王「勇者よ、お主の旅は基本無料じゃ」パート2 (268)

スレ立てたばかりだが、続きは明日に。すまぬ

勇者「てつをRX、お前 ノブヒコとの決着が着いたというのか!」

てつをRX「ノブヒコは……そんな事より勇者くん、今は目の前の敵に集中するんだ!」

女神「やりましたね、勇者よ。私の力とあなたの『超勇者級の幸運』が上手く発揮したのです」

女神「土壇場で、この絶体絶命のピンチに現われる頼れる助っ人の登場。まさに幸運!そしてコレこそ『ヒーローの証』でしょう!」

勇者「ヒーロー……そうだ、僕こそが『真の勇者』。主人公にして最強! もはや恐れる物は何もないッ!」

勇者「見ているか魔王? コイツが僕の力だぜ。てつをRXさえいれば、貴様に苦戦させられることもないだろうよ」 女神「ふふーんっ、チート級万歳!」

デブ勇者「おやおやおや、勝ち誇るのが早いじゃないかさ。せっかくの補正を台無しにしてしまう気かい? 勇者きゅんよ」

デブ勇者「今の台詞は完全に『敗北フラグ』ではありませぬかぁ~~~ここからボロボロに負けちゃっても文句は言えないよん」

勇者「果たしてソイツはどうだろう。お前をこの世から滅ぼす方法は分からんが、とにかく この『勇者×バトル』にはかならず勝利してみせる!」

女神「ええ、その意気です。ですがね勇者よ、あなたの『精神力』が底を尽きかけているのですよね」

げんざい 『精神力:05/96』 だ!

女神「おそらく さっきまでの絶望的展開で相当堪えていたのでしょう」

デブ勇者「そして、魔王ちゃんのプレッシャーに押し潰されちゃいそうになってる可愛い勇者きゅん!」

デブ勇者「別に我は意識しているわけでもないんだけどね、どうしても溢れる強さは抑えられないの。つまり、勇者きゅんの状態は」

デブ勇者「猫に追い込まれ、絶望したネズミと言ったところかな。前に我に負けたのも手伝って、強がって見せるが 内心ビクビクって感じ。でしょう?」

女神「それが何だというのです! 『窮鼠、猫を噛む』ですわ。ココで勇者はあなたを倒し、前回の屈辱をきっと晴らすでしょう!」

女神「さぁ、勇者よ……課金です……精神力を課金で回復するのです……50%回復に250円、全快に500円になります……払うのです」

デブ勇者「あれれ? 規定の課金額をオーバーしてるんですけど」

勇者「オイ、ドが付く屑」   女神「ああっ、余計な…ゲフンゲフン! コレは手数料込みのお値段ですよ!」

デブ勇者「何が改心しました、ですかァー? 女神ちゃんはちゃっかりしてまちゅねぇ~!」

女神「卑怯物め、そうして勇者をまた惑わそうとする!」  勇者「最初から信じちゃいないから安心してくれ」

勇者「……しかし、このまま『バトル』を継続させる為には止むを得ない。女神! 僕の『精神力ゲージ』を回復するんだ! 満タンで!」

女神「レギュラー満タン入りましたわぁ~♪ お支払いはカード?」  勇者「ふざけてる場合じゃねーのがいい加減分からんか!」

女神(勇者よ、よくお聞きなさいな。今のは単なるジョーク。あなたの緊張を解してあげようという、美しい女神さまの気遣いなのです)

勇者(つまり、さっきの課金額も冗談と)  女神(ええ!! その通りなのです…うふふ、私がセコい事するワケがありませんでしょう?)

女神「300円で満タン回復になりますよ、勇者。さぁ、課金を!」  勇者「安い! 課金するッ!」

キミは 女神へ 300円支払って 精神力が げんかいまで 回復した!

デブ勇者「50円ボッてるぅぅぅ……」

勇者「は?」   女神「騙されてはいけません。魔王はウソをついているのです!」

勇者「この場には詐欺師しかいないのだろうか……もういいっ、最終ラウンドと行こうか! 魔王よ!」

デブ勇者「だから勇者きゅんはいつになれば学習してくれるのかしら」

勇者「何だと……ま、まさか!」

BJ「コレより緊急オペを始める。キノコ、メス」  キノコ「先生、愛ちてるわ。はい、メチュ」

てつをRX「やめろ! 俺をどうするつもりだ!?」

すでにBJのスキルが はつどう していた!

勇者「うおおおおおおぉぉぉ~~~!!? こ、今度はてつをが手術されちまう!!」

女神「な、何をボサッとしているのです 勇者。手持ちの武器であなたが阻止しなくては!」  勇者「畜生、言われんでもッ!」

キミは 『ド乳化ラーメン二郎』を そうびした!

BJ「何故この患者には麻酔が効かないのだろう。コラ暴れるな! あんたの為のオペなんだぞ!」

てつをRX「俺はどこもおかしくはない! 見て分からないのか! や゛め゛ろ゛!!」

勇者「これ以上僕の仲間を好きにさせて堪るものか……」

キミの こうげき! しかし、ぜかましちゃんが キミの前に 立ちはだかる!

ぜかまし「提督の命令で通すワケにはいかないよ。ぜかましが相手になるんだから!」

勇者「コイツは……痛い目に合いたくなければ退け、駆逐艦娘よ。さもなくば、この熱々ラーメンをその綺麗な顔にぶちまけてやる」

デブ勇者「勇者きゅんサイテー! …ほらほら、急がないと『てつをRX』が ただの『倉田てつを』に変わっちまうぜー」

勇者「くっ……」   女神「てつを的にはある意味幸せかもしれませんけどね」

そのとき ふしぎなことが おこった!

てつをRXのスキルはつどう! 怒りのフォームチェンジ!

バイオてつを「 」ニュルンニュルン

BJ「はっ!? 患者の体が急にゲル化し始めた、コイツは宇宙人なのか!」

女神「ああ、すっかり忘れていましたわ……チートと呼ばれる由来の一つを」

てつをRXは バイオてつをへ 変身して BJの拘束から 逃れた!

バイオてつを「勇者くん、油断してしまったようですまない」   勇者「いや、お前ならきっと何とかなると僕は信じていた」

勇者「手始めにそこの艦隊娘を倒す!! てつをRX、ヤツへ攻撃を仕掛けろ!!」

バイオてつを「ブワッ!!」

バイオてつをのこうげき! バイオブレードが唸りをあげる!

デブ勇者「させないじゃん? ぜかましちゃん、お前の真の速さを奴らへ見せつけてやるのだよ」

ぜかまし「了解だよ、提督ー!」

ぜかましのこうげき! 超高速で キミたちへ せっきんする!

勇者「     」   女神「     」

ぜかまし「私の速さには誰も着いて来れないんだから! 私が『一番速い』んだから!」

ぜかましの 光を越えた速さは もはや 周りの 時が凍結しているのと どうぜん だ!

ぜかまし一人をのぞいて 全ての時間は とまる!

ぜかまし「ぜかまし・ザ・ワールドッ!! 『時は止まる』」

ぜかまし「今のウチに一斉射撃を叩き込んじゃうんだから。何がチート! 全然怖くない!」

ぜかましの こうげき! 連装砲ちゃんが 火を吹き、砲弾が キミたちへ 飛ぶ!

砲弾は キミたちの 手前で 動きを制止させて その時をまっている!

ぜかまし「コレが正真正銘『最後の時間停止』。残り2秒! ……敵艦隊、撃滅をかく――――」

てつをRX「それを言うにはまだ気が早いんじゃないかな?」

ぜかまし「おっ!? ど、どうして止まった時間の中を、ぜかましの『速さ』に着いてこられてるの!?」

てつをRX「俺には時間停止なんてものは通用し゛な゛い゛! とあっ!」

てつをRXは 砲弾を リボルケインで つぎつぎと 破壊した!

デデデデカカンッデデデデデ…ウェイカッ!! ウェイカッ…ウェイカ…ウェイカ……♪

ぜかまし「ぜかましより速いなんて絶対に許さない! 沈めてやるんだから!」

てつをRX「この世に光がある限り、てつをRXは不滅だ! か゛く゛こ゛し゛ろ゛、クライシス!」

ぜかましのこうげき! 連装砲ちゃんから 放たれる砲弾が てつをRXへ ちょくげきする!

てつをRX「ぶわぁっ!!」

ぜかまし「遅いよ! そんな速さで私に着いてこられると思ってるの! もう一発撃ち込む!」

ぜかましのこうげき! てつをRXへ ついげき!

てつをRX「ぐわぁああああぁーーーっ!?」ドーン

てつをRXは ぜかましの 先制連続攻撃に 圧倒され たおれてしまった!

ぜかまし「やっぱり私が一番速かったね~! この時間停止中に一気にケリをつけるから!」

てつをRX「くっ……」

そのとき ふしぎなことが おこった!

てつをRXが 突き破ってきた フロアの天井から たいようのひかりが さしこむ!

てつをRXのスキルはつどう! 太陽の光をあびることで HPが 全回復した!

ぜかまし「おっ!!?」

てつをRX「はっ……い゛ま゛た゛っ!!」

てつをRXのこうげき! 連装砲ちゃんたちの 砲身を 蹴りで 叩きおった!

連装砲ちゃんが 傷ついたことで ぜかましの 攻撃力が ぐーんとさがる!

カメンライダー クロイボディー

ぜかまし「ああっ、しまったぁー!? こんなの卑怯だよ!!」

カメンライダー マァッカナメー

てつをRX「光がある限り、俺はいつでも蘇る! リボルケイン! ぶあ゛っっっ!!」

てつをRXのこうげき! リボルケインが ぜかましを つらぬく!

ぜかまし「ひぎぃ! ……ぜかましが……一番、はやいはず……だったのに」

カメンラァーイダァーブラァーッ アーエッ!!

てつをRX「一欠」

止まっていた時間が ふたたび うごきだす!

ぜかまし「おっ/// ……!」チュドーン

ぜかましはあられもない姿へかわり 大爆発をおこして 大破した!

勇者「――――――てつを……やったのか!? ぜかましを!」

デブ勇者「あーらら、このデブだいぶ悲惨だこと……まぁ、我の知ったことではないがねッ!!」

女神「一体何がどうなっていたのかさっぱりですが、魔王の仲間はBJだけです! 勝てますよ、勇者!」

勇者「だから最初に言っただろう? 『勝つ』のは僕なんだってな……」

デブ勇者「それ全部『てつをRX』のお陰じゃーん! 勇者きゅん別に何もしてないじゃーん!」

デブ勇者「そんなので『真の勇者』ぁ? 仲間は全て、運営が授けた力よん? 勇者きゅんの実力関係なくね?」

勇者「勝てば正義だッ!! 知るかそんなことは! この力を使いこなし、貴様を屠る……死ね、悪の元凶・魔王よッ!!」

BJ「正義か。そんなもんはこの世の中にありはしない」

デブ勇者「では、ドクターBJ。お願いします……」

BJ「その金は受け取れない。それから、勘違いしないで欲しい。医者は患者を治すだけが商売だ。さようなら……」

BJは 戦闘から りだつ してしまった!

デブ勇者「あのヤロー……我がどうなっても良いってのか、医者のくせに。だからモグリなんだよぉー!」

デブ勇者「……というワケだがね、勇者きゅん。我の仲間は一人もいなくなってしまったのだ。じゃんじゃん♪」

勇者「貴様には慈悲をかける気すら起きん。遠慮なくぶっ殺してやるからな」

デブ勇者「ふぇぇ……おにいちゃんこわいよぉ……」

勇者「『汚い』面してそんな台詞を吐き出すんじゃねぇ!!」

てつをRX「キングストーンフラッシュッッッ」

てつをRXのこうげき! 王石が はげしくかがやいて デブ勇者(魔王)の目を つぶす!

デブ勇者「ぐっ!? な、何も見えんwwwwww目がwwwwww」

てつをRX「RXキィイーーーック!!」

てつをRXのこうげき! RXキックで ひるんだデブ勇者(魔王)を ふっ飛ばした!

デブ勇者「うひひwwwwww超いてぇwwwwww」

勇者「とどめだ、てつをRX!」

てつをRX「!!」ズブリ

てつをRXのこうげき! リボルケインが デブ勇者(魔王)を つらぬく!

デブ勇者「あっ……あん……はぁ、あっ、あっ……らめ、そこ…奥…つんつんしちゃぁ…///」

てつをRX「一欠」

デブ勇者「らめっ――――――――――――――――――――」

デブ勇者「    」チュドーン

女神「トドメの一撃が完璧に決まりましたわ!!」   勇者「やったか!?」

あたりには 肉片らしき ものがとびちっている!

