まゆり「まゆしぃは満足なのです」(126)


とある日のラボ

紅莉栖「ねぇ岡部ぇー」

岡部「なんだ助手よ」

紅莉栖「助手って言うな。ところで暇なんだけど、なんかないの?」

岡部「なんかとはなんだ? 機関との闘争か?」

紅莉栖「はいはいワロスワロス。まゆりは何をしてるの?」

まゆり「まゆしぃはぼーっとしてるのです」





書き留めあり


まゆり「ラボはいつもこんな感じだったから」

紅莉栖「凄いわまゆり、こんな奴とずっと2人きりだったなんて」

岡部「それはどういう意味なのだクリスティーナよっ!」

まゆり「んーん、オカリンはいつだってまゆしぃを楽しませてくれたよ?」

紅莉栖「まゆり……あんたって子は良い子過ぎるっ」

まゆり「紅莉栖ちゃんが何に感動しているのかまゆしぃにはわからないのです」

岡部「おい、俺を置いていくな」

紅莉栖「なにあんた、構ってちゃんなわけ? 私女だけど、そういう男の人ってちょっと」

まゆり「ねぇ紅莉栖ちゃん、オカリンを苛めないで欲しいなぁ…喧嘩はやだよ」

紅莉栖「ま、まゆり!? 別に苛めてなんていないわよっ?」

岡部「ククク、フゥーーハハハ!! 助手はツンデレなのだな!」

紅莉栖「助手でもツンデレでもないわっ!!」


まゆり「ラボはいつもこんな感じだったから」

紅莉栖「凄いわまゆり、こんな奴とずっと2人きりだったなんて」

岡部「それはどういう意味なのだクリスティーナよっ!」

まゆり「んーん、オカリンはいつだってまゆしぃを楽しませてくれたよ?」

紅莉栖「まゆり……あんたって子は良い子過ぎるっ」

まゆり「紅莉栖ちゃんが何に感動しているのかまゆしぃにはわからないのです」

岡部「おい、俺を置いていくな」

紅莉栖「なにあんた、構ってちゃんなわけ? 私女だけど、そういう男の人ってちょっと」

まゆり「ねぇ紅莉栖ちゃん、オカリンを苛めないで欲しいなぁ…喧嘩はやだよ」

紅莉栖「ま、まゆり!? 別に苛めてなんていないわよっ?」

岡部「ククク、フゥーーハハハ!! 助手はツンデレなのだな!」

紅莉栖「助手でもツンデレでもないわっ!!」


まゆり「ところでオカリン、ちょっといいー?」

岡部「どうしたまゆり」

まゆり「えっとねぇ、オカリンって彼女さんとか作らないのかなぁと疑問なのです」

岡部「なっ!?」

紅莉栖「ええっ!?」

岡部「いや、なぜお前が反応するのだ」

紅莉栖「ほ、ほっといてよっ」

岡部「そ、それにまゆりもまゆりだ! いきなりどうしてそんな事を聞くのだっ」

まゆり「えー、変かなぁ?」

岡部「ああすごく変だ!! もしや、退屈すぎて機関の洗脳に犯されて」

紅莉栖「厨二乙、厨二乙。大事なことなので2回言いました」

岡部「くぬぅぅぅ、この鳳凰院凶真を舐めているのかっ」

まゆり「ほうほうなんとかさんは、名前が長いので覚えられないのです……」

岡部「ほうほうではない、ほうおうだ、鳳凰院凶真だっ!!」



岡部「ええい、もうよいっ! 俺は出てくる」

紅莉栖「どこに行くのよ?」

岡部「メイクイーン・ニャン×2だっ、そこにダルもいるらしい」

紅莉栖「あ、フェイリスさんに会うのね? 私も暇だし、会いに行こうからし」

岡部「ぬぁにぃ!? 付いてくるというのか助手よっ」

紅莉栖「助手ではないと言っとるのがわからんかっ!」

まゆり「じゃあまゆしぃはお留守番しているのですぅ」

岡部「ん、どうしてだ? まゆりも行こうではないか」

まゆり「まゆしぃは今日、お休みなの」

紅莉栖「そうよね、オフの日くらいは職場に行きたくないわ常考」

岡部「お前、発言が少しダルに似てきたな」

紅莉栖「うううう、うっさいわよばかっ!!!!」

岡部「では行って来る、……これが、俺の最期の挨拶になるとはな」

紅莉栖「厨二設定作るな、フラグ立てるな!! じゃあねまゆり、行ってくるわ」



