工藤忍「大切なものを、あげたんだ」 (51)


忍「♪」

忍(へへー…いいのが当たったな♪あとでプロデューサーさんに自慢しちゃおっと)

忍「?」

トコトコ

楓「…」

忍「あ、楓さん」

楓「?」

楓「あら……忍ちゃん。こんばんは。こんなところで会うなんて珍しいね」

忍「ホントだねー。へへ。こんな普通のスーパーで会うとは」

楓「ふふ」

忍「へへ」


*この酉でやってるシリーズ物ですが、べつにこれまでを読む必要はないので、よかったら

*忍メイン
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ガサ


忍「お買い物…だよね?」

楓「ええ。牛乳と、果物と、」

忍(主婦っぽい!)ハワー

楓「あと……焼き鳥、日本酒…」

忍(!?急におっさんくさいぞっ。って、し、失礼だね。ごめんね)アワワ

楓「??」


楓「…そうだ」ピコーン

楓「あの、これから事務所に戻るところなんだけど…忍ちゃんも、よかったら一緒にどうかしら」

忍「うん??なにかあるの?」

楓「ふふ。ええ」ニコニコ

忍「そっか。じゃあついて行こうかなっ」

楓「ええ。ぜひ」


・・・・・


P「最初は」

柚「ぐー」

比奈「…」

P「じゃんけん」

柚「ぽんっ」パー

P「…」チョキ

サッ

柚「あわっ」

スパーン!

柚「いたいっ」

比奈「…なにやってんでス?」

P「お、比奈おかえり。暇だから柚で遊んでる」

比奈(暇て)

柚「??ゆ、柚と遊んでるね。Pサン、その言い間違えはひどいかも…」

P「??なにも言い間違えたつもりはないが」

柚「……うぇー…?」シューン

P(可愛い)

比奈(あんまりいじめちゃだめっスよー。……気持ちは分かりまスけど)カワイイ


P「冗談冗談。もう一回やるか?」

柚「う、うん。次は負けないよっ」

P「よし来い」

柚「さいしょはぐー」

P「じゃんけん、ぽん」グー

柚「…」パー

柚「やたっ」

P「くそ、負けたか。やるなぁ」

柚「へへー」

P「さすが柚だ。ただでは終わらないな」

柚「えっへへっ。あんまり褒めるな褒めるなっ」テヘテヘ//

P「おう」

柚「ン!」

比奈「……あの、叩かなくていいんスか?」

柚「はえ?――あっ」

P「…」サッ

柚「あっずるぃっ」

P「ふはは。ごまかされる方が悪い」

柚「うええぇえぇ~……」

比奈(子どもか)


柚「も、もう一回!」

P「ほう。敵わないと分かってなお向かって来る、その姿勢は評価してやろう」

柚「か、敵うもん!柚をあんまり舐めたら酸っぱい味がするんだぞっ」

P「なんの話だ」

柚「行くよっ、さいしょはぐーっ」

P「じゃんけん、ぽん」パー

柚「……あっ」グー…

P「…」サッ

柚「あわわ」

柚「! …えとえと――ほいっ」パサ

P「む」パコン

柚「あ…。あ、あんま痛くないかも」

柚「へへーっ♪必殺フード☆ガードだぁっ」

P「よっと」パサ

柚「…、あ、あれ?」

P「…」スパーン

柚「いたいっ」

比奈(もうほっとくっスかね)

乃々「あ……比奈さん、おかえりなさぃー」

比奈「あ、ただいまっス」


柚「どうしてフードをとるのっ」

P「反則だから」

柚「え…で、でも、フードを被っちゃダメなんてルールは…」

P「普通に考えたらだめだろ。柚は悪い子だなあ」

柚「……悪い子じゃないもん」グス

P(あぁ可愛いなあ)

比奈「あんまりいじめちゃだめでスって」スパーン

P「つい」イテ


柚「柚はいい子だよ!」

P「へえ。どんなところが?」

柚「へ?」

P「柚はどういい子なんだ?」

柚「あ、え、えと…」

柚「……、い、一緒にバドミントンができるかな。ひ、一人いると便利カモ!」

P「そっか。それは便利だな」

柚「そうそう!とっても便利です!」ペカー

P「そっか」

柚「そぉそぉ♪」エヘー

比奈(なんか丸め込んだっスね……。さすが変態P)

