一方「卓球すンぞ」 (144)

禁書SSですが、キャラ崩壊しています
時系列的には一方通行が打ち止めと会った次の日ですが、パラレルワールドとなっています
大分前に似たような駄作を書きましたが、このスレとは全く繋がりはありません
後、自分は駄文で亀レスなので、読んで不快感を感じたら速攻スレを閉じてください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1346602334

一方「あ、ダッルゥー」ダラダラー

一方「ヤッベェー……なァンもすることねェ」ゴロゴロー

一方「『いいとも』も終わったしなァ、『ごきげんよう』でも見るかァ」ウン

打ち止め「なんでそんなにダラダラ出来るの!? ってミサカはミサカは忠告と疑問をぶつけてみたり!」

一方「あァ? 俺のお昼はいつもこンなンだぜ?」ダラリーン

打ち止め「お昼じゃなくて、一度も家から出てないことだよ! ってミサカはミサカは冷蔵庫の中身が空っぽなことに焦りを感じてみる!」

一方「元々、冷蔵庫の中は缶コーヒーだけだ」

打ち止め「コーヒーだけってあなたいつもご飯どうしてるの!? ってミサカはミサカはそんなことよりお腹が空いたよ!」

一方「チッ……じゃァどっか食いに行くか」ヨッコラセ

打ち止め「交渉成立ー! ってミサカはミサカは自分の勝利に喜びを噛みしめる!」ワーイ

一方「飯なンざ、コーヒーで十分だろォが……」ボソッ

打ち止め「昼飯コーヒーオンリーッ!!?」

ーーファミレス


一方「すいませェーン、アイスコーヒー下さァい」ハーイ

店員「かしこまりました」スタスタ

打ち止め「……あなたって案外食べるの早いよね、ってミサカはミサカは最初に頼んだハンバーグを頬張ってみたり」

一方「口にモノ入れながらしゃべンじゃねェ」

打ち止め「でも、誰かと一緒にご飯を食べてたら美味しいね、ってミサカはミサカははしゃいでみたり」

一方「ダリィー」グテーン

打ち止め「お店のソファーに寝転んだらダメだよ! ってミサカはミサカは注意してみたり!」

一方「だから口にモノ入れながしゃべンじゃねェって言ってるでしょうがァァアアア!!!」ガタッ!

打ち止め「そうだけど! なんで妙に真面目なの!!? ってミサカはミサカは驚いてみたり!」

打ち止め「……」バタッ

一方「あァ? どォした?」

打ち止め「なんか……熱っぽい……ってミサカはミサカは……」

一方「ったく……これだから最近のガキは、すぐ手洗いうがいを怠りやがって……」

打ち止め「いや、風邪とかそういうレベルじゃない気がするんだけど……ってミサカはミサカは……」

一方「出たよ、ガキ特有の風邪を大袈裟に言うアレですかァ?」

打ち止め「うぅ……親に勘違いされて的外れな説教されてる気分って……ミサカはミサカは…………あ、もうダメだ」

一方「……」

打ち止め「……」チーン

一方「……オイ」

打ち止め「……」チーン

一方「チッ……放っておいて風邪をこじらせることが一番怖ェンだよ……」

一方「すいませェーン! お会計お願いしますゥ!」

ーー研究所


天井「んー……これをこうして……」カチャカチャ

天井「おぉ……出来た!」

天井「『竹とんぼの法則』を利用して人間を空に持ち上げるまでの浮翌力を搭載した……」

天井「その名も…タケコプt」

一方「天井クゥゥゥゥゥゥン!!」

ドア<バーン!

天井「うおぉっ!」ポロッ

天井「し、しまった!! タケコプターを落としてしまった!」

一方「……あ? どォしたそンなに慌てて」グシャ

タケコプター<メメタァ

天井「あーーーーー!!! タケコプターがああああああああ!!!」

一方「あ、悪りィ……踏ンづけちまったわ」

天井「どうしてくれるんだよ!! 子供の頃から憧れてたあんな夢こんな夢があああああ!!」

一方「いィじゃねェか、一丁前にスポーツカー持ってンのによ」

天井「いや、一言でいいから誠意を持って謝れよ!」

一方「ダリィ……あ、間違えた、悪りィ」ダルーン

天井「ふざけんなよ!?」

天井「畜生……もうなんだよ、何しに来たんだよ……」グス

一方「ガキが風邪引いたみてェでよ」

天井「ガキ? その背負っているのが?」

一方「あァ、コイツだ」ヨイショ

打ち止め「……」ダラーン

天井「最終信号……」

一方「年中風邪引いてるみたいなツラしてるから風邪薬ぐらい持ってンだろ?」

天井「いや、ここにはルルもないし、ビオフェルミンすらないが……」

天井「一方通行、少し最終信号を診せてもらえるか? おそらく風邪じゃないような気がする……」

一方「風邪じゃねェ……そォいやァこのガキもそンなこと言ってたなァ」ウン

天井「少し心当たりがある」

天井「やはりそうだ……」

一方「どォした?」

天井「……最終信号にバグコードやウイルスが入れられたらしい」

一方「ウイルス? やっぱ風邪じゃねェか」

天井「そういう系統のウイルスじゃない」

一方「そういう系統……? ノロウイルス……?」エ?

一方「ノロウイルスは確かにヤベェな……」マジデ

天井「……あぁ、もうそれでいいや」

天井「で、そのウイルスだが……どうやら今日の午前0時にある命令を出すらしい」

一方「命令?」

天井「元々、最終信号は妹達にミサカネットワークを通して直接命令を出す為に作られた上位個体、検体番号20001号」

天井「解析した結果、妹達に『人類に無差別攻撃を行う』という内容だった」

一方「…………ハンッ」

天井「バグを取り除くことくらいは簡単に済むが……少し時間がかかる」

一方「なンでもいい、とにかく完治してやってくれ」

天井「あぁ、分かった」

ーー1時間後


天井「とりあえず、これで一応大丈夫だろう」

打ち止め「わーい! わーい! ってミサカはミサカは完全復活ー!」ワーイ

一方「先に言うことがあるでしょうがァッ! 愉快なオブジェにすンぞクソガキィィイイイ!!」

打ち止め「ありがとうございましたァァアアアア!!」

一方「……悪かったな、天井クン」

天井「い、いや……構わない」

天井「それに……安全の為にもう少し調整をする必要があるんだが……」

一方「時間かかンのか?」

天井「あぁ……長くて一週間くらい……その間、機材も揃ってるから最終信号にはここで泊まって欲しいんだが」

打ち止め「えー! こんな何かしらの危険しか臭いがしない所で入院生活するってこと!? ってミサカはミサカはとりあえず嫌がってみたり」

一方「テメェの事だろォが、文句言ってンじゃねェ」

打ち止め「……正論は時に人を傷つける、ってミサカはミサカは自分の台詞に噛み締められた……」

天井「……結局、大丈夫ってことでいいのか……?」

ーー3日後


打ち止め「ふわぁ……プリキュアも終わったし暇だなぁ、ってミサカはミサカは思わずあくびをしてみたり」ムニャムニャ

一方「まだしまじろうがあるだろォが、落胆するにはまだ早ェ」ダラーン

打ち止め「……もうしまじろうを見るような年じゃないよ、ってミサカはミサカは軽く返してみる」

一方「しまじろう始まるまで時間あるから、適当にニュース見ンぞ」ダリーン

打ち止め「分かったー、ってミサカはミサカはテレビのリモコンをあなたに渡してみたり」ハイ

一方「ン」ピッ



テレビ『ーーこの後はっ! 学園都市で最もナウいスポーツ! 「卓球」を紹介するぜ!』ピッ

テレビ『ーー学園都市卓球大会まで残り半年となりました』ピッ

テレビ『ーー学園都市最先端の技術を使用した卓球用ラバーが! 今ならドモホルンリンクルも付けて3980円!』ピッ

テレビ『ーー今日の白い髪で赤い眼のあなたのラッキーポイントは「卓球」です!』ピッ

テレビ『ーースキスキスキスキスキップ〜〜』



打ち止め「卓球だって! ミサカも卓球したい! ってミサカはミサカは純粋無垢に言ってみたり!」

一方「完治してからな」

打ち止め「えー……ってミサカはミサカは駄々こねようとしてみたり」ブー

一方「卓球か……」ダラダラ

打ち止め「そうだ! あなたが卓球してみれば? ってミサカはミサカはナイスアイデアを提案してみたり」

一方「卓球?」ダラリン

打ち止め「そう! いつもぐーたらしてるし、少しでも体を動かさないとホントにモヤシ男になっちゃうよ、ってミサカはミサカは忠告してみる!」ビシッ!

打ち止め「それでミサカが完治したら、あなたに手取り足取り卓球を教えてもらったりして……ってミサカはミサカは妄想を垂れ流したり……」キャー!

一方「卓球ねェ……」

打ち止め「……」ドキドキ

一方「……まァ、暇潰しにはなるだろ」

打ち止め「……! えぇ!? やってくれるの!? ってミサカはミサカは駄目元でも言ってよかったー!!」

一方「とりあえず用具買ってくるかァ……大人しくしとけよ、打ち止め」ヨッコラセ

打ち止め「え、今から買いに行くの? ってミサカはミサカはあまりにも急過ぎるあなたについていけなかったり」

一方「天井くンに迷惑かけンじゃねェぞ」スタスタ

打ち止め「……行っちゃった、ってミサカはミサカはあの人の背中を見送ってみる」



天井「……あれ? 一方通行は?」

打ち止め「……あの人はまるで竜巻のように出かけちゃった、ってミサカはミサカは哀愁を漂わせながら言ってみたり」ポー

天井「……は?」

ここまでです
次の投下はいつになるか分かりませんが、なるべく早く投下します

ーーとある路地裏


敵A「うわああああ!!」ピュー!

敵B「殺されるうううう!!」ピュー!