勇者「えぐいっ」   女神「どうやらデブ勇者の体は散ったようですね」

女神「問題は魔王の『魂』の方です。ヤツのことですから、きっとあの体から抜け出て、生き延びている筈でしょう…」

勇者「だが、探しても見つからんぞ。落ちてるのは肉とラードのみだぜ? ひょっとしたら デブ勇者ごと始末できたかもしれない」

女神「いいえ、彼奴はそこまで間抜けではないでしょう。気を付けるのです、勇者よ」

女神「魔王は……最初から『敗北』するつもりであなたへ挑んだと、私には思えますわ」

勇者「バカな。確かに手を抜いているようには見えたけれど、そんな事してヤツに得があるか?」

勇者「魔王は初めから僕の『超勇者級の幸運』を見定めようとしていた。それは失敗に終わった! 僕の勝ちだ!」

勇者「つまり……世界へ平穏がおとずれたんだよ、女神……そして、僕が魔王を倒して『真の勇者』の称号を得たワケさ……!」

女神「倒したのは『てつをRX』ですから、別に勇者の手柄でも……でも、本当にコレで終わりならば、Nさま、いいえ、ゴッド女神さまも報われたでしょうかね」

勇者「ああ、きっとそうに違いない。……コレで僕たちの旅も終わりなんだな。長かったようで、短かったような」

勇者「女神よ、お前には散々苦しまされたし、嫌な思いしかさせられなかったが……最初から最後まで、一貫として屑だったよ。もう用無しさ」

女神「ひどい! あんまりすぎるではありませんかっ、勇者のおバカ! 最後に相棒へ語りかける言葉がソレですか!?」

勇者「だって本当のことだし」  女神「ウソおっしゃいな! 何度もあなたを助けたのに!」

勇者「さて、魔王も倒したし、『VITAちゃん』を亡霊たちの元へ連れて帰らなきゃね」  女神「非情すぎます…」

VITA「モンハン移植どうして来ないの!? VITAが一番モンハンやるのに適してるんだよぉ!?」

勇者「……VITAちゃん? どうして魔王を倒したのに、洗脳が解けていないんだ。魔王とは関係ないのか?」

女神「どうでしょうか。それは私も少し分かりかねませんよ……とにかく、力尽くでどうにかしましょうか」

勇者「そうだな――――――」

突然 VITAちゃんが くるしみはじめた!

VITA「うっ!? ううぅぅぅ~……絶望だよぉ……もう負けハードなんて呼ばれたくないのに……埃被りたくないよぉ」

勇者「おい、VITAちゃんどうしたんだ? 様子がさらにおかしくなったぞ……!」

女神「何か嫌な予感がしますわ、勇者……! は、離れるのです、急いで!」

VITA「3DSちゃん許すまじ――――――」カ チッ

VITAちゃんが 爆発をおこした!

勇者「び、VITAちゃんが……死んだ……」

女神「ああっ、あまりの絶望に耐えられずに爆死してしまうなんて。不憫な子……む」

女神「勇者よ! VITAちゃんの残骸の中から、『何か』が出てきましたわ」

勇者「何だと?」

?「ふぅむぅぅぅー……少し想像していた力の感覚とは違うが、悪くはないではないか」

勇者「人間? だ、誰だ……ココには僕とデブしかいなかったんだぞ。それに、この声は何処かで聴いた覚えが」

秘書女神「おはようございます、主よ。『超勇者級の幸運』を解析し、VITAちゃんへデータを送り込めました」

女神「ひ、秘書女神ですって!? いつからそこに!」

秘書女神「フフ……確かに『成功』です、主。あなた様は見事、誰にも負けない、真の最強の『力』を手に入れました」

秘書女神「媒体へ使用した『VITAちゃん』が良かった。彼女の『絶望』がより力を高め、質良くしてくれたのでしょう」

秘書女神「全てはあなた様の計画通りに進み、終えました。素晴らしい」

?「そうかそうか。うーん、あっさり過ぎて実感は沸かんが、そうか。また『我』は強くなってしまったか」

勇者「ま、まさか……お前は……」

爆煙がようやくはれる! その中からあらわれた 人物の姿に キミは 驚愕した!

勇者父「やっほ、勇者きゅん」

勇者「とう、さん……だとぉ……っ!?」

女神「いいえ、違います勇者。確かにアレはあなたのお父上ですが、中身が、違うのです!」

勇者父「そうなの! ボクは魔王ちゃんですっ(゚∀゚)」

勇者「う、ウソだ……こんな事ありえないだろう……だって父さんはしっかり家に帰った筈なんだ、だのに」

勇者父「完全に油断していたのかしらね? まぁ、例え人間どもに『伝説の勇者』と呼ばれようが、我にとってはタダの小僧よ」

勇者父「特に問題なく身体を乗っ取れちゃったの」

勇者「そんなぁ……!!」

キミは ひざから くずれおちてしまった!

女神「ゆ、勇者! しっかりなさいな! 魔王が目の前にいるのですっ、生きていたのですよ!?」

勇者「……」  女神「ああ、勇者……」

勇者父「人間最強の身体か。世界最強の我には相応しくは無いチンケな物だが、お前の力を扱いこなすには血の繋がりがあるコレの身体が必要だったのだ」

勇者父「ご存じ、この『不思議なダンジョン』はお前の『超勇者級の幸運』を限界まで引き出させ、解析するだけの物よ」

勇者父「そしてボスの『VITAちゃん』に解析したコピーデータを送り、この身体へ蓄積させる為の憑代」

勇者父「パパンがすぐ近くにいたのに気が付かなかったのかい、勇者きゅん。まぁ、気づけるワケがないわな」

女神「なぜこの様な非道な真似をするのですか、魔王よ! その『力』を手に入れて何を企んでいるのです!」

勇者父「他人が持っている珍しい品は、喉から手が出るほど欲しくなるもんでしょう。魔王的に」

勇者父「正直上手く使いこなせてない勇者きゅんには『過ぎたおもちゃ』だと思うのよねぇ。だから、この我が有効活用してやろうかなと」

勇者父「本当はこんなオヤジの身体より、若くてピチピチな勇者きゅんの身体に入っても良かったけど、無理だったのよな。残念ながら」

女神「主人公の補正……『超勇者級の幸運』が邪魔をして、あなたの憑依を防いだワケですか」

勇者父「そう。だから、こんな面倒な事までしてやったのよーん」

勇者父「この我、魔王が持った『超勇者級の幸運』……貴様ら下等生物どもにとっては脅威でしかあるまい?」

勇者父「いわば『超魔王級の絶望』と言ったところかねーッ!!」

女神「ちょ、『超魔王級の絶望』ですって……?」

勇者父「現にさっそく勇者きゅん絶望させちゃったところだしwwwwwwレイプ目やwwwwww」

勇者「父さん……」ガクッ

勇者父「おいで、勇者きゅん。我が勇者きゅんの新しいパパンよ (*´Д`*)」

ここまで。続きは日曜あたりに

女神「何故です。何故、あなたが魔王へ加担するのですか! 秘書女神よ!」

秘書女神「あなたがそれを言えた口ではないでしょう?」

秘書女神「もう気づいている筈、いいえ、気づいていたと言うべきかしら」

女神「…………~♪」

秘書女神「相変わらず誤魔化し方が下手。もう皆が知っていることですよ、女神」

秘書女神「あなたは『勇者システム』、そして『運営』の秘密へ近づき過ぎました。たかが末端の女神程度がよくもまぁ辿り着けたものです」

女神「わ、私を誰と知っての言葉でしょうかね……あの『スーパークールビューティ女神さま』とはこの私のこと……!」

女神「これ以上バカにしないで頂きたいですわ! それにあなただって私と同位の女神でしょうに!」

秘書女神「『秘書』の肩書は伊達ではないですよ。私は生まれ持っての側近。あのお方へ仕える運命だったの」

秘書女神「『同じ』じゃない。私は既にあのお方の右腕と呼んで良い存在です。……さて、与太話はこの辺で止めましょうか」

秘書女神「主よ、彼女も、そこで消沈している『出来損ない』も、既に不要でしょう。十分泳がせてあげましたし」

女神「私の勇者は確かに出来損なってますが、言う程酷くもないかと!」  勇者父「フォローになってないよぉ!」

勇者父「まぁまぁまぁまぁ~そうやってすぐ結論を急ぐのは良くない癖だと思いますよ、魔王的に」

秘書女神「しかし」   勇者父「魔王的にぃ!!……我より出しゃばる奴にはげきおこ」

秘書女神「くっ……」  女神「やーいwwww調子乗った矢先にププーッwwww」

女神「……秘書女神よ、もう一度問いましょう。何故 世界最大の敵である『魔王』へ加担するのです」

女神「確かにあなたは昔から気に食わない痰カスでしたが! それでも悪の道へ進むような子ではなかったでしょう!」

女神「さては、私同様に、幹部たちやその周辺の女神に脅しをかけられて」

勇者父「そうじゃない。残念だけど、そうじゃないんだよー女神ちゃん」

勇者父「彼女はさぁ、まぁ成績も優秀だったわけよ。キミなんかよりずーっと」  女神「くっ、いまその話は関係ないでしょう!!」

勇者父「で、業務成績も下っ端女神の中じゃあNO,1だったんだねぇ。すると昇進の話なんかも来る」

勇者父「いや、魔王的にもさ。彼女の働きっぷりには目を見張るものがあったわけ。で、部下にお願いして直接会おうってなったんだ」

勇者父「そしたらさぁ~~~ 最初から運営トップに居座っているのも、運営を築いたのも、我だったって彼女はもう知ってたの。超ビックリね」

女神「どうして?」   秘書女神「元々、私はコネで入社した。女神大学での先輩『黒女神さん』のね」

女神「こ、コネっ……し、しかも姉さんの……私の立場にもなってみなさい!! 必死で就活してようやく内定を手に入れた、この私の立場を!!」

秘書女神「彼女は、あなたのお姉さまでしたね。とても良い女神さまですよ。尊敬している」

秘書女神「そんなお姉さまが以前食事の場で一緒になったとき、こっそり教えてくれたのです。そして言ってくださった」

秘書女神「『私と共に、天界を統べないか』と」

女神「だから魔王の下へ付き、ヘコヘコ頭下げる毎日を送っていると? くだらないです! そんなガキの夢なんかの為に!」

秘書女神「ふん、昨今の天界は腐っていました。あの『元ゴッド女神』がマイペース過ぎたから」

秘書女神「そして、人間なんて類人猿との共存を目指していて……ああ、考えるだけでもおぞましいです」

秘書女神「あの様なミニマム味噌がつまった下等生物とヘーコラして暮らそうですって? 私たちは女神ですよ。神なのですよ?」

秘書女神「人間は皆、神によって生み出されたのです。今の人間たちは全てが劣化している。だから、一度滅ぼして作り直しなんてどうでしょう?」

女神「典型的悪役へ染まっていましたね!! 実は真のラスボスはあなたでも私絶対驚きませんから!!」

秘書女神「いいえ、滅ぼすのです。そして新たな人間へ変わる優秀な生物を作り出し、それらを奴隷して扱き使うのです。つまり、私たち女神が一生楽して暮らせる」

秘書女神「『ユートピア』を作るのですよぉ! 考えても御覧なさい、きっとあなたもお気に召す世界が待っているのですから!」

女神「人の話を無視したまではいいとして……秘書女神よ、あなたのその考えは」

秘書女神「そう、搾取! 寄生! 自由! ……『ニート』」

女神「ああっ、ひどいド畜生屑ですわっ……」

秘書女神「昔からこの肩書のせいで『真面目ちゃん』のイメージが着いて回っていたのがとても苦痛でした」

秘書女神「本当の私は怠惰で、世の中何一つに興味すら持てず、お昼寝大好き女神。何よりも働くのが嫌い」

秘書女神「ならば別の誰かへ負担をかけさせ、自分が楽になるのが、この私の夢! 飽きたら死ねば良いのです!」

女神「くずぅーっ!!」  秘書女神「ええっ、何とでも言えばいい!!」

秘書女神「『人の不幸は蜜の味』……このまま人間たちを『勇者システム』によって内部崩壊させ、苦しむ様をネットの掲示板でプギャーするのがとても楽しみで仕方がないですよ、女神」

女神「秘書女神! そんな事をしたって最終的に魔王が世界を破壊しつくしてしまうかもしれないのに!」

女神「ヤツの下へ付いても良いことはありませんわ。きっと裏切られてあなたは悲惨に幕を閉じるでしょう……」

秘書女神「我が主がですって? 主は私の考えに共感してくださったのです……それにたとえ裏切られ、始末されようが」

秘書女神「『苦しまずに死ねた』と思えば、それは幸福ではありませんか。夢は実現できなかった、しかし、この腐敗した世界に堕とされて哀れな私。ならば、さっさと死ねてハッピーです」

女神「予想外に狂っていますね、あなたは……」

秘書女神「あなたのお姉さまだって私の思想とは微妙に異なりますが、人間を奴隷化しようと企んでいるのですよ」

秘書女神「彼女は夢であった『女王さま』として、人々からチヤホヤされようとしているのです。そして、ゴッド女神となり、我々女神を導いてくれるのです……」

秘書女神「ねぇ、あなたもどうです? 共感して頂けたのなら、仲直りして目指しましょうよ。『ニートこそが正義の世界』を」

女神「くっ……確かに働く必要もなく、一生遊んで暮らせる世界は魅力的……」

女神「ですが、秘書女神。私は『自分で稼ぐ』楽しさをよく知っていますわ。お金とは汗水垂らして、それでやっと手に入るからこそ、価値があるのですよ!」

勇者父「偉い! でも、女神ちゃんたちの場合は 汗水垂らして稼いだ人間から、あの手この手で騙し取ってるんだけどね」

女神「それすらも出来なくて、あのスリルを味わえない世界なんて要らないのです! 見える搾取より、ギリギリのグレーゾーンで搾取した方が良い! じ、自分でも何を言ってるのか分かりません!」

勇者父「ほんとっすよwwww」

女神「とにかく! 秘書女神、あなたも女神の一人ならば Nさまの、ゴッド女神さまの教えに従い、道を正しましょう。今ならまだ間に合うのだから!」

勇者父「間に合わないでしょー? だってアイツもういねーし。今のゴッド女神は我だし。あ、いまの軽くネタばれだったわ」

女神「とっくの昔に知っていますよぉ!!」

勇者父「あれあれ、じゃあどうしてまだ運営に従って勇者くんをサポートしちゃってるのかな?」

女神「ああっ、しまった!」

勇者父「魔王の下へ付くのはよろしくない、魔王は世界の敵、元ゴッド女神を始末した敵」

勇者父「そこまで分かっていてまだ忠実に仕事をこなそうとしているのは、どーして? ねーねー? どーしてー?」

勇者父「決まってるよなwwwwww勇者システムに頼らなきゃ魔物にも他の勇者にも、我にも対抗できないもんなwwwwww」

勇者父「Nちゃんからあの時言われたんでちょ? 今は逆らうなって。運営に従うフリをして好機を待てとか」

女神「あわわわわっ……」

勇者父「そ・れ・と・もぉ、もう何か策を考えていたりとか。ないよねwwwwあるなら、こんなダンジョンとかで余計な時間潰すわけないものwwww」

勇者父「あら? って事は女神ちゃんも勇者きゅんもさぁ、既に詰んでんじゃね~~~!?」

女神「う、うう……そんな事はないですもん……!」グスン

勇者父「残念だったね。いやー、でもよく頑張った方だと思うよキミたちは。あーあ、可哀想に」

勇者父「ねぇねぇ今どんな気持ち? ねぇったらー (^ω^=^ω^)」

女神は ついに床へ手をついて キミと並んで ガクリとうなだれた!

