ほむら「拾った猫にまどかのソウルジェムを装着してみた」(213)

ほむら「拾った猫にまどかのソウルジェムを装着してみたわ」

ほむら「どれどれ……」ナデナデ



まどか「ニャアーン」

ほむら「うはww萌え死ぬwwwwww」

まどか「ひどいよ、ほむらちゃん……」ニャー

ほむら「ごめんなさい。でも今のあなた、とっても可愛いわ」

まどか「うぅ……わたしの体は?」

ほむら「前の時間軸に放置しました」

まどか「!?」

ほむら「いつも通りワルプル戦で詰んだから、サクッと時間戻したんだけど」

まどか「」

ほむら「なぜか貴方のジェムも一緒に来ちゃったのよね」

まどか「…………」

ほむら「ごめんねごめんね? わざとじゃないの。許して」

まどか「ひどいよ、あんまりだよ……」

ほむら「泣かないで、まどか」ダキッ

まどか「フギャッ」

ほむら「大丈夫だよ。一緒にワルプルギスの夜を倒そう?」

まどか「うーん」

ほむら「まどかの自宅前に来たわよ」

猫まどか「ただいまー」

ほむら「待って、まどか」

猫まどか「?」

ほむら「隠れないと、色々まずいことになるわよ」

猫まどか「あ、そういえばわたし猫だもんね」

ほむら「それもあるけど、それよりむしろ……」

猫まどか「?」

まどか「ただいまー」

猫まどか「!?」

ほむら「やっぱり」

猫まどか「わたしがもう一人?」

ほむら「こうなるんじゃないかと思ったのよ」

まどか「? 誰かいるの?」

ほむら「あ、しまった」

猫まどか「どどどどうしよう、ほむらちゃん」

ほむら「慌てないで、まどか。あなたの姿なら怪しまれることはない」

ほむら「私が見つかる前に、まどか、あなたが出ていって注意を逸らして頂戴」

猫まどか「だ、大丈夫かな?」

ほむら「平気平気。万が一ややこしいことになったら、時間を止めて逃げましょう」

猫まどか「うん……わかった、わたしやってみるね」

まどか「?」

猫まどか「ニャアーン」

まどか「あっ、猫ちゃん?」

猫まどか「ゴロゴロゴロ」

まどか「やーん、かわいー」ナデナデ

猫まどか「ゴロナーオ」

ほむら(うまい、その調子よ、まどか)

ほむら(それにしてもかわいいわね……眼福とはこの事かしら)

ほむほむほむほむ

まどか「ティヒヒ……猫ちゃん、どうしたの? お家に入りたいのかな」ナデナデ

猫まどか「あ、入ってもいいの?」ムクッ

まどか「え」

ほむら「」

まどか「しゃ、喋った!?」

猫まどか「あ」

猫まどか「違うよ! わたしただの猫だから!」

猫まどか「ええと、名前はエイミーって言うの! この前うっかり車に轢かれそうになったくらい、ただの猫!」

猫まどか「あわやという所を、そこの人に助けてもらったんだよ!」

まどか「そこの、人?」

ほむら「」

まどか「だ、誰かいるの……?」ジリ

ほむら「…………」カチッ


~時間停止中~   しばらくお待ちください


まどか「……えいっ! って、あれ、誰もいないじゃない」

まどか「あれ、猫ちゃんまでいなくなってる」

まどか「なんだったんだろう一体」

まどか「名前はエイミー? うーん、わたし疲れてるのかな」



ほむら「私が癒してあげるわ」

ほむら「どこまであなたは愚かなの……」タタタタ

猫まどか「ごめんなさい……」ダキッ

ほむら「魔法をケチるつもりはないけど、今後会い辛くなったのが惜しいわね」

猫まどか「大丈夫だよ、ほむらちゃん。多分案外大丈夫」

ほむら「どう大丈夫なのかしら」

猫まどか「あのわたしは、きっと気のせいとしか思ってないよ」

ほむら「素晴らしく楽観的ね」

猫まどか「でも、自分の声で話しかけられても、気付いてなかったみたいだし」

ほむら「そうだとしても、もうあなたに任せるのは懲り懲りよ……」

このままこの世界のまどかも連れて行ってまどか二人にしたらどうなるのほむ?

先生「今日はみなさんに転校生を紹介します」

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

まどか「?」

ほむら(契約前のまどかもちゃんと居るわね)ジロ

ほむら(私みたいに契約後の人格で上書きされないのが謎だけど)ジロジロ

ほむら(二人分のまどかが楽しめるなんて、とんだお得仕様だわ……!)ジトーーー

まどか「うぅ」

まどか(目が怖い……)

ほむら「鹿目まどかさん。貴女がこのクラスの保健係よね」

まどか「え? えっと……あの……」

ほむら「連れてって貰える? 保健室」ドヤァ

まどか(何かヤだな……)

mob「キャー、アノコチョーカワイー」

ほむら「」スタスタ

まどか「あ、あの……その、私が保健係って、どうして」

ほむら「」スタスタスタ

まどか「えっとさ、保健室は……あっ」

ほむら「」クルッ スタスタスタ

まどか「あ、暁美さん?」

ほむら(突き放した態度で接するのが、最初は辛かったけど)

ほむら(最近これも一種のプレイみたいで楽しくなってきたわね)

まどか(なんで黙ってるんだろう。怖い……)

ほむら(怯え混じりのまどか……可愛いわ///)

まどか(何か話題を探さなきゃ)

まどか「ええっと……こ、この渡り廊下って面白いよね」

まどか「なんだか、その、空を歩いてるみたいな?」

さやか「うんうん! 何かここってどっかの刑務所みたいで面白いよな!! なっまどか」

まどか「あ! あの黒猫ちゃん」

ほむら(あら、猫の方のまどかじゃない)

ほむら(あんな所で、私を待ってるのね)ムフフ

まどか「エイミー!」ノシ

ほむら「あー……あの猫の事、知ってるの?」シレッ

まどか「うん! ちょっとね」ティヒヒ

ほむら(やっぱり、大して警戒してないみたいね。本当に能天気な子……)

猫まどか『ほむらちゃん、聞こえる?』

ほむら(! テレパシーね)

ほむら『何かしら』ファサッ

猫まどか『ほむらちゃん、また電波なお説教しようとしてるでしょ』

ほむら『何のことかしら』

猫まどか『とぼけちゃダメ。例の2回以上見た視聴者にしか理解できないお説教の事だよ』

ほむら『あれは別に電波じゃないわ』

猫まどか『そこに居るわたしは電波としか思わないから、やめた方がいいよ』

ほむら「」ガーン

猫まどか『分かる言葉で言わないと逆効果だよ。もっとこうフレンドリーに、ね?』

ほう、どう思ったかいちいち説明してくれるまどっちかわいいまどまど

ほむら「分かったわ。フレンドリーね」

まどか「え?」

ほむら「な、何でもない! それより貴方、貴方は自分の人生が尊いと思う?」

まどか「え?」

ほむら(まずい。思わず口走ってしまったわ)

ほむら(フレンドリーに、軌道修正しないと……)

ほむら「あのね、ええとね? 家族の方やー、お友達を」

ほむら「大事にしなくちゃ、メッ、だからね?」イヒヒ

まどか「ヒッ」

まどか(目が笑ってない……)ガクガク

ほむらちゃんメッ! かわいい!

