男「今度結婚する」 少女「…おめでとう」(237)

少女「いらっしゃい 入って」ガチャリ

男「お邪魔します」

少女「あんたが家庭教師として家に来てから、もう半年経つのね」

男「そうだな ていっても君の年上に対する態度はまるっきり変わらないけど」

少女「大きなお世話よ」

男「…そろそろ勉強始めなくちゃ 第一志望、受かりたいんでしょ」

少女「…うん」

カリカリ

少女「…ここ分かんない」

男「そこか? どれどれ」ズイ

少女「顔近い」

男「す、すまん」サッ

少女「今度は遠すぎ 教える気あんの?」

男「すまん…」

少女「ほら、早く」

男「お、おう…」

カリカリ

少女「あーもうつかれたんだけどー」

男「…まだ30分しか経ってないよ もう少し頑張ろう」

少女「それ聞き飽きた」

男「知ってる」

少女「…勉強なんかやめてイイことしよっか」

男「またそんな冗談を」

少女「冗談じゃないし」

男「冗談だし」

少女「そうだし」

男「…あのな お前同級生にもそういうこと言ってるわけ?」

少女「言ってないわけ あんただけだし」

男「…勉強、再開しなくちゃ」

少女「そうだね」

カリカリ

カリカリ

少女「好きな人できたんだ」

男「へぇ、どんな人?」

少女「気になる?」チラ

男「? そりゃまぁ…」

少女「えっとねー あんたみたいにかっこ悪くなくて あんたみたいに頭悪くなくて あんたみたいに運動神経も悪くないの」

男「すごい子だな 俺じゃ敵わない」

少女「全部嘘」

男「…手、止まってるんだけど」

少女「知ってる」

少女「喉かわいたー」

男「麦茶とってこようか」

少女「りんごジュースじゃなきゃやだ」

男「わがまま言うなって」

少女「家に無いなら買ってきてよ」

男「…そしたら誰が勉強教えるんだよ」

少女「一人で出来るし」

男「んじゃ帰るかな」

少女「待って」ガシ

男「なんだよ」

少女「あんたが帰ったら誰が勉強教えるのよ」

男「…麦茶とってくる」

少女「氷いっぱい入れてくれなかったら怒る」

男「はいはい」

ガチャリ

男「持ってきたぞ」

少女「……」スースー

男「寝てるし」

男「おい、起きろ」

男「おーい」ユッサユッサ

男「チューするぞ」

少女「引くわ」パチッ

男「起きてるんなら勉強しようね」

男&少女「あのさ」

男「…お先にどうぞ」

少女「そういうあんたは好きな人いるの?」

男「!」

少女「いるの?」

男「えっと…」

少女「いるの?」

男「…いる」

少女「へぇ…どんな人なの?」チラ

男「君と違ってしとやかで、君と違ってかなり器用で、君と違って話の分かる人」

少女「全部嘘」

男「じゃない」

少女「そう…」

少女「いつから付き合ってるの? どこまでしたの? 最近いつ会った?」

男「……その人とさ」

女「……」

男「今度結婚する」

少女「…おめでとう」

男「うん」

少女「よかったじゃん」

男「うん」

少女「今度紹介してよ」

男「いつかな」

急に女が出たのはミスです
少女に脳内変換しといてください

男「結婚はもう少し先の話なんだけどさ」

少女「うん」

男「結婚するならもっとまともな職に ってことで向こうの父親から条件出されて」

少女「それって…」

男「うん あと2ヶ月したら家庭教師やめる」

少女「転職先はもう決まってるの?」

男「ちょくちょく探してたから、もうすぐってところ」

少女「そう」

男「結婚式…来てくれる?」

少女「行かない」

男「残念」

少女「もう帰って」

男「君のお母さんに怒られちゃう」

少女「知らない 帰れ」

男「あのなぁ」

少女「帰ってよ!」ドンッ

男「なにイライラしてんの?」

少女「してないし」

男「イライラしてるだろ どう見ても」

少女「今日はあの日なの! だからだるいの」

男「また適当なこと言って…」

少女「適当じゃないし 見る?」

男「いい」

少女「もう時間だよ」

男「嘘つけ」

少女「うん」

