不二咲「女装男子でも恋がしたい!」 (80)


不二咲「あっおはよう、霧切さん」

霧切「おはよう不二咲君」

不二咲「…怪我の方は大丈夫?」

霧切「ええ、あの程度かすり傷にすぎないわ」

不二咲「ごめんねぇ、僕のせいで…」

霧切「あなたのせいじゃないわ」

不二咲「でも…」

霧切「強くなるって決めたんでしょう?」

霧切「今度は私のことを守ってくれればそれでいいわ」

不二咲「う、うん!」

霧切「それじゃあ」サッ

不二咲「………」

不二咲(はあ、強くなる…かぁ)

不二咲(そうは決めたもののさっそく女の子の霧切さんに助けられるなんて…)

不二咲(なんか情けないなぁ…)

不二咲(それにしてもあの日以来…霧切さんのことを考えると胸がドキドキする)

不二咲(もしかして霧切さんに…恋してる?)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1380711070

※ネタバレあり、タイトルがまずネタバレですが
※こういうの書いてると胃液が逆流しようとするのでスローペースで書いていきます
※他のダンロンSSと平行して書く予定なのでゆるゆる2・3日おきくらいに更新します
※安価はしない予定です

これ需要あるのかな、なんかもうくじけそう
立てた以上はやめろと言われても書くけど書き溜めてないのでゆるーり待っててください


――――
――

→体育館

モノクマ「僕はお前らに新しい動機を与えることにしました」

モノクマ「今回のテーマは恥ずかしい思い出や知られたくない過去です」

不二咲(…!僕が男だという秘密がばれる…?)

モノクマ「人間生きていれば誰でも恥ずかしい思い出やばれたくない過去はあると思うんだよね」

モノクマ「タイムリミットは24時間!それまでにクロが出ない場合はこの恥ずかしい思い出を世間にバラしちゃいます!」バイナラー

不二咲(どうしよう、このまま秘密がバレたら僕は…)

不二咲(いや、逃げちゃ駄目なんだ。今こそ…)

不二咲(今だからこそ、強くなって本当の自分になるんだ!)

不二咲(強くなるんだ!)


・・・・・・・・・・

→倉庫

不二咲「ジャージ、ジャージ…あった…」

セレス「あら、こんな時間にこんなところで何をなさっているのですか?」

不二咲「あっセレスさん。これは…その…」

不二咲「ごめん!急いでいるからいくね…」

セレス「…誰かと待ち合わせでもしているのかしら」


・・・・・・・・・・

→プール前ホール

不二咲(セレスさんには悪いことしちゃったかな)

不二咲(夜時間のルール破っちゃうことになるけど…ごめんね)

不二咲(ええと…更衣室は生徒手帳を使ってあけるんだったよね)

ガチャ

不二咲(…大和田君もう待ってるかな?)


霧切「………」

霧切「今男子更衣室に入っていったのは…不二咲さん?」

後は書き溜めてから投下していきます
残念ながら少し男らしいちーたんを書きたいです

公式で恋愛感情について描写されてるのが
苗木→舞園(憧れ?)
舞園→苗木(キャラソンにて確定)
桑田→舞園(恋愛と言うよりは性欲?)
残姉→苗木
朝日奈→苗木(友情以上恋愛未満)
腐川→十神
くらいだし、確定してる人以外は色々組み合わせてなんぼだと思うから楽しみ。


→男子更衣室

ガチャ

大和田「なっ!不二咲、お前どうやって」

不二咲「驚かせてごめんなさい!」

不二咲「僕は…本当は男なんだ!」

大和田「!ま、マジかよ…」



大和田「どうして打ち明ける気になったんだ?」

大和田「ずっと守り通してきた秘密なんだろ?」

不二咲「…僕は変わりたいんだ」

不二咲「いつまでもウソに逃げてる弱い自分を壊してさ…」

不二咲「でもさ…大和田君は強いからきっとへっちゃらなんだよね」

不二咲「モノクマにどんな秘密をバラされてもさ…」

大和田「…だから言えっつーのかよ?皮肉か…?俺が強いって皮肉なのか?」

不二咲「え?皮肉なんかじゃないよ。だって大和田君は本当に強いんだし…」


→更衣室前

霧切「念のため桑田君の生徒手帳を持ってきたけど…中から大和田君の声もするわね」


大和田「…俺にどうしろっつーんだよ?」

大和田「俺は…どうしたら良かったんだ?秘密をバラして全部台無しにすりゃよかったのか?」

不二咲「ぼ、僕はただ大和田君に憧れてて…」

大和田「秘密を打ち明けることが強さだっつーのか!?そんなんは強さじゃねぇ!」

大和田「そうだよ俺は強ぇーんだ…強い…強いんだ…」

大和田「強い強い強い強い強い強い強い強い強い強い強い強い強い強い強い!」

大和田「俺は強ぇーんだ!!」


ガチャ


霧切「ちょっとあなたたちなにやってるの?今は夜時間よ!」

霧切「!危ない!」バッ

不二咲「えっ!?うわっ!」

大和田「うわあああああああああ!!」


ガツン!!