女神「勇者よ……どうやら私たちの旅もこれまでのようです……呆気なかったですかねぇ……」

勇者「父さん……」   女神「本当にファザコンだったのですね」

女神「結局、Nさまの言う通りだったのでしょう。今の私たちでは魔王へけして敵うわけがない。事実でした」

女神「頼りの『超勇者級の幸運』も、ヤツが全く同じ物、コピーを手に入れてしまいました……『超魔王級の絶望』」

女神「敵いっ子ありませんわ、あんな外道集団なんかに。勇者よ、まだ私の方が可愛く見えるでしょう?」

勇者「父さん帰って来て……」   女神「嫌になるくらいファザコン……」

女神「さぁ、魔王よ! 私たちを煮るなり焼くなり好きになさい! まずはこの勇者が先です!」

勇者父「腐ってもその根性曲げない女神ちゃんが好きよ。やれやれ、結局は始末する羽目になるわけか」

勇者父「もう少し楽しみたかったがな、まぁいいや。この『伝説の勇者の身体』で葬ってくれるわ」

勇者「父さん……」

勇者父「ごめんねぇ勇者きゅーんwwwwwwパパがお前を殺すから怨まないでちょwwwwww」

秘書女神「残念ですよ、女神。あなたとはこれから仲良くやっていけそうだったのに」

女神「じゃあ助けて下さいよぉ!! 黙って見てないで恰好良くココで魔王を背中から切るぐらいはしてくださいっ!」

女神「それが、お決まりでしょう!? 主人公のピンチを救う展開的に!!」

そのとき 勇者父たち 目掛けて なにかが 落ちてきた!

女神「はっ!?」

キミたちの 脳内へ 聞き覚えのある 堅苦しげな声が 響きわたった!

忍女神(目を塞いでいるで候。隣の勇者も)

それは 閃光玉だった!

秘書女神「あっ、主よ――――」

勇者父「あらららん――――――――」

閃光玉が さくれつして 周囲を まぶしく照らす!

勇者父たちの 目が 眩んでしまった!

勇者父「チカチカして目が見えねぇwwwwww誰だ邪魔するヤツはwwwwwww」

秘書女神「あぅぅ~~~っ!! め、目が……わたしの目が……」

女神「しの―――――」ピタッ

忍女神(しーっ……黙ってお主の勇者の『てつをRX』を使うので候。この場から脱兎の如く逃走を測るぞ)

女神(ですが今の勇者には仲間の使役なんてとても)  忍女神(拙者ら女神でも担当する勇者の仲間を一時的に操れる)

忍女神(回数は限られるが、今使わねばいつ使うのか。さぁ)

女神「て、てつをRXよ! 私たちをここから逃がして下さいな!」

どこかへ消えていた てつをRXが 『光の重装騎マシーン』 へ乗って かべをつきやぶり あらわれた!

てつをRX「ラ゛イ゛ドロ゛ーン゛!! さぁ、早く乗り込むんだ!! 急いで!!」

女神「何でもあり……そ、それより行きますよ勇者! 逃げ伸びなければ!」

女神は 勇者を 担いで てつをRXの マシーンへ のりこんだ!

女神(忍女神ちゃん! あなたも早く乗ってくださいな!)

忍女神(拙者は少し時間を稼がせて貰う。なに、心配は無用)

忍女神(ヘマを起こすほど拙者は間抜けではない。さ、気にせず外へ……)

女神(その台詞言い残して、神の炎で焼かれたなんて後で知ったら泣きますよぉー!!)

キミたちは マシーンに乗って 不思議のダンジョンを 脱出した!

秘書女神「な、なにか大きな音が! ……主よ、女神どもが逃走を計ったのでしょうか!」

勇者父「わっかんねwwwwww ……これだから『超勇者級の幸運』とやらは面白いんだなぁ」

遅くてすまぬ明日続き書かせていただきます。本当でございます

キミたちは 無事に『不思議のダンジョン』を 脱出した!

女神「ふぅ、ココまで逃げれば一先ず安心でしょう。よくやりました、てつをRXよ」

てつをRX「礼には及ばないさ。それより勇者くんが心配だ……クライシスめ、よくも!」

勇者「鬱だ今年死のう」  女神「ああ、なんと酷い有り様でしょうか」

女神「私の勇者、いい加減しっかりなさい! この程度でへこたれるあなたではないでしょう」

女神「むしろこの状況を好機だと思うべきですわ……伝説の勇者と魔王を同時に撃破すれば、あなたは世界最強の勇者として名を馳せられるのですよ……」

勇者「呆れるを通り越して笑うしかねぇな」  女神「やや!勇者の血色が良くなりましたよー!」

勇者「もう、平気だぞ クソ以下女神よ……僕は勇者だ、あの程度で塞ぎこんでいられるものか」

勇者「これは『真の勇者』の僕へ神が、いや運命が与えた試練に違いないだろう。乗り越えられた時に初めて僕は『勇者』へなるのだ!」

女神「怖いぐらい前向きで結構ですが、まるで何処ぞの邪教徒並みな前向き加減ですね」

勇者「無理にでも前を向かなきゃこんなのやってらんないだろう!? 父さんが魔王に奪われてしまったのだぞ!?」

勇者「お前にこの辛さが分かって堪るものかよっ! 家族へどう説明したらいいんだ? これからみんなの父さんを殺すんだって!」

女神「殺すまで行かなくて済むかもしれないでしょう。魔王があの身体から離れさえすれば……ワンチャンあるのです」

勇者「じゃあその方法を今すぐ聞かせて欲しい! 分かればすぐに父さんを取り返しに行こうじゃないか! 無いんだろ、そんなもの!?」

女神「勇者、気休めの言葉ではないですわ。Nさまが最後に私たちへ『希望』を残してくれたでしょう?」

女神「『漆黒を纏いし者・しげる』を探し求めるのです」 勇者「希望になるとは到底思えん名前だな」

勇者「そいつにどんな力があるかはハッキリしちゃいない。もしこの状況を打破できなければ、ただのゴミだ!」

女神「ゴミだろうと欠片でしょうと、少ない希望ですよ。それにあなたは『超勇者級の幸運』の持ち主ではありませんか」

女神「自分の境遇と、全てを信じて、戦い続けるのです 私の勇者!」  勇者「しかし!」

女神「どのみち私たちは『戦わなければ生き残れない』のですよ。他の勇者たちが頼りにならないのですから」

勇者「僕たちが諦めた瞬間、魔王の勝ちは確定してしまう。分かっているさ、だから進めというのも」

勇者「じゃあやってやろうじゃねーか!! ……と、意気込むのは構わない。だけどさっき、お前は魔王の敵となってしまった」

勇者「という事だよ。僕たちには、もう『勇者システム』を使うことができないのでは!?」

女神「いえ、先程試しに確認してみたところ 問題なく使えそうですわ。ガチャも合成釜もね」

女神「つまりですね、魔王は完全に油断し始めたのでしょう。私たちなど取るに足らない存在、自分には敵わないと…」

女神「ってな感じの通知がそっくりそのまま送られてきました!」  勇者「魔王八つ裂きにしてぇなァ」

キミは ぼうれいたち に 報告へもどった!

PSPたん「ああっ! みんな、勇者たんとその女神が帰ってきたよー!」

ぼうれいたちは ゾロゾロと キミへ群がってきた!

勇者「聞くが良い、人間へ忘れ去られた亡霊たちよ。お前たちの『VITAちゃん』は死んだ、もういない!」

女神「なんてストレートなことを平気で言うのですか! 憑り殺されてしまいますよ!」

クイーンPS2「おお、おぉ、何ということ……私の大事な娘が……」

ドリームキャストさん「ネジ一本さえ持ち帰ってきてくれなかったのかね!? なぜ殺してしまったのだ!」

勇者「殺したのは僕ではない。やはり、お前たちがいう『邪悪なる者』とは『魔王』で間違いなかったのだ」

勇者「『VITAちゃん』はヤツが更なる力を得る為の犠牲となってしまった。気づくことも、止めるのも、僕に無理だったよ」

DSちゃん「ふぇぇ……役立たずのカス勇者……」

勇者「何だと!? そのタッチパネルを油で汚してやる!」  女神「お止めなさいっ、保護シートが張られていないのに残酷な!」

女神「亡霊たちよ、今彼は冷静ではないのです。とある事情から、いいえ、全て魔王の策略によって」

女神「ですから勇者を怨むのはお門違いというものですよ。彼を呪っても『VITAちゃん』は帰って来ませんわ」

マザーPS「孫は、爆死してしまったのですか」

マザーPS「何となくこうなる事は予想していました。皆、覚悟は決まっていたのです。ですが、やはり急な話ゆえ受け止められない」

勇者「僕もな、すまないとは思っているさ。レア武器まで譲って貰ったのに こんな結果を広告しなければならないなんて」

マザーPS「良いのです、勇者さん。元はといえば私たちゲームハードの問題。あなたは少しでも私たちを救って下さろうとしてくれた」

マザーPS「その気持ちだけでも、人間はまだ捨てた物ではないと思えますよ。人間なくて私たちは無い、それを思い出しました」

ミス64「PSの言う通りですね。私たちもこんな場所にいつまでも居座り続けるのはよくないでしょう。次世代機たちへ道を譲らねばなりません」

女神「悲しいですが、過去の栄光にすがりたい気持ちも痛いほど理解できますが、そうするべきでしょうね」

女神「魔王を滅ぼして、世界へ平穏が訪れた暁には、あなた方を私たちが責任を持って成仏させましょう。ね、勇者?」

勇者「過去の栄光にすがりたいなんて、まるで僕の父さんじゃないか……」

勇者「そうか、父さんは『伝説の勇者』という称号へ憑り付かれていたんだ。だからまだ人々から称賛の声を求め続けていて」

勇者「そんな執着からようやく解放されたところに、魔王から。 うう、僕は父さんを助けられるのだろうか」

ミス64「勇者さん、『GC』はあなたが持っていて下さいな。きっと役に立つことでしょう」

勇者「え? いいのか?」  ミス64「ええ、構いませんとも」

ミス64「それから勇者さん。あなたに何が起こったかは分かりませんが、きっとあなたなら上手くやれるでしょう」

ミス64「どうか、どうか『VITAちゃん』のような犠牲をこれ以上増やさないで……それだけが、我々老いぼれの願いなのです」

勇者「ぼ、亡霊よ……ああ、わかった! きっと叶えよう! この勇者の称号に誓ってやる!」

キミは 決意を表明して 見せて ぼうれいたちに 別れをつげたったのだった!

勇者「女神よ、僕はこれからお前の言う通り『漆黒を纏いし者・しげる』を探そうかと思うぞ」

女神「ええ、ですが何も情報を得られていないのにどうやって。それにゲロ以下たちが戦闘不能になっていますよ」

勇者「手軽なところにボスが落ちててくれれば助かるんだがなぁ……課金意欲はもうほとんどない、運営に金をかけたくない」

女神「気持ちは分かりますが、それだとやはり厳しいかと……ボスもあとは向こう大陸へ渡らなければ」

女神「ああ、こうなれば仲間を合成して強化してはどうでしょう! 魔弾の素は減りますが、手持ちの仲間を強化すれば」

勇者「ゲロ以下たちへ負担をかけずに済む? それはそうだが、誰を合成させるか……やっぱりてつをRXの強化が妥当か」

女神「ええ、妥当ですわね。『太陽の子・てつをRX』は下方修正によってステータスが大幅に下げられていますわ」

女神「スキルは超が付くほど強力ですが、もしもを考えるとこの先それだけで戦って行くには厳しいでしょうかねー」

勇者「その話は聞いていたが、本当にコレで修正されてるのか!? たった一人で魔王たちを片づけたんだぞ!?」

女神「ですから、更なる修正が待っていてもおかしくはない現状ですわ」

勇者「金をかけて手に入れた強力な仲間を 弱体化とは……完全に消費者を舐めているな、運営は!!」

女神「そもそもゲームバランスを崩しているのですから仕方がありません。では、さっそく合成しましょうよ。早く200円くださいな?」

勇者「その催促の仕方いい加減やめろ。……しかし、どいつを素材に回すか悩むところだぞ」

勇者「『魔弾化』を考えれば、どいつも必要ないとは言えん。たとえ糞ゴミ仲間だろうがな」

突然 キミの 脳内へ 声がひびいた!