男「うんじゃない」

男「あと1時間もあるから」

少女「集中できない」

男「なんで?」

少女「確かに なんで?」

男「俺が知るか馬鹿」

少女「馬鹿じゃなきゃあんた雇ってないし」

男「雇ったのは君じゃない」

少女「ぐぬぬ」

少女「ねぇ」

男「?」

少女「なんでもない」

男「なんでもないことはないだろう」

少女「本当になんでもない」

男「何隠してんの?」

少女「隠してないし!」

少女「もう、ただでさえイライラしてんのに やめてよね」

男「話ふったの誰だよ…」

少女「あーもう寝ます 寝ますよー」

男「コラ、椅子に戻っ…」スッテンコロリン

ガバッ

少女「なに覆い被さってんの」

男「君の部屋の汚さを物語っているとは思わないか」

少女「何で転んだの」

男「下g… 

バキッ

男「ぐえ」

少女「へんたい」

ガチャリ

男&少女「!」ビクッ

母「頑張ってる? …あら、少女寝てるの?」

男「少し休憩させるつもりで横にならせたら… すみません」

母「ちょっと… しっかり頼みますよ あと2ヵ月きりなんですから」

男「はい… 頑張ります」

母「それでは 失礼しました」バタン

少女「ばか」グスッ

男「少女…」

少女「あと2ヶ月とか まだ受験もしてないし」

男「そうだな」

少女「あんたは寂しくない?」

男「…寂しくない」

少女「嘘でしょ」

男「……」

少女「なんで何も言わないの」

少女「なんで…」グスッ

男「あと残り30分だから ラストスパートかけよう」

少女「ノートが滲んで見えるから無理」

男「とりあえず涙拭け」

少女「泣いてないから」

男「滲んでるんじゃないのかよ」

少女「滲んで見えるだけだってば」

男「はいはい 3分間だけ待ってやる」

少女「そこ笑うとこ?」

男「そのはず」

男「意思のありかを言え」

少女「ラ○タ城」

男「お前の勉強する意思はそんなところにあるんだな」

少女「それじゃ、あと27分も勉強できないね」

男「意地でもさせるからな」

少女「どうやって?」

男「力ずく」

少女「やってみなよ」

男「…いいの?」

少女「えっ」

男「本気出すよ?」

少女「え ちょ やめ…」

男「ほら、ほら…」ジリジリ…

少女「助けっ」ムグッ

男「大声出すんじゃないぞ…」スッ

少女「ん゛~っ!」ジタバタ

少女「ん゛ん゛っ! ん~!」ジタバタ

男「耐えられるかな? ふふふ」

少女「んっ んぁっ! ひぃっ」

男「どうだ、このコチョコチョ」

少女「むぐっ はっ やめっ…てっ…」

男「勉強するか?」

少女「する! するっ から…っ」ゼェゼェ

男「こんなことしてたら残り時間が…」

少女「どやぁ」

男「今回は俺の負け」

少女「そう、負けを認めるのよ」

男「調子に乗るな」

少女「…もう帰る?」

男「そうだな、そろそろ…」

少女「それじゃ、いつものアレして」

男「アレって… 俺結婚するってのに」

少女「いいから早く」

男「もう…」

チュッ

少女「ふふ… おやすみ」

男「あぁ、またな」

男「それじゃ」バタン

少女「気をつけてね」

少女「ふぅ…」

少女「さて、勉強勉強」

カリカリ

少女「できなかったぶんやらなきゃ」カリカリ

少女「第一志望受からなきゃ」カリカリ

少女「結婚…」カリカリカリカリカリ

『しんじゃえしんじゃえしんじゃえしんじゃえしんじゃえしんじゃえしんじゃえ
 しんじゃえしんじゃえしんじゃえしんじゃえしんじゃえしんじゃえしんじゃ…』

少女「しんじゃえ…」ボソ

>>49
少女「それじゃ、いつものアレして」

男「アレって… 俺結婚するってのに」

少女「いいから早く」

男「もう…」

チュッ






ナニヤッテンダキサマアァ‼

少女「……」ボー

友達A「少女、お昼どうするー?」

少女「…じゃえ」

友達A「? なんて? もっかい!」

少女「ふぇっ? な、なんでもないよ?」

友達B「てか少女、声枯れてない?」

