魔王「勇者が生まれたらしいから倒しに行って来るわ」(318)

側近「マジすか? マジ鬼畜っすね魔王様」

魔王「おうよ。それじゃあ、行って来るか」

側近「留守中どうしちゃいます? 俺に全権任しちゃいます?」

魔王「いや魔将軍に任せるわ」

側近「うわーでたうわー」

魔王「じゃあ、任せたぞ」

魔将軍「はっ!」

魔王「いってきまーす」バザハサ

魔王「確か、ここらへん……」バサッバサッ

魔王「あったあった。近くの森に一旦着陸して……」ストッ

魔王「旅人を装うか」ポンッ ボワンッ

魔王「葉っぱとって……よし。偵察偵察」プチッ スタスタ

門番「待て、何者だ!」ガシャ

魔王「旅の者ですが、入れてもらえないでしょうか」

門番「通行許可証は?」

魔王「はい、どうぞ」ピラッ

門番「……よし、いいぞ」

魔王「ご苦労様です」

魔王「こんな紙切れなんぞいくらでも偽造できるって言うのに・・…人間ってのはアホだな」ポイッ ヒラヒラ

魔王「さてと、勇者の家探すか。すいませーん!」

住民「はい?」

魔王「勇者の家ってどこだか知ってます?」

住民「は? 勇者?」

魔王「あ、あー……最近お子さんが生まれたお家などは……」

住民「えっいや、知りませんけど……」

魔王「あ、そうですか。すいませんでした」ペコリ スタスタ

住民「はぁ……」

魔王「そうか……勇者って認知度低いんだな」

魔王「困ったな……魔力探知しても引っ掛からんし……」

魔王「うーん……予言だと今日の筈なんだけどなぁ」トボトボ

魔王「はぁ……いくら赤ん坊とは言え、勇者だし魔力くらいあると思うんだが……」

魔王「すげー微弱なのかな……わかんねー……」

魔王「困ったさんだなぁこれは」

魔王「仕方ない。しらみつぶしに行くか……」

魔王「まず地図ゲットしないと」

魔王「疲れた……部下も使ったのに結局見つからんかった……」

魔王「宿とったし寝るか」ゴロンッ

魔王「……」

魔王「予言だと今日勇者が現れるって話だったよな」

魔王「次の日に守護者が現れるって言うから急いだけど……」

魔王「駄目だ。運命に選ばれてるなぁ……」

魔王「守護者、か……精霊どもより先になんとしても明日出し抜かないと」

魔王「明日に備えて寝る! おやすみ!」

魔王「……おらんなあ」

魔王「疲れた。休む」ドサッ

魔王「……はぁ……ほんまに勇者どこやねん……」 ギャーギャー

魔王「ああん? なんだか騒がしいな……喧嘩か?」

魔王「気分転換に見てみようーっと」スタスタ

門番「うおおおおお!」

魔物「キシャアアアア!!」ブンッ!

門番「ひぎゃああ!」ブシュッ!

住民「うわああああ! 逃げろおおおお!!」

魔王「あり……?」

魔王「なんだ!? 何故勝手に軍が動いている! そんな命令出してないぞ!」

魔物「うぼおおおおおおお」ドカッバキッ!

住民「うわああああ!!」

住民「ままー!」

住民「俺の家がー!!」

魔王「ええい、やめんかっ! このアホっ! くそっ、指揮官は、指揮官はどこだ!」

魔物B「やれ! 人間どもを皆殺しにしろ!」

魔王「あ、おい! そこのお前!」

魔物B「おお、魔王様! ここは危ないのでお引きください」 

魔王「誰だ命令を出したのは」

魔物B「魔将軍様の命令です」 

魔王「魔将軍? 何故だ」

魔物B「さぁ……我々は人間を皆殺しにしろとしか命令されておりませんので」

魔王「チッ……居場所はわかるか?」

魔物B「前線にて指揮をとっておられるかと」

魔王「分かった。お前は近くの者を一旦退かせろ! 後で褒賞をやる!」

魔物B「は、はははあ!」

魔王「なに勝手な真似してくれてんだアホ……」バサッバサッ!

