美也「・・・今日も便所飯だよ、にぃに」(291)

美也「にぃにが買ってくれたまんま肉まん・・・おいしいよ」

女子A「なんか臭くない?」
女子B「臭いよねー。・・・あー、これまんま肉まんじゃね?」

美也「・・・・・」

ドンッ

美也「」ビクッ

ドンドンッ

美也「・・・・」ブルブル

女子A・B「きゃははははwwお~い出ておいでよwwまんま肉まんww」

美也(にぃに・・助けて・・・にぃに・・・)

美也(学校楽しくないよ・・・)

女子A「み~やちゃんww一緒におべんと食べよーww」
女子B「うちら教室で待ってるからwww」

美也「・・・・」ブルブル

~教室~

ガラガラ

女子A「あ、美也ちゃん。どうしたの遅かったじゃんww」
女子B「早くwwこっちこっちww」

美也 テクテク ストン

女子A「なにwwまた肉まんなのwww」
女子B「美也ちゃん最近そればっかりだねwww」

美也「うん・・・」

女子A「どうしたの?早く食べなよw」

美也「う…うん……」ブルブル

女子A(プッww…手震えてるよ……w)
女子B(ちょっとww笑っちゃダメだってw一所懸命食べてんだからww)

美也「・・・・」もぐもぐ



女子A「・・・・・・・・わっっ!!!!」

美也「!!?」びくっ

ポロッ

美也「あ・・・」

女子A「あwwwごめん美也ちゃんwww落っことしちゃったwwww」
女子B「ちよっとww何してんのwww美也ちゃんにあやまりなよwww」

女子A「ごめんねww美也ちゃんww」



美也(……にぃにが美也の為に買ってくれたまんま肉まん…)

美也「・・・・・」

ヒョイ

美也「・・・・・」ぱくっ

女子A・B「!!?」

女子A「マジw!?コイツ食っちゃったよwww」
女子B「きゃははははwwwちょーうけるんだけどwwwww」

美也「・・・・・」グスッ

美也「・・・・・」ポロポロ

女子A「……あーあ、泣いちゃったよw」
女子B「つまんないのーww」








七咲(………美也ちゃん…………)

~2-A教室~

橘「………はぁ~…」

梅原「よお。どうした大将、ため息なんかついちまって」

橘「あぁ…梅原か…」

棚町「そーなのよ。梅原くん。ここ最近純一の元気がないのよ」

梅原「棚町よ……。夫を元気にしてあげられるのは妻だけなんだよ…」

棚町「は!?そうよね!私の役目よね!」

棚町「ダ~リン♪元気だして♫」かぷ

橘「・・・・・」

棚町「………あれ」

橘「……はぁ…」

梅原「おいおい。ホントにどうしたんだよ、大将」

棚町「何かあったの?」

橘「いや……最近美也が元気なくってさ…僕まで陰気臭くなっちゃって…」

棚町「美也ちゃんが?」

橘「うん…。家の中でも前よりしゃべんなくなったし、ご飯もあんまり食べないし最近はお弁当も残してきちゃうんだ…」

梅原「…そいつは心配だな……」

棚町「美也ちゃん……何かあったのかな…」



橘「ご飯食べないと心配だからさ…美也の好きなまんま肉まんをお弁当がわりにもたせてるんだけど…ちゃんと食べてるかな…」

棚町「あんた…以外にお兄ちゃんしてるのね…」

橘「以外には余計だ」

梅原「美也ちゃんはいつも明るいからな…それだけに心配だな」

橘「うん…」

~橘家~

美也「…ただいま…」ガラッ

橘「お。美也おかえり。今日は遅かったな」

美也「………うん」

橘「美也。今日の晩御飯は何か分かるか?」

美也「ん」くんくん

美也「…チャーハン……?」

橘「そう、よく分かったな。ご褒美として美也にはた~っぷりベーコンいれてやるからな」

美也「………」

美也「……いらない」ボソッ

橘「え」

美也「いらない」タッタッタッ

橘「お、おい、ちょっと、美也!」

バタン

橘「………美也」

美也(…………にぃにの馬鹿)

美也(…どうして気づいてくれないの……)