まゆり「行ってらっしゃーい」


ガチャ








まゆり「……あの二人はね、お似合いだと思うのです」



~数十分後~
ガチャ

まゆり「え? もう帰ってきたのかな」

鈴羽「トゥットゥルー、やっほぉー。って、椎名まゆりだけ?」

まゆり「そうなのです」

鈴羽「あちゃー、折角今日はラボに泊めてもらおうと岡部倫太郎に会いに来たのに」

まゆり「んー、今日はオカリン帰ってくるか解らないんだぁ、ごめんね」

鈴羽「あはは、別に気にしてないよ!」

まゆり「…うん」

鈴羽「あれ、元気ないね? 悩み事あるなら相談にのるよ?」

まゆり「……えっとねぇ、スズさん…」

鈴羽「なに、何でも言ってみてよ」


まゆり「オカリンのことなの」

鈴羽「岡部倫太郎? 彼が一体どうかしたの?」

まゆり「まゆしぃはそろそろ、重しになりたくないなぁって考えてるの」

鈴羽「重しってどういうこと?」

まゆり「それは言えないんだぁ……でも、オカリンには幸せになって欲しいなぁと思うのです」

鈴羽「えっと、なんだか難しいね。だけどさ、岡部倫太郎は君のことを重しって思ってるのかな?」

まゆり「んーん、オカリンは優しいからそんなことは思わないと思うよ」

鈴羽「だろうねぇ、彼って実はすごく優しいからさ」

まゆり「だからね、まゆしぃはこう思っちゃうのです」

鈴羽「成る程……」

まゆり「それにオカリンの周りにはとーっても素晴らしい女の子がいるんだよ」

鈴羽「例えばだれのことを言っているの? もしかしてあた」

まゆり「まゆしぃ以外のみんななのです」

鈴羽「……そっかぁ」


まゆり「フェリスちゃんは、秋葉一体の大地主で、メイドで、経営者でしょ」

鈴羽「確かに彼女はすごいね」

まゆり「紅莉栖ちゃんはとーってもとーっても賢い学者さん」

鈴羽「牧瀬紅莉栖……ぐっ」

まゆり「スズさんはとっても」

鈴羽「……」ワクワク

まゆり「……強いのです」

鈴羽「え、ちょっと待ってっ。あたしの魅力って強いだけなの?」

まゆり「えへへぇ、ごめんね?」

鈴羽「そこで謝らないで欲しいよ…」

まゆり「あとねぇ、萌郁さんはキャリアウーマンで、仕事をなんでもこなせそうだと思うの」

鈴羽「た、確かにそうだね…あはは、はぁ」


まゆり「だからね、オカリンはそういう女の子と付き合うべきなのです」

鈴羽「そういう椎名まゆりはどうなのさ、岡部倫太郎のこと」

まゆり「……まゆしぃはだめだよぉ、なんの取り得もないんだもん」

鈴羽「そんなことっ」


ガチャ


紅莉栖「ただいままゆりー」

岡部「いま帰ったぞ」

まゆり「あれ、2人ともどうしたのぉ?」

鈴羽「……」



岡部「いや、突然フェイリスが俺にわけわからぬ事を言い出してだな」

紅莉栖「……」ムス

岡部「このままでは紅莉栖と対立しかねないと思い、帰ってきたのだ」

紅莉栖「べ、別に私はフェイリスさんと対立なんてしないわよっ」

まゆり「えー、せっかくのお出掛けだったのに勿体ないよぉ」

鈴羽「……」

岡部「そうは言ってもだなぁ」

紅莉栖「今日のフェイリスさんは暑さでやられてしまっただけのよ、そうよそうに決まってるわっ。そうじゃないと説明できないもの、脳科学的に考えてもっ!!」

岡部「助手がこのような状況では、なんとも言えん」

まゆり「あー……そだねぇ」

紅莉栖「なによまゆりまでっ」


岡部「なんだ、鈴羽もいるのか」

鈴羽「えー、あたしがいたらだめなの?」

岡部「い、いやそういう訳では……」

鈴羽「……」ジー

紅莉栖「……」フン

岡部「こうなるから嫌なのだが…わかっているのか?」

鈴羽「そうそう岡部倫太郎、ちょっとこっち来て」

岡部「な、なにをするっ!」




紅莉栖「なに、あれ……?」

まゆり「なんだろうねー」


岡部「屋上に連れ出して何の用なのだっ」

鈴羽「君って奴はさぁ、鈍感なの?」