魔将軍「いけえええ! 蹴散らせえええ!」

魔王「おい、魔将軍」フワッ

魔将軍「ぬう!? おお、魔王様」

魔王「何をしている」

魔将軍「先日勇者はいくら探しても見つかりませんでした」

魔王「それで?」

魔将軍「このままでは奴らの手に渡ります。そうでなくても脅威なのです、今のうちに叩くべきかと」

魔王「見つからないから全員殺してしまえと」

魔将軍「甘すぎますぞ。危険の芽は先に摘んでおくべきです」

魔王「だからって大事な資源を自らなくしてどうする! だから貴様はアホなのだぁ!」

魔将軍「人間などいくらでも増えます!」

魔王「人間増やすのだってなあ! 大変なんだぞ!」

魔将軍ほっておいても奴らは増えます! アホみたいにパンパンパンパン!」

魔王「こうやって既にできているコミュニティを取り込んで資源にした方がな効率がいいんだよ」

魔将軍「しかし今はそんな事を言っている場合では!」

魔王「いいから退け」

魔将軍「ぬううう……後悔しますぞ。何れ、判断を誤ったと」

魔王「うるさい。早くいけ」

魔将軍「退くぞ! 兵ども!」ドドドドドド

住民「な、なんだぁ? 魔物が去っていく……」

住民「た、助かったのか……?」

魔王「あーあ……酷いなこりゃ……半分はやられちまってる……」キョロキョロ

魔王「まぁ、でも恐怖心は充分植え付けられたか。あーでも復興大変そうだなぁ」

魔王「……しかし、勝手に行動する奴が多すぎるな。全権を任したとはいえ」

魔王「俺のほかに指導者が必要かもしれんな。代理として信頼できる……ん?」

赤ん坊「……」

魔王「……」ジッー

魔王「微弱だが、魔力がある。息もまだある。輝くものもある……ように感じられる」

魔王「そうだ! こいつを俺の代理役として育てよう! 俺って天才!」ヒョイ

赤ん坊「あうえええ……」

魔王「おー良し良し。泣くな泣くな。立派に育ててやるからなーよちよち」バサッ!