美也「・・・・・」グスッ

美也「…うっ………ヒック……グスッ……」ポロポロ

美也(昔に戻りたいよ…)

美也(梨穂ちゃんとにぃにとみゃーの三人でまた滑り台で遊びたいよ……)ポロポロ

橘「…美也…どうしたんだ…」

橘「僕にも相談出来ないことなのか…」

橘「………チャーハン冷めちゃうな…」

橘「……いただきます」








ガチャ

美也「………にぃに?」

橘「み、美也!!」ガタッ

美也「やっぱりチャーハン食べる…」

橘「あ…ああ!ほら、ベーコン山盛りだぞ!いっぱい食べろよ!!」

美也「うん………にしししし」

橘「―――でさ、その後梅原が・・・・」

美也「ほんと?やっぱりウメちゃん変な人だねー」

橘「そーなんだよな、はは。美也も変な男には気をつけろよ」

美也「にぃにには言われたくないんだけど」

橘「美也、どういう意味だ…」

美也「にししししし」

橘「ははははは」

ポロッ

美也「あ…」

橘「あー、ベーコンこぼしちゃって。しょうがないな美也は…」

美也「………」

橘「美也?」

美也「………」ブルブル

橘「!!?美也っ!?どうしたんだ!具合でも悪いのか!?」

美也「…う………ううん…大丈夫だよ…にぃに…」ブルブル

橘「大丈夫って……震えてるじゃないかっ!」

美也「にぃに…ごめん。ちょっと部屋に戻るね…」

橘「み、美也!?」

ギィ バタン



~翌朝~

美也「……にぃに、おはよう…」

橘「ああ。おはよう、美也」

橘「ほら……ウィダインゼリー。これなら美也もはいるだろ?」

美也「うん……ありがと、にぃに」

橘「それとお弁当。食べきれなかったら無理して食べなくてもいいからな」

美也「うん」

橘「さっ、学校行くか」

橘「うーん。今日はいい天気だな」テクテク

美也「うん…こんな日はお外で日向ぼっこしたくなるよね」テクテク

橘「はは、そうだな」








梨穂子「……あれー…純一と美也ちゃん…かな?」

梨穂子「おーい。純一~!美也ちゃ~ん!」フリフリ

橘「あ、梨穂子」

美也「梨穂ちゃん」

梨穂子「おはよ~。ふたりとも」

橘「どうした?今日は早いじゃないか」

梨穂子「いつも純一よりは早いですよ~だ」

橘「……この前誰かフェンスの隙間にはまってたような…」

梨穂子「あ、あれはたまたまだよ~」アセアセ

橘「はは、どうだかな」

美也「にしししし」

すみません。ちょっと資格の勉強します

美也「三人で登校なんて久しぶりだね」

橘「あぁ…そういえばそうだな」

梨穂子「そうだね~昔はよく三人で学校行ってたもんね」

美也「……うん」









女子A「あ。あれまんま肉まんじゃん?」

女子B「ほんとだーw」

女子A「おーい!み~やちゃ~ん!!!」

美也「」ビクッ

橘「ん?どうした美也?友達?」


女子A「おはようございま~す。あれ?もしかして美也ちゃんのお兄さんですか?」
女子B「美也ちゃんに似てかわいいんですねw」

橘「か……かわいいって…///」

女子A「じゃあお兄さん。私達同じクラスなんで」
女子B「美也ちゃん、行こーw」

美也「う…うん…」

橘「美也をよろしく頼むよ」

女子A・B『は~いww』

すいません。資格の勉強じゃなくてネタ不足でした。嘘ついてごめんなさい。

女子A「いや~それにしても一緒に登校なんて仲いいんだね」
女子B「うらやましいなーw私一人っ子だからw」

美也「うん…」

女子A「でもさでもさwなんかちょっと頼りないオーラでてなかったw?」
女子B「思った思ったwwでてたよねーwww」

美也「………」

女子A「きっと妹さんがいじめられてるって知っても見て見ぬふりするんだろうなーw」
女子B「分かる分かるwwww」

美也「!!!?」

ドンッ!!