まどか「うん、うん……絶対大事にします。ごめんなさい」

ほむら「どうして謝るの。敬語もやめなさ……やめてよねっ」

まどか「だ、だって」

ほむら「私の事はほむほむって呼んで頂戴」

まどか「」

ほむら「早く!」

まどか「ヒィッ! ほ……ほむほむさん?」

ほむら「/// もう、さん付けはやめてってばぁ」テレテレ

まどか「ひいぃ……すいませんごめんなさい」

ほむら「貴方の事も下の名前で呼ばせてね。まどかっ///」

まどか「……わかりました……」

まどか(うわぁ何このキチガイ……)

――――――――――――――――――――

ほむら「喫茶店に忍び込んだわ」

猫まどか「物騒な言い方やめてよ」

ほむら「どうせストーキングだから良いのよ」

猫まどか「絶対良くないよ」

ほむら「ターゲットを確認。相変わらず騒がしいモブが一緒ね」

猫まどか「なに話してるのかな」

mob「アハハハ。マドカマデ、キャラガタチハジメタヨ」

まどか「ヒドイヨー。ワタシマジメニ、ナヤンデルノニ」

ほむら「悩んでるですって? 一体何の悩みかしら。まどかを苦しめる奴がいたら、私が許さないわよ」

猫まどか「…………」

猫まどか(うわぁ何このストーカー)

ほむら「今度はCDショップで待ち伏せるわよ」

猫まどか「QBを頃しちゃうの?」

ほむら「そうね」

猫まどか「ほむらちゃん、それもやめた方がいいと思うよ」

ほむら「あら、どうして?」

猫まどか「この時間のわたしはQBの事知らないから、目の前で襲われてたら庇っちゃうよ」

ほむら「一理あるわね。でも、やめないわよ」

猫まどか「ええー、なんで?」

ほむら「見てれば分かるわよ」



QB「!」

ほむら「来たわね、淫獣」

QB「はっ、はっ、ハッ、ふう」スタタタ

ほむら「氏になさい」ビーム!

QB「ひっ」グチャッ!

ほむら「また出てきた……」ビーム! ビーム!

QB「ひっ、はっ、ひっ」スタタタタ…

ほむら「逃がさないわよ!」ズドーン!

QB「うううっ! ~~~~!!」ズザザザザ

ほむら「ち、逃がしたわね」

猫まどか「…………」

ほむら「どう? まどか、これで分かったかしら」

猫まどか「うん……」

ほむら「」ドヤァ

猫まどか「これって……」

ほむら「」ニコニコ

猫まどか「すっごく気持ちいいね!」

ほむら「分かってくれて嬉しいわ!」

猫まどか「なんかこう、ざまぁwwって感じがするよ!」

ほむら「ホントにね! ……無駄な事だとは分かってるけど、やめられないのよ」

QB「ほむぅ?」

QB「」ドンガラガッシャーン!

まどか「わぁっ!」

QB「タスケテ……」ゼェ ハァ

まどか「……あなたなの? わたしを呼んだの」

ほむら「」タッタッタッタ

まどか「! ほむら、さん」

ほむら「さん付けはやめてっ!」

まどか「ひっ……ご、ごめんなさい」

ほむら「」ジリッ

まどか「ひいぃ!!」

ほむら「どうしたの?」ジリッ

まどか「い、いやっ!」

ほむら「そいつから離れて」ニコッ

まどか「いやあああ!!」ダダダッ

ほむら「あっ! 待って、まどかぁ!」タッタッタッタ

猫まどか「なに今の、物凄く怖がられてる……」



mob「なに今の……」チラッ

mob(さやか)「よくわかんないけど、とにかくまどかが危ない。追いかけないと」

さやか「あれ? 非常口は? どこよここ」グニャリ

猫まどか(あ、まずい。結界出来そう)

さやか「あーもう、どうなってんのさ!」ミョーン グニャグニャ

使い魔「( ゚∀゚)Das sind mir unbekannte Blumen!」
使い魔「( ゚∀゚)Ja, sie sind mir auch unbekannt!」

さやか「冗談だよね? あたし、悪い夢でも見てるんだよね?」

使い魔「( ゚∀゚)Schneiden wir sie ab!」
使い魔「( ゚∀゚)Ja, schneiden doch sie ab!」
使い魔「( ゚∀゚)Die Rosen schenken wir unserer Konigin!」

猫まどか(どうしよう……ほむらちゃんは先に行っちゃったし)

さやか「う、う、うわ……」

猫まどか「さやかちゃん、こっちに来て!」

さやか「え」

猫まどか「わたしについてきて!」

さやか「猫が喋った? なんであたしの名前を」

猫まどか「いいから早く!」タタタッ

猫まどか『マミさん、マミさん、たすけて!』タタタタ

マミ『えっ』

猫まどか『使い魔に襲われてるんです。QBの方は大丈夫ですから、こっちに来て!』

マミ『これは……テレパシー? 誰?』

猫まどか『あとで説明しますから!』

使い魔「( ゚∀゚)Schneiden wir sie ab!」
使い魔「( ゚∀゚)Ja, schneiden doch sie ab!」

さやか「追ってきてる!」タッタッタッタ

使い魔「( ゚∀゚)Ja! schneide sie ab!」
使い魔「( ゚∀゚)Ja! schneide sie heraus!」

猫まどか「ああっ、逃げ道がなくなっちゃう!」タタタタ

使い魔「( ゚∀゚)Und die schneiden Blumen steigen auf die Guillotine!」
使い魔「( ゚∀゚)Die Rosen schenken wir unserer Konigin!」

さやか「」

猫まどか「」



マミ「危なかったわね。でももう大丈夫!」

使い魔「」チュドーン!