魔王「良い拾いものをした。勇者はまた今度でいいさ」バサッバサッ

魔王「ただいま」

側近「なんすかそれ。その、ちっこいの」

魔王「うん? ああ、俺の跡継ぎ」

側近「うえ!?」

魔王「みたいなもん。補佐役かな」

側近「はあん……俺はお役目ごめんってことですか」

魔王「まぁそのうちな」

側近「ちょっwwwマジっすかwwww」

魔王「ああ」

側近「ぇっうそ、ちょっと……」

魔王「魔将軍を呼べ」

魔王「おお、きたか。用件はわかっているだろう?」

魔将軍「……はっ」

魔王「今回の行動は、まぁ……お前に任した俺も悪かった。俺の考えを理解できぬ貴様には今後任せはせんよ」

魔将軍「……」

魔王「んで、だ。とりあえずお前に対する賞罰はだな。ほい」ポイッ

魔将軍「おっと!」パシッ

赤ん坊「うええええええええ」

魔将軍「こ、これは……?」

魔王「それを立派に俺の補佐役として育ててみろ」

魔将軍「はあ!?」

魔将軍「ご、ご冗談を」

魔王「冗談ではない」

魔将軍「……」

魔王「お前が人間を毛嫌いしているのも知っておるわ。だからこそだ」

魔将軍「お、お言葉ですが……私には魔王様の考えは理解できませぬ。そのようなものに教育を任すなど」

魔王「これはチャンスだぞ! 魔将軍!」ガバッ

魔将軍「?」

魔王「上手くそいつを教育し、手懐ければ貴様の意のままに動く!」

魔将軍「は……?」

魔王「此度の失策で遠ざかったお前はそいつをつ買って中央権力を握れるぞ!」 

魔王「その忠実な働きぶりに信頼した魔王を出し抜き、貴様が取って代わる事もできよう」

魔将軍「そ、そのような!」

魔王「冗談だ。真に受けるな。まぁ、そういうことだ。好きなようにしろ。下手に育ててみろ、貴様の首が飛ぶぞ。物理的に」

魔王「いけ」

魔将軍「……はっ」

側近「いいんすか? 任せちゃって」

魔王「いいさ別に。駄目でもまた探せば良い」

側近「それもそうっすねえ。人間沢山いるし」

魔王「お前は人の心配より自分の心配をしとけ」

側近「うへへ。でも俺止めたんすよぉ~兵動かすのはよくないってぇ」

魔王「まったく……」

側近「マジっすよ!?」

魔王「わかったわかった」

魔将軍「……しかし、どうしたものか」プラプラ

赤ん坊「うえええええ」

魔将軍「ええい。うるさい、泣きやまんか!」

赤ん坊「う、う……うびゃああああああああ!!!」

魔将軍「ぬううううう!」

赤ん坊「うびいいいいいいいい!」

魔将軍「……よーちよちよち。こわくないでしゅよー。べろべろ、ばー! べろべろ、ばー!」

赤ん坊「ぅ? きゃっきゃっ」

魔将軍「はぁ……このようなところ見られたら恥辱で死ぬな……」

メイド「お帰りなさいませ」

魔将軍「おい」ポイッ

メイド「わっ」パシッ

赤ん坊「ううううううう」

メイド「こ、これは?」

魔将軍「育てておけ」

メイド「わ、私がですか」

魔将軍「お前でなくても良い。疲れた、後は任せたぞ」

メイド「は、はい!」

赤ん坊「あぐぅうううううううう!!」

メイド「こ、困ったわ」

メイド「こ、これ」

執事「はい?」

メイド「ご主人様が育てろと」

執事「私がですか」

メイド「はい。それでは」タタタッ

執事「あ、待って……」

赤ん坊「あうううううううう」

執事「……うーん。困りましたね」ヨチヨチ

赤ん坊「ぅぅう」

執事「子育てなんて……しかも人間……どうしたらいいんでしょう」

執事「と言う事できたんですが」

吸血鬼「……なんで僕さ」

執事「私には勝手がわかりませんので」

吸血鬼「僕だってわかんないよー」ギシッ

執事「でも貴方はよく人間界へ遊びに行かれるではないですか」

吸血鬼「あ、遊びにってね……僕は食事ていうか」

執事「食事は別に普通の料理でもいいじゃないですか」

吸血鬼「っ~……せ、セックスみたいなもんなの! 僕にとって吸血行為は!」