霧切「……」

不二咲「だ、大丈夫!?霧切さん!?」

まだかかるよ
更新ペース本当に遅いと思うから、でも生存かねてたまに更新します
2、3週間ごととかになると思います、でも一応書いてます


霧切「…ええ、大丈夫よ。それよりもこれは…?」

大和田「な、なんでおめーがこんなとこにいるんだ?」

霧切「不二咲さんがここに入ってくるのを見たから桑田君の生徒手帳を使ってきたの」

霧切「それよりもあなた今不二咲さんのこと殺そうとしてたわね」

霧切「いったいどういうつもりなの?」

不二咲「ち、違うんだよ!それは私が…」

霧切「今大和田君に話を聞いてるの、不二咲さんは黙ってて」

大和田「お、俺は俺は俺は…くそっ!」ダッ

霧切「ちょっと待ちなさい!大和田君!」

不二咲「待って!!私が悪いんだ!大和田君を責めないで!」

霧切「…どういうことかしら?」

不二咲「ええと、たぶんもう気づいてるかもしれないけど…」

不二咲「僕…本当は男なんだ」

霧切「そうだったの…」

不二咲「それで…自分が男だという秘密を打ち明ける為に強くなろうと思って」

不二咲「大和田君に相談して鍛えてもらおうと思ったんだ」

私じゃなくて僕だよ


不二咲「だけど…僕が知らず知らず内に大和田君を追い詰めちゃって」

不二咲「こんなことになったのは僕のせいなんだ!」

霧切「…もしかしたら大和田君の秘密と関係しいるのかもしれないわね」

霧切「秘密を打ち明けることにためらいがあるようだったから」

不二咲「聞いてたの?」

霧切「少しね。でもモノクマが提示した期限は明日まで…」

霧切「明日まで何も起こらなければいいのだけど」

不二咲「それはたぶん大丈夫だと思うけど…」

不二咲「それより霧切さん大丈夫?さっき僕を庇って…」

霧切「問題ないわ」

不二咲「あの、ありがとう。霧切さんて意外と強いところあるんだね」

霧切「…たまたまよ。それよりも大和田君には気をつけて」

霧切「2人きりで会うことは絶対に避けなさい」

不二咲「う、うん。…霧切さん、このことは黙っててもらえないかな?」

霧切「あなたが男だってことかしら?それとも大和田君のこと?」

>>27
すまない。男だと明かす前は私だと思ってた。
戯言はこれで最後にしようと思うけどゆるゆる更新するつもりです。HTML化されない程度に更新します。
あまり早いペースとか期待しないでください。

言い訳
なんかスランプ状態でどうしても書けなかった
今もスランプ状態でまともなの書けないけどこれ以上放置するよりましだと思うから適当に書く
あんまり期待しないでね


不二咲「それは…どっちも…かな」

不二咲「大和田君がああなっちゃのは僕が原因だし…」

不二咲「僕が男だって秘密もいつか自分の口から言いたいんだ」

霧切「そう…まあ明日には動機がなくなる以上大和田君を追い詰めるような真似はやめたほうがいいかもしれないわね」

不二咲「うん、ありがとう」

不二咲「そういえばどうして霧切さんはこんな時間にこんな所にいたの?」

霧切「…私は死神の足音が聞こえるの」

不二咲「えっと…それってどういう…」

霧切「さあ?私にもよくわからないわ」

不二咲「霧切さんは怖くないの?危険があることがわかっててここに来たんだよね?」

霧切「…恐怖はあるわ。でもそれ以上に好奇心を抑えられないの」

不二咲「そうなんだ…霧切さん、ありがとう」

霧切「ふふ、お礼なんていいわ」


不二咲「…霧切さんって以外と強いところあるんだね」

霧切「強い?私が?」

不二咲「とっさの事とはいえ大和田君の前に立ちふさがるなんて…僕にはできないから…」

霧切「そんなことないわ…それにあなただって十分強い所があると思うわよ」

不二咲「僕が…?」

霧切「あなたは秘密を打ち明けられることをきっかけに自分の弱さを克服しようとした」

霧切「自分の弱さと向き合えるなんてなかなかできることじゃないわよ」

不二咲「で、でも僕なんて…」

霧切「大和田君があんな風になったのもあなたの強さに嫉妬したからよ」

不二咲「大和田君が?」

霧切「大和田君はどうしても自分の弱さゆえに秘密を打ち明けることができなかった」

霧切「でもあなたは秘密を打ち明ける強さを持っていた」

霧切「そんなあなたに嫉妬した…私はそう思うんだけど」

不二咲「ううん、それは買いかぶりすぎだよ」

霧切「まあ、今はそれでもいいわ。どっちにしろあなたはこれから強くなるつもりなのよね?」

不二咲「…うん」


不二咲「でもこれからどうしようかな…大和田君にはもう頼れないし…」

霧切「そうね…苗木君あたりに打ち明けてみたらどうかしら?」

不二咲「苗木君に?」

霧切「苗木君ならきっと秘密を打ち明けたところであなたを笑うようなことはしないと思うし…」

霧切「それに筋トレして鍛えるつもりなら競争相手がいた方がいいんじゃないかしら」

不二咲「僕から見れば苗木君もけっこう男らしいと思うんだけどな」

霧切「ならまずは苗木君くらい鍛えることを目標にしたらどう?」

霧切「どっちにしろ他にふさわしい人がいるとも思えないけど」

不二咲「…うん、そうだね。苗木君に僕の秘密打ち明けてみるよ!」

霧切「ふふ、頑張ってね」

不二咲「…ありがとう、霧切さん」

霧切「別にかまわないわ。今度はもっと強くなってあなたが私のことを守ってちょうだい」

不二咲「うん!」


――――
――


不二咲(はあ、僕どうしちゃったんだろう。こんなこと今までなかったのに…)

不二咲(なんにせよ今は男らしくなることに力を入れないと!)

