ、そういえば、森島先輩がいないようですが…」

塚原「あー、はるかなら探しに行ったよ」

橘「何をですか?」

塚原「バター犬」

橘「…え?」

塚原「ふふ、沢山必要だからね」

橘「えぇ!?」

橘「(つまり、どういうことだ?)」

森島「ひびきちゃーん!連れてきたよー!」

俺は塚原先輩のバター犬になります

わんわん!

橘「…犬?」

塚原「これだけいれば大丈夫かな。お疲れ、はるか」

森島「このぐらい、どうってことないわ!」

橘「塚原先輩!こんなところでやるんですか!?」

塚原「橘くんは何を想像しちゃってるのかな?」

塚原「では、これよりバター犬の説明をします」

森島「わくわく!」

塚原「橘くん、バターを頂戴?」

橘「あ、はい」

塚原「はるか、手の平にバターを塗ってみて?」

森島「え、うん…これでいいの?」

塚原「犬たちに向かって手を差し出してみて?」

森島「こう?」

わんわん!わんわん!

橘「あ、犬が!」

犬「ぺろぺろ」

森島「ちょっと、くすぐったいって!」

塚原「はるか、犬はね、バターに目がないのよ」

犬「ぺろぺろ」

森島「ちょっ!そんなに舐めちゃ…!だーめ!いけない子ね!」


橘「これはこれでいい眺めかも!」

塚原「でもね、はるか?よく周りを見てみて?」

森島「え…?あ!よってこない子もいる!」

塚原「そう!バター犬っていうのはね、犬の中でもバターに目がない犬のことなのよ!」

森島「そうだったんだ!響ちゃん、すごい!」

塚原「(よかった、単純で)」

森島「ふふ~ん♪バターが欲しい子、この手に集まれ♪」

わんわん!



