遠坂凛「あなたがわたしのサーヴァントね?>>2」 (999)

安価で決まったサーヴァントで聖杯戦争。
知らないキャラだと一応頑張って調べるけど、基本安価下。

凛の鯖>>2

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1380884864

ラムザ・ベオルブ

なんという高速

ラムザってFFT?
把握、書いてきます

と思ったが、クラスどうしよう

ラムザのクラス>>13

らいだー

ライダー把握。竜騎士かなぁ…

もしこの世界の歴史にいたとしたら悪行の方が目立つよね
わざとそうされてるだろうけど

>>18

紅茶………

遠坂邸【工房】


「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュバインオーグ――」

敷設した魔法陣に向かって、わたしは詠唱を始める。
時刻は午前二時。魔力は十全で、体調も万全。

「降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

抜かりはない。今はただ、紡ぐ言葉に意識を傾ける。
この瞬間において、重要なのはただそれだけ。

「閉じよ。―――閉じよ。―――閉じよ。―――閉じよ。―――閉じよ」

満たせ。―――満たせ。―――満たせ。―――満たせ。―――満たせ。

「繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する。――――告げる」

身体の中を駆け巡る魔力。
聖杯が大半を形作るとは言え、英霊の召喚などという大それたことは、そう易々と成しえない。

「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

この汗は魔力が消費された反動か、それとも緊張によるものか。
失敗は許されない。一度きりの、ぶっつけ本番。

「誓いを此処に。――――我は常世総ての善と成る者、 我は常世総ての悪を敷く者」

泣いても笑っても、わたしの元に参じた英霊と共に歩むしかない。
聖杯を奪い合う、血塗られた道を。

「汝三大の言霊を纏う七天、 抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」







――――直後、遠坂邸の上層で何かが壊れる音がした。

遠坂邸【寝室】


「あ、えっと……すみません。ベッドを壊してしまったみたいで…」

そこに居たのは、綺麗なブロンドの少年だった。
上背はわたしと同程度か、それよりも少し低いくらい。
鎧を身に着けてはいるが、戦士という雰囲気は無い。

「――――……まさかとは思うけど…あなたがわたしのサーヴァント?」

少年は姿勢を正し、膝を突いて頭を下げた。
その一連の動作はしっかりと身に染みていて、彼がこの時代の人間では無いという実感を得る。

「はい。ライダーとして召喚されました。よろしくお願いします、マスター」

「――――そう。わかったわ、顔を上げてライダー。わたしは遠坂凛。魔術師よ」

「……魔力の供給も滞りない。この分なら、一流の魔術師と判断してもいいだろう……召喚の不手際は…この際気に掛けないとして……」

「聞こえてるわよライダー」

なにはともあれ、召喚には成功したようだ。
時間が午後三時だったことといい、ここ一番でうっかりをするのが遠坂。
セイバーでない事には目を瞑ろう。

せっかくだから、何かはなしておこかな。

話すこと>>23

真名について

間桐にアグさんを呼ぼう(真ゲス顔)

今回の悪役枠は誰にしようか

フリーザとかン・ダグバ・ゼバとか

「じゃあ、早速だけどあなたの真名を聞かせて頂戴」

真名が判らないことには作戦の立てようが無い。先ず訊いておくべきことと言えばこれだろう。
しかしライダーは、苦い顔でうつむくばかりだった。
……この感じ、自らの名に恥じるところでもあるのか?

「わたしは…別にあなたがどんな大悪党でも軽蔑したりはしないわ。安心なさい」

「それでも……僕はこの名を高らかに名乗り上げることはできません。マスターも、きっとがっかりする」

「それでもよ。訊いておかないと、どう動いて良いかすらもわからない」

「戦況は僕が判断します。これでも、一軍を率いて旅をした身だ。戦略には自信がある」

「馬鹿ね。それは生前の話でしょう?現代の日本で、過去の戦略が通用する訳ないでしょう」

「………」

黙ってしまった。

>>31

狂化E- 精神汚染EXのバーサーカー?

縛りなんて要らないよ(ワカメスレを思い出しつつ)

「………僕たちの技法は、この時代では失われている神秘だ。あなたの常識で測れるものでは無い」

確かに、その通りだ。返す言葉も無い。
つい熱くなってしまった。

「…悪かったわ。あなたの言う通りよ……一仕事終えて、調子に乗っていたみたい」

「あ、いえ。別に僕も怒っているわけじゃ……すみませんでした」

なんだ。素直ないい子じゃないか。
この性格で、名乗りにくい名など……想像もつかない。
ならば――――

「ねえ、ライダー。あなたもしかして、間違った逸話で悪名ばかりが広がった英霊だったりする?」

「……!――概ね、正解です。よくわかりましたね」

「概ね、と言うと?」

「僕は生前から、名のある大悪党だったということです。そう蔑まれる覚悟をした上で、僕は僕の使命を全うした」

誤解から産まれた、大悪党。
罪を被せられた、大英霊。

「わかったわ。そういうことなら大丈夫。だから、改めて訊くけど―――あなたの真名は?」

「……ここまで気付かれては仕方がない。では、答えましょう」

少年が背負っていた槍と盾を取る。
それを自らの脇に置いて、非武装でわたしと目を合わせた。

「僕は、ラムザ。―――異端者、ラムザ・ベオルブです」

「――――――ラムザ・ベオルブ、って―――神代の英霊じゃない!」

それは遥か昔。この世の魔術全てが『魔法』と呼ばれていた時代。
おとぎ話のその中で、騎士王ディリータと袂を分かった親友として登場した人物。
そして、教会に―――ひいては国家に仇成した異端の徒として描かれる悪党。
彼はその生涯で幾重もの戦職を極め、その卓越した技量を悪事にのみ行使したという。
教会に害なすために。国家に背くために。富を得るために。人を殺すために。
万能の才人でありながら、その才覚が世界のために成ることはなかった。

ここまでが伝承で語られるの彼。
ラムザ・ベオルブの人となり。

遠坂邸【書庫】


「しかし―――こうして調べてみると意外なものね。この文面からは、筆者の悪意しか感じられないわ」

彼が仇為したのは教会と国家だけだ。
罪なき民衆にどのような対応をしたか、その辺りの記述が全くと言っていいほど無い。
あるいは、それらしき表記があったとしても触る程度で、これが創作された悪事だというのは一目瞭然だった。

「その有様なので、英霊としての格は期待しないでくださいね?」

「いいえ、そうでもないわ。神代の英霊で、しかも有名。これなら悪役でも十分な霊格よ」

セイバーで現界しなかったところが悔やまれる。
彼なら七つ全てのクラスに適性を持っているだろうに。

「そうですか。それは……よかった、のかな?」

「ええ、十分よ。今日はもう疲れたから寝るわ。寝室の片付け、お願いね」

「はい。わかりました。おやすみなさ――――――え、片付け……?」

原因はわたしのうっかりかもしれないが、壊したのはライダーだ。
責任を追及される前に押し付けてしまおう。

[翌朝] 遠坂邸【リビング】


「……………ぅん……おはようライダー……爽やかな、朝ね………」

「…マスター、酷い顔ですが……朝、弱いんですか?」

激弱だ。寝起きほど隙だらけなタイミングも無い。
この瞬間に奇襲をかけられれば一溜まりもないだろう。
思考する暇もなす、優雅な肉塊の出来上がりである。
そんなことは言わないけど。

「……召喚で……疲れてるだけよ………問題ない、ふぁ~……いや、やっぱ無理。二度寝していいかしら」

「僕にとやかく言う権利は有りませんが………」

非常に眠たい。いつもの事だが、眠れないなら死んでも良いと思うほどに、眠い。
しかし、今日はライダーに冬木の地理を把握して貰わなければならないのだ。
そんなことは言っていられない……。


1、やっぱ無理。寝る
2、出るわよ、ライダー。
3、逆に登校も有りかな?

>>48

1

「やっぱ無理………寝るわ…わたし、実は朝に弱いのよ…」

「それは見ればわかりますけど……じゃあ、僕は霊体化しておきますね。寝室の掃除は一通り済ませましたから」

それは素晴らしい。
このライダーは見た目通り素直ないい子だ。

「ん……ありがと………おやすみ……」

わたしはソファに向かって倒れ込む。
あと二時間。あと二時間だけ寝たら動き出そう。

遠坂邸【リビング】


「――――ター…――――マスター。そろそろ起きませんか?」

「………ぅぅ……るっさいわね……いま何…時……」

1時だった。

わかりやすく言うなら、13時だった。
これはまた、豪快に寝たものである。
しかしそこはわたし、特技はポジティブシンキングだ。
この程度、もともと13時に起きるつもりだったと考えれば―――――

「…ってなるかー!やっちゃたー!」

こうなることは分かりきっていたのに、ついうっかり………。
サーヴァントを召喚して一日目という大切な時間を、あろうことか惰眠で消費してしまった。

「ええ、まあやっちゃいましたね。こんな日もありますよ」

「なんでもっと早く起こしてくれないのよ!?13時って…休日でもなかなか無いわ!」

「召喚でお疲れだと言っていたので、気を使ったつもりですが……余計でしたか?」

あー…そんな事言ったっけ。
これは完全にこちらの落ち度である。
そうそうにこんなザマでは、わたしの立つ瀬がない。

「と、とにかく動くわよ!今日中に地理を把握してもらうんだから!」

「わかりました。そういうのは得意ですから、安心してください」



《ちょっと離脱します》

この開幕うっかりである

ランサーでルドガー(TOX2)ねらおう

再開します
と同時に、ラムザさんのアビリティを安価で決めてしまおう

AA1:ジャンプ
AA2:>>67
RA:>>70
SA:まじゅう語
MA:>>73

ケアル

算術

すまん、人いないと思って近くし過ぎた

AA1:ジャンプ
AA2:白魔法
RA:>>73
SA:まじゅう語
MA:>>76

白刃取り

HP回復移動

死に難さ重視?

AA1:ジャンプ
AA2:白魔法
RA:白刃取り
SA:まじゅう語
MA:HP回復移動

書いてまいる

深山町【遠坂邸前】


「くっ!時間が無い!あまりにも無い!」

今から新都まで見て回るとなると、その間に日が落ちてしまう!
いくら急ごうが人間の足では……

「そういうことなら、宝具を使いますか?魔力もほとんど消費しませんよ」

「そうか!あなたライダーだったわね!」

ライダーは宝具が魅力のクラス。
本人のステータスが低い代わりに、強力な一発逆転の可能性を持つ。
そのため宝具は使いどころが肝心なのだが、どうしよう。

「僕の宝具は使ってこそです。戦闘中は有無を言わさず出しますし、ここでも有効に活用してしまいましょう」


どうする?

1、宝具を使う
2、宝具は使わない

>>84

使う

「ええ、使うわ!もう迷ってる時間さえ惜しいのよ!」

「わかりました。それでは実体化させますね。……急ぎなら、黒がいいかな?」

ライダーはそういうと右手の挙げて、虚空を撫でるように動かした。
そこにはなにも居ない。
居なかったはずだ。
しかし、わたしが瞬きをした一瞬で―――そこには巨大な黒い怪鳥が出現していた。

「これが僕の宝具、『怪鳥三羽・天地走破(チョコボ・ザ・トリニティ)』。言ってしまえば、このチョコボ達もサーヴァントのようなものです」

さあ乗って。と、ライダーはその鳥の上にわたしを押し上げる。

「ちょ、ちょっと!まさか、これで移動する気じゃないでしょうね!そんなことしたら神秘の秘匿が―――」

「大丈夫ですよ。空って、案外死角ですから」

――――――――――空?
たしか、伝承のチョコボって飛ばなかったような―――――――――

などと考えているうちに、わたしの眼下には遠坂邸の屋根が見えていた。

新都【ビル・屋上】


チョコボ。
FF神話に登場する、有名な怪鳥。
基本的には黄色くて、人懐っこいと言われている。

ライダーの宝具はチョコボを呼び出すものだが、そのチョコボ自体が特殊だった。
要するに、ライダーが呼び出せるチョコボは三羽が三羽とも英霊扱いということらしい。
わたしがライダーをサーヴァントとして使役し、維持するのと同様。
ライダーはチョコボ三羽を疑似的なサーヴァントとして常に身近に置いていると言う。
一度に実体化させられるのは一匹まで。これはつまり、遠回しに二体のサーヴァントを使役しているに等しい。

決して燃費は良くないが、わたしなら問題なく維持できる。
そしてネックなのが、チョコボに乗る英霊はFF神話には数多に存在すると言う事。

つまり、宝具の使用で決定的に真名を解明されるという事態が起こりえないのだ。
聖杯戦争のルール上、非常に優秀な宝具。

「……というのは、いいんだけど………いきなり空を飛ぶのは止めてほしかったわ…」

「その、急ぎとおっしゃっていたので……」

「……そういえば、別に敬語じゃなくてもいいわよ?素はそっちじゃ無いんでしょう?」

というより、やり辛い。
まるで、無理矢理敬語で喋らせているような気がする。

「ですがマスター。主従関係である以上、線引きは必要では?」



1、そうね。じゃあそのままでいいわ。(敬語)
2、わたしたちは協力関係よ。(標準)

下一から下三まで多数決

「主従……それもそうなんだけどね。覚えておいて、ライダー。わたしたちは協力関係よ」

「協力……?」

「そう。あなたもこうして召喚された以上、聖杯を求める理由があるんでしょう?この戦争に勝つ必要がある」

ライダーは、わたしの言葉を黙って聞く。
またぞろ拗ねたかとも思ったが、その面持は真剣だった。

「わたしはあなたの手助けをする。その逆も、もちろんしてくれるわよね?だったら、わたし達は対等よ」

敬語を止めさせるためだけに、随分とクサい台詞を言ったものである。
極論、敬語がどうのこうので身が入らないなどというのは言い訳で、心の贅肉だ。
だからこの話を無視されたって、それはそれで構わなかったけど。

「わかった。そういうことなら、僕も変な気遣いはよそう。改めて…よろしく頼むよ、リン」

「ええ。こちらこそよろしく、ライダー」

穂群原学園【弓道場】


「チッ…!遠坂のやつ、何休んでんだよ!」

授業時間中にも関わらず、少年は一人悪態をつく。
無論、弓道場には彼一人だ。

間桐慎二。

彼の顔には、しかし苛立ちとは別の感情が混じっていた。
愉快。
愉快愉快愉快。
今にも暴れ出しそうなほど暴力的な笑み。
今にも高笑いを始めそうなほど、押し殺した笑み。

「まあいいや。わざわざ探してやる必要も無い」

クツクツと、不気味に。
少年は静かに、狂気を滲ませる。

「あいつは、僕を探さざるを得ない。なんたって―――僕にはこいつがいるんだからさぁ!」



慎二の鯖>>107

オルステッド

LIVE A LIVEはわかりません……すまぬorz

なので、ブロントさん…だけど……マジか…

オルステッド調べた。
そして、バーサーカーでいいなら書けそう。

それでもいい?

だってブロントさん、書きづらいったらねーんだもん

無実の罪、狂ってしまいたかった英霊……ぶっちゃけ召喚者桜だし、これくらいでいいとおもうの


じゃあ、また明日

wikiで調べただけのキャラとか書いてほしくねーわ
原作に対するリスペクトもクソもねーじゃん

>>137
仰る通りです
しかし、安価は出来るだけ通したい
こちらも一応真剣に調べるので、勘弁してください

ふむ、これは範囲安価も考えるべきか……しかし、それって甘えじゃ…

バーサーカー。
戦いに狂った戦士。生きることに狂った兵士。
戦うことで彼らは狂い、狂うことで彼らは生きる。
慎二の眼前にいる狂戦士は、かつてその人生を狂わされた勇者。
その憎悪に、抗いきれずに狂った殺戮の狂人。
双眼は暗く、鋭く、慎二を見る。

「はっ!僕に従うのが気にくわないって顔だな!」

しかし、その視線に彼は恐怖を覚えない。
狂っているというのなら、間桐慎二も――――既に狂ってしまっていた。
力を得た。幼いころから望んでいた、魔術師を見返す力。
いまの慎二には、あらゆる皮肉も通じない。

「別に関係ない。お前がどんなに嫌がっても、僕はお前を使う。遠坂や爺に、僕の才能を見せつけてやる!」

「――――――」

バーサーカーは無言のまま、慎二から眼を逸らした。
狂戦士というには、その動作はあまりにも理性的だ。
それは――――彼が生前より既に、狂っていたことの証明か――――

「当面は動かないさ。バーサーカーを扱うとなれば、流石に桜も余裕が無いだろうからね」

それは、少女を気遣っての台詞では無かった。
あくまで勝利のため。栄冠のため。
それまでに魔力の供給が断たれるのは、慎二の望む所では無い。

「まあ、相手から襲って来るなら容赦はしないけど」

顔には、既に張り付いてしまった笑顔。
このサーヴァントを引き連れてから、顔の筋肉がいう事を聞かなかった。
それほどまでに強力で、しかも忠実なしもべ。
例えバーサーカーが不服でも、言うことを聞くなら関係ない。

「よし。もう霊体化してていいよ。学校での戦闘は無いだろうからさ」

「―――――……」

無言。
慎二にはそれが、服従の証としてしか受け取れない。
お互いに表現は違えど、理性のなかで静かに狂う。

新都【ビル・屋上】


「地形については問題ないよ。高低差が激しいけれど、それは黒チョコボを使えば対処できる」

「そう。じゃあ、新都はOKね。次は戻って、深山町の方を見て回るわ」

「うん。そうしよう。―――チョコボは使う?」

「…ここまで来たら使うわよ。便利なのは間違いないし」

ライダーはその言葉を聞いてすぐに黒い怪鳥を呼び出す。
先程のって感じたのは視覚的な恐怖と、それとは別の安心感。
ライダーの騎乗スキルによるものか、チョコボ本来の性能かは判断しかねるが……

「よし。じゃあ乗って」

「はいはい。もうよろしく頼むわ」

「深山町といっても広いけど、どこに向かえばいいんだ?」


1、遠坂邸
2、穂群原学園
3、柳洞寺

>>159

3

柳洞寺【石段下部】


「……ここ、物凄い令脈じゃない」

「え?知らずに連れてきたの?」

知らなかった。
てっきり、管理者である遠坂の土地が最高の令脈だと思っていた。
しかしこれほどまでに立派な令脈、そして高度な結界……気付けなかったのが不思議な程だ。
まさかこんなところで現地調査の詰めの甘さが明らかになるとは。

「……また、例のうっかりか?」

「ち、違うわよ!これはわたしじゃなくてお父様が…」

言うのを忘れていたのだろう。
なんといううっかり。これは呪いの類ではないだろうか。

「とにかく、思わぬ棚から牡丹餅よ!これは調査するしかないわね!」

「いや待ってくれリン。あまり軽率に動くべきじゃないよ。令脈ってことは、先客がいるかもしれない」

「だったら尚更よ。ここにマスターがいるかも知れないなら、調査しない理由はないわ」

…とは言え、あまりにもいきなり過ぎるか?
調査するにしても、もう少し準備をしてきてからでも遅くは無いだろう。


1、今調べる。
2、準備が整ってから。
3、放置でいいや。

>>165

2

「……でもまあ、ライダーのいう事も一理あるわね。一度引き返して、準備をしましょう」

「それがいい。戦闘前の装備確認は重要だ」

「じゃあチョコボを出して」

「…すっかり味をしめたね。あまり黒ばかりだと可哀想だし、黄で地上を行くことになるけど?」

……それは、どうだろう。
白昼堂々幻獣を乗り回すのは、魔術師としてやってはいけないことではないか?