不二咲(今日…今日苗木君に秘密を打ち明けよう!)


→食堂


石丸「うむむ、珍しく兄弟が来てないな。何かあったのだろうか?」

苗木「遅れてくることはあっても来ないことなんて今までなかったのに」

山田「ま、まさかまた殺人が起こったなんてことないでしょうな?」

石丸「僕が様子を見てこよう!」

霧切「待ちなさい。大和田君なら無事よ」

石丸「霧切君!もしかして兄弟と会ったのか!?」

霧切「ええ、今日は体調がすぐれないから部屋で休むそうよ」

石丸「そうか…あとで見舞いにでもいくとしようか」

霧切「もしかしたら昨日のことが効いてるのかもしれないわ」

霧切「今は一人にしてあげたほうがいいんじゃないかしら?」

石丸「む、そうか…まあなにかあれば兄弟の方から何か言ってくるだろう!」

不二咲「……」


不二咲(大和田君大丈夫かな…でも僕が会いに行っても迷惑になるだけだよね)

苗木「…不二咲さん大丈夫?なんか深刻そうな顔してるけど」

不二咲「あっ大丈夫だよ。それより苗木君に話があるんだけど…」

苗木「…?なにかな?」

不二咲「あとで2人きりで話したいから僕の部屋に来てくれないかな」

苗木「え!?それって…」


モノクマ「ピンポンパンポーン!えーお前ら!至急体育館まで来い!すぐだぞ!すぐに来い!」


不二咲「この放送は…もしかして昨日の続き…かな」



→体育館



石丸「兄弟じゃないか!体調が優れないと聞いたが大丈夫なのか!?」

大和田「…ああ、大丈夫だ」

大和田「それよりも…昨日のこと…何か聞いたりしたか?」

石丸「昨日のこと?なんのことだね?」

霧切「体調が悪いから今日の朝食は休むということは伝えておいたわよ、大和田君」

石丸「なんだそのことか!しっかりと聞いたぞ!」

大和田「…そうか」


モノクマ「ジャジャジャジャーン!やってきたな!お前ら!」

腐川「よ、呼んだのはあんたじゃないのよ!」

モノクマ「はあ、僕は悲しいです。せっかく動機を用意してやったのに誰もコロシアイをしないなんて…」

石丸「当然だ!あんな秘密くらいで殺人を犯そうとするものなどいるわけないだろう!」

モノクマ「うぷぷぷ、そんなこといってもいいのかな?」

大神「どういうことだ?」

モノクマ「さあ?本人に聞いてみればいいんじゃないかな?」

十神「本人だと?誰のことを言っているんだ?」

モノクマ「そんなことはどうでもいいんだよ!それより約束の時間は過ぎたからお前らの秘密は世間に公表するからな!」

葉隠「ちょ、ちょっと待つべ!せめてあと一週間待つべ!」

朝日奈「待ってどうすんのよ!まさか誰か殺そうとか考えてるんじゃないでしょうね!?」

モノクマ「いいよ!待ちますよ!」

葉隠「ほ、本当か?」

霧切「どういうこと?」


モノクマ「いやあね、僕も考えたんですよ」

モノクマ「いきなり動機を渡されて24時間以内にコロシアイしろと言われてもお前ら程度の脳みそじゃあ殺人トリックとか考えられないもんねぇ」

十神「なんだと?」

モノクマ「そこでもう少しお前らに猶予をやろうと思います!」

モノクマ「期限は今から一週間!そんだけ準備期間があればお前らもコロシアイくらいできるでしょ?」

朝日奈「ふざけないで!そんなこと言われたって私たちはコロシアイなんてしないよ!」

モノクマ「あれあれ?朝日奈さんは秘密がバレてもかまわないんだ?」

朝日奈「そ、そんなことは言ってないじゃん!」

モノクマ「うぷぷぷ、そうだよねぇ。やっぱりみんな秘密がバレるのは怖いよねぇ」

モノクマ「そういうわけだから頑張ってコロシアイしてね!バイナラ~」

セレス「結局状況は変わらないわけですわね」

葉隠「なんにせよ秘密はまだバラされないわけだな、良かったべ」

腐川「な、なにも良くないわよ。一週間たてば結局バラされるんだから」

石丸「諸君!モノクマのいうことに惑わされてはいけない!」

石丸「秘密をバラされることがなんだ!コロシアイをすることと比べればずいぶんマシじゃあないか!」

今日はここまで
スレタイ詐欺になってきたけど本当にそうなるかも


大和田「…っち、俺は帰らせてもらうぜ」

石丸「む?どうかしたのか兄弟?なんならこの僕に相談してくれたまえ」

大和田「うるせえ!!テメーに何がわかるってんだ!!」

石丸「なっ…ど、どうしたんだ?」

大和田「…すまねえ。悪いが今は俺にかまわないでくれ、じゃあな」

石丸「ちょっと待ってくれ、兄弟!なにかあったのなら…」

霧切「待ちなさい、石丸君。今は放っておいてあげなさい」

石丸「し、しかし…ありえないとは思うがもし兄弟が変なことを考えでもしたら…」

霧切「大丈夫、そこまで彼も馬鹿じゃない。それにもっと落ち着いてから話をしたほうがいいわ」

石丸「そ、そういうものなのか…?はあ…どうも僕は駄目だな」

苗木「気にすることないよ、石丸君はよくやってると思うよ」

十神「ふん、つまらんな」

腐川「………」


――――
――


→フジサキルーム


苗木(…不二咲さんに呼ばれたけど何の用だろう?)