執事「やっぱり遊んでる……子供の一人や二人」

吸血鬼「みたいなもんであってそうじゃないんだってばぁ!」

吸血鬼「そりゃ中には吸血で興奮して行為に走る輩も居るけどね、僕は女相手に吸血はしないの」

執事「そうなんですか」

吸血鬼「やっぱり子供だよね。美味しいのは」

執事「はぁ」

吸血鬼「ぷにぷにしてて柔らかいし、さらさらでね凄く甘いんだ」ジュルリ

執事「そうですか。ではあやし方など」

吸血「ええー……基本的に夜中忍び込んでだからなぁ……」

執事「使えませんね。女相手はしないんですか?」

吸血鬼「しないよ。女って嫌だね。香水は臭いし……変な味がする」

執事「はぁ」

吸血鬼「子供意外なら男だよ。若くて精力溢れるさぁ……むふふ」

吸血鬼「力強い腕でね、こう……ぎゅって」

執事「あ、もういいです」

吸血鬼「なにさ。ここからが良い所なのに」

執事「役に立たないなら良いです。お邪魔しました」

吸血鬼「あ、魔って待って! 僕も手伝うよそれ」

執事「はあ?」

吸血鬼「ちょっと興味あるし。好奇心? 友達に連絡してみる!」

執事「そうですか。それは助かりますね」

吸血鬼「僕って人脈広いよ? 色んな人が来ると思うなぁ……あ、そうだ。専用の部屋とか用意させなよ」

執事「そうですね。手配させましょう」

吸血鬼「お、きたきた! おーいこっちこっち!」

スライム「……」プルルンッ

巨人「おいーす」ドスドス

ナーガ「んふふ~子供の赤ん坊ってどれ?」

吸血鬼「こっちこっち。ほら」

赤ん坊「ふぇぇ」

ナーガ「きゃー! 美味しそうー!」

執事「食べちゃ駄目ですよ」

吸血鬼「思ったより集らなかったね」

巨人「あー……ケンタウロスの奴なら来るって言ってたぞ」

巨人「しかし人間の子供だなんて何考えてんだ?」

吸血鬼「さぁ。でも面白いからいいじゃない」ニコニコ

巨人「まぁいいけどよ。俺にも見せてくれよ」

ナーガ「駄目よ。あんた顔怖いんだからあ」

巨人「いいからいいから」ズイッ

ナーガ「あっちょっと! 押さないでよね!」

赤ん坊「うええええ」

巨人「ほほお。これが……猿みたいだな」

赤ん坊「うぎゃああああああああ!」

ナーガ「ほら! 泣いちゃったじゃない!」

巨人「お、俺なんもしてない」

ナーガ「よーしよし。泣き止まないと食べちゃうぞー」

赤ん坊「ひぎゃぁあああああああ」

執事「やめてください、もっと騒ぎます」

ナーガ「どうしてよぉ」

スライム「……」ニュルンッ

吸血鬼「あ、人型になった」

スライム「……」ナデナデ

赤ん坊「ふええ……」

巨人「おー……スライムはあやすの上手いな」

ナーガ「ちょっとお……どういうことよ」

スライム「……」ニコニコ

赤ん坊「あううー」

巨人「あ、デュラハンととケンタウロスだ」

デュラハン「すまんな、遅くなった」

ケンタウロス「……」カカッ

デュラハン「それで、どこだ? 人間の子供と言うのは」

吸血鬼「ここ、ここ」

デュラハン「ほう……可愛いな、子供は。な?」

ケンタウロス「……」ムスー

巨人「なんだ? なんで不機嫌そうなんだ」

ナーガ「どうせデュラハンを乗せたからじゃない? あいつほんっと心狭いわよねえ……馬なんだからいいじゃない」

ケンタウロス「聞こえてるぞ」

ナーガ「てへへ」ペロッ

吸血鬼「まあまあ、ほら」グイッ

赤ん坊「ふあああ」

ケンタウロス「……」ムスッー ジッー

赤ん坊「ぅぅう…・・うびいいいいいいい!」

ケンタウロス「なっなっ」アタフタ

吸血鬼「あーあ泣いちゃった」

ナーガ「あんたが泣かせたのよ」

ケンタウロス「なっ! 私はなにもしていなっ!」

赤ん坊「うぎゃあああああああああああああああ!!」

ケンタウロス「うううう……おー、よしよし。よしよーし」

巨人「ははは。似合わねえなあ」

デュラハン「さて、遅くなったのには訳がある」

吸血鬼「うん」

デュラハン「これだ!」ジャン!