麦野「滝壺! 敵はこっちに逃げた! 急ぐぞ!」タッタッタ

滝壺「ハァ……ハァ……ごめん、むぎの……先行ってて……」ゼーハーゼーハー

麦野「ハァッ?! 今日はまだ体晶も使ってねぇだろ!?」

滝壺「ハァ……ハァ……ごめん……」バタッ

麦野「た、滝壺ォォオオオ!!?」



ーー個別サロン


フレンダ「結局、逃がした敵は私と絹旗が捕まえたって訳よ」

絹旗「滝壺さん、超大丈夫ですかね?」

麦野「軽い貧血よ、ソファでぐったりしてる……心配かけやがって……」

絹旗「麦野……」

フレンダ「結局、滝壺の体力が無さ過ぎって訳よ」

絹旗「ハァ……これだからフレンダは超フレンダですね」

フレンダ「ど、どういうことよ!」

滝壺「……」ムク

フレンダ「あ! 滝壺が起きた!」

絹旗「滝壺さん、超体大丈夫ですか?」

麦野「ったく、無理しやがって……」

滝壺「ありがとう……むぎの、きぬはた、ふれんだ……」

絹旗「いえ、滝壺さんが超無事そうでよかったです」

滝壺「…………」

麦野「……どうしたの?」

滝壺「私……」

フレンダ「?」

滝壺「私……何かスポーツしようと思う」



麦絹フ「…………は?」


.

滝壺「……ふれんだの言う通り、私体力無いし」

フレンダ「!」

フレンダ「(き、聞こえてた〜〜〜!!)」タラー

滝壺「今日だって、私のせいでみんなに迷惑かけた」

絹旗「え、えーっと……滝壺さん……?」

滝壺「だから……私、スポーツして体力つける」

麦野「……」

フレンダ「(ちょ、絹旗! なんでいきなり滝壺こんなこと言い出してるの!?)」

絹旗「(知らないですよ! 超知らないですけど、絶対フレンダにも超原因あります!)」

絹旗「(……っていうか超ヤバイですね……こんなこと麦野が超許さないに決まってます……)」

絹旗「た、滝壺さんは体晶を使って仕方無いんですから、余り超無理をしない方が……」

麦野「……」

滝壺「……むぎの」

麦野「……好きにしろ、駄目だなんて言わないわよ」

麦野「ただ私達は『アイテム』だ……忘れるな」

麦野「それと……飽きたらやめたっていいんだから、でもやるからにはちゃんとやりなさいよ」

滝壺「……うん!」



絹旗フレンダ「(お母さんだーーー!! 本人に言ったら殺されるけどお母さんだーーーー!!)」


.

麦野「あんた達も文句無いわよね?」

絹旗「ま、まぁ……麦野がいいって言うのなら」

フレンダ「結局、私は滝壺が好きでしたいのなら構わないって訳よ」

滝壺「みんな……!」



フレンダ「滝壺はなんのスポーツするって訳?」

滝壺「うーん……」

絹旗「野球とか超オススメですよ!」

麦野「野球でぶっ倒れたら元も子もねえだろうが」

絹旗「うっ……」

フレンダ「だったらエクストリーム・アイロン掛けは!?」

滝壺「……」

麦野「……」

フレンダ「……」

絹旗「フレンダ……超スベってますよ……」

フレンダ「なんで!? エクストリーム・アイロン掛け普通に面白いでしょ!!」ハァ!?

滝壺「大丈夫、自分のギャグを面白いって言っちゃうふれんだを私は応援してる」



フレンダ「結局、始めるスポーツは卓球って決まった訳ね」ウン

麦野「まぁ、あんまり動かないしね」ウン

絹旗「それでも、やってたら帰宅部よりは超体力つくでしょう」ハイ

滝壺「ありがとう、みんな……私、卓球頑張る……!」

絹旗「その意気ですよ!」

滝壺「じゃあ早速行ってくる」

絹旗「え? ちょ、滝壺さん? 超何処に行くつもりですか?!」

滝壺「」ヒュン

ドア<ガチャ!

フレンダ「は、速い……! まるで体力が無いことが嘘かのように走って行った……!!」

麦野「……」

絹旗「? どうしたんですか麦野?」

麦野「……心配ね」ハラハラ

絹旗フレンダ「(やっぱお母さんだ……)」

ーーとある商店街


一方「……用具はこンなもンでいいか、台以外は一通り揃えたはずだァ」ウン

一方「基本のルールは参考書で大体覚えたしなァ……」

一方「後は卓球やるやつだけだな……」

一方「ダリィ……一番ダリィやつじゃねェか……」アチャー

一方「あァー……もォあいつからでいいや」ウン



滝壺「……」テクテク

一方「オイ」

滝壺「? ……私のこと?」

一方「そォだ、オマエだ……よし」



一方「卓球すンぞ」



滝壺「…………え?」

滝壺「えっと……だれ?」

一方「学園都市レベル5第一位、一方通行」

滝壺「」

一方「まァ、ここで話すのもなンだ……適当な場所に移動すンぞ」

滝壺「(あくせられーた……むぎのと同じレベル5……)」パネェ



ーーとある喫茶店


ウェイトレス「お待たせしました、ホットコーヒーとお熱いお茶です」コト

一方「あざァっす」

一方「あァー……滝壺理后だっけ?」

滝壺「うん」

一方「こンなクソ暑いのによくそンなもン頼めるなァ」ズズッ

滝壺「あくせられーただってコーヒーをホットで頼んでる」ズズッ

一方「俺はアレだ、男はホットしか頼ンじゃいけねェってやつだ」

一方「ってかお茶ってなンだよ、茶店でお茶頼むとか意外過ぎンだろ、文字にすると違和感無ェってか? やかましィわ」

滝壺「(あくせられーた……イメージと全然違う……)」



一方「……滝壺、卓球とか興味ある?」ダラダラ

滝壺「うん」

一方「卓球やる?」ダラーン

滝壺「うん、今からやろうと思ってる」

一方「ハンッ! 決まりだな」

滝壺「うん。あくせられーた、一緒に卓球やろ」

ここまでです

補足ですが、アイテムの皆は卓球はあんまり動かないってイメージをしていますが
実際は止まる→動くを素早く繰り返すので結構体力的にはしんどいです
というかしんどくないスポーツなんてなさそうですね
それこそエクストリームアイロン掛けと思いましたが、アレはアレで精神的にしんどそうです
長々と申し訳ありませんでした

一方「とりあえず一回二人で卓球やるか……」

滝壺「でも卓球出来るところってあった?」

一方「スポーツセンター、ジム……探せばどっかにあンだろ」

滝壺「そうだね」

一方「無けりゃ作るし」ウン

滝壺「なるほど」

一方「とりあえず適当に探すか」

滝壺「うん」

一方「すンませェン、勘定」

ウェイトレス「はい……600円になります」カチャカチャ…ターンッ!

一方「あ、カードでェ……」ハイ

ウェイトレス「はい、かしこまりました…………うわっ!」

ウェイトレス「(ブ、ブラックカード……初めて見た…………ってあれ?)」

一方「あ、悪ィ……間違えてブラックミスト渡してたわ」

滝壺「大丈夫だよ、女の子の前で間違えてエクシーズモンスター出しちゃうあくせられーたを私は応援してる」

ウェイトレス「(何で財布にトレーディングカード入ってんの!?)」

一方「場所探しに行くかァ……」

滝壺「うん」

一方「ぶらぶら歩いてったら場所ぐらい見つかンだろ」

滝壺「そうだね」

一方「なンせ学園都市で今一番流行りのスポーツだからよ」ウン



ーー1時間後


ミーンミンミンミンミンミーン…

ボーシツクツクボーシツクツク…

ジージージージー…

一方「なァ、滝壺……」

滝壺「どうしたの……あくせられーた……?」

一方「なァンで1時間も歩いて卓球やる場所が一つも見つかン無ェンだよ……」

滝壺「多分……ぶらぶらし過ぎて、いつのまにか第七学区方面に行ったからじゃない……?」

一方「……なンで第七学区に来たンだ?」

滝壺「なんでだろうね……?」

一方「クッソ…………暑ィ……」

滝壺「うん……暑い……」



「キャーッ! だれかー!!」



一方「ン? ……なンか悲鳴聞こえなかったか?」

滝壺「……あっちの路地裏から聞こえてきたよ」

一方「……」

滝壺「……」

ーーとある路地裏


スキルアウトA「お前何なんだよ!」

スキルアウトB「いきなり俺らの顔見ては叫びやがって!」

佐天「だ、だって……この人が学園都市の都市伝説『アンジェロ岩』にそっくりでしたから……」

スキルアウトA「『アンジェロ岩』? ……あぁ、あのよく見たら顔に見える岩のことか」

スキルアウトB「ってことは俺らが岩に似てるって言いてえのか!? やっぱお前なめてんだろ!!」ゴルァ!

佐天「ひぃっ! ごめんなさい!」

スキルアウトB「ゴメンで済むならアンチスキルはいらねぇんだよぉおおおッ!!」ゴルァァアアアア!!

スキルアウトA「おい、待てよ……」

スキルアウトB「なんだよ!」

スキルアウトA「(よく見ろ、こいつ上玉じゃねぇか……下手に傷つけねえほうがいい)」ボソボソ

スキルアウトB「(……! なるほどな……)」ボソボソ

スキルアウトA「(売っても金になるが……その前に一発……)」ボソボソ

スキルアウトB「(いいぜ……ヤっちまおうッ!)」ボソボソ



佐天「(うわー……小さい声で喋ってるけど全部丸聞こえだー……)」

スキルアウトB「へ……へへっ……」ジリジリ

佐天「ヒッ……」

スキルアウトA「へっ、悪ぃな……嬢ちゃん……」ジリジリ

佐天「キャーッ! だれかー!!」



??「待てィ!」



ウォッウォウォッウォウォー フォーゼ!

スキルアウトB「だ、誰だ!?」

ウォッウォウォッウォウォー 行こうぜ!

スキルアウトA「何だ!? いきなり音楽が流れ始めたぞ?!」

ウォッウォウォッウォウォー オーイェー!