P(だれが変態か)ナデナデ

柚「♪」

乃々(……笑顔が眩しいですけど…)ウゥ…


ガチャ


仁奈「?」

仁奈「なにしてやがりますか?」

P「おう仁奈。おかえり。あやめも」

あやめ「どうもです、プロデューサー殿」ペコ

P「仁奈もやってみるか。さいしょはぐー、じゃんけんぽん」パー

仁奈「??…えと?」グー…デゴゼーマス

P「で、仁奈が負けたから、俺が叩くと」サッ

仁奈「あう」パコン

P「あ、でも仁奈はきぐるみを着てるから、無敵だな」

仁奈「??よく分かんねーですが、仁奈は強いですか」

P「うん。参りました」

仁奈「えっへへー!参らせやがりましたよ!」ピョーン

比奈「よかったっスねー」ナデナデ

柚「あれぇ」


柚「い、異議があるよっ。アタシと仁奈チャンとの扱いがこんなにも違うのはなんでかなっ」

P「…」ス

柚「?」

P「…」ポコン

柚「いたいっ」

柚「な、なんで負けてもないのに叩くのっ」

P「面白いから」ポコポコ

柚「ふに、ふに」

仁奈「仁奈は強ぇーですよ!」フンス

比奈「そうっスねー」ナデモフナデモフ

あやめ「乃々殿乃々殿、頼まれていたマンガを買って来ましたよ」ガサ

乃々「あ、どうも…助かりましたけど。もりくぼはここから出られないので。さすがはあやめさんです」

あやめ「えへへ。このくらいお安いご用です♪」

乃々(いい人です)エヘ…


柚「もぉーっ」

P「悪い悪い」ハハ

柚「謝る気ないでしょっ」プクー

あやめ「ははぁ。運と早さを競う余興ですか……なかなか面白そうですね」

P「あやめもやってみるか?」

あやめ「ぜひぜひ」

柚「あやめチャンは忍者サンだから、きっと強いよね!アタシの仇を取ってね!」

P「他力本願か」

柚「戦略的撤退だよっ」フフーン

あやめ「あいえ……どうやらプロデューサー殿は、この余興に習熟されているご様子…」

あやめ「ここは慣れない者同士、柚殿、どうか一勝負わたくしにお付き合いください!」

柚「あっれぇっ」

P「因果応報だな」

柚「柚はなにも悪いことしてないよぉ!」フエーン

あやめ「いざっ」

柚「あわわ」


スパーン!!

ウエェェェーン


比奈「……まあ、今日はそういう巡り合わせの日ってことっスかね」モフモフー

仁奈「??」モフモフ

乃々「♪」パラパラ


ガチャ


楓「遅くなりました」

忍「お邪魔しまー… おおっ。本当にこたつがあるよ」

P「楓さん。買い出しご苦労さまです」

楓「ふふっ。買い出しじゃなくて、頼んでいた焼き鳥を取りに行ったんですよ」フフフフ…

P「そ、そうでしたね」ハハ…

楓「はい」ニコニコ

P(この人、まさか本当にいまの台詞のためだけに『今日は焼き鳥が食べたいです』って言いだしたんじゃないだろうな……あり得るから困る)