「……仕方ないわね。そういうことなら歩いて行くわよ」

「わかった。でも、無理はしなくていいから」

「わたしを深窓の令嬢か何かと勘違いしてる?これでも人より動ける自身はあるの」

馬鹿にしてもらっては困る。
ライダーはその言葉にうなずくと、そそくさと霊体化した。

《ディスって無いですよ。ただ前も範囲安価使わなかったし、今更どうかと思っただけで》
《範囲安価といっても、私がやる場合はやり易いキャラに逃げるので甘えと言ったのです》
《他スレさんはコンマで決めたりしてるので、それってかなりハードだと思いますし、尊敬してますよ》
《長文失礼》

遠坂邸【工房】


「宝石の準備は出来た……こっちは問題ないわ」

「僕のほうは、元から大丈夫だよ。アビリティもジョブも変更出来ないし、装備も固定だから」

それはちょっと何を言っているのか分からなかったが、大丈夫というなら良いだろう。
もとより、一度も戦闘で疲弊していないサーヴァントが万全でないというのは困るのだ。
だからそれは当然であり、殊更なにかコメントするようなところでもない。
お互いの関係も良好だし、ここは何か話をしておくべきか。

話の内容>>178

age

装備の詳細
fate設定のスキルの確認

「そういえばライダー。チョコボが宝具ってことは、その槍や盾は何なの?」

ライダーだから槍を持っていたらいけないというわけでは無いが、気にかかる。
もし宝具なら、それは嬉しいことだが。

「これはただの槍と盾だよ。ミスリルスピアにミスリルシールド。宝具じゃない」

まあ、それはそうか。
わたしもそこまで期待していたわけでは無い。
ステータスも確認してみると――――


クラス:ライダー
真名:ラムザ・ベオルブ

筋力:C  耐久:C  敏捷:D  魔力:D  幸運:D  宝具:A++


「ライダーだけあって、あまり高くないわね……」

「セイバーやランサーなら、基礎ステータスが高かっただろう。その代り、宝具は大した物じゃなくなるけど」

「スキルの方は……」


・騎乗(A+)
・対魔力(C)
・カリスマ(C)
・軍略(A)
・専科百般(E)
・仕切り直し(D)

「それ単体で生かせそうなスキルは、対魔力と仕切り直しくらいか……」

軍略やカリスマは、活用できる状況が限られてくるし、発動の確証があるスキルでは無い。
騎乗は宝具を使うため常に発動するスキルだし、こんなものか。

「専科百般は、生前の経験と知識が元だ。ジョブチェンジが出来ないから使用は出来ないけど、知識はあるという感じかな」

「そういえば、宝具A++って……チョコボ以外に何かあるのかしら?」

チョコボは確かに優秀な宝具だし、使い勝手もいい。
だが、A++というのは大げさだ。

「そうだね。もう一つの宝具は切り札で、あまり使う気もないから伏せておくけど」

切り札。
そこまで言うからには強力で、かつ燃費のすこぶる悪い宝具なのだろう。
使わないで済むなら、確かにそれが良い。

「じゃあ、早速柳洞寺に向かう?」



1、向かう
2、別の場所

>>193

Ksk

柳洞寺【石段下部】


「さて、行くわよライダー。覚悟はいい?」

「ああ。問題ない。誰が居るか分からないから、一応霊体化はしておくよ」

「そうね。お願い」

それだけ言って、わたしは石段に足を掛ける。
この柳洞寺に張ってある結界のせいで、サーヴァントは正面からしか入れない。
それは霊体であろうと関係なく、必然的にわたしも正面から堂々と立ち入らざるを得なかった。
これを利用されたら厄介だ。誰も拠点にしていないと言うのなら、結界の基点だけでも崩しておきたいが……

境内。
魔力は感じないし、ライダーもサーヴァントの気配は無いという。
どうやら、現在この柳洞寺に魔術師は居ないようだ。

「……それじゃあ、先ずは結界の基点探しでもしましょうか」

「ここには人が大勢いる。あまり怪しまれるような行動をといるべきじゃないとおもうけど…」

しかし、結界は厄介な代物だ。
この寺に修行僧が居る以上わたしが拠点を移すことは難しい。


1、結界の基点を探す
2、このまま引き返す
3、修行僧に話を訊いてみる

安価>>200

1

「やはり結界の基点を探しましょう。出来るだけ人に見つからないように」

「確かに結界は面倒だけど……そこまで警戒することもないんじゃないかな」

と言いつつも、ライダーは従ってくれるみたいだ。

「先ずは裏手に回るわ。確かそこに池があったはず」

知り合いの話で知っているだけなので、見るのは初めてだ。
しかし、相当立派なものだとは聞いている。
もしかしたら、その辺りが重要なポイントかもしれない。


――――――――――――――――――――――――――

「ダメね。見つからないわ」

あれから数時間、柳洞寺の敷地内で行けそうなところは大方見て回ったが収獲はなかった。
こうなると、結界の基点は屋内にあるのだろうか。
どのみちこれ以上は無駄だろう。
もうすぐ日も堕ちるし、ここからは急いで引き払ったほうがよさそうだ。

「帰るわ。付きあわせて悪かったわね」

「いいよ、僕も東洋の文化に触れられて楽しかった。刀は握っていたけれど、建造物を見るのは初めてだったから」

「そう?それなら良かったけど」

わたしたちは石段に向かう。
夜は、戦争の時間だ。
一日目はこんな程度で良いだろう。

穂群原学園【校庭】


ストーブの修理に一段落が着き、校門から一歩踏み出した瞬間――おかしな音が聞こえた。
校庭の方。土を蹴る音、鉄を弾く音――――これは、剣を振るう音?

「―――――……――――!!」

叫び声。
内容は聞き取れなかったが、これは慎二の声だ。
間桐慎二。あいつと俺は長い付き合いになる。
その声が、異常な音に混じって聞こえてきた。

およそ現代の日本とは不釣り合いな剣戟の音色。
まるでこれでは、戦場のようだ。

俺は―――――


1、慎二を助けに行く
2、遠くから様子を伺う

>>208

2

何が起きているかもわからない。
ひょっとすると、慎二が一方的に暴行を加えている可能性だってある。
俺は茂みの影から、校庭の方をゆっくりと覗く。


「……っ!…おい!何やってるんだバーサーカー!そんなやつ、さっさと倒しちゃってよ!」

「―――――……」

『バーサーカー』。そう呼ばれた男は、片手に剣を握っていた。
その動きは、常識の通用する範囲では無い。

「くそ!いきなり強襲とかふざけるなよ!まだ7騎揃ってないんだろう!?」

そう問われて、答えたのは――――


相手鯖>>214

敵鯖決めるか?錆白兵がいいな

「これも主の命。――――拙者にときめいてもらうでござる!」

対する剣士の答えは、剣撃だった。
いや――――あれは、剣と言うには薄すぎる。
まるで強度を感じない。本来なら、あそこまでの動きに付いて来れる刀身では無い。
そもそも、刀身を透かして『向こう側が見える』ものを、どうして剣と呼べようか。
素材は、ガラス?――――違う、アレはもっと脆弱で、薄弱な―――――

「―――――――……」

その剣を振って、剣士はバーサーカーに斬りかかる。
斬れば斬った側が砕け散るのではないかと言うほどの刀を扱っているとは思えないほど素早く、かつ繊細に。
バーサーカーはそれを躱すことを選択する。
防いでいれば、あの刀は砕けていただろう。しかし、それが出来ない理由があった。

「……校庭が…割れ……!」

たった一太刀。それだけで。
校庭は幾百もの島に分断された。

あの太刀を防いでいたら、どうなっていたか。
もちろん、刀身は砕けていただろう。
しかし同時に、防いだその身も無事では済まない。

俺が声を漏らした、その直後。
剣士は、その冷たい視線を俺に向けてた。
目が合う。
背筋が凍り、足は震えて止まらなかった。

「……む。見られているようでござるな。そなたら、如何致す?」

「は、はあ?」

「神秘の秘匿は最重要事項と、主より仰せつかっておる。始末はどちらが行う?」

「何言ってやがる!今は戦闘の最中だろうが!」

しかし、その慎二の怒号とは相反して―――バーサーカーは動かなかった。
俺には、アレがバーサーカーと呼ばれる理由が理解できない。
実に理性的に戦っていたし、現在も冷静この上ない。
バーサーカー…――――狂戦士。
仇名?忌み名?
とても相応しい称号とは思えないが……

「チッ!動けよバーサーカー!お前は最強最悪の魔王だろうが!その本能のままに暴れろよ!」

バーサーカーはその言葉を受けて、憎しみの視線を慎二に向けた。

「っ………な、なんだよ……僕に逆らうのか…!?……自害させることだって出来るんだぞ…!」

その視線に、慎二が後ずさる。
バーサーカーは慎二に従っているわけでは、無い…?

「……では、この場は貴殿らに預けよう。拙者はこれでも多忙の身。後始末はお願い致す」

そういって、剣士がスッと消える。
しかし、俺はそれに驚けない。
人が消えるという怪奇現象も、大地が割けると言う超常現象も、まるで頭に入ってこない。

ただ、剣。ただ、刀。

あの剣士の所有していた刀身の構造が、気になって仕方が無かった。
薄すぎる刃。脆弱過ぎる素材。まるで刀として扱われるつもりのない、それ自体が装飾品のような逸品。
なのにどうして、『あれ』を『剣』だと認識する。
実際にそうして扱われていたから?―――――違う。

もっと根本的な/な的在潜とっも
刀匠の意思が/がみ企の匠刀
あの薄刀には/には刀全のあ――――――――――――――――

「ちくしょう!バーサーカー!覗いてるってやつ、さっさと殺してこい!」

苛立った慎二の声。俺の思考は強制的に中断させられる。
固まった体は自由意志で動かせるところまで回復している。
しかし、あの戦士から逃げ切れるかは疑問だ。

「――――――――――……」

バーサーカーは慎二の命令を受け、ゆらりとその身を動かす。
こんなときには、命令に従って動くのか。
此方を見遣るその瞳は、暗く陰っていて不気味だった。

「……くっ!」

俺は校門に向かって走る。
こちらの居場所が割れている以上、奥まった校舎内に逃げるのは危険だ。
出来るだけ生存率を上げるために、俺は門の柵に手を掛けた。

深山町【路地裏】


「……はぁ…ハァ……くッ……」

あれから数分、俺はひた走った。
追って来る気配は無かったが、それでも恐怖から―――足がなかなか止まらなかった。
体力が付き、足が絡まって。倒れたそこは見知らぬ路地裏。

「っ……な、なんで……」

理不尽に襲われることや、理不尽に巻き込まれることに対しての疑問では無い。

なんで――――あの男の視線は、俺を憎んでいたのだろう。

見た者全てを射殺さんと、鋭くとがる眼光。
あれほどまでに強く、凄惨な憎しみを向けられたのは始めてだ。
それも―――今日会ったばかりの、一度も言葉を交わしたことのない者から。

地面に手をついて、上体を起こす。
そのまま膝を着いて汚れを払い、二本の足で立つ。

「………帰ろう。藤ねえが、待って――――――」

最期まで言えなかった。
俺の喉が、使い物にならなくなったから。

背後には、狂戦士の気配―――重圧―――憎しみ。
俺が少し目線を下げると、自身の首から真赤な刀身が突き出ていた。



《今日はここまで》

ふぇぇ……知らないキャラばっかり上がってくるよぉ……


今日はここまでと言ったな。あれは嘘だ。

???【???】


暗い。
喉を貫かれた痛みは既になくなっていて、有るのは見渡すばかりの闇ばかり。
これが、死後の世界か。と、冷静にそんなことを思う。
喉を一突きにされたのだ。人間が、生きていられるはずもない。

正面が前方なのか上方なのか。今自分がどういう体勢なのかも曖昧な中で、声を聴く。
俺を刺したであろう、魔王の声を。

――――――――【敗者故に、悪となる。】
―――――【お前は、このまま死ねば悪だ。】

悪。俺が?
正義は勝つ、勝てない俺は、正義じゃないと言う事か?

――――――――【ああ。そうだ。】
―――――【悪の定義とは、敗北する事。】
――――――【敗北をもって、物語における悪党の像は形成される。】
――――【時たま、例外的に勝者のまま悪へと堕ちる者もいるが、お前はその例外ではない。】
――――――――――――【敗者よ。】

何故だ。なんで俺が、何も悪いことなんてしていないのに。
正義の味方を、目指していたのに。

――――――【………そうだろう。だが、現実は冷たく、人間は非情だ。】
―――――――【お前はその志が、果たして正しかったと言えるか?】
――――――【誰も傷つけなかったと、誇れるか?】

――――――【その決意に、信念はあったか?】


俺は。俺は。おれは―――――



俺はそれでも―――――正義を貫く。
約束したんだ。
正義の味方に、なるって。

―――――――【……それもまた、いいだろう。】
―――【好きなだけ、その信念無き決意を貫いて見せろ。】
――――――【命は見逃してやる。それでも死んだと言うのなら、お前はそれまでの男だ。】

―――――――――【そして、覚えておくがいい。】





               【誰しもが魔王になりえる事を。『憎しみ』がある限り、 いつの世も。】


深山町【路地裏】


「――――がはッ!ぐうう、うわあああああああ!!」

激痛に眼を覚ます。
慌てて喉に手を当てるが、傷は無い。
しかし、衣服には大量の鮮血がしみ込んでいた。

「………あの……声……は、…」

血を失ったせいか、視界が酷く歪だ。
空に浮かぶ月は幾重にも重なって見えて、輪郭は湾曲していた。
聴覚も、どこかおかしい。
聞こえるのは、一定の機械的な音のみ。
調和の取れている音なのに、連想するのはカオスだった。
募るのは焦燥感と倦怠感。

「……逃げ、ないと…」

俺は立ち上がって、引きずるように動き出す。
何に怯えているのかもわからないまま、何から逃げるのかもわからないまま。


視点選択。


1、凛
2、士郎
3、セイバー

>>287

2

深山町【???】


ここは、どこだ?
俺は、家に向かっているはずだ。
だけど現在地が把握できない。
見知った町のはずなのに、それを正確に把握できない。
方向感覚どころか、バランス感覚まで異常で、足を引きずりながら歩けているのがやっと。

「――――――衛宮くん…?……ちょっと、あなたそれ…!」

誰かが俺に話しかけてくる。
その声さえ、曖昧だった。もしかしたら、勘違いかも知れない。

「ライダー!彼を安全なところまで運ぶわ!チョコボ出して!ここからだと……衛宮邸の方が近い!」

「わかった、そうしよう!早く載せて!黄色チョコボなら、癒しの力も持っている!」

何を言っている?
男と女が、俺の周りで騒ぎ立てているように聞こえるが。
笑いものにでもされているのだろう。敗北者にはお似合いだ。

「さあ!なに突っ立てんのよ!早く来て!あんた死にたいの!?」

「―――――――――遠、坂…?」

腕を引っ張られるのと同時に、俺の意識は断絶した。

衛宮邸【居間】


夢を見た。
哀しい悲しい、勇者の夢。
周囲の身勝手に振り回され、人間に絶望した戦士。
騙されて、裏切られて、図られて――――それでも敗北すら許されなかった。
敗北こそ、悪の条件。
敗者はそれだけで悪となる。
最期の敗北が意味するものとは、つまりそれだ。
人間を捨て、魔王になった。それゆえの、敗北。

その悪は造られたものであり。
その心は狂わされたものである。
彼は確実に、人間だった。

ならば、誰にも敗北せずに魔王と罵られた彼は、真に悪だったのか?

「ああ、起きたのね。良かったわ」

「……遠坂、お前がここまで運んでくれたのか?」

「まあ、そうね。血だらけで倒れそうだったから、どこか怪我でもしているのかと思ったけど……大丈夫みたいね」

俺はもう一度首を擦る。
傷は、やはり無い。
あの痛みが、思い違いだったとは思えない。
―――――――――――――――――――――――【命は見逃してやる。】
つまり、そういう事だ。
手加減されていたのだろう。
あの声の主、バーサーカーは……俺に何を見出して、あんな問答をしたのだろう。

「傷も無いのに血だらけ……まさか貴方、加害者の側じゃないでしょうね」

「違うよ。ただ、説明は出来ない。話したってどうせ、信じて貰えないだろうから」

頭のおかしいやつだと思われるのが関の山だ。
魔術師でもない奴が、いきなりあんな現象を理解できるとは思えない。

「そういえば、慎二のやつ……―――――」

あいつは、魔術師なのか?
あんな超常の中に身を置いて、気圧されながらも対等に口を開くあいつは。

「慎二……?それって、間桐慎二?」

「…ああ、何でもない。気にするな」

遠坂が慎二の名前に突っかかる。
俺が慎二を殴ってこんな返り血を浴びたと思われていないだろうか……。

「――――…慎二……まさか、魔術回路も無いあいつが…?」

遠坂は、何かを呟くとすぐに立ち上がって、にこやかにほほ笑む。

「ごめんなさい衛宮くん。急用を思い出したから、この辺で。お大事にね」

そう言って遠坂は、玄関の方へと早足に移動する。
ここまで運んでもらったお礼ぐらいはしたかったが、急用と言っていた。
引き留めて欲しくは無いだろう。

「ありがとう遠坂。気を付けてな」

「ええ――――肝に銘じておくわ」

そういうと、遠坂は玄関の扉をピシャリと閉じた。
どうやら、急用と言うのは本当らしい。

その数秒後、着替えをしようと脱衣所に向かって移動している最中だった。

家中の電気が落ちる。普段聞かないような音が響いて、俺に異常を知らせてくる。

「結界が―――反応した!?」

親父が張った、敵意に反応する探知用の結界。
なんで―――このタイミングで――――。
この家にはまだ、遠坂が居るのに!