巨人「なんだあこれ」

ナーガ「卵……よねえ。大きくて美味しそう」

スライム「……」キョトン

デュラハン「実はな、これワイバーンの卵だ」

執事「ワイバーン! あんな知性も無い狂暴な!」

ケンタウロス「友達が欲しかろうと思ってな。獲ってきた」

デュラハン「正確には盗ってきた、だがな。ははははは」

ナカー゛「危険なことするのねえ。けどいいんじゃない? 良い友達になれるわよぉ多分」

デュラハン「ほれ。お前の友達になる奴だ」

赤ん坊「うー?」ギュー

ナーガ「ちょっとちょっと、割れたりしたら危ないわよ」

吸血鬼「固くて有名だからねえ。簡単には割れたりしないよ」

ナーガ「そ、そうなの?」

巨人「俺が握っても?」

吸血鬼「それは流石に危ないかな」

ナーガ「あんたって本当に馬鹿力」

巨人「うるせーなあ」

赤ん坊「だあだあ」キャッキャッ

執事「喜んでるみたいですね」

デュラハン「それじゃあこのメンバーで子育てということかな」

吸血鬼「そうだね。楽しみだねえ」

巨人「わははは。面白そうではあるな」

ナーガ「タワシはこの子が美味しそうに育てばどうでもいいわぁ」

スライム「……」プンプン

ナーガ「冗談よ。そんなに怒らなくてもいいじゃない」

執事「それじゃあ今後ともよろしくお願いします」フカブカ

吸血鬼「こちらこそ」

ナーガ「勝手なんか全くわかんないけどね」

巨人「まぁ三人よれば文殊の知恵とも言うしなぁ」

ナーガ「あんたってキャラ良くわかんないわぁ……」

少年「……」ボーッ

執事「どこ行きましたかー! 勉強の時間ですよー!!」

少年「……あ、せんせー」ヒラヒラ

執事「あ! 君はまたそんな所に上って……屋根は座るところではないと何回言ったら!」

少年「……」ニコニコ

執事「……はあ。いいです、そこで待ってなさい! 今行きますから!」

少年「はーい」

ワイバーン「……」バサッバサッ

少年「あ、きゅー! おかえり!」ギュッ

ワイバーン「きゅー!」スリスリ

少年「ねえ今日はどこ行こうか」

ワイバーン「きゅーきゅー」

少年「ん? なあに……あっちの方に美味しい果物があるの?」

ワイバーン「きゅー」

少年「じゃあいこうよ! 僕も食べたい、連れてって」ヒョイ

ワイバーン「きゅ!」バサッバサッ

執事「……いいですか、貴方は将来……って、あっ! ま、待ちなさい! どこ行くんですか!」

少年「ごめんなさい先生。遅くなる前に帰るからね!」

執事「ま、待ちなさい! 待ちなさいってばあ!!」

ワイバーン「きゅー!」ヒュゥウ 

少年「あははは……」

執事「……はぁ。また……」ガックリ

執事「あの子は将来魔王様の補佐をするという大任を任されるんですよ!!」ドンッ

吸血鬼「知ってるよ。ねー」

ナーガ「ねー」

執事「貴方たちは教育係という自覚が足りません! きちんと見ててください!」

吸血鬼「ええー。でも、責任は教育長の執事さんにあると思うなぁ僕」

ナーガ「そうそう。教育係を教育できてないじゃない」

執事「……」プルプル

吸血鬼「あ、やば。怒った? ごめんごめん」

執事「いい加減にしなさい! この馬鹿者が!」ドンッ!!