友達C「そうだよ、授業中も窓の外見ながらずっとブツブツ同じこと言ってたし」

友達A「ねぇ、大丈夫なの? なんかあったら相談のるよ…?」

友達B「うちら友達じゃん!」

少女「ありがと… 気持ちだけで嬉しいよ 一応保健室行っとくね」ニコッ

保健室

ガラガラ

少女「失礼しまーす」

保健医「あら少女ちゃんまたサボリ? って何その酷い声」

少女「なんか声が潰れるまで同じこと言ってたみたいで…」

保健医「覚えてないの?」

少女「はい… 無意識というか」

保健医「疲れてるんじゃない? 嫌なことでもあった?」

男『今度結婚する』

少女「…別に なにも」

保健医「…とりあえず休んでいけば?」

少女「そうします」

保健医「……」

保健医「何があったかは知らないけど 私はいつでも少女ちゃんの味方だからね」

少女「……」

少女「先生はさ」

保健医「んー?」

少女「彼氏とかいたりする?」

保健医「ぶはっ」

保健医「いきなり何を言い出すかと思えば…」

少女「いるの?」

保健医「あぁもういないわよ! 悪かったわね!」シャァァ

少女「ぷっ」

保健医「何笑ってんのよ」

少女「先生おもしろいなー」

保健医「中学3年生に面白がられる29歳…」

少女「おばさん」ププッ

保健医「うっさい! 私だって… 私だって…」グス

少女「相談乗ろうか?」

保健医「よろしく…」グスッ ズビッ

少女「(どうしてこうなった)」

保健医「それでね、私がね…」

少女「(長い…)」

友達A「失礼しまーす 少女いる?」

保健医「Aさん あなたも仮病?」

少女「失礼な」

友達A「いえいえ そろそろ元気かなーって」

少女「ありがとう もうちょっと休んでくよ」

友達A「そう… お大事にね!」タタタッ

保健医「さて… 先生も、ここ空ける用事があるから出ていくけど おとなしくしとくのよ」

少女「はーい」

少女「結婚…」

少女「はぁ…」

男『今度結婚する』

少女「べっ 別に気になんないし…」ブンブン

少女「けっこんけっこんけっこん…」ブツブツ

放課後

キーンコーンカンコーン


少女「あ゛ー…」

友達A「ちょっと、悪化してない?」

友達B「ほんとだ、もっとひどくなってる」

友達C「本当に大丈夫なの? 風邪とか…」ピト

少女「熱とかないない! 大丈夫だから」

友達C「確かに熱はない… 恋の熱とか? なんちって」

少女「!」

友達B「ちょっと何それー」

キャハハハ

友達A「こら、真面目に…」

少女「いいの、本当に大丈夫だから 気にしないで」

少女「私は何をしてるんだろうか…」トボトボ

男「それでさー」

少女「あっ、あいつ…の横にいるのは…」

少女「結婚相手…?」ササッ

男「? 今誰かいた?」

女「気のせいじゃない?」

男「そっか んじゃ行こう」

女「うん」

少女「…手なんか繋いじゃって」ギリッ

少女「……」ササッ

少女「後つけたりなんかしちゃって… 私バカみたい…」

男「それじゃ、またね」

少女「ここがあの女の家ね…」

男「ばいばい」

女「うん」

チュッ

少女「…っ!」ギリリッ

少女家

男「ここが、こうなって…」

少女「……」カリカリ

男「今日はやけに素直に勉強してるな」

少女「……」カリカリ

男「あのな」

少女「……」カリカリ

男「褒めてるんだぞ」

少女「……」ピタ

男「心境の変化っていうの? 君にもとうとうやる気が…」

少女「……」ボキッ

男「芯、折れたよ」

少女「……」カチカチ カリカリ

男「もう帰る時間だけど…」

男「アレ、する?」

少女「しない」

男「なんで急に…」

少女「しないったらしない!」

男「そうか んじゃ帰るよ」ガチャリ

男「……」

少女「何佇んでんのよ 早く帰りなさいよ」

男「じゃぁな」バタン

少女「あんな女の唇に触れたあんたの唇なんて… もういらないから」

少女「…勉強しよう」

カリカリ

学校

キーンコーンカーンコーン