さやか「た、助かった」

マミ「私を呼んだのは貴方?」

さやか「え、何の事ですか?」

マミ(声が違う。この子じゃないわね)

猫まどか「はいはい、わたしが呼びました!」

マミ「」

猫まどか「助けてくれてありがとう、マミさん!」

さやか「あたしもう、何がなんだか」

マミ(うーん、私も、何がなんだか……いったいどうして猫が)

マミ「結界が元に戻るわね……あら?」

ほむら「」ダキッ

まどか「」ブルブル

さやか「転校生……あんた何してんの」

ほむら「見ての通り、まどかを守ってるのよ」

さやか「襲ってるの間違いじゃ?」

マミ「どうして脱ぎかけなのかしら」

猫まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「あ」バッ

まどか「ひぃぃ……」ガクブル

ほむら「違うのよ、まどか。私はあなた一筋」

猫まどか「ほむらちゃん、色々おかしいよ」

QB「ありがとうマミ、助かったよ」

マミ「お礼はこの子たちに。私は通りかかっただけだから」

QB「どうもありがとう。僕の名前はQB」

QB「僕、君達にお願いがあって来たんだ」

さやか「ちょっと待って、その前に」

QB「え」

さやか「わけわかんない状況だけど、今すぐ、物凄く聞きたい事があるんだよね」

QB「なんだい」

さやか「そっちの黒猫ちゃんはアンタの友達?」

QB「?」

QB「僕の非常食さ」

猫まどか「むしろ初対面だよ」

QB「君は……」

まどか「エイミー? どうして、こんな所に」

猫まどか「ティヒヒw 皆を助けに来たんだよ」

さやか「あんたエイミーって名前なの? でも、まどかの声そっくりだよね」

さやか「……ハッ、ま、まままさか」

猫まどか「!」

ほむら「!」

さやか「……腹話術?」

まどか「違うよ、さやかちゃん」

http://i.imgur.com/QScLX.jpg

QB「君達は魔法少女なのかい?」

猫まどか「うん」

ほむら「」イラッ



ほむら『まどか、相手するのも面倒くさいわ。こいつ頃しちゃいましょう』

猫まどか『それは絶対ダメだよ。ほむらちゃん』

ほむら『何故?』

猫まどか『マミさんが怒っちゃうよ。マミさんはQBを大事にしてるから』

ほむら『心配無用よ。私の魔法なら逃げるも頃すも自由自在』

猫まどか『それじゃ意味ないんだってば!』

ほむら『えー』

QB「君は紛れもなく鹿目まどかだよね」

猫まどか「うん」

まどか「どういうことなの?」

猫まどか「わたしたちはね、未来から来たんだよ!」

ほむら「えっ」

さやか「え?」

マミ「え?」

まどか「え?」

猫まどか未来から来た凄いかわいい

猫まどか「近い将来、街が壊滅したり地球が滅亡したりするから、それを止めに来たの」

さやか「そ、そうなんだぁ」

QB(そうかぁ。未来から来て、しかも既に契約済みかぁ)

猫まどか「二週間後に、物凄く強い超弩級の魔女がやってくるんだよ」

QB(やっべ、何もしない内にノルマ達成してるこの状況。やっべwwww)

猫まどか「それから、QBの言う事は絶対聞いちゃダメだよ!」

QB「え」

猫まどか「QBはわたし達を騙して、搾取しようとしてるの。ゲス宇宙人なんだよ!」

QB「」

ほむら(まどか、随分攻めるわね……)

猫「しかも嘘ついてるしソウルジェムの穢れが溜まったら魔女化するんだよ後100m以上ソウルジェムを離すと身体が一時止まっちゃうんだよ命=ソウルジェムでソウルジェムが本体で魂なんだよ」

マミ「ええっと、猫ちゃんは、どうしてそんな事言うのかな?」

猫まどか「未来から来たから知ってるの! QBはわたし達を家畜扱いしてるよ!」

まどか「そ、そうなの?」

さやか(猫に家畜扱いって言われてもなぁ……)

マミ「QB、何か言って頂戴」

QB「騙すなんてとんでもないよ。長い目で見れば君達にとっても得になる取引のはずさ」

マミ「長い目で?」

QB「そうだよマミ。全ては、この宇宙の寿命を延ばすためなんだ」

マミ「……初耳ね」

さやか「取引って何? そういえばさっきお願いがあるとか言ってたね」

QB「そうだよ。鹿目まどか、美樹さやか」

QB「僕、君達にお願いがあって来たんだ」

QB「僕と契約して、魔法少女になって欲しいんだ!」



さやか(うっわ……)

まどか(凄く胡散臭いよ……)



QB(まぁノルマ達成してるから、別にもうお願いってほどでもないんだけどね)

――――――――――――――――――――

ほむら「巴マミの自宅を占拠したわ」

猫まどか「だから物騒な言い方やめようよ」

まどか「お邪魔します」

さやか「おっじゃまっしまーす」

マミ「独り暮らしだから遠慮しないで。ろくにおもてなしの準備もないんだけど」



マミ「キュゥべえに選ばれた以上、あなたたちにとっても他人事じゃないものね」

マミ「ある程度の説明は必要かと思って」

マミ「これがソウルジェム。キュゥべえに選ばれた女の子が、契約によって生み出す宝石よ」

猫まどか「あとね、それはわたし達の抜き取った魂そのもの。それが壊れたら氏んじゃうんだよ」

マミ「え」

QB「あ……」

~中略~

マミ「だ、大体分かったわ。話を続けましょう|||」

QB「僕は、君たちの願い事をなんでもひとつ叶えてあげる」

さやか「えっ、ホント?」

QB「でもそれと引き換えに、魔女と戦う使命を課されるんだ」

まどか「魔女?」

猫まどか「…………」

ほむら(なんだか物凄く嫌な予感がするわね)

さやか「魔女って何なの?魔法少女とは違うの?」

QB「願いから産まれるのが魔法少女だとすれば、魔女は呪いから産まれた存在なんだ」

猫まどか「ソウルジェムが呪いを溜め込みすぎると、魔女になっちゃうんだよね」

マミ「」

ほむら(あーあ……)

さやか「? ……じゃあマミさんも転校生も、いつかは魔女になっちゃうの?」

マミ「」ピク

まどか「うーん、それって何のための契約なの?」

マミ「」ピクピク

ほむら「あなた達も、容赦無いわね」

QB「何のためって、勿論宇宙のためさ。君達の魂が燃え尽きてGSへ変わる瞬間、膨大なエネルギーが(ry

マミ「」ガタッ

ほむら(きた!)カチッ


~時間を止めています~   5秒くらいお待ちください


マミ「ソウルジェムが魔女を産むなら――って、あれ?」

ほむら「落ち着きなさい、巴マミ」ハシッ

マミ「放して! もう氏ぬしかないじゃない!」バタバタ

ほむら「いいから座りなさい! 今あなたが死んでどうなるの!」

マミ「!」

マミ「たしかに、それもそう、ね」ヘタッ

ほむら「? 案外素直ね」

マミ「あなたの言うとおりよ、暁美さん」

ほむら「まさかとは思うけど、他の魔法少女を殺してから死のうとか、言うんじゃないでしょうね」

マミ「ええっ!? 酷いわ、あなた私をそんな目で見てるの?」

ほむら「え、だって……」

マミ「そんな事するわけないでしょう。取り乱した事は謝るから、手を放して頂戴」

ほむら「……仕方ないわね……」スッ

マミ「…………」

ほむら「…………」

マミ「……あの」

ほむら「……えっ?」

マミ「そんな風に警戒しなくても大丈夫だから。あなたも座っていいのよ?」

ほむら「あなた、そんな風に平然としてるなら、さっきはどうしてあんな事したの」

マミ「うぅーん、なんだか、そういう風にしなくちゃいけないような気がして」

マミ「これも因果律の定めかしら」ブツブツ

ほむら(なんて傍迷惑な女なの……)