女子A「…………何すんの………」
女子B「あちゃー、……暴力だよ」

美也「に……グスッ……んっ………にぃには……」

美也「にぃにはそんな人なんかじゃないっ!!!!!」

ダッ










女子A「………あーあ、行っちゃったよ…。てか『にぃに』だってwwww」
女子B「痛すぎwwwwww」

ガラッ

七咲「…あ……美也ちゃん…おはよう」

美也「……おはよう……」

七咲「…あの……。あ!美也ちゃんこの間の数学のテストどうだった?私あんま―――
女子A「あ~いちゃん!美也ちゃん機嫌悪いからこわいよ~ww」
女子B「殴られるかもよーw」

七咲「な、なぐ………美也ちゃんがそんなことするわけ―――」
美也「いいよ……逢ちゃん…ごめんね……」スタスタスタ

七咲「み、美也ちゃん!!」

七咲(……なんでこんな事に…)

~2-A教室~

棚町「ダ~リン!どう?美也ちゃんの調子は」

橘「うん…やっぱりまだ元気ないみたいで……」

棚町「…………そっか」

棚町「…………!ねぇ!純一、今日の放課後空いてる!?」

橘「?どうしたんだよ、藪から棒に…?」

棚町「ほら!今日さ、美也ちゃんと二人で私の働いてる喫茶店に来なよ。サービスするわよ♪」

橘「サービスって…またお前かってに……」

棚町「違う違う、わたしのオゴリだって!いい、絶対美也ちゃんも連れて来るのよ。一人で来たら追い返すからね!」

橘「はいはい………ありがとな」

棚町「どういたしまして」

~職員室~

高橋先生「いつもいつもごめんなさいね、絢辻さん」

絢辻「いえいえ。お構いなく」
絢辻「それでは失礼します」ガラガラ



絢辻(………次の授業までまだ時間あるわね)

絢辻(ちょっとトイレ寄って行こうかしら)

絢辻(一年生のトイレが近いわね)スタスタスタ


絢辻(ここのトイレ使うのも久しぶりね…)

絢辻(さ……早いとこすませて―――)


女子A「ねぇ美也ちゃん。さっきはなんであんなことしたの…?」
女子A「ほら、見て。肘擦りむいちゃったんですけど?」

女子B「これって傷害罪じゃねww」

美也「……………」




絢辻(あの子…………確か橘君の妹さんじゃ……?)










女子A「だいたいさ、なんでいつも黙ってるわけ?」
女子B「そーそーwwうちらコミュニケーションとろうとしてるじゃんw…あれ…コミニケーションだっけ…?」

美也「……………」

女子A「……………なんとか言えよっ!!!」

ガンッ!!

美也「」ビクッ

女子A「………痛ったー…ほら、今度は足怪我したじゃん…美也ちゃんのせいで…」
女子B「wwwwあんたのせいだろwキャハハハw」

女子A「ほら、どうすんのよ。こーんなに足が――」

『ふーん・・・輝日高校の一年生にもこんなことする人達いたんだ』

女子A「だ……誰っ!!?」

絢辻「外まで響いてたからもう少し声抑えた方がいいんじゃない?」

女子A「ふ、ふざけんなよ!!ドア閉めてたから聞こえるわけねーじゃねーか!」

絢辻「あら?私が開けてたんだけど?」

女子A「…!?こ、こいつ……」
女子B「つーか、こいつ知ってる。……あんた二年の絢辻とかいうやつでしょ?」

絢辻「まぁ、嬉しい。ご存知でいらっしゃって光栄です」

女子A「…てゆーかなんか用?」
女子B「うちら遊んでただけなんだけど」

美也「……………」

絢辻「……あらそう?私の勘違いかしら?…今の声録音しておいたのだけれど…一応聞いてみる?」

女子A「………チッ…。……いこいこ」スタスタ
女子B「…あーあ。しらけちゃった」スタスタ



美也(………この人…にぃにの……)