先生「個人面談が今日から始まる 出席番号順でいくから… 少女、お前からだな」

先生「進路をおおかた決める、大事な面談だ 緊張感をもって臨んでくれよ」

生徒「はーい」

先生「それじゃ少女、教室を移るぞ あとは自習だ 静かにするように」

先生「さて… お前の志望だが B高か」

少女「はい」

先生「最近頑張ってるようだし、その頑張りも成績に表れてる」

先生「先生な、正直言うと もう1ランク上のA高を狙ってみてもいいと思うんだ」

少女「はぁ…」

先生「家庭教師についてもらったり、寝る間も惜しんで頑張ってるんだろ?」

少女「家庭…教師…」

先生「その目の下のクマ 努力の結晶というか お前の頑張りを物語っている」

先生「どうだ 志望校、考え直してみないか?」 

少女「嫌です」

先生「え」

少女「私はB高を目指して勉強してきたんです 今更目標を変えるとか…そんなことできません」

先生「だ、だけどな? 学校的にも、レベルの高い高校に行ってもらえると助かるというか…」

少女「私は私のために頑張ってるんです 学校のために頑張るだなんてとんでもない」

少女「きっと、私じゃなくてもそうですよ 先生」スクッ

先生「お、おい少女!」

少女「失礼しました」 ガララ ピシャッ

少女「最悪…」

少女「あの人と相談してやっと決まった志望校を…学校のために…」

少女「ありえないから」

スタスタ

友達A「あっ 少女! 志望校どうなった!?」

少女「大丈夫、変わらずB高だよ」ニコッ

友達A「よかった~! 私も変更とかじゃなきゃいいけど…」オドオド

少女「大丈夫、Aちゃんは私より頭いいでしょ?」

友達A「そんなことないよ! 少女ちゃんの方が…」

少女「まぁまぁ 早く行かないと先生に怒られちゃうよ」

友達A「そ、そうだね… じゃ、また後でね!」タタタッ

友達A「やったー! 私もB高受けて安心だって!」

少女「よかったね、Aちゃん」ニコッ

友達A「うん! 一緒に頑張ろうね!」キャッキャッ

友達B「少女ちゃんと一緒になるかもなんて、いいなぁ 私C高だからさー」

友達C「少女ちゃん! 今からでもA高にしない!? 私だけじゃ寂しいよー」ウルウル

少女「あはは… 私はB高って決めてるから ごめんね」アセアセ

友達C「いっいや、そんなの全然! みんなで頑張ろうね!」

少女「(絶対B高しかないんだから…)」

少年A「おいおい、少女のあの表情やばくね!?」ヒソヒソ

少年B「だな、窓の外見上げてボーッとしてるだけで絵になるってどんだけだよ…」ポー

少年A「おいおい、お前少女のこと好きなんかぁ?」ニヤニヤ

少年B「悪いかよ! よし決めた、今日告る 絶対告る」

少年A「ま、マジかよ! やるぅ!」

ザワザワ

少女「(なんか教室うるさい…)」イライラ

放課後

少年B「あの、こんな所に呼び出してごめん… 俺のこと知ってる?」

少女「知ってるよ 少年B君でしょ?」

少年B「え、名前知ってたの!? 嬉しいなぁ」

少女「同じクラスなんだし、当然だよ」ニコッ

少年B「あっ、そうだよね! あはは、あは…」

少女「それで、なんの用なのかな?」

少年B「そ、そうだ! 実は言いたいことがあって…」

少女「うん」

少年B「俺、少女さんのことがずっと好きだったんだ」

少女「そうなの?」

少年B「うん できれば付き合ってほしい… だめかな?」

少女「うーん…」

少年B「」ゴクリ

少女「だめ、かな」

少年B「そっか…」

少女「好きな人がいるんだよね」

少年B「だっ、誰!?」

少女「君には関係ないよ」

少年B「いっ、いいじゃないか それくらい!」

少女「ごめん、これだけは言えないの」

少年B「…てくれよ」

少女「?」

少年B「付き合わなくていいから、一回だけイイことさせてくれよ」

少女「何言って…」

少年B「な、チューだけでいい…」ハァハァ

少女「こ、こないで…」

少年B「いいだろ…」ジリジリ…

少女「ちょっと… 誰か…」

ガシッ

少女「嫌… 嫌ぁ!」

そこで何してる!