まどか「わたし、契約するのって、なんだか怖いな」

さやか「あたしもちょっと勘弁してほしいかな」

QB「見事に脈無しだね」

マミ「残念だけど、その方が良いのかもしれないわね」

QB「僕も無理強いはしないよ。気が変わったらいつでも声をかけて。待ってるからね」プイ

ほむら「……あれ?」

ほむら「いつの間にか、物凄く都合の良い方向に話が転んだような」

猫まどか「わたしの言うこと、信じてくれたんだね」ティヒヒ

さやか「まあ、まどかの言う事だからね。こんな嘘吐こうと思っても吐けないでしょ」

まどか「そういえば未来から来たわたしは、なんで猫になっちゃってるの?」

猫まどか「それは肉体が斯々然々で」

~中略~

さやか「ううっ、かわいそう」

まどか「あんまりだよ……」

猫まどか「そんな、大げさだよ」

マミ「ソウルジェムが本体っていうのは、本当なのね……」

まどか「わたし、たまになら体貸してあげてもいいよ!」

猫まどか「ええー、いいよそんなの」

ほむら(え、それって)

ほむら(そんな事して大丈夫なのかしら? 何かまた嫌な予感が)

ほむら(うーん……? それにしても体を貸すって良い響きねぇ。鼻血出そう///)

――――――――――――――――――――

ほむら「まどかに悪い虫が近付かないように、今日も家の周りを監視するわよ」

猫まどか「むしろほむらちゃんが悪い虫っぽいけどね」

ほむら「それは思い違いと言うものよ。その証拠に、あれを見て」

猫まどか「? あれは……ノート?」

ほむら「そう。今まどかが必死に書き込んでいるノート、あなたにも覚えがあるでしょ?」

猫まどか「ハ ッ 、 ま、まさか」

ほむら「そう。魔法少女コスなんて生易しいものじゃない」

猫まどか「」

ほむら「彼女は今、一足飛びに必殺技のネーミング作業に精を出しているわ」

猫まどか「そんな、どうして……」

ほむら「あれだけ真実をぶちまけられても、彼女は魔法少女への憧れを捨てていないのよ」

猫まどか「わたしって、お馬鹿さんだったんだね」

ほむら「訂正するほど間違ってないわね。でも良いのよ。そんな所も可愛らしい。ああ守ってあげたい」

猫まどか「でも不味いよ。こんな所をQBに見つかったらイチコロだよ!」

ほむら「そうね。恥ずかしさのあまり、勢いで契約しかねないわね」

猫まどか「そんなのって……」

ほむら「監視の必要性が理解できたかしら」

猫まどか「うん」

ほむら「じゃあ早速三種の神器を用意しましょう」

猫まどか「三種の神器?」

ほむら「そう、三種の神器。この国の言葉では隠しカメラ、マイク、発信機などと呼ぶわね」

猫まどか「絶対ダメだよ、ほむらちゃん」

ほむらちゃん嫌わないまどっちかわいい女神

――――――――――――――――――――

マミ「ティロ・フィナーレ! 連発バージョン!!」ドガガガ!!

シャルロッテ「げふー」チュドーン!



ほむら「楽勝だったわね」

マミ「ありがとう暁美さん! あなたのおかげよ」

ほむら「私は何もしてないわよ。いやマジで」

マミ「貴方がアドバイスしてくれたから勝てたのよ。私たち魔法少女コンビ、向かうところ敵なしね!」

ほむら(う、うざい)

ほむら(戦闘だけなら馬鹿らしいほど高スペックなのに、どうしてこうもオツムが沸いてるのかしら)

猫まどか「そんな言い方やめようよ」

ほむら「ま、いいや。帰りましょう、まどか///」

猫まどか「うん」



猫まどか「ほむらちゃん、ちょっといい?」テクテク

ほむら「何かしら?」スタスタ

猫まどか「わたしを監視するのは良いんだけど、さやかちゃんの方は大丈夫なの?」

ほむら「絶対に大丈夫とは、言い切れないわね」

猫まどか「ええっ!? それじゃ、さやかちゃんも見てあげなきゃ」

ほむら「あなたがあの調子では、目を離せないもの」

ほむら「それに、言うべき事は全部あなたが言ってくれたじゃない。これ以上は手のうちようが無いの」

猫まどか「でも、心配だよ」

ほむら「私はまどかの方が心配よ。それに、」

ほむら「今まで美樹さやかが契約するかどうかはせいぜい、半々の割合だったけれど」

ほむら「まどかは放っておくと100パーセント契約してしまうから」

猫まどか「……本当にお馬鹿さんなんだね、わたし」

猫まどか「じゃあ、わたしとほむらちゃんで手分けして見てあげればいいんじゃない?」

ほむら「それもダメ。あなたは今後絶対に単独行動しないで」

猫まどか「どうして?」

ほむら「あなたは知らないでしょうけど、世の中には魔法少女狩りなんてものも有るの」

ほむら「ろくに戦闘能力も無いあなたが一人で外を歩くなんて、危険すぎるわ」

ほむら「ましてあなたは万一魔女にでもなれば、それだけで地球を滅ぼす爆弾なんだから」

猫まどか「うーん……」

ほむら「美樹さやかは既に全ての秘密を知っている。ここから先は、彼女自身の問題なのよ」

猫まどか「…………」

ほむら「そんなに心配なら少しだけ、予防線を張ってみる?」

猫まどか「え?」

ほむら「美樹さやかが道を踏み外すのは、大体いつも同じ時期に集中しているの」

ほむら「その期間だけでも見張っていれば、最悪の事態は防げるかもしれない」

ほむら「監視対象のまどかに同行してもらうのが必須の条件だけど、ね」

猫まどか「うん……うん、ありがとう! ほむらちゃん」

ほむら「このくらい、お安い御用よ///」

――――――――――――――――――――

恭介「もう聴きたくなんかないんだよ!」ガシャーン!