?『マスター、マスター。俺の声が聞こえているか』

勇者「はっ……」  女神「どうしました勇者? お金がありませんか? ウフフ、貸しますよ」

勇者「うるせぇ!! この声は、お前は……機械武闘家だと」

機械武闘家『大当たりだ、俺のマスター』

女神「いま機械武闘家と言いましたか、勇者よ。声が聞こえるですって? そんな筈はありませんよ」

勇者「ああ、アイツは確かに魔王との『勇者×バトル』で破壊された。だけど僕がアイツの声を聞き間違えるわけがないよ!」

女神「勇者、きっと度重なる戦闘やらで疲れているのですよ。そんなあなたに朗報! 今ならこの『栄養剤:天狗猛交倫』を~!」

勇者「ええいっ、僕は正常だ アホ! 機械武闘家、本当にお前なんだな? 一体どうしたんだ?」

機械武闘家『何故こうして今、俺がマスターへ語りかけられるかは分からない。まるで奇跡だ』

機械武闘家『神様とやらが存在するなら、きっと俺の頼みを聞いてくれたんだろうな』

勇者「頼みだと? 僕にこうして話しかけるのが?」

機械武闘家『そして、マスターへ頼みたい事があるという頼みにも』

機械武闘家『単刀直入に言おう。俺のマスター、どうかこの俺を合成素材として使って欲しい』

勇者「な、何を言ってるんだお前は……お前は優秀な僕の仲間だし、長い付き合いじゃないか! 簡単に捨てられるか!」

機械武闘家『マスター、確かに俺たちは長い付き合いだった。何度一緒に戦ってきただろう』

勇者「そうだとも! お前はもう僕のパートナーみたいなもんだよ!」

機械武闘家『だがな、それにも限界が来たようだ。今の俺の力ではこれから先の敵を迎え撃つには不十分と戦績、ステータスから結果が出ている』

機械武闘家『俺は文字通りマスターの『お荷物』さ。だからどう使ってくれても構わない』

勇者「お前はお荷物でもゴミでもないぞ! バカを言ってくれるな……これからも僕と一緒に戦ってくれ」

機械武闘家『なら、その為にも俺を合成素材へ回して、別の形で一緒に戦わせてくれ』

機械武闘家『ノープロブレム。力になってやると約束しよう、俺だけのマスター』

勇者「……女神よ、合成釜を出してくれ。てつをRXを強化させるんだ」  女神「あれれ、機械武闘家の声とやらは?」

勇者「素材に『機械武闘家』一体を使用する! コイツで『てつをRX』を誰にも負けない最強の仲間へ変えるってんだよ!」

女神「えっ、でもよろしいのですか? 機械武闘家本体はまだしも、彼が持つスキルは役に立つのに。それにー」

勇者「それがアイツの『ワガママ』だ。最初で最後の……200円、くれてやる」

女神「良く分からないけど、まぁ分かりました~♪ まいどありぃ~♪」

機械武闘家「」  てつをRX「や゛め゛ろ゛ぉ!! や゛め゛て゛く゛れ゛ぇーーー!! ぶわぁっ!?」ボチャン

機械武闘家 と てつをRXは にえだつ合成釜の中へ ほうりこまれた!

勇者「あ、ああ……さよなら……」

機械武闘家『戻ってくる』

女神「勇者よ、しつこいようですが、なぜ機械武闘家を素材へ回すのです。あまり英断とは呼べないかと」

勇者「アイツはこれから先の戦いについていけそうにない。でも、捨てるワケじゃないんだ。こういう形でずっと連れて行く」

女神「ふーん……やや、合成が無事に成功したみたいですわね!」

キミは 新たな力をみにつけた仲間を 手に入れた !

『レア度☆☆☆☆☆☆:太陽の子・てつをRX(スキル:王石の光ver,2)(スキル:怒りのフォームチェンジ)(スキル:悲しみのフォームチェンジ)』

てつをRX「俺は太陽の子・てつをアールエックスッ!!」

女神「あら、やりましたわ。新たなスキルが……というか何個持つつもりなのでしょう、てつをRX」

勇者「また『フォームチェンジ』が追加されてるじゃないか。まさか『機械武闘家』が鍵となっていたとは!」

勇者「アイツの力は数値の上昇だけで終わらなかったんだな……さすが僕の『最高の仲間』だぜ……」

女神「どんなスキルなのか不明ですが、きっとあの仲間の事ですし、頼りになるに違いないでしょう」

女神「で、ココからどうするかという話に戻りますがねぇ」  勇者「それだ」

勇者「情報が無いまま当てなく例の仲間を求めるか、あちらこちらの町で他の勇者たちから話を聞いて回るか」

勇者「もう一度、港町へ戻って船に乗せてもらえるか確認を取ってみるか」  女神「それなんですけど、勇者!」

女神「私気づいちゃいましたよ! あの船員は上から規制するように言われていましたよね。事実か分かりませんが」

女神「もし彼が本当のことを言っていたのだとすれば、船乗りたちへ圧制をかけ、大陸の横断を止められるのは」

勇者「……つまり、まさか」  女神「ええ、魔王は人間界のトップの誰かへ乗り移り、間接的に妨害を働いている可能性があります」

勇者「既に天界どころか、人間界でも内側からヤツの良いように変えられているのか。あのド畜生、どこまで酷いんだ!」

女神「問題はそこではありませんよ、勇者。 魔王の根城はどちらにあるか、ですわ!」

女神「天界でゴッド女神を名乗って運営を操作している、そして人間界ではこの国の人間に憑依している」

女神「……で、頭の良いクールな私はある推測を立てましたわ。魔王は元々、王へ憑いていたのではと」

勇者「おい、それってまさか」

女神「あなたたち人間を勇者になるよう差し向けたのは誰? それを疑われずに済む立場は?」

勇者「お、王様……じゃないか」  女神「ええ、その通りですわ」

女神「表向きは『悪の親玉・魔王を倒す旅』へ送り出している。コレに反対する者はこのご時世では皆無でしょうね」

女神「そして、誰もが勇者になれるよう天界と直接を手を組んでいるのは王です。会員登録だってお城で済まされたでしょう?」

勇者「ああ、だがしかしまだそれを早合点するには」

女神「いいえ、話は終わってませんわ。よく聞くのです!」

女神「勇者会員は今もまだ続々と増え続けています……昨日も今日、そして明日からも……毎日ですよ」

女神「運営としての仕事は私たち女神へ管理させておけば良い。だけど、あなたがそうだったように、勇者として送りだされるとき」

女神「かならず王がそこへ居た筈ですわ。まぁ、もしかして脅されている可能性もありますが」

勇者「お、おお」

女神「つまりです。魔王としての自分を匿えて、最も安全な場所は あなたたち勇者のスタート地点。そうは考えられませんか?」

勇者「だけど、ヤツには『憑依能力』があるぞ。何処にいようがバレさえしなければ安全だろう?」

女神「そうです。だから、今私が話したのはただの可能性の話なのですよ。絶対でもなければ、確信も持てない」

女神「ですがね、勇者よ。仮に私が魔王だとすれば、一々あちらこちらを動き回るのは面倒だと思いますわ」

女神「ならば、ふかふかの椅子の上で、テンプレ台詞を吐いて、これから搾取されゆくバカを見送るのが魔王的には滑稽で楽しめるかと」

勇者「……お前、本当に僕の女神なのだろうか」  女神「まぁ!しつれいですねぇ!」

勇者「女神よ、お前の話は大体分かった。僕もそれを一つの可能性として心にしまっておこうじゃないか」

勇者「もし僕たちが無事に例の仲間を手に入れ、全ての支度が済んだとき、目指す場所は何処に存在するか分からない『魔王城』じゃない」

勇者「一旦、王へ謁見を取ろう。あの変態バカなら僕の顔見た瞬間ふきだすから、きっとそれで判断が付くだろうよッ!!」

突然 女神のふところから 軽快な音楽が ながれだした♪

勇者「何だそれは!?」  女神「ですから携帯ですよ。本当にあなた文明人ですか? おっくれてるぅ~!」

勇者「……ウチは貧乏なんだよ!」  女神「ナマポ申請すればウハウハですよ」

勇者「それで誰から電話きたんだよ」

女神「フフ、貧乏人でもコレが電話という事を知っているのですね。でも昨今ではラインとか」  勇者「はよ」

女神「むぅ……あら、珍しい相手ですよ。『神父勇者』ですわ」  勇者「神父勇者って、あの」

女神「もしかしたら何か情報が掴めたのかもしれませんね。はーい、もしもし?」

嬢勇者『勇者ちゃぁあああ~~~~~~~~~』

女神は 電話を 切った!

女神「養豚場からでした」  勇者「こっちにも聴こえたよ。変な声が」

女神「またかけ直してきましたわ……はい」

神父勇者『私だ。やめろ、大事な話の邪魔をするんじゃあないッ!! 失せろビッチ……あまりお前へ連絡を取りたくはなかったがな』

神父勇者『私の友・勇者のためだ。これは仕方がなくお前へかけている……勘違いするんじゃないぞ』

女神「ええ、コチラもそれは承知の上で受けてますわ。待ってください、勇者にも聞こえるようにしますからね」

勇者「神父勇者? 久しぶり、でもないが まぁ、久しぶりだよ。お前が用事ってのはまさか」

神父勇者『おお、我が友よ…声を聞きたかった……コホン、話というのは他でもない『例の仲間』の件についてさ』

勇者「何か分かったのか? もしかしてそっちで手に入ったとかじゃ!?」

神父勇者『いや、残念ながらどちらでもないのだ』  女神「えっ、役立たず…」

神父勇者『隣の馬糞以下の屑を黙らせて置いてくれないか、コチラも豚は大人しくさせたのだから」

勇者「……じゃあ、どういう話をこれからするつもりでいるのだ」

神父勇者『手掛かりは全く掴めなかった。仲間の数はもはや星の数ほどあるからね、レア度もそこまで高くないソレの情報を得るには難しすぎる』

神父勇者『しかし、そのような仲間、いや、全ての仲間を把握する者がいたとすれば?』

女神「全ての仲間をですって? まさか魔王とかではないでしょうね」  勇者「敵対する相手にわざわざ尋ねに行くアホが何処にいるか」

神父勇者『無論、その人物はキミたちと同じ『勇者』だ。しかしだね、ある意味では魔王に、運営に近づきすぎた者でもある』

勇者「鬱陶しい前置きは必要ないぞ! こっちは今急いでいる! ソイツの名を教えろ、早く!」

神父勇者『……たぶん、キミもよく知っている勇者だろう。知らなくても目には付いている筈』

神父勇者『最強にして頂点、何者をも超越した課金額の持つ『究極の廃課金勇者』。 そして勇者ランキング第一位の男』

神父勇者『それが『修羅勇者』さ』

続きは今週中に

キミは 船からおりたち、大陸を渡った!

勇者「乗船前は色々面倒にあったが、良い船旅だった。おまけに船の中で『秘密の仲間』を500円で売って貰えたしなぁ」

『レア度☆:魚(スキル:なし)』

勇者「魔弾のいい素材になってくれそうなゴミだな……合成素材にも悪くないぞ」

女神「あぁー!!またあなたはしょーもない無駄遣いを!!」

勇者「やかましいッ!! 別にいいだろ、こんなゴミでも使い道があるんだから!!」  女神「500円もあればガチャを何回引けたと!」

勇者「それより……一旦、家に帰ったんだよな。やけに早いお帰りじゃないか。もう少し一人の時間を満喫できると思ってたのに」

女神「何を悠長なことを言っているのです。私たちはこの大陸にいる『修羅勇者』へ会わなければならない。遊んでいる場合ではありませんよ」

勇者「真面目な話してるが、天界で何かあったろう?」  女神「勘の良い勇者は嫌いですわ…」

女神「どうか聞いてくださいなっ、涙無しでは語れぬお話です! あんまりなのです!」

女神「わ、私のマイハウスが差し押さえられました……ペットのチロルちゃんまで」  勇者「ペットの差し押さえだと…」

勇者「という事は今の天界にお前の居場所がなくなってしまったのか。難儀するな」  女神「簡単に言わないで!」

女神「コレは嫌がらせに違いありませんわ! ここまで放って置いて我が家を奪うだなんて、魔王は悪魔です!」

勇者「……僕の家族は大丈夫だろうか」  女神「あら、連絡を取ったのでは?」

勇者「したさ。したけど、いつも通りのみんなだった。ただ、やはり父さんは家に帰っていないらしい」

勇者「今手を出されていなくとも、いつかは母さんたちに被害が及んでしまうかもしれない! それだけは阻止しなくて」

女神「その為にも今できることをしなければいけませんね、勇者よ。早速向かいましょうか…『究極の廃課金勇者』とやらへ会いに…」

小汚い男「お兄さんたち、まさか あの『修羅勇者』へ会いにわざわざ向こうから来たのかい?」

浮浪者のような きたない男が キミへ 突然声をかえてきた!