スキルアウトA「ちょっと待て……この音楽はまさか……」

佐天「(ま、まさか……つい最近最終回になった……あの!)」



一方「宇宙キタァー!!」バン!

AB佐天「だ、誰だああああああああああ!!?」

一方「……? いまいちウケがよくねェな」アレ?

滝壺「だから電王か龍騎の方がいいって言ったのに……」

一方「いや、いっそのことウルトラマンでやるべきかァ……?」

佐天「(えー……わざわざ音楽とか用意して……えー……)」

スキルアウトB「なんだテメェ! 訳の分からねえ登場しやがって!」ゴルァ!

一方「知らねェなら教えてやるよ……」

一方「ある時は学園都市最強の能力者……ある時は幼女に厳しくしつける保護者……またある時はアルビノ風ドリア……」

スキルアウトB「ゴチャゴチャうるせぇんだよ!! オラァッ!」ブン!

一方「反射ァ」ピキーン!

スキルアウトB「グハァッ!!」

一方「……最後まで言わせろよ……ったく」ダラーン

スキルアウトA「(つ、強い……そういえば、さっき学園都市最強って言っていたが…………まさか?!)」

スキルアウトA「に、逃げるぞ! あいつはレベル5の第一位、一方通行だ!!」ダッ!

スキルアウトB「一方通行?! ……クソッ!!」ダダッ!

滝壺「……逃げていった」

一方「ハン」

佐天「(……レベル…5…)」

佐天「あ……あの!」

一方「あァ?」

佐天「あの……助けて頂いてありがとうございます!!」

一方「……」

佐天「良かったら、何かお礼をしたいんですが……」

一方「いらねェよ、とっとと消えろ」

佐天「でも……!」

一方「いらねェっつってンだよ」

佐天「……分かりました……ありがとうございます」

滝壺「(やっぱり一方通行はイメージと違う……)」

一方「……」

一方「………あ」

一方「おい、ちょっと待て」

佐天「……え?」

一方「礼くれるンだってなァ……だったらよォ……」

佐天「え? な、なんです?」

一方「オマエ中学生か?」

佐天「は、はい……」

一方「部活、習い事は?」

佐天「やってません……」

一方「卓球興味あるか?」

佐天「? ……はい。学園都市で一番流行りのスポーツですし……」

一方「よしっ、じゃァ卓球すンぞ」

佐天「………………は?」

ここまでです
言い忘れましたが、もしかしたら自分がローカルルールを公式ルールと勘違いするもしれません
もし、公式のルールではないルールが発見した際、お手数ですが指摘して頂くと大変感謝します

一方「ンじゃあ、適当に卓球出来る場所探して……」

佐天「ちょ、ちょっと待ってくださいッ!」

一方「ン?」

佐天「私、卓球やるなんて……」

一方「礼くれるンじゃねェのかァ?」

佐天「や、でも……そもそも卓球なんてしたことないし……」

一方「安心しろ、俺達も触ったことすらねェ」

滝壺「うん」

佐天「えー……」



一方「とりあえず第一○学区に行ってくるか……あそこならジムくらいあるだろ」

滝壺「さてん、結局卓球するの?」

佐天「お礼はするって言いましたからね、これくらいでレベル5にお返し出来るなら安いもんですよ」

一方「……」

ーー第一○学区


一方「あっちィ……」ダラダラ

佐天「運動の為に徒歩で行くって言ったのは一方通行ですよ……ね、滝壺さん?」

滝壺「うん、そうだね」

佐天「そういえば、滝壺さんってどうやって一方通行と知り合いになったんですか?」

滝壺「うん、そうだね」

佐天「滝壺さん……?」

滝壺「ウン、ソウダネ」

佐天「た、滝壺さんの意識が朦朧としている……!」

一方「た、滝壺ォッ!」

佐天「それによく見たら目だってやけに眠そうな目してるし……」

一方「いや、それは元々そんな目だろ」



ーーとあるスポーツセンター前


一方「やっと着いた……」

滝壺「一方通行……風のペクトル操作できるんだったら早く言ってよ……」

佐天「そうですよー、こっちはラクダ君みたいに汗ダクダクになってたんですから」

一方「俺はドラちゃんの道具みたいにホイホイ能力を使わねェンだよ」

佐天「うぅ……そんなこと言ったら、私のO2が無くなりますよー……」

滝壺「……さてん……O2は酸素だよ」

佐天「!?」

一方「……確かにテメェの脳みそには酸素が足りねェらしいな」

ーーとあるスポーツセンターの中


佐天「お〜、色々な機材や用具がありますね」

滝壺「卓球もあるよ」

一方「……ンじゃァ、3時間、一般2人中学生1人でェ」

受付人「かしこまりました、850円になります」



一方「この施設はスポーツウェア借りれるらしい、とりあえずそれに着替えたら合流な」

滝壺「わかった」

佐天「滝壺さんは自前があるからいいんじゃないんですか?」

滝壺「でも汗かいたら臭くなる」

佐天「う〜ん……それもそうですね」

滝壺「お気に入りのジャージだから」

佐天「なるほど、確かに汗とかかきたくないですよね」

佐天「そういえばそのジャージってどこで買ったんですか?」

滝壺「うーん……確か……」

一方「早く着替えに行け」

一方「とりあえず打ってみるか」

佐天「そうですね」

一方「お前と滝壺が適当に打て、それから交代な」

滝壺「わかった」



佐天「ラケットってどっち使ったらいいんだろ……」

滝壺「2種類あるね」

一方「シェークハンドかペンホルダーか……自分に合った方選べばいいンじゃねェの?」

滝壺「シェークハンド?」

一方「シェークハンドは握れる方だ、ペンホルダーは親指と人差し指を摘まむようにして持つ方」

佐天「どっちの方がやり易いんですか?」

一方「どっちでもいいだろ、他にもラケットには色々種類があるが基本はその2つだな」

佐天「へぇー……じゃあシェークハンドにしようかな」

滝壺「私もそれにする」

佐天「よしっ……じゃあ早速打ちますよ」

滝壺「うん」

一方「佐天」

佐天「よぉし……え? あ、はい?」

一方「球の投げ方にルールがある」

滝壺「球の投げ方……?」

佐天「なんかめんどくさくなってきましたね……」

一方「そンな難しいことじゃねェ」

一方「まず、球は手の平の上に置く、摘まむのはNGだ」

佐天「……私、さっき球を摘まんでた」

一方「それから、球を持ってる手は台より上で投げる」

滝壺「うん」

一方「球はネットの上まで投げる……まァ、これくらいだな」

佐天「ネット? あの台の真ん中を遮ってる網ですか?」

一方「あァ、普通に投げても届くからあンま気にすンな」

佐天「分かりました!」

佐天「じゃあ気を取り直して……」

佐天「えいっ!」パコン



佐天は一方通行の言ったことを守り、台の上から球を投げ、ネットより高く球を上げた

佐天は宙に浮いてる球に狙いを定めラケットを振る

球は佐天のラケットに命中し、それと同時にピン球が高く上がり、ノーバウンドでネットを飛び越え、滝壺側の台の面の上に落ちる

滝壺はピン球が自分の台の上を2回跳ね上がってから、狙いを定め打ち返す

滝壺の打ち返したピン球は高く舞い上がり、それを佐天も打ち返す



一方「……」

佐天「えいっ」カッ

滝壺「よいしょ」カッ

佐天「おっと」パキン

滝壺「……あ」

佐天「あー……やっぱり難しいですね」

一方「佐天ンンンッ!!」

佐天「は、ハイッ! またですか?!」

一方「それと滝壺ォ!」

滝壺「?」

一方「お前ら基本のルールも知らねェのかァ!」

滝壺佐天「基本のルール?」

一方「……哀れなくらい何にも知らねェンだな」

一方「まずサーブボールはな、一回自分の台の上に球をバウンドさせるンだよ」

佐天「なるほど……」

一方「なるほどじゃねェよ、基本中の基本だ」

一方「それから球が相手の台の上に一回落ちる……これが卓球のサーブだ、テニスとごっちゃにすンじゃねェぞ」

佐天「はーい」

一方「打ち返すときは、自分の台の上に一回落ちた球を相手側の台の上に落ちるよォに打ち返す」

一方「打ち返す前に球が2バウンドしてたらアウトだ」

滝壺「わかった」コクリ

一方「……」ハァ

佐天「よっ」パコン

滝壺「えい」カッ

佐天「やっ」カッ

滝壺「それ」カッ

佐天「ほっ」カッ

滝壺「ん」パキーン

佐天「うわっと!」スカ

滝壺「ごめん、さてん」

佐天「大丈夫ですよ、それよりも私達6回も続きましたよ!」

一方「3回だ……ラリーはサーブをしてない相手が打ち返してから1回って数えンだよ」

佐天「なんだ……3回か……」

滝壺「あくせられーたはなんでそんなに詳しいの?」

一方「さっき卓球の専門書読破したンだよ、お前らも暇があったら読ンどけ」

滝壺佐天「はーい」

一方「結構分かりやすく書いてンぞ」ハイ

佐天「へぇー、結構分厚いですね……えーと、なになに?」ペラ



『下回転のピン球がイボ高ラバーに当たったときのベクトルが……』



佐天「」

滝壺「」

一方「一回通しで読ンだだけで理解したわ、すげェ分かりやすい」ウン

気になって今さっき調べましたが、少し間違ってるようですね

サーブするときは手のひらをパッとするようにしてピン球を置きます
手の位置は台より外側
投げる高さは16cm以上
打つタイミングはピン球が頂点に達してからでした

申し訳ありませんでした

海原「(自分の名前は海原光貴)」

海原「(……というのは仮の姿……本名はエツァリというアステカの魔術師であったりします!)」

海原「(この前、妹のような師弟のような関係にあたるショチトルからこのようなことを言われました)」



ーー回想


エツァリ「これでいいですか、ショチトル?」

ショチトル「すっごーいお兄ちゃん! 中々蓋が開けられないジャム瓶を、中のジャムが飛び散るまで瓶を分解してくれたよ!」

エツァリ「このトラウィスカルパンテクウトリの槍があれば簡単なことですよ」

ショチトル「その、トラなんとかってやつ、まるで『ベイビィ・フェイス』みたいだね!」

ショチトル「ジョルノさんもびっくりして思わず成長しちゃうよ!」

エツァリ「そんなに褒めても何も出ませんよ」ハハ

ショチトル「ねぇ……エツァリお兄ちゃん……」モジモジ

エツァリ「ん?」

ショチトル「お兄ちゃんに頼みたいことがあるんだけど……」モジモジ

エツァリ「何ですか? このトラウィスカルパンテクウトリの槍があれば何でも出来るお兄ちゃんに言ってごらん?」

ショチトル「あのね……」



ショチトル「お兄ちゃんに、卓球を教えてもらいたいんだ……」



エツァリ「…………」

エツァリ「……え? は? 卓球?」

ショチトル「やっぱり……ダメ?」ジッ

エツァリ「うっ…………い、いいに決まってるでしょ!」

エツァリ「このトラウィスカルパンテクウトリの槍を持つ自分に出来ないことはないですから!」

ショチトル「本当か!?」パァ!