絢辻「あなた……橘純一君の妹さんよね?」

美也「は……はい。あの…ありがとうございます」ペコッ

絢辻「ううん。いいの、気にしないで。……それよりこのことはお兄さん知ってるの?」

美也「……………」フルフル

絢辻さん「………そう…」

美也「…………」

絢辻「…………」

美也「あ……あの――」

絢辻「分かってるわ。お兄さんには言わないで欲しいんでしょ」

美也「…………」コク

絢辻「……分かったわ。お兄さんには言わないでおいとく」

美也「あ、ありがとうございます」ペコペコ

絢辻「いえ。それより授業そろそろ始まるから急いだ方がいいわよ」

美也「はい。ありがとうございます」

絢辻(………とは言ったものの)

絢辻(どうせああいう人達はあんなことがあったら更にエスカレートするでしょうね…)

絢辻(……早急に手を打った方が良さそうね………)

スタスタ

美也(……みゃーも最初はにぃにに相談しようかと思ったけど……)

美也(…やっぱり……にぃにに迷惑かけたくない…)

美也(にぃにに苛められてるって思われたくない…)

美也(にぃにには楽しい学校生活を送って貰いたいもんね……)

~昼休み~

梅原「大将…。世の中って不公平だよな…」

橘「は?何言って――」

梅原「ろ・う・か」

橘「ん……七咲?」



七咲「こんにちは、先輩」

橘「うん、こんにちは。僕に何か用?」

七咲「はい………。でもここじゃあ何ですので校舎裏に…」

橘「?…うん、分かったよ」

よーし!今から三時間ほど寝るぜ!おやすみ、お前ら!!

>>86
書ききってから寝ればいいじゃない

>>88
すまん。ネタ考えさせてくれ

~校舎裏~

七咲「…そういえば先輩、ここで私のパンツ見ましたよね?」

橘「!?ぱ、ぱんつって、…水着じゃないか!しかもあれは七咲から見せたんだろ!」

七咲「冗談ですよ」クスクス

橘「ま、まったく…」

七咲「…………あのですね、先輩」

橘「ん?」

七咲「端的に言いますけど……………美也ちゃんがいじめを受けてる…って、先輩ご存知ですか?」



橘「………………えっ……………」

橘「………いじめ…………」

橘「…み、美也が………いじめ…………」

七咲「はい」

七咲「……最近美也ちゃん変わった様子とかありませんでしたか…?」



橘「ど……どうして……美也はそんなことをされるような子じゃ……」

七咲「はい……美也ちゃんには言うなって言われてたんですけど……私の知っていることは全部お話します」

―――二週間前―――

美也「さーえちゃん!次は美術だよ!はやくはやく!」

中多「あ、うん。美也ちゃん…ちょっと待ってね…」ガサゴソ

美也「さえちゃ~ん。もうすぐ始まっちゃうよ~!」

中多「あっ…待って、美也ちゃん」ガサゴソ

タタタタタタ・・・



美也「紗江ちゃん、おそ~い」

中多「ご、ごめんね…美也ちゃん…」

美也「さ!早くいそご……ってアレ?紗江ちゃん…それ美術の教科書じゃないよ?」

中多「え…………。コレって……」

中多「////!!?」

美也「………漫画の本?」


女子A「み~ちゃったww。中多さんそういう本読んでるんだ~ww」

女子A「なになにw?しかもそれって…あれじゃん?男どうしがチョメチョメするやつじゃんw?」

女子B「ほんとだ~ww。へ~、中多さんそういうの読むんだ~w」

中多「え…ち、ちが……これ……そ、その……」アタフタ

女子A『みなさ~ん。中多さん学校でHな本読んでま~す!』

ドッ クスクス クスクス

中多「ち、ちが……ヒクッ…これは…グスッ……」ポロポロ

女子B『中多さん。はつじょーちゅーでーす!!』

クスクス クスクス

中多「み、美也ちゃん……ち…ちがう…」ボロボロ

美也「ちょっと!!!なんでそんな適当なこと言うの!!!!」

紗江ちゃんをいじめるな!

