イアン「『愛してる』と言ってみるスレ?」(60)



17:名無しの商人 6/14
  妻とは結婚して10年。家に帰るといつも美味い飯を用意してくれている。
  先日品出しをしている時、訓練兵らしき男女二人組が道を歩いており、男の方が「愛してるよ、ハンナ」と言っていたのを聞いてはっとした。
  結婚して一緒に暮らして今日に至るまで、妻にはっきり「愛してる」と伝えたことがない。
  その日は特に記念日でも何でもなかったが、仕事を終えるとすぐに家に向かった。

18:名無しの商人 6/14
  玄関の前でふと、どうやって言ったらいいのかと今更思い悩んだ。
  扉を開ける勇気が出ずにうろうろしていると、落ちた視線の先に小さな白い花が見えた。
  何の気なしに詰むと、妻が玄関から出てきた。
  心臓が口から飛び出しそうなほど驚いて、花を持ったまま振り向きざまに勢いで「あああ愛してる!」と言ってしまった。
  妻は爆笑した。しかし泣いていた。




23:E・J 6/30
  付き合って1年の彼女に愛してると言ってみた。
  本当はもっと格好良く言いたかったんだがなぁ……まだ金がないからという理由で大衆食堂に行ったのがいけなかった。
  食事を終えていざ言おうとした時に、隣のテーブルで飲み物を頼んでいた母親に見つかった。
  まさか母親の前で恋人に愛してると言う羽目になるとは……かなり恥ずかしい。
  でも、彼女が本当に喜んでくれたからよしとする。照れた笑顔が可愛らしかった。

    24: 7/1
      むしろよく言った

これエレンか?



30:駐屯兵G(黒くない) 7/11
  いつも一緒に仕事をしている女性。相棒とも言える仲になっていたが、この想いを伝えたことは一度もなかった。
  いつものように司令を呼びに一緒に廊下を歩いていたら、ここの掲示板のことをふと思い出した。
  だが声が出ない。そもそもまだ好きとも言ったことがない。
  だが妙にその時は気持ちが昂ぶっていた。唐突に立ち止まった。

  俺「あの……」
  Aさん「何?」
  俺「ずっと前から好きでした。突然だけど、あなたを愛しています」
  Aさん「( ゚Д゚)!?」←ほんとこんな感じ


31:駐屯兵G(黒くない) 7/11
  言ってしまってからやっと正気になって、頭の中はうわあああああああ状態。
  彼女もしばらくポカーンとした後、みるみるうちに顔も耳も真っ赤になった。

  Aさん「や…な、あ、ぁ」←もう何言ってるのかわかんない
  俺「えっと、その、あの、あ」←俺も何言ってるのかわかんないし記憶にない
  Aさん「わ、たしm」
  俺「え?」
  Aさん「私も」

  一気に幸せになった。

>>3
 すまん、初っ端からやらかした。

×E・J
〇E・G

ああコップ放置班の精鋭のことか

エルド・ジンか。すまん



42:NEs 8/1
  帰る場所があるってのはいいもんだな。
  壁外調査からはあんまり気分良く帰ってこれるもんじゃないんだが、それでも久々に家に帰ってくると、生きてここに戻れたことに感謝できる。
  出迎えの娘を抱きかかえて、ご馳走を作ってくれている嫁さんのところに向かった。
  振り返りざまに笑顔で「お帰りなさい」って言われた時、自分がものすごく幸せ者に思えたな。
  特に気負うことなく「愛してる」って言えたよ。だけど、嫁さんめちゃくちゃ泣かせちまった。
  本当はちゃんと帰ってくるか心配で、ずっと不安だったんだと。
  「ママ泣かせちゃだめ!」って、娘に頭をぽかぽか叩かれた。2人まとめて抱きしめて、いつでも帰ってくるからって言ってやった。



56:F 8/28
  まだ訓練兵だけど、結婚したいと思っている人がいる。
  彼女にはよく「愛してるよ」って言ってあげてるけど、ちゃんと伝わっているのか心配になる。
  来週は彼女の誕生日。本気で伝えたいと思ってるけど、どうしたらいいのだろう?

   57: 8/28
     訓練兵じゃ外で飯を食いにいくのも厳しいか。プレゼントでも買ってやれないか?