エツァリ「はい!」

エツァリ「(卓球なんて自分やったことないですけど……)」

ショチトル「やったー! ありがとうエツァリお兄ちゃん!」

エツァリ「……で、ですが、何故卓球をやろうと思ったんです?」

ショチトル「だ、だって……最近お兄ちゃんが忙しそうだから、息抜きになるかなって……」

ショチトル「それに……お兄ちゃんと卓球したかったし……」

エツァリ「ショチトル……」

エツァリ「分かりました、お兄ちゃんに任せなさい」

ショチトル「エツァリお兄ちゃん!」

エツァリ「……ですが、まず学園都市での用を済まさなければいけません」

ショチトル「……」

エツァリ「学園都市の用が終われば、そこでの卓球の用具と一緒に帰りますよ」

ショチトル「…!」

ショチトル「絶対……絶対だよ!」

エツァリ「えぇ、信じて下さい」



海原「(という訳で学園都市でゴチャゴチャした後、結局は簡単に学園都市を出られないようになりましだが……)」

海原「(何とか卓球する時間を見つけて専門書を読んだのですがよく分からなく、実際に実践をしようと思ってこのスポーツセンターに来たという訳です)」

受付人「高校生1人、2時間300円です」

海原「あ、はい、分かりました」チャリン



海原「(さて、スポーツウェア
に着替えましたし、早速やりにいきますか……)」

海原「(おっ、先客がいますね……数は3人……厚かましいとは分かっていますが、あの人達に教えてもらいましょう)」

海原「(ショチトル……お兄ちゃんは必ず約束を守ります……!)」

佐天「滝壺さん、やりましたね!」

滝壺「うん、さてん! 初めて10回いったね」

一方「ハン……」



??「あのー、すみません……」



一方「あ? なンだお前?」

海原「自分は海原光貴と言います」ニコニコ

一方「名前なンざ聞いちゃいねェよ、何の用だって言ってンだ」

海原「おっと失礼、自分はあなた達に卓球を教えて頂きたいと思いまして」

一方「……なンで俺達に」

海原「他意は無いですよ。ただあなた達が卓球をやっていたので、自分も混ぜてもらおうと」

一方「……教えるっつっても俺は打ったことすら無ェぞ、知識だけだ」

海原「構わないですよ、自分も本を読んだだけの知識ですし」オスシ

佐天「一方通行さん、だったら私が打ちますよ?」ハイ

一方「ラリー10回程度で調子に乗ンな、そもそもテメェはラケットの振り方すらなってねェだろォが」

佐天「」

一方「……まァ、俺も実践をしたかったしな……分かった、俺がやる」

海原「ありがとうございます」ニコリ

海原「3セットマッチでいいですか?」

一方「練習でもガチでもねェンだからよ、3セットは長ェ……1セットで十分だ」

海原「分かりました」

一方「主審、副審は……」チラ

滝壺「……?」

佐天「何ですか?」

一方「……コイツらには出来そォもねェから、俺らで話し合って決めるぞ」

海原「自分は構いませんよ」

滝壺佐天「!」



佐天「……滝壺さん、私達も勉強しましょう」

滝壺「そうだね……なんか悔しいよね……」

×セット
○ゲーム

一方「とりあえずラケット交換……っつってもこの施設のラケットだけどなァ」

海原「自分も同じですね、施設のラケットを借りてやります」

一方「じゃァ、ジャンケンだな」

滝壺「じゃんけん?」

海原「先攻後攻決めるジャンケンですよ」

滝壺「先攻後攻……やっぱり先攻の方が有利?」

一方「有利不利なンて関係無ェンじゃねェの?」

海原「最終的には実力で決まるらしいですね」

滝壺「……努力と才能?」

海原「そうですね、どんなスポーツでも最後にはそれが必要になります」

佐天「(努力……才能……)」

一方「テメェから先攻でいい」

海原「いいんですか?」

一方「さっきも言ったが、どっちでもいいンだよ、どォせどっちも型なンて決まってねェンだろォし」

滝壺「……型ってなに?」

海原「うーん……一言で言わせてもらうと、戦い方ですかね……」

一方「例えてやると、『速攻』なら台から離れず打ち合う型、『カットマン』ならカットっていうテクニックを使って相手のミスを誘う型だ」

佐天「なんかポケモンみたいですね」

海原「え?」

一方「あァー……物理耐久型とかな」

海原「え?」

滝壺「卓球にも役割理論があるの?」

海原「は?」

一方「そろそろ始めンぞ」

海原「分かりました」

佐天「(うーん……どっちも初めてって言ってるけど、なんかすごく経験者っぽく見えるなー……)」



海原「……では、行きます!」

海原はピン球を宙に上げ、サーブを打った

ラケットの面を上から下に叩きつけるだけの初心者丸出しのサーブ

海原「(……初めてですが上手くいきましたね!)」

一方「……」

一方通行もまるでスピードのないピン球を打ち返す

しかし、それは打つというよりはラケットの面を当てるだけの行為だった

一方「(……なるほどなァ)」

当然、当てただけのボールはパワーもスピードもなく、台の中央、コートの近くに落ちる

海原「!」

海原は、ある程度台の奥側、自分の近くにピン球が来ると思い込んでいたのだろう、慌ててボールを追いかける

しかしピン球は2バウンド目に入ろうとしていて、更に海原は卓球の足運びすら慣れていない

結果、海原はラケットは空を切り、ピン球は2バウンドしてしまった

例えこの場面を卓球を知らない者がどう見たとしても、お互い初心者同士の試合だろうと判断出来る

一方「……」

海原「0-1ですね……」

海原「では、また自分からサーブを……」

一方「いや、もォいい……」

海原「? ……どうしてですか?」

佐天「え? もう終わるんですか?!」

一方「こンな試合に何も得れるものなンてねェよ」

海原「ですが、実践を積み重ねるのは必要かと」

一方「確かに実践で学ぶことは大切だ、それはどンなスポーツにも共通する」

一方「だがそれはある程度の強さを持ってねェとならねェ、相手と同じ土俵に立ててからの話だ」

一方「俺達はまだ弱過ぎるンだよ」

佐天「……」

滝壺「……」

一方「俺達はルールを知っていただけで卓球の基本の動きすら出来てねェ」

一方「試合をする前に、基本が出来なきゃ試合にすらなンねェだろ」

海原「なるほど……」

海原「……ですが、自分達は一体何をすればいいんでしょう?」

一方「…………まずは、俺達より強いやつ……指導者が必要だな」

海原「指導者……ですか」

滝壺「あくせられーたは色々教えてくれるけどダメなの?」

一方「俺じゃ無理だ、所詮本で得た知識だけだらな」ハン

一方「経験の無ェやつが教えても、成長は遅くなるし変な癖もついちまう」

一方「だが実力のある経験者がそこにいるかいねェかで大分変わるンだよ」

海原「しかし……その経験者というのは、アテはあるのですか?」

一方「ハンッ! アテも無くこンなこと言わねェよ」

佐天「おぉ! さっすが一方通行さん!」

一方「だが……今日はもォ遅い、明日にすンぞ」

海原「そうですね、暗くなってきましたし」

一方「またスキルアウトに絡まれるかもしれねェしな」

佐天「うっ」グサ

滝壺「大丈夫、そんな佐天を次は龍騎辺りが助けてくれる」

佐天「あ! そうだ!」ピコン

海原「どうしたんですか?」

佐天「もしかしたら、これからも皆でこうやって集まるかもしれませんよね?!」

一方「そォですねー」

海原「え……?」

佐天「じゃあじゃあ、これからの為にも皆でアドレス交換しませんか?!」

一方「そォですねー」

滝壺「いいともー」

佐天「やった! じゃぁ早速……」

海原「あー……すみません……自分はここで辞退させていただきます」

佐天「えぇっ! なんでですか!?」

海原「え〜と……実はこれから少し用事がありまして……」

海原「(というよりこのまま油を売っていたら暗部の人達にどやされそうですしね……)」

佐天「えぇー……そんなぁ……」

滝壺「残念だね……」

海原「すみません……」

一方「全くだな……」

一方「メンバー見つけて、練習して、練習試合として常盤台辺りから当たろうと思ってたのによォ……」

海原「すみま…………え?」

海原「………………え? 常盤台?」ガタッ

一方「……まァ、別に強制はするつもりは無ェンだからよ、変に気使ってンじゃ……」

海原「今さっき常盤台って言いませんでしたか!?」

一方「候補の一つだがなァ」ウン

佐天「そういえば……確か御坂さんが卓球部に入っていたような……」

海原「御坂さんが?! やります!!!」

一方「……ハン」

佐天「あれ? 用事があるとか言ってなかったですか?」

海原「は? 用事? そんなもの無いですよ?」

佐天「え?」



滝壺「……これで大丈夫?」カチカチカチ

佐天「はい! これで皆とアドレス交換出来ましたね!」ピッピッ

海原「では、用があれば連絡して下さい。特に常盤台関係ならすぐに駆けつけます」

一方「あァ……ンじゃ、今日はこれで解散でェ」

「「「はーい」」」

>>63
うわああ!
指摘ありがとうございます!