ナーガ「きゃっ! こわーい」

吸血鬼「ちょっとした冗談なのに」

執事「はぁ……もういいです……」

少年「美味しいねきゅー」ニコニコ

ワイバーン「きゅー」ショリショリ

少年「はい、あーん」

ワイバーン「きゅー」アーン

少年「一口で食べれるなんてきゆーはお口大きいなぁ」スリスリ

ワイバーン「きゅー」ゴロゴロ

少年「あはは。気持ちいいね」ニコニコ

ケンタウロス「ここにいましたか」

少年「!」ガバッ

ケンタウロス「さぁ、私の背中にお乗りになってください」

少年「ええ……あ、そうだ! ケンタウロスも食べてよこれ。美味しいんだよ」

ケンタウロス「いけません」

少年「でもほんとにこれ美味しいんだよ」

ケンタウロス「いけません」

少年「ちょっとくらい、ね? ねっ?」

ケンタウロス「いけません」

少年「じゃあ、あとちょっと! あとちょっとだけー!」

ケンタウロス「 い け ま せ ん 」

少年「……けちんぼ」

ケンタウロス「さぁ、お乗りになってください」

少年「いーよ。ぼくきゆーと一緒に帰るから」

ケンタウロス「いけません。お乗りになってください」

少年「……ぶー」スゴスゴ

少年「きゅーおいでー」

ワイバーン「きゅー」バサバサ

ケンタウロス「では捕まっててください。はいやっ!」パカラパカラッ

少年「んー……風が気持ちいいね」

ワイバーン「きゅー!」バサッ

ケンタウロス「貴方様はご自身が思っているよりずっとずっと大きいものなのです」

少年「?? 大きい?」

ケンタウロス「はい。私などとは比べ物にならないくらい」

少年「僕ケンタウロスよりずっと小さいよ?」

ケンタウロス「……今からそれを学ばなければいけません」

少年「僕勉強嫌いだなぁ。きゅーとずっと遊んでたいのに」

ケンタウロス「……」

ケンタウロス「さぁ、つきましたよ」

少年「あーあ。やだなぁ」

執事「ああ、ケンタウロス! 見つけてくれたんですか!」パタパタ

ケンタウロス「ああ」

執事「ありがとうございます。本当に、頼りになるのは貴方くらいで……」シミジミ

ケンタウロス「貴方も、きちんと手綱くらいは握られるよう」

執事「あ、はい。すいません」

ケンタウロス「では……では、お勉強、頑張ってください」カツカツ

少年「はーい」

執事「さあ、お勉強ですよ!」

少年「うん。きゅー先に部屋で待ってて」

ワイバーン「きゅー」バサッバサッ

執事「ええと、仕方ないから今日は繰り上げて剣術指導です」

少年「んー……」

執事「はい、着替えて。用意して!」パンパン!

少年「はーい」モゾモゾ

執事「はいはい。頑張って」グイグイ

少年「んーーー……僕ね、剣術嫌いだなぁ」

執事「そうは言っても仕方ありません。自分の見を護る為、力を見せつけるため、力は必要なものです」

少年「……でも、みんな仲良くの方が良いとおもう」

執事「それはそうですよ。けど皆仲良くする為には力も必要なのです」

少年「……わかんないや」

執事「今は分からなくても、何れ分かるようになります。さぁ、頑張って!」

少年「はーい」トコトコ

デュラハン「遅刻」

少年「う……ごめんなさい」

デュラハン「……」

少年「ごめんなさいデュラハン」

デュラハン「稽古中は師匠と呼べと言っただろう!」

少年「ご、ごめんなさい師匠」

デュラハン「本当に悪いと思っているなら、普段よりも厳しくするぞ」

少年「はい……」シュン

デュラハン「私はお前がどこでなにをしていようと気にしない。ただし! 稽古の時間には絶対に遅れないこと!」

少年「はい」

デュラハン「声が小さい!!」

少年「はい!」

デュラハン「脇が甘い!」パシッ!