さやか「」

~中略~

さやか「奇跡も、魔法も、あるんだよ」



ほむら「やばいわね、これは」

まどか「さやかちゃん契約しちゃうの?」

ほむら「事前に魔女の知識まで与えてるから、多分大丈夫だと思うけど……」

猫まどか「そのわりに、フラグびんびんの台詞だったね」

まどか「あれ、エレベーターが上に行ったよ?」

猫まどか「屋上に向かってる……もしかしてQBを呼ぶつもりじゃ」

ほむら「大丈夫よ。いざという時は私の改造M16で狙撃してあげる」ガシャコン

ほむら「さぁ来なさい、インキュベーター!」

QB「本当に、いいんだね?」

さやか「……うーーーん……」

QB「煮え切られない子だね、君は」

さやか「うーーーーーん。うーーーーーーーん」

QB「もっとこう、思い込んだらガーッて突っ走るタイプかと思ってたよ」

さやか「人をバカみたいに言わないでよ」

QB「悩むという行為自体、僕には理解できない」

さやか「こんな大事なこと、簡単に決められるわけないでしょうが」

QB「あの子の手を治したいんだろう? でも現代の医療では治せない。答えは出てるじゃないか」

さやか「あんた今、引き換えになるものをバッサリ省略したでしょ」

QB「奇跡の対価としては安いぐらいだろう?」

さやか「でも、うーん……うーーーーーーん」

猫まどか「あ、エレベーターに乗った」

まどか「なにもしないで帰るみたいだね」

ほむら「良かったわね。彼女は彼女の問題を乗り越えたのよ」

猫まどか「随分悩んでたように見えたけど」

ほむら「そうだとしても、まさか24時間監視するわけにも行かないでしょ」

まどか「そうだね。そんな事したらまるでストーカーさんだよ」ティヒヒ

猫まどか「」|||

ほむら「それじゃあ、今日はここで別れましょう」

まどか「うん、今日はどうもありがとう」

ほむら「こちらこそ。帰り道に気をつけてね///」

猫まどか「バイバーイ」

まどか「」ノシ



ほむら「さーて、いつものスケジュール通りなら」

猫まどか「え」

ほむら「そろそろ志筑仁美が魔女のくちづけを貰う頃ね」

猫まどか「あ、そういえば」

ほむら「まどかの経路も以前と同じ。これはまた、ばったり遭遇しそうね」

猫まどか「助けなきゃ!」

ほむら「甘いわね、まどか」

猫まどか「え?」

ほむら「すぐ餌に食いつくのは素人よ。今行動を起こすのは勿体無いの」

猫まどか「もったいない?」

ほむら「まどかが魔女の毒牙にかかる寸前、助けに入るのよ」

ほむら「この世界に関わる事の恐ろしさを、身を持って知ってもらわないと」

猫まどか「そっかぁ~、なるほど! 今のわたしは一度も危ない目にあってないもんね」

ほむら「その通りよ。そして、そこに颯爽と駆けつける私の事を好きにならないはずがない」

猫まどか「」

ほむら「あら、あれは志筑仁美ね」

猫まどか「……わたしも気付いたみたいだね」

ほむら「順調、順調」



さやか「」タタタタ



猫まどか「ほむらちゃん、今横切ったのって……」

ほむら「……アルェー?」

さやか「これで、トドメだぁーっ!」

エリー「ほげー」チュドーン!



さやか「いやー、ゴメンゴメン。危機一髪ってとこだったね」

まどか「さやかちゃん、契約しちゃったの……?」

さやか「んーまあ何、心境の変化って言うのかな?」

さやか「大丈夫だって! 初めてにしちゃあ、上手くやったでしょ? 私」

ほむら「あなたは……」ザッ

さやか「ふん、遅かったじゃない。転校生」

ほむら「…………」

猫まどか「ぐぅの音も出ないね、ほむらちゃん」

ほむら「…………|||」

ほむらちゃん||||||かわいい

さやか「スクワルタトーレ!」ズババッ

マミ「!?」

使い魔「ギャース」チュドーン!