少年B「!?」ビクッ

少女「せんせい…?」グスッ

先生「お前何やっとんじゃァ! 少女、大丈夫か?」

少女「は、はい…」

先生「詳しい話は指導室で聞くからな、少年B」

少年B「やめろ! 離せ! 助けて少女さん!」

少女「はぁ…、はぁ…」

少女「最低」ボソッ

少女家


男「ここをこうして…」

少女「……」

男「手が止まってるぞ」

少女「うっ…」グスッ

少女「うっ うわああん!」

男「ちょっ どうしたの!?」

男「そう、そんなことが…」

少女「すっごく怖かった… 目が血走ってて、息遣い荒くて…」

少女「ケダモノってあいつのことを言うのよ…」

少女「もうあいつに会いに学校行くの嫌…」

男「ばか」ギュッ

少女「!」ドキッ

男「怖いだろうけど頑張ってみろよ 今までの努力、こんなことで無駄にしちゃいけない」

少女「うっ、うえぇ…」グスッ

男「だからもう泣くなって な?」

少女「…だったら、アレして」

男「…いいのか?」

少女「うん…」





俺「アレって… 俺結婚するってのに」

俺「いいから早く」

俺「もう…」

チュッ

俺「ふふ… おやすみ」

俺「あぁ、またな」

少女「ぷはっ、はぁ…はぁ…」

男「大人のキスは初めて?」

少女「いつだって何だって、あんたが初めてに決まってるじゃない…」

男「そうなのか」

少女「だからもっと教えて」

男「おい、俺は家庭教師だぞ… 自分が何言ってるか分かってるのか?」

少女「保健体育の授業、よろしく…」

男「っ!」ドキッ

俺「ぷはっ、はぁ…はぁ…」

俺「大人のキスは初めて?」

俺「いつだって何だって、あんたが初めてに決まってるじゃない…」

俺「そうなのか」

俺「だからもっと教えて」

俺「おい、俺は家庭教師だぞ… 自分が何言ってるか分かってるのか?」

俺「保健体育の授業、よろしく…」

俺 「ドヤァ」

男「じゃ、いくぞ…?」

少女「早くしなさいよ、この体制恥ずかしい…」ドキドキ

男「てか、お母さん入ってきたりとか…」

少女「今日同窓会でしょ だからはやくぅ…」

男「どうなっても知らないからな!」グイッ

少女「っつ… 痛ぁ…」

男「ほれみろ言わんこっちゃない」グググ…

少女「んはぁっ! んんっ…」

男「うっ…」ドクン

少女「えっ、ちょっ、えぇっ!?」

男「あぁ… ごめん、俺とんでもないことを…」

少女「いや、びっくりしただけ… それに今日は大丈夫だし」

男「超えてはならない一線を超えてしまった…」

少女「ねぇ」

男「ん?」

少女「こういうことってさ、結婚相手としたことあるでしょ? 私とどっちが…」

男「ない」

少女「え?」

男「いざとなったらビビっちゃって… あの人とは中々できずにいた」

少女「そ、それじゃっ… 私が初めて?」

男「そういうことになるな」

少女「…!」パァァ

少女「うー… まだ痛い…」

男「大丈夫か?」

少女「ぜんぜん大丈夫…じゃない」

男「おい」

少女「こんなに痛いとは思わなかった」

男「だからやめとけばよかったのに…」

少女「そ、それは… もう!」ポカッ

男「う、うわ、やめろって!」

少女「うっさい! しね!」ポカッ

アハハハハ

男「ん、もうこんな時間か」

少女「泊まっていきなよ」