不二咲「あ、あの来てくれてありがとう」

苗木「えーと、何の用かな?」

不二咲「…今日は苗木君に大事な話があるんだ」

苗木「大事な話…?ボクに?」

不二咲「うん、苗木君ならたぶん大丈夫だと思うから」

苗木「ボクでいいならいくらでも話してくれてもかまわないけど…」

不二咲「…うう、やっぱりやめようかなぁ」

苗木「ええ…と、不二咲さん。たぶん不二咲さんが話そうとしてくれてることって例の秘密の話だよね?」

不二咲「…うん」

苗木「それって無理して話さなきゃならないことなの?」

苗木「だってその秘密を打ち明けようとするってことは誰かを殺すつもりはないってことでしょ?それなら自分から言わずとも…」

不二咲「…それじゃ駄目なんだ。自分の口から言わなくちゃいけないことなんだ」


不二咲「実はね…僕は…」

苗木「あ、ごめん、ちょっと待ってくれるかな。なんかボクも緊張してきちゃったんだけど」

不二咲「え、う…うん」

苗木(…不二咲さんがこれだけ覚悟して言おうとしている秘密か…少し怖くなってきたぞ)

不二咲「………」

苗木(でも不二咲さんが話すと決めたんだ…ボクも覚悟を決めるぞ…!)

苗木「待たせてごめんね、聞く覚悟はできたよ。なんでも話してよ」

不二咲「うん…もしかしたらこの話をしたら苗木君は僕のことを軽蔑するかもしれない…」

不二咲「みんなからも嫌われるかもしれない…でも僕はこれ以上仲間であるみんなを騙すような真似はしたくないんだ」

苗木「……うん」

不二咲「だから言うよ。実は僕は…」

苗木「………」

不二咲「実は僕は…男なんだ!」

苗木「……え?」


苗木「えーと、さすがに今のは冗談だよね?」

不二咲「うう…やっぱり冗談だと思うよねぇ…」

不二咲「でも僕は男なんだ」

苗木「あの、不二咲さん。こういう冗談はちょっと…」

不二咲「冗談だと思うなら確かめてくれないかな」

苗木「え…確かめるってどうやって…」

不二咲「苗木君…」ギュッ

苗木「ふ、不二咲さん…?」

不二咲「えいっ」

苗木「う、うわぁ!不二咲さん!?……!」

苗木「この胸の感触は…本当に男…?」

不二咲「こ、これで信じてくれたかなぁ?」

苗木「じゃ、じゃあ本当に不二咲さんは…」

不二咲「うん、正真正銘僕は男だよ」


不二咲「あ、そういえばこんなことしなくても生徒手帳みせればよかったねぇ」

不二咲「えーと…ほら、これが僕の生徒手帳だよ」

苗木「…たしかに男なんだね。驚いたよ」

不二咲「ご、ごめんねぇ…苗木君僕のこと嫌いになっちゃったかな?」

苗木「…驚きはしたけどこんなことで不二咲さんのこと嫌いになったりしないよ」

不二咲「…ありがとう、苗木君。…あのね、聞いて欲しいことがあるんだ」

苗木「…うん、話してよ」

不二咲「僕はね…自分が男らしくないことにコンプレックスを持ってたんだ」

不二咲「自分が男らしくないことを人に責められるのが嫌で…女装してたんだ」

不二咲「でも僕はそんな自分が好きじゃなかった…本当は変わりたかった」

不二咲「だからね、僕の秘密をバラすと言われたとき決めたんだ。これをきっかけに変わろうって」

不二咲「…ある人にはそれで迷惑かけちゃったけど、それでも僕は強くなるって決めたんだ」

一ヵ月ほど暇できるから少しは更新できそうです、相変わらず遅いのは変わらないだろうけど
ここまではほとんど原作とかスクールモードとかと変わらんけどこれから話展開していく予定です