ーー研究所


一方「……」ガチャ

打ち止め「あなたが帰ってきたー! おかえりー! ってミサカはミサカはそう言いながらあなたにダイブッ!!」ピョン

一方「踏込みが甘ェ、ジャンプ力が足りねェ、0点、反射だァ」ピキーン!

打ち止め「グハァッ!?」バチーン!

一方「そンなンじゃラディッツさンにも勝てねェぞ、ピッコロさンと一から修行してこい」

打ち止め「ラディッツさんって……誰だよ……ってミサカはミサカは最後の力を振り絞って言ってみたり……」ガク

天井「……帰ってきたのか一方通行…………ってうわぁあっ!!」

打ち止め「……」チーン

天井「な、何をやってるんだ! 最終信号は安静にしていなきゃいけないのを分かっているのか!」

一方「でェじょォぶだ、ヤツにもサイヤ人の血が流れてるンだからな」

天井「……は?」

ーー個別サロン


滝壺「ただいま」ガチャ

絹旗「おかえりなさい! 滝壺さん!」

フレンダ「おかえり滝壺!」

麦野「随分遅かったわね」

滝壺「うん、みんなに色々教えてもらったから」

麦野「そう……よかったわね」

絹旗「みんなって超誰ですか?」

滝壺「みんなはみんなだよ、今日出会った人達」

絹旗「それが誰なのか超知りませんが、悪い人達ではありませんでしたか?」

滝壺「うん、みんないい人達だったよ」

麦野「……」ホッ

絹旗「そうですか、超良かったですね!」

麦野「……まぁ、良くして貰ってるのならあんまり迷惑かけたら駄目よ」

滝壺「うん」

フレンダ「……結局、麦野は心配し過ぎって訳よ」

ーー柵川中学の寮


初春『ーーそれで、その人達に着いて行っちゃったんですか?!』

佐天「うん、それからその人達に卓球を教えてもらったんだ」

初春『だ、大丈夫なんですか?! 知らない人達ばかりなんですよ!』

佐天「うーん……でも助けて貰ったし、それに……」

初春『それに?』

佐天「あの人達、悪い人じゃなさそうだし」

初春『そうですか……佐天さんがそこまで言うのなら……』

佐天「ごめんね初春、心配かけちゃって」

初春『いえ……でも、もし万が一の事があったら私か白井さんに連絡して下さい!』

初春『今日話してくれたスキルアウトの一件がまた起こるかもしれないですし』

佐天「うん、分かった……ありがと」

ーー次の日


海原「すみません……自分が最後ですね……」

滝壺「大丈夫、私達も今来たところ」

一方「全員揃ったな」

佐天「一方通行さん、今日は昨日言ってた人と会うんですよね?」

一方「あァ? 何だァ?」

海原「確か卓球の経験者を紹介してくれるとか……」

滝壺「(学園都市でレベル5の第一位……一体どんな人を連れて来るんだろう……)」

一方「あァー……悪ィ、ありゃ嘘だ」

佐天「……」

海原「……」

滝壺「……」

佐天海原「嘘ォッ?!」

海原「う、嘘?! 嘘って何ですか!?」

佐天「あんな思わせぶりに大口叩いてたのにっ?!」

一方「正直言ったらアテもなく虚言してたわ」

佐天海原「」

一方「いや、ホントはよォ、流石にお前らに悪ィと思って昨日探したンだけど、さっぱりピーマンだったわ」

佐天「(さっぱりピーマンってオッサンかよアンタわ……)」

海原「……言葉が出ないですね」

佐天「レベル5の面目丸潰れじゃないですかー……」

一方「堅ェこと言うな、俺もお前と同じ人間ってことでェ」ダラー

滝壺「じゃあ今日は指導してくれる経験者を探しに行くの?」

一方「あァ、あたり前田のクラッカー」

佐天「……」

一方「ンじゃ、俺と海原で第七学区の方探しに行くから」

滝壺「じゃあ私達は第一○学区の方に行くね」

佐天「集合時間は夕方頃ですよね?」

一方「あァ」

海原「では早速行きましょう」

一方「…………あ? 何仕切ってンだよ」

海原「おっと……これはすみません」

佐天「生意気ですね……」

滝壺「……うなばら、一番下の癖に偉そう」

海原「」

海原「(え? なんでいきなり厳しくなったんですか?)」

ーー第一○学区



アニェーゼ「……」プンスカ!

アニェーゼ「(なんでシスタールチアも、シスターアンジェレネも分かってくれねえんですかねえ!)」プンスカ!

アニェーゼ「(スポーツの中じゃ卓球が一番面白いって何度も言ってるって言うのに!)」

アニェーゼ「(なのにあの二人は卓球しないで寝て食って祈ってばかり! それだから魔術は古臭いって言われてるんですよ!)」

アニェーゼ「(こうなったら、私が卓球にどれだけ本気なのか見せつける為に)」

アニェーゼ「(半年後に学園都市で開催されると言う卓球大会に出て、ちょっくら優勝してきましょうか!)」

アニェーゼ「(……というわけで、今や卓球の聖地と呼ばれるこの学園都市に来ちまったと言う訳ですが)」

アニェーゼ「(……来たはいいものの、一体何をどうすればいいんですかねぇ)」ウーン

佐天「全然、見つかりませんねー……」トボトボ

滝壺「そもそもどうやって見つけたらいいんだろ?」

佐天「うーん……一人一人に『卓球上手な人探してるんですけど、もしよければ私達に指導していただけませんか?』って言うしかないのかな……?」

滝壺「さてん……その方法は数ある中で、すごく大変な方法だよ?」

佐天「まぁ、卓球やってるところ見れば早いんですけどね……」

滝壺「さすがに街中でラケット振り回す人なんていないからね……」

佐天「あーあ……私達の目の前で突然のトラブルに颯爽と現れ、卓球のラケット一つで全て解決する人とかいないかなー」

滝壺「そんな都合のいい人なんていないよ」



アニェーゼ「……」ウーンウーン

アニェーゼ「(どうしたものか、どうしたものか……)」テクテク

滝壺「……」テクテク

佐天「……あれ?」

滝壺「どうしたの?」

佐天「あの人、ラケットとピン球持ち歩いてましたよ?」

滝壺「え?」



女の子「わーい! ふうせーん!」トテテテテ

不良「……」ドカドカ

女の子「きゃあっ!」ドン

不良「気ぃつけろクソガキ!」

女の子「ひっ!」

女の子「あ! 風船が!」

風船< ヒュー



滝壺「あ、風船が木に引っかかった」

佐天「……」ムッ

佐天「ちょ、ちょっと待ってくだs……」



アニェーゼ「ちょっと待ってくれませんかねえ!!」



佐天「」

滝壺「」

不良「あぁ?!」

アニェーゼ「ハッ! 最近の若者は老人どころかこんな小さな女の子にも優しく出来ねぇんですか?」

不良「なんだテメェ?!」

アニェーゼ「何だかんだと言われたら…………いえ、一人だと面白くないですね」

アニェーゼ「そうですね……私は通りすがりのシスターってやつですかね」

不良「シスターだぁ?」

アニェーゼ「っと、その前に……」

女の子「……え?」

アニェーゼ「まずは風船を取ってあげねえとですね」ニコ

女の子「……!」

滝壺「風船……? あんな高さの木の……?」

佐天「無理だよ……あの子の身長の2倍以上はある……」

アニェーゼ「……そこのあなた達」

アニェーゼ「無理だ無理だと言ってる内は実行してねえからです。まずは実行しねえと分からねえですよ」

佐天「……」

滝壺「……」

アニェーゼ「方法なんていくらでもあるじゃねえですか……例えばこのピン球を使うとか」クルクル

佐天「ピン球……?」

アニェーゼ「回転には無限の可能性があるってやつです」ニヤ

アニェーゼ「うおおおお!!」ブン!

佐天「……! ピン球が物凄い回転をしながら風船に向かって真っ直ぐ飛んで行く!」

滝壺「風船に当たった!」

彼女達の言う通り、アニェーゼが回転させたピン球は風船に向かって飛んで行き、そして風船と接触した。

だが、ピン球は風船の弾力によって弾かれることもなく、そのまま接触した状態で回転をしていた

佐天「すごい……! 風船に当たったまま回転している!」

滝壺「よく見たらそのピン球の回転によって、風船も回転していってる……」

ピン球はまるで歯車のように自身と風船を回転させ、そして高度を少しずつ下げていった



アニェーゼ「……よっと」

アニェーゼ「はい、風船です」

女の子「ありがどう!」

佐天「(ぴ、ピン球の回転だけで……!)」

アニェーゼ「次はそこのマナーの悪い青少年の番ですね」

不良「あぁ!?」

不良「たかがピン球で風船取ったぐらいでイキがってんじゃねえぞ!」

アニェーゼ「イキがってんのはあんたの方じゃねえんですかァッ!?」

不良「ッ!」

アニェーゼ「……古来、ピン球はとある王国では処刑執行人がピン球の回転で罪人にリラックスさせ、楽に逝けるように作られた物です」

不良「……」ゾク

アニェーゼ「まだあの世に行きたくねえっていうんなら、とっとと失せた方が身の為ですよ?」

不良「……クッ! 覚えてろよ!」



滝壺「すごい、ラケットじゃなかったけどピン球一つで全て解決しちゃった……」

佐天「ピン球って処刑に使われる道具だったんだ……」

滝壺「さてん……それ大嘘だよ」

佐天「……」

佐天「(……なんか最近嘘を聞くのが多くなった気がする)」

アニェーゼ「ふぅ……では、あなたも気をつけて歩いて下さいね」

少女「うん! ありがとう!」

アニェーゼ「……さて」

アニェーゼ「(これからどうしたらいいんですかねえ……)」

佐天「あの!」

滝壺「……」

アニェーゼ「あなた達まだいたんですか?」

佐天「あの……いきなりですみませんが、もしかして卓球やってるんですか?」

アニェーゼ「あー、これのことですか……」

アニェーゼ「まぁ、自慢じゃないですがシスターの中じゃ一番にやってると言っていいぐらいはやってますね」フフン

滝壺「(……シスターがどれだけ卓球をやるのか基準が分からないけど)」

佐天「じゃ、じゃあ!」



佐天「私達と卓球しませんか?!」


.