岡部「いきなり連れ出したかと思えば、どういうことか説明しろっ」

鈴羽「でもまぁ、あの子なら仕方ないのかな」

岡部「あの子とはどの子だ? まさか、マリア……」

鈴羽「もしかして他にも女の子がいるとか岡部倫太郎?」ジー

岡部「い、いないいないっ、冗談だ、だからその殺気だった目つきをやめろバイト戦士っ!」

鈴羽「……はぁ、まったく、君はもっと回りに目を配るべきだと思う」

岡部「なんだ、ラボメンのことか?」

鈴羽「わかってんじゃん」

岡部「それならば抜かりは無い! 何故なら、この狂気のマッド」

鈴羽「抜かりまくってるのになぁ……あ、いや。この場合はそれが逆効果となっているとか……」

岡部「人の話は最期まで聞けっ!」


鈴羽「とにかく岡部倫太郎、まゆりを泣かしたら許さないから」

岡部「なに? この俺がまゆりを泣かせるだと、そんなことは断じてないっ」

鈴羽「そ、それなら良いんだけどさぁ…」

岡部「まゆりは大切な妹みたいなものだ、何よりも大事にしているつもりだ」

鈴羽「それがダメなんだよっ! 椎名まゆりだって一人の女の子なんだ」

岡部「まぁ確かにそうだが」

鈴羽「そうだ、一度彼女とデートだっけ? してみようよ!」

岡部「なぜ俺がまゆりとデートをせねばならん、それに毎日のように会っているぞ」

鈴羽「いいから! じゃないと、あたしきっと君を許せないからさ」

岡部「ああわかったわかった、だからその脅すような目つきはやめろっ」

鈴羽「うん、へへ!」

岡部「なんだ、嘘睨み……なのか…?」



紅莉栖「あ、岡部おかえり。何してたのよ」

鈴羽「別になんでもないよ牧瀬紅莉栖」

紅莉栖「あなたには聞いてないっ」

岡部「……」

紅莉栖「まぁいいわ。さっきからまゆりの元気がなくて……」

鈴羽「椎名まゆり、ちょっと…」

まゆり「え、なぁにスズさん?」

岡部「……」

鈴羽「……」ゴニョゴニョ

まゆり「ええええー」

紅莉栖「なに、なんなの、私は置いてけぼりなの!? なんとか言いなさい岡部ぇ!」


次の日


岡部「…バイト戦士の言われるまま、俺はどうしてこんな所にいるのだ」

岡部「くっ、しかも白衣を着ていない鳳凰院凶真など、鳳凰院凶真ではないっ!」

岡部「それにしてもまゆりはまだか」


まゆり「とぅ、トゥットゥルー…オカリーン…」

岡部「おおまゆり、待っていたぞ!」

まゆり「あの、待たせてごめんね?」モジモジ

岡部「それは一向に構わない。しかしバイト戦士もおかしな奴だな。二人で出掛けろなどと」

まゆり「ごめんねぇオカリン……」

岡部「いいや、まゆりが気にすることではない。今日はたくさん遊ぼうではないか」

まゆり「うん、そだね!」



回想開始



鈴羽「いい、岡部倫太郎? 明日は椎名まゆりとデートしてくるんだよ」

岡部「ぬぁにぃ!?」

鈴羽「椎名まゆりは了承済みだから」

岡部「くっ、手が早いのだなっ」

鈴羽「とにかく、明日は13時に××で集合だから遅れないように、わかったぁ?」

岡部「既にまゆりは来るつもりなのだろう? 行かないわけがないではないか」

鈴羽「別にそれならいいけどさ」

岡部「さて、狂気のマ」

鈴羽「明日は白衣とかなしだからね、普通の格好で普通のデートしてきて」

岡部「……」



回想終了


岡部「さて、まずはアニメエイトに行こうではないかぁ?」

まゆり「あー、そういえば今日発売の漫画あったんだったぁ」

岡部「そうか、それならば躊躇う必要はないな、行こう」

まゆり「うん、楽しみだなぁー」




岡部「ふむ、久しぶりに来るが、あまり変わらないのだな」

まゆり「そんなことないよぉ、あっちに特設コーナーだってできたのです」

岡部「お前が威張ってどうするのだまゆりよ」

まゆり「んー、そう言われたらそうだねぇー」

岡部「相変わらずだなお前は」

まゆり「えー、オカリンには言われたくないかなぁ……」