橘「塚原先輩、ちょっと苦しくないですか?間違えちゃいないですけど…」

塚原「いいのよ、これで。それとも、本当のことをはるかに教えたいの?」

橘「いえ、そういうわけでは…」

塚原「でしょ?さすがにどうかと思うわ、変態っぽいし…」

塚原「それに、ああしてれば、あの子もそのうち気づくでしょ」

~数日後~

森島「橘くーん!」

橘「あ、森島先輩。どうしたんですか?」

森島「橘くんは私のわんちゃんみたいなものよね!?」

橘「え?…まぁ、そんなところですけど…」

橘「(事実だけど…ちょっと傷ついた)」

森島「あのね、その~…」

橘「(どうしたんだろう?顔がどんどん赤くなってるし…)」

森島「橘くんはバター好きかな!?」



~終了~

塚原「何もないよ、この変態」

橘「そういえば」

橘「何で塚原先輩はバター犬を知ってたんだろう?」

橘「一般常識…ではないしなぁ…」

橘「う~ん」

塚原「何をぶつぶついってるのかな?」

橘「あ、塚原先輩」

塚原「どうしたの?深刻そうな顔をしてたけど、何か悩み事でもあるのかな?」

橘「はい、実は悩んでることがありまして…」

塚原「私でよかったら、話を聞くよ?」

橘「え?えぇ、でも…」

塚原「話づらいことなのかな?だったら無理にとは言わないけど…」

橘「あ、いえ、そんなことないです。話を聞いてもらえますか?」

塚原「うん、わかった。じゃあ、ちょっと移動しようか」

~ファミレス~

橘「(…って、薫のバイト先じゃないか)」

橘「(薫、今日はいないみたいだな)」

塚原「で、悩みってなんなのかな?橘くん?」

橘「いや~、その…この前のこと覚えてますか?」

塚原「この前?」

橘「森島先輩の件です」

塚原「はるかの件?…あぁ、そういう悩み事ね。で、どうしたのかな?」

橘「さすが塚原先輩!話が早いですね!」

塚原「うん、それはいいけど…どうしたの?」

橘「いや、だからバター犬の」


ガシャリ

?「あ、あんた…なんて話をしてんのよ」

橘「薫!?今日は休みじゃなかったのか!?」

棚町「ちょっと遅刻しただけ。で、あんた…変態だとは思ってたけど、まさかここまでとは…」

橘「薫!?それは誤解で…」

薫「触らないで!この変態!」




塚原「あーあ、やっちゃったね」

橘「…薫のことだ、明日には学校中に広まってるに違いない…もう明日から学校にいけないよ!」

塚原「君がバッドエンドを迎えるのはいいんだけどさ、で、何なの?」

橘「え?」

塚原「いや、だから、その…バター犬がどうしたの?」

橘「…その…なんで塚原先輩はバター犬なんてプレイをご存知だったのかなって」

塚原「」

橘「そういえば」

橘「何で薫はバター犬を知ってたんだろう?」

塚原「そそそ、それは、その…な、何てことを聞くのよ!?」

橘「すみません!でも、どうしても気になっちゃって!」

橘「(塚原先輩…耳まで真っ赤だ…悪いことしたかな…)」

塚原「…た、橘くんはもしかして、警察のお世話になりたいのかな?」

橘「ほ、本当にすみませんでした!」

塚原「橘くんだから許すけど…」

塚原「…いいわ、何で知ってたか教えてあげる」

塚原「とりあえず、ここを出ましょう。さっきから視線が痛いわ」

塚原「はじめはね、ほんの好奇心だったのよ」

塚原「ほら、はるかって犬によく舐められてるじゃない?」

塚原「顔とか舐められても平気そうな顔をしてるから、私聞いてみたの。気持ち悪くないのかって」

塚原「そしたらね、はるか、何て言ったと思う?」

森島「全然平気だよ!むしろ気持ちいいくらい!」

塚原「まぁ、そのときはそれで終わったんだけどね」

七咲「塚原先輩って変態なんですね」

塚原「話は少し変わるんだけど…ほら、私、強面じゃない?」

塚原「いいのよ、無理に否定しなくて。慣れてるから」

塚原「それでね、私の強面さは動物にまで及ぶみたいでね、動物がよって来ないのよ」

塚原「私もはるかみたいに動物と仲良くなれたらな、とはよく思うんだけど」

塚原「去年のことだったかな…帰り道に可愛い犬がいたの」

塚原「私、どうしてもその犬とじゃれあいたくなったの」

塚原「でもね、やっぱり犬が近づいてきてくれないの」

塚原「いつもなら諦めるんだけど、ムキになっちゃったのね、私」

塚原「餌で釣ってでも仲良くなろうと思ってね、鞄の中に何かないか探してみたの」

塚原「でもね、バターしか入ってなかったのよ」




橘「何故だ…」

塚原「バターでもないよりはマシかなと思って、手のひらにバターを乗っけて犬に差し出してみたの」

塚原「そしたら、さっきまで私を怖がってた犬が凄い勢いで走ってきてね」

塚原「私の手のひらごと必死にバターを舐め始めたのよ」

塚原「犬に舐められるのは…気持ちよかった。ヌルヌルで温かくて。はるかの言ったとおりね」

塚原「それから私、癖になっちゃって」

塚原「毎日のように犬にバターをあげてたわ、飽きもせずにね」

塚原「その当時はバター犬なんて言葉も知らなかったし、自分の変態さに気付いてなかったの」

塚原「それでね、毎日バターをあげ続けてたら、段々と犬が集まり出しちゃってね、手だけじゃさばききれなくなったの」

塚原「私、快楽に溺れて冷静に判断できなくなってたのね」

塚原「脚にバターを塗ったの」



橘「oh…」

塚原「手の平とは比べ物にならないくらい気持ちよかったわ」

塚原「だから、しばらくは手の平と脚に塗って楽しんでた」

塚原「そしたらね、段々と好奇心が湧いてきて…最初に言ったでしょ?ほんの好奇心だったって」

塚原「私の…その敏感な部分に塗ったなら、どうなるんだろうって」

塚原「それは危険な好奇心なんだって分かってた。でも、抗えなかった」

塚原「みんなが思ってるほど、私は強い人間じゃないのよ」





塚原「ついにやっちゃったの、魔がさして」

塚原「もういいかしら?」

塚原「ドン引きよね、こんなこと告白されちゃったら」

塚原「でもね、橘くんが悪いんだよ?」

塚原「以上が私がバター犬プレイを知ってた理由。単語を知ったのはつい最近なんだけどね」


橘「どうしよう、これ…」

塚原「どうしよう?何を言ってるの?」

塚原「あなたに選択権なんて、ない」

塚原「責任とりなさいよね?すごく恥ずかしかったんだよ?こんな打ち明けるの…橘くんが相手だからできたんだけど」

橘「責任って…どうすれば…」

塚原「…になって」

橘「え?」

塚原「私の、犬になって」

橘「犬にって…」

塚原「あら?私じゃ駄目かしら?はるかじゃよくて、私じゃ駄目なのね?」

塚原「そう…そうよね、やっぱり」

塚原「私なんかじゃ…」

橘「先輩!そらは違います!」

塚原「え?」

橘「僕は塚原先輩のことが前から好きだったんです!」

橘「さっきのカミングアウトは正直なところ引きましたけど…それでも好きなんです!」

塚原「でも、あなた…はるかは?」

橘「森島先輩は…憧れてた時期はありました。でも、気付いたんです。僕が好きなのは塚原先輩だって!」

塚原「そう、嬉しい…私もあなたのことが好きよ」

橘「じゃあ!」

塚原「でも、駄目」

塚原「犬になるしかないのよ、あなたは」

俺も塚原先輩の事好きだよ

橘「そんな…」

塚原「ごめんね…でも仕方ないよね…」

橘「え?」

塚原「…言ってみたかっただけよ」

塚原「あなたはそんなに嫌?犬になるの?」

塚原「あなただったら理解してくれると思ってたんだけど…」

橘「嫌というか…その…」

塚原「そうそう、実は今日も鞄にバターが」

橘「わんわん!」

塚原「素直でよろしい」

橘「あの日以降、僕は塚原先輩の犬になった」

橘「薫のヤツのせいで、学校中にバター犬の話が流れてしまった」

橘「噂には尾ひれがつくのが世の常で、気付いたら僕がバター犬だってことになってた」

橘「でも、気にしない」

橘「だって事実だし」




橘「今の問題は…」

橘「絢辻さん、そんな期待した目でこっちを見ないでください」


橘「薫」

棚町「ち、近付くな!この変態!」

橘「変態、ね。あぁ、確かに僕は変態かもしれない」

橘「だが、訂正を願おう」

棚町「?」

橘「僕は変態というなの紳士だ!」

棚町「ふ~ん、で?」

橘「ノリが悪いじゃないか、薫」

棚町「うっさい、変態」

棚町「で、何か用事なの?あんたと話してるところ、あまり人に見られたくないんだけど」

橘「それはすまなかった。では、手短に話そう」

橘「棚町薫よ、何故お前はバター犬プレイを知っていた?」

棚町「!?」

棚町「そ、そんなの今時普通じゃない!お宝本とかでさ!」

橘「薫、嘘をつくのはよくないぞ?」

橘「僕には分かる。お前はこっち側の人間だ」

薫「!?」

棚町「ば、馬鹿いってんじゃないわよ!」

橘「馬鹿なことなどいっていない!僕は本気だ!」

棚町「へ、変態の世迷いごとに付き合ってる暇はないわ!じゃあね!もう話しかけないで!」



橘「行ってしまったか…」

橘「絢辻さん?もう出てきていいよ?」

絢辻「あなたねぇ…もうちょっと言い方ってものがあるでしょ?」

橘「僕は間違えたことをいってない」

絢辻「そう…で、私はどうすればいいの?」

橘「棚町薫の本性を暴いて欲しい。やり方は任せる。」

絢辻「…ったく、偉そうに…わかったわ。私に任せる以上、口出しは厳禁だからね」

絢辻さんの動かし方を全く思いつかない
困った

棚町「私が変態!?冗談じゃないわ!」

棚町「そりゃ、ちょっと人とは変わってるとは思うけど…」

棚町「でも、絶対に変態じゃない!」

棚町「そうよ!私は変態じゃない!」

棚町「私はちょっと女の子が好きなだけなの!」

誰も見てないだろ?