苗木「不二咲さん…いや、不二咲クン」

苗木「不二咲クンがそう決めたならボクは応援するよ」

不二咲「苗木君、ありがとう」

苗木「といってもボクに何ができるのかもわからないんだけどね」

不二咲「ううん、それで苗木君にはお願いがあるんだけど…」

苗木「なにかな?ボクにできることならなんでもするよ」

不二咲「僕と一緒に体を鍛えて欲しいんだ」

苗木「体を鍛える?そういえば以前に強い人を探してるって言ってたよね」

不二咲「…うん」

苗木「もしかしてそれは鍛えてくれる人を探してたの?」

不二咲「うん、そうなんだぁ。でも大和田君には…その、断られちゃって」

苗木「そうだったんだ…でも僕よりは石丸君の方がいいと思うけど…」

不二咲「ううん、苗木君にお願いしたいんだ。駄目かなぁ…」


苗木「いや、ボクでよければ協力するよ!」

不二咲「ありがとう、苗木君!」

苗木「ところで…不二咲クンのこと知ってる人って他にもいるの?」

不二咲「えーと、他に僕の秘密知ってるのは大和田君と霧切さんかなぁ」

苗木「え?霧切さんが?」

不二咲「あ…うん、実は…僕が男子更衣室に入るところをたまたま見られちゃって…」

苗木「そうだったんだ。…でも鍛えるなら男子更衣室ぐらいしかないよね」

不二咲「うん、だから鍛えるのは夜時間になっちゃうかなぁ…」

苗木「夜時間の約束破っちゃうことになるのか…セレスさんに知られたらこってり叱られそうだね」

不二咲「ごめんねぇ、苗木君が嫌なら今からでも断ってくれても…」

苗木「それは違うよ。ボクは不二咲クンを手伝うって決めたんだ」

苗木「ボクは自分から秘密を打ち明けてくれた不二咲クンのことを尊敬してるんだ」


苗木「だからぜひ不二咲クンのこと手伝わせてよ」

不二咲「苗木君…ありがとう」

苗木「…じゃあ明日からでもトレーニング始めようか」

不二咲「いや、今から始めよう!あ、ジャージなら倉庫にあるはずだから大丈夫だよ」

苗木「え、今から?せめて明日に…」

不二咲「…うう、やっぱり駄目かなぁ。ごめんね、苗木君」

苗木「そんなことないよ!善は急げだよね!さっそく始めよう!」

不二咲「…!うん!よろしくね、一緒に男らしくなれるように頑張ろうね!」

苗木「うん、男らしく……?もしかしてボクも鍛えることになってる?」

不二咲「駄目だったかな…たしかに苗木君は十分男らしいもんね」

苗木「いや、そんなことはないと思うけど…」

不二咲「実は霧切さんに苗木君と鍛えたほうが良いと言われたから思い切って苗木君を誘ってみたんだけど…」

苗木「霧切さんが…?」

不二咲「う、うん…」

苗木(つまり霧切さんから見ればボクは男らしくないってことなのか?)

不二咲「な、苗木君…どうかしたのぉ?」


苗木「…ボクも一緒に鍛えるよ」

不二咲「ほ、本当に!?ありがとう」

苗木(霧切さんにそんな風に思われるのは少し癪だしね)

苗木「よし!さっそく行こう!」

不二咲「うん!」



――――
――


石丸「うむむ、兄弟はいったいどうしたのだろうか…」

石丸「たしかに兄弟は暴走族の総長をやっているのだからいけないことのひとつやふたつはやっているのかもしれんが…」

石丸「しかしそれを気にするような男ではないはずだ」

石丸「霧切君にはしばらく放っておいたほうが良いと言われたが…」

石丸「やはり男同士真っ向から話し合ったほうが良いのではないか?」

石丸「しかし…うむむ…わからん」

石丸「…そういえば以前苗木君にはいろいろと教えられたことがあったな」

石丸「ここは苗木君に相談してみるのもいいかもしれないな。よし!そうしよう!」


―――翌日朝


不二咲(痛てて…昨日の筋トレの効果が出てるのかな?)

不二咲(そういえばそろそろアルターエゴによるデータ解析が終わってるかもしれない…)

不二咲(もし何かわかったらみんなに伝えたほうがいいかな)

不二咲(でもその前に霧切さんに相談してみよう。もしかしたら得られた情報からなにか導き出してくれるかもしれない)

不二咲(…そういえば昨日は大和田君朝食に顔を出さなかったけど今日はいるかなぁ)


→食堂

石丸「む、おはよう!不二咲君!」

苗木「あ、おはよう。不二咲ク…さん」

不二咲「おはよう」

朝日奈「今日はいつもとくらべて遅かったね。何かあったの?」

不二咲「えーと、夜更かししちゃったから寝坊しちゃって」

石丸「いかんぞ、不二咲君。こんな状況下にあるとはいえど不規則な生活をしては心に乱れが生じてしまうぞ」

不二咲「う、うん。気をつけるよ」

セレス「随分と朝食のメンバーも減ってしまいましたわね」

山田「十神白夜殿と腐川冬子殿はともかく大和田紋土殿まで来なくなってしまうとは…」

不二咲(やっぱり大和田君は来てないんだ…)


――――
――

不二咲(今日はどうやって過ごそうかな)

不二咲(アルターエゴのことは夜時間になってから話した方がいいよね)

不二咲(筋トレは2,3日に一回くらいのほうがいいらしいから今日は休むとして…)

不二咲(体を鍛えるならもう少し知識が必要だよね。その辺りのこと大神さんに相談してみようかな?)

不二咲(一緒にトレーニングをするんじゃなくて話を聞くだけなら大丈夫だよね)

不二咲「よし、とりあえず大神さんに会いにいこうかな」

霧切「ちょっといいかしら?」

不二咲「あ、霧切さん。どうかしたの?」

霧切「後で話があるのだけど…夜時間はあいてるかしら?」

不二咲「うん、大丈夫だよ」

霧切「それじゃあ…0時頃に一緒に風呂にでも入りましょうか」

不二咲「え!?風呂に!?」

霧切「ええ、大浴場なら誰にも邪魔されずに会えるでしょう?」

不二咲「…!うん、そうだねぇ…僕もそのほうがちょうどいいかな…」

霧切「それじゃあまた夜時間に会いましょう」

不二咲「うん、またあとでね」


不二咲「えーと、大神さんはどこにいるのかなぁ」

不二咲「そういえば朝日奈さんとよくいるしプールのほうにいるのかも…」

不二咲「でも僕がプールに行くと男だってことがバレちゃうからな…」

不二咲「できればいつか自分の口から言いたいことだし…プールには行けないかな」

不二咲「そうだ。図書室に行けばいろいろと調べられるかもしれない」

不二咲「とりあえず図書室にでも行こうかな」


→図書室


不二咲(…あ、図書室には十神君と腐川さんがいる)