   58: 8/31
     手紙でも書いてやれ。

>>4だけわからん

ピクシス指令の側近コンビかと


61:F 9/4
  アドバイスくれた人ありがとう。報告します。
  その日は平日だったしご飯を食べに行くってことはさすがに出来なかった。食堂で一緒にご飯を食べた後、少しだけその場に残ってもらった。
  男子寮に急いで、自分のベッドの近くの物入れから手紙と、押し花のしおりを取り出した。
  情けないことに僕にはお金がない。こんな物しか用意できなかった。
  食堂に戻り、他に誰も人が残っていないことを確認して手紙としおりを渡し、言った。
  「誕生日おめでとう、○○○。今までも、これからもずっと愛してるよ」
  いつも「愛してる」と言われたら「ありがとう、私も」と返す彼女だったけどこの日は違った。
  少し上ずった高い声で、「私も、ずっと愛してる」って言ってくれた。成功かな?

    62: 9/5
      もげろ。

    63: 9/6
      お幸せに。



65:■■■ 9/6
  すげー! ■■■■に聞いて初めて見たけど、こんなところがあるんだな! 面白れぇ!

    66: 9/8
      ここでは本名を隠すのが暗黙の了解になっているぞ。



68:C訓練兵 9/10
  すみませんでした! 一応名前消しときます!
  でも、すっげーなって思ったんです! ほんとに! みんな勇気あるなーって!

    69: 9/11
      君も勇気を出してみたらいい。友人にならって。


    71: 9/11
      ここに集う者は皆、勇者だからな。



74:C訓練兵 9/16
  お、俺!? そんな、無理ですよ! そもそもまだ付き合ってもないのに……

    76: 9/16
      てことは意中の相手はいるんだな。
      頑張れ。報告を待っている。

    77: 9/17
      男なら覚悟を決めろ。

    78:駐屯兵G(黒くない) 9/17
      自分もそうだった。勢いってのも大事だ。

グスタフだったかな?



80:C訓練兵 9/29
  背中を押されたので、言ってみました……だぁあああ恥ずかしいいい!!
  勇者って言葉の意味がよくわかりました。くっそまだ顔あちい。
  でもまぁ、うまくいってよかった、かな?

  俺の好きな奴は俺と同様、狩猟民族出身なんで、会った時からどことなく息が合った。
  すんげぇ食欲旺盛で、入団した時からネタにされてたような奴だけど、それでも飯食って笑ってる顔はかわいいと思った。
  この掲示板見てみんなの勇気に感心して、自分で書き込んでみて返事もらって、覚悟決めるかってなったけどどうしても緊張で言い出せなくて。
  だいたい、あいつとは普段そんな感じじゃねぇし。ただ一緒に馬鹿やってるだけ。
  でも、とうとう言わなきゃいけないなってなって、対人格闘の時、言った。「ずっと好きだった」って。



81:C訓練兵 9/29
  そしたらあいついきなりバランス崩して倒れかかってきた。顔真っ赤にして怒られた。
  「何でこんな時に言うんですか!」いやだって、他に誰にも聞かれないように言うタイミング思いつかなかったんだよ。
  「馬鹿! バカバカバカ!!」って言って、俺の上に乗ったまま俺の両肩をバシバシ叩き続けた。
  そしたら周りのやつらも騒ぎ出して、とうとう教官にまで見つかった。
  教官が■■■を……おっと。そいつを俺からひっぺがそうとする直前、俺の耳元に顔近づけて「私も好きです」って言われた。
  その瞬間の俺の思考回路は、さすがにどうかしてたと今ではわかる。俺は嬉しいとかそれ以前に、全然違うことに頭がいっちまった。

  あれ? 俺、愛してるって言ってなくね? って。

ゲルガー?

訓練兵 馬鹿 C これでわかるだろ



82:C訓練兵 9/29
  繰り返すけどこの時は対人格闘中だ。周りの連中は騒ぎを起こした俺らを見てる。教官もいる。
  そんなザ・衆人環視の状態で何を思ったのかポロっと言っちまったんだ。
  「よかった、ありがとう。えっと、愛してる」って。
  周囲からは黄色い声と口笛が聞こえて、それで自分がとんでもないこと言ったって気づいた。
  もうめまいがするほど恥ずかしかった。■■■もさっき以上に顔真っ赤にしてた。教官があきれてた。
  俺の報告はこんな感じ。もうやだ恥ずかしすぎる。

    83: 9/30
      よくやった!

    84: 9/30
      お疲れさん。立派だぞ。

    86: 10/1
      お前いい男だよ! GJ!