マジか…塚原先輩ので終わっておけばよかった…

絢辻さんに脅されながらバター犬になる橘さんが見たいです

絢辻「さてと、とはいったもののどうしようかな?」

絢辻「正直、私は棚町薫について全くしらないわ」

絢辻「まずは外堀から埋めるのが定石かな…」

絢辻「よし、まずは彼女の友達から攻めて行こう」

>>116
正直、棚町よりもそっち書きたい

橘「僕の飼主は三人いる」

橘「不実といわれようが、事実なんだから仕方ない」

橘「一人は言わずと知れた、森島はるか先輩」

橘「よくわからないけど、気付いたら犬にされてた。何でだろうね?」

橘「もう一人は塚原響先輩」

橘「塚原先輩の話はもういいだろう」

橘「最後の一人は…絢辻詞…さん」

橘「今回は絢辻詞さんの話」

橘「そんなわけで、今日も放課後塚原先輩とデート…というか、散歩か」

橘「今から楽しみだわん!」

絢辻「あー、そこの駄犬。ちょっと止まりなさい」

橘「さすがに駄犬はあんまりじゃないかな?」

絢辻「ごめんなさいね。で、棚町薫のことだけど」

橘「進展があったの?」

絢辻「えぇ、彼女はばっちり変態だったわよ」

橘「絢辻さん、詳しく話を聞かせてもらえるかな?」

絢辻「そうね、長くなるけどいいかしら?」

橘「響ちゃんと散歩しなくちゃいけないから、手短にお願いしてもいいかな?」

絢辻「チッ…わかったわよ」

橘「まとめるとこういうことらしい」

薫のことをよく知るために、まずは彼女の親友である田中恵子さんに接近した。
その結果分かった事実


田中恵子は百合だった。しかも重度の。
あまりも彼氏ができないので、そっちに走ってしまったらしい。

そこからはあっという間だったとのこと
絢辻さんは自分の身体を武器に情報を引き摺り出し、さらに薫に変態であることを自覚をさせたらしい



橘「で?何で薫はバター犬を知ってたんだ?」

絢辻「あの二人、そういうプレイが好きらしいわよ」

絢辻「先に提案したのは田中さんの方みたいよ。あんな顔してやるわよね」

絢辻「…そんなことより、橘くん」

絢辻「約束、覚えてるわよね?」

橘「うん、もちろん覚てるよ」

橘「だからさ、絢辻さん?その首輪をしまってもらえるかな?」

絢辻「約束は約束でしょ?早く!」


橘「(僕は薫をこっちの世界に引きずりこむために、絢辻さんの力を借りることにした)」

橘「(その交換条件は…)」

橘「(絢辻さんの犬になること)」

橘「でもさ、絢辻さん?さすがに学校で首輪はないんじゃないかな?」

橘「せっかく築いた優等生キャラが崩壊しちゃうよ?」

絢辻「…それもそうね」

橘「それに僕は響ちゃんとの散歩が」

絢辻「黙りなさい」

橘「はい」

絢辻「ほら、行くわよ」

橘「え?どこへ?」

絢辻「ポンプ小屋」

橘「そんなこんなでポンプ小屋に監禁されて早一日」

橘「首輪にも慣れてきたけど…」

橘「おうちに帰りたいよ…美也が心配してないかな…」

絢辻「あら、その辺は大丈夫よ?」

橘「あ、絢辻さん?いつからそこに?」

絢辻「今は昼休みだもの」

橘「もう昼休みか…」

橘「絢辻さん?美也が心配してないってどういうこと?」

絢辻「説明したのよ」

絢辻「おたくのお兄ちゃんは、私の犬になりましたって」

橘「」

橘「み、美也はそんなんで納得したの!?」

絢辻「勿論してないわよ」

橘「じゃあ、どうして!?」

絢辻「え~とね、ちょっと静かになってもらっただけよ」

橘「み、美也に何をした!?」

絢辻「男の癖に細かいことでうるさいわねぇ…どうでもいいじゃない、そんなこと」

橘「」

絢辻「ところで橘くん?お腹空いてない?喉は乾いてない?」

橘「昨日の夜から何も飲まず食わずで、もう限界だよ!」

絢辻「そうでしょうね、ほら橘くん?
お水のみたい?」

橘「の、飲みたい!」

絢辻「そう、じゃあ口を開けて?大きくよ?」

橘「こう?」

絢辻「よくできました」


スッ

橘「(あ、絢辻さんの指が口の中に!?)」

絢辻「こぼしちゃだめよ?あと歯をたてないこと」

橘「(ゆ、指を伝って水が…)」

橘「(み、水!飲まずに…いや、舐めずにはいられないよ!)」

橘「ぺろぺろ」

絢辻「…あっ!…橘くん…もっと…」

絢辻「…あら?お水がなくなっちゃったわ」

絢辻「美味しかったかしら?橘くん?」

橘「わんわん!」

絢辻「よろしい。お腹も空いてるわよね?」

橘「わんわん!」

絢辻「今日はね、橘くんの好物を持ってきたの」

絢辻「はい、バターよ」

ふぅ…
お前ら明け方までこんな事してて気持ち悪いな

絢辻「でも、これどう使えばいいのかしら…?」

絢辻「橘くんはどういうのがお好み?」

絢辻「やっぱり脚?」

橘「わんわん!」

絢辻「そう、じゃあ脚に…」

絢辻「意外と上手くぬれないわね…ってこらっ!」

橘「ぺろぺろ」

絢辻「ちょっと…まだ『待て!』なんだからっ…」

橘「ぺろぺろ」

絢辻「(やばっ…これは…)」


?「ちょっと待って!」

絢辻「あら?森島先輩に塚原先輩じゃないですか?どうしたんですか?」

塚原「どうしたんですか?じゃないわ。うちの犬…橘くんを返してちょうだい!」

森島「橘くんは私たちが飼うの!」

絢辻「あぁ、そうなんですか…って、いつまで舐めてるのよ!」

ゲシッ

橘「キャイン!(蹴り飛ばされたよ!)」

絢辻「今まで橘くんをお世話してくださって、ありがとうございます。見ての通り、橘くんは私の犬になりました」

絢辻「だから、お引き取り願えますか?」

塚原「そうなの?橘くん?」

森島「そ、そんなことないよね!?」

橘「くぅ~ん(いや、先輩、それがですねぇ)」

絢辻「橘くんは私との約束を果たさなくちゃいけないんです」