女子A「……は?…美也ちゃんには関係ないじゃん」

美也「関係あるよ!紗江ちゃん泣いちゃってるじゃん!!」

美也「紗江ちゃんに謝ってよ!!!」

女子A「なに……こいつ…」
女子B「うざ……」

美也「謝ってよ!!!」
中多「み、みやちゃん…もう良いよ…ごめんね…」



女子A「…………あー、分かった…。ごめんね…中多さん…」
ツンツン
女子B「え………。あ!ごめんね、中多さん!」

美也「…分かればいいんだよ。にしししし」

美也「良かったね、紗江ちゃん!」

中多「う、うん…。ありがとう……美也ちゃん」







女子A「……ふふっ………」

――――――――
―――――――
――――――
―――――
――――
―――
――


七咲「―――ということがありまして…。それからみんな美也ちゃんに関わろうとしないんです…あの二人に目をつけられたくないから…」

七咲「それがショックで……中多さんも一週間くらい前から学校に来ていないんです……」

橘「…………そんなことが…」

七咲「……はい。それで美也ちゃん……私を巻き込まないようにできるだけ距離を置くようになって……もうどうすればいいか分からなくなって…」グスッ

橘「七咲は悪くないよ……。むしろ教えてくれてありがとう」

七咲「……先輩…」

橘「……僕ちょっと行ってくるよ」

七咲「え…先輩…」

橘「ありがとう。七咲」ダッ

七咲「!?あ…ちょっと…先輩!?」

タッタッタッ







橘(……待ってろよ………美也。にぃにが助けてやるからな……)

タッタッタッタッ

橘(…………)

タッタッタッタッ

橘(…もう少し――)

『・・・コラ!』

橘「え…」






絢辻「……廊下は走っちゃいけません。小学生でも分かることよ」

橘「あ、絢辻さん…!?」

絢辻「そんなに急いでどこ行くの?」

橘「う、うん…。……ごめん、急いでるんだ」ダッ

ガシッ

橘「…え……。ちょ…ちょっと絢辻さん」

絢辻「さっきも言ったでしょ。高校生にもなって同じこと二回も言われるようじゃダメよ?橘君」

橘「……絢辻さん!ホントに急いでるんだ!僕は――」
絢辻「知ってるわよ」

橘「………え……」

絢辻「…妹さんの教室行く気でしょ?」

橘「ど…どうしてそれを……」

絢辻「うん…今日ちょっとね。それに橘君、ものすごい形相してるわよ?」

橘「………そうなんだ。…でもそれなら分かるよね。僕がどれだけ急いでるか」

絢辻「…橘君」

橘「手を離してよ!僕は――」
絢辻「だからこそ早計な行動は控えるべきよ!」

橘「……あ、絢辻さん…」

絢辻「いい?橘君。なんで妹さんがあなたにいじめの事言わなかったのか分かる?」

絢辻「あなたに知られたくなかった、迷惑をかけたくなかったからでしょ」

絢辻「慎重に行動しないとさらに妹さんを傷つけてしまうかもしれないわ」

絢辻「妹さんが一番頼りにしているお兄さんがそんなことでどうするの?…どんなに仲が悪くたってね、親、兄弟、姉妹は何者にも代わることのできない存在なのよ!」

絢辻「しっかりしなさい!橘純一!!」

橘「……絢辻さん………」

絢辻「ん…………コホン。……御免なさい、ちょっと言葉が過ぎたみたい…」

橘「…ううん。ありがとう、絢辻さん」

橘「……僕……教室に戻るよ…」

絢辻「……うん」

橘「じゃあ……また、絢辻さん」

テクテクテクテク









絢辻「…………あ、橘君!!」


橘「ん?」


絢辻「私も………出来る限りのことは協力するから!」

おい、どうする?もう弾がないぞ。

~放課後~

棚町「んん~!終わった終わった!」

棚町「さぁ!純一!美也ちゃん迎えに行くわよ」

橘「ん~……そのことだけどさ、薫」

棚町「ん?」

橘「今日はちょっと…中止にしてくれないかな…。またの機会ということで…」

棚町「えぇー!!なんで~!?」

橘「ごめん…。でも今日は美也と一緒に帰りたいんだ」

棚町「え?………なぁ~んだ…。そういうことなら早く言いなさいよね!いつでもOKに決まってるでしょ!」

橘「ありがとな……薫」

棚町「あ…あんたに素直に感謝されるとなんか照れるわね///」

美也(……学校終わっちゃった……)

美也(………………)