――――――――――――――――――

玄関を壊れるぐらいの勢いで開け放つ。

「遠坂―――――!!」

そこに居たのは遠坂と、黄色い鳥に乗った少年。
そして―――白髪の、剣士。

「……生きてござったか。丁度良い、このサーヴァントと同時に―――拙者にときめいてもらうでござる」

「なんで出で来るのよ衛宮くん!早く戻りなさい!ここは何とかするから!」

なんとか、とは?
地面を切り裂くような剣士相手に、遠坂が何をするというのだ?
ダメだ。それは駄目だ。
ここで、見捨てたら、俺は――――

「ライダー!相手はセイバーよ!ここは勝利を考えず、深追いはしない事!」

「わかった!」

直後、鳥のまたがっていた少年が飛ぶ。
天高く舞い上がって、その槍を剣士に突き立てる。
その一連の動作は、しっかり磨き上げられているのが判るそれだったが―――
白髪の剣士には通用しない。

「全刀流―――『爆縮地』」

台詞と共に、剣士が立つその場所から土の粉塵が舞い上がる。
それを認識した瞬間には、既にもう――――手遅れだった。

「……全力には、ほど遠い。魔力不足は痛い所でござるな」

「……なんで」

何の前触れも、無かった。
足音も、衣擦れの音も、息遣いすら聞こえず、それでも―――剣士は俺の背後に居る。

「さてしかし、どうしたものか。証拠を潰すだけのため、戦意なき者を手に掛けるのは、果たして武士のすることか……」

殺すことに、迷っている……?
それなら、ここで動かない手は無い。
恐怖で動けないなどと、甘えたことは言っていられない。


1、振り向いて反撃する
2、土蔵に逃げる。
3、敷地外に逃げる

>>300

《今日はここまで。嘘では無い》

3

いやあ、最初のスレのエンディング後にワカメスレの存在を知りましてね
作者スレでコテにワカメって使ってしまったもんだから、焦りましたよ

どうだろう、今さらではありますが、コテを乱心院さんに変えましょうかねぇ(マジキチスマイル)

「ッ……!逃げるぞ遠坂!」

「ちょっと!衛宮くん!?」

俺は遠坂の手を引いて、衛宮邸の正門へと駆ける。
なりふり構っては居られない。どこに逃げても同じなら、せめて少しでも拓けた場所に!

「この馬鹿…!――――ライダー!仕方ないわ!来て!」

その呼びかけに応じて、少年が怪鳥に跨る。
白髪の剣士は、それを見ていながら止めようともしない。

「逃走でござるか。武人と高を括っていたが、どうやら見逸れたようでござる」

「生憎と、僕は異端者だ。正々堂々を期待しないでくれ」

俺は正門から出て、道路を下っていたところ。
駆けだした怪鳥はあっという間に俺に追いついて、少年は俺と遠坂を引っ張り上げる。
入れ替わるように、少年はアスファルトの上に立っていた。

「リン、そのまま逃げて!僕が時間を稼ぐ!」

「ちょっとライダー!勝手なことしないで!宝具も無しでセイバーに敵うはずが―――」

「わかってる!足止めに徹して、すぐに追いつくから!」

ライダーと呼ばれている少年は盾と槍を構え、白髪の剣士は正門からゆったりと姿を見せる。
余裕の表れか、表情に変化は無い。
この戦士を下してからでも十分俺達に追いつけると、そういうことか。

「……あーもう!いちいち面倒ね!飛ばすわよ衛宮くん!しっかりつかまってなさい!」

言って、遠坂は鳥の手綱を握る。
加速と共に、少年と剣士の姿は一気に遠ざかった。

深山町【衛宮邸前】


ライダーは剣士を前に、目を瞑り呪文を口遊む。
それは施しの文言。それは湧き上がる生命の泉。

「森羅万象の生命を宿すものたち――――命分かち、共に在らん!『リジェネ』!」

聖なる煌めきがライダーを加護する。
それはかつて、この世の魔術全てが魔法と呼ばれた時代。
神代の技法、白魔法。
時代を超えて伝説となったその魔技は、最早当時の性能を遥かに上回る。

「―――――成程、拙者のような若輩では、そういう加護は受けられぬ」

「それが差になるとは、とても思えない。サムライ……本物を見るのは初めてだ」

ライダーが古い故に神秘の加護を受けていようと、実力差は歴然だ。
セイバークラスの、しかも侍。
この男は、地力で歴史に対抗しうる力を持つ。

「いやいや、謙遜は止めて頂こう。貴殿は腕の立つ戦士でござる。――――いざ―――」

――――参る。と呟いた瞬間、セイバーはアスファルトの大地を砕き、爆音を響かせる。
全刀流、『爆縮地』。
その真髄は、急激に変化する足捌き。
入りは大きく、粉塵を伴う大破壊。筋力に物を言わせた、乱暴な踏込。
対する抜きは、音も無く繊細で丁寧。この矛盾を呑み込める相手は、そうそういるものでは無い。
膨大な圧力を、一瞬で殺す。高層ビルから落下して音も無く着地するようなものだ。
力の使い方を熟知して、相手の常識を揺さぶりにかかる。
あそこまで派手な入りで、抜きが繊細なはずが無いと、その矛盾が隙を作る。

「初の太刀―――居合、『一揆刀銭』!!」

「―――――――っ!」

抜かれた剣が、首を刈らんと刃を見せる。


しかし薄刀は空を切った。同時に、衛宮邸の塀や、ガードレールは見るも無残に断ち切られる。
しかし、ライダーの鮮血が飛び散ることは無かった。
この居合抜きは性質上、急激な上下移動に弱い。
それを知ってか知らずか、ライダーの取った行動は―――跳躍だった。
余りにも非常識で、かつ、有名すぎる行動。
FF神話における槍を携える武芸者、竜騎士の真骨頂。

「―――はあああああ!!」

それは簡潔に、ジャンプと言い伝えられてる。
たった一言、それだけで。その技術を言い表すには十分だった。
ジャンプの特徴は、回避行動がそのまま攻撃に繋がる事。
落下はそのまま、槍の鋭さに磨きをかける。

「この動き、やはり腕が立つ!」

セイバーは後ろに下がった。
抜いた薄刀を構え直し、着地の隙を見定める。

「しかし――――実践で通用する動きではござらん」

着地の瞬間、その刃を振ろうと掲げたそのとき―――違和感に気付く。
ライダーの両腕が、盾と槍が、自由だ。
槍を使って地面を穿ったのならば、それが今もこちらに向けられているのはおかしい。
つまり、着地が狙われるのは百も承知で―――そこも反撃するのが狙いか。
セイバーはそこまで読み、もう一歩後ろへと下がった。

「ならばここは――――趣向を変えて……全刀流、『速遅剣』!」


「刀身が、伸びて――――!」

ライダーはその現象が理解できなかった。
距離を縮められたわけでも、斬撃が飛んだわけでもない。
確実に、彼の手にあるその薄い刀が、その刃渡りを変化させていた。

「くッ……!」

盾を構えるが、間に合わない。
その刃は、ライダーの胸を、心臓を。
慈悲なく真っ直ぐ貫いた。

セイバーが、その腰へと刀を納める。
ライダーの横を通り過ぎて、彼のマスターが逃れた方角へと足を進めた。

「これにて決着でござる。ときめいて頂けたか?」

ライダーには、それに相槌をうつ気力など残されていなかった。


深山町【衛宮邸前】


セイバーが去って数秒後。
少年の身体が小さく蠢く。

「―――――――――――……う、うああ……はぁ、はぁ…」

ライダーは、一命を取り留めていた。
それは開戦前に行った神秘の受託、生命の泉の恩恵。

「リジュネ、使っておいて良かった……首狩りじゃなくて助かったよ…」

即死だったなら、常時回復の魔法など意味を成さなかった。
ここはあの剣士の流儀に感謝する他無いだろう。
ライダーの魔法は、神代の技術。
歴史を重ねて神秘を増した魔法の効果なら、心臓の再生程度は容易い。
しかし、万全にはほど遠いことも事実。
いまセイバーを追っても間に合わないし、例え追いついたところで何が出来るか。

「それでも、行かないと……協力関係は、信頼があってこそだから…」

ライダーは、足を引きずって進む。
歩いていれば、ある程度は力を取り戻すだろう。

「間に合ってくれ………どうか、死なないで…」


遠坂邸【リビング】


「それじゃあ衛宮くん。あなたは魔術師なのね?」

「ああ。と言っても、半人前にすらなれちゃいない」

遠坂に現状を説明する際に、魔術師の事は喋った。
あんな異常を前にして動じなかった遠坂は、魔術師だろうと判断したから。

「そう…そうかぁ……―――…納得が行ったわ。それじゃあ、もう手遅れかもしれないけど…」

遠坂は溜息をついて額を押さえる。
何が手遅れなんだろう。

「起きてから立て続けだったし、気付いてないかもしれないけど……あなた、もうマスターとして選ばれているわ」

遠坂は台詞とともに、俺の左手の甲を指さす。
そこには包帯が巻かれていた。

「その包帯、取って御覧なさい」

「……わかった」

言われた通りに、包帯を解く。
表れたのは――――剣の形をした紋章。


「令呪。―――サーヴァントに対する、絶対命令権。そして―――…聖杯戦争への参加証よ」

「……聖杯、戦争…」

「そう、戦争。七人のマスターと、七騎のサーヴァントの殺し合い」

殺し合い。その言葉が俺の思考を一気に冷やす。
慎二が関わっていることにも、俺が巻き込まれたことにも。
そして――――

「遠坂。……お前はそれに、関わっているのか?」

この問いに、遠坂は行動で返事をする。
見せつけた。右手の甲を、そこに浮かぶ紋章を。

「勿論よ。万能の願望機に興味は無いけど、この戦争は魔術師として、いい箔付けだもの」

箔……?
そんな事のために、殺し合いを…?

「駄目だ!……そんなのは間違ってる!殺し合いなんて…」

「そう思うなら、止めて見なさい。あなたには、その力がある」

俺は、自分の左手を見る。そこに浮かぶ、紅い光を。
戦争を止めるために、戦争に参加する。
本末転倒とはいえ、それしか手がないと言うのなら………


1、参加する
2、参加しない

>>337

1

「だったら俺は、その戦争に参加する。無意味な殺し合いなんて、させてたまるか」

言い切った。
遠坂は呆れたように溜息をついたが、俺はこの言葉を曲げる気など無い。

「………覚悟は…って、訊くまでもないか。――――いいわ。ついてらっしゃい」

そう言って、遠坂は俺を先導する。

「どこに行くんだよ、遠坂」

「地下よ。わたしの工房。感謝なさい?他人の工房を覗く機会なんて、滅多に無いんだから」

「そこで、何を……?」

「英霊の召喚よ。あなたの駒となる、サーヴァントの召喚」

英霊。つまり、あの剣士や、あの勇者のような。
それを、駒として……

「言っておくけど、手伝うのは召喚までよ。そこから先は敵同士、容赦はしないわ」



士郎の鯖>>341

皇国の守護者の新城直衛

くっ……!すまん、すまん……!

下のバッツで良いでしょうか……!

いや、マジですみません。
それにしてもなんだこのFF率。

セイバーは錆だよ?令呪の形は士郎の性質からくるもんなんじゃね?

ということで、バッツのクラス>>357

1、アーチャー
2、ランサー
3、キャスター
4、アサシン

あえての4

まあ、順当にいけば忍者なんだろうが…シーフやモンクの可能性もある。

ということで、ジョブ選択>>368

1、忍者
2、シーフ
3、モンク

モンクwwwwこれはカッコいいバッツさんwwww

今日はここまでー

新城さん知らなかったんですよ……

とりあえず、ノベル系はアウトと認識でいいですか?

>>377
そんなことは無いですが、知らないキャラだと下に…

じゃあ、発行の年代はどれくらいですか?次の参考にしたいので

令呪の形は何のクラスかを表してますよ~
セイバーなら剣アーチャーなら弓みたいな

>>381
年代というより、系統的な偏りがあると思われ

>>382
マジか。士郎は絶対にあれだと思ってたわ

           /      \
              |      \ \ト、
             f|    ヽ   \ Y ',
            |{\ i\  \   ', ! ヘ       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
            |:|__ \_>-ミ、 ト j  }、    |
            | :ゝ、 TTヽY∨ リ リ,   <   カエルのような生物と書いて、蛙類下種(アルガス)………
             |  !|  └'   ', ∨ ノヽ     |   なぜか、妙にスカッとするわね。
.           |   |、     /ュ ∨:{       |
.            |  | \ ̄/_人 辷、      \__________________
             | { r┬┐::::{  廴
                |!  )} j {::::::::} ! {        《バッツの性格はディシディアの20歳児でいいんだよね?》
             ,人_ノリ ナ ゝ:::: ト、ヽゞ

>>415
他にバッツの性格出てる媒体あるっけ?
小説とかあるかもしれんけどそういうのは大抵ゲームとは全く別物になってるからディシディアでいいんじゃない?

>>416
無口を強要されたら余裕で[ピーーー]た

遠坂邸【工房】


「いやいや、まさかアサシンで呼ばれるとは思わなかったな~。あっはっは!」

朗らかな笑い声がわたしの工房に響く。
衛宮くんは無事にサーヴァントを召喚して、その疲労から昏睡している。
ライダーも帰って来ていないし、実質正面のサーヴァントと二人きりの状態だった。

「アサシン?……全然そうは見えないけど…」

「そりゃモンクだからな。アサシンなら忍者かと思ってたけど、こういう事もあるんだな」

アサシンは笑顔のまま腕を組み、大袈裟に何度も頷く。
赤いマントに、青い服。中世の旅人を想起させる出で立ちだ。

「ん?モンクなのにこの服なのか。ああ、オレの象徴がこの服ってことなんだな?」

「わたしに聞かないでくれる?あなたのマスターは、そこで倒れてる男よ」

「え?おお!本当だ!パスが繋がってるのを感じるな!……何で寝てるんだ?」

「召喚の反動でしょうね。応急処置でもしてあげたら?」

出来るかどうかは、知らないけど。
このアサシンは見るからにオツムの弱そうな緩んだ顔なので、わたしはあまり期待していなかった。
最終的に、わたしが治療することになるんだろうと、そんなことを考えたが―――

「そりゃ大変だ!急ぎで癒してやらないとな!」

意外なことにアサシンは、処置することを快諾したのだった。

遠坂邸【リビング】


「バッツ・クラウザー!?あなた今、そう名乗った!?」

「おう。オレはバッツ・クラウザーだ!よろしくな!」

頭が痛い。
救世の大英霊がこんなふわっとした性格で、しかもそれが衛宮くんの元に召喚されるなんて……。
神代の英霊であるというライダーの優位性は、これで脆くも崩れ去ったわけだ。
それどころか、アサシンのほうがより古い。
まさかそこまで上等な英霊を、衛宮くんが触媒もなく呼び出すとは誤算だった。

衛宮くんは、アサシンの治療を受けてから顔色が見る見る良くなった。
チャクラを流し込んで、体内の気の循環を整える技法らしい。

「えっと、確か……モンクって、武道家だったわよね…」

「ああ。徒手で戦う、漢のクラスさ!」

そう言ってアサシンは、拳を虚空に放って見せる。
……なんというか…。
無邪気というか、純粋と言うか……有体に言って、アホっぽい。

「あ、いや、もちろん女が成れないってわけじゃないぞ?そんな差別みたいなことはしない」

「あー、別にそこで顔をしかめたわけじゃなくて……もういいわ、とにかく大変なのよ」

「大変?」

アサシンが興味を持つ。
……せっかくだから、セイバーと戦ってもらおうか。
ライダーは心配だが、チョコボが庭から消えているところを見るに、此方には向かってきているだろう。
パスが繋がっているのは感じるし、消えてはいないはずだ。
ならば問題は、セイバーを追い返したのか、それとも逃がしたのか。
時間を稼ぐ。ライダーはそう言った。
宝具を此方に貸し出していたのだ。勝てとまでは言えない。
だから順当に考えて―――セイバーがここに来るのは確定だろう。
それが、遅いか速いかの違いだけ。


1、アサシンに現状を説明する。
2、アサシンから情報を聞き出す。
3、遠坂邸から移動する。

>>421

1

現状を説明しよう。
ことの発端は、そもそも衛宮くんなのだから。その落とし前をサーヴァントが付けるのは当然。

「いい?良く聞きなさいアサシン。わたしとあなたのマスターは、現在セイバーに狙われているわ」

「セイバーかー、そりゃ大変な相手だな。ただの人だけじゃキツかっただろ?」

「わたしのライダーが応戦して、何とか一時は凌いだのよ。でも、現在進行形で狙われている最中」

「げっ、ホントかよ。……もしかして、そいつはここに向かって来てるのか?」

「そ。――――だから、応戦して欲しいの。ライダーがこの家に辿り着いて二対一になれば、セイバーだって退くでしょう」

てっきり二つ返事で快諾するかと思ったが、アサシンは意外にも腕を組んで考え込む。
馬鹿に見えるが、根っこのところではしっかり考えている……のだろうか。

そして、アサシンが出した答えは――――

「それってさ、令呪でライダーを呼んじゃ駄目なのか?」

「………それは――――」

「だってさ、ライダーが居ればリンもマスターも危険な目に遭わないんだぞ?アサシンのオレ一人ではセイバー相手にどこまで出来るか分からない」

確かにいう事はもっともだ。安全策を取るなら、それが一番いいだろう。
それにアサシンクラスの戦闘能力が基本的に低いのは事実。
いくら大英霊だろうが、セイバーにあっさり破れることもあるかも知れない。

しかし、令呪まで賭けられるかといったら、微妙な線だ。
ライダーがチョコボに乗っているのなら、追いつくまでに長い時間は掛からない。
その上令呪は、たった三回きりの奥の手。そう易々と切るわけには行かない。

ここは――――

1、令呪は使わない。アサシンを説得する。
2、令呪を使ってライダーを呼ぶ。

>>427

1

「令呪は使えないわ。ライダーはチョコボに乗って来る、あなたならその速さくらい知ってるでしょ?」

「チョコボか!そうか、それなら安心だな!わかった、任せとけ!」

アサシンはチョコボという一単語だけであっさりと納得した。
やっぱり、見た目通りのアホかもしれない。

「そうと決まれば遠慮は無しだな!全力でセイバーを迎え撃つ!」

頼もしい限りだが―――この男、徒手空拳である。
バッツ・クラウザーと言えば、ライダーと同じく多芸な戦士だ。
肉弾で戦ったという話も聞かないではないが、剣やナイフの逸話が多い。
武道家で現界した彼がそれらの宝具を持っているとは思えないし、ならば―――
――――あのセイバーと拮抗する方法とは何だ?