男「それはさすがにまずいって 帰るよ」ガチャリ

少女「そう…」シュン

男「ったく…」

チュッ

少女「!」カァァァ

男「これで我慢してね おやすみ」バタン

少女「えへへ…」

少女「あーもう! 幸せすぎ!」モフッ

少女「このベッドの上で… 今夜…」ドキドキ

少女「きゃー! 大人の階段登っちゃったー!」ジタバタ

少女「……いつまで続くのかな、この幸せも…」

少女「結婚したら…子供だって生まれるだろうし…」

少女「当然生まれるまでの過程ってのもあるわけで…」

少女「てことは、あの人とお相手さんが… 今夜みたいなことを…」


少女「…あの人の子供欲しい なーんて」

学校

少女「……」キョロキョロ

友達A「少女、どうしたの?」

少女「少年Bくんが…見当たらない」

友達B「彼なら転校したよ?」

少女「えっ」

友達C「なんでまたこの時期に…ねぇ?」

友達A「少女、何か知ってるの?」

少女「なっ、なにも知らないよ! やだなぁ…」

友達A「だよねー」

少女「そうだよー もうー」プンスカ

少女家

少女「彼なら転校したみたい…」

男「そうなのか やっぱり前の件で…?」

少女「だと思う」

男「ならもう安心だな よかったじゃないか」

少女「そうだけど… もっと安心させてよ」

男「それって…」

少女「そういうこと♪」

少女「はぁ… はぁ…」

男「ふぅ…」

少女「また中だったね…」

男「まずかったか?」

少女「いや、大丈夫だけど」

男「それにしても、慣れてきたんじゃないか?」

少女「痛いもんは痛いよ! ばか! もっと優しくしろ!」

男「…すみません」

男「あと一週間」

少女「?」

男「家庭教師やめるまで」

少女「あっ…」

男「結婚式の日取りももう決まったんだ 転職先が見つかったらすぐにって話だったから」

少女「そ、そうなんだ…」

男「結婚式、来てくれよ」

少女「考えとく…」

男「さて、悪いけど今日は帰らせてもらう」

少女「えっ、勉強は?」

男「すまない、今から女とディナーなんだ…」

少女「そう… なら急がなきゃね! ほらほら、早く出ないと!」グイグイ

男「こ、こら 押すなって」

少女「ばか、ばか、ばかばかばかばか…」ガリガリガリガリガリガリガリガリガリ

『女きえろ女きえろ女きえろ女きえろ女きえろ女きえろ
 女きえろ女きえろ女きえろ女きえろ女きえろ女きえろ…』

少女「みんなきえろ…」スースー

少女家


少女「んんっ…!」ビクン

男「今ビクッてなった」

少女「うっ…さい…」ハァハァ

男「やっぱ慣れてきてるよね」

少女「そりゃまぁ…」

男「変態さんだなぁ」

少女「なっ あんたにだけは言われたくない!」カーッ

少女「…このまま、あんたを私の物にしたい」

男「何言ってるんだ、結婚式はもう明後日なんだぞ」

少女「そ、そうだね… ごめん」

男「今日も、その…彼女に会わないとだから」

少女「あんた、私が落ちてもいいわけ?」

男「君はもうA高余裕レベルまで頑張ってるじゃないか 今更俺が見なくたって」

少女「そんな寂しいこといわないで!」ダン

男「!」

少女「結婚しちゃったら終わりなんてやだ… お別れなんてやだよぉ…」グスッ

男「……」

ギュッ

少女「……」

男「ごめん ごめん…」

少女「もう少しだけ、このまま…」

