モバP「千秋とデート」 (39)

 
P「……はぁ、はぁ……」

P「やべーやべー、遅刻しそうだった……待ったか?」

千秋「……ふう」

P「う。すまん、黒川……」

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千秋「……千秋」

P「……え?」

千秋「千秋。名前で呼ぶように言ったでしょう?」

P「あ、ああ。すまん、千秋」

千秋「許すわ……いえ。そもそも、間に合ってるもの」

P「いやでも、待ったろ?」

千秋「そうね、30分くらいかしら」

P「そ、そんな早くから来てたのか? 予定が押してるなら言ってくれれば……」

千秋「……そうじゃないわ」

P「?」

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黒川千秋(20)

 
千秋「まあ……待つのも、デートの醍醐味ということよ」

P「そうか? それなら、いいんだが」

千秋「それで、今日はどこに連れて行ってくれるのかしら?」

P「おう。くろ……千秋に、服をプレゼントしようと思って」

千秋「あら。それは楽しみね」

P「はは、きっと驚いてもらえるよ」

千秋「ふぅん? ハードル、あがったわよ?」

P「……やっぱ、あんま期待しないでくれ」

千秋「ふふふ……さあ、行きましょうか」

 
P「千秋も、だいぶ、名前が知られてきたよな」

千秋「そう?」

P「ああ。見てみ。街のチラシに千秋の写真が載ってる」

千秋「べつに、チラシなら他の子も載ってるわ」

P「それだけじゃない。ネオンから千秋の歌が流れてるぞ」

千秋「……気にした事、なかったわ」

P「もう何度も聴いてるから、慣れちゃったんだな。それぐらい、アイドルやってきたんだ」

千秋「そうね……自分では気付かなかった」

 
P「千秋の名前も歌声も、これから、まだまだ大きくなっていくよ」

千秋「本当に?」

P「もちろんだ。俺がしていくさ」

千秋「デートで女の子を待たせるのに?」

P「……すみません」

千秋「ふふ……面白い人。冗談よ」

P「あ、あんまりからかわないでくれ」

 
P「着いたぞ、ここでプレゼントを受け取るんだ」

千秋「こんな所に、こんな店が……意外」

P「すみませーん、予約してたモバPですけど……」

「はい、モバP様ですね。承っております。少々お待ち下さい」

千秋「もう決めてあるの?」

P「ああ。俺のとっておきのを」

 
「お待たせしました、こちらになります」

P「どうも。会計は、事務所にモバP宛てでお願いします」

「分かりました。お買い上げ、ありがとうございました」

P「よし。じゃ、行こうか」

千秋「え? ここで着せてはくれないの?」

P「まだ日は高いしな。街を歩くには、ちょっと不便な服だから」

千秋「そういうことなら」

P「さあ、次はショッピングに行こう」

 
───コスメショップ


千秋「アイドルたるもの、美容と化粧は欠かせないわね」

P「千秋はそのままでも可愛いけど」

千秋「……ご、ごめんなさい、よく聞こえなかったわ。もう一度言ってくれる?」

P「千秋はそのままでも可愛いよ」

千秋「……う、うぅ」

P「……?」

 
千秋「も、もしかして、それ他の女性にも言ってないでしょうね」

P「え? 美優さんとか、瑞樹さんとか綺麗だから……よく」

千秋「……やっぱり」

P「な、なんだ?」

千秋「べつに……ふんっ」

P「お、おいおい、置いていかないでくれー!」

千秋「……ほんと、鈍いわね」

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三船美優(26)

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川島瑞樹(28)