十神「……おい、腐川」

腐川「は、はい!?なんでしょうか!?」

十神「お前まだ風呂に入っていないだろう、臭うぞ」

腐川「す、すいません…」

十神「いいから消えろ。二度とここに来るな」

腐川「で、でも…」

十神「聞こえなかったのか?俺は消えろと言ったんだ」

腐川「は、はい…」

不二咲(相変わらず十神君はすごいなぁ。はっきりとあんなこと言うなんて…)

十神「……」

十神「…何だお前、そこで何をしている?」


不二咲「え、えっと…僕のこと?」

十神「そうだお前だ。何しに来た?」

不二咲「ただ僕は調べ物をしに来たんだけど…」

十神「…っち、ならばさっさと済ませて早く消えるんだな」

不二咲(あれ…てっきりすぐ追い出されると思ったんだけど…)

十神「どうした?用がないならさっさと消えろ」

不二咲「あ、うん。すぐに終わらせるよ」

十神「………」

不二咲(十神君…ミステリー小説を読みあさってるみたいだね…)

不二咲(やっぱり本気でコロシアイなんてするつもりなのかな…?)

不二咲(そんなことは絶対に駄目だよ…これ以上のコロシアイは絶対に駄目なんだ)

不二咲(だから…早くここから抜け出す糸口を見つけないと…)

不二咲(アルターエゴがあのパソコンから有力な手がかりを見つけてくれればいいんだけどな)


不二咲(どうせだから…少し十神君とお話してみようかな…)

十神「………」

不二咲「あの、十神君…」

十神「……まだいたのか。さっさと用事をすませて消えろ」

不二咲(うう…やっぱり少し怖いなぁ…)

不二咲(でもここで怯むようじゃ駄目だよね…少しでも…強くならなきゃ…!)

不二咲「…す、少し話してもいいかな?」

十神「…ふん、まあいいだろう。さっさと話せ」

不二咲「ええと…十神君はどうしてこのコロシアイに積極的なの?」

十神「それは前にも言ったはずだ。ここから出るにはこのゲームに勝利するしかない」

十神「俺は十神家次期当主だ。貴様らとは違い勝利を義務付けられた人間だ」

十神「だからこそこのコロシアイでも俺が勝利する…と言っても貴様ら愚民にはわからないだろうがな」

不二咲「そうなのかな…でも僕は…やっぱりそんなの駄目だと思う…」

十神「また馴れ合いごっこか?くだらない」

不二咲「違うよ…十神君は黒幕の思惑通りこのコロシアイを進めることが本当に正しいと思ってるの?」

十神「なんだと?」

不二咲「きっと…本当に強い人なら黒幕なんかに従ったりしない」


不二咲「たとえ黒幕が…どんなに大きな力を持っていても…」

不二咲「それに抗って立ち向かってる人だっている」

不二咲「ええと…あまり上手くは言えないけど…」

不二咲「黒幕に従うことは決して正しいことなんかじゃない…」

不二咲「強い意志があれば…みんなで協力すれば黒幕にも立ち向かえるはずだと思うんだ」

十神「…それだけか?だからみんなで仲良しこよしやろうということか?」

十神「馬鹿馬鹿しい…それでお前は黒幕に立ち向かうためなにをするというんだ?」

不二咲「そ、それはまだわからないけど…でも…」

十神「お前ごときがでもなんていう言葉を使うなと言っただろう」

十神「お前のやっていることなんて所詮現実から目をそらして逃げているだけにすぎん」

十神「どうやら俺が思っている以上にお前たちの頭の中はお花畑が咲いているようだな」

不二咲「そ、そんなことないよ」

十神「これ以上俺を失望させるな…ゲームがつまらなくなる」

不二咲「…やっぱり十神君にとってはこれはゲームにすぎないんだね」

不二咲「それでも…僕はみんなでここから出られる方法を探すよ」

十神「そうやっていつまでも現実逃避をしていろ。話は終わりだ、もう消えろ」

不二咲「…うん、じゃあね」

ガチャ

十神「…くだらん」

十神「しかし不二咲ごときが俺に意見をするとはな…何かあったのか…あるいは…」


不二咲(うう、まだ心臓がバクバクする)

不二咲(さっきは勢いであんなこと言っちゃったけど…あれくらいは十神君もわかってることだよね…)

不二咲(僕なんかが余計なこと言っちゃたかな…はあ…)

不二咲(そういえばみんなはこの生活についてどう思ってるんだろう)

不二咲(そりゃあ誰もコロシアイなんてしたくないと思ってるだろうけど…)

不二咲(でも一生ここにいることはできない…それも事実だよね)

不二咲(そういえば大和田君は大丈夫かな?大和田君が殺人をするとは思えないけど…)

不二咲(近いうちに仲直りしなくちゃいけないよね…ここからみんなで出るためにも…!)