柚「?」モゾ

柚「あー忍チャンだ。やほぅ」モゴモゴ

忍「やほー」

忍「って柚の顔、半分しか見えないけど。ふふ、だらしないなー」

柚「む」

柚「…むぅー……だれてるんじゃないもん。すねてるんだもん」モゾモゾ

忍「うん??」

P「忍も来たんだな。晩飯がまだなら一緒にどうだ?」

忍「あ、ありがと。ありがたく。へへ、食費が浮いて助かる」

P「お礼の理由が生々しいよ」

忍「へへへっ」


比奈「温め直しまス?」

楓「そうね、それがいいかも。お皿に取り分けて、そのついでにレンジで軽く温めましょうか」

比奈「そっスね」

仁奈「仁奈もなにかお手伝いするですよー」

あやめ「ではあやめも……飲み物でも注いでおきましょうか」

乃々「私は……机の下を見張ってますけど…」

P「その仕事は必要ないぞ?」

乃々「いまマンガ読んでるから手伝うとかむーりぃ」パラー

P「怠けてるだけじゃねえか」

柚「なまけてちゃだめだぞっ」ゴロゴロ

P「説得力が皆無だな」ペチ

柚「ふに」



忍「…」

P「忍はこたつでのんびりしてたらどうだ。楓さんの荷物、手伝ってあげたんだろ」

忍「あ、うん。まあね」ヘヘ…

忍「…じゃ、そうする」

P「おう」


柚「乃々チャンはこたつに入らないのかな?」

乃々「こ、こたつとか……みんなと距離が、近すぎて、むーりぃ」

柚「それがいいのにー」

乃々「……柚さんそれは…病院で診てもらった方がいいと思いますけど…」

柚「あれっなんかとってもばかにされた気がするっ。不意打ちだねっ」

P「ばーか」

柚「直球も来たっ」スコーン

忍(なんだかいつも以上に柚がからかわれてて、面白いかも。柚には悪いけど)クス


P「お茶飲む?」

忍「ありがと」

柚「アタシも欲しいなっ」

P「じゃあちゃんと座りなさい」

柚「そいつぁ無理な相談だあっ」グダー

P「元気があるのかないのか」

柚「てへー」

乃々「プロデューサーさんもりくぼにも……お茶の配達を…」

P「取りに来いよ」

乃々「むーりぃー」

P「なにがだよ。はい」コト

忍「ありがとーっ」

柚「あーずるいー」

P「そんなに寝たまま飲みたいなら飲ませてやるよ」スッ

柚「!?にゃああああ!」ゴロゴロ

P「冗談だって」

柚「じ、冗談でも、急須を顔の上に持って来られたら、もぉ、…もおだよ!」モー!

P「言葉になってないな」

忍「…………」ツンツン


忍「…」ズズ…

忍「……はふ…」コト

忍「……」

忍「…」モゾ

P「?」


P「…どうかしたか?」

忍「え、なにが?」

P「あ、いや」

P「なんだか、落ち着かないみたいだけど」

忍「……あー……そかな」

P「うん」

P「ひょっとして…本当はなにか用事があるとかじゃないよな?楓さんに言い包められて、連れて来られたとか」

忍「ち、違う違う。ないない。というかどっちかというと楓さんは言い包められるタイプでしょ、ってなに言ってんだアタシ」

P「あとで楓さんに言っとこ」

忍「わ、ひどっ。プロデューサーさんひどっ。非道っ」

P「そこまで言う方がひどくないか…」

柚「外道ー」ボソ

P「聞こえてるぞ」グリグリ

柚「ふえぇえぇえ」

忍「…ぷ…ふふふ」


P「人が傷つくようなことを言っちゃだめだろ?」グリグリ

柚「だ、だったら、物理的に人を傷つけるのも、よくないんじゃないかなぁ…?」ウェェ…

忍「……。ふふ」ニヘ

忍「…あのね?なんだかそわそわしちゃって」

P「そわそわ?」

忍「うん…いつもはもう家で、ひ…――ご飯食べてる時間だしさ」

P「そうだな。まあ俺は残業があったり、こいつらの相手をしたりで、わりとこの時間まで残ってたりするが」グリグリ

柚「あ、のぅ……あ、相手をしてくれるのは、大変、嬉しいんですけれども……いぢめと、構ってくれるのとは、違うんじゃないかなってね……?」イーターイー

P「それぞれの主観によるもんな。難しいよな」グリグリ

柚「それって完全にいじめっ子の言い訳だよねっ」フエーン

忍「楽しそうだね」


忍「…あ」

忍「……ちがうか」

P「?」

忍「“楽しい”ね。こういうのって」

P「…そうだな」

柚「楽しくないっ」

P「つれないこと言うなよ」

柚「もぉお!あーでもやっぱ楽しいからくやしいっ」

P「俺、柚の素直なところが好きだぞ」

柚「ありがとっ。でもいい加減いたいかもっ」

忍(……柚ってちょっとMなのかな)