さやか「やった!」

マミ「美樹さん、今のは?」

さやか「あっ、マミさん! 見ました? あたしの必殺技!」

マミ「凄いじゃない! いつの間にあんな技を」

さやか「あたし、マミさんみたいに格好良くなりたくて! 真似してみちゃいました!」

まどか「さやかちゃんズルイよ! わたしと一緒に考えたんだよねー?」

マミ「そう。とても格好良いと思うわ!」

さやか「ホントですかー!? やった、お墨付きもらっちゃった!」

まどか「やったね、さやかちゃん!」



猫まどか「まったく、おめでたい人たちだね」

ほむら「どの口が言うのかしら」

>>112は、ちょっとコピペミス。冒頭で日をまたいでるよ。
まあいいか

ほむら「ところでまどか、さっきから不審者がこちらを覗いているのに気付いてるかしら?」

猫まどか「えっ」

ほむら「まどかを監視する私達。その更に後方から私達を窺う謎の人物」

猫まどか「典型的なストーカー数珠繋ぎの図だね」

ほむら「そう。そして謎の人物の正体とは? 謎は深まるばかりね」

猫まどか「すごく顔見知りの予感がするよ……」



杏子「あいつら、無駄に使い魔狩っちまいやがって……」シャリシャリ

杏子「しかも何? 魔法少女が揃いも揃って仲良しこよししちゃってさァ」シャクシャク

杏子「チョーむかつく。せっかくの縄張り、遊び半分で食い潰すつもり?」バリッ ボリッ

杏子「そんなの許さないよ。勘違いちゃんには教育してやらないとねェ」ゴキュッ ゴキュッ

杏子「ホントは噂のイレギュラーの顔を拝みに来たんだけど……予定変更」ズズーー

杏子「全員ぶっ潰してやる!」ゲェーップ

杏子「とはいえ、流石に今仕掛けたら多勢に無勢ってやつだね」ポリポリ

杏子「ここは様子を見て、解散した後に一人ずつ襲ってやるか」ポリポリポリポリ…

杏子「最初のターゲットは……よし、一番弱そうなアイツにしよう」ゴクン



杏子「よし、解散したね」ガサゴソガサ

杏子「あのストーカーみたいな奴もいつの間にか居なくなったし、チャ~ンス」パクッ

杏子「おい! そこの青アタマ!」モグモグ

さやか「!?」カチッ


~時間を止められています~   間食しながらお待ちください


さやか「だ、だれ? なに?」



さやか「え……なによ、誰もいないの……?」

杏子「ンー! ンンー!!」ジタバタ

ほむら「大人しくしなさい。ソウルジェムの無いあなたに、その手錠を外す方法は無いわよ」

杏子「!? ンモイ、ンモモマ、ママモッマ!?」ゴクン

ほむら「テレパシーを使いなさいよ……」

杏子『おい、アタシのソウルジェムをどうした!? どうやって、どうした!?』

ほむら「預からせてもらっただけよ。別に変な事しないから大人しくしなさい」

杏子『信用できるか!』ジタバタジタ

ほむら「大人しくしないと本当に変な事するわよ」スッ

杏子「」ピタッ

ほむら「よしよし、いいこ良い子。そのまま黙って聞きなさい」ススッ

杏子「|||」ゾワゾワッ

猫まどか「杏子ちゃんには、さやかちゃんを助けてほしいの」

杏子「」

杏子『おい、猫がアタシの名前呼んだぞ』

ほむら「説明が面倒くさいわね……」

ほむら「かくかくしかじか」

杏子「……そうーかそうか。お前らが例のイレギュラーってやつだな」

ほむら「二週間後にワルプルギスの夜が来る。あいつを倒すのが最終目標よ」

杏子「それは良いんだが、それが何であの青アタマに繋がるのさ」

ほむら「あいつは放っておくと魔法少女2,3人巻き込んでオダブツする爆弾なのよ」

猫まどか「もう既に爆発寸前のリーチかかった状態なの。リーチの例えで引っ張ると6面待ちくらいは張ってるよ」

杏子「あー分かった、分かった。協力するからさ。そろそろ手錠外してくれよ」

ほむら「本当に分かってるのかしら? 協力すると言ったからには、何でもしてもらうわよ」

杏子「もちろん。さあ早く外してくれ」

ほむら「あなたのために言っておくけれど、くれぐれも変な気は起こさない事ね」ガサゴソ

ほむら「私の能力は、一つ瞬きする間に無数のイタズラを可能にする」ガサゴソガサ

ほむら「さっきは猿ぐつわと手錠だったけれど、その気になれば全身に大人のオモチャを装着する事だって出来るの」カチャリ

杏子「…………」ジャラッ

ほむら「それじゃ、明日からキリキリ働いてもらうわよ。いいわね?」

杏子「……はい……」

――――――――――――――――――――

さやか「ふー、遅刻遅刻」タッタッタ

杏子「待ちな!」

さやか「!?」

杏子「アンタだね、最近使い魔ばっかり狩ってるルーキーは」

さやか「な、なに? あんた魔法少女なの?」

杏子「アンタさあ、男にうつつヌカした挙句契約して、そのくせ何も進展しないヘタレらしいじゃないか?」

さやか「」

杏子「毎日のように見舞いに行って門前払い食らうのは日常茶飯事、最後は退院日も教えてもらえなかった色んな意味で残念な子なんだって?」

さやか「なんなのよ、あんた! 喧嘩売ってるわけ!?」



猫まどか「ほむらちゃん、杏子ちゃんには何をお願いしたの?」

ほむら「相談に乗ってあげて、と言っただけよ」

まどか「何の話?」

ほむら「いいのいいの。先に行きましょう。美樹さやかは遅くなるから」

さやか「黙れえええ!!」シュバババ

杏子「終わりだよっ!」ズドーン!