美也(何でだろ………)

美也(学校が終わって…………みゃー『ホッ』としてる…)

美也(……今までこんなことなかったのに………)

美也(ただ学校行くのが楽しくて…………)

美也(………クラスのみんなとお弁当食べるのも楽しみで……みんなとおしゃべりするのがすごくすごく楽しみで……)

美也(………早く明日になぁれっていつも思ってたのに…………)

美也(…………………)

美也(…ンッ……ヒック……)ポロポロ ポロポロ

橘「!」

橘「おーい!美也ーー!!!」







美也「………にぃに?」



橘「…ハァハァ………いたいた…。美也…探したんだぞ」

美也「お兄ちゃん……どうしてここに……」

橘「いやー。久々に美也と一緒に帰ろうかと思ってさ」

美也「………そうなんだ…」

橘「…………」テクテクテク

美也「……………」テクテクテク

橘「あ!そうそう!この間梅原がさー――」

美也「うん…………」




橘「――って話なんだけど相変わらず馬鹿だよなぁ梅原のやつ、はは」

美也「……………その話前聞いた…」

橘「え……。そ、そうだっけ………」

美也「うん…」

橘「そ、そうだ!どこか寄って帰ろう!」

美也「………でももうすぐおうち着くよ、お兄ちゃん……)

橘「え……」(い……いつの間に…)

美也「……………」





橘「…………そ、そうだ!公園に行こう!美也!!!」

美也「……公園………?」

橘「そう!公園!…昔良く俺と美也と梨穂子の三人で遊んだだろ?」

美也「あ……うん。……懐かしいね」

~公園~

橘「うわー…懐かしいな……」

美也「ホントだ……」

橘「……ん?…あそこに誰か居るぞ」



梨穂子「………ふぅ~。やっぱりお菓子食べ過ぎるとなんだか体が重いんだよね……」

梨穂子「一休み一休み……っと…」

『お~い!』

梨穂子「!??あれ………」

梨穂子「…純一に……美也ちゃん!?」



橘「よぉ、梨穂子。こんなところでまたお菓子食べてるのか」

梨穂子「…もぉ~!違うよ~!!休憩してるの!!!」

美也「ふふ。梨穂ちゃん変なの~」

橘「梨穂子はよくここに来るのか?」

梨穂子「ううん。私も子供の頃に来たっきりだよ」

橘「ホントか……?だとしたらすごい偶然だな……」

梨穂子「そーだよ!私も純一と美也ちゃん見つけたときはビックリしたんだから!」

橘「……だとしたらアレかもね。また三人でここで遊べって神様が言ってるのかもね…」

梨穂子「………純一、どうしたの…?………変なものでも食べた…?」

橘「…相変わらずお前はすぐ食べ物の話に持っていくよな」

梨穂子「ちょ、ちょっと!?違うよー!私純一のこと心配してあげたんだよー!」プンプン




美也「ふふ……二人とも変わってないね」クスクス

まんま肉まんうっしっし~

橘「……いや…。美也だって変わってないさ」

美也「………え…………」

橘「…美也はいつまでたっても甘えん坊の寂しがりやだもんな」

美也「お兄ちゃん…どういうこと、それ」

橘「ははは。そのままの意味さ。…なぁ梨穂子?」

梨穂子「そうだねー。いつまでたっても美也ちゃんはかわいいまんまだもんね~」ナデナデ

美也「わ///ちょ、ちょっと…梨穂ちゃん///」

橘「さてと……じゃあ、少し滑り台ででも遊んでいきますか?」

梨穂子「賛成であります!隊長殿!!」

橘「何の真似だよ……それ」

美也「わーい!すっべり台!すっべり台!」




橘「…なーんか妙に狭い気がするな…」

梨穂子「仕方ないよ……私達もう高校生だし」

橘「いや……これは梨穂子が――」

梨穂子「は~い!もうその後は聞きませ~ん!」

橘「ほら、梨穂子。滑ってみなよ」

梨穂子「え~。私からなの~」

橘「いいから。早く」

梨穂子「……も~。しょうがないなー」

梨穂子「……よいしょっと……。…じゃあ行くよー。……それっ!!」

ブチッ

梨穂子「きゃ!!?服が……」

グラッ

梨穂子「……え」

ズッデーーーーン!!



