まどか「ほむらちゃんがリムジンで登校してきた」(276)

まどか「即座に生徒指導室に連れていかれてて盛大に吹いた」

ほむら「……」

ほむら「まどか、今度の休日、私の車でドライブに……」

まどか「ごめんほむらちゃん、無免許運転の車になんて乗りたくないよ」

ほむら「……」

ほむら(まどかに喜んで欲しくて頑張って買ったのに……)

ほむら(運転テクニックも、GBのドラえもんカートでたくさん練習したから大丈夫なのに……)

ほむら(悲しいわ……)

ほむら(地図も買ってきたわ……)

ほむら(ナビの便利さもいいけれど……)

ほむら(まどかと一緒に地図を見ながら行き先を決めたら、凄く楽しそうだから……)

まどか「あれ? 地図なんか抱えてどうしたの、ほむらちゃん?」

ほむら「まどかとのドライブで使おうと思ってたの」

まどか「だから車は駄目だって。法律は守らなくちゃ駄目だよ」

ほむら「……」

まどか「でも……」

ほむら「??」

まどか「魔法での運転なら、事故は起こさないよね?」

ほむら「ええ」

まどか「そっか。それなら―――」

――――

土曜日


ぷっぷー

まどか「あ、クラクション!」

ほむら「迎えにきたわ、まどか」

まどか「ありがとう! それにしてもやっぱりリムジンは目立つねー」

ほむら「ええ……」

まどか「それじゃ乗せてもらうねー」

ほむら「どうぞ」

まどか「わぁー! すっごい広い!」

ほむら「……」ホムホム

まどか「シートも座り心地抜群!」

ほむら「……」ホムホム

まどか「これなら一泊二日のドライブもずっと快適に過ごせそう!」

ほむら「一泊二日?」

まどか「え、違うの? 土日ずっと小旅行するつもりでいたんだけど」

ほむら「……いえ、それでいきましょう」

ほむら(棚から苺大福ね……)

ぶろろろろー

まどか「ところでほむらちゃん。そこらへん曖昧だったけど、行き先はどうする?」

ほむら「そこに昨日私が持っていた地図があるわ。開いてみて」

まどか「あ、本当だ。えっと……、いくつか折り目がついてたり、ペンで印がつけてあったりするのは」

ほむら「良さそうな場所をいくつかピックアップしてみたの……」

まどか「なるほどー!」

まどか「ふふっ」

ほむら「??」

まどか「色々な場所が候補にあがってる」

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん、今日のドライブを本当に楽しみにしててくれたんだね」

ほむら「……ええ」

まどか「そんなほむらちゃんのために、今日はお昼をつくってきたよ」

ほむら(まどかの手作りお昼!?)

まどか「どこか落ち着く場所で食べようね」

まどか「あ、ここいいな!」

ほむら「何ページ?」

まどか「えっと、78ページのペンで印がつけてあるとこ!」

ほむら「ああ。海の方ね」

まどか「ほむらちゃんページ数で分かるの!?」

ほむら「たくさん地図と睨めっこしたから……」

まどか「すごーい! なんかかっこいいね!」

ほむら「……」ホムホム

ほむら「そのページに、蛍光ペンで四角く囲ってあるところがあるでしょう?」

まどか「えーと。あ、これ? ○○公園ってとこ?」

ほむら「そこであっているわ。その公園には、海を一望できる展望台があるそうなの」

まどか「わぁー! いいね!」

ほむら「……」

まどか「それじゃあまずはそこに行ってみようか!」

ほむら「ちょうどお昼頃には到着できると思うわ」

まどか「通り過ぎる人通り過ぎる人、みんなこっちの方を見ていくね」

ほむら「気になる?」

まどか「うーん、だんだん慣れてきた」

ほむら「もしも落ち着かないならカーテンを閉めるといいわ」

まどか「じゃあ、そうしよう」

ほむら「……」

まどか「ふわぁー……」

ほむら「ごめんなさい、退屈かしら……」

まどか「あ、違う違う! わくわくしてるよ!」

ほむら「……」

まどか「ただ、お弁当作るために早起きしたから、眠くって……」

ほむら「公園に着いたら起こすから、寝ていても構わないわよ」

まどか「でもそれだとほむらちゃんが退屈じゃない?」

ほむら「大丈夫。私は……」

まどか「ほむらちゃんは?」

ほむら「いえ。やっぱりなんでもないわ」

まどか「??」

ほむら(私はまどかと一緒にいられるだけで幸せだから……)

ほむら「……」

まどか「すーすー」

ほむら「……」ホムホム

まどか「すー、すぅー」

ほむら(そろそろ国道にのるわね……)

ほむら(よく晴れた空……)

ほむら(この天気が明日までもてばいいのだけれど)

まどか「ん、んんー……。もうついたぁー?」

ほむら「いいえ。もう少しよ」

まどか「そっかぁ」

ほむら「もう海沿いを走っているから、カーテンを開けて景色を見てみたらどうかしら」

まどか「どれどれ……。わあっ、綺麗な海!」

ほむら(まどかの方が綺麗よ……)