さやか「負けるもんかぁ!!」キイーン



ほむら「遠くで騒がしい音が聞こえるわね」

猫まどか「本当に大丈夫?」

ほむら「平気、平気。切り結んで分かり合う仲もあるのよ」

まどか「?」

――――――――――――――――――――

さやか「」

まどか「さやかちゃん、なにかあったの? 登校するなり机に突っ伏して」

さやか「ちょっと疲れちゃった。休ませて……」

まどか「制服も埃だらけだよ? 何か物凄く壮絶な遅刻ダッシュしたみたいになってるね」

さやか「うん。まあ。そんな感じ、かな」

まどか「埃、はらってあげるね」ポンポン

さやか「ありがと」



mob「上条、もう怪我は良いのかよ」

恭介「ああ。家にこもってたんじゃ、リハビリにならないしね」

恭介「来週までに松葉杖なしで歩くのが目標なんだ」



さやか「…………」

ほむら「美樹さやか、ちょっといいかしら」

さやか「? 珍しいね、転校生があたしに用事なんて」

ほむら「大事な話なの。来て」



ほむら「あなた、上条恭介の事をどう思う?」

さやか「へ? な、何の話をしてるのさ」

ほむら「何もナニも無いわよ。男として好きかどうか聞いてるの」

さやか「ななな何を言ってんのよ。そんなわけないでしょ。あたしそんなんじゃ」

ほむら「ツンデレの見本じゃないの。良いから私に相談してみなさい。ばっちりゴールインさせてあげるから」

さやか「なんなのよホントに。今朝のあいつといい、魔法少女ってこんな奴ばっかりなの?」

ほむら「あなた今日はまだ話しかけてすらいないでしょ。やる気あるの?」

さやか「だから、無いってば!」

ほむら「はい、はい。そういうのは良いから、正直になりなさい」

さやか「うざい、超うざい……」

ほむら「どうやってコクりたい? 一緒に考えてあげる」

さやか「だからコクらないって!」

ほむら「いい加減にしなさい。悠長な事言ってる場合じゃないのよ」

さやか「どんな場合だっての」

ほむら「今日中に彼に告白しなさい。さもないと世にも恐ろしいフラグが立つわよ」

さやか「ええっ?」

ほむら「この界隈でエヌ・ティ・アールと呼ばれる強大なフラグなの。今日の放課後にもそいつはやってくる」

さやか「NTR? えーと、それって」

ほむら「クソじれったいわね……本当にあなた、やる気あるの? 無いの? はっきりしてよ!」

さやか「だから、無いってば!」

ほむら「…………」

さやか「…………」

ほむら「分かったわよ。私が悪かった」

さやか「? な、何よ、急に」

ほむら「押し付けがましい事を言ってごめんなさい。あなたの事が心配だったのよ」

さやか「え、ああ、いいっていいって。こっちこそ、何かゴメンね」

ほむら「最後に一つだけ、手相を見せてもらってもいいかしら?」

さやか「手相?」

ほむら「私、そういうの詳しいから。せめて手相で、あなたに行く末を占いたいの、お願い」

さやか「ま、まあ、それくらいなら」スッ

ほむら「そうそう、左手よ。いい子ね」カチッ


~時間停止中~


さやか「あれ、手相は? って何コレ、ソウルジェム?」

ほむら「まどかのソウルジェムよ。丁重に扱いなさい」

さやか「?」

ほむら「手相なんて見るまでも無い。最低最悪に決まってるもの」

ほむら「はい、エイミーちゃん、美樹さやかのソウルジェム、預かっててね」ニコニコ

猫「!?」ドクン

猫?「え、なに、なんなの?」

さやか?「ティヒヒ……さやかちゃん、ごめんね」

しまむら「服が安いよ」

まどかinさやか「さやかちゃんがコクれないなら、わたしがコクるしかないよね!」

猫さやか「ちょ」

ほむら「あなたの恋愛は、もはやあなただけの責任じゃない」ムンズ

猫さやか「ちょ、ちょっと」ジタバタ

まどかinさやか「わたしと一緒に、本当の気持ちと向き合おうね!」

猫さやか「だめ! おねがい!! それだけは!!!」ジタバタジタバタ

ほむら「さっきも言ったけど、悠長な事してる場合じゃないの。あなたはココでジッとしてて」

しまむら「さっきも言ったけど、服が安いよ」

~中略~

恭介「あはは、何言ってるんだよ、さやか。僕達は友達じゃないか」アハハハ

猫さやか「!!!!!!!!!」

まどかinさやか「ああの、その、えーその」

まどかinさやか「そっか、そうだよね。ごめんね」ティヒヒ



さやか「うわああああああああああ!!!!」

猫まどか「ごめんね、うまく行くと思ったんだけど……」

ほむら「結果は裏目だったけれど、あなたも私達もベストを尽くしたのよ。胸を張って、美樹さやか」

さやか「ぶえぇぇぇ……うう、うぅ……」ヒック

ほむら「早く立ち直って、魔法少女として頑張ってね。 それじゃ、杏子、あとはよろしく」

杏子「お、おう」

猫まどか「ご、ごめんね」

さやか「うえぇぇ……ぇぇぇぇ……」グスッ ヒック

杏子(まるでタチの悪いイジメだな、こりゃ……)

杏子「なんか可哀想だな、お前……」

杏子「ほら、いい加減泣き止めよ」

さやか「ううう……恭介ェ……恭介ェ……」グス グス

杏子「ほら、鼻水吹けよ」

さやか「」チーン

杏子「飴やるよ」

さやか「ううう、うえぇぇぇ……」

杏子(ダメだこりゃ……)

猫まどか「うう、ほむらちゃん」

ほむら「何?」

猫まどか「流石に可哀想すぎるよ。わたしまでソウルジェム濁りそう」

猫まどか「っていうかさやかちゃん大丈夫なのかな。即魔女化しそうなくらい泣いてたけど」

ほむら「大丈夫、大丈夫。魔法少女的にはむしろ、傷は浅いわ」

ほむら「美樹さやかにとって最悪な展開はね。失恋フラグをこじらせたまま戦い続ける事なの」

ほむら「今回の彼女は、通常ありえないくらいぶっちぎりに早い段階で告白して、玉砕できた」

ほむら「ちょっとはソウルジェムも濁ったかもしれないけど、おかげでこれ以上こじらす心配が無くなったのよ」

ほむら「本来、失恋なんて誰でも経験する通過儀礼だもの。魔女化さえしなければ、悲劇なんて呼ぶのもおこがましい日常なのよ」

猫まどか「一見もっともな事言ってるようだけど、なんだか凄くドス黒い気分になってきたよ」

――――――――――――――――――――

ワルプルギス「( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」

ほむら「遂に来たわね。この時が!」

マミ「体が軽い。こんな重力下で戦うなんて初めて!」

さやか「コロす! 誰でもいいからブッコロす!」

杏子「さやか、一緒に戦ってやるよ……」



猫まどか「いまいち、まとまりに欠けるチームだね」

まどか「そんなことないよ! 凄く頼もしいと思うよ!」

猫まどか「うーん、それはどうかな」

まどか「え?」

猫まどか「勝ち目が無いとは言わないけど、今までわたし抜きでワルプルギスに勝った事って無いんだよね」

QB「勝負の行方は五分五分って所だね」

まどか「QB?」

猫まどか「凄く久しぶりに出てきたね!」

QB「特に用事が無かったからね」

QB「鹿目まどか、君なら運命を変えられる」

QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」

まどか「えーやだー」

QB「!?」

まどか「だって、わざわざ契約しなくても、先に契約済みのわたしがいるもん」

まどか「わたし、わたしの体貸してあげるから、わたしの力でチャチャっとワルプルギスの夜を倒してよ!」

猫まどか「それなんだけど」

まどか「?」

猫まどか「言いにくいお知らせが一つあって」

猫まどか「多分わたし同士で体の乗っ取りをすると、元に戻せなくなっちゃうんだよね」

まどか「え」

猫まどか「戻せないというか、合体? しちゃうのかな」

猫まどか「条件の近いほむらちゃんの場合を考えると、そういう事になりそうなんだよね」

QB「確かに、暁美ほむらは一人しかいないみたいだからね」

QB「時間遡行した時点で直ちに合体! してるとも考えられるね」

QBハウス「散髪が安いよ」

まどか「そ、それじゃあ」

猫まどか「?」

まどか「どうしよう、合体! するしかないのかな」

QB「合体するくらいなら、折角だから契約してみないかい?」

猫まどか「うーん確かに、願い事が叶う分だけ契約の方がお得かも……」

まどか「えーでもヤだぁ……」

まどか「このままほむらちゃんがワルプルギスの夜を倒してくれないかな?」



ほむら「何度やってもアイツに勝てない!」ドカーン

マミ「こんなの氏ぬしかないじゃない!」ザパーン

さやか「( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」

杏子「一緒に居てやるよ、さやか……」



まどか「ダメだ……負けフラグのバーゲンセールだよ……」

まどか「あーもう仕方ない、わたし、契約するよ」

猫まどか「願い事はどうするの?」

まどか「大丈夫、こんなこともあろうかと毎晩考えてたんだ」

猫まどか「そ、そう」

QB「さあ、鹿目まどか。その魂を代価にして、君は何を願う?」

ほむら「え、ちょ、まどか!?」

まどか「ごめんね、ほむらちゃん」

ほむら「そいつの言葉に、耳を貸しちゃダメー!!」

まどか「わたしの願いは、」キリッ

まどか「全ての魔女を、生まれる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女を、この手で」

猫まどか「えっ」

QB「! その祈りは――」

猫まどか「丸被りだよ!」

まどか「えっ」

猫まどか「わたしの祈りと丸被りだよっ。ああっ、もったいない。折角の願い事が!」

まどか「ひどいよ、こんなのって……どうして先に言ってくれなかったの?」

猫まどか「だって、聞かなかったじゃない」

まどか「それはそうだよ。まさか被るとは思わないもん」

猫まどか「わたしだってそうだよ」

まどか「」|||

まどか「……まあでもクヨクヨしても仕方ないね」

猫まどか「そうだね、早くしないと皆やられちゃいそうだし」

まどか「じゃあ私、願い事を叶えるね」ギキキキキ

まどか「」シュパンッ!