P「ってことで、暇なときは事務所に残ってみるといい。だれかいるだろ」

P「俺がいれば…まあ、晩飯は出る」

忍「ふふ。それは魅力的だね!」

P「だろ?」

柚「ところで焼き鳥はまだかー」

P「準備を手伝いもしないのによく言うな?」サッ

柚「に、逃げるが勝ちかもっ」ゴロゴロ

P「逃がすかっ」バッ

忍「……」クスクス







忍「手伝いって話なら、プロデューサーさんはどうなのっても思うけどね」

P「俺はこたつを準備したからいいの」

忍「そか」


コト


あやめ「お二人はなにを飲まれますかな。常備のものから買い足したものまで、ソフトドリンクは選り取り見取りです」

P「俺はお茶でいいや」

忍「アタシもお茶でいいや。ありがと」

あやめ「そうでしたか。では注ぎ足して参りましょう」スッ

P「悪いな」

あやめ「いえいえ。これも忍びの務めでありますゆえ♪」トトト…

忍(いい子だ……でもあれって、忍び、関係あるかな?)

P「あれだと忍の方が忍びに近いかもな」

忍「それは言葉遊びでしょ」フフ

楓「んふっ」プルプル

仁奈「??楓おねーさん、お腹がいてーです?」サスサス

比奈「放っておいたら治るっス」

P「さらっとひどいな」

あやめ「乃々殿はジュースでよかったですか?」

乃々「あ……届けてくれるなら、なんでもいいですけど……ど、どうも」ペコペコ

忍(いい子だっ)


コト

柚「はいっPサン!」

P「おう。ありがとう…」

P「って悪いけど、新しいコップならさっきあやめが渡してくれたのがあるぞ」

柚「ふふー。柚が置いたのはただのコップじゃないよっ」

P「あ?」…スッ

P「…?」ダラン

柚「糸電話を作ってみたっ」ペカー

P「みんなで準備をしているときに何してんだお前」ポイ

柚「ふにゃぁっ」パコーン

忍(ふふ…もうあれ、かまって欲しくてわざとやってるよね)


柚「な、投げることないでしょっ」

P「俺も投げるつもりはなかった」

柚「そ、そか。ならゆるす」

P「ありがとう」

柚「いいよっ」ペカー

忍(いいんだ)

柚「てへ。ま、せっかくだから使ってよ♪はい忍チャンっ片方どぞー」

忍「ああうん。ありがと」

柚「へへっ。あとはワカイフタリでごゆっくりー♪」パタパタ

P「なに言ってんだ」

忍(糸電話なんていつぶりに見たかな)ヒョイ


P「…」

忍「…」

P「…」

忍「…」

忍「つ、」

忍「使って、みる?……せっかくだし」

P「そ、そうだな。…だがこの距離で使うのも…」

忍「じゃ、はなれてみよう。アタシがあっち行くね。えと、ぴんと張るまで、だっけ」

P「たぶん」

忍「よーしっ」パタパタ

乃々(……、あれがあれば、もうここから動かなくていい気がするんですけど)

P「いろいろ頼む相手がいればな」

乃々「……しれっと心を読むのはやめて欲しいんですけど……」

P「お前が分かり易いんだよ」

忍「プロデューサーさーん、ちゃんと持っててよー」

P「おっと。悪い悪い」グイ


ピーン


忍「よしと」

忍「べつにわざわざ机の下に隠れることはないよね?」

P「ああ。それでいいよ」

P「どっちが先にしゃべる?」

忍「……お先にどうぞ。なんか照れ臭いし」

P「まあな。じゃあ耳に当てて」

忍「うん」

乃々(……なんだか…そこはかとなく青春の香りがするんですけど。……なんて、まだかいだことなーぃー……てへ…)


「聞こえるか?」

忍「…」コクコク

「そっか。…ええと、なにを話せばいいのかよく分からんな」

「……あ、なんか森久保が一人で笑ってるのがこっちから見えるな。そっちからは見えないだろ?」

忍(なにその話題のチョイス)クス

「……ええと、そんなことはどうでもいいか」

「そうだなー…。」

忍(……なんか意味もなくどきどきする)

「……」

「いつもご苦労さま。まだ成人もしてないのに、一人暮らしは大変だと思うけど、これからもがんばれ」

忍「……」

「あ、あとりんご。ご馳走さま。おかげで皮むきが上達した」

忍(だからなんの話さ)フフ


スッ


P「……と」

P「俺から伝えることは以上です」

忍「あ、うん」

忍「……ってなんだろこれ。糸電話って、こ、こんな感じだっけ」ヘヘ…

P「俺もよく分からん」

P「ほ、ほら。次は忍の番だぞ」

忍「あ、アタシもやるんだ?」

P「このままだと俺だけ恥ずかしい思いをする羽目になって、不公平だろ?」

忍「えー…大人気ないなぁ」

P「自覚はある。よし。いつでも来い」スッ

忍「自覚があればいいわけじゃないけどね……もぉ」ハア

忍「……じゃあ、はい。話すね」

P「おう」

乃々(……なんだか、早く焼き鳥が食べたくなって来たんですけど…)