梨穂子「………イタタタタタ……。…もぉ~……」


橘「!?大丈夫かー!?梨穂子!…………いや、それにしても滑り台でコースアウトするやつ初めて見たな…」

美也「にしししし!梨穂ちゃーーん!だーいじょーぶー?!!」

梨穂子「う、うん………なんとか…イタタタ……」

橘「よし!次は美也の番だ!」

美也「ほーい!」

美也「…うんしょっと…………」

美也「…………………!!?」








美也(…………この景色………子供の頃と同じ……)

バッ

美也(後ろにお兄ちゃんが居て………)

バッ

美也(………………前に梨穂ちゃんが居る……)

美也(…………………)

美也(…………………)ポロポロ

美也「………………――しいよ」ポロポロ




橘「……………え…………?」


美也「………お兄ちゃん……ヒクッ……苦しいよ………ンッ…ヒグッ……」ポロポロポロポロ


橘「…………………美也…」

美也「………お兄ちゃん…ヒクッ……みゃーは……みゃーは……」ポロポロポロポロ

橘「美也………大丈夫だよ、言わなくても」

美也「…あのね…あのね……」ポロポロ

橘「うん、分かってる」



橘「……あのさ………美也。さっき美也のこと変わってないって言ったけど――」

橘「……ホントは美也変わったよ…。……人の気持ちを考えることができる優しい子に育ったし……なにより強くなったと思う」


美也「………お兄ちゃん………」

橘「…まぁ僕馬鹿だからうまくは言えないんだよね、はは」

橘「……でもさ………一つだけ変わってないって確信をもって言えることもあるよ」


美也「………………………」


橘「…まぁこれからももちろん変わることはないだろうし」


橘「当たり前と言えば当たり前なんだけど――――」






橘「――――僕が美也の『にぃに』だっていうことは………いつまでも変わらないよ」


美也「………お兄ちゃん……………にぃに…………」

橘「……ははは……ちょっとクサすぎた……かな…」

美也「…………うん。にぃに、変な映画でも見たの?」

橘「な………相変わらず変わり身の早いやつめ………そういう所は変わってないな」


美也「にしししし」

橘「ははははは」






梨穂子「…………お腹空いたなぁ…」グゥ~

これでendでもまとまってるかな?

~翌朝~

橘「美也!ほら学校!もう時間ないぞ!」

美也「え~!もうこんな時間!にぃに、遅刻しちゃうよ~!」バタバタ



純一・美也『いってきまーーす!!』

~1-B・教室~

ガララッ

美也「………おはよー」

美也「……………」






生徒C「おはよー。み~やちゃん」

生徒D「おはよう。橘さん」



美也「…………え」

七咲「おはよう。美也ちゃん」

美也「逢ちゃん…」

美也「

美也「逢ちゃん………どうして……」

七咲「さぁ……私にも良く分からないんだけど……」チラッ





女子A「……はぁ~あ………つーかマジ席替えしたい…。後ろの席の奴キモいし」

女子B「………あ?キモいのはお前だろ……。なんか臭ーし」ボソボソ

女子A「………何だって…」ガタッ

女子B「……ああ…!?」ガタッ


七咲「今日の朝からずっとあの調子なの…」

~昼休み~

橘「………よし。行くか」ガタッ

絢辻「あら……橘君。どこ行くの?」

橘「うん……ちょっと美也のところに……」

絢辻「そう………もうどうするか決めた…?」

橘「うん……やっぱりまずは話し合いすることが大事かな……って」

絢辻「そうよね……話し合いは大事よね……」

橘「うん!…それじゃあ行ってくるよ」

絢辻「行ってらっしゃい」

絢辻(…………………)

絢辻(まぁ……もうあんまり意味がないだろうけれど……)

絢辻(…………それにしても、花園君ってモテるのね)

絢辻(…………私はどこが良いのか分からないけれど)






花園「…へ……へ…へっくしょいぃぃい!!!!」

生徒「うわ!?花園!はなぢでてるぞ、はなぢ!!」

橘(………………まずは様子を見よう……)

ソーッ

橘(…美也は………いるかなっ………と…)

橘(………あっ!!居た…………ってあれ…!?)