まどか「日光できらきらして、きれーい」

ほむら「そうね」

まどか「あっ、船だ! おっきーい!」

ほむら(はしゃぐまどかも可愛いわ……)

ほむら「そろそろ到着するわ」

まどか「おっ、あれだね! あの灯台みたいな建物が展望台かな?」

ほむら「だと思うわ」

まどか「あそこからだったら水平線の向こう側まで見えちゃいそうだね」

ききーっ

まどか「わっ!?」

ほむら「……」

まどか「きゅ、急に止まったからびっくりしちゃった」

ほむら「ごめんなさい……。まだリムジンの運転になれていなくて……」

まどか「あ、責めてる訳じゃないから大丈夫!」

ほむら「ほむぅ……」

まどか「それじゃ、降りよっか」

ほむら「そうね」

まどか「潮風が気持ちいいー……」

ほむら「そうね……」

まどか「海鳥の鳴き声といい、いかにも海の近くー! ……って感じだよね」

ほむら「公園といっても遊具はないわね」

まどか「どちらかというと広場のような感じの場所だね」

ほむら「あら。あそこに屋根付きのベンチがあるわ」

まどか「お昼はあそこでにしよっか!」

ほむら「そうそう。腰を落ち着ける前に、自販機で飲み物を買いましょう」

まどか「お弁当はサンドイッチ中心だから、お茶でもジュースでもどっちでも合うと思うよ」

ほむら「じゃあ……、コーラで」

まどか「わたしはおーい、お茶に」

ほむら「それだけは止めなさい」

まどか「えっ?」

ほむら「おーいお茶は良くないわ」

まどか「そうなの……?」

ほむら「許せないわ、おーいお茶」

まどか「ほむらちゃんがそこまで言うなら止めておくけど……」

まどか「けっきょくわたしもコーラにしちゃった!」

ほむら「おそろいね……」

まどか「飲みあいとかできないね」

ほむら「……」

まどか「さて、お待ちかねのお弁当です! じゃーん!」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら(ぐっ、ぐちゃぐちゃに崩れているわ……)

ほむら(もしかして、さっき私が急気味にブレーキをかけたから……)

まどか「てへへ……。なんか、ごめんね。こんなに汚くって」

ほむら「もぐもぐ……。いえ、とっても美味しいわ」

まどか「本当……?」

ほむら「ええ。ありがとうまどか」

まどか「そっか。なら、よかった」

ほむら「……」ホムホム

ほむら「お昼を食べ終えたら展望台に登ってみる?」

まどか「そうしよう! その後は、砂浜の方に降りてみよっか」

ほむら「ここは泳ぐにはあまり適していないそうだけど……」

まどか「ちょっと砂浜でちゃぷちゃぷするぐらいなら平気平気ー。
      それにどちらにしろ、水着が無いから本格的に泳ぐことはできないしね」

ほむら「いえ、水着なら用意してあるわ」

まどか「ほむらちゃんは水着があってもわたしが……」

ほむら「まどかにぴったりの水着も用意してあるわ」

まどか「……なんでサイズが分かったの?」

ほむら「ほむぅ……」

まどか「あ。ほむらちゃん、ちょっとじっとしてて」

ほむら「!?」

ほむら(ど、どどど、どうしてそんなに接近して!?)

まどか「はい。口の端にサンドイッチの卵がついてたよ」

ほむら「あ……」

まどか「勿体ないし食べちゃえ」パクッ

ほむら「!!」

まどか「あれ? どうしてほむらちゃん顔が赤いの?」

ほむら「……」

まどか「なっ、なんだかわたしまで恥ずかしくなっちゃうよ……」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「少しもたれかかってもいいかしら……」

まどか「うん。展望台へは、もう少しぼーっとしてからいこっか」

――――


まどか「わーっ! 凄い景色ー!」

ほむら「写真をでも撮る?」

まどか「カメラ持ってきてたの?」

ほむら「ええ。愛用のポラロイドカメラを持ってきたわ」

まどか「何故ポラロイド!?」

ほむら「ほむぅ……」

まどか「あ、そうだ。せっかくだし、青空と海をバックに2人で写ろうよ!」

まどか「もっとこっちに寄って寄って!」

ほむら(ほとんど密着状態だわ……)ホムホム

まどか「はい、チーズ!」

ぱしゃっ

まどか「あれ? 失敗した?」

ほむら「いえ。現像は徐々に進んでいくのよ」

まどか「こ、こんなにくっついてたんだ、わたし達……」

ほむら(一生の思い出ねの品……)

ほむら「写真の裏かはじっこに、ペンで日付でも記入しましょうか?」

まどか「いいねいいねー!」

ほむら「筆記用具は車の中にあるから、また少し後でになるけれどね」

まどか「この100円双眼鏡使ってみようよ!」

ほむら「いいわよ。はい」チャリン

まどか「えっ? お金出してもらっちゃっていいの?」

ほむら「勿論よ。そんなことより、早く覗かないと時間が勿体ないわ」

まどか「わぁー! そうだった!」

ほむら(そうしてはしゃいでいるまどかを後ろからじっと観察するの)ホムホム

まどか(遠くの景色が、まるで目の前にあるみたいに見える……)

まどか(世界って広いなー、なんちゃって)

まどか(あ、レンズが遮られた)

まどか「ほむらちゃーん、終わったよ」クルッ

ほむら「!?」ホムッ

まどか「ちかっ!?」

ほむら(い、いいい、今唇が当たりそうになった!!)