亀レスとか言ってどんだけ亀やねんっていう
本当に申し訳ない、なんとか三日までには投下『しました』!

ーー夕方頃


アニェーゼ「……なるほど。つまり指導者がいないので、私に頼んだというわけですか」

佐天「はい! だからアニェーゼさんが引き受けてくれてすごく助かります!」

アニェーゼ「まぁ、私もちょうど誰とも組んでいなかったですしね」

アニェーゼ「……で、ここに連れて来られたのはいいんですが、私達は一体誰を待っているんですか?」

滝壺「見た目だけで言ったら、白くて瞳が赤い人と普通の人」

アニェーゼ「それは人なんですか? ウサギの間違いじゃねえんですか?」

滝壺「大丈夫だよ、もうすぐ来る」

アニェーゼ「もうすぐ、ねぇ……」



一方海原「おーい!」ブンブン



滝壺「あ、あくせられーたとうなばらだ」

アニェーゼ「あの人達ですか? 本当に白いんですねえ……」

佐天「う、うん……」

佐天「(なんかいつもとテンションが違う……)」

一方海原「おーい!」キラキラ

佐天「(うわー、すっごい笑顔だー……)」

アニェーゼ「……なんていうか、テンションがすげえですね」

一方「うェーい!」

海原「見つけましたよー!」

佐天「な、何がですか?」

一方「エッーイ!」

海原「何がですかって? 共に卓球をする人ですよ!」

滝壺「ってことは、うなばら達も指導者を見つけたの?」

海原「え?」

滝壺「え?」

一方「……まァ、指導者って言うよりは初心者だがなァ」

滝壺「え?」

佐天「……全然だめじゃないですか」

アニェーゼ「この人が佐天の言ってた人ですか……」

一方「なンだァこのガキは?」

アニェーゼ「なんだとは失礼ですね、私はあなた達の指導者になってやろうとしてるんですよ? ウサギさん?」

一方「あァ!?」

アニェーゼ「なんですか!?」

佐天「ま、まぁまぁ! それより一方通行さんが連れて来た人はどこにいるんですか?」

一方「あァー……そうだった」

一方「おォーい! こっちだァッ!」



??「おー! そこにいたのかー!?」

??「根性ダーシュッ!!」ダダダ!



佐天「な、なんですか……?」

アニェーゼ「は、速い……! 時速何km出てるんですか?!」

滝壺「あ、あれは……?」



削板「おぉーい!」ブンブン!



アニェーゼ「今度はすげえ白いやつが来ました!?」

佐天「白い鉢巻に白ラン……只者では無いことは確かですね……」

滝壺「(たしかあの人……レベル5だったはず……)」

削板「一方通行! 海原! こんなところにいたのか!?」

海原「すみません、つい」

一方「悪ィ、でもオマエすぐどっか行くもン」

削板「そうか! 俺も悪かった!」

佐天「……」

佐天「……な、なんですかこの人?」

海原「あぁ、この人は」

削板「根性がねえな、人にモノ尋ねる前にまずは自分の事から話すんじゃねえのか?」

佐天「むっ」

佐天「私は佐天涙子です、あなたはどこのだれですか!」

削板「俺は削板軍覇だ、レベル5の第七位だがそういう小さい事は気にしないでくれ」

佐天「」

滝壺「(やっぱり……)」

アニェーゼ「レベル5?」

一方「あァ? まだいたンですかァ?」

アニェーゼ「そちらこそ、ウサギは寂しいと死んじまうからですか?」

一方「なンだァ? へンちくりンな格好したじゃりンこガールが何か言ってンぞ」

海原「まぁまぁ……」

削板「この二人は何をいがみ合ってるんだ?」

滝壺「さぁ……」



佐天「指導者もメンバーも集まりましたね!」

一方「あァ……これでやっと六人になったな」

滝壺「? ……六人だったら何があるの?」

アニェーゼ「卓球の団体戦では六人で1チームなんですよ」

海原「では、これで自分達は団体戦のチームが出来たという訳ですね」

削板「なるほど! それでこれからどうするんだ?」

佐天「やっぱり練習じゃないんですか?」

滝壺「いや、もうこんな時間だし、そろそろ帰った方がいいと思う」

一方「そォだな、だが明日から練習だ……初めてちゃンとした練習するンだ、気合入れていくぞ」

佐天滝壺海原「はい!」

アニェーゼ「……」

削板「なんだ? 今日はやらないのか? 根性がねえな」

一方「うっさァ」

ーー研究所


一方「……」

打ち止め「踏み込み……ジャンプ…………よしっ!」

打ち止め「おかえりー!! ってミサカはミサカは万全の体制であなたに飛びついてみたりいいいい!!!」バッ!

一方「反射ァ」ピキーン!

打ち止め「ぶへらっ!!」ベチーン!

打ち止め「な、なんで……? ってミサカはミサカは……」ガクガク

一方「俺に飛びつきたかったら、俺の体に触れる瞬間に体を反対方向に引かねェとなァ……」

打ち止め「そんな……無茶な……」バタッ

天井「帰ってきたか……ってうおおおっ!! またかよ!」

一方「腹減ったァ、メシィ」

天井「やっぱ全然反省してないだろ?!」

打ち止め「ねえねえ、今日も卓球してきたの? ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

一方「今日は卓球はやってねェ、メンバー探してたンだよ」

打ち止め「め、メンバー?! ってミサカはミサカは驚いてみたり!」

打ち止め「(あれ?! ミサカに教えてくれる為に卓球してくれるんじゃなかったっけ?!)」

一方「メンバーも揃ったし、ガチでやっていかねェとなァ……」

打ち止め「(あるぇ? この人普通に楽しもうとしてるー、ってミサカはミサカは作戦失敗で自暴自棄になってみたりー)」

天井「……よし、飯が出来たぞ」コト

打ち止め「げぇ! またにゅうめん!」

一方「……昼もそうめん使ったペペロンチーノだったよなァ」

天井「仕方ないだろ! 金が無いんだ! だから飽きないようにレパートリーを増やしてやってるだろ!」

打ち止め「もうそうめんっていう具材には飽きたよ、ってミサカはミサカは元も子も無い事を言ってみたり」

一方「スポーツカー買って、タケコプター作ってるからこォなンだよ」

打ち止め「衣食住の『食』を疎かにするまで……ってミサカはミサカは男のロマンがよく分からない」

天井「う、うるさい!」

ーー翌日


一方「集まったみてェだな」

佐天「メンバーも6人! 今日はやっとちゃんとした練習が出来るんですね!」

滝壺「そうだね」ウン

アニェーゼ「指導者として引き受けた以上は、ビシバシとやってやりますからね」

一方「ハンッ!」

アニェーゼ「一応聞いておきますが、具体的には何を目標でやっていくんですか?」

海原「(目標……まぁ、それなりに卓球が出来てればいいんですけどね、ショチトルにも悪いし)」

削板「全国制覇! 全国制覇だ!」

一方「……とりあえず学園都市卓球大会に優勝するぐれェにはならねェとな」

佐天「そういえば御坂さんもその大会に向けて猛特訓してるそうですよ」

海原「自分も学園都市卓球大会に優勝するレベルにいきたいです!」

海原「(御坂さん! 自分、頑張ります!)」

アニェーゼ「最初は小さい目標をコツコツと積み重ねて行くのが普通なんですけどね」

一方「チンタラやってたら間に合わねェだろ」

佐天「確か大会まであと半年ぐらいでしたっけ?」

アニェーゼ「その間にどれだけ強くなれるかってところですからね」

滝壺「結構時間足りないね……」

海原「結構どころか全然っていうぐらいですね」

佐天「うーん……これからどうしたらいいんでしょうか?」

削板「……ったく最初から思ってはいたが、本ッ当に根性がねえな」

佐天「え?」

削板「まだ始まってもいねえのに、時間が足りねえなんて根性のかけらもねえな」

佐天「で、でも実際本当に時間が足りないじゃないですか!」

削板「そういうのはまずはやってから言うもんだろ? それで足りねえんだったら根性で足りるようにするしかねえ」

佐天「……」

一方「まァ、この時間が一番無駄なンですけどねェ」

佐天「え?」

一方「つゥ訳で早速移動だァ!」

ーースポーツセンター


ドダダダ!

削板「着いた!」

受付係「い、いらっしゃいませー」

ドダドダドダダダ!

海原「大人三人!」ダッ!

佐天「中学生三人!」ダッ!

アニェーゼ「時間は四時間!」ダッ!

滝壺「はい、お金」チャリーン

一方「エッーイ!」バッ!



受付係「」

受付係「……」

受付係「へ?」

アニェーゼ「ではとっとと練習しちまいますよ!」

全員「はい!」

アニェーゼ「とりあえず、あなた達の実力知りたいですから……」

アニェーゼ「海原! 一方通行!」

海原「はい!」

アニェーゼ「適当にラリーやってくれませんか?」

海原「わかりました!」

一方「行くぞ海原ァ!」カーン

海原「えい!」コーン

一方「そら!」カーン

海原「てい!」コーン



アニェーゼ「なるほど……あなた達の実力は十分わかりました」

海原「どうでしたか?」フゥ

アニェーゼ「下手中の下手、よく卓球やろうと思いましたね」

海原「ですよねー……」

一方「ンなこと百も承知だ」

滝壺「それで、私達が強くなる為にやることは?」

佐天「教えて下さい!」

アニェーゼ「そうですね……とりあえずはひたすらラリーをやっとくしかないですね」

滝壺「ずっとラリーをやってればいいの?」

アニェーゼ「まあ、そうなっちまいますね」

佐天「大体どれくらいやるんですか?」

アニェーゼ「軽く100回ぐらいはやってくれないと話にならねえですね」

海原「え? 100?」

アニェーゼ「100」ウン

海原「」

一方「ゴタゴタ言ってねェでとっととやンぞ」

一方「オラ」カーン

海原「それ」コーン

アニェーゼ「ラケットの振り方は敬礼を意識する感じで!」



佐天「えい」カン

滝壺「ん」コン

アニェーゼ「もっと腰を落として! 前屈みになるように!」



削板「ふん!」ガキーン!