絢辻「いくら先輩でも邪魔はさせませんよ?」

塚原「あなたには聞いてないわ?」

塚原「橘くん、あなたはどうしたいの?」

森島「橘くん!私たちのところに帰ってきてよ!」

究極の選択

橘「(これは困った)」

橘「(絢辻さんの強引なやり方には少し引いたけど…)」

橘「(昨日の別れ際の言葉を思い出すと…)」



絢辻「あなたは私だけを見てればいいの」

絢辻「あなたは私のいうことだけを聞いてればいいの」

絢辻「飼主として責任を持って、あなたを間違った方向には絶対にいかせないから」

絢辻「お願い、ずっとそばにいて?」

橘「(うん、これは酷い。自分のことしか考えてない。)」

橘「(でも、ほっとけないよ!)」

絢辻「で、橘くん?どうするの?」

塚原「早く帰ってきなさい?」

森島「ひ、膝の裏舐めていいから!」


?「橘先輩困ってるじゃないですか?それじゃあ飼主失格ですよ?」

橘「七咲!?」

七咲「先輩、悩みたくなる気持ちはわかりますけど、優柔不断は人を傷つけるだけですよ?」

塚原「七咲、何でここに?」

七咲「美也ちゃんから、橘先輩が大変なことになってるって聞いて」

絢辻「部外者は黙っててもらえるかしら?」

七咲「いいえ、黙ってられません」

七咲「私は先輩の飼主を公平に決めるべきだと思います」

橘「で、どうしてこうなった?」


梅原「第一回!チキチキ橘純一の飼主は誰だ!?選手権ッ!」


橘「なんでか梅原が仕切ってるし」

橘「むしろ第二回以降はあるのか?」

橘「…七咲参加してるな、平然と」

梅原「ルールは簡単!各自、自分のもっとも自身のある部分にバターを塗ってもらいます!」

梅原「そして!橘純一君が思わず最初にペロペロしちゃった人が真の飼主ッ!」


橘「おい、七咲。なんでお前も参加してるんだ?」

七咲「わ、私は美也ちゃん為です!け、決して先輩を調教したいなんては…」



橘「もうやだこの人たち」

ごめん、寝ます
お付き合いありがとう

>>1です。おはようございます
とっくにスレ落ちてると思ってました
会社が終わるの17時なんで、続きを書くとしたらそれ以降です
なんで落としてもらって構わないです

梅原「では、アピールタイム開始ィ!」


森島「まずは私からね!」

森島「私、考えたの。まずはわんちゃんの気持ちになるのが大事だって」

森島「やっぱり、犬の視線の高さの方がアピールできるわよね?」

森島「そこで!私はここにするの!」

ぬりぬり

橘「(やっぱり膝の裏…!)」

梅原「で、出たー!まさに王道かつシンプルな回答!」

橘「(でも、それだけじゃあ…駄目なんです!森島先輩!)」

森島「勘違いしないで!ここだけじゃないわ!」

森島「橘くんはエッチなわんちゃんだから…ここも気になるんじゃないかな?」

ぬりぬり

橘「膝の裏からの…太ももの内側!?」

梅原「し、しかも!スカートの中の方まで迷いなくぬってる!これじゃあ大将はスカートの中に顔を突っ込むことに!」

橘「べ、別な世界の僕は太ももを舐めたら怒られてた気がするぞ!」

橘「お、お預けされてた分、これは辛抱たまらんわん!」

森島「橘くん?我慢しなくていいのよ?」

橘「わんわん!」

塚原「ちょっと、はるか?まだ私たちはアピールしてないわよ?」

七咲「そうです、ルールは守ってください」

森島「もう!いいところだったのに!」

梅原「あの~、次のアピールはどちらが?」

塚原「私がするよ」

塚原「犬はね、信頼してる飼主にはお腹を見せる物なの」

塚原「お腹は弱点が多いからね」

塚原「それは飼主にもいえることだと、私は思ってる」

塚原「私は橘くんを信頼してるから…バターをぬるのは、私の弱点のお腹にするよ…橘くん?ちゃんと見ててね?」

塚原はそう橘に告げると、迷いなく制服の上着とブラウスを脱ぎ捨てた

塚原「ちょっと寒いけど…」

塚原「ど、どうかな…?」

橘「(…こ、これは…!?)」

梅原「す、水泳で鍛え上げられたその肉体は、まさにギリシャ彫刻のように無駄のない、洗練された美しさ!これは大将じゃなくても、思わず舐めたくなる!」

橘「(しかも、顔が真っ赤だよ、塚原先輩…あの一件以来、物凄い変態だと思ってたけど、本当は恥ずかしいの隠してたのかな…)」

塚原「た、橘くん?バターをぬるから…ちゃんと私を見て?」

ぬりぬり

橘「(絵としては間抜けなのに…興奮を禁じ得ないのは何故!?)」

ぬりぬり

塚原「あっ…」

橘「(へ、へその下の際どいところまで…これは!!!)」

塚原「橘…くん?私の信頼は伝わったかな…?」

梅原「な、なんて犬想いな飼主なんだ!むしろ俺が飼われたい!!」

勃起がとまりません!!!

橘「塚原先輩…」

塚原「橘くん…」



絢辻「はい、そこまで。二人の世界を作るのは勝手だけど、これ、そういうのじゃないから」

絢辻「私と七咲さんのアピールがまだよ?梅原くん、ちゃんと仕切りなさい?」

七咲「そうですよ、梅原先輩。司会のくせに鼻の下伸ばしすぎです」


梅原「…コホン。じゃあ、次は誰が?」

絢辻「私がやるわ」

理性を保っていられる純一と梅原に脱帽した

絢辻「橘くん?あなたに聞きたい事があるんだけど?」

絢辻「あなた、変態紳士だとかバター犬だとか気取ってるけど、実は女の子とキスした事もない、童貞野郎なんじゃなくて?」

橘「!?」

梅原「えっ?大将…まさか…?」

橘「(なぜばれてるなぜばれてる)」

絢辻「ふふん、リアクションだと図星のようね?」

絢辻「いいわ、ここまでは思惑通り」

絢辻「あのね、橘くん?」

絢辻「私が、あなたの初めてを奪ってあげる」

ぬりぬり

梅原「あ、これは!?」

橘「唇に!?」

絢辻「手始めに、私の唇をあげる」

黒辻さんキターー!!