――――
――


苗木「痛てて…昨日は久しぶりに筋トレなんかしたせで体のあちこちが痛いぞ」

苗木「今日は部屋で休んでようかな…」

ピンポーン

苗木「あれ、誰だろう?もしかして不二咲クンかな?」

ガチャ

石丸「やあやあ、苗木君。少し話をしたいのだがいいだろうか?」

苗木「石丸クン?うん、かまわないよ。あがって」

石丸「うむ、ではお邪魔します!」

苗木「あはは、ただ部屋に入るだけなのにそんなにかしこまらなくてもいいのに」

石丸「いいや、これから苗木先生に相談をしてもらうのに失礼があってはいけないからな」

苗木「相談?ボクでよければかまわないけど…なにかな?」

石丸「ありがとう!苗木君!相談というのは他でもない。兄弟のことだよ」

苗木「兄弟…大和田クンのことか。そういえば最近朝食に来なくなったよね」

石丸「そうなのだよ…おそらくモノクマが提示した動機が原因なのではないかと思うのだが…」

苗木「うーん、でも大和田クンなら秘密の一つや二つ気にするようには見えないけど…」


石丸「しかし兄弟が何かに悩んでいるのは間違いないだろう…」

石丸「本人に直接聞こうともしたのだが…どうもうまくいかなくてな…」

苗木「モノクマが動機にするくらいだからもしかしたらとんでもない秘密を抱えてるのかもしれないね」

石丸「むぐぐ…やはり霧切君の言うとおりそっとしておくのが良いのだろうか…」

苗木(たしかに…昨日の大和田クンはいつもと比べて荒れてたよな…)