アニェーゼ「力入れ過ぎです! 相手の台に球を入れねえと始まらねえですよ!」

削板「球があんな遠くにいってしまった……」タタタッ

アニェーゼ「ピン球なんて拾いに行ってる暇なんてねえです! ピン球は常に10球以上は手元に置いといて下さい!」

一方「……」カン

海原「……中々打ちにくいですね」コン

一方「だが、前より球が速く打てるよォになったな」カン



佐天「それ」カン

滝壺「ん」コン

佐天「結構動き易いですね」カン

滝壺「そうだね、あと集中しやすくなった気がする」コン



削板「ふん!」カーン

アニェーゼ「おっ、やっと球がこっちに来ましたね」コン

アニェーゼ「ですが、球が高過ぎます。ネットの10cm以下を目指して打ってみて下さい」

アニェーゼ「今思ったのですが、このピン球壊れにくいんですね」

一方「あ? KIHARAが作ってんだから壊れにくいだろォよ」ウン

アニェーゼ「KIHARA?」

滝壺「あ、そっか、あにぇーぜは外から来たから知らないんだ」

アニェーゼ「……だからそのKIHARAってのはなんなんですか?」

佐天「KIHARAっていうのは学園都市の最先端の科学技術を用いたスポーツ関連商品を扱ってる会社です」

アニェーゼ「(出た……学園都市の最先端の科学技術……)」

海原「その特徴は、使い易い壊れにくいというのもありますが、やはり最大の特徴と言えば能力使用可での試合が出来るようになったことですね」

アニェーゼ「能力使用可の試合? もう訳がわかんねえですね」

一方「学園都市には能力を使えるやつがいるンだよ……ブワァーって電気出したりよォ」

一方「そンでその能力をどンなスポーツでも、なンか…使えるよォになったらしィンだってさ」

アニェーゼ「なるほど、よくわかんねえですが、とりあえず一方通行の説明だけすげえ適当ですね」

削板「俺もよくわかんねえから、実際にやってくれねえか?」

一方「」エー

アニェーゼ「そんな露骨に嫌な顔しねえでくださいよ」

一方「この中で能力者は手を挙げて下さァい」ハイ

滝壺「…」スッ

削板「ん」スッ

佐天「……」

海原「(まぁ自分は魔術ですしねー)」

一方「どンな能力ですかァ?」ハイ

滝壺「一度記憶したAIM拡散力場の持ち主をずっと追い続けれます」

削板「よく分からんがなんかすごいことが出来ます!」

一方「削板は置いといて……スポーツに使えなさそォだな」

佐天「一方通行はどんな能力なんです?」

一方「ありとあらゆるベクトルを操作する能力でェす」

アニェーゼ「……?」

滝壺「(いきなり能力とか言われてもよく分からない……そんな感じだね)」

佐天「……? ベクトル?」

滝壺「(……中学生ってベクトル習ってるのかな?)」

一方「たしかにオマエには百聞は一見に如かずですねェ」

アニェーゼ「うるせえですね、やるならとっととやってくれませんか?」

一方「ンじゃ早く台に立ってろ」



一方「とりあえず最初は普通の上回転で打つぞ」

アニェーゼ「いいですよ」



佐天滝壺「上回転?」

削板「なんだそれ?」

海原「ボールを自分から見て上方向に回転している球です。普通に返すと上に跳びますよ」

佐天「……む、難しい」

海原「別に特別な技術ではありません。ボールに対してラケットを上に振りながら当てれば誰でも簡単に出来ます」



一方「……行くぞ」ポーン

一方「…」カン

アニェーゼ「(……初心者丸出しの上回転ですね)」

アニェーゼ「(ボールをラバーに擦ることもなく、ただ当ててるだけ。ラケットも斜めじゃなく真正面を向いているからスピードも出てねえですね)」

アニェーゼはラケットの面を真正面にして迎え打つ

ラケットに当たったピン球はアニェーゼの目線の高さまで上がった

アニェーゼ「…」ポーン

アニェーゼ「一応上回転ですね」

一方「次、能力使うぞ」

一方「……」ポーン

一方「…オラ!」カン!

アニェーゼ「…」

アニェーゼ「(さっきとは少し違いますね、フォームこそはほとんど同じですがスピードが速くなってやがります)」

アニェーゼ「(しかし能力を使ったと言ってもただ速くなっただけですか、拍子抜けですね)」フン

アニェーゼは一方通行のサーブをさっきと同じように打とうとした

アニェーゼ「ッ?!」

ピン球はアニェーゼのラケットに当たった瞬間、アニェーゼの頭上よりはるか上空まで跳んだ

ピン球は天井近くまで跳び、そして速度が弱まっていくにつれ、重力に逆らうことなく落ちてきた

アニェーゼ「(な、なんですかあの球は!? どんだけ回転がかかってやがるんですか!!)」

一方「ハン」

アニェーゼ「……これが、能力を使ったってやつですか」

一方「あァ……ベクトルをピン球の回転に集中させたサーブだ」

アニェーゼ「……」



佐天「す、すごい! ピン球が天井に届きそうなくらい跳んだ!」

海原「(これがベクトルを変換させる能力ですか……間近で見るのは初めてですね)」

滝壺「(……学園都市レベル5の第一位)」

削板「うおぉー! すげー跳んだな!!」

海原「(しかしすごいと言えば、あんな回転にも耐えきれるラバーもすごいですね……おそるべし学園都市……)」

アニェーゼ「……極端なことを言ってしまいますが、その能力を使えば練習なんていらねえんじゃねえんですか?」

一方「あァー……それは無理だな」

アニェーゼ「え? 何でですか?」

一方「学園都市の卓球には少しルールが違っててよ……そォいや、あいつらにも説明しなきゃなンねェな」

アニェーゼ「学園都市のルール……ですか」

一方「はい全員集合!」ハイ



一方「これから学園都市の卓球のルールを説明しまァす」

全員「はーい」

一方「まず、卓球の基本ルールは全く変わりませン。そのうえで特殊なルールがいくつか増えます」

佐天「なるほど」

一方「その内の一つは能力の使用制限だ」

削板「使用制限?」

一方「どンな能力者も一回の試合に使える能力の回数は三回だ。三回使うと能力の使用が出来なくなる」

アニェーゼ「一回の試合に三回って言うのは、その試合に3ゲームあるとすれば3ゲーム全体で三回っていうことですか?」

一方「あァ、1ゲーム内で能力を二回使えば、残りのゲームは後一回しか使えねェってことだな」

一方「で、能力を使用出来る時間は1秒だけだ、1秒以上経つとその時に使っている能力は強制的に解除されてしまう」

アニェーゼ「あれ? ちょっと思ったんですが、いくら1秒三回とか言ってもインチキとか何でも出来るんじゃねえんですか?」

一方「あァー、多分無理だ」

アニェーゼ「?」

海原「確か、試合の時に使うKIHARA製の装飾品がそれを感知して強制的に解除するんでしたよね?」

一方「ン。俺も仕組みは分かンねェが、KIHARA製が能力を使えるよォにして、そしてそれを制限したから学園都市を代表するスポーツメイカーになったンじゃねェの?」

滝壺「なるほど……」

佐天「……」スースー

削板「グー…ガー…」zzz

一方「寝てンじゃねェ」バシバシ

佐天「ッ!」ビク!

削板「うぉっ?!」ビクゥ!