岡部「目星のものはあったのか?」

まゆり「うんあったよぉ! ほら見て見てー」

岡部「それはよかったな。次はこのまま羅針盤に行くか」

まゆり「うんうん、オカリンはわかってるのです!」




岡部「同人系が流石に多いなここは」

まゆり「でもねオカリン、有名なサークルさんの作品はおもしろいよぉ?」

岡部「同人誌か……手を出せば、破滅へのロンドを踊ることになるのだろうな……」

まゆり「えっとねー、まゆしぃはオカリンの言っている意味がわからないのです」

岡部「ああ、今は解らなくてもいいさ」

まゆり「そだねー……?」


岡部「ふぅ、いろいろと歩きまわったな」

まゆり「流石にまゆしぃも疲れたのです…」

岡部「何処かで一休みしていかないか?」

まゆり「うん、そうするねぇー……」




メイクイーン・ニャン×2


フェイリス「お帰りニャさいませ、ご主人様ぁー」

岡部「何故、ここなのだ」

まゆり「えー、安らぎの空間なんだよぉ?」

岡部「お、お前がそういうのであれば……しかし」

フェイリス「あっれぇ、今日はまゆしぃとデートかニャ?」

岡部「ああそうだが?」

フェイリス「……へ?」


まゆり「違うのフェリスちゃん、これはえっとね」

フェイリス「そうかニャ、とうとうまゆしぃも凶真と……」

岡部「何を落ち込んでいるのだ?」

フェイリス「ニャんでもニャいニャ、フェイリスは新たなカップルに祝杯を与えるニャ…」

岡部「お、おい。まだ何も頼んでいないのにココアを持ってくるな」

フェイリス「これはフェイリスからの些細な心だニャ…。凶真、まゆしぃを悲しませたら許さニャいから」

岡部「お前は何かを勘違いしていないか?」

まゆしぃ「そだよぉフェリスちゃん、誤解なんだよぉー」

フェイリス「……ニャー」トボトボ




岡部「あいつは一体どうしたのだ?」

まゆり「オカリンがわるいのです」

岡部「おいどうしてお前まで怒っているのだ」

まゆり「まゆしぃは怒ってなんかいないのです」


岡部「折角だ、頂こうではないか」

まゆり「そうだねー……うんー、美味しいねぇ!」

岡部「ドクペが無いのは残念なのだがな」

まゆり「あのねオカリン、普通のメイド喫茶には置いてないんだよぉ?」

岡部「言われなくてもわかってるっ」

まゆり「もうオカリンったら拗ねちゃいやなのです」

岡部「拗ねてなどいない、俺を誰だと思っている!?」

まゆり「岡部倫太郎ー、オカリンだよぉー」

岡部「ぐぬぬぬぬぬ、鳳凰院凶真っ、だっ!! いい加減覚えるのだなっ!!」

まゆり「声がおっきぃよー……」


まゆり「でも二人でお出掛けって久しぶりだね、オカリン」

岡部「ああそうだったな。最期に二人で出掛けたのは確か……そうだ、ドクター.中鉢の記者会見だったな」

まゆり「あのときはびっくりしたのです」

岡部「そうだったな、まさかあのような展開になるとは考えてもみなかった」

まゆり「それとね……メタルウーパさん……」

岡部「そうとうのレアだったらしいな」

まゆり「そうなのですー……。名前まで書いたのに…」

岡部「また当てればいいではないか」

まゆり「あれは滅多に当たらないの、レアなんだよぉ?」

岡部「そ、そうだったな…すまん」

まゆり「悔やんでも悔やみきれないよぉ」

岡部「本当に残念だったな」

まゆり「うん……ウーパぁ……」





岡部「さて、そろそろラボに帰ろうではないか」

まゆり「そうだね、オカリン」


フェイリス「あ、お帰りニャンニャン?」

岡部「そうなのだが、さっきのは本当に誤解だ」

フェイリス「誤解? どういうことニャ?」

まゆり「別にまゆしぃたちは恋人とかじゃないのです」

フェイリス「…ニャ? も、も、もちろん解ってたニャんよっ?」

岡部「それにしては汗が」

フェイリス「ご主人さまのお出掛けニャンニャン!!」

まゆり「わわ、フェリスちゃん押さないでぇ」

フェイリス「またのお帰りをお待ちしているニャー!」

テクテク


岡部「…なぬ、まゆりはどこだ!?」





岡部「おーいまゆり」

まゆり「あ、オカリーン!」

岡部「またぼーっとしていたのか(まゆりよ……星屑との握手<スターダストシェイクハンド>か)」

まゆり「ごめんなさいなのです」

岡部「いや、気にするな。とにかく俺の側を離れるじゃないぞ? 何故ならば、お前は人質なのだからなぁっ! フゥーーーーハハハ!!!!」

まゆり「トゥットゥルー、了解しましたぁ!」

ラボ
ガチャリ


岡部「うむ、やはり我がラボが一番落ち着くではないかっ」

鈴羽「……え?」

まゆり「トゥットゥルー、スズさんやっほぉ」

岡部「なんだバイト戦士、お前もいたのか」

鈴羽「え、なに、もう帰ってきたの? まだ夕方にもなってないっ」

岡部「ああそうだが?」

鈴羽「あたし言ったよね、デートしてこいって言ったよね?」

岡部「うむ、だから普段は行かないところを行ったのだが」

まゆり「楽しかったよねぇ、オカリーン」

鈴羽「……椎名まゆりがそう言うのなら」

岡部「ところで貴様は何をしていたのだ?」

鈴羽「えと、ちょっとラボを借りてシャワーとかお昼寝とか……って、今はどうでもいいじゃんっ」

岡部「……サボっていたのか……バイト戦士よ」


鈴羽「さ、サボってないよ!」

岡部「んんー、その割には必死な様子ではないのかぁっ?」

鈴羽「い、いじわるだね岡部倫太郎…くっ」

まゆり「こらぁオカリン? 苛めはよくないのですっ」

岡部「いや、これは決して苛めいるのではないっ、社会的に必要なマナーというものをだな」

まゆり「女の子には優しくなのです」

鈴羽「椎名まゆりぃ、君だけがあたしの見方だよぉ」

まゆり「大丈夫だからね、スズさん」

岡部「なぜ俺が悪者になっているのだ、これが機関のやり方か」

鈴羽「……ところで、君は楽しめたのかな?」

まゆり「うん、だけどあんまりオカリンを一人占めするものよくないと思うの」

鈴羽「……」


鈴羽「……椎名まゆり、君はこれでいいの?」

まゆり「まゆしぃには十分過ぎるのです」

岡部「なんのことだ? まさかまだ買い足りない同人誌があったのか?」

まゆり「んーん、そういうことじゃないよオカリン」

鈴羽「……まゆり」

岡部「お前たちが何を言っているのかまったく理解できないのだが」

鈴羽「君がもっとしっかりしていればっ」

岡部「ど、どうしたのだ鈴羽、目つきが恐ろしいぞ」

まゆり「止めてスズさん」

鈴羽「そんな、だってっ」

まゆり「まゆしぃはね、オカリンが楽しそうならそれでいいのです」

鈴羽「……」

岡部「…まゆり?」


まゆり「えっとね、今日はもう帰るねオカリン」

岡部「そうか、気をつけて帰るのだぞ。なんなら駅まで送るが」

まゆり「大丈夫だよぉ、そこまで子供じゃないよー」

岡部「そうだったな。ではまた明日ラボで会おうではないか」

まゆり「うん! じゃあねぇ、オカリンー、スズさん、ばいばーい」

鈴羽「う、うん」


ガチャ



鈴羽「……岡部倫太郎、君って奴は」

岡部「……まゆりには、俺では駄目なのだ」

鈴羽「え?」

岡部「どうせお前はこう言うつもりだろ、『椎名まゆりの気持ちに気付かないのか」と」

鈴羽「岡部倫太郎!?」

岡部「まゆりが俺に好意を寄せているかもしれないのは知っていた」

鈴羽「ならどうしてっ」


岡部「まゆりは大切なラボメンであり、家族だ。そして、……人質なのだ、鳳凰院凶真のな」

鈴羽「……どういうこと?」

岡部「鳳凰院凶真では、まゆりを守れてもいっしょにはなれない」

鈴羽「……ねぇ、君が何を言いたいのかわからない、教えてくれる?」

岡部「ああ、そうだな……教えてやろう」



省略



鈴羽「そんなことがあったんだ」

岡部「そうだ、あの日から俺は鳳凰院凶真、狂気のマッドサイエンティストだ」


鈴羽「でもさ、それって全部君次第じゃないの?」

岡部「どういうことだ」

鈴羽「今は君が椎名まゆりを縛っていると思うんだ」

岡部「……」

鈴羽「ほうおう……えん?」

岡部「ほうおう、いんっ!! いんだ、鳳凰院凶真だっ!!」

鈴羽「あはは、ごめんごめん。その鳳凰院凶真を君から捨てないとまゆりはずっと人質のままだと思う」

岡部「どういうことだ?」

鈴羽「岡部倫太郎が岡部倫太郎にならないと、椎名まゆりはずっと君に負い目を感じ続けるんじゃないかな」

岡部「それが、俺がまゆりを縛っていたという理由か」

鈴羽「少なくともあたしはそう思うよ」

岡部「……」


岡部「しかし、今更どうしろと言うのだ」

鈴羽「どうしろっていうのは?」

岡部「俺は今までずっと鳳凰院凶真としてまゆりをここに引き止め、守ってきたのだ」

鈴羽「そうだね」

岡部「いまさら岡部倫太郎となってあいつを、まゆりを引き止める自信がない」

鈴羽「…あのさ、岡部倫太郎」

岡部「なんだ」

鈴羽「もっとさ、椎名まゆりを信じてあげようよ」

岡部「……」

鈴羽「椎名まゆりは強い女の子だよ、君の想像以上に」

岡部「……ああ」


鈴羽「だからさ、これからは鳳凰院凶真じゃなくて岡部倫太郎としていっしょに居てあげればいいんじゃないかな」

岡部「……俺でいいのか」

鈴羽「きっと彼女は君がいいと思うんだ」

岡部「こんなヘタレな俺でもまゆりの側にいていいのか」

鈴羽「こういうのは理屈抜きで考えていいと思う」

岡部「ありがとう鈴羽、これからまゆりを追いかけて」






ガチャ

まゆり「トゥットゥルー、ただいまぁ。折角買った漫画を忘れちゃってたのです」


岡部「……」

鈴羽「……」

まゆり「えーっと、どうしたのぉ?」

鈴羽「これだけ空気の読めない登場も珍しいね」

岡部「俺もいまそう思っていた」

まゆり「えー、まゆしぃはさっぱり意味がわからないのです」

岡部「……突然で悪いがまゆりよ、屋上へ行くぞ」

まゆり「えー、どうしてオカリン?」

岡部「いいから、行くぞ」







鈴羽「頑張ってね、岡部倫太郎」


岡部「まゆりよ、俺たちはもう随分長い付き合いだったな」

まゆり「どうしたのオカリン? またほうおうなんとかさん?」

岡部「いや、今は岡部倫太郎だ」

まゆり「えっとぉ、オカリンはオカリンだよー」

岡部「これから、鳳凰院凶真を止めようと思っているのだ」

まゆり「そうなんだぁー」

岡部「お前はもう、人質ではない」

まゆり「……オカリン?」

岡部「そうだ、お前と俺の関係はここでリセットされるのだっ」

まゆり「じゃあもうね、まゆしぃが居なくても平気だね」

岡部「……まゆり?」

まゆり「あのねオカリン、あの日覚えてる? おばあちゃんのお墓でのこと」

岡部「あ、ああ…鳳凰院凶真の誕生だろ」

まゆり「うん」


まゆり「あの日、まゆしぃはオカリンに救ってもらったのです」

岡部「……そうか」

まゆり「でもねオカリン、それからほうおうさんは、オカリンを殻に閉じ込めた気がしたんだよ」

岡部「なに?」

まゆり「誰かと喋るとき、ほうほうさんがいつも出てたからまゆしぃは心配だったのです」

岡部「心配だと? なぜなのだ」

まゆり「……まゆしぃ以外の前でほーおーさんする意味がわからなかったのです」

岡部「……っ!?」


まゆり「だからまゆしぃはね、ああそっかまゆしぃがほーおーさんを生んじゃったから、オカリンはもっと孤独になっちゃったと思ったのです」

岡部「……そんなことはっ」

まゆり「だからねオカリン、そういう意味でまゆしぃは重しになりたくないのです」

岡部「まゆりっ!」

まゆり「だけど安心したんだよ、オカリンがやっとオカリンになってくれて」

岡部「…ま、まゆり、お前…?」

まゆり「人質じゃなくなっちゃったのです、まゆしぃは解放されたのです、オカリンといっしょに」

岡部「ち、ちがっ、そういう意味ではっ」

まゆり「オカリンにはねぇ、オカリンとして幸せになって欲しいのです」

岡部「おい、やめろっ!」

まゆり「オカリンが幸せなら、それだけでねー」









まゆり「まゆしぃは満足なのです」









バタン


岡部「そんな、まゆり……」




ガチャ



岡部「まゆりっ!?」

鈴羽「……」

岡部「…バイト戦士か」

鈴羽「…うん」

岡部「……」


岡部「ふは、ふはは……振られてしまった」

鈴羽「うん…話し、聞かせて」



カクカクジカジカ



鈴羽「えっと」

岡部「…すまない、せっかく協力してもらったのに」

鈴羽「いや岡部倫太郎、君はまだ振られていないじゃん」

岡部「なん……だと……?」



鈴羽「だってさ、ただ『鳳凰院凶真を止める、人質ではない』って言っただけでしょ?」

岡部「あ、ああそうだが」

鈴羽「というか振られたって、君もしかして椎名まゆりのこと、好きなの?」

岡部「……へ?」

鈴羽「え? もしかして、いま気付いたの!?」

岡部「…ど、どうもそうみたいだ」

鈴羽「……こ、この男殴りたい、父さん」

岡部「やめてくれ、お前の拳は俺の貴重な脳細胞を破滅させる」

鈴羽「じゃあちょっとだけでいいからさ」

岡部「ちょっともなにもないわっ!」


鈴羽「とにかくさ、好きなら好きって言えばいいじゃん」

岡部「いやしかし、恥ずかしいというか…」

鈴羽「鳳凰院凶真の方が恥ずかしいと思うんだけどなぁ」

岡部「あ、あれは俺の偽りなき真実の姿で」

鈴羽「止めるんでしょ、それさぁ」

岡部「くっ」

鈴羽「とにかくっ、やるならやる! 男の子なんでしょ?」

岡部「バイト戦士にそこまで言われたら仕方あるまい……まゆりを追いかけて」




ガチャ

鈴羽「っ!?」バッ

岡部「っ!?」バッ

まゆり「え、えと…まゆしぃなんかしたのかなぁ」ビクッ


岡部「帰ってなかったのか?」

まゆり「えー、帰るなんて言ってないよぉ。卒業、ほーおーさんを祝してドクペパーティーしようと思ったのです」

鈴羽「……椎名まゆり、君はぶれないね」

まゆり「スズさんもドクペのむぅ? えへへ、まゆしぃの実はオレンジジュースなんだけどねー」

鈴羽「あ、あたしは別にいいや……その、下にいるからさ」

まゆり「そうなの? でもいつでも上がってきてくれていいよぉー」

鈴羽「あはは、うんそうさせてもらうよ。じゃあね」

岡部「あ、ああ」



まゆり「オカリン、はいドクペ」

岡部「ありがとう、まゆり」

ミーンミーン



岡部「なぁまゆり」

まゆり「なぁに」

岡部「俺は、岡部倫太郎はお前が好きだ」

まゆり「……うん」

岡部「他の誰でもない、お前でなければ駄目なのだ」

まゆり「…だけど、まゆしぃなんて」

岡部「どうしたのだ」

まゆり「だってまゆしぃ、なんの取り得もないよ」

岡部「そうでもないさ」

まゆり「えー」


岡部「お前はずっと俺の側にいれくれただろ」

まゆり「それって普通だと思うのです」

岡部「そうでもないさ。変わらないって、実はすごく難しいことだと思うのだ」

まゆり「なんで?」

岡部「過去も未来も変わっていくなかで、お前だけはいつも俺の見方で、側にいてくれた」

まゆり「まゆしぃにはさっぱりなのですー」

岡部「そうだろうな、しかし本当だ」

まゆり「オカリン……」

岡部「それにだ、体力だって人一倍あるではないか」

まゆり「えー、それって惹かれるところなのぉ?」

岡部「うむ、そう言われると微妙なところだな」


岡部「とにかくだ、俺の恋人になってくれ」

まゆり「えっとねぇ、紅莉栖ちゃんは頭がいいよ?」

岡部「胸が小さい」

まゆり「ええええ、それは紅莉栖ちゃんが可愛そうだよぉ」

岡部「いや冗談だ、すまない。助手は仲間であり、俺のパートナーくらいだ」

まゆり「それでも十分だと思うのです…」

岡部「そうでもないさ。俺が心を寄せるのはまゆり、お前だけだ」

まゆり「うー、オカリンそれは卑怯だよぉ」

岡部「なんとでも言え」


まゆり「じゃあね、フェリスちゃんはどうなのぉ?」

岡部「どうしたのだまゆり」

まゆり「……えと」

岡部「俺は何度も言おう、まゆり、好きだ」

まゆり「うー、えとえと」

岡部「なんだまゆり、混乱しているのか?」

まゆり「そうなの、だってこんなこと、オカリンが言うなんて思ってなかったんだよぉ」

岡部「そう、だな。俺も実際言うとは思っていなかったぞ」

まゆり「そうだよねぇー」

岡部「だよなぁ」


岡部「それで、返事はどうだ」

まゆり「…えとね、まゆしぃはね、オカリンのこと好きだよ」

岡部「うむ」

まゆり「とってもとっても大好きなんだよ」

岡部「それは嬉しいぞまゆり」

まゆり「あのね、言葉にできないくらいなんだよ?」

岡部「ならば時間を掛けて伝えてくれたらいい、未来はあるのだからな」

まゆり「だけど足りなかったら?」

岡部「一生を果たして伝えてくれ、俺も付き合おう」

まゆり「オカリン、オカリン、あのね」


岡部「なんだ?」

まゆり「お願いがあるの」

岡部「なんでも言ってみろ」

まゆり「まゆしぃを幸せにしてください」

岡部「ああ、任せろ。一生をかけて証明してみよう、未来に掛けて」

まゆり「オカリーン!」

岡部「おわあぁ、どうしたのだまゆり!? 突然抱きつくでないっ」

まゆり「まゆしぃは本当にとっても嬉しいのです」

岡部「そうなのか、それは俺も嬉しいぞっ」


まゆり「だってね、まゆしぃはオカリンの重しだと思ってたの」

岡部「ああそうだったな」

まゆり「ほーおーさんを止めるって聞いてね、もうまゆしぃからは離れちゃうと思ったのです」

岡部「すまなかった」

まゆり「だけどね、まゆしぃの側に帰ってきてくれてとっても嬉しいよ」

岡部「そうか、まゆり、ありがとう」

まゆり「んーん、お礼を言うのはまゆしぃの方だよぉ」

岡部「ではお互いさまということでどうだ?」

まゆり「うん、それでいいと思うのです!」





まゆり「大好きだよ、オカリーン!」


まゆり「あのねあのね、まゆしぃたちは恋人になったんだよね?」

岡部「ああその通りだ、自信を持つがよい」

まゆり「じゃあね、あの…わがまま言っていい?」

岡部「フゥーーーハハハ!!! なんだ、さっそく恋人らしいではないか! 言ってみろぉ?」

まゆり「…オカリン、ちゅうしたい」

岡部「ちゅう?」

まゆり「うんとね…キス、だよ」

岡部「あ、ああ」






チュ


岡部「は、はは…なんだか懐かしいなまゆり」

まゆり「えへへ、昔みたいだね」

岡部「なんだ、お前も覚えていたのか」

まゆり「そうなのです、だってあれがまゆしぃのファーストキスだったのです」

岡部「なんだかあれだ、こうなるのがシュタインズゲートの選択かもしれないな」

まゆり「えー、そうなのぉ?」

岡部「いや、どうなのだろうな」





岡部「これからもよろしく、まゆり」

まゆり「うん、こちらこそオカリン」





終わり

読んでくれた人がいたならありがとう!
駄文ではあったが生暖かい目で見守ってくらさって助かったのだぜ
ではではノシ

※まとめサイトの人がまとめるなら、これ載せないでね




秋葉留未穂「倫太郎さん、愛してる」
鈴羽「今日はラボに泊まっていくよ」
萌郁「お、岡部君…デート、しよ」

とかも書いてるから、よかったら読んでくらさい
最後は全部似た展開なのは秘密なのだぜ

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