少年「あうっ!」ポロッ

デュラハン「武器を落とすな! 何度言わせるつもりだ!」

少年「ううっ」パシッ

デュラハン「武器を落とすと言う事は相手に一撃の猶予を与えると言う事だぞ! 試合ならば一本に、戦場ならば死となる!」

少年「はい……」

デュラハン「わざと武器を落とし、油断させた上で攻撃するという技もあるが、それはお前にはまだ早い」

少年「……」

デュラハン「なによりそれは愚策で卑劣な手段だ。正々堂々剣を取り、真正面から敵を切り伏せる力を手に入れなければならない」

デュラハン「とりあえず休憩とする」

少年「はい!!」

デュラハン「元気いいな」

支援

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        l;:;:;:;:;:;:;ミ   ` ` '' ー -‐ '"    ,リ;:;:;:l
        l;:;:;:;:;:;:;:ゝ   く三)   (三シ  `ヾ;:t、
       fミ{;:;:;:;:f'´  , ---_,, _,ィ 、_,,ィ,.--、  };f }  言われてからzipを貼れて二流
       l トl;:;:;:;:l  、,ィ或tュ、゙:ミ {,'ィt或アチ l:l,/

       ゙i,tヾ:;:;:!  `ヽ 二ノ   ト ` ‐''"´  l:l:f
        ヽ`ー};:l       ,r'、   ヽ      リ_)  言われる前に自分からzipを貼れてようやく一流じゃ
         `"^l:l      ,/゙ー、  ,r'ヽ    l
           ゙i    ,ノ    `'"  丶.   ,'
             ゙l、   ′ ,, ィrェェzュ、,_ 〉 } /
            ',ヽ  ヘヾ'zェェェッ',シ' //ヽ     
             } 丶、 ` ー--‐ '"'´,/ノ:.:.:ヽ     ・・・・そなたらは一体、いつになったら
            /l   丶、      ,.イ:.:.:.:.:.:.:.:丶、、         
          ,r'"^l !    ` ー‐;オ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.,ノ  ,}、        一流になるのでおじゃるか?
     ,. -ァ=く(:.:.:.l  l      //:.:.:.:.:.:., - '"  ,/ ヽ、
  , - '"´ / ,/`>'t、_」___,ィ'゙,ィ,.: -‐ '" ,. -‐ '"    \

まだか

いたぞおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!

   
    ∧_∧    
  ┌ ( `・ω・)     ガガガガガガガッ!!!!!!
  ├ (   ┏ ○┓_ _ _ _从._,
  ├ ∟つ┏┓三((〓((━(。゚。)   ━ 二 三  ━  ━  ━
  └ ≡≡≡ノ  ̄  ̄  ̄  ̄ ⌒Y⌒
    (__(__)

    たまらんだろ?           たまらん!

           _, ,_            ,_
         (; ゚д゚ )          (`   )
        (   ⊃┳O        ⊂(   ヽ
        ( ⌒) )┃_        ┃(⌒ ) )  _

   / ̄ ̄ ̄`J ̄ ̄ /\    / ̄ ̄し' ̄ ̄ ̄/\
( ((  ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○  ̄     ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄ ) ))

       たまらんだろ?  たまらん!

             _, ,_ コツン ,_
           (; `д´)\/(`   )
          (   ⊃┳O ⊂(   ヽ
          ( ⌒) )┃_ ┃(⌒ ) )   _
   (( / ̄ ̄ ̄`J ̄ ̄ / ̄ ̄し' ̄ ̄ ̄/\ ))

      ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄
              /☆\

たまら──ん! _, ,_  _, ,_   _, ,_ _, ,_ たまらん――!
         ((Д´≡`Д)) ((д`≡´д))

          ((   ⊃┳O⊂(   ヽ))
         (( ⌒) ))┃_ ┃((⌒ ) ))   _
    ((/ ̄ ̄ ̄`J)) ̄ / ̄ ̄((し' ̄ ̄ ̄/\))

      ̄◎ ̄○ ̄◎ ̄○◎ ̄○ ̄◎ ̄○ ̄

>>244-248
どぼじでぞんなごどいうのおおおおおお!!!???

>>258
山田太郎乙

今週の教育係を決めてください

月:デュラハン(剣術上昇)
火:ジャイアント(体力上昇)
水:ナーガ(魅力上昇)
……


こんな感じの育てゲーを連想した

おちろ

数レスで終わる小ネタでもと思ったけど俺には無理だった

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