「……」

P「…」

「えと…こちらこそ。いつもお世話になってます」

P(いえいえ)

「……そーだなー。なに話そ…」

「…あ、リンゴどういたしまして。というかたくさん食べてくれて助かっちゃった。へへ。うちの実家のリンゴ、おいしいでしょ。アタシも好き」

P(たしかにおいしかった)

「……で…あとは……」

「…へへ。アイドルって、大変だね」

P「?」

「その……アタシ、不器用だからさ。あ、手先は器用なんだけど。皮むきはまだまだプロデューサーさんに負けないかな。へへっ」

P(なんの話だよ)クス

「――…なんだけど……ね。ちょっとこんがらがってた、のかな」

「楽しいのと、頑張ってるのって、一緒にできないよねって思ってたけど、そんなことないもって、」

「柚とか、みんなを見てて思った。あ、乃々ちゃんはべつだけど」

P(おい。いやまあそうだけど)


スッ


P「まあ」

忍「?」

P「不器用なら、頑張るよりも楽しいを優先すればいい。それでも意外となんとかなるさ」

P「それにアイドルなら、まずは自分が楽しくないとな」

忍「……へへ」

忍「そっかな」

P「おう。あ、根がまじめならな」

乃々「…………ひどぃー」

P「なにも言ってないだろ?」

乃々「ぷ、プロデューサーさんの目が、全てを物語ってますけど……、もりくぼが、プロデューサーさんの目を見ることは…ないですけど…」

P「なにそれひどぃー」

忍「……ふふふ」


忍「なんとか、なるかなっ」

P「なるなる。あいつみたいに」


柚「ほ?」

柚「お呼びですかっ」ピョコン

P「うん。柚のポリシーはなんだっけ」

柚「あ、えとね!がんばりすぎないで楽しむっ!だよっ」ニパー

P「いい信念だと思うよ」ナデナデ

柚「へへっ。でしょでしょ?♪」エッヘヘ

忍「…うん。そだね」ニコ


忍「じゃ…アタシも、もうちょっと楽しもうかなっ。いろいろっ」

P「おう。楽しめ楽しめ。まだ若いんだし」

柚「Pサンもまだまだ若いよー。一緒に楽しもー」ペチペチ

P「はいはい。分かったから叩くのはやめてください」イテテ

柚「てへー」ペチペチ

忍「…へへ」







P「たくさん買って来ましたね」

楓「そうですか?お腹が空いていたので……」

P「それじゃあ仕方ないですね」

楓「はい」ニコニコ

比奈(仕方ないんスか)オイ

P(まあ余らせても、だれか食べるだろ)

比奈(てきとースねぇ)

P(そんなもんだ)

あやめ「では乾杯しましょうか」

P「そうだな。じゃあ音頭は…乃々、頼む」

乃々「…………だれがどう考えても人選ミスなんですけど……」

P「ほら。早くしないと、焼き鳥が冷めちゃうぞ」

仁奈「……」グゥー

柚「ぐー」

P「みんなも早く食べたがってるし」

乃々「あとのかた、なにか音がおかしかった気がするんですけど」

仁奈「あ、あう……はしたねーまねをしちまったです。申し訳ねーですよ//」

柚「てへっ」

P「ほら早く」

乃々「ぐ、ぐにゅぅ……お、横暴ですっ……いぢめですっ…!」ブルブル

楓「……早く食べたいです」グゥグゥ

比奈「まあ早いに越したことはないっスよね」

あやめ「ないですな」エエ

仁奈「早くです」

柚「はーやく♪」

忍「えと、…ごめんね。アタシもお腹空いたかな。だから、早くっ♪?」

P「早く」

乃々「あぅ」


乃々「…………じ」

乃々「ゃ、ぁ、その」

乃々「……ぉ、お疲れさまでしたぁ?」

P(なぜ疑問形なんだ)