美也「でねー、その後逢ちゃんがねー――」
女子生徒「えーwwホントー?逢ちゃん?」

七咲「……もう、美也ちゃん!その話はいいでしょ///」

ワイワイ  ガヤガヤ





橘(……………あれ…………普通じゃん………)

~放課後~

棚町「おーい!純一く~ん!ティータイムの時間ですよー」

橘「え?何だって」

棚町「何だってってあんた……美也ちゃんよ!み・やちゃん!!」

橘「……あー…そういえば喫茶店に行くんだったな…」

棚町「そうよ!ほら、急いで急いで!レッツゴー!!」

梅原「ま……まて、お前ら!俺を置いて行くつもりか!!」

橘「ん?そのつもりだけど?」

梅原「………大将……信じてたのに……信じてたのに……」

薫のバイト先がファミレスじゃないのには理由があるの?

棚町「美也ちゃん……美也ちゃん…………あっ!!いたいた!」

棚町「おーーーーい!!!みーやーちゃーん!!!!」

梅原「…相変わらずすごい声だな…」
橘「さすが輝日東の核弾頭…」






七咲「………美也ちゃん。あれ先輩達じゃない?」

美也「あ…!ホントだ……。おーーーい!!!」ブンブン

>>248ファミレスだったけ……まぁそのへんはアレしといてくれ

美也「お兄ちゃん達。今帰るところ?」

棚町「うん……これから美也ちゃんも連れて喫茶店行こうと思って…。あ!もちろんそっちの子もね」

梅原「やれやれ…強引なやつだな…。七咲、別に無理しては来なくていいぞ」

七咲「はぁ……」

美也「…あのね、誘ってくれるのは嬉しいんだけど…。みゃー達これから紗江ちゃん家行くの!」

橘「……紗江ちゃん?中多さんのところに?」

七咲「……はい。もう大丈夫だよ……って」

橘「………そっか…」

美也「…というわけでじゃあねー!お兄ちゃん、棚町さん、あとついでにウメちゃんも~」

七咲「…それでは失礼します」ペコッ

スタスタスタ



棚町「………行っちゃった」

棚町「どうする?今日はもう解散する?」

橘「いや……いいよ。三人で行こう」

梅原「そうだな……せっかく集まったんだし…。棚町のウェイトレス姿でも拝んで帰るとしますか」

棚町「お客様、そちらは有料サービスとなっております」

梅原「なんてこったい」

橘「はははははは」







―――その頃某喫茶店では―――

森島「んー♪響ちゃん!!このチョコレートパフェおいしいわね!!」

塚原「そうね、まあまあかしら」

パクパク

森島「んー………。でも何か物足りないような……」

塚原「………そうね……強いて言うなら……」


塚原「私達の登場回数が足りないんじゃないかしら」

森島「ワーオ……響ちゃん、急に体が冷えてきたみたい」


おわり

   /.   ノ、i.|i     、、         ヽ
  i    | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ        |
  |   i 、ヽ_ヽ、_i  , / `__,;―'彡-i     |
  i  ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' /    .|

   iイ | |' ;'((   ,;/ '~ ゛   ̄`;)" c ミ     i.
   .i i.| ' ,||  i| ._ _-i    ||:i   | r-、  ヽ、   /    /   /  | _|_ ― // ̄7l l _|_
   丿 `| ((  _゛_i__`'    (( ;   ノ// i |ヽi. _/|  _/|    /   |  |  ― / \/    |  ―――
  /    i ||  i` - -、` i    ノノ  'i /ヽ | ヽ     |    |  /    |   丿 _/  /     丿
  'ノ  .. i ))  '--、_`7   ((   , 'i ノノ  ヽ
 ノ     Y  `--  "    ))  ノ ""i    ヽ
      ノヽ、       ノノ  _/   i     \
     /ヽ ヽヽ、___,乙--'";;"  ,/ヽ、    ヾヽ

すまん。分かりにくかったかもしれんが簡単に言うとAとBを男使って仲たがいさせたっていうことで

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