絢辻「それにね、橘くん?」

絢辻「偉そうにこんなことをいう、私もね」

絢辻「…キスもしたことない、猫被りのメンヘラ処女なのよ」

橘「えっ?」

橘「(そんな馬鹿な!?棚町の一件で身体を武器にしたって…)」

絢辻「橘くんが疑問に思うのも無理ないわね、私、あんなことしたもんね」

絢辻「そこはね、上手く切り抜けたの」

絢辻「私の手腕を甘く見ないで?それぐらい簡単なことよ」

絢辻「まさか、橘くん?こんな友達もろくにいないメンヘラ処女に童貞野郎って罵られて、言われっぱなしじゃないわよね?」

絢辻「怒りなさいよ?怒り狂って、無理矢理にでもわたしの唇を、私の初めてを奪ってみなさい?」

絢辻「そんな狂犬の橘くんを受け止められるのは、私だけだから」


橘「(なんだろう…不思議と怒りを覚えない…)」

橘「(それよりも…なんていうか、今にも崩れちゃいそうな絢辻さんが…)」

橘「(愛おしい!)」

梅原「た、大将?次にいくぞ?」

橘「お、おう」

絢辻「…」

橘「(絢辻さん、今にも泣きそうだ…)」


七咲「はい、次は私の番ですね」

七咲「先輩を罵るの、私もやろうと思ってたのに先にやらちゃいましたね」

七咲「先輩は女の子に罵られるのが好きな変態さんですものね」

俺は全員がいい

七咲「まぁ、それはいいです」

七咲「しかし、トリって辛いですね」

七咲「私もお腹とか脚とか考えてたんですけどね…」

七咲「うーん、もうこれしかないか!」

七咲「えい!」

バッ

橘「七咲、お前…」

梅原「Oh…上半身キャストオフとは…」

七咲「さすがに恥ずかしいですね…それに寒いです」

梅原「…で、どこにぬるんだい?」

七咲「梅原先輩は私を見ないでください。穢れる気がするんで」

梅原「」

七咲「私はここにぬります」

ぬりぬり

橘「おっぱい!おっぱい!」

七咲は地上に舞い降りた天使やで

七咲「私知ってますよ?自分の身体が貧しいことくらい」

七咲「でも、先にあれだけやられちゃったら…脱ぐしかないですよね」

七咲「先輩の…いえ、親友の美也ちゃんの為ならこれぐらい!」

七咲「それに…先輩?」

七咲「最近努力の甲斐があってか」

七咲「こうやって寄せると…よっと!」

七咲「谷間ができるようになったんですよ?」

橘「なに、この背徳感」

七咲「あ、しまった!」

七咲「もしかして先輩は水着の方がよかったですか!?だったら着替えてきます!」

橘「いや、まぁ、それはそれでありなんだけどさ…」

橘「(何でだろう…見ちゃいけないものを見てる気がする…)」

橘「(けど、目を背けられない!)」

橘「(それに…大きさ控えめながら水泳で鍛え上げられた美しい山並みじゃないか!)」

橘「(うん、これは素直にペロペロしたい)」

梅原「コホン…全員分のアピールが終わりましたので!」

梅原「あとは大将に選んで頂きましょう!」

梅原「では、どうぞ!Let's ペロペロ!」



橘「(うーん、困った)」

橘「(分かり切ってたことだけど、選べない)」

橘「(というか、全員ペロペロしたい)」

森島「私よね!?」

塚原「信じてるわ、橘くん」

絢辻「早くしなさいよ、この童貞」

七咲「私…ですよね?」


橘「(あー、もう!無理だよ!!)」

梅原「おい、大将。優柔不断はよくないぜ?本能に任せてババーンっといっちまいなよ!」

橘「ほ、本能!」

橘「そうだ!僕は犬なんだ!!」

橘「何だか獣の心がふつふつと湧いてきたぞ!」

橘純一(覚醒)

橘「よし、決めた!あの子にする!」

橘「わおーん!」


森島「(私よね!?)」

塚原「(橘くん…)」

絢辻「(さっさとしなしいよ!もう!)」

七咲「(きっと私のはず)」


梅原「い、いったかー!」




?「ちょっとあなた達、なにしてるの!?」

橘「…やっぱり、体育館なんかでやるんじゃなかったな、梅原」

梅原「あぁ、すまなかった、大将」

梅原「人払いを頼んでたから大丈夫だと思ったんだけどな」

橘「まさか、だよな」

梅原「麻耶ちゃんに現場を取り押さえられるなんてな」

生殺し半端ねえ

橘「現場を取り押さえられた僕らは、麻耶ちゃんにこっ酷く説教された」

橘「言い訳のしようがなかったから、素直に全てを話すしかなかった」

橘「何故か物分りのよかった麻耶ちゃんの温情で、家庭への連絡と問題を大きくされることは避けられた」

橘「その後、女の子たちは先に家に返され」

橘「僕と梅原は、麻耶ちゃんに心が折れるまで説教された」

~数日後~

絢辻「ねぇ、橘くん?」

橘「なに?」

絢辻「この前のことなんだけど、さ」

絢辻「あの邪魔者…高橋先生が踏み込んでこなかったら、誰を選んでたの?」

橘「…そ、それは…」

絢辻「…いい、答えなくて」

絢辻「あなたのことだから、私を傷つけないようなことしかいわないでしょ?」

橘「…」

絢辻「ま、それはいいんだけどさ」

絢辻「これ、受け取って?」

橘「…首輪?」

絢辻「うん、この前ポンプ小屋に監禁した時に使ったやつ」

橘「何でこれを?」

絢辻「…私、諦めてないから」

橘「えっ?」

絢辻「私、橘くんを自分の犬にするの諦めてないから」

絢辻「これからは、あなたに振り向いてもらえるよう努力するわ。…前向きにね」

絢辻「塚原先輩には負けたくないの」

絢辻「だから、もし…もしよ?私の犬になりたくなったら…」

絢辻「その首輪をして、私のところにきなさい!」





橘「これが僕の三人目の飼主、絢辻さんのお話」

麻耶「最近の若い子って、すごいのね」

麻耶「橘くんも隅に置けないわ。正直、驚愕よ」

麻耶「しかし、バター犬かぁ…」




麻耶「懐かしいなぁ、その響き」

あ、終わりです

ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました
それと、長時間の保守をありがとうございました


残りのキャラのは思いついたら書く

え?