 
───アクセサリーショップ


千秋「最近、小物を身に付けるようになったわ」

P「へえ、たとえば?」

千秋「そうね。智絵里にクローバー模様のリストバンドを貰ったわね」

P「なるほど。似合いそうだし、良いな」

千秋「私も彼女に何か贈りたいわね……何がいいかしら?」

P「そうだな、リボンとか髪留めとかどうだろう。智絵里はおしゃれ好きだからな」

千秋「……ずいぶん詳しいのね?」

P「そりゃあ、担当アイドルだし……って、なんか怒ってる?」

千秋「……いいえっ」

 
───ランジェリーショップ

P「……俺をここに連れてきて、どうしたいんだ?」

千秋「もちろん、選んでもらうのよ」

P「もうすでに周りの視線がきついんだが……」

千秋「私が付いているわ。気にしないで」

P「余計に気にするよ……なんか、店員さんの目が温かいし」

千秋「すみません。86のEでお願いします」

「かしこまりました。こちらへどうぞ」

千秋「さ、行きましょう」

P「結局連れて行かれるんだ……」

 
千秋「どう? 私はさっきのも良いと思うのだけれど」

P「ああ、うん。良いんじゃない」

千秋「ねえ、手で顔を覆ってたら見えないでしょう」

P「見えなくていいよ……」

千秋「だめ。ちゃんと見て頂戴。私の魅力を、より高めるためにも」

P「や、やめろ! 剥がすな!」

千秋「こら、目を閉じない! 開けるの!」

P「嫌だ! 意地でも見ないぞ!」

千秋「ああもう、どっかの誰かさんじゃないんだから……!」

 
千秋「……」

千秋「うっ。あ、頭が……」

P「だ、大丈夫か千秋!」

千秋「……ばっちり」

P「あ」

千秋「……どうかしら?」

P「……」

千秋「……」

P「うっ……ハンカチ……!」

千秋「鼻血が止まらないぐらい良かったみたいね。すみません、これください」

 
千秋「いい買い物が出来たわ」

P「あー、やっと止まった」

千秋「情けないわね。アイドルの下着ぐらいで」

P「刺激が強すぎたんだ」

千秋「ふーん……事務所の皆で、もう見慣れてるんじゃないかしら?」

P「し、失礼な……」

 
千秋「……そろそろ、日が沈むわね」

P「もうこんな時間なんだな」

千秋「ええ……楽しい時間ほど、早く過ぎてしまうものよ」

P「楽しかったか?」

千秋「当然よ。聞くまでもないでしょう?」

P「そりゃ良かった。これなら、誘っても大丈夫そうだな」

千秋「……?」

 
───レストラン


P「いやあ、冷や冷やした。ディナーを断られたらどうしようかと」

千秋「あなたの誘いを、私が断ると思って?」

P「光栄だな。千秋お嬢様」

千秋「だから、お嬢様はやめてと、さっきから……!」

P「ごめんごめん。で、そのドレス……気に入ってくれたか?」

千秋「これ……私がデビューした時の衣装よね」

P「覚えてたか。懐かしいだろ?」

千秋「借り衣装だったのに……?」

P「まさか。オーダーメイドした」

千秋「なんでまた、そんな……」

 
P「千秋が、喜んでくれるかと」

千秋「……ばかね。びっくりしてるわ」

P「じゃあ、サプライズだな」

千秋「ほんと、ばか」

P「ばかばか言わないでくれよ。お嬢様なんだから」

千秋「お嬢様じゃないわよ……」

 
P「そうか。なら、お姫様」

千秋「そ……それも、だめ」

P「仕方ない。だったら、俺だけのお姫様……で、どうかな?」

千秋「……それならいいわ」

P「ありがとう」

 
千秋「……口説いてるの?」

P「とんでもない。そんな勇気のある人間に見えるか?」

千秋「アイドルの下着姿を見たのに……」

P「千秋って、引っ張るタイプなんだな」

千秋「か、からかい甲斐がないわね」

P「はは。冗談だよ」

千秋「まったく……」

 
P「来週から、地方へロケに行くけどさ」

千秋「何かしら?」

P「素晴らしいホテルをとってあるんだ。千秋も気に入ってくれると思う」

千秋「それは、今から喜ぶ準備をしておくわ」

P「寝巻きもちゃんと持って行くんだぞ。俺がオススメした可愛いやつでもいいから」

千秋「ざ、残念だけど、もう新しいのを使ってるから」

P「なんだ、可愛かったのに」

千秋「そ、そう……」

 
P「まあ、いいさ。千秋は何を着ても似合うからな」

千秋「……やっぱり、口説いてるわ」

P「な、なんで?」

千秋「きっと他のアイドルにもそういうことばっか……」

P「ほら、褒めて伸ばす方針なんだよ」

千秋「……もう知らないわ。どうにでも言ってて頂戴」

 
P「千秋は可愛いな。努力家で、照れ屋だし……」

千秋「や、やっぱりやめて……!」

P「いやー、千秋は冷たそうに見えて優しいし……」

千秋「やめなさいったら!」

P「千秋は可愛い!」

千秋「きゃあっ!? 声が大きいわよ!」

P「ほら、他の人も拍手してる」

千秋「注目を集めないで頂戴!」

P「ははは、千秋は可愛いな」

千秋「うぅ……」

 
───後日 地方のホテル


真尋「千秋さんやっほ! ……おやっ?」

千秋「どうしたの?」

真尋「千秋さん、そのパジャマ大人っぽいねー!」

千秋「そう? ありがとう」

真尋「ナイトウェアってやつかな」

千秋「自分に合った服を着るのも、アイドルとしては大事でしょう?」

真尋「なるほどー!」

 
真尋「でも前に見たパジャマは、もっとかわいい系だったような……」

千秋「……!」

真尋「あっちはプロデューサーの趣味とか?」

千秋「ちがうわよ!」

真尋「えー? ほんとにー?」

千秋「かわいいのも好きなの!」

真尋「ふーーん……?」

千秋「くっ……も、もういいでしょう! 自分の部屋に戻りなさい!」

真尋「あははっ、面白いなー。ではでは、お邪魔しましたー!」

千秋「ふう……」

 
千秋「……」

千秋「……えっと」

千秋「たしかこっちの鞄に……入れてある筈」

千秋「あ、あった」

千秋「……」

千秋「ま、まだ着られるのなら……」

千秋「せっかく選んでもらったのに、着ないのは勿体無いもの、ええそうよ」

千秋「着られる……わよね」

 
千秋「……ま、まだ着られた」

千秋「……よかった」

真尋「……」

千秋「……」

真尋「……にやにや」

千秋「!?」

真尋「やっぱりプロデューサーの趣味だったんだー!」

千秋「ち、ちが! 違うのこれは!」

真尋「もしもしプロデューサー!? えっとね、千秋さんがねー!」

千秋「やめてぇー!」

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北川真尋(17)

おしまい
画像ありがとうございました
SRおめでとう黒川さん

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