一方「次はレベルの差とゲーム開始時の点数だな」

一方「簡単に言うと試合開始時に相手と自分のレベル差だけ、レベルの低いやつに点数が貰える」

アニェーゼ「???」

一方「あー……例えば滝壺と削板が試合するとき『滝壺のレベルは4』で『削板のレベルは5』」

一方「二人の『レベル差は1』だから、レベルの低い方の滝壺に1点貰える」

削板「」プシュー

滝壺「そぎいた、算数の話だよ。数学にも入ってないよ」

アニェーゼ「なるほど……同じレベル同士が試合すると差は0で、どちらも0点から始まるってことですか?」

一方「あァ……レベル0でもレベル5相手に5点も貰えンだ、十分勝機はある」

佐天「……」

アニェーゼ「……ちょっと待ってください。そのレベルの差の点を貰えるのは最初の1ゲームだけですか?」

一方「いや、ゲームが開始される度に点が貰える」

アニェーゼ「(エグいですね……いや、それぐらい超能力っていうやつがチートなんでしょう……)」

海原「これで終わりですね」

アニェーゼ「……ただでさえ卓球のルールは細けぇんですのに、余計ややこしくなっちまいましたね」フゥ

一方「あァ、そォいやもォいっこルールがあったな」

佐天「まだあるんですか……」

一方「まァほとンど俺らには関係無ェが、覚えとかねェとならねェことだな」

アニェーゼ「なんでもいいんで教えてください。私は学園都市について何にも知らねえんで」



一方「能力には物体を地点Aから地点Bまで、瞬間移動することが出来る能力がある」

アニェーゼ「???」

佐天「テレポートですよね?」ハイ

一方「あァ」

アニェーゼ「???」

佐天「ようするに、物や人や自らを好きな場所に一瞬で移動出来るんです」

アニェーゼ「へぇ〜、便利な能力ですね」

削板「佐天のくせに詳しいじゃねえか」

佐天「くせにってなんですか……私の友人がレベル4の『空間移動』なんです」フン

ミス
>>126にこれを差し込んで下さい


一方「次はレベル差と試合開始時の点数差だな」

アニェーゼ「……まだあるんですか?」エー

海原「おそらくこれで最後だと想いますよ」

一方「これでも大分端折ってる方だからな」

アニェーゼ「え?」

海原「本当ですよ」ウン



一方「能力にはレベルっていうのが0から5まで存在する」

海原「確か、スプーン曲げでレベル1でしたよね?」

滝壺「日常で便利だなって思うくらいならレベル3」

佐天「私はレベル0ですからレベルがある人は羨ましいなーって思いますね」

アニェーゼ「レベル0は能力が無えんですか?」

一方「いや、あるやつはあるが微々たるもンだ」

一方「でェ、そォいう能力者は能力を使うときに注意する点がある」

アニェーゼ「なんですか?」

一方「ピン球に対して能力を使ってはいけない、いや使うことが出来ない」

アニェーゼ「……またKIHARA製のアレですか?」

一方「よく知ってンじゃねェか」

アニェーゼ「あれだけ聞きましたからね……予想がつきますよ……」

滝壺「……使うことが出来ないってどういうこと?」

アニェーゼ「KIHARA製がそういう風に作ったんじゃねぇんですか?」

一方「あァ、だが自分自身に能力を使うことは出来る」

滝壺「なるほど」

一方「後は当たり前だと思うが、能力を使っての妨害行為は禁止な」



アニェーゼ「……まぁなんとか頭に叩き込みましたよ」

佐天「私は……まだ曖昧ですね……」

削板「」プッシュー

海原「一応新しいルールをこの紙に箇条書きで書きましたよ」

滝壺「さすがうなばら」

佐天「えーと、これですね……」



・能力者は能力を一試合につき3回まで使用出来る

・能力者の能力使用時間は1回につき1秒間まで

・相手選手への妨害行為を目的とした能力の使用は禁止とする

・レベルの違う者が試合する場合、レベルの差の分をレベルの低い者に点数を与える

(例) レベル5とレベル3が試合する時
(レベル5)-(レベル3)=2
よってレベル3の者に2点入った状態からゲームが始まる

・なお、ゲームが始まる度にレベルの低い者にレベルの差の点数が与えられる

・空間移動能力者はピン球を対象に能力を使えない

滝壺「分かりやすいよ、うなばら」

アニェーゼ「へぇ〜……これなら覚えれそうですね」

佐天「」プシュー

削板「」プシュー

海原「分からないことがあれば、自分か一方通行に質問してください」

一方「って言ってるが、俺はダルいからオマエらしっかり覚えとけよ」

アニェーゼ「さっきまで元気に説明してくれてたくせにどうなってんですか……?」



アニェーゼ「説明で結構時間を使ってしまいました、残りの時間で猛練習しますよ!」

全員「「「「はいっ!」」」」

一方「…」

アニェーゼ「(ダルそうだと思ったら、今度は真剣になってやがります……訳がわかんねえですね)」

海原「ッ! すみません!」カーン

一方「クッ!」カッ

アニェーゼ「しっかりコントロールしねえと相手が打ちにくいですよ!」



佐天「えい!」カン

滝壺「……あ」コーンコーン…

アニェーゼ「もっと足を動かしてください!」



削板「ふん!」カキーン!

アニェーゼ「力の入れ方とラケットの角度を体で覚えてください! そうすれば下手に飛ぶことはねえですよ!」

削板「どうやって覚えるんだ?」

アニェーゼ「何百回も何千回も打ってりゃそのうち身に染み付きます」

削板「要は根性ってことか!?」

アニェーゼ「はい!」ニッ

ーー二時間後


削板「オラァ!」カン

アニェーゼ「きゅじゅうはちッ!」コン

削板「フンッ!!」カン

アニェーゼ「きゅうじゅうきゅう!!」コン

削板「うぉおおおお!!」カン

アニェーゼ「ひゃくッ!!!」コン

削板「ハァ……ハァ……よしッ!!」グッ

アニェーゼ「……やりましたね」

一方「これで全員100回ラリー出来たな」

海原「正直、100回は無理だと思っていました……」

アニェーゼ「それでも、やってみなきゃわかんねえもんですよ」

海原「そうですね」

佐天「……」ドクッドクッ

佐天「(なんだろう……この感覚)」

佐天「(私達の目標は『大会で優勝すること』……)」

佐天「(それに比べれば本当に小さいことだけど、私達は『一日で100回ラリーをする』っていう目標を達成した……!)」

佐天「……!」ドキドキ

滝壺「(卓球っていうのは、全然動かずに体力が無くても出来るスポーツだと思ってた……)」ハァハァ

滝壺「(だけど違う……むしろ足が鍵になってるスポーツだ……動かなければピン球に触れられない)」ハァハァ

滝壺「(すごくしんどいし、すごく疲れるけど……なんだか……すごく気分がいい)」



海原「(卓球ってのは所詮スポーツだと思っていましたが、中々面白いですね)」

海原「(……特に回転、回転を駆使することで戦略の幅が拡がっていきます)」

海原「(これはショチトルに教える為にも、もっと知っていなければなりませんね)」ウン



アニェーゼ「(……スジはありますね)」

アニェーゼ「(初心者が一日でラリーを100回するってのは流石に驚きましたが……それほど素質があるということですかね)」

アニェーゼ「(終始、削板とラリーをしましたが……中々クセのあるやつでした)」

アニェーゼ「(……それと、能力というのを使ったルール……おそらくこれを制さなければ、試合には絶対勝てねえでしょう)」

アニェーゼ「(……私もあいつらに教えてもらわねえといけねえことがあるみたいですね)」

アニェーゼ「今日はこれで終わりです」

全員「「「っした!」」」



ーー帰り道


一方「……」スタスタ

佐天「あ、一方通行も帰り道こっちなんですね」タッタッ

一方「……あ?」

佐天「帰り道が同じだとなんだか安心します」

一方「また絡まれるかもしンねェからなァ?」

佐天「なッ!」

一方「ンなことより、練習はどォだった?」

佐天「どうだったって……?」

一方「感想だ」

佐天「あぁ…………結構疲れましたねー、卓球って案外疲れるんですね」

一方「……」

佐天「まぁ、でもそれ以上に楽しいですけどねー」ニコ

一方「……ハン」

佐天「……けど、毎日はキツイですね……あ、いえ卓球自体がキツイってことじゃないんですけど」

一方「……」

佐天「ただ、一々スポーツセンターに行くのが……少し遠いですし……あと一方通行達に毎回奢ってもらってるのも……」

佐天「ハッ……す、すみません! 今の聞かなかったことに……」

一方「あァ? じゃァオマエが毎回奢ってくれンのかァ?」

佐天「い、いえ……それは……」

一方「冗談だ…………俺が無理に誘ったンだからよ、オマエは何にも気にすンな」

一方「気になることがあれば気にせず全部俺に言え」

佐天「……はい」

一方「……俺はこっちだからよ、じゃァな」スタスタ

佐天「……」



一方「……」ピポパポ

一方「……削板、俺だ……手ェ貸せ」

一方「遅ェ」

海原「どうしたんですか? わざわざ自分達だけ呼び出して」

削板「……言っとくが、今の俺は機嫌が悪いぞ」

一方「……」

海原「なぜです?」

削板「すき屋で牛丼頼んだ後に一方通行から電話がきたから、わざわざ牛丼をキャンセルして来たんだよ!」

海原「……」

一方「……ちっちゃァ」

削板「なんだと?!」

海原「小さくはないと思いますがね……」

海原「で、なんで呼び出したんですか?」

削板「ん」

一方「……オマエらに手伝ってもらいたいことがある」

海原「……」

削板「……」



一方「……ここに体育館を建てよォと思う」



海原「た、体育館ですか?!」

削板「俺達だけで?」

一方「あァ、だがそこまで立派なもン建てよォとは思ってねェよ」

一方「せいぜいプレハブぐらいのクオリティで十分だ」

海原「いや、それでも自分達だけってのは……そもそも何故こんなことを……」

一方「……」

一方「遠いンだよ」

海原「……は?」

一方「だから、家から遠いンだよ」

海原「……えーと、いつも行ってるスポーツセンターにですか?」

一方「あァ」

海原「……ちなみに家からどれくらいかかるんですか?」

一方「歩きで10分くらいだ」

海原「(近っ!?)」

削板「根性出せよ!」

海原「ほんとそうですよ!」

一方「あとあれだ、節約だ」

一方「毎回毎回金出して行く必要も無くなンだ、悪ィ話じゃねェだろ」

海原「……」



削板「金なら心配すんな! 全部俺が出す!!」



一方「チッ……」

削板「援助金が学園都市から毎月はした金を貰ってるはずだ! 俺は使わねえから大分残ってるはずだぞ!」

一方「あァー……でもよ、そォいうのは違ェンじゃねェの?」クシャクシャ

削板「む?」

一方「どンな金でもよォ、他人から与えられる金には意味があンだよ」

一方「与える側がどンだけ純粋でも、受け取る側にはそれ以上のことを考えてしまう」

一方「……まァ、何にも感じねェってやつもいるけどな」

海原「……」

削板「むぅ……」



海原「……ではやはり、ここに体育館を建てますか? もどきですけど」

削板「そうだな」

一方「必要なモンは全部用意した。さっそく今からやンぞ」

海原「急ですね……いつぐらいに出来るでしょうか……?」

一方「今日中に決まってンだろ」

海原削板「」ドッヒャー

ーー次の日


佐天「あ! 滝壺さん!」

滝壺「ん、さてん。おはよう」

佐天「おはようございます! それよりメール見ました?」

滝壺「さっき送られてきた、あくせられーたからのメールだよね?」

佐天「そうです! いきなり第七学区の駅近くにある空き地に来いって……一体どういうことなんでしょう?」

滝壺「空き地ってどこなんだろう……」

佐天「ここから一番近いのはあそこにある空き地ぐらいですかねー?」

滝壺「よく知ってるね、さてん」

佐天「この近くに柵川中学がありますからね、大体は把握してますよ」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom