シャーリー「邪剣ヨルイ=キマショーネ!?」エイラ「そうだヨ」 (28)

初投下です
淫夢要素はありません

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エイラ「大変だシャーリー! ちょっと来てくれないカ!」

シャーリー「なんだよエイラ?」

エイラ「いいから早ク!」

シャーリー「しょうがねえなあ」

エイラ「見ろよこの私の部屋の無惨な姿をヨォ!」

シャーリー「……サーニャと喧嘩でもしたのか?」

エイラ「それでこんなに荒らしたりしないんだナ! 誰かにやられたんダ」

シャーリー「何か無くなってるものとかないか?」

エイラ「ちょっと待ってくレ……サーニャとの愛の巣購入用の貯金通帳、思い出のアルバム、サーニャの黒スト、あと邪剣……あレ?」

シャーリー「どうした」

エイラ「嘘だロ……まさかだよナ……無い、ない、ナイ!」

シャーリー「何を盗られたんだよ?」

エイラ「……た、大変なんだナ……邪剣が……邪剣『ヨルイ=キマショーネ』が無くなってるゾ!」

シャーリー「は?」

シャーリー「北欧神話かな?」

エイラ「その通りダ」

シャーリー「そうなのかよ!」

エイラ「スオムスの伝説によれバ、ヨルイ=キマショーネとはかつて地上を支配していた単眼の魔神キュクロプスが振るった剣……あらゆる神を引き裂き、天地を荒らしたとされているんダ」

シャーリー「でも、たかが伝説だろ。盗まれたこと自体は憂慮すべきだけど」

エイラ「たかが伝説じゃないんだナ! ヨルイ=キマショーネには魔力が封じられていル……そしてその封印が解けれバ……!」

エイラ「世界は……破滅ダ!」

シャーリー「そう……(無関心)」

エイラ「真剣に話してるんだゾ!」

シャーリー「じゃあなんでそんな危なっかしいものがお前の部屋にあったんだよ!」

エイラ「アウロラねーちゃんが間違えて送ってきたんダ。ベッドのシーツと勘違いしてナ」

シャーリー「え、剣とベッドシーツを間違えたのか?」

エイラ「ヨルイ=キマショーネはその魔力を抑えるためニ、『トーノーの精骸布』と呼ばれる祝福されし布で包まれてタ。見た目には普通のシーツだからナ……」

シャーリー「……待てよ。ということは、ヨルイ=キマショーネを持ち出した奴も、それが剣だってことは知らなかったんじゃないか?」

エイラ「た、確かにそうダ! シーツと勘違いした宮藤あたりが、洗濯しようとして持って行った可能性はあるんだナ!」

シャーリー「でも、それだと部屋の有り様が説明出来ないか」

エイラ「あ……」

シャーリー「……何にしろ、盗まれたなら取り返さなきゃいけないよな。私も手伝ってやるよ」

エイラ「いいのカ? ありがとう、助かるんだナ!」

シャーリー「まずは、何か手がかりを……あれ?」

エイラ「ん?」

シャーリー「……何か聞こえないか?」

エイラ「……分からないんだナ。シャーリーは使い魔の能力で聴覚が強化されてるから――」

ハァハァ……イキスギィ

エイラ「!!」

シャーリー「ほら、なんか」

エイラ「しーっ!」

イクゥイクイク……!

エイラ「――」

エイラ「シャーリー! 耳を塞げェーッ!」

シャーリー「な……」



ンァァァァァァァァァーーーーッ!



ビリビリビリビリ

シャーリー「うあ……! な、なんだこれ、耳が……腐る!」

エイラ「くっ、まさかこんなに早く覚醒するなんテ……!」

ァァァァァァ……

エイラ「……もう大丈夫だゾ、シャーリー。いヤ、大丈夫ではないナ」

シャーリー「うう……何がだ?」

エイラ「今の咆哮はキュクロプスの魔力が解放された証。恐らく世界中に何らかの影響を及ぼしてるだろうナ」

シャーリー「え、なにそれは」

エイラ「もしかするト、ヨルイ=キマショーネの魔力に充てられた他の『神器』が目覚めたかもしれなイ。そうなれバ、間違いなくこの501ニ……」

パァン!

シャーリー「うわっ!」

エイラ「マズいんだナ。もう始まってル!」



To be continued...

とりあえず今日はここまで

シャーリー「何が起きて……」

エイラ「シャーリー、こっちダ!」

シャーリー「わ、分かった」

バァン!