乃々「かっ……んぱぃー…」


カンパーイ

パコー


P「やればできるもんだな」グビ

乃々「…………一生恨みますけど…!」///アーモー

忍(可愛いなー)フフ


楓「♪」モグ

比奈「幸せそうっスね」モグモグ

楓「今日も一日、お仕事頑張った甲斐があるなーって……ふふ」

比奈「でスねー」チビ

比奈「…ん…ふぅ。…たまには日本酒も、いいかも」

楓「ねー。そろそろ熱燗にお世話になる季節だわ……」フフフ…

比奈「お酒のお世話になったらいよいよまずいっスよ」

楓「ふふー。あ、あと、比奈ちゃんとプロデューサーさんにお世話してもらえれば、私、それで大丈夫かも……ふふっ」

比奈(二人がかりでも手にあまりそうな気がしないでもないっス)パク…


柚「♪」パクー

柚「?――にゅうっ…」プルプル

仁奈「?柚おねーさん、どうかしやがりましたか」

柚「んむ……に、苦いかも…これなにー…?」プルプル…

あやめ「それはきもですね。たしかに好みは別れるやも…。こちらにつくねなどがありますよ」

柚「へへっ、ありがとあやめチャン♪」パクー

仁奈「きもでごぜーますか。仁奈はきらいじゃねーです」モキュモキュ

あやめ「おお。仁奈殿は大人の味が分かるお方ですなー」ナデナデ

柚「!むむっ。大人の味と聞いては無視できないかもっ。ほい」パクー

柚「!!にゃああー」ジタバタ

P「あほか」

仁奈「♪」モキュモキュ

あやめ(柚殿は見ていて楽しいですね)


P「はい。適当に取って来たぞ」

乃々「あ…はい。ど、どうも」

乃々「…なんだか…プロデューサーさん、優しいですね…」

P「さっきいじわるしちゃったからな。その分だ」

乃々「……そですか」フイ

乃々「…ずるいです、ね。プロデューサーさんって…」

P「?なにか言ったか」

乃々「なんでもないですけど」エヘ…

忍(乙女だ……乙女がおる)モグモグ


P「忍も食べてるか?」

忍「うん」パク

P「そっか」

P「ねぎまが美味い」モグモグ

忍「普通だね」

P「おいしいからいいだろ。忍は?」

忍「アタシもねぎまが好き」モグ

P「一緒じゃねえか」

忍「そうだね♪へへっ」

P「??うん」

忍「♪」ヘヘヘー

P(よく分からんが…楽しそうだし、いいか)

乃々(……乙女ですね…忍さん…)モグ







P「ご馳走さまでした」

柚「けぷ」

P「汚い」

柚「てへ」

楓「けぷ」

P「ほら。子どもはすぐ真似するんだから」

比奈「あの、その人一応、成人してるっス」

楓「てへ」

P「こんなに可愛いのに成人してるわけないだろ!」

比奈「その発言はたくさんの人からお叱りを受けそうなので撤回してください」

楓「か、可愛いなんてそんなプロデューサーさん……」エヘヘ

P(可愛い)

比奈(可愛い)


楓「私…まだまだ飲めますよー」フラ…

あやめ「しっかりしてください」ユサユサ

楓「うぷ」

比奈「楓さんが寝込んじゃう前に片づけちゃいましょっか」

P「そうだな」

楓「うふふふふふふ」ユラユラ…

仁奈「しっかりしてくだせー」ユサユサ

忍(なんだか揺れてる。面白い)