思いついた

まだオチも決めてないけど、裡沙ちゃんで書いていい?

がんばれ

橘「そういえばさー、梅原?」

梅原「どうした、大将?」

橘「何で麻耶ちゃん、体育館にあんなジャストタイミングで踏み込めたんだろうな」

梅原「あぁ、それは俺も疑問に思ってたよ」

橘「まるで、誰かが頃合いを見計らって呼んできたみたいだよな」

梅原「う~ん、物陰から大将を見守るファンでもいたってか?モテる男はつらいねぇ」

橘「…そのことなんだけどさ」

橘「あの日から、視線をずっと感じるんだ」

梅原「…それは本当なのか?大将?」

橘「うん、本当に」

橘「それに今朝、下駄箱にこんな手紙が入ってた」


「あなたを助けたい。放課後、秘密の場所にきて」


梅原「助けたい…?大将、心当たりは?」

橘「いや、まったく」

橘「とりあえず、放課後会いにいってみるよ」

~放課後~

橘「…秘密の場所ってここのことだよな…?」

橘「よっこいしょっと」

橘「ん?もう誰かいるみたいだ」



裡沙「あ、橘くん!」

裡沙「来てくれたんだね、よかったー!」

橘「(誰だ、この子…知らない子だ…)」

裡沙「あ、私、上崎裡沙っていいます!」

裡沙「橘くんとは昔一緒の学校に通ってたことあるんだけど、さすがに忘れちゃってるよね!?」

裡沙「でも、いいの!こうやって橘くんがここに来てくれただけで、私は嬉しいから!」

裡沙「橘くんは助かりたいからここに来たんだよね!?うん、わかるよ!あんなの酷いもんね!」

橘「(勝手に話が進んでるんだけど…)」

橘「あの~、ごめん。何の話かな?」

裡沙「可哀想に…そうしろって言われてるのね…?でも、大丈夫!私が助けてあげる!」

裡沙「橘くんみたいないい人を、犬扱いするなんて、私許せないから!」

橘「(あぁ、やっぱりか)」

橘「もしかして、僕のことを…言葉が悪くて申し訳ないんだけど…最近つけ回してない?」

裡沙「私に気付いてくれてたんだね!?嬉しい!」

裡沙「でもね、実は最近からじゃなくて、ずっと前から橘くんのことを追いかけてるよ」

裡沙「おはようからおやすみまで、橘くんを見守ってるの」

橘「Oh…」

裡沙「そんなことより!私は橘くんを
助けなきゃいけないの!」

裡沙「だから、橘くん!私と付き合って!?」

橘「え?つまりどういう…」

裡沙「そのままの意味だよ?私の彼氏になって?」

橘「いや、だから何で…」

裡沙「そうだよね…私なんかじゃ駄目だよねうんわかってた釣り合わないことくらいあー穏便に済ませたかったけどこうなったら仕方ない」

裡沙「殺すしかない」

橘「!?」

ヤンデレスト子可愛い

橘「こ、殺すって!?誰を!?」

裡沙「え?橘くんを犬扱いする女どもを全員だよ?」

裡沙「気にしないで?私、橘くんの為ならなんでもできるから」

裡沙「じゃあ、いってきます」

橘「ちょっと待って!」

橘「裡沙ちゃん!?人殺しはいけないよ!?冗談でもそれは駄目だ!」

裡沙「冗談じゃないよ!私は本気!」

裡沙「橘くんを助けるにはそれしかないもん!」

裡沙「それに橘くんも橘くんだよ!助かりたいからここに来たんでしょ!?なのになんで止めるの!?」

橘「裡沙ちゃん!落ち着いて!」

橘「まずは僕と話し合おう!」

橘「その後、裡沙ちゃんとしばらく話し合った」

橘「彼女としては、僕が犬扱いされてるのがどうしても許せないようで」

橘「この前の一件で、決心したらしい」


裡沙「橘くんは私が何をしてでも助ける!」


橘「といった感じに」

橘「う~ん、別に僕は犬でもいいんだけどなぁ」

橘「僕と付き合うというのは」

橘「一日中僕に張り付いて護衛をしても周りに不思議がられないようにということと」

橘「僕に彼女ができれば、さすがの変態淑女も手を引くだろう、ということを狙ったものらしい」

橘「…すでに一日中張り付かれてた気がするのは置いといて」

橘「勢いで塚原先輩に告白しちゃった身としては、裡沙ちゃんと付き合うのは無理だ」

橘「でも付き合わないって言ったら死人が出そうだし…」

橘「どうすればいいんだ」

橘「…裡沙ちゃん?」

橘「あのさ、まずは友達からって辺りで手を打たない?」

裡沙「絶対に嫌」

橘「ですよねー」

裡沙「あ、思いついた」

橘「何を?」

裡沙「橘くんと付き合わなくても、橘くんを変態から守る方法」

橘「人殺しは駄目だよ?」

裡沙「うん、この方法なら誰も死なない…はず」

橘「そうか、それはよかった。で、どうやるの?」

裡沙「ごめんね、ちょっと痛いけど我慢してね」


鈍い音がした

僕は地面に接吻をした

橘「初めてのキスは床の味」

橘「それはそうと、僕は再び監禁されちゃったよ」

橘「二回目だよ、二回目」

橘「この短期間に女の子に二回も監禁されるなんて、ね」

橘「前回は首輪があったから逃げられなかったっけ」

橘「逃げる気もなかったけど」

橘「今回ばかりはいくら変態紳士を自負する僕もドン引きだよ」

橘「ミザリーって映画を知ってるかな?」


橘「つまり、そういうこと」

裡沙「橘くん…その、ごめんね?私が一生面倒をみるから!」

裡沙「騒いじゃ駄目だよ?」

裡沙「ここに橘くんがいるのがバレたら、
もう殺すしかなくなっちゃうからね?」

裡沙「私、必要なものを取りに帰るから」