即興で書ききれるかと思ったけど眠いんでいったんここまでにします。
>>4わかりづらいよねごめん。>>11>>16が正解。グスタフで相手がアンカ。

駐屯兵Gの事なんだけど

そっちね。
そちらはわからん

支援
>>4はピクシスのチェス待ってたコンビか
名前あったんだな…



95:オレオ 10/5
  愛してると言ったら張り倒された。


   96: 10/5
     詳しく聞こう



101:オレオ 10/14
  96応答早いな。とりあえず書いておく。
  俺の相手は調査兵団で同じ班の女だ。いつか女房にしてやりたいもんだが生憎そう簡単にはいかない。
  隙を見ては口説いているんだが、いつも軽くいなされるんでとうとう本気を出してみた。
  夜、外で水を飲んでるあいつを見つけて近づいた。周りには誰もいない。
  綺麗な星空だった。

  俺「○○○」←名前な 伏せとくが
  女「何?」
  俺「俺の女房になる決心はついたか?」
  女「はぁ? 何言ってるの?」
  俺「俺は本気だ」
  俺「本気で愛しているんだ」



102:オレオ 10/14
  瞬間、俺の体は背後に2mくらい吹っ飛んだ。
  「何考えてるの」「信じらんない」等々いろいろ罵声を浴びせられた。極めつけは
  「何でこんな時まで兵長の真似するのよ!!」だった。
  言い忘れていたが俺とそいつには敬愛する上司がいて、俺はその人に近づきたくて、何時しかその人の口真似をするようになっていた。
  その時の俺の言葉は確かに本心だったんだが、つい照れが入って、その上司の口真似のまま言ってしまった。それが癇に障ったのだろう。
  走り出す女を必死で追った。ここで行かなかったら終わりだと脳が警告してた。



103:オレオ 10/14
  あいつはすばしっこい。ようやく腕を掴んだ時は俺もあいつも息を切らせていた。
  「離して」って言う声が震えていて、泣いているのだとわかった。「悪かった」と背中に向けて言った。それ以外になんて言ってやったらいいかわからなかった。
  あいつはゆっくり振り向いて、俺の胸に顔をうずめた。抱きしめてやることもできなくて、頭を撫でてやるだけだった。

    105: 10/15
  ********何が起こるかわからないのがこの言葉の怖いところだな。

*********107:E・G 10/16
************冗談みたいに言われたくなかったんだろうな。特にお前には。
      次は兵長の力を借りずに、ちゃんとお前の言葉で伝えてやれ。



103:オレオ 10/14
  あいつはすばしっこい。ようやく腕を掴んだ時は俺もあいつも息を切らせていた。
  「離して」って言う声が震えていて、泣いているのだとわかった。「悪かった」と背中に向けて言った。それ以外になんて言ってやったらいいかわからなかった。
  あいつはゆっくり振り向いて、俺の胸に顔をうずめた。抱きしめてやることもできなくて、頭を撫でてやるだけだった。

    105: 10/15
      何が起こるかわからないのがこの言葉の怖いところだな。

    107:E・G 10/16
      冗談みたいに言われたくなかったんだろうな。特にお前には。
      次は兵長の力を借りずに、ちゃんとお前の言葉で伝えてやれ。

臆陛疾淌*



110:目指せ立体機動首席ジャン! 10/19
  へぇ、片想いでも勇気出してる奴、意外といるんだな。
  俺も言ってみるかな……

    113:C訓練兵 10/19
      マジかよ、頑張れ!

    115:F 10/19
      応援してるよ。頑張って。



112:獲物を屠る狩人 10/19
  愛してるなんて言ったことないけど、世話になってるし、たまには言ってやるか……

    114:C訓練兵 10/19
      お前も頑張れよ!

    116:F 10/19
      ……あれ? 何か嫌な予感。



121:目指せ立体機動首席ジャン! 10/24
  ちっくしょおおおお!! あんなん見せつけられて言えるかああああ!!


122:獲物を屠る狩人 10/24
  幼馴染の女に、食堂で俺の体調を気遣う声をかけられた。言うなら今のうちかと思って、「ありがとな。えっと……」って言いかけたけど止まった。
  なんか面と向かって言うのが急に恥ずかしくなったんだよな。
  もう一人幼馴染(男)がいて、そいつに「どうしたの?」って聞かれて、そうだ、二人まとめて言えばいいんじゃねぇか? って思った。
  だって、世話になってる人に日頃の感謝を伝える言葉だろ? 「愛してる」ってのは。
  なんとなく男の幼馴染に向けてなら言いやすい気がしたし、二人に向かってだけど、目線はなるべく男の幼馴染の方に向けて、
  「いつもありがとな、二人とも。愛してる」って言った。
  そしたら女の幼馴染の方が「ありがとう」って言って号泣しちゃってさ。男の幼馴染の方は、俺とそいつの顔交互に見てあわあわしてるし。参ったよ。