まどか「魔女を消す矢を撃った音だよ」シュパンシュパンシュパン

猫まどか「全宇宙に拡散していくね」

まどか「わーきれい」

~中略~

チベット娘「」ガクッ

サバンナ娘「」ガクッ

クマ娘「」ガクッ


ワルプルギス「( ゚∀゚)アハハハ アハハハ アハハハ?」

ワルプルギス「( ゚∀:: アハ ハ ハ 」チュドーン

~中略~

ほむら「ハッ」

猫まどか「ここは?」

QB「まどかがもたらした新しい法則に基づいて、宇宙が再編されているんだよ」

QB「一緒に見届けようか。鹿目まどかという存在の結末を」

QB「その壮大過ぎる祈りを叶えた対価に、まどかが背負うことになる呪いの量が分かるかい?」

QB「一つの宇宙を作り出すに等しい希望が遂げられた」

QB「それは即ち、一つの宇宙を終わらせるほどの絶望をもたらすことを意味する」

QB「当然だよね」ドヤッ

最後の魔女「( ゚O゚)アーハハハ アー八八ノヽノヽ」



ほむら「あ、あああっ」

猫まどか「ダメだよ! そんな事させない!」

ほむら「まどか! あなたの体が落ちてたわ!」ササッ

猫まどか「ありがとうほむらちゃん!」

猫まどか「えーい、合体!」ガシーン!

まどか2「」キリッ

まどか2「もういいんだよ……絶望は、わたしが全部受け止める!」

最後の魔女「( ゚O゚)!!」チュドーン!



まどか2「あ、しまった」

ほむら「まどか!?」

まどか2「今の魔女、呪い多すぎ。また魔女化しちゃう」

まどか2「」パリーン


最後の魔女「( ゚O゚)フカーツ」


ほむら「まどかぁー!」

??「大丈夫」

ほむら「!?」

まどか1(神ver)「私の願いは、全ての魔女を消し去ること。本当にそれが叶ったんだとしたら、」


??「ちょっと待った!」


まどか1(神ver)「えっ?」

まどか2(神ver)「私の願いも、全ての魔女を消し去ること。わたしも殺れるよ!」

ほむら「ええええ?」

まど神1「一人で十分じゃない?」

まど神2「それもそうだね」

まど神1「余った方はどうしよう?」

まど神2「また元の体に合体できないかな?」

まど神1「あ、じゃあわたしやってみるね」ゴソゴソ

まどか「お」ムクリ

まど神2「やった! 元通りだね!」

まどか「じゃあ、あいつチャチャッとお願いしちゃうね」

まど神2「任されました」

まど神2「」キリッ


まど神2「わたしの願いは、全ての魔女を消し去ること。本当にそれが叶ったんだとしたら、」

まど神2「わたしだって、もう絶望する必要なんて、ない!」ギュオーン

最後の魔女「( ゚O::」チュドドドーン


ほむら「ううっ!」ドカーン

QB「まどか、これで君達は、君自身の存在の始まりと終わりを、二人のまどかが相互に担保する事になった」

まどか「」

QB「君達は、一つ上の領域にシフトして尚且つ、その存在を現世に依存するんだ」

まどか「うーん、よくわかんないな……」

  グニョングニョングニョン

ほむら「うわ、また景色が」

QB「宇宙の再編が終わろうとしているね」

ほむら「あ、何かヤバイ気がする」

まどか「ほむらちゃん、捕まって!」

ほむら「う、うん」ヒシッ

  グワン グワン グワン

ほむら「ハッ」

杏子「……さやかは? オイ、さやかはどうした?」

??「大丈夫!」

さやか「うぅ、氏ぬかと思った……」

まどか「すんでのところで、助けてあげたよ!」

ほむら「まどか!?」

マミ「もう、美樹さんったら」
                   メビウス
マミ「今のは一歩間違えれば《歪円環の理》に導かれるところだったのよ。あまり心配させないで」

さやか「ごめんなさーい」

ほむら「まどかぁ!」タタタッ

杏子「?」

マミ「暁美さん?」

ほむら「」ダキッ

まどか「ティヒヒ……大丈夫、もう大丈夫だよ、ほむらちゃん」

ほむら「まどかぁ……うぅぅ」グスッ

――――――――――――――――――――

まどか「ほおーら、たっくん、たかいたかーい」ティヒヒ

タツヤ「まろか、まろかー」

ほむら「ダーメ、たっくん。お姉ちゃんの髪を引っ張るのダメ」

タツヤ「ぁぅぁー……ハイ!」

パパ「暁美さんは、本当に良く懐かれているね」

ほむら「ええ、ありがとうございます」ウフフ

ママ「お? ほむらちゃん、そのリボンすごくかわいいね。ウチの子とお揃いかい?」

ほむら「派手すぎませんか?」

ママ「ううん全然。あたしの好みにド直球だわー。ちょっとビックリしたくらい」

――――――――――――――――――――

QB「ふうん、なるほどね。確かに君の話は、一つの仮説としては成り立つね」

ほむら「仮説じゃなくて、本当のことよ」

QB「俄かには信じ難い話だね」

QB「君の言う通りだとすれば、今のまどかの正体は、魔法少女なんかじゃない」

QB「そのソウルジェムに、上位存在の片割れを内包する事になるけれど」

QB「目の前の無力な少女が、神にも等しい力を持つなんて、誰が信じるんだい?」

まどか「ティヒヒ、大げさだよ、QB」

QB「でも、もし証明したいなら、それを確かめる手段が一つだけあるよ」

ほむら「ふん」

QB「まどかのソウルジェムを砕けば、その内に潜むまどかの片割れが目を覚ます」

まどか「へ?」

ほむら「その願いの力で、次の宇宙の魔女を消す、そういう理屈ではあるわね」

QB「もっとも、書き換わる宇宙を認識できない者にとっては、何の意味も無い事だけど」

まどか「もー、ひどいよQB」

ほむら「ま、あなた達はそういうやつらよね」

QB「これでも助言したつもりなんだけどね。やっぱり理解できないなあ、人間の価値観は」

QB「今夜はつくづく瘴気が濃いね」

まどか「魔獣が、次から次に湧いてくる……これじゃキリがないね」

ほむら「ボヤいたって仕方ないわ。さあ、行くわよ」



ほむら(どんな祈りも、必ず何かの歪みを生み出す。それがこの世界の仕組みだけれど)

ほむら(この魔獣たちも、まどかの祈りが生んだものだとしたら――それを狩るのは、私の役目)

ほむら(まどかを守る。彼女の望むものも全部、守ってみせる)

ほむら(それが私の祈り、決して忘れたりしない)

ほむら(だから私は、戦い続ける)



まどか「がんばって!」

ほむら「まどか、私から離れないでね」

まどか「もちろん!」



おしまい。

これで終わりますね。最後まで読んでくれてありがとう。

最後の設定は書いてる本人も分けわかんなくなってるので流してくれればおkk。
ギャグ調なら何でも許されると思ってましたスンマセンスンマセン

よかったら、こちらのSSもどうぞ。

同じような設定のシリアス調です。
地の文形式に抵抗無ければ楽しめるかもしれません。

それじゃ、アデュ

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