学校

キーンコーンカーンコーン

友達A「少女、テストどうだった?」

少女「うーん… まぁまぁかな?」

友達B「どれどれ~?」

少女「あ、ちょっと!」

友達B「げぇっ! 80点取っといてまぁまぁはないって!」

友達C「嘘!? 少女~、やっぱA高来なって~」

友達A「ふっふっふ、残念でした 少女は私と一緒にB高へ行くんだから!」

アハハハハハ

少女家

少女「ただいま~」

母「……」

少女「どうしたの…? そんな暗い顔して」

母「家庭教師の先生の婚約者さんが…」

少女「?」

母「交通事故でお亡くなりに…」

少女「えっ…」

少女「嘘…でしょ…」

母「誰がこんな嘘つくってのよ! あぁ、お気の毒に…」

少女「せ、先生は…」

母「予定通り、今日も来るそうよ 大変な時なのに…」

少女「(どうしよう… 私が消えろなんて願うから… そのせいだ…)」

ガチャリ

少女「!」

男「少女ちゃん…」

少女「……」

男「うぅっ… 女さん… 女さん…」

少女「な、泣かないでください… こういうこともありましたけど… 気を落とさずにこれから…」

男「これから!? これからってなんだよ! 女さんがいない世の中にこれからも糞もあるかよ! えぇ!?」

少女「……」

男「くそっ! ふざけやがって!」ガバッ

少女「あっ…!」ドサ

男「うわあああ! 少女! 少女!」ズンズン

少女「あっ いやっ くぅ…」

少女「(こんなに私に夢中…)」

少女「(こんなこと本当は思っちゃいけないのかもしれないけど…)」

少女「(女が死んだことって、実はとても…いやものすごくラッキーだったんじゃ…)」

少女「男さん、気持ちいいですか…?」

男「あぁっ 最高だよ少女! あっ あっ やばい!」

少女「きて…」ニコッ

男「うわっ あっ いく… 女ァァァァ!」ドクン

少女「……!」ピシッ

少女「(もういない人の名前を呼ぶ…?)」

少女「(目の前にいるのは私なのに… 意味分かんない…)」

男「はぁ… はぁ… もう俺には君しかいない… 君しかいないんだ…」

ギュッ

少女「(いみわかんない…きもちわるい…いみわかんない…きもちわるい…)」

学校

キーンコーンカーンコーン

少女「……」ボー

友達A「もう、ボーッとしてどうしたの?」

友達B「もうすぐクリスマスなんだし、テンションあげていこうよ!」

友達C「そうそう、人生楽しんだもん勝ちよ」ビシ

少女「…そうだね! ごめんね、心配かけちゃって…」

友達A「いいっていいって! そんなことよりクリスマスは暇?」

友達B「彼氏いない組どうし、パーっとしない?」

友達C「そうそう、みんな一緒だったら寂しいわけないからさ」

少女「ご、ごめ~ん… クリスマスは予定が…」アセアセ

友達A「なぬっ! さては彼氏か!」

友達B「ずるいぞ! ずるいぞ!」

友達C「くやしいのう」

少女「こっ、今度紹介するから… ほんとごめんね?」

友達A「いいって いいって 楽しんでこい! うちらはうちらで楽しむから」

友達B「こっちの方がよかったーって思わせるくらいやっちゃうから!」

友達C「ちょくちょく写メ送っちゃうから いい雰囲気邪魔してやる!」

アハハハハハ

少女家

少女「クリスマス、どうするの?」

