今井「ここがあの女のハウスね」日笠「イェーーーイwwwww」 (2)

 

四十年勤め上げた會社を退職し早二十年、何やら張り合ひの無い日々を送る内、大學生の孫に「退屈しのぎに遣つて見たまへ」と勸められた貳チヤンネル。
當初は「こんな電腦掲示板、何たる幼稚加減」と莫迦にしてゐたものの、遣つて見ると存外に面白い。
華やかな色彩の髪と目を持つうら若き乙女に「ゆとり乙」と何度と無く罵られるにつけ、食ふや食はずやで慌しく過ぎ去つた學生時代が自づと思ひ返され、「戰爭さへ無ければ、小生もこのやうな青春が送れたやも知れぬ」と獨りごちることも屡々。
すつかり虜となつた今では、孫の部屋から白銀色の電腦計算機をせしめては書齋に籠もり存分に「祭り」を堪能する毎日を送つてゐる。
「小四女兒遺棄事件」なるスレツドを拜讀した際には、その餘りに不憫な境遇と過酷な運命に落涙し、臺所で葱を刻む家内に「かやうな理不盡が許されていいものか!」と熱辯を振るつて呆れられる始末。年甲斐も無い、とはこのことと後で赤面することしきり。
下手の横好きとはいへ「繼續は力なり」の言葉通り、最近ではブラクラの回避やコピペの管理にも慣れ、「好きこそ物の上手なれ」を座右の銘として貳ゲツトに勵んでゐる。
同年代の友人達が癡呆や重い病に惱まされる中、老いて尚矍鑠としてオフ會に向かへるのも、ひとへに貳チヤンネルのおかげかと思へば、再三に渡る「半年ROMつてろ」の罵り文句も、何やら「まだまだ死ぬには早いよ」と言はれてゐるやうで愉快極まりない。
ひとつ間違へれば自らが乗り込んでゐた機體と同じ名前を持つコテハンに出會へる日を樂しみにしつつ、今日もヂスプレイに向かふ。
それでは、貳ゲツト。

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