美希「ミキなの」 (47)

春香「……うん」

真「……」

美希「真クン」

真「何?」

美希「ミキだよ?」

真「知ってるよ?」

春香「……」

真「……」

美希「エヘンエヘン」

美希「セキだよ?」 

春香「……」

真「……」

春香「そう、咳なんだ……」

美希「うん」

春香「ねえ、美希」

美希「なあに?」

春香「ココ、何処?」

美希「石器時代だよ?」

真「……」

美希「トキを越えたの」

真「そうなんだ……」

美希「うん」

春香「……」

美希「あっ」

真「どうしたの?」

美希「テキだよ?」

春香「えっ」

トラ「グルルルルル……」

真「ええー……」

春香「うわあ、トラだあ……」

トラ「グルルルルルル……」

真「こっち見てるね……」

美希「はい、これ」サッ

春香「あ、はい」

真「……オノと、ヤリ?」

美希「うん、ブキだよ?」

春香「そっかあ、ブキかあ……」

真「つまりそれって、ボクたちであのトラを倒すってこと……?」

美希「うん、そうだよ」

トラ「グルルルルルル……」

春香「……どうする、真?」

真「うん、どうしようか……」

トラ「グルルルル……」

春香「じゃんけん、する?」

真「……うん、そうだね」

トラ「グルルルルルル……」

春香「うん、それじゃあ」

真「じゃーんけーん……」

バアン!