女神「勇者、ああいうのは相手にすると良くありませんよ。虫と同じです、下手すりゃ以下です」  勇者「女神、おい、女神よ」

勇者「……あんたは? ヤツを知っているのか?」

小汚い男「愚問だなァ。彼を知らないなんて人間がいるのか? キミら勇者の間ではさらに有名だろう?」

勇者「名前を知ったのはつい最近、いや数時間前なんだが」  女神「あなたぐらいだと思いますよぅ」

勇者「大体、ランキング1位だから偉いのか? 強いとも限らないだろ? こんなシステムじゃ不正が合っても不思議じゃねーからな」

小汚い男「なるほど。『チーター』を疑ってると。そして目的は下剋上かな」

勇者「いや、少し質問をしに行くだけさ。アンタにそれを教えるつもりはないがな」

女神「勇者、勇者ぁ~……」ツンツン  勇者「ああ? なんやねん、お前」

女神「あのですねぇ、こういうケースで そこの浮浪者が実は『修羅勇者』だったって展開 あると思いませんか」

勇者「……ま、まさか!?」 女神「さらに『超勇者級の幸運』が働けばその確率はさらに倍増!」

小汚い男「……クックックッ」

勇者「また『嬢勇者』の時みたいな手は喰らわんぞ!そうやって自分が有利な場所へ招いて狩るつもりだろう!」

女神「でしょうね。上位ランクにいる者は自分の立場を守る為にどのような汚い手でも使おうとしてきますわ」

女神「運営側としては、ソレへ文句を言う事も、注意する必要もなし。弱者は自分で自分を守らなければ!」

勇者「まさに『弱肉強食の世界』……修羅勇者、貴様に頼みはあるが 僕は正直言ってお前を疑っている!!」

勇者「お前は魔王の手先ではないだろうな?」

小汚い男「俺が? 魔王の? 何か勘違いしているようだから教えてやる」

小汚い男「俺は修羅勇者でもなければ、あんたらが疑っている様な者でもない。そして勇者会員からも退会させられた身よ」

勇者「へぇ、『元勇者』ねぇ。まだ疑いは晴れんぞ、口だけなら何とでも言える!」

小汚い男「……少し疑い深すぎでは」  勇者「すまんな、昔は素直で純粋な少年だったよ」

小汚い男「そうならざるを得なくなったと。あんたに何が起きたか大体の察しはつく。きっと他の勇者から散々な目に合わされたのだろう」

小汚い男「もし、当たっているのならば 俺たちはいわば『同じ穴の狢』さ」

女神「つまり『搾取』される身として同じと」  勇者「そこからは脱したつもりだが」

小汚い男「随分と変わった女神じゃないか。自分たちが不利になることを進んで語ろうとしやがる」

女神「私はもう運営となんて関係ない立場にありますわ。今は、利用する方なのです! ねっ!」 勇者「利用させて頂いている、かな」

女神「ええいっ、一々小賢しい勇者め! ……で、あなたは先程から何を意味有り気な話をしようとしているのですか」

女神「そのポジションはあいにく既に満杯ですよ?」  小汚い男「世界を敵に回してるな、この女」

小汚い男「あんた、この大陸には初めて渡ったらしいから忠告しておいてやる。ココは向こうとは大違いだぜ」

勇者「魔物やダンジョンのレベルが段違いだというのは分かっている。だが、向こうでは僕の敵はもういないんだ」

小汚い男「魔物もそうだが、そもそも訪れる勇者のレベルが違うぞ。ヤツらは執念深いし、ハイエナのように知識を持たないひよっ子へ襲いかかってくる」

小汚い男「だが、キミの目を見てハッキリと分かったよ。だから教えてやろうってんだ、『化物ども』の住み家を」

勇者「廃課金勇者の集う町か……!」

小汚い男「別名『ゴミの掃き溜め』さ。行くなら財布は捨てろ、金は仕込めるところへ、なるべく分けて隠しておけ」

女神「治安の悪いスラムですか、そこは」  小汚い男「違いない。ヤツらは課金を惜しまないからな、他人の金だろうと欲しがるさ」

小汚い男「いや、正確には『課金しざるをえない』のだ。引き返せなくなっちまったバカどもが溜まっている」

勇者「詳しいが、やはりお前も昔はそこの住人だったと?」  小汚い男「ご名答さ」

小汚い男「だから俺は老婆心ながら、今から身包み剥がされ 文字通り廃と化す人間に毎日ココで忠告してやっている」

女神「勇者よ、彼は村人Aですわ!」  勇者「お前時々本当にワケの分からんこと言うよな」

遅れる。土曜日にどばっと書くぜ

だが気をつけろ
「今週の」土曜日とは言ってない

>>105
いいや、今週だ!

ごめん、遅れる
12時切るかもしれん

勇者「丁度誰かにヤツが滞在している町を尋ねるつもりだったのだ。案内してくれるならば、それに越した事はない」

勇者「さぁ、いつでも構わんぞ、僕の心の準備は既に整っていた! あとは殴りこむまで!」  女神「さっそく目的を見失いそうですわね」

女神「心は良いとして、お財布の準備はよろしくないでしょう? 彼の言う通りならば今のうちに」

小汚い男「それなら心配は要らんよ。見た所あんたたちは手持ちも少なそうだし、向かいながら支度を済ませば問題ない」

女神「向かいながらですって?」

小汚い男「この港から町まで距離がある。徒歩じゃあ日が暮れる……さ、着いてきなさい」

キミたちは 小汚い男のあとをついて行くと 一台の車が 止まった場所へ 案内された!

勇者「わざわざ車で連れて行ってくれるっていうのか、小汚い男よ。あんたどこまで僕たちに親切を!」  女神「あっ…」

小汚い男「元同士だろう?コレぐらいの手助け当然さ。人間、皆助け助けられ合わなきゃ……紹介しよう、彼が運転手」

運ちゃん「ニヤニヤ」タバコスパー

女神「あっ…」  勇者「彼も元勇者なのか? 女神よ、僕はやはりツイてる。大陸を渡って早々から幸先良さそうだぜ!」

女神「勇者、勇者ぁ……やっぱり他を当たりましょう。この手口、私すごく知っていますわ」ヒソヒソ

勇者「手口? 何だか分からんが、ココまで良くして貰ったんだ。好意を無駄にするのは勇者として罰が当たっちまう」

女神「また騙されようとしているのが、まだ分からないのですか!? 舐められてるのですよ、私たちッ!!」

勇者「そんなワケないだろう。なぁー?」  小汚い男「ああ、兄弟。約束しようじゃないか」

運ちゃん「荷物を寄越しな、車内は生憎狭いんでね。トランクに移させてくれよ」

勇者「荷物なんて大して持ってないのは見れば分かるだろう。膝の上に置かせてもらうさ」  運ちゃん「……」

運ちゃん「ヒソヒソ……」  小汚い男「ヒソヒソ……」

女神「ああ、戻りましょう、勇者っ! 危険な香りがプンプンで鼻が曲がってしまいそうです!!」

女神「大体町の詳しい位置さえ地図で知れれば、私が『瞬間移動』を使って一気にドビューンですのに、こ、こんな…」

勇者「アッチはタダでやってくれる。お前は有料。違いがハッキリしてるだろう、豚め」

女神「向こうも『タダ』とは一言も話していなかってでしょう! 私が豚なら、彼らは以下ですよ!」

小汚い男「……さぁ、兄弟。コチラの支度も万全だよ。いつでも出発可能さ」

勇者「ホレ、女神もさっさと乗り込め。町まで楽に移動できるんだ」

女神「だから『脳無し』なのですよ、私の勇者は……私は忠告しましたからね」

キミたちは 車にのりこんだ!

小汚い男「じゃあな、悪いが俺はココまでだ。上手く立ち回りな、本当にこの大陸は凶悪だからなァ」

勇者「ありがとう。あんたみたいな人間と初めに出会えて良かったよ、本当に」  女神「べー!」

小汚い男「…ようこそ、『アンダーワールド』へ。そして深淵へ行ってらっしゃい 子羊な勇者ちゃんよ」

キミたちを のせた 車が 『ゴミの掃き溜め』へ 向けて 出発した!

勇者「ここぞという時に発動するのが『超勇者級の幸運』か。さすがだな、快適だよ」

女神「そういう時間って長続きしないのが『勇者』ですよ。見て下さい、この窓ガラス。外から中の様子が探られない仕様になってますわ」

女神「つまりっ……この中で面倒が起きても誰も助けに駆けつけてくれないのです! 約束されたボッシュートイベントですよ!」

勇者「何が起こると思っているんだ、女神よ」  女神「決まっているでしょうにっ、詐欺か強奪です!」

女神「人が良いを通り越して、愚かな勇者であろうとさすがに気づいていると思っていたのに! ああ、救いようがないですわ」

女神「さっさとお金を私へ預けなさいな、きっと悪いようにはしませんからねっ!!」  勇者「お前に渡すぐらいならヤギに食わす」

勇者「運ちゃんよ、目的地までどれ程時間が掛かる? 早ければ早いほどコッチは助かるのだが」

運ちゃん「……」

勇者「やけに運転に集中しているじゃないか、真面目でなによりだな」

勇者「ところで、もう聞いたとは思うが、僕たちはこの大陸は初めてだ。今 何処を走っているのか見当も着かん」

勇者「だから、こんな人通りも無さそうな森の中を通る必要があるのかも、だ」

キミたちを のせた 車が 急停止した!

女神「あー!! あー!! バカ勇者ぁー!!」

運ちゃん「おい 兄ちゃん、このまま『ゴミの掃き溜め』へ向かってほしいなら―――」

勇者「構わん、進め……」  女神「あらまぁ……」

キミは 魔弾を装填した 拳銃を 運ちゃんの 頭へつきつけた!

勇者「船に乗っている間にな、あらかじめ『青眼の銀腐武闘家』と『アパレル商人』を魔弾化しておいた……」

勇者「『ニシカワ兄貴』を生き残らせられたのは本当に幸いだな、何よりも戦闘外でスキルを使用できるのが強みすぎる」

運ちゃん「ま、魔弾だと!? お前程度のガキがどうしてそんな恐ろしい仲間を!!」

勇者「質問して良いと許可したつもりは一切ないぜ!! よほど その身で『魔弾』の凶悪さを体験したいらしい……」グイ

運ちゃん「よせぇッ!!」  勇者「生きて家に帰りたければ、約束通り無事に僕たちを『ゴミの掃き溜め』へ送り届けるのだ」

勇者「何もお前から盗りはしない。僕は勇者だ、町へ辿り着ければそれで構わないさ」

勇者「だからな、あとで違う町へ案内されたと知ったら お前とあの『小汚い男』へ『仲間』を差し向ける。地の果てまで追いかけるぞ!」

運ちゃん「……OK、わかった。わかったよ、わかったから落ち着こう。俺たちは良い関係を築けるぜ、兄妹」

運ちゃん「俺の仕事はあんたを町へ送り届ける。その間、あんたは俺へ何もしない」

勇者「違う、『かならず』だ。かならず町へ送り届けろ。行け! これ以上貴様に話は無い、車を走らせろ!」

運ちゃん「なにが『子羊』を連れてきただ…皮被った『悪魔』じゃねぇか……」

勇者「あぁ!?」  運ちゃん「わかってるわかってる!! 頼むから武器を降ろして!!」

勇者「……ふぅ、本当に良かったぞ。初めからこういう連中と出会えてな」

勇者「最後まで気を緩ませずに目的を果たせそうだ。なぁ、脳無しの僕にしては悪くないんじゃないか? 以下の女神よ」

女神「あわわわわっ……」

車は 『ゴミの掃き溜め』へ 向けて 走りはじめた!

勇者「聞きたいことがある。『魔弾』を知っているならば、お前は勇者か? それとも元の方か?」

運ちゃん「ゆ、勇者だ……それがどうした……はっ、や、やらんぞ! 俺の仲間は渡さない!」

勇者「誰もそこまで言ってはいないだろう。落ち着け、聞きたいのは『修羅勇者』について」

勇者「お前たちはヤツの命令でこうした悪事を働いているのか?」

運ちゃん「違う、俺らは奴さんを『ダシ』に使っただけだよ。よくいるんだ、アイツ目当てのバカどもがワンサカと」

運ちゃん「アンタもその口だろう? 悪いことは言わん、ヤツに挑むだけは止せ……骨どころか魂までシャブリ尽されちまうぜ」

運ちゃん「と言ってもなぁ、たぶん相手にもされないだろうよ! 修羅勇者はこの『勇者システム』にお熱だ!」

勇者「つまりは?」  運ちゃん「自分に益がある相手だけだよ、話をしてやろうと考えるのは」

運ちゃん「俺も過去に奴さんと対峙した事があるぜ。倒してランクを剥ぎ取ってやろうって魂胆があった」

運ちゃん「だがなぁ……アレだけはダメだ。ただの一勇者が敵う勇者じゃねぇ! 正真正銘の『廃』なのだよ!」

女神「聞いている限りは人間止めてる変態ぐらいかと」  勇者「最上位ランク勇者をそう言うか」

女神「ええ、だって搾取される極みでしょう? 相当狂っている方ではないと、こうもなりませんわ」

運ちゃん「狂ってる……ああ、狂ってるさ……『修羅勇者』は何をコレへ見出したのかさっぱりだが、一つ言えることがある」

運ちゃん「そんじょそこらの『女神』以上だ。それだけシステムを隅から隅まで熟知しているわけさ……人間じゃねぇよ!」

勇者「『運営』に最も近い所にいる『勇者』か。魔王の味方をしていたら最悪だな」  女神「もしその場合は?」

勇者「人類の敵だ、もちろん『真の勇者』である僕がヤツを殺す」  女神「本当に揺るぎませんよね、あなたって」

女神「しかし勇者よ、お父上が相手の場合はどうするのです。もし、お父上の体を魔王から取り返せなかったときは」

勇者「殺す。だって世界を平和へ導く為だ、父さんもきっとそれを望むだろう。勇者として」

勇者「迷いなんてとっくに振り切っているのだ、女神よ」  女神「そうですか、あなたも割と人間性欠けてますよね」

女神(頭の中を探っても、確かに勇者に一切の迷いはありませんわ。本当にどうしようも無いときは、彼は躊躇なく殺しに行くでしょう)

女神(皮肉にも、この『化物』をココまで育ててしまったのは環境と、そして私でしょうか。ああ、私って罪な女神ですわねぇ!)

女神(しかし、このままだと いつか勇者が私以上の立ち振舞いを見せ、厄介になるかもしれない)

女神「カムバック! 愚かな私の勇者よ! 私のお財布よ!」  勇者「ちなみに今口座に残金10万も残っていない」

勇者「分かっているな、女神よ」  女神「はい、課金ガチャですね♪」

勇者「真の敵は自分と聞くが、実際のところは『味方』なのかもしれない……味方なのかも怪しいけれど」

運ちゃん「着いたぜ。約束通り、目的地まで」

キミたちは 無事に 『ゴミの掃き溜め』へ 到着したようだ!

運ちゃん「こ、コレで俺たちに危害を加えないだろう? 知っている事も全て話した! 後は分からん!」

勇者「ありがとう、運ちゃんよ。お前はよく働いてくれたさ。殺すなんてとんでもない」

勇者「さて、ココが修羅勇者がいる町『ゴミの掃き溜め』なのか。確かにその名に恥じない町並している」

女神「なんというかゴミゴミしているという表現が当てはまりますわね。表通りから既にそんな感じですよ」

運ちゃん「気を付けな、連中は俺ら以上の『ゴミ』さ。欲しい物は力尽くでも奪い取る。金も名声も仲間も」

運ちゃん「右を見てみろ」  勇者・女神「ふむ?」

廃人勇者「ぁ…ぁぁ……」  グラサン勇者「レア装備、レア装備……くそ、シケてやがる」ゴソゴソ

春売り勇者「お兄さんお兄さん、一発、☆5の仲間一体でイイよん!」

こじき勇者「100円恵んでおくれよぉ~~~……100円でいいんだよぉぉ、それだけ有ればガチャが引けるのに」

ダミ声勇者「レア仲間、売るよ!」  幼女勇者「ふぇぇ・・・クレジットの番号教えてよぉ・・・」

勇者「見事なド腐れどもの集いじゃないか。コレが僕と同じ勇者だと? 信じられん……」

女神「もはや何を目的として勇者になったのか分からなくなった人々でしょうね。目的と手段が逆転しているのです」

女神「皆、魔王を倒すために『勇者会員』へなったというに、システムへどっぷり嵌まってしまったか、仲間をコレクションするのに必死か」

女神「コレら頂点へ立つのが『修羅勇者』ですわ! 程度が知れるでしょう!」  勇者「ヤツも連中のようにイカれた一人と」

運ちゃん「どうだろうな。奴さんは考えていることがサッパリだ、しいて言えば今の地位を守ることが目的かもしれねー」

勇者「ならば、僕がそこからヤツを引き摺り落として 目を覚まさせてやる。救ってやる価値があるならな」

勇者「だが、そんな事より先に目的を果たさなければ。横道逸れるのは済んでからだ……だろう、女神?」

女神「しっかりしすぎると体に毒ですよ、勇者。肩の力を抜いて私に頼っちゃいましょう。ねぇ?」

勇者「じゃあ、世話になったぞ。運ちゃんよ」  女神「ああっ、ついに無視までするなんて!?」

運ちゃん「俺が言うのもなんだがなぁ……例えアンタが滅茶苦茶強くてもだ」

運ちゃん「『勇者×バトル』を修羅勇者へ挑んじゃあいけない。堕とされぞ。深淵を覗けば無事では済まない」

勇者「何を言う。大体、僕は修羅勇者へ話を聞きに来ただけなのだ。余計な心配は要らんさ」

運ちゃん「それなら良いのだが……アンタには『化物』へなる素質があると見えた。ランク1の勇者なんて聴こえは良いが、実物は恐ろしい」

運ちゃん「ダークサイドへ引き込まれないように精々気を付けるんだな。二度と会うつもりはないが、無事は祈っておくよ」

運ちゃんは キミと 別れ、さっさと 『ゴミの掃き溜め』を出て行ってしまった!

女神「既に闇落ちしたものですよねぇ」  勇者「言ってないでさっそく向かうぞ、女神よ」

女神「それは構わないのですが、まだ何処に修羅勇者がいるのか分かってないでしょう?」

ゴロツキ勇者たち「よぉ! 新入り! 修羅勇者を探しているって聞いたぜ。俺たちが案内してやろうか……クク」

勇者「ふん、丁度良いタイミングで道案内が現われてくれたじゃないか!」  女神「あっ…」

てつをRX「一欠」    次男ゴロツキ勇者「ぐわああああぁーーー!!」チュドォォン

長男ゴロツキ勇者「うおおぉぉ…や、やりやがったコイツ! 俺たちの中で1番のやり手な筈の次男坊をッ!」

キミは 新しい仲間と出会った! → 『レア度☆☆☆:グラップラーまけぼの(スキル:なし)』

女神「魔弾か合成強化の良い素材が手に入りましたね、勇者!」

三男ゴロツキ勇者「兄ちゃんの大事な仲間を返してよぉ! 殺しておいて強奪なんてひどすぎる!」

勇者「強奪? 誰がそんな酷い事をしたんだ。もしかして僕に言ったのか」

勇者「挑んできたのはお前たちの方じゃないか。僕はな、貴様らのような悪へ堕ちた人間には容赦しないぞ!」

勇者「兄貴の大切な仲間を返して欲しければ、お前も勇者だ。方法はわかるだろう?」

三男ゴロツキ勇者「『勇者×バトル』をアンタへ挑むよぉ! 返せ、兄ちゃんの仲間!」

長男ゴロツキ勇者「バカ、よせ! 俺たちが敵う相手ではなかった…お前まで命を散らす必要はない…」

女神「良い判断です。悪党勇者とはいえ、冷静になることまでは忘れていなかったようですね」

女神「有り金半分は寄越しなさい……敗者の決まりです……お金は勝者へ、そしてその女神へ……」

勇者「金はいらない。僕が欲しいのは『修羅勇者』の居場所の情報だけだ。教えてくれないか?」

長男ゴロツキ勇者「ま、マジで修羅勇者に挑むつもりなのかよ。正気じゃないぜ、アンタ!」

勇者「挑みはしないさ。だが、ヤツへ会う理由がコチラにはある。力を借りたいのだよ」

長男ゴロツキ勇者「修羅勇者は金か仲間にしか興味がない。会ったって無駄なんだぜ……」

長男ゴロツキ勇者「だけど、アンタほどの強い仲間を持つ勇者だ。話ぐらいは、いや、それ以上があるかもしれん」

女神「あくまで『強い仲間を持つ勇者』ということになるのですね」  勇者「仲間も僕の実力のうちだ!」

長男ゴロツキ勇者「まぁいい……教えてやる ヤツの居場所を」

長男ゴロツキ勇者「酒場を訪れてみろ。ソコの地下では今『限定ダンジョン』が解放されているんだ」

勇者「そこに修羅勇者が?」  長男ゴロツキ勇者「ああ、毎日必死扱いてレア装備のドロップを狙ってるぜ」

長男ゴロツキ勇者「そこのダンジョンは並大抵の勇者では歯が立たない魔物がウジャウジャといる。そして潜らなければ、修羅勇者には会えないだろう……情報はこれだけだ」

三男ゴロツキ勇者「うぅっ、兄ちゃぁん……!」

勇者「ありがとう、ウソは吐いてないと信じているよ」

三男ゴロツキ勇者「うるさい人殺しの勇者め! お前なんか大っ嫌――――えっ」

キミは 『グラップラーまけぼの』の所有権を ほうきした!

勇者「こんなゴミクズいらねぇや……さよならだ、ゴロツキ勇者たちよ」

三男ゴロツキ勇者「あ、あ……兄ちゃんの仲間を取り戻したよぉー!」

キミは 裏通りを あとにして 酒場を めざした!

女神「バカですねー! なぜ仲間を手放してしまったのですか、アレならすぐに合成に使ってしまえば」

勇者「僕は『真の勇者』を目指しているだけだ。外道に堕ちるつもりはないんだよ、クズ女神」

遅れた。別に飽きたわけじゃないんだよ、真面目に時間が取れん
明日書きにきますとも。ぱぱっと進める

ちょっと待ってね

キミは 町の酒場を おとずれた!

勇者「あのゴロツキ勇者の話が本当ならばこの中のダンジョンにヤツがいる筈…見たところ普通の酒場だけど」

勇者「みんな本当になんにも疑問に思わないのか? こんな酒場の中にダンジョンが入ってるんだぞ、僕には不思議で仕方ない」

女神「目先のものしか皆 目が行かないのです。今さら疑ったところでどうなるというのです? レア仲間や装備がドロップするのですか?」

勇者「そういう問題じゃないだろう!?」  女神「いえいえ、忘れてませんか?」

女神「ココは『ゴミの掃き溜め』。真に魔王を倒すことなど頭の中から抜け落ち、ひたすら『システム』へ中毒となった廃人どもの集う町」

女神「運営が左へと言えば、皆が左を向く。逆も然り。批判もするけど、最終的には運営の言葉を鵜呑みにし、意のままに操られる」

女神「哀れな糞製造機たちしかいません!」  勇者「ぜ、全員がそうだと限ったわけじゃないだろう…!」

女神「一歩間違えばあなたも彼らの仲間入りでしたよ。私がまともな女神で助かりましたねぇ、フフ」

勇者「あぁ、呆れてもう突っこむことすら忘れちまう……行くぞ、女神。お前の言う『糞製造機』たちとご対面だ」

キミは 酒場の扉をひらいた! そこには 多くの勇者たちの姿が ある!

女神「見てください、勇者! どこを見渡しても虚ろな目をした勇者たちばかり! ああ恐ろしいっ」

勇者「余計な敵を作りそうな発言は控えてくれないか。……あなたたちに訊きたいことがある!!」

「何だあの青臭いヌケサクは」  「見ない顔だが、私たちにわざわざ狩られにきたのかね」

「丁度イイや、あと1勝すれば俺のランクが上がる。俺のランクアップ手伝え、兄ちゃん。仲間を1匹くれてやるぞ…☆3だ…」

勇者たちは キミの話に まるで耳をかたむけようとはしていない!

女神「うーん、まるでお腹を空かせた猛獣へ無防備で近づく羊状態ですね」  勇者「ああ、全くだよ」

「フン、よく理解できているじゃないか。分かっていて何故ココへ来た? お前のレベルでは無謀だと分かっていてよぉぉ~~~!?」

勇者「あいにくお前たちは勘違いしているようだが? …逆だ、逆ッ」

勇者「『羊』は『貴様』だ、スカタン野郎!!」  「おい、カッコつけのつもりかテメェー!!」

キミのいきおいに 周りが どよめきはじめる!

「オイオイ、また嵐が訪れちまった。いつもコレだぜ!」  「Aha! これだからこの店は堪らねぇ!パーティだ!」

「閉店の準備だ、マスター。今回は被害が少なく済むのを祈ってるぜ!」  「ypaaaaaaaaaaaa!!!」

勇者「想像以上のキチガイか、コイツら? どよめくってレベルじゃねーぞ!」 女神「だいぶ痛々しい連中ばかりですわね」

マスター「待ちな……」

マスター「店に来てくれたのは良い。だがルールに従ってくれなくちゃあ困るぜ、ベビーフェイス……?」

勇者「頼むからまともな会話させてくれないだろうか。コレも全部この店のルールだってのかい?」

マスター「先走るなよ……俺が言いたいのは注文が先だって話だ。酒場に入ったらまず初めにドリンクを注文しろ!!……常識だ」

女神「言われてみればなるほど確かに。タダで話が聞けるなんて上手い話は無いってことですね?」

女神「勇者よ、ココは『基本無料』から外れた場所! お金を通さなければ何も始まらない!」 勇者「今さら『基本無料』とか言われても…」

女神「マスター、カルアミルク一つ。こっちのには水でお願いしますわ! 勿論、支払いは彼!」  

勇者「少しでも僕の負担軽くしてあげたいって気持ちはないのか お前!?」

「なんだよ、急にシラけちまった……ふん!」グッ

勇者「初めて人に中指立てられた……ちょっと大陸跨いだだけでコレだけ『ノリ』って変わるもんだな」

女神「勇者、おつまみにナッツ注文して構わないですか。あーんしてあげても良いですよ、私?」

勇者「ソレで許されると思ってるならお前は男を舐めすぎた」

勇者「マスターさんよ、あいにく僕らはココで一杯ふっかけてる場合じゃない。別の理由で訪れたのだ」

マスター「やめとけ。あんたはココでミルクを楽しんでるのが似合いさ」キュッキュ

勇者「ば、バカにするなよ…コレでも僕は今年で22歳の大人だぞ…」  

女神「えっ、16歳ではないのですか!?」

勇者「……何で16って?」  

女神「い、いえー、その、『勇者』だしー……?」

女神「つまり良い歳こいて未経験のサルですか、あなた(笑)」  勇者「お前本当に人をイラつかせる達人だよな」


勇者「冗談はココでお終いにしようぜ、マスター。僕は店の地下にあるって噂の『限定ダンジョン』に来たんだ」

勇者「あるんだろう? 連中だってそれ目的で店に居座ってると思う。レア装備ドロップを狙って……」

マスター「知らない。ココは俺が荒んだ心のバカ共を癒す、ボロっちい酒場さ。そんな大層な物があるように見えるのかい?」

勇者「見えないからこうして直接あんたに訊いたんだろ! さっさと教えろ、それだけが用だぜ!」

女神「勇者よ、ここでのルールは一体何だったでしょうかね?」  勇者「え?」

女神「店長からお客まで、全員が丁寧にバカらしく従っているではありませんか。浮いちゃってますよ、あなた」

勇者「どういう意味? また小馬鹿にして僕をからかってるってのか、お前。だったらいい加減にしないと…!」

女神「ふっ、おこちゃまの勇者にはやっぱりミルクがお似合いですわね。大人のレディな女神サマはカルアミルクを楽しみます」

勇者「このアバズレ……はっ」

勇者「……マスター、『ミルク』を一ついただけるかね?」

マスター「……じゃあ着いてきな」

マスターが 棚のボトルを一つズラすと 扉が あらわれた!