シャーリー「なぁ、さっきから聞こえるこの『バァン!』って音はなんなんだ? 衝撃波か何か?」

エイラ「世界中の『神器』が目覚めテ、このロマーニャに集まってきたんダ。ヨルイ=キマショーネの覚醒に引かれてナ……」

シャーリー「さっぱり飲み込めないぞ、エイラ」

「痛いんだよぉぉぉ!」

シャーリー「!」

「怒らせちゃったわねぇ! 私のことねぇ! お姉さんのこと本気で怒らせちゃったわねぇ!」

シャーリー「今の声、ルッキーニだ!」

エイラ「ミーナ隊長と戦ってるのカ……」

シャーリー「戦ってる!?」

エイラ「世界中から飛来した神器ガ、自分以外の神器を破壊するためニ、ウィッチの心を乗っ取って殺しあいを始めたんダ……」

シャーリー「そんな……じゃあルッキーニはどうなっちまうんだよ!」

エイラ「……」

シャーリー「なんとか言え! 大体、こうなったのはお前の」

エイラ「! 伏せロ!」

ズバァッ

「この辺にぃ、二人のウィッチ、隠れてるらしいですわよ」

シャーリー「な……ペリーヌ!」

ペリーヌ「あら……なんで逃げる必要なんかあるんですの?」

エイラ「はっ! ペリーヌが持ってる剣……あれはまさしく『邪剣ヨルイ=キマショーネ』!」

シャーリー「なんだって? じゃあ、あれをもう一度封じることが出来れば」

エイラ「神器は再び眠りに就ク……でもダメなんダ。トーノーの精骸布がなけれバ、ヨルイ=キマショーネは止められなイ!」

シャーリー「そんな……くそっ! 早くルッキーニを助けに行かなきゃいけないのに……!」

エイラ「……」

ペリーヌ「これ以上時間をかけるとグダグダになってしまいます、ヤバいですわヤバいですわ」

ペリーヌ「他界近いからね、しょうがないですわね!」ブンッ

シャーリー「ちくしょう……!」

ガキィン!

ペリーヌ「ファッ!?」

エイラ「……神器、『ウォキ=ラクリンチ』! 今こそ目覚めの刻なんだナ!」

シャーリー「エイラ!? お前……」

エイラ「シャーリー、逃げロ! ルッキーニを助けてやってくレ、私がペリーヌを食い止めル」

シャーリー「で、でも!」

エイラ「いいんダ。お前の言う通リ、こうなったのは私のせいなんだからナ」

ペリーヌ「そんな剣……貴方一人で私に勝てるわけないでしょう!」

エイラ「馬鹿野郎お前私は勝つぞお前!」

シャーリー「エイラ……」

ペリーヌ「ホラホラホラホラ」

エイラ「くっ!」

ペリーヌ「もう膝が笑ってますわよ。奥の手とか……お持ちではありませんの?」

エイラ「そ、そんなん関係ないんだナ!」

シャーリー(逃げろ、シャーリー! エイラが命がけで時間を作ってくれたんだ、無駄になんかするな!)

シャーリー(そうさ。元々私は被害者な訳だし、エイラが責任を取るのが条理……)

シャーリー(だけど……!)

シャーリー「エイラを見殺しにして、ルッキーニを抱きしめるなんて出来ないよなぁ! うぉあああっ!」

エイラ「シャーリー!?」

ペリーヌ「全く、頭に来ますわよ」

ズバッ

シャーリー「うぐぅっ!」

エイラ「何やってんダ、あく行けヨ! いくら優秀なウィッチでモ、生身のお前じゃ太刀打ち出来ないゾ!」

シャーリー「へ、へへ……そうかもな。でも、胸張ってルッキーニに会うためには……まずはこいつをどうにかしないとな!」

ペリーヌ「やれやれですわ。お二人とも、『悔い改めて』」

シャーリー「やらせるかぁっ! うあぁぁぁぁーっ!」

キィィィィン

ペリーヌ「な、なんですの、この光は!?」

エイラ「あれハ……あの指輪ハ、伝説の魔導師イクスアバターの遺品、『アウメーナ』!」

シャーリー「どうしてそんなものが私のところに……いや、考えてる暇はない」

シャーリー「私に力を貸してくれ、アウメーナ! みんなを助けるために!」

グッ

ギュウウウン

シャーリー「……!」

ペリーヌ「ふっ。そんなちっぽけな指輪程度で私に勝てるわけないって、はっきり分かりますわね」

シャッ

シャーリー「あー遅い遅い遅い」

ペリーヌ「!? このっ……オラァァン!」

シャッ

シャーリー「今のアレ何なんだよ。やる気あんのかぁ? お前太刀筋あめぇんだよ」

エイラ「す、凄イ……」

ペリーヌ「やりますわねぇ!」スチャ

シャーリー「逃げるのか!」

ペリーヌ「どうやら貴方たち二人は、泳がせておいた方が好都合のようですから。またお会いしましょう」

シャーリー「待てっ!」

エイラ「シャーリー、今はルッキーニが先ダ!」

シャーリー「く……」

エイラ「……行ったカ。ともかク、これでお前も私の話を信じざるを得なくなったナ」

シャーリー「みたいだな。こんなものに頼りたくないけど、ルッキーニの為なら……」

エイラ「うん。さぁ、急ごうシャーリー! 上の階にルッキーニとミーナ隊長がいるゾ!」

シャーリー「ああ!」



To be continued...

・エイラ
ウォキ=ラクリンチ
ある魔法使いの家系が数百年に渡って呪いをかけ続けた剣が、北欧神話の聖なる神『トール(ホーリー・トール)』によって祝福された姿
決して挫けない闘志が宿り、魔を祓う力を持つ


・シャーリー
アウメーナ
伝説の魔法使いであるイクスアバターが遺した指輪
強い魔力が込められており、装備した者の反応速度と魔力を極限まで高める
ある神器のカウンターとして作られたという記述が残されている


・ペリーヌ
邪剣 ヨルイ=キマショーネ
北欧神話における魔神キュクロプスが振るったとされる剣
あらゆるものを手に入れんとする欲望に満ちている
普段はトーノーの精骸布によって魔力を封印されている




・???
トーノーの精骸布
世界でただ一つキュクロプスの呪いを封じ込められる神器
長い年月を経たせいか、うっすらと黄身がかっている

今日はここまで

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