男「どうしよっか あ~、女がいた時は二人でよく話あって決めたなぁ」

男「懐かしいなぁ… あはは 女…」グスッ

少女「ちょっと… 今の彼女は私でしょ その話しないで…」

男「おっとすまん でもあいつはいい娘だったからさ…」

少女「……」キッ

男「…悪かったって」

少女「…泊まってくんでしょ? 一緒のベッドで…」

男「いいよ床で寝るから おやすみ」

少女「早くない…?」

男「俺は疲れてるの! 彼女ならそんくらい分かれよ! ったく」

男「女の時はそういうのすぐ察して、布団とか敷いてくれたんだけどな」

少女「あっ… ごめんなさい、今すぐ準備するから…」タタタッ

男「ほんと頼むよ~ マジで」イライラ

少女「せっかく大好きだった男さんの彼女になれたのに…」

少女「嬉しいはずなのに…」

少女「何かにつけて女は女はって…」

少女「なんか違うよ… 変だよ…」グス

クリスマス数日前

男「まだ数日前だってのに、街はクリスマス一色だなぁ」

少女「そうね」

男「クリスマスはホテルばっちり予約しといたから 久々に燃えてきたぁ!」

少女「そうね」

男「展望台かぁ 懐かしいなぁ 女とはよくここに来たもんだよ」

男「わりと人が少なくて、チューするには恰好の場所だったんだよなぁ」ウンウン

少女「そうなの」

パラパラ…

男「雪じゃん」

少女「寒い」

ギュッ

男「こうすれば暖いだろ…?」

男「今なら人も、いないし… ここでどう?」

女「そうね」

ブスリ

男「あ、あ、あ…」

男「腹が、熱…い…」

少女「刺してるもの」

男「な、なん…で…」

少女「さぁ? 自分の胸に聞けばいいじゃない」

男「いやだ…死にたく…な…い」

少女「…おめでとう」

男「な…にがケホッ」ビチャ

少女「大好きな大好きな女さんの所へ行けるね 向こうで 末永く お幸せに」

男「うぅ… 女ぁ… 女ぁ…」

少女「最後まで…あの女のこと… 幸せな人」

ピロリロリ♪

少女「メール?」

友達A『クリスマスパーティーの買出し中!  
    そっちは今頃彼氏さんとデート?
    こっちの方が楽しいんだからね!』

少女「ふふふ… 楽しそうで何よりです っと」ピピピ


少女「服が返り血でべっとり…」

少女「お気に入りだったのになぁ」

少女「帰って洗濯しなきゃ」

少女「……」クルッ

少女「さよなら」スタスタ…

『それでは次のニュースをお伝えします
 今日夕方、男性の遺体が街の展望台にて発見されました
 その数十分後に少女が家で首を釣って自殺して死亡しています
 警察はこの2件に関連性があるとみて調査を進めているのとのことです』


お わ り

どうも>>1です

こんな即興駄SSに付き合ってくださった方々ありがとう

少女→女 になってしまうなど、凡ミスが目立ってしまいました
この場にて、お詫びをさせていただきたい

ハッピーエンドを望まれる方もいたのですが、
即興とはいえ私は最初からバッドにする気満々でした

だからこう言うふうに進めてほしい、という要望には答えることはできませんでした

最後に…さるさんよけや支援レスなどしていただいて、とても嬉しかったです

本当にありがとうございました

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