ざわざわざわざわ・・・ぴたぁ

勇者(さっきまで喧しかった勇者会員どもが突然静まったぞ。僕たちを見ているのか?)

女神(どうやら、ただお酒を飲んで一休みしているワケではなかったみたいですわね。彼ら一人一人が勇者を見る目はまるで)

女神(『哀れ』って感じですわ……!!)

マスター「ベビーフェイス、来るのか? 来ないのか? 冷めちまうぜ……」

勇者「あ、ああ。行くに決まってるだろう。ここで引くなんて選択はあり得ん……案内してくれよ」

キミは マスターへ 続いて 扉の中へ !

勇者「店の地下にこんなに広がった空間があったなんて。まるで『無課金ギルド』を思い出すなぁー…」

女神「それにしてもあっさり中へ入れましたけど、いつもこんな簡単に案内しているのですか?」

マスター「俺に任されたのは、『望んでいる勇者をこの中へ通してやる』だけだぜ。それ以上以下もない」

勇者「それならどうしてわざわざ面倒なやり方で試してくるんだよ。頼まれたらさっさと通せば良いものを」

マスター「考え直す時間をくれてやっただけさ。連中も俺もかなり親切な方だぜ」

マスター「だからな、引き返せなんて今から言葉をかけてやるつもりもない。俺はあんたも地獄へ見送る」

勇者「地獄とはこれまた大袈裟な。僕は今までに何度だって地獄の底を覗かされてきたぞ! たかが限定ダンジョン如きなんだってんだ!」

女神「勇者、ここの情報はあなたへ報せが届いていなかった。この意味を理解できますか?」  勇者「は? …そういえば確かに」

女神「簡単ですわ。あなたにはココがまだ早過ぎるということです!」

女神「運営はとくに初心者に対して親切ではありません。ですが、報せを送らなかったのは最大の心意気だったと見てよろしいでしょうね」

勇者「……つまり?」  女神「たとえ鬼のような難易度のダンジョンだろうと、誰でも侵入可能なのです」

女神「そこでさっさとくたばろうが、後悔しようが、運営としては痛くありませんからね。文句を言うまでもなく、大抵の場合 挑戦者はそこで絶命しますから」

勇者「えぇー……」

女神「今回は『修羅勇者』と会うためにと、止めはしません。ですがそれなりの覚悟で挑まなければ~」

勇者「初めのうちに覚悟決めさせろよっ!! 今さら言われてどうなるってんだ!?」

マスター「ふん、やはりあんたの目的は修羅勇者で間違いなかったわけだ。連中と違う目をしてるわけだぜ」

勇者「そうだ……マスターは修羅勇者に会ってるだろ? どういうヤツなのだ、やっぱり頭のネジがどうかしてたり」

マスター「会えればわかる。お前さんが会うことができればな」

マスター「……到着したぜ。ここを真っ直ぐ進めばダンジョンが待っている」

女神「あのー、最後ついでに訊いておこうと思うんですけどね。このダンジョンへ挑んで無事に帰ってこられた勇者って」

マスター「入ってすぐに心折れたヤツが多い。無謀なバカ以外はなんとか帰って来られるだろう」

マスター「死人は知らん。一々顔なんぞ覚えていられるか……じゃあな、ベビーフェイスとその女神よ」

勇者「……い、行こうか。どの道僕たちは進むしかない」

女神「慢心注意ですわねー」

キミはダンジョンの入り口へたどりついた! そこには キミのよく知る顔が あった!

マッチョ勇者「くっ……」

勇者「ま、マッチョ勇者だと!?」  女神「あら、コレはまた懐かしい顔が」

勇者「こんな所で会えるなんて思いもしなかったぞ……お前も限定ダンジョンへ挑むに来たというのか」

マッチョ勇者「……やれやれだぜ、このボロボロになった俺の姿を見てそう言うのか。バカにしてるのか!?」

マッチョ勇者は 心身ともに ボドボドだ!

勇者「まさか、引き返してきたっていうのか? お前ほどの重課金勇者が? な、なぜ?」

マッチョ勇者「何故だと? どうしてお前にそこまで理由を説明してやる必要がある!? あぁ!?」

女神「かなり頭に来ている様子ですわね。それほど鬼畜な魔物たちがこの中にいるというのでしょうか」

勇者「マッチョ勇者ですら逃げざるを得ないというか、このダンジョンは。にわかには信じられんぞ」

マッチョ勇者「ダンジョンなんぞどうでもいい!! レア装備もだ!!」

マッチョ勇者「俺の目的はヤツを……ランク1位の勇者をぶちのめし、最強を手にすることだったのさ」

勇者「ランク1位って、まさか『修羅勇者』にバトルを挑んだ!?」  女神「で、このザマと」

マッチョ勇者「野郎、人を下と見て初めから舐めた態度取ってきやがる。だがな、戦って実感できた」

マッチョ勇者「俺の今までしてきたことは、ヤツにとってほんの些細なことだったってよ……!」

勇者「お、おいおい……」

マッチョ勇者「課金が何だ、レア仲間が何だ。レベルが違いすぎる…ヤツこそが『真の勇者』ってのかな…!」

勇者「ちょっと待て、そいつは聞き捨てならん。真の勇者は僕ただ一人だけでいいッ! そんな得体の知れんヤツを勝手に持ち上げるな!」

マッチョ勇者「戦いもしていない雑魚が知った口訊いてんじゃねぇ。もっとも、お前では歯も立たんだろうがな」

マッチョ勇者「俺以下のゴミが、ヤツへ敵うワケがねぇんだ! たとえチート扱いされた仲間を持っていようが!」

勇者「僕のてつをRXに今も昔も敵はいない。そっちこそ知った口訊くなよ、マッチョ勇者…!」

マッチョ勇者「フン……てめぇがどうしてここにいるのか尋ねてやるつもりはない」

マッチョ勇者「だが、忠告しておいてやる。修羅勇者を見かけても、けして手を出すな。取って食われるだけだぜ……」

女神「ところで話は変わるのですが、姉さん……『黒女神』の姿が見当たりません。どうしたのです?」

マッチョ勇者「退任だ。アレは別の仕事に追われて俺の付き添いどころではなくなったらしい」

勇者「女神、それってつまり黒女神が」  女神「天界で何やら怪しい動きをしていると思えば、ですわね」

マッチョ勇者「今はコイツが代理らしい」ヒョイ  手のひら(サイズ)女神「あうあう~」

女神「知らない顔ですね? 頭大丈夫な子なのでしょうか」

手のひら女神「まうまう」  勇者「かわいい……」

勇者「……マッチョ勇者、お前には訊きたいことが山ほどあるんだ」

マッチョ勇者「俺がお前にこれ以上無駄な話をしてくれると思ってんのか? 『青眼の究極武闘家』のことなら」

光武闘家「キャシャァアアアアアアァーーーンッ!(おひさ元マスター!)」

『レア度☆☆☆☆☆☆☆☆☆:青眼の光武闘家(スキル:真・武闘家魂)』

勇者「僕の白武闘家がどんどん姿を変えて行く……」  女神「完全に取られちゃってますねぇ」

マッチョ勇者「コイツの強さは伊達じゃない。それでも修羅勇者の足元にも及ばんだろうがな」

マッチョ勇者「用はコレで済んだな。敗者は黙ってこの場を去らせてもらうぜ、俺にはこのダンジョンを攻略する資格すらねぇ!」

勇者「待て! あと一つ……お前、女勇者ちゃんという子を知っているだろう」

マッチョ勇者「」ピタ

勇者「その子、もう死んでしまったんだがな、最後に任されたんだよ。お前の病気を治してやってくれと」

勇者「僕のてつをRX『バイオてつを』ならばお前の病を治療してやれるらしい。まずは話を聞かせて貰えないか?」

マッチョ勇者「……あの女が死んだのか……情けのないヤツめ」

勇者「やはり知り合いで間違いなかったんだな」  女神「まさか恋仲だったとか? きゃっ」

マッチョ勇者「そんなチャチなもんじゃねぇ。アイツは俺の恩人だ。アイツが今の俺を作ったのだ……」

マッチョ勇者「弱っちくてどうしようもなかった俺を変えた『キッカケ』よ。だが、今となってはソレも過去だろう」

勇者「その言い方はないだろう? 恩人の死だ、もう少し労いの言葉があっても良いんじゃないか」

マッチョ勇者「あったとして、なぜお前の前で言う必要がある?」

次は木曜日だ!

今週の木曜日なんだよ!し゛ん゛じ゛て゛く゛れ゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!゛!゛!゛

マッチョ勇者「お前がアイツと何を話したのか、どう知り合ったかは知らないし、興味もねぇ」

女神「言っちゃうと逆に興味深々な感じに見えますね。大丈夫、勇者は奥手ですので手は出してませんよー!」

勇者「そうだ! …そうじゃない!僕もお前とあの娘の関係についてアレコレ追求するつもりはない」

女神「まったまたぁ~ん♪」 勇者「『ウザイルカ』いる間に、まずコイツの消し方を聞くべきだった」

マッチョ勇者「フン、それならもう用はないな。微課金勇者相手に余計な時間食っちまったぜ。行くぞ、チビ!」

手のひら女神「わうわう!」 

勇者「待て、マッチョ勇者。僕は女勇者ちゃんにお前を助けてやってくれと頼まれたのだぞ! それがまだ」

マッチョ勇者「貴様に俺を救う資格はねェ!指一本触れさせんッ!」  勇者「強がるなよ、助かるんだぞ!?」

勇者「今の『てつをRX』ならすぐに治療してやれる。それがダメでも何とかしてくれる仲間もいる」

BJ「金さえ積まれればね。無償で私は救うつもりはないですぜ」

女神「あら、その仲間は」  勇者「前回まお…デブ勇者に勝ったときに手に入れてたのさ」

勇者「BJのスキルに頼るのは最終手段だとして、ココは素直を見せてみろ。悪いようにしないぜ」

マッチョ勇者「くだらねぇ。俺に貸しを作って光武闘家を返して貰おうってか?」

光武闘家「ギャアアァァーーーンッ!!(そんなのいやだよー!)」  勇者「ぐぅ…っ!?」

マッチョ勇者「言った筈だぜ。コイツを返して貰いたければ力尽くだ。テメーの力で奪え」

女神「何やら白武闘家を巡って複雑な関係が出来上がっちゃってますねぇ」  光武闘家「ギャンッ!(二人のマスターが私を……///)」


勇者「今は白武闘家の話をしているんじゃない。お前の体だ!誤魔化すなよ!」

勇者「……お前とケリを着ける前に、もし病でポックリ逝かれちまったら困るからな。哀れみのつもりは一切ない」

マッチョ勇者「律儀な野郎だ。こっちはとっくの昔にお前のことなんざ眼中から外しちまってるのによォー…」

女神「あら、あなたが思っているほど今の勇者は弱くはありませんわ。以前の時とは別モノなのです」

女神「主に仲間や装備が強くなっただけで、ステータスはヘナチョコですけどね!」  勇者「否定はせんが、言い方」

マッチョ勇者「ならば、この俺を『勇者×バトル』で叩きのめしてみせな!……そうしたら、俺の体を好きにして構わねぇよ」

女神「まぁ!好きにしちゃってOKですって勇者よ! あなたの好きなように彼を色々やれちゃいますよーきゃあー!」ウキウキ

勇者「へっ、分かり易いヤツだぜ。そうした方が手っ取り早そうだな。同時に僕の目標も果たせるワケか」

女神「むぅ…脳筋ってこれだから」

女神「……ですけど、勇者。対決は後に控えるべきですわ。優先すべきは『修羅勇者』でしょう?」

マッチョ勇者「オイオイ、お前までアイツを狙いに来たっていうのか。俺はお前と同じ阿呆だったというわけか?」

勇者「問題ない。僕は戦っても勝つ。お前とは違うぜ……最も、倒しに会いに来たんじゃあない」

マッチョ勇者「わざわざお友達にでもなりに来たってか? ソイツは愉快な話だなぁ」

マッチョ勇者「とにかく次にテメーと俺が出会った時、その時がテメーの命日だ。覚えておけ」

勇者「さぁ、どっちがだろうかな……」

マッチョ勇者は ダンジョン入口前から 去っていった!

女神「何ですか最後の臭いやり取り。寒っ…」

勇者「全てを台無しにするのはいつだってお前なんだ、女神よ」

勇者「さて、切り替えていくとしようじゃないか! 行こう、修羅勇者の待つダンジョンの中へ」

女神「辿り着けるかわかりませんけれどね~」

キミは 限定ダンジョンの とびら を あけはなった!

勇者「いたって普通のダンジョンに見えるんだが。どの辺が鬼畜難易度なんだろうか?」

勇者「てっきり僕は入場料みたいな形でとんでもない金額を課金させられるとか、とにかく金絡みの難易度なのかと」

女神「それは流石に勇者会員たちの意欲を削ぐってものですわ。魔王もただひたすら目に見える形でお金を搾取しようとしているわけでは」

勇者「まぁ…ダンジョンに関しては、この間の『不思議のダンジョン』を除いて今まで普通ではあったが」

勇者「一歩踏み出すたび消費される『精神力』は5。そして未だ魔物の気配すらない」

勇者「実はマスターが単に脅しただけで大したことない場所なんじゃないかぁ~? それか僕の強さに魔物が脅えて出てこれないとかなっ」

女神「いえ、そんな筈は」  勇者「そこは大いに皮肉たっぷりで面白く返してくれるところなんだが」

女神「とにかく進みましょう、勇者! このまま順調に行けば苦労なく修羅勇者へ出会えるかもしれませんよ!」

勇者「そうなるならば助かるが……何かおかしいぞ、このダンジョン」

女神「ややっ、私の力が必要に!? ではお金くださいなっ」  勇者「待て」

女神「おやぁ~~~? 何ですか、ガチャですか。合成ですか。それとも」  勇者「だから待てと言っている!」

勇者「女神よ、向こうを見てみろ……誰かいるぞ……」

勇者「魔物と戦っている! ……な、なんだあの魔物の異様な迫力は」

キングベヒんもス「……」

巨大かつ凶悪な魔物『キングベヒんもス』は 音もなくくずれ落ちた!