   123: 10/24
     >「愛してる」は世話になってる人に日頃の感謝を伝える言葉
     なぜその誤解に至ったのか。若干合ってそうに見えるし。

   124:F 10/24
     あー、うん……特定した。現場見てたし。
     とりあえず121、ドンマイ。



147:団長 12/1
  ほう。水面下でこんなものが流行っていたとはな。初めて知ったよ。
  私も昔の話を書いてみようと思う。拙い文で申し訳ないが。

  私が今の地位に就任したその日、私の恋人は分隊長に昇格した。
  あの若さで分隊長にまで上り詰めた人物を私は他に知らない。しかも女性で。とにかく優秀な人材だ。
  私は彼女に支えられた面も多い。壁外調査で指揮をしている時、いつも傍にいてくれるから安心する。
  そんな彼女が、一度だけ死の淵に立たされたことがある。



148:団長 12/1
  壁外で馬を走らせている時、建物の裏から突如奇行種が現れた。
  我々の班はすぐに散開したが、彼女だけ動きが遅れてしまった。どうやら馬が巨人を真正面から見て恐懼してしまい、制御がつかなくなったらしい。
  彼女はすぐさま立体機動に移ろうとしたが、その前に奇行種が彼女に食いかかってきた。
  そこからの私の行動はもう今となってははっきりと思い出せない。とにかく全神経を彼女を助けることに集中させていた。
  唐突な奇行種の出現。即座の判断が求められる中、団長自ら、隊の指揮も放棄して一兵士を助ける。本来あってはならないことだ。
  だが結果として私は奇行種のうなじを派手に削ぎ取り、食われかけて足の骨が折れた彼女を救い出した。



149:団長 12/1
  彼女はぐったりしていて、一瞬死んでしまったのではないかと思い体が震えた。だが彼女はちゃんと生きていたし、か細い声だが話も出来た。
  「迷惑かけてごめん」と彼女は言った。たまらず彼女を抱きしめた。人目があるにもかかわらず。
  「頼むから死なないでくれ」と懇願した。彼女は痛みに耐えて笑った。
  「死なないよ。私は君を置いていかない。絶対にね」
  その言葉が私にとって、どれほど救いになることか。
  負傷した彼女を自分の馬に乗せて、自分はその後ろから手綱を握り帰還した。
  門が開く直前、手綱を握りなおす振りをして彼女を抱きかかえ、耳元で囁いた。
  「生きていてくれて、ありがとう――愛している」



172:BRTRT 1/21
  みんなすごいなぁ……僕には皆と同じことが出来そうもない。

    174: 1/22
      お前だけが出来ないなんてことはない。勇気を出すんだ。



191:BRTRT 2/2
  やっぱりできないよ。声をかけるどころか目を合わせることも。

    192: 2/2
      ヘタレか。いいから行って来い。

    194: 2/3
      応援してやる。頑張るんだ!

    197: 2/5
      お前の帰りをみんな待っているぞ。

    198: 2/5
      がんばれ。



216:BRTRT 2/25
  本当は言いたいんだ。僕だって自分から、自分の気持ちを言えるようになりたい。だけど――




イアン「何だ……これは?」


トロスト区中心部の街の、とある袋小路。

そんな薄暗い場所に、それはあった。

大きな掲示板を埋め尽くすように貼られた、おびただしい数の紙。一つ一つは手のひらサイズで、左上には共通して通し番号と日付が書かれている。

名前がはっきり書かれているものは非常に少ない。たいてい書いていないか、話題の主を特定するための記号のようなものがあるばかりだ。

雑多で、無味無臭で、それでも熱のこもった、名もなき勇者達の英雄譚。

ぼんやりと突っ立ってそれを見ていたら、同僚に声をかけられた。


ミタビ「よう」

イアン「ミタビ」

ミタビ「読んでたのか、これ」

イアン「何なんだこれは。知っているのか」

ミタビ「あぁ。大分前に流行ってたんだよ。『愛してると言ってみるスレ』って言うらしい」

イアン「スレって何だ?」

ミタビ「さぁな。この掲示板のことじゃないのか?」


もう一度掲示板を見ると、確かに紙質は古かった。最初のほうの紙などボロボロだ。スペースが空いて番号が抜け落ちている所も多い。

掲示板の上部にある雨よけの効果もむなしく、濡れてしまって文字が読めなくなっている紙も当然一つや二つではない。

一見しただけだと非常に地味な印象を持つそれから、しかし目が離せなかった。



ミタビ「お前も言ってみたらどうだ?」

イアン「え?」

ミタビ「リコだよ。もう同棲して2年になるだろ?」


痛いところを突かれた。

ここ、トロスト区を巨人から守って3年余り。苦戦はしたが、それでも人類が勝利に向けて一歩前進した。

その後、調査兵団と一部の駐屯兵団の目覚ましい活躍により、ウォール・マリアに住めるようになるのも時間の問題というところまで来ている。

平和の足音が近づくにつれ少しずつ兵士の需要が減ってきて、女性兵士は結婚退団する者も出てきた。

彼女――リコ・プレツェンスカは、未だ精鋭班の一員として働いている。


ミタビ「あんまり待たせてやるのも酷だぞ」

イアン「わかっている」


だが、どうしても言葉が出てこない。

彼女は仕事に熱意を持っている。自分の思いのたけをぶつけてしまったら、彼女はどうするか?