春香「え?」

真「美希…… え?銃?」

美希「うん」

美希「リキだよ?文明の」

春香「ええー……」

真「そっかあ、銃かあ……」

トラ「」

真「うわあ、眉間を一撃だなあ」

春香「……」

美希「……」

春香「……ねえ美希、そのトラ、どうするの?」

真「……」

美希「食べるよ?」

真「えっ」

美希「はい、マキなの」

パチパチパチパチ……

春香「あ、意外とおいしい……」

真「うん、ちょっとクサいけどね……」

美希「……」モグモグ

春香「……」モグモグ

真「……」モグモグ

ポッ… ポッ…

真「あっ、雨……」

ザァー…

春香「……ホントだ」

美希「ウキなの」

ザァー…… ザァー…

春香「うわっ、結構降って来たなあ」

真「雨宿りしようか」

春香「あっ、あそこに林が……」

真「ホントだ、あそこに行こうか」

美希「……」

春香「……美希?」

美希「うん、今行くよ」

真「……どうしたの?美希?」

美希「このサキに、あるよ」

春香「何が?」

美希「タキ」

ドドドドドド……

真「うわあ、滝だあ……」

春香「思ったよりも大きいね……」

ドドドドドドド……

美希「タキなの」

春香「うんそうだね、滝だね……」

春香「……」

真「……」

美希「……」

美希「タキのサキ……」

春香「え?」

美希「タキのサキなの」

真「滝の先……?」

春香「……海?」

美希「ううん、違うの もっとサキだよ?」

春香「……」

真「……」

美希「……」

ザザァー…… ザザァー……

春香「……」

ピィー…… ピィー……

真「……」

ザザァー…

春香「……ねえ、美希」

美希「なあに?」

春香「ココ、何処?」

美希「オキだよ?」

真「そっかあ、沖かあ……」

春香「……ちっちゃい船だなあ……」

真「ていうかもう、ボートだね、コレ……」

美希「……」

ザザァー… ザザァー…

春香「お腹、すいたね……」

真「うん……」

春香「私たちさっき、トラ食べたはずなんだけどなあ……」

真「うん……」

ザザァー…… ザザァー……

美希「越えたの、トキを」

春香「なにか、食べ物が流れてないかなあ……」

真「……ないんじゃないかな、沖だもの」

春香「……あっ、ウキだ」

真「……ホントだ」

春香「でも、食べられないよね……」

真「そうだね……」

美希「真クン、春香」チョンチョン

春香「なに?美希」

美希「はい、カキだよ?」

春香「そう、牡蠣……」

真「大丈夫かなあ、生で」

春香「……」

美希「大丈夫だよ?」

真「ホント?」

美希「これ、ドキなの」

春香「土器……」

美希「茹でればいいの」

真「そっかあ、土器があるのかあ……」

春香「でも、火が……」

美希「あるよ?」

真「えっ」

美希「はい」カチ

真「えっ」

春香「……美希、それは?」

美希「カセットコンロだよ?」

春香「えっ」

真「えっ」

美希「ミズもあるよ?」

真「……ん?美希?」

美希「なあに?」

真「……」

美希「……」

真「……いや、何でもないよ……」

春香「そうだよ真、今は気にしちゃダメだよ……」

真「うん、そうだね……」

美希「煮るよ?カキ」

春香「うん、お願い……」

グツグツ…

春香「しっかり煮た方が良いよね……」

真「うん、多分……」

ザザァー…… ザザァー……

春香「……」

真「……」

美希「……あっ、ホーキが流れてるの……」

春香「……」

ザザァー…… ザザァー……

真「三文字は、いいのかなあ……」

ザザァー…… ザザァー……

春香「……それにしても」

真「……何?春香」

春香「うん、これから、どうしたらいいのかなって」

真「やめてよ、そういうの……」

春香「うん、ごめん……」

真「……」

春香「……助け、来ないのかなあ……」

真「……」

美希「来るよ?」

真「えっ」

美希「コキなの、電話の」サッ

春香「えっ」

真「……美希、それ、通じるの?」

美希「通じるよ?ホラ」ピポパポ

美希「あ、もしもし?ミキたち、今オキにいるの……」

カチャカチャ……

春香「……」モグモグ

真「……」モグモグ

美希「……」カリカリ

春香「……」

春香「ねえ美希、ココ、何処?」モグモグ

美希「分かんないの」カリカリ

真「……ええー」

春香「いいのかなあ、こんな豪華なお家でご飯食べてて……」

美希「良いんだよ?」

真「そうなの?」

美希「うん、だって、今美希たちは、コーキな身分なの」

春香「へえ……高貴なんだあ……」

真「……そうなんだあ……」

美希「そうなの」カリカリ

春香「……」

春香「ねえ、ところで美希」

美希「なあに?」カリカリ

春香「さっきから美希は、何をしてるの?」

美希「解いてるんだよ?」

真「何を?」

美希「シキだよ?」

春香「へえ、式かあ……」

真「すごいなあ、見たことのない数式が並んでるなあ……」

美希「うん……」カリカリ

春香「ねえ、美希、何のためにそんなことしてるのかな?」

美希「チキのためなの」カリカリ

真「チキ?」

春香「ああ、知己かあ……」

ワアー… ワアー…

真「ところで美希」

美希「なあに?」

真「さっきから外が騒がしいんだけど……」

美希「うん」

真「何かな?アレ」

美希「何って、ホーキだよ?」

真「へえ、蜂起……」

ワアー…… ワアー……

春香「すごいなあ、あんなに人がいっぱいだあ……」

春香「……」

真「……」

春香「ねえ、美希 あの人たちは何処を目指してるの?」

真「あはは、きっと、あのサキだよ……」

美希「ううん、ココだよ?」

春香「えっ」

真「えっ」

美希「今、キキなんだよ?ミキたち」

ガシャーン!

春香「うわあ!窓から食器が!」

美希「ジキなの」

真「そ、そんなこと言ってる場合じゃないよ!美希!」

ワアー… ワアー…

美希「命のキキなの」

春香「……」

真「……」

美希「……」

美希「何してるの?二人とも、逃げるよ?」

ワアー…… ワアー……

ドッカンドッカン

春香「……」

真「うわあ、すごいなあ…… あんな豪邸が壊されていく……」

ドッカンドッカン

美希「……」

春香「……美希?」

美希「もういいの ミキ、帰るの」

真「帰るって、何処に?」

美希「エキがあるの」

春香「あ、ホントだ」

真「……?」

美希「あのエキから、765プロ行の電車が出てるの」

小鳥「あら、お帰りなさい3人とも」

春香「……」

真「……」

美希「……あふぅ」

春香「な、何だったんだろう、今までのは一体……」

真「ボクにも分からないよ……」

小鳥「あ、そうだ3人とも 見てみて、窓の外」

春香「え?」

真「あ……」

春香「ユキだ……」

小鳥「うふふー、いいわねえ 日本にはシキがあって」

春香「あ、はい そうですね……」

真「……」

春香「……」

真「……」

真「ま、終わり良ければすべて良しかあ」

春香「……うん、そうだね」

春香(ま、美希が一体どうして帰りたがったかは分からないままだったけど)チラッ

美希「……」

真「もう、冬が来るのかあ……」

春香(真の言う通り、終わり良ければすべて良しかな……)

美希「……来ないよ?」

春香「えっ」

真「えっ」

小鳥「?」

美希「来ないよ?フユ」

春香「……ん?どういうこと、美希?」

真「いや、だってさ、美希 今外で雪が降ってるし……」

美希「うん、でも、ミキには来てないの」

春香「そうなの?」

美希「うん、だって」

美希「美希が帰って来たのって、アキが来たからだし」

春香「……えっ」

真「……えっ」

春香「ダジャレ、落ち……?」

真「……」

美希「……」

美希「……エヘンエヘン」

美希「……」

          終

はい、終わりです
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