「アサシン。あなたの宝具って、どんなものなの?」

「いやいや。それは流石のオレでも言わないよ。馬鹿だと思ってナメてるな~?」

アサシンはそう言ってにやつきながら、玄関の扉を開いた。



《はい、ここまでー。平日は大体こんな量》

>>1に質問
Fate本編の様に安価が史実や神話の人物だった場合でも採用してくれる?

スクエニばっかで錆さんが浮いてるよぉ

>>442
ステとか宝具とか作るのに時間かかるけど、問題ないですよ
もし上出来だった場合は、安心スレで出すかも

深山町【遠坂邸前】


「まだセイバーは来ていないみたいだな。それなら、ちょっとウォームアップでもしようかな」

言った直後、アサシンは屈伸運動を開始する。
武道家のウォームアップでまず最初にやることが屈伸…?
それともただ、思い付きでやってみただけなのだろうか。
……その可能性は高そうだ。

「アサシン。言っておくけど、セイバーは相当の手練れよ。移動法だけでもそれがわかったくらいに―――」

もしくは、無理矢理わからされたのか。
実力の差を実感させて、戦意を喪失させるために。
それをアサシンに伝えておくのは当然だ。わたしの命も掛かっている。
しかし、わたしの解説の冒頭に対してアサシンはこう切り返した。

「別に解説はいいよ。オレはこの眼で見ないと理解できないからさ」

「………」

最悪だった。
人の話を遮るのも、解説を必要としないのもそうだが…―――
何より、こんなサーヴァントに自分の命を預けていると言う状況が。

「さって、準備運動はこの辺でいいだろ!あとはセイバーを待つだけだな!」


それから一分も待たずして、白髪の剣士は表れた。
別段急いだ風も無く、静かな足音と共にゆったりと。
遠坂邸の門の正面でその足を止めた彼は、こう言った。

「……その面持…どうやらライダーは斬り損じたか……綺麗に心の臓を突いたつもりでござるが…はて」

ライダーの心臓が――突かれた?
ならばライダーは、決定的に敗北したと言う事か。
生きながらえてはいるものの、相当の重傷だろう。
果たして、ライダーが追いついたところでこの状況を覆せるか……――
アサシンの双肩に、その全てがかかっている。

「お前がセイバーか!強そうだな!」

「世辞は遠慮願いたい。この貧相な肉体に、強者の風格などあるまいよ」

「いやいや、なんて言うか、こう…雰囲気がさ!」

駄目だ。圧倒的に性格が違いすぎる。
双方ともに独特な自分勝手さを持つため、それが微妙に噛み合ってしまっているではないか。
本来なら視線が合った瞬間に切り結んでもおかしくない状況だというのに、何の話をしているんだこいつら。

「雰囲気……つまり、剣気というものでござるか?…拙者は『刀』故、良くわからぬが」

「そう、拳気だな。闘気とも言う!つまり、オーラが違うんだよ!鋭いチャクラの流れを感じる!」

「鋭いと言うなら、その通りでござる。この未完了形変体刀、『全刀・錆』の名に掛けて、いざ――――」

セイバーが構えを取る。
腰の刀に手を伸ばし、丁寧に、かつ力強く握る。
――――参る――――と、そう言い放つ直前になって、それを遮る声があった。

「おっと。ちょっと待ってくれ。こっちも構えを取るからさ」

………このアサシンは、ひょっとして空気が読めないのだろうか…?


「……よし!いいぞ!いつでも来い!」

アサシンの構えは、足を肩幅に開いた仁王立ちだった。
…改めて解説するまでも無いが、仁王立ちは構えでは無い。
ただ、立っているだけだ。
自信満々の笑みを浮かべて言うアサシンに対して、セイバーは何やら警戒している。
わたしは、唖然とするほか無かった。

セイバーは乱れた構えを整え直し、鈍く光る瞳をアサシンに向ける。
刀を握る腕に力を込め、そして――

「………では改めて…―――――いざ、参」
「でりゃああああああ!!!」

セイバーの攻撃は、言葉と共に遮られた。
言うまでも無く、アサシンが掛け声を待たずに特攻したからだ。
しかも跳び蹴りである。
わたしでさえ、構えを取った武器持ち相手に跳び蹴りを(しかも初手で)選択することが愚策だというのはわかる。
その攻撃は描写するまでも無く、悠然と躱されるが――――

「……なんと、これは突飛な!」

セイバーは、その行為に動転していた。
その顔はあからさまに『こいつ馬鹿なのか?』と言っていたが、しかし――いや、だからこそ、か。
有り得ない選択。起こりえない開幕。
セイバーほどの武人が、いきなり飛び蹴りを仕掛けてくるような相手を想定するものか。
少なくともわたしなら、セイバーを相手取るなら後手に回る。
それが悪手だと分かっていても相手の出方を伺ってしまう。
強いから。怖いから。

対するアサシンは、恐怖を全く感じていない。
自分が斬られるなどとは微塵も思っていない。
アサシンは、言う。

「相手が攻めるつもりなら、自分も攻めにいかないとな!」


着地の衝撃を転がっていなし、そのままセイバーへと向かって行く。
対するセイバーは、まだ刀すら抜いていない。

「てえい!――――はッ!おらぁああ!!」

「―――…!」

立ち上がると同時に放つアッパーカット。これは顎を掠める程度に留まるが、もちろんそこでは終わらない。
開いた手で掌底を作り、鳩尾に向かって振り抜く。そのまま続けて胴を狩るような一蹴。
その連撃はセイバーを吹き飛ばし、その痩身は地面を跳ねる。

「あ、あいつ…どんな戦い方よ…!」

最初の飛び蹴り。一歩間違えば死んでいた。
これが戦略なのか、それともただの直観なのか。
何にせよ、『勇者』という言葉はぴったりだ。
アサシンの選択は、予想もつかない方向から選び出す最善の一手。
その動きに完璧な対処など出来るはずが無い。
常人とは、物を見ている視点が違う。

「だけど、これなら……!」

行けるかもしれない。
無茶苦茶だが、流石は大英霊。アサシンは強い。
これなら、ライダーが来るまでは持つだろう。

「……ライダーの主よ…そう楽観的に考えて貰っては、元最強の名が泣くではあるまいか」

地面に倒れたまま、セイバーが言った。
そして、思い当たる。

セイバーは――――――まだ刀を抜いてすらいない。



《はい、ここまで》

むしろ西尾維新縛りとかでも面白そうだけどなw
作者に凄まじい技量が必要そうだがw

>>469
それなら余裕

西尾作品から一人ずつ出すなら

セイバー:七花
アーチャー:萩原子荻
ランサー:球磨川禊
ライダー:阿良々木暦
キャスター:りすか
バーサーカー:零崎人識
アサシン:空々空

とか?

>>473
ほぼそれ
バサカは真心、キャスターは病院坂(黒)、アーチャーは姫ちゃんとかで妄想してた

アサシンはハサンではなく真庭忍軍のみとか

というか、西尾キャラがマスターの聖杯戦争でもいいかもしれない

子荻ちゃんに兄貴あてがって最終的に自害させたり、戯言遣いにヤリザあてがって最終的に自害させたりしたい

それなら否定姫がアルトリアだな

双識にジャックかフランをあてがいたいな

>>478
オルタ化待ったなし!

>>479
速脱落するじゃねーか!

拙……ヤリザ殿は最強でござるから令呪など効かぬでござる

残念、それはニサシ殿とシエン殿でござる

>>482
ダイレクト宣言時に護封剣の剣士特殊召還しますね

>>486
カモン「ヤリザがやられたようだな…」
ヤイチ「フフフ…所詮奴は我等四天王の中でも最弱…」
ニサシ「護封剣ごときにやられるとは六武衆の面汚しよ…」

ここは間をとって拙…ヤリザ殿を選ぶでござる
サムライ好きのアインツベルンにピッタリでござるよ

なんで遊戯王の話が混ざってるのかと思ったら、エリザを奇跡的にタイプミスしてヤリザになってた
まあこれはこれで

安価は好きなキャラで取るといいさ!クラスも拘らないでくるといいさ!
サウザーとかかなり無理やりだったから!

書いてまいる

セイバーが、ゆらりと立つ。
打撃はしっかりその身に響いているようだが、それを考慮してもなお拭えぬ恐怖。
まるで、自身の身体を人形のように扱う。物のように扱う。
そういえばセイバーは先ほど、こんなことを言っていた。

―――――拙者は『刀』故、――――――
―――――――未完了形変体刀、『全刀・錆』の名に掛けて―――――

わたしはてっきり、それが宝具の名なのかと思っていた。
何分聞いたことのない宝具であり、マイナーな英霊だろうと判断した。
だが、そんな英霊が――――ここまでの迫力を持つものか?
セイバーだと言うだけで、あのライダーを負かすことが出来るものか?

……全刀…錆…―――錆、…侍……―――――――まさか…

「錆……白兵…!」

「――――お見事。拙者の名は、錆白兵でござる」

尾張幕府の時代、ある刀鍛冶が作った十二本の刀を巡って旅をする話がある。
それが実話か創作か諸説あるとはいえ、日本史では必ずと言っていいほど触れられる伝記、刀語。
錆白兵と言えば、そこに登場する最強の敵役だ。
彼が実在の人物であると言うのは有名な話だが、何より有名なのは―――彼と主役が試合う話が欠如していると言う事。
全十一冊に及ぶその刀集めの物語―――その四冊目だけが、未だに見つかっていないのだ。

有名であるにも関わらず、その実力は未知数。
聖杯戦争において、なんと有利な条件だろうか。
知名度によって全力が出せる上に、その剣技は何一つとして伝わっていないのだ。
真名を隠匿する必要が無く、対策を練られる心配も無い。

「……やられたわ…!」

確かに良い手だ。
ある程度の実力が保障されていて、有名なのにその情報は欠片も無い。
性格さえも分からないというのは確かに博打だが、その賭けは召喚者の勝利だろう。
セイバー…錆白兵は、こうして戦場に立っているのだから。


セイバーが改めて柄に手を掛ける。
アサシンとの距離はおよそ10m。普通は刃が届く距離では無い。
しかし相手が構えを取ったということは、その距離が意味を持たないと言う事。

「さあ、ここからが本番だな。リン、退がってていいぞ」

アサシンが構えを取る。
今度は仁王で地では無く、ちゃんとした構えだ。

「……お言葉に甘えて、退かせてもらうわね」

わたしはセイバーから眼を離さないように、ゆっくりと後ろに下がる。
錆白兵の秘剣を見て命を捨てるか、その逆か。選択するなら勿論後者だ。

「アサシン、何度も言うけど時間を稼ぐだけでいいわ。ライダーが来るまで持ちこたえて」

「ああ、わかってる。勢い余って倒しちゃったらごめんな」

……このタイミングで、軽口を叩くのは止めて欲しかった。
その言葉が叶うことは絶対に無いだろう。


遠坂凛は戦場から立ち去った。
セイバーもアサシンも、それを咎めることは無い。
これは一騎打ちでの果し合い。
遠坂凛の存在は、両者にとって無粋以外の何物でもない。

「拙者は錆。錆白兵。未完了形変体刀、『全刀・錆』。いざ―――――」

―――参る――――と、今回は邪魔をされなかった。
抜いた刀を逆手に持ち直して、『爆縮地』でアサシンの懐に潜り込む。

「…お!?――――こんにゃろ!」

突然目下に現れたセイバーに、アサシンは反射で足刀を振る。
考える時間を要さない分、その攻撃は素早い。
低く屈んでいるセイバー。顔の横には防御のつもりか、開いた掌を翳している。
もちろん本来なら足刀はその掌ごと掻っ攫い、その軽い体は吹き飛ばされていただろう。

だが、そうはならなかった。
吹き飛ばされたのは、攻撃を仕掛けたアサシンのほうだ。
両の肩甲骨を地面に付けて、しかしアサシンは現状の理解すらできていない。

「――――え?―――なんで、オレが倒れて…?」

「全刀・錆とは、『棒状のものなら何であれ刀として扱える』才能。貴殿の足刀は、良い切れ味でござったな」

つまりセイバーは、相手の攻撃を自身の道具に差し替えたのだ。
翳した手で足刀を掴む。その瞬間、それは既にセイバーの剣。
あとは簡単だ。ただいつも通り、セイバーは剣を振るっただけ。
アサシンの身体を刀として、アスファルトの大地に叩き付けたと言う――それだけだ。

「全刀流、『刃取り』。―――――拙者が手に取れる物で、拙者を打ち負かすことは出来ぬ」

セイバーは倒れたアサシンに向かって、その薄い刃を向ける。
勝負は着いた。あとは命を、切り裂くだけ――――


「――――焼き尽くせ!『黒鳥の火球群(チョコボール)』!!」

切り裂いたのは命では無く、無数に飛来した火の玉だった。
上空には、鳥に跨る少年の姿。

「―――ライダーでござるか。…拙者もとことん詰めが甘い」

セイバーは全ての火球を切り伏せた後で、大きく後ろに距離を取った。
鳥の上から飛び降りるライダーの姿。
あれがどういう意味を持つのかは、先の戦闘で知っていた。
下がったセイバーと倒れているアサシンの丁度中間に、ライダーは勢いを付けて
着地する。

「状況は分からないが、僕はあなたに敵対する」

「当然でござるな。その男はアサシン、貴殿の主を守ってござった。害意は無かろうよ」

セイバーはいつの間にか、その剣を鞘に納めていた。
二対一と言う状況で、ライダーには宝具も戻った。

「無理をするな、と言うのが拙者の主が降した命故、ここは退かせてもらおうか。勿論、追って来るなら相手致すが」

「………いや、遠慮しよう。僕も休みたい気分だ」

「では、そのように」

セイバーは、踵を返して歩き出す。
その背中が見えなくなるまで、ライダーは槍を降ろさなかった。



《ここまでー》

遠坂邸【リビング】


「ライダー、ご苦労様。よく間に合ってくれたわ」

「…アサシンが居なかったら、君は死んでいたかも知れないんだ。間に合ったとはとても言えない」

「過ぎたことよ。後悔なんて心の贅肉だわ」

ライダーが負い目を感じることなど無い。
敗北は宝具が使えない状況での事。そこから追いつく速度としては、十分速い。
しかも、心臓を穿たれてなお死なずに、どころか傷も残さずにだ。
これが喜ばないでいられるか。

「どういう魔術よ。死んでから生き返るなんて」

「生き返ったわけじゃない。死ぬより早く心臓の傷が癒されただけだ。リジュネといって、自然治癒の魔法なんだけど」

「…ああ、魔法…神代の英霊は何でも有りね」

いくら自然治癒と言っても限度がある。
普通心臓が穿たれたら直らない。その辺りが神話の神話たる所以なのか。

「本来は、ここまで便利な魔法じゃないんだ。歴史を重ねて神秘の格が上がったから、現代に置ける魔法と同列の性能を発揮するという理屈らしい」

「……なるほどね」

神代の時代においては、あらゆる魔術が魔法だった。
時が流れるにつれて――技術が進歩するにつれて、大半の魔法は魔術に堕ちる。
しかしそれでも、彼らの武勇を後閲する者にとって―――それは魔法に他ならない。
その武勇が輝きを失わないように。その冒険譚が色褪せないように。
伝説を生きた彼らの魔法は、紛れもない本物だから。
だから聖杯は押し上げる。
当時魔法だったそれを、今では魔術に成り下がったそれを。
この時代を生きる人々の憧れを元に、神代の魔法を再現する。
魔術を超えたものとして、その『まほう』を、現代における『魔法』に及ぶ神秘へと。


「まあ確かに、神代の英霊が扱う魔法なのに何の変哲もない治癒魔術じゃあ恰好がつかないわよね」

「僕としては、正直持て余しているよ。この調子じゃあ、リレイズだけで十分かも知れない」

「確か……神代の自動蘇生魔法、だったかしら………それ、使えるの?」

ライダーは首を縦に振る。
あ。この戦い、わたしたちの勝利だ。

「でも、リレイズを使ったらマスターが狙われやすくなるっていうのは覚えておいて。魔力供給が無ければ、いくら蘇生しても意味が無い」

「ああ、そうか」

言われてみればその通りだ。
そう簡単には行かないか。

「それに、僕は竜騎士として呼ばれているから魔法は上手く扱えない。あまり魔法に期待されても困るよ」

「それもそうね。騎士として優秀なんだから、高望みはいけないか」


……さて。ここで一度思考を切り替えよう。
衛宮くんはまだ意識を取り戻していないが、アサシンと話をすることはできるだろう。
ライダーと戦略について話し合ってもいい。
時刻は深夜。本音を言うと、さっさと湯あみをして寝たいところだが―――


1、ライダーと会話
2、アサシンと会話
3、もう寝てしまおう

>>530

3

《【速報】凛ちゃんさんが聖杯戦争を嘗めプ》


「あーもう!考えるの疲れた!ライダー、わたしシャワー浴びて寝るから!」

「リン。君、今日の起床は昼の1時なんだけど……」

「いいのよ。今日は十分戦ったわ。二組の真名がわかったし、十分な成果よ!」

ライダーは、顎に手を当てて考える。
数秒固まったのち、彼はあっさりと快諾した。

「疲れてるなら、戦闘の報告は明日にしよう。今はしっかり休むと良い」

「ありがと」

わたしは急ぎ足で浴室へと向かう。

遠坂邸のリビング。
衛宮士郎は眠っている。


1、ある旅人の夢を見た
2、ある勇者の夢を見た
3、子供のころの夢を見た
4、目を覚ました

>>538

3

《聖杯の孔関連。原作通りなのでスキップ》


遠坂邸【リビング】


「…………おは…ぅ……らぃ…だー……」

「起きるたび調子悪すぎじゃない?本当に大丈夫?」

大丈夫よ―――と言おうとしたが、喉から声が出なかった。
朝は大体こんな感じだ。問題ない。

そういえば、衛宮くんはどうなったのだろう。
まだ寝ているのだろうか羨ましい。

アサシンの治療もあったし、そろそろ起きている頃合いだろうか。


1、衛宮くんを見てくる
2、ライダーと会話
3、やっぱ無理。お休み。

>>550

3

「ごめん無理。やっぱ無理。――――おやすみ」

「…………なるべく早めに起こすね」




《今更だが、前のワカメと違って今回はかなり死亡率高い》
《正直、安心スレの乗りだと高頻度で即死するぜ!》

前のワカメよく生きて終われたよね…教会忍び込んだ時とかいつ死ぬか心配でハラハラしたもんだ

真面目に寝よう ライダー強いし、情報隠して終盤まで潜伏するのは悪い手じゃないはずだ

凛ちゃんさん死ぬと、ガメオヴェラ?それとも選択肢からやり直し?それとも別視点で続行?

遠坂邸【寝室】


「―――――ター―――マスター…?もう11時だけど」

「――んぅ…――――――――じゅう…いちじ?」

11時か。それならまだ寝てていいかな。
午前中ならセーフよセーフ。

「アサシンのマスターはとっくに起きて、礼を言って帰っていったけど…」

「―――――ぁあ…そ…―――」

アサシンのマスターが、起きて帰ったのね。
わかったわかった。わかったからもう少し寝かせて。
ふう。この微睡は何物にも代えがたい幸福ねー…―――――

ん?
アサシンのマスター?

「………ねえライダー。そのアサシンのマスターに対して、わたしのことをどう説明したの?」

「……?…もちろん、二度寝中だと伝えたけど」

…………。

「それ、何時くらい?」

「……10時を回ったところ…だったかな」

やらかした。何たる失態……!

「いやあああ!わたしの校内評価が!築き上げたイメージが!」

「うわあ!どうしたんだ!?」

「どうしたもこうしたもないわよ!と言うかむしろどうしてくれるのよ!」

これは、場合によっては終わったかも知れない。
しかも彼がアサシンを引き連れているというのが厄介だ。
何かが最悪の形で絡み合って、衛宮くんの口が通常の三倍ほど軽くなっていそうな予感が!


1、衛宮邸へGO!
2、いや待て、落ち着け遠坂凛…!

>>572

《ここまでー》

1

>>560
最善に見える選択肢が即死だったりすることはよくある。
前はそれを見事に回避していた。

>>561
それは割と妙手だが、それなら別にライダーと会話してても良いじゃん!

>>562
選択肢からやり直しだが、やり直した際の選択肢の内容に変化が出たり出なかったり。

せんせー
仮面ライダーG3みたいな神秘のカケラもなさそうで本人が生きてるキャラもありですか?

>>577
大丈夫だが、G3知らないよ?

そんな気がしてた
逆に仮面ライダーならどの辺りは知ってます?

>>580
あんまり開示するとフェアじゃ無いよね!(ぶっちゃけライダーは殆ど知らん。あのコンマでミラーモンスター来なくて本当によかった)

Extraクラスは呼んでいいですか

>>583
というかそもそもクラスに拘らなくておk
基本は7クラスに多少無理してでも捻じ込むが、どうしても無理ならイレギュラークラス化

衛宮邸【正門】


「開けなさい衛宮くん!開けろっての!」

門を足蹴にしながら、わたしは怒鳴る。
この状況で冷静で居られるはずがなかった。

「リン……これ、やっぱり彼は居ないんじゃ…」

「うっさい!居なきゃ困るのよ!ぐぬぬ、こうなったらライダー!塀を飛び越えて乗り込むわ!」

「なんでそこまで…」

「いいからやる!ジャンプよジャンプ!十八番でしょ!?」

「……やるけどさ…」

ライダーは本当に嫌そうに応じて、わたしを小脇に抱える。
先程からわたしは、とても誰かに見せられるような振る舞いをしていないが、文字通り形振り構っていられないのだ。
衛宮殺すべし、慈悲は無い。

「さあ行くわよ!ライダー!戦争をしましょう!」

「随分と前からだけど、よくわからないテンションになってるよ……?」

それは自分でもわかっている。
だが、それがどうしたと言うのだ。
清楚で優雅な遠坂凛の理想像を高が寝過ごした程度で崩壊させてたまるか。
一時的なキャラ崩壊くらい、やむなしである。

「飛びなさいライダー!わたしの明日を取り戻すのよー!」



――――……十分後。
誰もいない衛宮邸に侵入したわたしは、ある可能性にたどり着く。

「………もしかしてあいつ、学校行ってる?」


穂群原学園【2年C組】


「遅刻とは偉くなったものだね、衛宮」

昼休みを迎えた教室で、慎二が俺に話しかけてきた。
この雰囲気は、苛ついているときのものだ。

「どうした慎二。なにか気に入らないことでもあったのか?」

「その通りだよ、よくわかったな。衛宮にしては上出来だよ」

「具体的に何が気に入らないんだよ。相談くらいなら乗るぞ」

「お前に言ってもどうにもならないのは分かってるけど、あえて言うなら遠坂のことだ」

遠坂?
………ひょっとして、聖杯戦争の事だろうか。
アサシンが、念話を使って話しかけてくる。
この男は、サーヴァントを引き連れていると。

知っている。バーサーカーだ。
俺はあいつに喉を突かれて、それなのにこうして生きている。


1、場所を変えよう
2、遠坂なら家で寝てるぞ

>>598

2

「遠坂なら家で寝てるぞ」

「……は?」

真実だ。ライダーがそう言っていた。
平日の昼間に毛布に包まり熟睡である。しかも二日連続で。
起こすとすこぶる機嫌が悪くなるため、放っておくしかないらしい。

「それ本気で言ってる?」

「本気だ。そして確実だ」

「…………お前、何でそんなこと知ってるわけ?」

あ。しまった。
確かにそれはそうだ。
しかし、遠坂関連の経緯を話すと聖杯戦争の事にも触れねばならない。
適当に誤魔化そうとしたところで、相手は慎二だ。直ぐに見破られるかも知れない。


1、誤魔化す
2、冗談だったということにしておく
3、正直に話す

>>604

「いや、今のは冗談だ。忘れてくれ」

俺は慎二から逃げるように席を立つ。
あまり長話になるとボロが出そうだ。
些細なキーワードから出さえ推論を導き出す慎二相手に、これ以上会話を続けるわけには行かなかった。

「………ふん、下らない冗談だな」

慎二も突っかかって来る気は無いようだ。
俺はそそくさと教室から出る。
場合によっては戦闘も有りうる。アサシンと話をした方がいいだろう。
向かう場所は――――


1、屋上
2、弓道場
3、早退する

>>607

1

穂群原学園【屋上】


「あーあ、やっちゃったなシロウ。あれ、確実に怪しまれてるって」

「やっぱりか……」

聖杯戦争の関係者である事―――俺がそうであるとバレるのは構わないが、遠坂を巻き込むのが忍びなかった。

「遠坂にも迷惑かけるな…」

「ああ、今後の学園生活に関わる大問題だろうな。丸っきり事実無根なのに」

―――事実無根?
いやいや、遠坂は聖杯戦争の関係者じゃないか。
アサシンは何を言っている?

「…?どうした、シロウ。オレ、なにか可笑しなことでも言った?」

「いや、遠坂は魔術師だし、聖杯戦争の関係者だろ?なにが事実無根なんだよ」

するとアサシンは、一瞬唖然として―――その後すぐに、腹を抱えて笑いだした。

「あっはっは!あっはっはははは!!いや~そうかそうか!確かにそういう考え方もあるなぁ!」

意味が分からない。どういう事だ?
そういう考え方?じゃあアサシンは、別の怪しまれ方をしていると思ったのか?

「オレも相当鈍感な方だけど、シロウには適わないかもな~」

とても嫌な予感がするが………しかしその予感の理由が、俺には皆目見当もつかないのだった。

穂群原学園【2年C組】


間桐慎二は苛ついていた。
遠坂の事を、他ならぬあの衛宮が語っていた。
――今もまだ、家で寝ているだと?

「汚いよね。不潔だよ、不潔。遠坂の女は姉妹揃って穢れてる」

霊体化しているバーサーカーにギリギリ聞こえるように調整した静かな声でつぶやく。
まあ、ある意味ではやりやすくなったか。
既に遠坂凛に価値は無い。これなら余計なことを考えずに殺せるだろう。

「僕は寛大だからね……今はまだ、泳がしといてやるよ」

バーサーカーは一度、衛宮士郎を殺している。
その意味が分かるのは、もう少し先になりそうだ。

撒いた種の発芽を心待ちにするように、間桐慎二は歪に笑う。


《今日はここまで》
《明日は来ない可能性が高いです》

《昨日は私用で申し訳ない》
《コニル可愛いよコニル》



深山町【衛宮邸】


非常に不味い状況だ。
衛宮くんが既に学校に行ってしまったのなら、わたしの噂が広まっている可能性は頗る高い。
あの美綴がフォローしてくれるとは思えないし、どちらかと言えば笑ってみている感じだろう。
問題は、その噂がどこまで広がるかだ。
慎二の耳に入るのは仕方ないにしても、そこを経由して桜まで届いたら最悪だ。

「名誉が大切なのはわかるけど、どうせ偽りの姿なんだし諦めたら?素の君も十分魅力的だと思うよ」

「慰めてくれるのは嬉しいけど、そうも言ってられないのよ……」

入学当初から素のわたしで学校生活を送っていたなら問題なかっただろう。
しかし、この時期になって優等生が急変したらそれはおかしい。

「だってそれ、いままで猫被ってましたって言ってるようなものじゃない…」

「……そうなると、なんで猫被ったのかと言う話だが…」

「………家訓が、『遠坂たる者、常に余裕を持って優雅たれ』だからよ…」

「………………」

ライダーが目で『いま凄く余裕なさそうけど』と言っている。
その通りだけど、実際余裕無いのだから……勘弁してほしい。


1、学校に行く
2、家に帰る
3、そういえば教会に行ってないな

>>622

1

「……ウジウジしてられないわ。学校に行きましょう」

「アサシンのマスターを口止めするつもり?」

「そうね。それが第一。あとは、他にマスターになりそうなやつが居るから、ついでにそっちも探るわ」

制服に着替えるために一度帰宅しよう。
宝石も慌てていて持ってきていないし、時間は掛かるが……

「チョコボに乗ればすぐよね」

「……便利に使ってるな…」

などと言いながらちゃんと準備するあたり、良く出来たサーヴァントだ。
わたしは勢いよく黒い怪鳥に跨った。

「OK。出して、ライダー」

「了解」

穂群原学園【屋上】


「はい。ここでいいんだよね」

「そうよ、ごくろうさま。さて、さっさとあのバカ探し出してとっちめるとするか…」

ここは屋上。取りあえず遅刻した旨を職員室まで伝えに行くのはマナーだろう。
だが、一刻もはやく衛宮士郎を叩きのめさなければならない理由もある。

「現時刻は……5限目の始まったところか…」

これなら、奴も教室に居るだろう。
それなら焦ることはない。落ち着いて行動しよう。


1、職員室へ挨拶
2、2年C組へドーン!
3、ライダーと会話

>>626

穂群原学園【職員室】


取りあえずの職員室だった。

「まあ、当然よね……挨拶は欠かせないでしょう」

ライダーは霊体化させ、階段を下りて職員室の前まで移動した。
現在は授業中。
……はたして、誰がこの職員室にいるかが問題だが…

「失礼します」

ノックを3回。扉をスライドさせ、職員室の中を除く。
室内には教師が4人。こんなものだろうと思って、たまたま居合わせた担任教師の席へと向かった。

「こんにちは、葛木先生」

「遠坂か―――遅刻とは、珍しいな」

「ええ、少々込み入った事情がありまして……」

葛木は、わたしの言葉に頷いた。

「構わん。報告は受けた。教室に行っていいぞ」

「……はい。どうもすみません」

わたしは小さく辞儀をして、職員室を後にした。
さて、次は――――


1、大人しく2-Aへ
2、2-Cへドーン!
3、ライダーと会話

>>631

穂群原学園【廊下】


「ライダー。何か感じない?」

小目的の方を先に済ませてしまおう。
桜がマスターならば、霊体化しているサーヴァントの気配を感じるかも知れない。

「…今のところは、何も。竜騎士じゃ霊体化しているサーヴァントは相当近距離でないと分からないから」

「そう。それなら、随時捕捉を試みて。校内にマスターがいる可能性は高くないとは言え、無視できるほど低くないから」

「わかった。気をつけておくよ」


1、大人しく2-Aへ
2、2-Cへドーン!

>>635

2

わたしが2年C組の正面に来たとき、ライダーが呟く。

「待って、リン……その部屋から、サーヴァントの実体化した気配を感じる…!」

「……なんですって…?」

実体化した、サーヴァントだと?
まさか、あのバカが?

「いや…アサシンの可能性は低いと思う。…この、むせ返るような気配は……」

となると、別のサーヴァント。
―――――2年C組で、マスターに成れそうな人物…?

「まさかね……」

魔術回路の無い人間がマスターというのはおかしい。
いくら御三家と言っても、選ばれる基準には満ちていない。
だから、外来のマスターと考えるのが普通だ。

「さて………行くわよライダー。準備はいい?」

わたしは宝石を構えて、教室後方の入り口ににじり寄る。
ライダーが頷くのを見て、扉を大きく開け放った。



「あ?……ああ、遠坂か。遅かったじゃないか。もうこのクラスの『選別作業』は終わったよ」



そこには、ピエロのように笑う間桐慎二。
剣を手にした西洋の剣士。

そして、身体の一か所に風穴を開けた、『人間だったもの』の山。

「さて、遠坂。お前はどっちだろうね。素質有りか、はたまた、そこの山のお仲間か……」

両刃の剣が煌めく。
わたしの喉に、その剣先は向けられた。

「ははははは!殺せ!バーサーカー!」



《ここまで》


この鯖面子で大団円なんて無理やったんや
書いてまいる

(ヌメルゴンが600族ってマジかよ)

ライダーが実体化する。
向けられた剣先を阻む位置に立ち、盾を構えた。

「―――――――……」

バーサーカーが突きを放ち、盾の上から衝撃を浴びせる。
その破壊力は防いだところで掻き消しきることは出来ない。
ライダーはその圧で後ろに跳ばされて、廊下の壁に背中を叩き付けられた。

「……っ!」

「ライダー!!」

「ライダー?ランサーじゃないのか。まあ、関係ないけどね。さっさと殺せよ、バーサーカー」

慎二が歩いて近づいてくる。
笑顔は無い。

「……宝具に対する警戒も無しなんて、素人もいいところね」

「あ?何か言った?」

慎二の足が止まる。
その距離は一mほど。腕を振れば当たる距離だ。
バーサーカーは慎二のすぐ後ろに控えていて、ライダーは壁にもたれ掛ったまま。
ここは―――


1、慎二を殴る
2、慎二を魔術で殴る
3、ライダーの宝具で逃走

>>645

2

「stark―――Gros zwei !!」

魔術による身体強化。
拳に魔力を纏わせて、腰から一気に振り抜く

「冲捶―――!」

「な―――ごぁぁ……!」

その拳は慎二の腹部へと綺麗に叩き込まれ、その体躯を前屈みに傾けた。
垂らした頭、その顎に向かって、アタシは膝を振り抜いた。

「ぎ……!?」

転じて仰向けに倒れる慎二。
バーサーカーは意外にも――それを見ているだけだった。

「ライダー!今よ!」


1、ここで決めるわ!
2、逃げるわ!

>>650

「逃げるわ!急いで!」

「わかった!そうしよう!」

ライダーはすぐに黄色いチョコボに跨って、わたしを引っ掻けるように掴む。
そのまま風にようにその場を走り去った。
階段に差し掛かり、そのまま一気に駆け下りる。

「リン!バーサーカーのマスターは!?」

「気絶させたわ!たぶん死んではいない!問題は、バーサーカーが追ってくるかどうか…!」

「これからどうする!このまま逃げるか、それとも戦うか!」


1、逃げよう
2、戦おう
3、衛宮くんを探そう

>>653

「……戦うわ。このままバーサーカーを放っておくわけには行かない」

「それもそうだ。だけど、具体的にどうする?僕の地力ではバーサーカーに歯が立たない」

「ちょっと待って。いま考えるわ」

戦力の差を、一度整理してみよう。
先ず、こちらの戦力。
ライダーはそのクラスの特性で、基本的なステータスが低い。
その分強力な宝具を持つが、曰く奥の手は魔力の消費が激しいらしい。
チョコボだけでも十分強力だが、そもそもチョコボありきのステータスだ。
二対一でやっとイーブン。その上、相手は狂戦士。
搦め手が通じやすいと言えばそうだが、逆に言えば正面から打ち合うのは困難ということ。
マスターであるわたしは虎の子の宝石を含め、万全の装備だ。

対して、向こう側。バーサーカーの戦力。
この際、気絶している上に魔術回路も無い慎二は計算に入れる必要も無い。
故に、単純にバーサーカーの戦力が基準となるのだが……

「……駄目ね、全く情報が無いわ」

分かっているのは、狂戦士のわりには随分と落ち着いていることと、ライダーを突きで吹き飛ばすほどの腕力程度。
前者については強化のランクが低いと言う推測が立つ。そのためステータスもそこまで上がってはいないだろう。
しかし、それでも、ライダーは力負けしているのだ。
地力が違う。ライダーと同程度、もしくはそれ以上の英霊…?

「………これは、狂戦士で助かったかもしれないわね」

中世の騎士風の装束。
これは、神代の英霊にも共通する。
ライダー、アサシンと来ているのだ。もう一騎くらい増えても可笑しくない。

「どう?何かいい案は思いついた?」

「そうね。じゃあ――――」


1、弓道場で待ち構えましょう
2、窓から奇襲しましょう
3、ここは一端引きましょう

>>656

1
来るのか?

穂群原学園【弓道場】


結局、わたしたちは戦闘をすることにした。
場所の選択には迷ったが、弓道場に決定。
ジャンプを生かすには室内では手狭だが、あまり開けた―――たとえば校庭などでは小細工が仕掛けにくい。
弓道場はその点ではなかなかの選択だと判断し、そこに足を運んだのだが……

「……ここに居たか…」

「と、遠坂?……あれ、お前…学校休んだんじゃ…」

先客が居た。衛宮士郎だ。
アサシンが実体化しているところを見るに、慎二のことは知っているだろう。


1、無言で立ち去る
2、話をする
3、ライダーと相談

>>660


《なかなか次の鯖召喚まで辿りつけないぜ》
《ここまでー》

2

間桐邸【蟲倉】


杖に体重を預けた老人の姿をしたもの。
背は曲がり、皺だらけ。声は枯れて、目は濁っている。
周囲には蟲の群れ。その姿は一般的に想像される昆虫などでは無い。
卑下で、醜悪。見る者を不快にさせる虫の姿を、終に極めたかのような造形。
それが、老人を形作るもの。
老人は―――間桐臓硯は、人から堕ちた蟲だ。

「……カカッ…」

渇いた笑い声が、蟲倉に小さく響く。
蠢く奇蟲の這いまわる異音のなか、それは不思議とよく通った。
『もう一人』にも、その声は届いている。

「呼びかけに答えた―――ということは、従ってくれるのだろうな?」

「……――――――――」



爺の鯖>>666

ロト

突発的にやってみたらどうなるかなー

やっぱりスクエニでした

Ⅲの勇者だと……キャスターに捻じ込むか

「―――――……」

鞭を構えた少年。
これが勇者ロト。この世で最も偉大な、伝説の勇者。

「カカッ……答えぬか。それも良い。問うが、触媒の盾は本物か?」

少年は盾を拾って、頷く。
間違いなく、それは本物の『勇者の盾』だと。

「それにしても……鞭か………キャスタークラスでの召喚は、剣を縛るとでも言うのか?」

少年は答えない。
もともと、口数は少ない方だ。
それに加えてこの状況。彼には、眼前の召喚者が魔王にすら見える。

「これにも無言か。良い良い。どうせ、儂に逆らうことは出来なくなる……」

老人はそういうと、その身を無数の蟲へと分解した。
そうやって、倉を這いずる群れに溶ける。

「―――――?」

勇者の足に集る、蟲。
蟲、蟲、蟲、蟲、蟲の群れ。
群れは瞬く間に少年を覆い尽くした。
こうして光は閉ざされて。
闇に中には、気色の悪い哭き声が渦巻いた。

穂群原学園【弓道場】


「衛宮くん、取りあえず話をしましょう」

「…そうだな。お前がいると心強いよ」

先ずは何の話をしよう


1、二度寝の話
2、慎二の話
3、その他自由

>>679

二度寝の件は取りあえず置いておこう。
今は慎二の話だ。

「間桐くんの現状は把握してるかしら?彼、いつからああなの?」

「昼休みまでは普通だった。五時限目が始まって、教室に戻ったら……くそっ!」

衛宮くんは弓道場の床を殴りつける。
拳が痛むだけで、建設的な行為ではない。

「なんでさ……慎二は、あそこまでする奴じゃなかったのに…!」

「どうかしらね。怪しい所だと思うけど?現にクラスメイトを全員殺してるわけだし」

「………」

黙ってしまった。
慎二のことは庇いたいけど、正論なので言い返せないのだろう。
しかし、黙られるとこまるのはこっちだ。
いまはどんな些細な情報でも欲しい。

「バーサーカーについて、何かわかったことはある?」

「ああ、それならオレ、一つ気付いたんだけどさ」

衛宮くんから返事は帰ってこなかったが、代わりにその従者が答える。
というか、現状ではアサシンのほうがよっぽど冷静で頼りになりそうだ。

「なに?言ってみて」

「あのバーサーカー、命令以外では動かないぞ。例えば、マスターが危険な時でも指示があるまで庇おうとしなかったり」

「…言われてみれば……」

さっき慎二を殴ったときも、バーサーカーは動く気配がなかった。
それは、慎二をマスターとして認めていないのか…それとも、慎二自身が架した枷なのか……。
慎二なら、『勝手に動くな』くらいは命令していそうだ。しかも令呪で。


「あ、もちろん自衛は別だぞ?自分が殴られそうな時は、バーサーカーも反撃してくるさ」

「そりゃそうでしょうね」

令呪の縛りでも、そのくらいの融通は効くか。
普通に考えれば、マスターとして認められていない可能性の方が高そうだけど。

「それに、全然バーサクしてないな。凄く冷静だ。剣捌きも達人並だった」

それは此方も感じていた。
強化のランクが低いのは先ず間違いなさそうだ。

「それで、アサシンはどの程度戦えたのかしら?」

「校舎内ならそこそこ行けたが、ここだとわからないな。あっちは場所を選ばないタイプの剣士だしさ」

「冷静なオールラウンダー……バーサーカーでそれは厄介ね…」

つまり搦め手が通用しにくい。
そしてあの腕力。正面から力でぶつかるのは避けたい。

「あーもう!ムカつく!どうすりゃいいのよ!」

何にせよ、奴らがここにく来るまでになんとかしなければ……



穂群原学園【弓道場】


そして放課後になった。

待ち構えてはいたが、バーサーカーは結局現れないというオチ。
そもそも自発的に行動しないのだから、慎二が気絶した時点でここに来ないのはわかったはずだ。
何と言ううっかり。時間を無駄にした。
結局良い策は思いつかなかったので、助かったと言えば助かったのだが……

「……肩すかしも良い所よね」

「ずっと槍を構えていたから、ちょっと疲れた……」

全員気を張っていたので、精神的に疲労している。
衛宮くんも、拙い魔術で矢を強化していたし。

「……流石に、もう帰らないか?」

「だよな。オレもそう言おうと思ってたんだ」

アサシンは、衛宮くんの提案にあくびをしながら賛成する。

「リン、どうする?」


1、帰る
2、一応学校を調べておく
3、教会に寄る

>>690

>>687
狂化だよな?

>>692 安定の誤字。脳内で処理を……》

「一応学校を調べておくわ。……綺礼にも連絡を入れておかないと…」

学校の電話を使わせてもらおう。
こうなった以上、死体は処理するしかない。

「それなら俺も行くぞ」

「…………」

うわー。
衛宮くんが何かうざいことを言っている。
このまま魔術で眠らせてもいいが、それをするとアサシンが怖い。
何と言ったものか……

台詞自由安価>>696


《ここまでー》

……言っても無駄でしょうね。でも、邪魔だけはしないでね。

《ギル枠は例によって例の如くである。ごめんあそばせ》


「……言っても無駄でしょうね。でも、邪魔だけはしないでね」

「…意外だな。僕は断ると思ってたけど」

「仕方ないじゃない。もう相手にするのが面倒よ……」

ライダーはその言葉に納得したのか、真顔で頷いていた。
衛宮くんを止めるという行為に掛ける労力は計り知れない。
つまり要約すると、どう足掻いても衛宮くんが鬱陶しいことには変わりないので議論するのも馬鹿らしいと言う事だけど。
その辺りを汲んでくれたのだろう。出来るサーヴァントだ。

「わかってる。邪魔はしないさ。気を付ける」

気を付けていようがいまいが、付いてくる時点で邪魔だというのは言わぬが花か。
…言うとまた面倒だろうなぁ……。

「……はあ…じゃあ先ずは職員室に行くわ。監督役に神秘の秘匿を依頼するから」

穂群原学園【職員室】


『言峰だ』

「遠坂凛よ。学校でサーヴァントが暴れたわ。処理をお願い」

『ほう。どの陣営だ?』

「バーサーカーよ。マスターは間桐慎二。……こんな情報を聞いてどうするつもり?」

『場合によっては討伐令を出すことも考えねばならんのでな。――成程、間桐か。把握した』

「よろしく頼むわね。それじゃ――」

『待て、凛。サーヴァントを召喚したならば、一度教会に足を運ぶべきでは無いか?』

「そんなの、形式上のもので誰も全うしてないでしょ?」

『だが、ルールはルールだ。―――どうするのもお前の勝手だが……私には役職上、言伝の義務がある』

「……考えておくわ。それじゃあね」

『健闘を祈る。存分に殺し合え』

わたしは受話器を置く。
言峰綺礼。あの男の声は、いつ聞いても陰鬱な気分になる。
それが、夜の学校と言うシチュエーションなので恐ろしささえ含んでいた。

「遠坂、終わったか?」

「ええ、滞りなく。さっさと2年C組へ行きましょう」

わたし達は職員室の扉を開けて、月明かりに照らされた廊下に出る。

穂群原学園【廊下】


2年C組が視界に入る位置まで来て、わたし達の背筋は凍りついた。
そこにいたのは――――――――未だに気絶している慎二だった。

「……嘘でしょ…?」

まさか、死んでいる……?
いやいやいや。それは流石にないだろう。
わたしもそこまではやらない。

「リン。人は顎を思いっきり膝蹴りされたら結構な確率で死ぬと思うけど」

後ろに居るアサシンや衛宮くんにはアレが見えていない。
そんな中、ライダーが不穏な言葉を呟いた。
そうだろう、普通に考えて顎は急所だ。死ぬ可能性は無いでも無い。
しかも、あのときのわたしは魔術で身体を強化していた。
………ひょっとして不味いだろうか。
わたしのキックが一陣営を落としてしまったのだろうか。

生死の確認がしたい。したいが、生きているならバーサーカーがそこに居る。
相手は慎二。罠とだという可能性は、多分にあるのだ。


1、生死を確かめる
2、見なかったことにする
3、衛宮くんに相談

>>728

ksk

「……衛宮くん。ちょっといいかしら」

「どうした?何かあったか、遠坂」

「………いやその、例えばの話だけど……女子が男子に襲われそうになったとするじゃない?」

「ああ」

「その際に、正当防衛をしたとしましょう。膝蹴りを顎に一発」

「…膝蹴り?……それで?」

「それが見事にクリーンヒットで、相手が気絶したとしましょう」

「………遠坂、何を言ってるんだ?」

「その相手が、三時間余り目を覚まさない。……これって、どうするべきかしら」

「……介抱するべきじゃないか…?……なあ、突然どうしたんだ?」

「…介抱。介抱ね……死体を介抱……ふふふ」

「―――――死体?……遠、坂…まさか…!」

衛宮くんは廊下に飛び出て、一瞬驚いた後―――すぐさま慎二に駆け寄って行った。

「いや殺すつもりは無かったのよ全然!わたしだって身の危険を感じたわけで正当防衛のつもりだったの!それが魔術を行使して肉体強化したら過剰防衛になってしまったと言うだけの話で!だからこの罪はわたしに全責任があると言うわけではなくそもそも元を正せば慎二が」

「落ち着け遠坂!慎二は生きてる!」

――――――――――――――――生きてる?
――――――――あ、そう。

「――――――――……はぁー……」

まあ、全然死んでてもよかったけどねあんな奴。
殺されてしかるべき人間性だし?
別に殺したかもしれないとビビッていたとかは無い。全然無い。
遠坂たるもの、常に余裕を持って――――

「リン……足震えてるし、涙目だけど…口が動いてるだけで、声出てないし」

「…う、うるひゃい!」

別に普段ならどうってことない。本当に。
ただ、今回は殺す覚悟も出来てないまま殺っちゃったかとおもったから……。

………ライダーが気を遣って、わたしをチョコボに座らせた。
落ち着く。
落ち着くが、なんという屈辱。

「さて、冷静に考察してみましょう」

「…………」
「………」
「……………」

「ええい!黙るな!憐れむな労わるなー!」

優しさが痛いというのは、こういうことか。
できれば知りたくなかった。
もう気合いで乗り切ろう。

「ここまで接近してバーサーカーが実体化しないということは、アサシンの仮説は当たりのようね」

バーサーカーは命令以外で動かない。
命令以外の行動で主を守る義理は無いということか。

「念の為に訊くけれど、ライダー。ここにバーサーカーは居る?」

「居るよ。気配を感じる」

「そう。……うー、歯痒いわね。ここに居るのに戦えないなんて」

二対一なら、流石に此方が有利だろう。
しかしバーサーカーはこちらがあんなリアクションをした手前、マスターが殺されることは無いと思っている。
つまり、実体化する理由が無い。

「本当にバーサーカークラスか疑いたくなるんだけど……」

理性的。
あのバーサーカーを語る際に、誰もが共通して述べる単語。
およそ狂戦士には似つかわしくない単語だ。

「……さて、後は…」


1、もう帰る
2、死体の山も調べる
3、慎二に何かする

>>738

2

死体の山も調べておこう。
バーサーカーの剣技、その情報が得られるかも知れない。

「……うっ………」

死体の山というのは、初めて見る。
正確には二度目だが、あのときはあまりにもショッキングで状況を呑み込めていなかった。
冷静になってみると、なんとも言えない。
人間の形をしているのに、人間では有り得ない脱力感。
死後硬直も解けているのか、密着して重なり合う亡骸達。
憐れみより先に、嫌悪が湧く。
悲しみより先に、恐怖を覚える。
そういう類の光景で、そういう類の異臭だった。
この中で笑っていた慎二は、もう既に狂っている。

「気分が悪いなら、外で待っててくれ。調査なら僕がやっておくから」

「………いいえ、大丈夫。わたしも、調べるわ」

ライダーがわたしの背中を擦る。
そこから得られる安心感で、少しだけ…ほんの少しだけ楽になった。

「……衛宮くん…よく平気で居られるわね……」

ライダーやアサシンが平気なのはわかる。
彼らはこういう光景を何度も目にしてきたのだろう。
だから、ちゃんと悲しむことが出来るし、憐れむことが出来る。
しかし何故、衛宮士郎に同じことが出来るのか。

「………平気じゃないさ。…そう見えると言うなら、俺がこの光景に慣れてるっていうのが大きい」

慣れてる?
一介の高校生が、死体の山に慣れているだと?
それは――どういう―――――

「俺は、あの大災害の被害者だから」

「…………ごめんなさい。嫌なこと思い出させて…」

「大丈夫だ。……ここ最近は、毎日のように夢で見てる」

この話は一度切り上げて、死体の調査をすることにした。
こんな場所に長居したくないというのは、全員共通の意見だ。

「刺し傷……喉や心臓、全て急所を一突きだ」

「…一撃必殺の突き。それがバーサーカーのスタイル?」

わたしはアサシンに問う。
この中でバーサーカーとまともに打ち合ったのはアサシンだけだ。

「いや、そんなことはないぞ。フェイント使ってきたし、場合によっては蹴りだって」

「そうよね……あの装備で突き専門な訳ないか…」

バーサーカーの得物は、手ごろな両刃の両手剣。
突き主体の剣技とは相性が悪いとまでは言わないまでも、あまりに無駄が多すぎる。
あれはどんな振り方でも生かせるような剣だ。
バーサーカーの剣術も、そのままオールマイティなものと見ていいだろう。

「つまり……必ず初手は突きってことかしら」

「いや、違うな。オレの時はいきなり下から切り上げられた」

「………まさか、一撃で決められる相手には突きを出すの?」

だとしたら、ライダーが相当甘く見られていたということになるが。

「僕は盾を構えてて、その上から突かれた。だからそれも多分間違いだと思う」

「…………むぅ……」

参ったな。
ここまで法則性があるのに、その意味が全く分からないとは。
何か一つ、情報が足りていないような気がする。
もう一つ―――それさえあれば、何か見えてくるかも知れないけど……。

「そういえば、俺のときも後ろから喉を一突きだったな」



ん?
こいつ、いま何て言った?


《ここまでー》

《大将もバーサーカーな感じ》


穂群原学園【2年C組】


衛宮くんの話を要約すると、どうやら彼はバーサーカーに一度殺されたらしい。
……というか要約しなくても、全てを語っても得られる情報はこの程度だった。
しかし、その一つが大きい。大きすぎる。
なぜここまで黙っていられたのか逆に問いたいくらいだ(アサシンさえ初耳だった)。

「喉を後ろから一突き。それで大量の血を流して、目が覚めたときには傷がなくなっていた」

どうやらそれは、昨日の夜の事を言っているらしい。
バーサーカーに襲われて、死んで、生き返って、歩いていたらわたしと遭遇した。

「それって、本当に刺されたのか?」

アサシンが言う。もっともな疑問だ。
現在生命活動を行っている衛宮くんが『自分は死んだ』などと言っても、それは冗談にしか聞こえない。
しかも、状況的に最悪な部類の冗談。

「本当だ。刺された痛みは目覚めた後も残っていたし、バーサーカーも命は見逃してやると言っていた」

「……言っていた?…バーサーカーが…?」

「…?…何かおかしなところでもあったか?」

「衛宮くん。バーサーカークラスはね、言語能力を失っているのよ」

つまり、言葉を紡ぐはずが無い。
縦しんば喋ったとしても、それは意味が通じるものでは無いはずだ。
意思の疎通が困難であること。故に、制御が困難であること。
それが能力値の高さに相反して召喚を避けられる理由の一つ。あとは燃費の悪さくらいか。

「つまり、これでその死があなたの妄想である可能性は大いに高まったってわけね」

「ちょっと待ってくれ!俺があいつと会話したのは、夢の中―――死後の世界みたいな場所なんだ!」

「死後の世界ぃ?」

何を言っているんだこの馬鹿は。
そこまでして人の意見を取り入れたくないのか。

「可能性があるとしたら、何らかの魔術か…あとは宝具ね。そのうちの前者は問題外。バーサーカークラスに魔術なんて扱えないし」

「じゃあ……宝具は?」

「あのいかにも剣士然とした身形よ?しかもバーサーカー。宝具が幻惑系だと思うのかしら?」

「……そう、なのか…」


「さて……得るものはあったけど、いまいち繋がらないわね。間桐くんが起きても面倒だしそろそろ引きあげましょうか」

「バーサーカーのマスターは調べなくてもいいの?」

正直、ちょっと疲れているのだが。
死体の山を見たので、精神的にもかなり来ている。

「そうね――――」


1、もう帰る
2、慎二を調べる
3、教会に寄ってみる

>>752

2

「間桐くんを調べてみましょうか……」

これは確かに、今しか出来ない事だ。
わたしは慎二の方へと足を向けて、その間近でしゃがむ。

「さて、どこから――――」




「―――――遠坂!!危ない!」




突如、衛宮くんが叫んだ。
正面には、バーサーカーが実体化している。
剣は構えていない。そう、バーサーカーは剣を構えていないのだ。

それなのに、わたしの胸部からは血が噴き出ている。

首を回して後ろを見ると、衛宮くんが剣の柄を握り締めていて。
それを、わたしの背中に突き刺していた。
アサシンもライダーも、唖然としている。なにが起きたのか理解できていない。
それはわたしだってそうだ。
慎二は相も変わらず気絶しているのに、バーサーカーが実体化していて。
実体化しているのに、バーサーカーは動く気がなくて。
衛宮士郎は、バーサーカーではなく遠坂凛を突き刺している。


「……あ、れ?…バーサーカーじゃ、ない…?…―――――遠、坂…?」

衛宮士郎が何かを呟くが、もうわたしには聞こえなかった。
力が抜けて、正面から崩れ落ちる。



「こんなつもりじゃ……!お、俺は確かに、バーサーカーを……!」





                                    【ようこそ。此方側へ】


               DEAD END

《初のDEAD ENDへようこそ》
《そりゃバーサーカーの前であれだけ考察を披露した後だしね。消したくもなるよね》
《あと、士郎と共にバーサーカーと戦うのはかなりリスキー》

《以上を踏まえて、どこからやり直します?》
《安価で指定してもいいし、ニュアンスでもいい。伝わればそれでいい》

>>760

《あー、鯖の安価は覆らないのです》
《安価なら↓》

>>736
から


「念の為に訊くけれど、ライダー。ここにバーサーカーは居る?」

「居るよ。気配を感じる」

「そう。……うー、歯痒いわね。ここに居るのに戦えないなんて」

二対一なら、流石に此方が有利だろう。
しかしバーサーカーはこちらがあんなリアクションをした手前、マスターが殺されることは無いと思っている。
つまり、実体化する理由が無い。

「本当にバーサーカークラスか疑いたくなるんだけど……」

理性的。
あのバーサーカーを語る際に、誰もが共通して述べる単語。
およそ狂戦士には似つかわしくない単語だ。

「……さて、後は…」


1、もう帰る
2、死体の山も調べる
3、慎二に何かする

>>764

「バーサーカーが居るなら、ここは大人しく帰りましょう」

無理をする必要は無い。
現場の調査はしたかったが、しかし背に腹は代えられない。
命あっての物種だ。

「そう。リンがそう言うなら従おう」

「衛宮くんは?」

「……中の奴らは、どうなるんだ?」

死体の事だろうか。
その言い方では伝わりづらいが、しかしそれも憐れみの一種だろうから訂正しろとは言えない。

「手順に則って埋葬されるわ。……監督役は、一応聖職者だから安心なさい」

あいつの人格を知っていたら絶対に安心など出来ないのだが、まあ嘘は言っていない。
衛宮くんも満足とはいかないまでも、文句はないようだ。

「……それなら、俺も帰るよ」

「それがいいわ。あなたにも命を捨てたくないという感性はあるのね」

「馬鹿にするな。ほら行くぞ。送って行くから」

「…は?こっちにはライダーがいるのよ?必要ないわ」

「そうは言っても、夜中に女子が一人で歩くのは感心しないぞ」

だから一人ではないと言っている。
どういう基準で台詞を組み立てているのだろうか。


台詞自由安価>>769

仕方ないわね

「……仕方ないわね」

もう勝手にしたらいい。
相手にするのが面倒だ。

「はいはい、じゃあお願いするからよろしくね衛宮くん。何かあったらライダーより活躍してよね」

「ああ、任せろ」

安請け合いしやがった。
なんだこの高校生。なにも考えてないのか?

一抹の不安を覚えながらも、わたし達は帰路に付くのだった。

深山町【道路】


「――――――――こんばんは。お兄ちゃん」

そして不安は現実となる。
夜の闇に不釣り合いな少女が、わたし達の前に立ちふさがった。

「わたしはイリヤ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」

「……っ!…アインツ、ベルン…!」

ここでか。このタイミングでアインツベルンか。
今日は装備は万全とは言え、それなりに披露している。
本調子でないのに、アインツベルンのサーヴァントと戦わされるか。
…しかし、『お兄ちゃん』…?

「…まさか衛宮くん……アインツベルンに知り合いが…?」

「待て、俺はこんな女の子知らないぞ!お前は、誰だ…?」

少女は溜息を吐く。
しかしすぐに元の朗らかな笑顔に戻って――

「自己紹介はしたよ?わたしはイリヤ。お兄ちゃんを――殺しに来たの」

少女――イリヤスフィールは腕を翳す。
そして、言い放った。


「やっちゃえ、>>781!」

イリヤの鯖>>781


《ここまでー》

エステル・ブライト(英雄伝説)

念願の女鯖が、なぜかイリヤに宛がわれた。
爺で女鯖来る予定だったのに、おかしいなー

把握した

「やっちゃえ、ランサー!」

「任せなさい!」

溌剌とした声と共に現れたのは、女の子だった。
暖色系の衣装、明るい笑顔も相まって、元気が人の形をしているようだ。

「最初から飛ばして行くわよー!『固有時操作・秒針加速(クロックアップ)』!」

詠唱とさえ認識できないほど簡素な言葉とともに、ランサーの頭上に時計の紋章が浮かび上がる。
紋章の針が回転し、その速度は徐々に速まって行く。

「ライダー!」

「大丈夫、行ける!」

ライダーはわたしが声をかけるより早くに実体化して、槍と盾を構えていた。
アサシンも呼ばれるまでも無くそこに居て、拳を大きく構えている。

「展開が速いなー。こんなに連チャンで戦闘が続くとは思ってなかったぞ、オレ」

間の抜けた声色だったが、しかしアサシンの表情は真剣だった。
真剣に構えて、真剣に笑っている。
戦闘を楽しみにしているみたいに。

「ふっふーん♪速いのは展開だけじゃなかったりするのよねっ!」

しかし、その笑顔は相手も同じだ。
ランサーは姿を現してからここまで、一貫して勝気な笑顔だった。
この二人、何か通じるものでもあるのだろうか。何となくわかるけど。

「あたしの準備は終わってるわ!どっからでも掛かってきなさい!」

「よーし、いい度胸だ!オレの拳はかなり痛いから、覚悟しろよ~?」

「え?あんた無手なの?へー、凄いわね。まあ何にせよ、そんな事言ってられるのも今の内よ!」

言わんこっちゃない。
二人だけの会話が始まってしまった。
ライダーもイリヤスフィールも、微妙な顔で成り行きを見守っている。

「……リン。今回はアサシンがやる気みたいだし、僕はサポートに回ろうと思う」

ライダーからの提案。と言うより、それは希望か?
ここは――――


1、それでOK。
2、どうせなら二騎で一気に攻めなさいよ。
3、これもうわたし達は帰ってもいいんじゃない?

>>814

1

「いいわ。そうしましょう。無理はせず、アサシンをサポートして頂戴」

「うん。ありがとう、リン」

辞儀をすると、ライダーはすぐにアサシンへと向き直った。

「たゆとう光よ、見えざる鎧となりて、小さき命を守れ…―――『プロテス』!」

魔法の詠唱。アサシンに収束するのは、年代を重ねて神秘を増した光の鎧。
アサシンにもなじみの深いこの魔術の系統は、『白魔法』。
竜騎士は本来、魔法を苦手とするのだが―――それでも十分に鎧としての効果を成す。
これが、昇華された神代の技法。
白とは純潔、白とは癒し。ときに盾となり人々を守り、ときに閃光となり罪を裁く。

「プロテスか!ありがとな、ライダー!」

「傷付いたら僕が癒すよ。……ジョブが竜騎士だから、過度な期待は困るけど」

「十分十分!よしランサー!こっちも準備万端だ!お言葉に甘えて、オレから行くぞ!」

「どんと来い!返り討ちにしてあげるわ!」

その言葉を聞いて、アサシンは腰を落とす。
屈んだ姿勢は、その健脚に力を留め、体重をまえに戻すと同時に爆発する。
―――――――…あれは、まさか…

「見様見真似!全刀流、『爆縮地』ぃ!」

言うが速いか。アサシンが立っていた場所のアスファルトが粉塵と共に四散する。
見様見真似で、あの卓越した技法をやってのけたというのか――!?
……などと、一瞬でも思ってしまった自分が恥ずかしい。
『入り』が成功したところで、『抜き』が上手く行くとは限らないのだ。

アサシンは見事にブレーキを失敗してランサーを大きく通り過ぎると、正面の民家の外壁へと盛大に激突した。

「……痛てて………やっぱ無理か。プロテスが無かったらヤバかったかもな!はははは!」

「ヤバかったかもな、じゃないわよ!あんた何やってんの!?馬鹿!?」

ランサーの台詞はもっともである。
もう断定しよう。こいつは本格的に馬鹿だ。
民家の外壁程度が英霊の激突に耐えられるはずも無く、それは音を音を立てて瓦解する。
その中から、アサシンは平気な顔をして立ち上がった。

「いやいや、いつものオレなら出来ていたかも知れないからな。まあ、ものは試しさ!やってみなくちゃわからないだろ?」

どんな自信だ。しかも根拠が無いし。
アサシンは冷静に衣服の埃を払って、もう一度構え直す。

「うん。今の無し!仕切り直しな!」

もう言葉が見当たらないのだが。
わたしはライダーの方をちらりと見遣る。

「………」

唖然として突っ立っていた。
槍も盾も降ろしてしまっている。
それを責めるつもりには、なれそうもない。

ものはついでということで、衛宮くんの方も見て見ると……

「………」

彼はイリヤスフィールを―――幼女を真剣な眼差しで注視していた。
……おそらく、お兄ちゃんとか殺しに来たとか、そういう言葉の意味を考えているのだろう。
きっとそうに違いない。




《ここまでー》

アサシンは考える。
正面の少女、ランサーとの戦闘を控えて、するべきことを考える。
ランサーの武器は槍兵のクラスでありながら棍である。
見の丈よりも長い棒を武器として扱うには、筋力以上に技量が必要だ。
突きや薙ぎは当然として、そこからさらに発展した技―――武器を道具として扱う臨機応変さが求められる。
棍を地に突いて足場にしたり、梃として自身を弾いたり、選択出来る行動のレパートリーが他の武器に比べて圧倒的に多い。
しかしそれは、裏を返せば武器として中途半端だと言う事。
卓越した技量が無いなら槍や薙刀よりも格段に劣る。それ故に、極めた者はそう多くない。

しかし、相手は英霊だ。しかも、ランサーとして呼ばれている。
それが槍では無く棍を所有している理由は、すなわちそういうことだ。

「お前、相当出来るな?ははっ!モンクの血が騒ぐ!!」

アサシンは拳を堅く握る。
戦い方は決まった。後はそれを実行するだけだ。


対してランサー。
彼女はアサシンの挙動を観察していた。
世界にはあらゆる戦種があり、あらゆる武器がある。
時代によってそれは様々で、ときに剣、ときに槍、ときに銃器。
しかしその中でも、徒手空拳を己が武器とする者は少なくない。
理由は分かる。その身一つで強くなろうというその気持ちも、理解できなくはない。
しかし、英霊と呼ばれるほどの領域にまで至れる拳士というのは、根本的に何かがおかしいのではないか。
武器とは人類の知恵であり、武器を持たない獣に打ち勝つ唯一の手段だ。
その武器本来の意味を、拳士は否定している。

拳一つで、武装した英霊と同格。
人類の最大の長所を放棄し、獣に合わせたその愚か。
しかし故に、それは最も鋭い武器となる。
アサシンの武器は、英霊であるその身そのものなのだから。

「なんでもいいけど、今度こそふざけるんじゃないわよ?」

これは戦闘のし甲斐が有りそうだ。
快活な笑みに鋭さを込める。
相手は無手。されど手加減はしない。
相手は無手。だから油断は出来ない。


戦闘の火蓋を切ったのは、先ほどの宣言通りアサシンだった。
今度は普通に、あくまで普通に距離を詰める。
それは人間から見れば、認識できないほど―――英霊から見ても速いと言える高速。
一歩でランサーの懐に入って、脇腹を薙ぐようにフックを放つ。

「―――危なっ!」

しかしランサーはそれを躱す。
事前準備の段階で加速した肉体は、アサシンの行動をなんとか見切った。
なんとか、だ。
加速してようやく、なんとか。もし基本の状態だったなら、その拳はランサーを打撃していただろう。
アサシンの速さは、直線的な速さ。
故に純粋な反応速度が物を言う。
小細工抜きの正々堂々で攻めてくるアサシンには、策を弄する意味など無い。

「躱したか!やっぱやるな!完全に殺気は消したんだけどな!」

「なるほど殺気ね。それで反応し辛かったわけだわ」

流石にこれは強がりだったが、しかしそこまで対応が難しいと言うわけでもない。
初手の一撃ならまだしも、ランサーに対して直線的な攻撃は基本的に通用しないのだ。

その手には棍。技量の髄を極めた、縦横無尽な戦闘技能。
それにどうして、真っ直ぐなだけの拳が通用しようか。


《ここまでー》

アサシンは続けて拳を向ける。
躱されたとは言っても、それは少し後ろに下がられただけ。
先程使ったのとは逆の手を、真っ直ぐ伸ばして正拳突きを放った。
バックステップ直後にもう一度下がろうとした場合、どうしても停滞の時間が出来る。
その隙を付いた攻撃は、偶然にも理にかなったものであったが――

「―――よっ!」

ランサーはその隙を、前に出ることで無効化した。
突き出された拳に対して、後ろに下がるのと前に出るのでは起きる効果が全く異なる。
具体的に言えば、相手の拳の体感速度が変わる。
後ろに下がれば相手の拳は遅くなるし、前に出れば加速する。
速くなった拳は、その分回避も難しくダメージも大きいが―――しかし、相手の狙った最高の打点には入らない。
正拳突きの特性上、逃げる敵を追うようにしてインパクトの瞬間を遅らせることは可能でも、加速してきた相手に合わせて打点を速めることは出来ない。
結果、半分以上も威力を殺されたアサシンの拳は――彼女の得物に阻まれる。

「―――――――おいおい、嘘だろ…?」

「なめんじゃないわよ!」

ランサーは拳を基点として棒を回転させる。
地面と平行に旋回するそれは、勢いよくアサシンの首を薙ぐ。


アサシンの足が地面から離れ、その身は横にふわりと上がる。
その隙を見逃すランサーでは無い。
回した得物を引いて腰に構え、放つのは突き。
加速した肉体から繰り出される一撃が、アサシンの腹部を叩く。

「う…ぐェ…」

衝撃が体中に留まったのか、派手に吹き飛ぶようなことは無い。
代りにアサシンは停滞し――――そこには殴打の雨が降り注ぐ。

肩への一突き。アサシンの身体は半身に傾く。
上方向からの振り下ろし。傾いた身体がうつ伏せに地を這う。
掃くような下段払い。身体が掬い上げられて、今度は仰向けになった。
続いて、棒を真っ直ぐに顔へと。

「止め―――!」

「……見切った!」

――――そこまでやられてなお、アサシンは戦意を失っていない。
頭を横にずらすことで、その一撃は当たらない。

「最後の突き、溜めを作ったのがまずかったな!オレはまだ諦めちゃいないぞ!」

アサシンは逆立ちをするように蹴りを出す。
それは簡単に躱されたが、しかしそれで流れは切られた。
眼前の拳士は――――傷ついてなお、気丈に立つ。


《ちょっと遅くなった。ここまで》

《自演乙でござる。バング殿のイカすAAもっと増えて欲しいでござる》



「……やるじゃないの」

「プロテスが効いてるからな。打撃だけじゃ、そこまでのダメージは通らないぞ」

もうこれで何度目だろうか。
お互いに正面を向いて構え直すのは。
いつまでも続くかと思われた状況に変化をもたらしたのは、幼い少女の声だった。

「ランサー、もういいわ。今日は帰りましょう」

「え?……イリヤ、それでいいの?」

「いい。もう疲れちゃったし、なんかつまんないし」

まるで子供の我儘だ。
いや、それは子供なのだから当たり前か。
しかしその我儘はありがたい。
この戦い、わたし達には戦う理由が無いのだから、敵が退いてくれるならばそれに越したことはないだろう。

「ほら、逃げなさい。見逃してあげる」

「……それじゃあ、お言葉に甘えて。…行くわよ、衛宮くん」

わたしは隣で惚けていた同級生の手を引く。
そうされるまで気付かなかったのか、衛宮くんの反応は鈍い。
ライダーはわたしの横を付いて歩いく。
アサシンは後ろ向きに歩くことで、最後までランサーを警戒していた。

「見てるだけなんて、かっこわるいね、シロウ」

去り際に放ったイリヤスフィールの一言が、衛宮くんの脈を速めたのがわかった。
なにをそこまで気にしている?
まさか、あの少女の言葉を全て鵜呑みにしたのか?

それとも―――――思い当たる節でもあるのか。

間桐邸【リビング】


「くそっ……!くそッ…!」

間桐慎二は悪態を付く。
連戦、そして敗北。
それはサーヴァントの力の差では無く、自身の敗北だった。

「バーサーカーァ…!お前がもっと臨機応変に動いてればあいつらは仕留められたんだ…!」

とかく無茶な言いがかりを付けたがる間桐慎二ではあるが、今回に関しては間違っていない。
あの時点でバーサーカーが動いていたなら、遠坂凛は死んでいただろう。
それをしなかった理由は、果たしてあるのか。
有ったところで、しかしそれは間桐慎二にとってなんの意味も持たない。
自分自身の敗北は、彼の精神から均衡を奪い去っていた。
傷つけられたプライドは傷口から煙のように噴き出て、彼の心に充満する。
質量の無い煙。それが充満した心は、まさしく虚栄だ。

「あの女、使えないサーヴァント引きやがって!僕が負けたのも、全部あいつのせいだ……!」

間桐慎二の憎しみは、酷く矮小で理不尽なもの。
バーサーカーはそれを良しとは出来ない。
彼が間桐慎二を助けない理由が、命令以外に従わない理由が、そこにある。
しかし、慎二の取る行動はバーサーカーなど考慮していない。
支離滅裂で、私利私欲。
だから何も考えないで―――あるいは、考えた上で――――最低の命令を下す。

「はは、そうだバーサーカー。お前、桜を殺せよ。あいつ目障りだからさ」

有ろうことか、間桐慎二はバーサーカーにこう言ったのだ。
気に入らないから召喚者を殺せ、と。

間桐邸【桜の部屋】


結論から言って、バーサーカーは間桐桜を殺す。
その喉を一突き。抵抗する暇さえ与えない。
淡々と無残に。
粛々と残酷に。
表情すら一切変えず、至極当然といった様子で突き穿つ。

その様子を後ろから見ていた慎二は、一瞬恐怖したが―――直ぐにそんな感情は忘れた。
笑う。ただ笑う。

「ククク……あーはっはっは!いい気味だよ桜!ずっとこうしたかった!」

ずっと殺したかった。ずっと憎かった。
ずっと邪魔だった。ずっと邪魔したかった。

【だから               /                どけだ】
【僕はお前を             /          はのたいてっ思うそ】
【殺したんだ!            /         !いなゃじけだたなあ】




世界は壊れて行く。始まりは小さな終わりから。
この二人の終焉が、世界の終焉へと繋がる。
これはあくまで序章に過ぎない。

魔王の刃は、真実を捻じ曲げる。
あるいは、それこそが本当の答え。



            オ   デ ィ  オ
【―――――――『射す光、地に堕とすのは影』――――――】






《ここまでー》


間桐邸【桜の部屋】


そこに死体は無かった。
間桐桜は自分のベッドに腰掛けているし。
間桐慎二の姿は、そもそも見当たらない。
彼は――――既に、影へと沈んだ。

「―――ああ、結局こうなるんですね」

間桐桜は呟く。
こうなることは、予見していた。
あの人が凶行に出ることは分かりきっていた。
だからこそ、バーサーカーを貸していたのだから。
最悪桜が殺されるにしても、それにはバーサーカーを使うだろう。
読みは大当たりで、彼女はバーサーカーに殺されたわけだが――――。

「『射す光、地に堕とすのは影』。……魔王化の宝具、ですか…」

バーサーカー、オルステッド。
またの名を―――魔王オディオ。
数多の世界に通じて起きた悲劇の、その究極にして最終。
勇者として旅立った彼の、捻じ曲がった最後。
自らの末路を、他人に押し付ける宝具。

「蘇生は、対象の憎しみによって行われる。刺して殺すのもそのためだ。出来るだけ傷が少ない方が蘇生しやすい」

そう語るのは、――――バーサーカー。
言葉を紡ぐ。狂戦士がそれをすることの意味。
どれだけ異常で、どれだけ無意味なことか。
喋れるほどに強化を解けば、地力も上昇しはしない。

だから彼は、もはやバーサーカーでは無い。

「では、行こうかサクラ――――いや、新たな魔王よ」

「ええ、行きましょうか。―――――【魔王】(オディオ)。この世界を、憎しみで染めるために」

https://www.youtube.com/watch?v=p8IINrzFWk8

クラス:オディオ
真名:オルステッド(魔王オディオ)

筋力B 耐久B 敏捷B 魔力A+ 幸運E 宝具E

◆スキル
・狂化(EX) 理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。彼はこのスキルを外すことが出来る。
・対英雄(-) 相手の全パラメータを、英霊なら2ランク、反英霊なら1ランクダウンさせる。狂化を外すことで得られるスキル。
・対魔力(A) Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。
・単独行動(EX) マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。EXランクではマスター不在でも行動できるようになる。
・魔力放出(A) 武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。魔力によるジェット噴射。
・無辜の怪物(E) 生前のイメージによって、在り方を捻じ曲げられなった怪物。彼の場合は、それが半ば真実であるためランクは低い。


◆宝具

『射す光、地に堕とすのは影』(オディオ)
所有者:オディオ(オルステッド)  ランク:E
種別:対人宝具
レンジ:1    最大捕捉:1人

魔王に成った経緯と、異世界の同一存在に干渉した逸話から。
人を魔王化する宝具であり、彼が他人を殺すことで自動的に発動するもの。
対象の憎しみ、または魔王となる素質に呼応して発現する。
発現すると、その憎しみを燃料に魔力を精製し自動的に傷口を塞いで蘇生。
そうやって蘇生したものは、憎しみによって魔王化を加速させていき、最後には自分を見失う。
取り除く術は無く、オディオが消滅しても影響は残る。
魔王化とは、つまり悪性への転嫁。
間桐桜のように反転存在として内に魔王を秘めるものや、衛宮士郎のように虚偽の信念で行動するものに有効。
反面、裏表のない遠坂凛や魔王としての素質がない間桐慎二には通用しない。
なお、魔王化に成功したところでそれが有利に働くとは限らないため、道楽のようなものであり、そのためランクはE。



《疲れた……ここまでー》

遠坂邸【リビング】


わたしはリビングのソファに向かって、俯けに倒れ込んだ。
今日はいろいろなことがあって、一体その何%が有意義だっただろうか。
二度寝して、衛宮士郎の口止めのために衛宮邸へ、続けて学校へ。
そこでバーサーカーと間桐慎二に遭遇、弓道場まで非難してアサシンと衛宮士郎に遭遇。
その後数時間を無駄に使って、その帰路でランサー陣営に遭遇した。

振り返ってみれば、随分と無駄な行動をした気がする。
もう少し冷静になれば、時間を空けずに衛宮くんを捕捉出来たのではないか。
死体の山や慎二の持ち物を見聞することで、バーサーカーの情報が掴めたのではないか。
ランサーとあそこで戦闘をしたことは、果たして正しかったのだろうか。

「……駄目ね。後悔は心の贅肉よ……考えても仕方ない…」

「リン、お疲れ様。今日は疲れただろう?ゆっくり休むといい」

ライダーはそう言って、わたしに毛布を掛けてくれる。
こういう暖かさは、随分と久しい。
毛布では無い。人のぬくもりが、だ。


1、そのままゆっくりと眠りについた
2、ライダーと話をしておこう
3、魔術で疲れを吹っ飛ばせばまだ動ける!

>>897

2

《急にPCが再起動しだして焦った。解決しました》

「ライダー、今日の出来事をまとめておきましょう」

今日の収獲として大きいのが、ランサー陣営とバーサーカー陣営に遭遇出来たこと。
そして、アサシンを含む三陣営の戦闘を見ることができたことだろうか。

「何について話す?正直、議論してもしたりないくらいだけど」

自由安価>>903

「やはりバーサーカーが気になるわね……」

理性的なバーサーカーというのが御せない。
命令を無視するならまだしも、命令以外を受け付けないというのは、どういう事だろう。

「……といっても、バーサーカーの情報自体が無いから判断のしようがないか…」

こんなことなら、死体の山でも調べておくべきだったか。
正直、あまり気の進まない行為ではあるが…。

「いや、あの場に長く留まらなかったリンの選択はきっと正しい」

「…そう言って貰えると助かるわ。それで、何か思うことは無い?バーサーカーについて」

ライダーはこの質問を受けて考え込む。
交えたのは一太刀のみ、鋭い突きを防いだだけ。
風貌は幻想的な中世の騎士であるということくらいしかわからない。

「正直、これだけの情報では何もわからないかな……バーサーカークラスは、狂ってしまいたかった偉人さえも呼べるんだよね?」

その通りだ。だから、クラスで相手の真名を絞り込むのは難しい。
バーサーカークラスは適性者の多さなら随一だ。

「……やっぱり情報を集めることが第一か…」

聖杯戦争の基本が情報戦であるという、その意味を実感する。
敵の情報が無ければ、対策の立てようが無い。

衛宮邸【私室】


その晩、衛宮士郎は夢を見る。
靄に霞んだ風景―――――光が差して、見えた景色は――――


1、無限の大地
2、真夜中の王宮
3、荒れ果てた戦場

>>907


《ここまでー》

1

無限に広がる大地を、旅人は歩く。
腰に差すのは、――――――《勇気の剣》。

赤い刀身は静かに輝いて彼の足元を照らし、それが彼の勇気となった。
勇気に反応して輝きを強めるその剣から、光が途絶えることは無い。
増すことはあっても―――消えることは無い。

彼はその旅路において、背を向けたことが無いとは言わない。
むしろ、率先して逃げてきた。
無用な傷を負わないように。無用な傷を負わせぬように。

けれど――――果たしてその行為のどこが、臆病者だというのか。

勇気の闘争があるのなら、勇気の逃走だってある。
剣を振るう事だけが、勇者の仕事ではない。
守るため――――自分も他人も大切にするために選択した逃走は、勇敢であり勇猛だ。



―――《勇気の剣》は眩い光を放ち、旅人に道を示した。






遠坂邸【リビング】


「リン。朝だけど……」

「…………わ……って…ぁよ………」

眠い。
眠い眠い眠い。
昨日あれだけいろいろあったのだから当然だ。
だがしかし、起きねばならない。
現在は戦争中。町を探索するにしても学校を調査するにしても、このぬくもりを捨てねば始まらない。

わたしはわたしを覆う毛布に手を掛けて―――


1、しぶしぶ起き上った
2、顔をうずめて瞳を閉じた
3、寝たまま勝てる方法を考える



>>913

「…………ぐぬぬぬ……!……ええい!燃えろ!わたしの中の小宇宙!」

わたしは無理矢理自分を鼓舞して、勢い任せに毛布を取り払う。
冬の寒さが肌を突き刺して、一気に覚醒するかと思ったらそうでもなかった。

寒い!そして眠い!

ライダーはわたしが起き上ったのを見て、「リンが、起きた……だと…?」などという失礼なリアクションを取る。
確かにここ最近はそう言われても仕方がない有様だったが、わたしだって本気を出せばこのくらい出来るのだ。

と、そこまで頭で考えるだけ。言葉にするのは眠すぎて無理。
わたしはもう一度仰向けになりたいのを死ぬ気で堪えて、両足をベッドの外に出す。
外気が冷たい。
どういうつもりだライダー。こんなに寒いのに起こすだなんて、わたしを殺す気か?

「……リン、目がこわいよ…?」

わたしは両足を床のカーペットに付ける。
付けるだけだ。腰は上がらない。
この際、寒いのは我慢しよう。だから寝させてくれ。
わたしはそのまま、背中からベッドに倒れ込んで――――

「待てリン!寝ちゃだめだー!」

遠坂邸【リビング】


「助かったわ、ライダー。あそこで止めてくれなきゃ、確実に寝てた」

「お礼を言われることじゃないよ、本当に。君、ちょっと睡魔に弱すぎだろう」

昔からだから仕方ない。
たぶん低血圧なんじゃないかな。知らないけど。

「まあ何にせよ、起きれてよかったわ。これでちゃんと行動出来るわね」

「そうだね。じゃあ、今日はどうする?学校?」

学校というのは、本来ならば選択肢には上がらない。
しかし、今は事情が違うのだ。
何故なら、あそこにはマスターが二人、確実に存在している。
慎二は学校に来ない可能性もあるが、衛宮くんとは確実に遭遇出来るだろう。
バーサーカーについて調査する際やアサシン陣営と交流、戦闘するならば学校に行くべきか。

だが、町を調査するのは当然だが怠るわけには行かない。
セイバー、ランサーは勿論の事、まだ見ぬアーチャーやキャスターに対しても情報をある目なければ。
情報の大切さは、昨日の晩に痛感した。
ヒントに成りそうな情報は、少しでも有った方がいい。


1、学校へ行く
2、町を探索
3、ライダーと会話

>>923

《今日はここまでー》

「町を探索しましょう」

セイバー、ランサーについては、学校を探す意味もないだろう。
逆に言えば、バーサーカーの情報が町の探索で入手できる可能性はある。
キャスターやアーチャーの関しても、その二騎まで学校関連というのは出来過ぎだし、だから学校を調べても成果はなさそうだ。
効率を考えるなら学校だが、わたしたちはまだ知らないことが多すぎるのだ。
全体を通して情報が不足している現状を、良しとしたくは無い。

「いいと思う。それに、バーサーカーをすぐに倒さなくちゃならない理由は、今のところ虐殺行為くらいだ」

「それに嫌悪感を抱いて戦いを挑めば、向こうの思うつぼね。勝算がないのに感情だけで行動しても、この戦争には勝てないってことか」

「どんな戦場でも、大方はそうさ。例外もあるにはあるが……それは、今は関係ない」

「あら、あなたにもあるのね。感情に任せて戦うことが」

「そんな事ばかりだったよ。勝算を持って戦ったことなんて、数えるほどしかない」

軍略の英霊。ならず者の統率者。
ラムザ・ベオルブは、本人の技量もさることながら、組織的な集団を動かすことに長けていた。
罠や奇襲といった行為は殆どなく、その軍略の大半は少数同士の白兵戦で発揮されたと言う。
その彼が、勝算を持たずに戦うというのは、あまり想像できないが――本人が言うのなら、そうなのだろう。


深山町【遠坂邸前】


「さて、どこへ行こうかしら」

「僕の感知能力が低いせいで、煩わせてすまない」

「気にしなくていいわ。ほら、チョコボ出して?」

「………出すけどさ」

当然である。チョコボに乗って効率よく探索するべきなのは明白だ。
しかも、即座に戦闘行為に入れるではないか。
なんと完成された宝具。これは使わないわけには行くまいよ。

「それで、目的地は決まった?」

「そうね。―――――」


1、新都へ行く
2、商店街へ行く
3、間桐邸へ行く
4、教会へ行く
5、柳洞寺へ行く

>>930

5

「柳洞寺に行きましょう」

あの寺は、調査を途中にしたまま放っていた。
結界を崩す方法を模索していたのだ。
外観を一通り調べても基点が見つからなかった。
故に、内部の何処かに結界の基点があるのだろうが……―――

「そもそも、結界を崩したかったのはあそこを陣地にされると厄介だからなのよね……」

退魔の結界。
それによって、サーヴァントは正面からしか攻められない。
これは、そこを陣地としたものにとっては大きなアドバンテージだ。
一本道に罠は仕掛け放題だし、奇襲が通用しないし、なにより遠坂邸よりレベルの高い霊地なのだから。

「あれから日は経ってるし……あそこを拠点にした魔術師が居てもおかしくない」

「そうなのよ。だから、柳洞寺に不穏な気配があった場合はすぐに退くつもり」

「懸命な判断だけど、少々弱気過ぎない?」

そうかも知れない。
しかし、相手の情報がないまま流れで戦闘というのは良くない気がする。

「今回は情報収集なんだし、弱気でいいのよ。戦闘は極力避けましょう」

「そういうことなら。じゃあ行くよ、乗って」

柳洞寺【石段・中腹】


ライダーの黒チョコボで一っ飛び、わたしは柳洞寺に到着して、石段を上がっていた。

「……どう?サーヴァントの気配はある?」

「分からない。何も感じないけど、霊体化していたら……この距離では…」

ライダーは呼ばれたクラス(ジョブ?)の影響で、探知能力が低くなっている。
ならば、もう少し近づいてみようか。
わたしとしても魔術師の気配は感じないが、しかし慎二や衛宮君の令がある。
念には念を入れて、慎重に進む。



鳥居の下に差し掛かったとき、ライダーが声を上げる。

「……リン……居るよ…!……気を付けて…!」

―――――サーヴァント。
クラスはキャスターか、アーチャーか……。
わたしとライダーは、そこで歩みをとめて―――――




アーチャー>>936
《ここまでー》

ン・ダグバ・ゼバ

《ハッピーエンドが見えない》
《把握》

元来、白とは純粋を表す。
純白という言葉があるように、澄み切った様子を表現するために使用されることが多い。

ならば、門の下で立つ眼前の怪物は―――――白い闇だ。

純粋な闇。純白の闇。
あそこまで澄み切った混沌を、正しく認識できているとは思えない。
明らかに異質。明らかに異端。
アレがサーヴァントだと言われても、納得出来そうもない。
確実に、そんな領域に収まる闇では―――あれは無い。

「……リン、逃げよう…!関わっちゃダメだ…!あれは、例え敵でも…戦っちゃいけない…!」

ライダーがわたしの腕を引く。
正面から怪物に見つめられ、全身の筋肉が硬直する。
その両眼に捉えられただけで、肉体が仮死を起こす。
それほど、格の違う存在――――――もはや、連想されるのは暴力では無く――

死。


1、必死で逃げる
2、会話を試みる
3、ゆっくり後ずさる

>>978

1

「………っ!」

わたしは背を向けて―――その白色に背を向けて、転がるように階段を下る。
形振りなど、構っていられなかった。
理解できる範囲の戦力差を超えている。
いや―――『理解できる範囲の戦力差を超えている』ことを、無理矢理分からされたと言うべきか。
生物としての本能も、人間としての理性も、私を形成する全てが―――あれとの戦闘を、会話を、対面を、拒絶した。

「ひッ……はっ…………」

走って、とにかく走って。
気が付けば、そこは遠坂邸の玄関だった。
逃げ切れたというよりは、相手が追ってこなかったのだけど。
しかし、それでも。―――わたしは安堵の息を漏らす。

「はあ……はあ………はぁぁぁ……」

追ってこなかったと言うのに逃げ続けていたのは滑稽だが―――
―――しかし、それを愚かだと思うつもりは無い。

逃げると言う行為が、そもそも通用したのが奇跡だとも言える。
だって人間は、死から逃げる事なんて出来ない。

「…………それを言ったら、ここだって安全かどうか…」

そんな訳がない。
場所の安全性は、あの白の前では意味を成さない。
あの石段だろうが、この家だろうが―――それは些末な差でしかない。

「……あんな奴がいるなんて、聞いてないわよ……!あんなの…明らかに英霊じゃない…!」

澄み切った白は、逆に濁って見えた。
あんな混沌とした純白を呼び出す聖杯が―――果たしてまともであるだろうか。

柳洞寺【門】


「なんだ。帰っちゃったのか」

アーチャーはつまらなさそうに、呟いた。
絶対的な力を持って、その澄み切った精神は枯れていた。

白く、枯れる。
枯れたまま澄んで、誘うは闇。
究極の――――闇だ。

「面白くないな。10年待ったっていうのに」

10年。
その時間が意味するもの。
それは――――

「コトミネが喚んだ、サビとかいうのもそうだけど……ちょっと弱すぎるよね」

セイバーの実力を持ってして、弱すぎると断じる。
10年前の戦争で―――――彼は間違いなく、最強だった。

「どうせならもっと、強いサーヴァントを召喚して欲しかったな。これじゃあぜんぜん――――楽しめないよ」



《ここまで》

次スレ→遠坂凛「あなたがわたしのサーヴァントね?」その2 - SSまとめ速報
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いやぁ…これちょっと強すぎんかね?

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