橘「僕は今、所謂秘密の場所に監禁されている」

橘「秘密の場所だから、多分誰も助けに来てくれないし」

橘「逃げ出そうにも足を折られてるから動けない」

橘「塚原先輩…ごめんなさい」

裡沙「ただいま、橘くん」

裡沙「私がいうのもおかしいけど、元気にしてた?」

裡沙「そうそう、こんな場所だからトイレにもいけないじゃない?」

裡沙「だからね、買ってきたよ!」

ジャジャーン

橘「やっぱり、紙オムツか…」

裡沙「橘くん、自力じゃ履けないと思うから….私が履かせてあげるね!」

橘「」

橘「もう一週間になったかな」

橘「いくら僕がド変態でも、もう限界だよ!」

橘「そこで、謎の三択」


①変態紳士な橘純一は逆転の手を思いつく

②絢辻さん達が助けにくる。

③助からない。現実は非常である。


どれかな?>>380

橘「絢辻さん達が助けに来るか…うん、それがベストだな」

橘「逆転の一手がそんなに簡単に思いついたら、もう逃げ出してるよ!」


裡沙「橘…くん?何をブツブツいってるの?」

裡沙「まぁ、いいや。林檎が剥けたよ?はい、あーん」

橘「あーん」

裡沙「あ、その前に」

裡沙「私のことを愛してるっていって?」

橘「えっ?」

裡沙「橘くんの為にここまでしてるんだよ!?それぐらい、いってくれてもいいじゃない!?」

橘「そ、そんな…」

裡沙「じゃあ、何!?迷惑だったの!?私がここまでやってるのは橘くんにとっては、ただ傍迷惑なだけなのね!?」

裡沙「もういい…橘くんがそこまでいうなら」

裡沙「あなたを殺して、私も死ぬ!」

橘「!?」



?「はい、そこまでよ、と」

裡沙「だ、誰!?」

絢辻「あんたねぇ、今時流行らないわよ、そんなの」

塚原「橘くん!」

森島「わぉ!やっぱり修羅場ね!!」

七咲「修羅場って当たり前じゃないですか。先輩無事ですか?」


橘「本当に助けにきた!これで帰れる!」

安価出し始めたら廃る

裡沙「な、なんでここがわかったの!?」

絢辻「あんたねぇ、馬鹿なの?学校に紙オムツやら何やらあれだけ色々と持ち込んでたら、さすがに怪しまれるわよ?」

橘「じゃあ、もうちょっと早く助けにきてくれても…」

絢辻「うっさい、黙れ」

橘「」

絢辻「誤解しないで、橘くん?私はあなたを助けにきたんじゃないわよ?」

絢辻「そこの勘違いしたヤンデレ女にバター犬の素晴らしさを教えにきたのよ」

裡沙「バ、バター犬!?あなたたち変態淑女の仲間入りしろっていうの!?ふざけないで!?」

絢辻「へぇ、そんなことをいつまでいってられるかしらね?」

絢辻「それにねぇ、私にいわせれば」

絢辻「あなたが一番の変態なのよ。素質的な意味でもね」

裡沙「!?」

橘「絢辻さん、さすがに刃物を持った相手を刺激するのは…」

絢辻「刃物を持った相手、ねぇ。橘くん?この子に人を刺す勇気があると思う?」

絢辻「いつまただ遠くから見てるだけの意気地なしに、そんな勇気があるわけないわ」

裡沙「ば、馬鹿にしないで!?」

絢辻「ふーん?ならば、私を刺しなさい」

絢辻「文字通り、刺し違えてやるわ」

カランッ

橘「あ、ナイフを…」

裡沙「ううぅ…私は…私は…」

絢辻「うんうん、あなたにしては頑張ったわ」

絢辻「それじゃあ、行こっか」

裡沙「…え?…どこへ?」

絢辻「さっきも言ったでしょ?淑女の社交界、によ」

森島「というわけで、借りてくわね♪」

七咲「先輩?あとでちゃんと助けにきますから待っててくださいね?」

塚原「ごめんなさい、橘くん。そういうことだから」

森島「Let's go!」

バタン


橘「え、嘘。本当に放置なの?」

橘「で、その一日後に僕は保護された」

橘「ちなみに発見したのは麻耶ちゃん」

橘「また酷く説教された。僕は何も悪くないのに…」

橘「僕が一週間ほど失踪する大事件だったのにも関わらず、世間どころか美也にまでスルーされてるのが腑に落ちないけど」

橘「とにかく、僕は助かった」

橘「折れた足も初期段階での処置がよかったらしく、ちゃんと治るみたいでよかった」

橘「ちなみに裡沙ちゃんには、あの後一回も会っていない」

橘「だからどうなったのかも、僕はわからない」

橘「絢辻さんに聞いてみても」


絢辻「彼女はどこに出しても恥ずかしくない、立派な淑女になったわ。やっぱり私の見る目は正しかった!」


橘「としか教えてくれない」


橘「先生、裡沙ちゃんをペロペロしたかったです…」

橘「なぁ、梅原」

梅原「どうした?大将?」

橘「美也のヤツが最近酷いんだ」

梅原「というと?」

橘「この前、僕が監禁されたことあったろ?」

梅原「え?…大将、そんなことあったか?」

橘「あったんだよ!何だよ、梅原までそれかよ!」

梅原「すまん、冗談だ。で、美也ちゃんがどうした?」

橘「いやさ、久しぶりに家に帰ったのに『おかえり』も言ってくれないんだ」

梅原「それは普通に酷いな。大将、
心当たりはないのか?」

橘「いや、特にないんだよね」

橘「強いていうなら…」


美也「にぃに…みゃーのことはペロペロしないの…?」


橘「…って言ってたくらいだけど、正直なにがなにやら…」

梅原「Oh…」

橘「梅原、よく考えてみろよ」

橘「実の妹をペロペロするなんて、変態のやることじゃないか」

梅原「えっ?」