石丸「ぼ、僕はいったいどうすればいいんだ!?せっかく兄弟と呼べる仲になれたのに僕には何もできないのか!?」

苗木「まあそっとしておいても問題は起きないとは思うけど…」

石丸「やはりそれが一番なのだろうか…」

苗木「でもやっぱり気になるよね…モノクマも秘密の公開を先送りしてるみたいだし…」

石丸「秘密か…ちなみに苗木君の秘密はなんなのだね?」

苗木「え…ボクの?それはちょっと…」

石丸「や、やはり僕なんかには打ち明けられないのか…僕はなんて情けない男なんだろうか」

苗木「ちょ、ちょっと待ってよ。わかったよ、言うよ」

石丸「おお!そうか!では僕の秘密も打ち明けるとしようではないか!」

苗木「そのかわり絶対誰にも言わないでよね…」

石丸「もちろんだとも!男同士の約束だ!」


石丸「なるほど、それが苗木君の秘密か…とりあえず殺人の動機にはなりえなさそうで安心だな」

苗木「石丸クンの秘密も動機にはならなそうで安心したよ」

石丸「しかし秘密を共有するというのはなかなか良いものだな」

苗木「でも大和田クンはそれを良しとは思っていないはずだよね…」

石丸「むぐぐ…それが問題なのだよ」

苗木「…それならさ、もう一度一緒にサウナにでも入って語り合ってみたらどう?」

石丸「サウナに?たしかに兄弟と仲良くなれたのもそのおかげだからな…」

苗木「秘密を無理やり聞くのは避けたほうがいいとは思うけど…気晴らしくらいにはなるかもしれないよ」

石丸「そうだな!秘密を聞くことはできなくとも…一度語り合うのも悪くないかもしれない!」

石丸「そうと決まったらさっそく兄弟をサウナに誘うことにしよう!」

苗木「あはは…くれぐれも地雷を踏まないよう気をつけてね」

石丸「うむ!やはり苗木君に相談をして良かったぞ!ありがとう、苗木君!」

苗木「まだ解決したとはいえないけどね…でも石丸クンなら何とかなりそうな気がするよ」

石丸「任せたまえ!兄弟のことは僕がなんとかしてみせよう!」

石丸「それでは行ってくるぞ!苗木君も何かあればいつでも僕に言いたまえ!」

苗木「うん、頑張ってね」


――――
――


夜時間

→大浴場

不二咲「ええと、もう霧切さんは来てるかな?」

不二咲「…まだ来てないみたいだね」

不二咲「とりあえずアルターエゴがどこまで解析したのか確認しておこうかな」

ガチャ

アルターエゴ「あ、おはようご主人タマ!」

不二咲「アルターエゴ、解析の方はどう?」

アルターエゴ「もう少し時間がかかりそうだよ。厳重にロックされてるからね」

不二咲「そっかぁ…少しでも有力な情報が得られればいいんだけど…」

アルターエゴ「そういえばね、解析できた一部のフォルダの中にこんなの見つけたんだけど」

不二咲「これは…僕と…大和田君と桑田君の写真!?」

不二咲「そんな…僕たちはここで初めて会ったはずなのに…」

不二咲「これは本物の写真なの?」

アルターエゴ「僕が解析した限りでは…この写真に加工したような形跡は見られないよ」

不二咲「どういうことだろう…?僕はこんな写真撮った記憶なんてないのに…」


霧切「…パソコン使えるようになったのね。それにしてもこの写真はいったい何かしら?」

不二咲「あ、霧切さん来てたんだね」

アルターエゴ「その人が霧切さん?こんにちは、僕は学習型人工知能アルターエゴです」

霧切「アルターエゴ…実物を見るのは初めてだけど…これほどのものなのね」

不二咲「うん、パソコンの中に厳重にロックされてるデータがあるんだけど…」

不二咲「解析するのに時間がかかりそうだったからアルターエゴに任せてるんだ」

霧切「なるほど…そしてさっきの写真は解析したデータの一部ということね」

不二咲「でも…僕はさっきの写真にまったく身に覚えがないんだ」

霧切「身に覚えがない?過去に一度でも会ったことはないのかしら?」

不二咲「うん、それはない…と思うよ」

霧切「これが加工された写真である可能性は?」

不二咲「それもないみたい…ありえないけどこの写真自体は本物だと思うよ」

霧切「…そう、それで解析の方は後どれくらいかかるのかしら?」

不二咲「2、3日以内には終わるかなぁ」

霧切「有力な手がかりを手に入れることができればいいのだけど…」

不二咲「そういえば…霧切さん話があるって言ってたよね?何の話かな?」


霧切「学園内を捜索中にあるものを見つけたの」

不二咲「あるもの?」

霧切「学校二階の男子トイレの用具入れ…その奥よ」

不二咲「男子トイレの奥?そこに何があったの?」

霧切「それは…自分の目で確かめてきて欲しいの」

不二咲「うん、かまわないけど…でもどうして僕にそれを?」

霧切「あなたはおそらく内通者ではない。そう判断したからよ」

不二咲「内通者…?霧切さんは僕たちの中に内通者がいると思ってるの?」

霧切「あくまで可能性の話よ。だけどその可能性は高いはず」

霧切「今は一人でも多く信用できる仲間が欲しい…だからあなたに話した」

霧切「そんなところかしらね」


不二咲「そっか…僕でよかったらいくらでも霧切さんの協力をするよ」

霧切「ええ、ありがとう」

不二咲「ええと…じゃあさっそくトイレを確かめてくるね」

霧切「ちょっと待ってちょうだい。そのパソコンだけど…鍵をかけてロッカーにいてれ置いたほうがいいわ」

不二咲「え?鍵付きのロッカーに?」

霧切「ええ、黒幕、あるいは内通者に見つかるとまずいわ」

不二咲「わかったよ。鍵は僕が持っててもいいのかな?」

霧切「ええ、それで問題ないわ。いざとなったらロッカーを壊せばいいだけの話だし」

不二咲「うん、じゃあこっちのロッカーに…アルターエゴ、しばらくここで我慢してね」

アルターエゴ「わかったよ、ご主人タマ」

霧切「もし私と不二咲君以外の人間がこのロッカーを開けたら大声を上げるように伝えてもらえる?」

不二咲「僕と霧切さん以外がいたら大声をあげて…と」カタカタ

アルターエゴ「ご主人タマと霧切さん以外だね」

不二咲「よし…これであとはロッカーに隠して鍵をかけてと…」

霧切「これで大丈夫ね…それじゃあトイレの方はよろしく頼むわ」

不二咲「うん、任せてよ」

霧切「ところで…」


霧切「あれは何かしら?」

不二咲「え?あれって?」


ガチャ


石丸「む、霧切君に不二咲君ではないか」

大和田「オメーラ…こんなところで何してるんだ?」

霧切「それはこっちの台詞、もう夜時間よ」

不二咲「大和田君…」

大和田「不二咲…すまなかったな」

不二咲「え?」

大和田「俺が弱かったばっかりにあんなことをしちまって…本当にすまなかった」

不二咲「大和田君…いいんだよ。僕のほうこそごめんね」

大和田「俺は決めたぞ、不二咲」

大和田「俺はもう逃げねぇ…必ず黒幕をとっちめてここから出る」

大和田「もう黒幕の思い通りには動かねえぞ!」

不二咲「…うん!必ずみんなで出ようね」

霧切「どうやらもう吹っ切れたみたいね」

大和田「ああ、兄弟の言葉で目が覚めたぜ」



――――
――


→大和田ルーム


大和田「もし秘密がバレるようなことになったら俺は…」

大和田「それにチームのやつらのことも気になる」

大和田「くそっ、モノクマの野郎ふざけたことしやがって」

ピンポーン

大和田「…誰だ?兄弟か?めんどくせぇな…」ガチャ

石丸「やあ、兄弟!最近朝食に来ないから心配したぞ」

大和田「悪いが帰って…」

石丸「これから一緒にサウナでもどうだね?」

大和田「サウナだと?なんでサウナなんか…」

石丸「兄弟が何かに悩んでいることはさすがの僕でもわかる」

石丸「だがあえて僕は兄弟が何に悩んでるのかは聞かないことにする!だからサウナだ!」

大和田「いや、意味わかんねぇよ」

石丸「細かいことはいいじゃないか!ほら!行くぞ、兄弟!」

大和田「おい、ひっぱんなって!」


→サウナ


大和田「……」

石丸「……」

大和田「……」

石丸「……」

大和田(いきなりサウナに誘うなんて何考えてんだ?)

大和田(まあ言われるがままについてきた俺も俺だがよ…)

石丸「……」

大和田「おい、何か話があって俺のこと誘ったんじゃねーのか?」

石丸「うむ…そうなのだが…」

大和田「兄弟にしては妙に歯切れが悪いじゃねぇか」

石丸「うむ…そうだな…」

大和田「もしかして俺に聞きたいことでもあんのか?」

石丸「いや、そうではない…僕自身の話なのだが…」

大和田「じゃあさっさと言えよ。また前みたいにのぼせんぞ」

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