結婚してほしい。自分の子どもを産み育ててほしい。兵士を辞めて、家を守ってほしい。

彼女はひょっとすると了承するかもしれない。だがそれは、彼女の望む未来を奪ってしまうことではないか。

同僚と別れ、日が暮れるまで物思いにふけりながら、ふらふらと歩いていた。


イアン「ただいま」

リコ「お帰り。随分遅かったね」


玄関まで彼女が迎えに来る。どことなく夕食のおいしそうなにおいがする。

「もう用意してくれていたのか」「だってイアン遅いんだもの」そんな短いやり取りをしながら食卓に向かう。


リコ「美味しい?」

イアン「あぁ。美味い」

リコ「良かった……あのさ」

イアン「うん?」

リコ「ずっと、こうしていられたらいいね」


あんな話をした後だ。

どういう意味か、すぐ理解できた。


イアン「あのさ、リコ」


覚悟を決める。


リコ「何?」


唾を飲み込む。




イアン「俺――――」



300:I・D 5/11
  もう誰かが見ているのかも分からないが、書き留めておくことにする。
  先日、2年間同棲をしていた彼女にプロポーズした。そのきっかけがこの掲示板だった。
  彼女は俺と同じ兵士で、結婚するに当たっては彼女が兵団を出るしかない。仕事熱心な彼女のことを考えると、結婚のことがどうしても言い出せなかった。
  そんな中、この掲示板を見つけた。男たちが自分の気持ちを直球で伝えている様を見て、俺は何をやっているんだろうなって思った。


301:I・D 5/11
  で、その日家に帰ると、彼女が夕飯を作って待っていてくれた。
  俺が食べる姿を見て笑っている彼女を見て、この生活を確かなものにしたいと思った。
  そうしたら彼女が突然こう言った。「ずっとこうしていられたらいいね」って。
  俺は本当にバカだった。フォークを置いて、彼女に向き直った。



302:I・D 5/11
  「俺は、これからお前に迷惑ばかりかけるかもしれない」
  「本当にお前が望む生活を与えてやれないかもしれない」
  「だけど、俺にとって最高の生活は、お前といつまでもずっと一緒にいられる生活だ」
  「家に帰ればいつでもお前がいて、お前そっくりの子どもを育てる。そんな生活だ」
  「愛している、○○」
  「俺と結婚してほしい」

  確かこんな感じのことを言った気がする。
  緊張で少し声がおかしかったかもしれない。



303:I・D 5/11
  彼女は俺の言葉を聞き終えると、「少し勘違いしているよ」と切り出した。
  「私の望む生活は、私が仕事をしていることとは何の関係もない」
  「私はあなたの傍にいられればそれでいい」
  「あなたと過ごす時間を増やすためなら、仕事を辞めたっていいんだ」
  「やっと言ってくれて、本当にありがとう」
  「あなたについていくよ。ずっと」



304:I・D 5/11
  嬉しさで声が出なかった。「待たせてごめん」ってやっと言えたころには料理が冷めていた。
  こんな嫁さんを持てて、俺は本当に幸せだ。
  再来月、ささやかではあるが結婚式を挙げることに決めた。
  俺からの報告は、これで以上だ。





終わり

はい、終わりました。ネタはあったし即興だけど詰まることはなかった。しかし指が疲れた。
読んでくださった方ありがとうございます。


すげえ良かったし幸せな気持ちになった
こういう平行世界もどこかにあって欲しい

良かったわ。
イアンは幸せになってほしかった。

1です。>>53>>54レスありがとう。
今更だけど元ネタをちゃんと書いてなかった。元ネタは2chの

【集え】妻に愛してると言ってみるスレ【勇者】

です。本スレでよく見るズーリズーリもやってみたかった。
すべての勇者に幸あれ。

このスレは気に入った

BRTRTさんはどうなったんでしょう

とてもよかった
他のキャラの書き込みももっと見てみたい

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よかった。乙
最後にイアンっていうのもいいね

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