橘「いくら僕でも、その辺の線引きはちゃんとしたいんだ」

梅原「お、おう」

~その日の夜~

トントン

橘「はい?」

美也「にぃに、今ちょっといい?」

橘「入っていいぞー」

美也「失礼するのだ!」

橘「で、どうしたんだ?」

美也「その…」

橘「?」

美也「にぃに!ごめんなさい!」

美也「最近、にぃにがみゃーのことを構ってくれないから」

美也「みゃーもにぃににやり返そうと思って、にぃにのこと無視しちゃってた!」

美也「ごめん、にぃに!足の骨折ったりして大変だったのに…」

美也「みゃーは、みゃーは…」

橘「…美也…気にすることないぞ」

橘「僕も美也のことを構ってやれなくて悪かった、ごめんな」

美也「にぃに…」

美也「みゃーね、仲直りしたかったから逢ちゃんに相談したんだ」

美也「そしたらね、逢ちゃんが」


七咲「美也ちゃん、あの変態…いえ、お兄さんと仲直りしたかったから、これしかないわ」


美也「…っていって、これを渡してくれたの」

橘「なにそのバター」

美也「にぃにはね、バターに目がないって、逢ちゃんが言ってたの」

美也「それでね、ペロペロしてもらってきなさいって」

美也「にぃに…みゃーをペロペロ…して?」

橘「ちょっと待って、ちょっと待って」



橘「おい、七咲!うちの妹になにしてくれるんだ!」

橘「どうせどこかで見てるんだろ!?出てこい!」




七咲「ばれちゃってますけど、どうします?」

絢辻「七咲さん、こっちの正確な場所を把握されてるわけじゃないわ。監視を続けましょう」

wktk

美也「にぃに…?にぃにはさ、みゃーをペロペロしたくないの…?」

橘「ペロペロしたいとかしたくないじゃなくて…僕らは兄妹じゃないか!」

美也「兄妹なんて関係ないよ!みゃーはね、にぃににペロペロしてもらいたいの!」

美也「そりゃ、みゃーは森島先輩みたいにスタイルがいいわけじゃないけど…」

美也「にぃに、みゃーじゃ駄目なのかな!?そんなに魅力がないのかな!?」

美也「みゃーは…みゃーは…」

橘「美也…」



七咲「あーあ、泣かせちゃいましたね」

絢辻「紳士失格、ね」

橘「梅原…その辺の線引きはちゃんとしたいっていったな…」

橘「すまん、あれは嘘だった」





橘「よし!今晩は美也をペロペロするぞ!美也、覚悟しろ!」

美也「に、にぃに!!」

さすが純一さん

橘「で、美也、お兄さんにどこをペロペロしてもらいたいのかいいなさい」

美也「みゃーはね…みゃーはね…と、とりあえず、耳かな!」

橘「耳か。ならバターはまだいらないな…」

橘「よし、美也。ちょっとこっちこい」

美也「う、うん!」



七咲「美しい兄妹愛ですね」

絢辻「えぇ、嫉妬しちゃうわ」

橘「じゃあ、いくぞ、美也」

美也「ま、待って!」

橘「どうした?やっぱりやめるか?」

美也「そ、そうじゃなくて…にぃに、みゃーをね、ギュっとしてほしいの」

橘「ああ、わかった。ギュっと、ね」

ギュっ

美也「あっ…にぃに…」




絢辻「待て、橘純一。それは許可してない」
七咲「先輩!落ち着いてください!」

橘「じゃあ、今度こそいくぞ」

美也「うん…」

ペロ…ペロペロっ

美也「(に、にぃにの吐息とヌルヌルしたベロがみゃーの耳の中に!)」

美也「ん……ふっ………あっ、にぃにちょっとぉ…激しいよぉ…」





絢辻「ちょっと美也ちゃんと代わってくる。止めないで、七咲さん」

七咲さん「いや、ここは私が…じゃなくて、駄目ですって!」

橘「(美也は耳が弱いのか?)」

橘「(じゃあ、こんなのはどうだ?)」

はむっ

美也「…っ!…にぃにぃ…甘噛みしちゃ駄目だよ…んっ…」

ペロペロっ…ちゅー…

美也「…吸うのも駄目っ!そんなにされたら…みゃーは…みゃーはっ…」



絢辻「七咲さん、ティッシュあるかしら?鼻血が止まらないのよ」

七咲さん「はい、どうぞ」

美也「にぃに…ペロペロはもういい」

橘「ん?もういいのか?」

美也「にしし、今度はね、みゃーがにぃににペロペロするのだ!」





絢辻「あ!その手があったか!」
七咲「え?気付いてなかったんですか?」

美也「みゃーはね、にぃにの、この硬い部分をペロペロするのだ!」

橘「」

美也「よし、バターをぬって、と」

橘「」

美也「じゃあ、いくよ?にぃに…」

ガタッ


絢辻「ちょ、ちょっと待ったっー!」

七咲「先輩!不潔です!実の妹に、そんな、そんなものをペロペロさせて!」

美也「えっ!?」

ペロペロっ



絢辻「ひ、額…?」

七咲「あれっ?おかしいなぁ…」




橘「お前ら、ちょっと座れ。話がある。」

橘「逃げるな!ちょっと待て!」

橘「その後、二人を捕まえて、朝まで説教してやった」

橘「予想外に絢辻さんが大人しくて可愛かったが、そんなの関係ない。日頃の恨み、はらさずにおくべきか」

橘「あと、七咲には郁夫をペロペロしてこいと指示しといた。勿論監視する予定」


橘「そうそう、美也はあの日から大変機嫌が良い」

橘「今朝は早起きして、僕のお弁当を作ってたらしい」

橘「…正直勘弁願いたいが、その気持ちは嬉しいのでよしとしよう」





おしまい

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