ザバー


忍「アタシ拭こっか」ヒョコ

P「?ああ、悪いな。ありがとう」

忍「いえいえ」


P「はい」

忍「ほい」


ザバー…


忍「……」ゴシゴシ

忍「へへ。同じ台所に立つと、なんだか夫婦ってカンジ」

P「そうか?」

忍「そうそう」

P「そっか。…さすがに、いまはまだ勘弁して欲しいが、」キュ

P「そのうち、同じ台所に立ってくれるようないい旦那さんを見つけるんだぞ」

忍「へへっ。がんばります」

忍「ってアタシのお父さんみたいだねっ。プロデューサーさん」

P「そうか?」

忍「そうそうっ」

P「……そうか」

P「はい」

忍「ほいっ」


ザバー…



キュッ


P「ありがとう。おかげで早く片付いた」

忍「へへ。どういたしまして」

忍「アタシもたくさん食べたし、楽しかったし。こちらこそ、ありがとっ」

P「どういたしまして」


P「じゃ、戻るか」

忍「うん。…あ」

忍「そだ。ねね、手、出して?」

P「?はい」

忍「ふふっ。ほい」

P「??なんだこれ」

忍「うん。さっきスーパーで買ったお菓子のおまけ。それ当たりなんだよ」

忍「プロデューサーさんにあげる」

P「へえ。ありがとう」

忍「どういたしまして」ヘヘー


忍「ストラップだから。なにかに付けるといいよっ」

P「そっか。じゃあ車の鍵にでも付けようかな」

P「…? でもこれ、なにが当たりなんだ?普通のストラップにしか見えないけど」

忍「えへへ」ゴソ

忍「じゃんっ」

P「?」

忍「これアタシのケータイ。ほら」プラン

P「ああ、俺にくれたのと色違いだな。それも当たったのか?」

忍「ふっふー、まあねー。でもこれ、一緒に入ってたんだよ」

P「?」

忍「二つ入ってるのが当たりなんだっ♪お得でしょっ」

P「ああなるほど……そうなのか」

忍「うん」


ニコ


忍「だからこれ、プロデューサーさんも付けたら、アタシと一緒だよ!」

P「…そうだな。じゃあ、付けとくよ」

忍「うん。大事にするんだぞー」ビシ

P「おう」

忍「ん」ニコ







柚「お」

柚「おかえりー。もぉ。二人ともおそいよっ。楓サン寝ちゃったよー」

楓「…………」スヤスヤ

P「…ホントだ」

忍「幸せそうだ」プニプニ

楓「……ふぇ……ふぅ…」スピー

P「そうだな」

柚「のんびりだったね。なにかべつのことでもしてたの?」

比奈(べつのこと?)ピク

乃々(べつのこと?)ピク

P「そこ。妙な勘繰りはよせ」

仁奈「??」モフモフ

あやめ「??」

比奈「あー……心が汚れてる者だけが反応したってわけっスね…」

乃々「……仕方ないです…比奈さん。私たち文系は……少数派ですから……まあ私は比奈さんほど腐ってはいませんけど」

比奈「う、裏切るんスかー」

乃々「……初めから味方じゃなかったってだけですけど…」フフフフ…

比奈「なんでスとー」

P(なんか茶番が始まった)

柚「汚れてる者だけがって、なんだかかっこいいね!」

P「頼むから柚はきれいなままでいてくれな」

柚「うんっ分かった!」ペカー

比奈「ああっ素直さが」

乃々「純真さが眩しいですけど…」ウウ…

P「なに言ってんだ」

忍「ふふ」クス


忍「べつのことって、こともないけど。へへ」ポリ

忍「アタシの大切なものを、プロデューサーさんにあげてたんだ」

比奈「!?」ブッ

乃々「!!?」

P「ちょっ」

P「そ、その言い方はおかしくないか」

忍「??なにもおかしくないよー。あ、でもプロデューサーさんがもらってくれたから、大事になったって感じかなー」ヘッヘヘー

比奈「プロデューサー、あの」

乃々「私たち、冗談だったんですけど……」

P「誤解だ!」

柚「えー。いいなー。柚にもちょうだいっ」ユサユサ

P「いや俺にねだってどうする」

仁奈「よく分かんねーですけど、仁奈にも寄越しやがれです」ユサユサ

P「仁奈はよく考えてから行動しような」

あやめ「プロデューサー殿に仕える身として、いまの発言は聞き捨てなりませんっ。プロデューサー殿!わたくしからも、大切なものを受け取ってください!」ユサユサ

比奈「おやおや」

乃々「まあまあ」

P「あーもうめちゃくちゃだなあー」

忍「ふふふふ!あー……楽しいなっ」


ワイワイ


楓「♪」スヤスヤ



・・・・おしまい

終わり。ちなみに2つで1つの当たりというのは、数年前の角川文庫のキャンペーンでもらえたはっけんくんストラップのシークレットが元ネタというかモデル
ここまでお付き合い感謝

乙あり
このシリーズだと直近で書いたのは↓これです。いつも順番とかスレタイとか関連性がなくて申し訳ない
喜多見柚「へへーん」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1380162544/)

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