女神「ゆ、勇者よ! あの魔物はそこらのボス魔物とは比較的できないレベルの化物クラスですわ!」

女神「今のあなたでは到底敵いっ子ない。魔弾があっても、倒しきれるかどうかわからない! というか返り討ちワンターンキルでしょうね」

女神「貧弱一般人や忍者が挑めば、哀れ!即死は免れないでしょう…」  勇者「つまり僕は貧弱一般人クラスなのか」

女神「あんな魔物をたった一人で倒してしまう者なんて、たった一人。アレしか考えらませんわ」

勇者「じゃあ、あそこにいるのが……勇者ランク1の、アイツ!」

キミは 修羅勇者と そうぐうした!

修羅勇者「・・・・・・・・・。」

勇者「……お前が修羅勇者なのか。あ、合ってるか?」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」

女神「まさにあなたに興味無しって感じですね。それにしてもイメージしてた人物像と全然違いますわ」

勇者「ああ、僕もだ。強いなら強いでマッチョ勇者並の威圧感を持っているかと思っていたし、チート使いならもっとひ弱そうな感じを…」

勇者「中肉中背。着ている防具はよく分からんが、禍々しいけれど。目に痛いぐらい」

勇者「お、おい! 黙ってないで返事をくれ! お前が本物の修羅勇者ならば、僕はお前に尋ねたいことがあるのだ!」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」

女神「ダンマリのままですわねー。まるで機械みたいな人間です」

勇者「実は機械だってオチがあるんじゃないのかね。修羅勇者、あんたは『漆黒を纏いし者・しげる』を知っているか?」

勇者「知っているならば教えて欲しい。どう手に入れればいいのか、ガチャか? それとも魔物からのドロップか? イベント限定か?」

勇者「僕はなんとしてでもソイツを入手しなくちゃならん理由がある! 教えてくれ!」

女神「というか、ランク1位レベルならば所持してる可能性もありますよね?」  勇者「あぁ…なるほど」

勇者「もし、あんたが『しげる』を既に持っているなら 交換を頼めないだろうか!?」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」

修羅勇者は いぜん変わりない ようすだ!

女神「もしかしてコミュ障」  ?「それは違うよ!」

とつぜん キミたちの 前に 一人の女神が あらわれた!

金髪女神「ウチの修羅勇者ちゃんは言葉を話せないの。別に無視してるワケじゃないわ」

勇者「ヤツの担当女神? 女神よ、アイツとは知り合いか」  女神「知り合いではありませんが、まぁ見たことがあるぐらいですねぇ」

女神「ですが、彼女如き女神がランク1位の担当? 業績も平凡でとくに目立った様子もなかったのに」

勇者「え? 修羅勇者はどの勇者会員よりも『廃人重課金勇者』なのだろう。ソレは変じゃないか」

女神「ええ、おかしいです。事実ならば彼女はとっくの昔に幹部へ昇格済みのはず…だけど」

金髪女神「そう、私は万年 下っ端、窓際族。あなた以下と見られてもおかしくはないでしょうね!」 勇者(自信満々に言うのか…)

金髪女神「それよりその廃人並って噂、根も葉もないウソね。課金といっても人並み、いいえ、微課金ちょいレベル止まり」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」

金髪女神「修羅勇者ちゃんが言ってるわ。ひたすらバカスカ課金したところで自分がバカを見るだけだと、ね!」

勇者「……正論だと!?」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」  金髪女神「このシステムで重要なのはいかに課金する、ではない」

金髪女神「いかに強力な仲間と装備を開始時から手にするか。課金はその後のちょっとしたスパイス程度!」

金髪女神「運こそが物を言うのよ! そして、お前からは俺と同じ匂いを感じた……らしいわ!」

勇者「運、運、運と来て、また運かぁ!! バカ野郎っ、その言葉は聞き飽きたぞ!!」

勇者「まさかお前にも僕と同じ『超勇者級の幸運』が備わってるっていう話か!? 冗談だろ!?」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」

金髪女神「何を言っているかさっぱり意味不明だが、面白い。お前がこれまで手に入れてきた仲間に興味が沸いた」

金髪女神「勇者と勇者が出会った時 多くを語らず、己が持つ自慢の剣を交えるのみ、よ!」

修羅勇者から 勇者×バトル が キミへ 申しこまれた!

勇者「じ、実は好戦的なヤツなのか。さっぱり読めない……!」

女神「どうするのです? 相手の目的もよくわからないし、挑戦する必要もないかと思うのですがー」

勇者「そうだよな。だが……修羅勇者、僕のさっきの質問にまだ答えていないぞ」

勇者「『漆黒を纏いし者・しげる』についての情報を知っているのか、知らないのか。持っているのか、持っていないのか。ハッキリしやがれ」

修羅勇者「・・・・・・・・・・。」

金髪女神「まずは戦えと修羅勇者ちゃんがあんたに言ってるわ。これ以上話すつもりはないみたいよ!」

勇者「なんて自分勝手な勇者だろうか…!!」  女神「今まで会った全員が自分勝手な勇者ばかりでしたかと」

女神「勇者よ、この戦いに私たちが得るものはありません。逆に狩られて向こうの糧になるだけです! 目に見えてます!」

勇者「ふん、そう言われると挑んでみたくなる。僕にはてつをRXもいる、魔弾もある。それに」

勇者「船の上で勇者×バトルを挑まれて、使ってみたんだが『コピーロボット』…コイツのスゴさを見せてやるぜ」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」

女神「挑発にすぐに乗っかるのは勇者の悪い癖ですよ。もう、どうなってもしりませんからね?」

勇者「目の前に『最強の勇者』がいるんだ。戦わなきゃ、男の子じゃあないだろうッ」

キミは 修羅勇者に → 『戦う』or『逃げる』!

ニア『戦う』!

勇者(現在メインパーティにいるゲロ以下と台バンシィは死亡状態だ。中々つらいが、僕にはまだ頼れる仲間が残っている!)

勇者「僕は仲間を3体! 『てつをRX』、『しとやか武闘家』、『コピーロボット』で戦わせてもらう!」

女神「ニシカワアニキはどうしたのですっ!」  勇者「魔弾はあらかじめ作っておいた。コンボには頼らん!!」

勇者(そもそも、修羅勇者相手に南斗人間大砲を使う隙ができるかどうかが怪しいところ。ここは安全にてつをRX中心で固めたい)

勇者(僕のてつをRXならば、安心だからなぁ!」

てつをRX「クライシス! また貴様たちの仕業か!」  しとやか武闘家「今宵の戦場はコチラでいらっしゃるの~?」

コピーロボット「カテゴリー8カ、オモシロイ…」

勇者「さらに! しとやか武闘家へ武器『セーラー機関銃』を装備! しとやか武闘家は、『セーラー服でへそチラリ・しとやか武闘家』へ進化…」

セーラー武闘家「滾りますのよ、私の戦士の血っ」

勇者「……ふん!どうだ、最強。手慣れたものだろう。お前はどう来るのか―――――」

?「ハハッ」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」

修羅勇者は すでに 仲間を 一体 しょうかん している!

勇者「たった一体だけだと……?」  女神「あ、あ、あああ……」

勇者「女神、どうした? そこまで恐怖するとはお前らしくない」  女神「あの、勇者……」

女神「がんばってください。おうえんはします」

勇者「は? あ、ああ……邪魔にならないように頼むぞ……」

すまん、続き年明けから始める
4、5日あたりだろうか?だいぶ遅れるな

勇者「ランク1位、お前の自慢の仲間はソイツ一体だけか。もしかして舐めてるつもりか?」

勇者「だとすれば 貴様は僕を侮り過ぎているな!」  女神「いえ、十分だと思います」

勇者「……どうしてお前が答える!?それより凄い汗だぞ、女神」  女神「勇者よ」

女神「骨は拾いますわ。残っていればの話ですけれどもねっ!」

勇者「冗談でも言って良い事と悪い事があるだろうがッ!! …修羅勇者、そこの女神は気にするなよ」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」  金髪女神「別にお前を見縊っているワケではない」

金髪女神「だが、『コレ』が終われば俺はすぐにレア装備ドロップ目当てで作業を続ける。その為にも仲間を無駄に浪費はできない」

勇者「その考えこそが舐めているのだと言うんだッ足元見やがって…!!」

女神「勇者、それより気づいてしまいましたよ 私。ここまで魔物の姿を一匹も見かけなかったのは」

女神「あの修羅勇者が全て狩り尽していたからでしょうねぇー……」 勇者「何だと?」

女神「倒しても、さらに新たに沸いた魔物を倒し続ける。それをひたすら繰り返すことを彼は『作業』と呼ぶのでしょうね」

女神「つまりですわ 勇者! この限定ダンジョンは修羅勇者専用の『狩り場』と化しているのです!」

勇者「一人占め……だけど、そんな事が可能なのか?」

金髪女神「もちのろんで可能よ。伊達に『最強』の称号を背負った勇者じゃないのよ、修羅勇者ちゃんはね」

女神「まさかとは思いますけれど、上の酒場にいる勇者たちは別にダンジョン攻略を諦めているからではなく」

女神「コレを知っていて、渋々手を出せずにいるのでは……邪魔をすれば修羅勇者に獲って食われるという考えから」

勇者「修羅勇者…さてはマッチョ勇者がバトルを挑んで来たときも、今と同じように一体の仲間だけで」

勇者「侮っているつもりでないとすれば、お前は『自惚れ』てやがるぜ! 王様気取りか、たかが勇者の一人の分際でさ!」

女神「どうして怒りをわざわざ買おうとするのですかバカ勇者はぁー!!」

女神「もう、喧嘩腰でこの後『漆黒を纏いし者・しげる』についての情報を訊き出せると思っているのですか!?」

勇者「女神はそこで黙って聞いていろ。僕はこういう気取った野郎が一番嫌いなのだ、常に上から目線ってヤツがよ!」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」  金髪女神「俺は怨まれるような話をしたつもりはない」

金髪女神「戦わないのか? 早く戦おう。お前の力に興味がある」  女神「戦闘狂でコンプ厨…」

金髪女神「そちらから自由に、いつでも仕掛けて来るが良い。それで『合図』だ…そうよ、さっさと始めちゃってよねー!」

キミは 『アパレル商人』の魔弾を 修羅勇者めがけて 撃ちはなった!

勇者「じゃあな!くたばれ、『お山の大将』ッ!」  女神「くたばらせてはダメでしょうに…」

女神(もっとも、今回ばかりは 勇者よ。あなたが『くたばる』かもしれませんわ……!)

修羅勇者「・・・・・・・・・。」

魔弾は 修羅勇者のなぞのよろいに 吸収されてしまった!

勇者「えぇ!? ま、魔弾が鎧の中に……まるで生き物みたいに飲み込みやがったぞ」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」

修羅勇者は ふてきに キミ を 見つめている!

勇者「うっ……気味が悪いヤツ……!」

女神(勇者よ、修羅勇者が出してきた『仲間』に精々注意することです。一時も目を離してはいけませんわ)

女神(いいえ、仲間どころか『修羅勇者』自身からも目を逸らすことは許されませんよ!) 勇者「結局何なんだよ!!」

女神(ヤツの装備も警戒すべきですが、さらに恐ろしいのは仲間の『スキル』なのです)

勇者「そんなのいつもそうだろうが……今更すぎる!お前に言われなくともだ!」

女神(気をつけなさい、勇者。あの仲間のスキルはry)  勇者「勝負に余計な口出しはこれ以上無用っ」

勇者「貴様のその鎧が持つ能力はわからん、ならば 次は仲間を狙うまでだよ! セーラー武闘家!」

セーラー武闘家「たかがドブネズミ一匹、私の手にかかれば朝飯前々なのですわよー!」

セーラー武闘家のこうげき! 機関銃と二門の砲台を ? に向け、いっせいしゃげき!

?「ホホッ、ハッ」

セーラー武闘家「なんですって……!」

?は 銃弾の雨のなかを タップダンスで 華麗に かわしつづける!

勇者「マスターまでふざけた野郎ならば、その仲間もか! どこまでも舐めた真似をしてくれるなよ!」

てつをRX「とあっ!!」

てつをRXのこうげき! とくいの肉弾格闘を ?へ いどむ!

?「アァアッ!」

勇者「攻撃が当たった!!」  女神「むむっ、もしかしてRXならばって感じですかねぇ~!」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」

勇者「どうだ、修羅勇者……お前、攻撃は当たらないとばかり考えていたんじゃないのか?」

勇者「だったらそれは大間違いだったようだな! 僕のてつをRXならばどんな相手にも自在に対応できる!」

修羅勇者は いまもまだ ふてきに キミ を 見つめているばかりだ!

勇者「何とか言ってみたら…いや、喋れなかったんだっけ。まぁ、良いさ! てつをRX、そのネズミを完全に駆除だ!」

てつをRXのスキル発動! 悲しみのフォームチェンジ!

ロボてつを「俺は炎の王子! RX! ロボてつを!!」

修羅勇者「・・・・・・・・・。」

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