ほむら(ほむーっ! ほむーっ!)

まどか「そろそろ浜辺に降りていこう?」

ほむら「……」

まどか「ん? どうしたの?」

ほむら「その……、よかったら、手を」

まどか「ああ! うん、いいよ。繋ごう!」

ほむら「……」ホムホム

ほむら(少しずつ……指を絡めて……)

ほむら(できたわ、恋人繋ぎ!)

ほむら(これでもう傍から見たら、仲の良い恋人……には、見えないわよね)

ほむら(せいぜい仲のいい友達ぐらいにしか見えないのでしょうね……)

まどか「ここまで海に近付くと、波の音もよく聞こえるね」

ほむら「海沿いなのに人の喧騒がないから、余計に音が際立つわね」

まどか「靴、そこらに脱ぎ捨てちゃおっか?」

ほむら「邪魔だものね」

まどか「えいっ」

ほむら(まどかの足、ちっちゃくて可愛いわ……)

まどか「あはは、お水つめたーい!」

ほむら(いつまでもこの笑顔を見守っていたい……)

まどか「あっ! 見てみてほむらちゃん、カニさんだよ!」

ほむら「つかまえてみる?」

まどか「うーん。可哀想だからいいや」

ほむら(優しいわ)

まどか「それにしてもほむらちゃんって脚きれいだね」

ほむら「そうかしら……」

まどか「クラスのみんなにはナイショにしちゃお。わたしだけの秘密」

ほむら「……」

まどか「そうだ! 砂でお城でもつくってみない?」

ほむら「いいわよ。それは私の得意分野だし」

まどか「へえー。でも確かにほむらちゃんって、手先器用そうだもんね」

まどか「よいしょ、よいしょ」

まどか(できた! まどか城!)

まどか(ほむらちゃんは……)

ほむら「……」ホムホム

まどか「本気で上手っ!?」

ほむら「小さい頃よく砂場でつくっていたから……」

まどか「それにしても凄いよ……。ああ、まどか城がまどかハウスぐらいに見えてきた」

ほむら「ほむら城に移住してくればいいわ。まどかなら歓迎よ」

まどか「本当ー? それなら一緒にほむら城に住んじゃおっかな」

ほむら(まどかと1つ屋根の下だなんて……)

ほむら(なんという天国なのかしら……)

ほむら「完成したわ」

まどか「凄いすごーい! せっかくだしこれも写真にとっちゃおうよ!」

ほむら「まどかが撮りたいというのなら……」

まどか「よーし。それじゃあ早速―――」

ザザーン

ほむら「波で……お城が……」

まどか「あ、あはは……、潮が満ちてきてるみたいだね」

ほむら「ほむぅ……」

まどか「でも大丈夫。ほむら城はなくなっちゃったけど……」

ほむら「??」

まどか「ほむらちゃんの隣は、まだ残ってるもんね!」

ほむら「……」ドキドキ

まどか「だいぶ陽も落ちてきたねー」

ほむら「夕暮れ時の海は綺麗ね……」

まどか「こうして波の音を聞きながら、2人で並んで座ってると……」

ほむら「??」

まどか「なんだか、世界中にわたし達しかいないみたいに思えてくるね」

ほむら「ふふ。そんな世界じゃ、退屈なんじゃないかしら」

まどか「どうかな。それはそれで、悪くないかなって思うよ」

ほむら「……」

まどか「ねえ、ほむらちゃんはどう思―――」

まどか(えっ!?)

まどか(なっ、なんでだろう……)

まどか(ほむらちゃんの横顔が、とっても綺麗に見える……)

まどか(オレンジ色の光で染まって……、少し、いつもより大人っぽいかも)

ほむら「少し、考えたのだけれど」

まどか「うん」

ほむら「貴女にそんな寂しい世界は似合わないんじゃないかしら」

まどか「そう、かな……」

ほむら「ええ。貴女には、優しい人達に囲まれて、
      いつまでもきらきら輝いた笑顔を絶やさずいて欲しいの」

まどか「その、優しい人達って言葉の中には……」

ほむら「……?」

まどか「ほむらちゃんも入ってなくちゃ嫌だからね」

ほむら「まどか……」

まどか「だから約束して。突然いなくなったりしないって」

ほむら「……約束するわ」

まどか「ゆーびきりげんまん」

ほむら「うそついたらはりせんぼんのーます」

「「ゆびきった!」」

ほむら「そろそろ車に戻りましょうか。
      できれば暗くなりきる前に銭湯に着きたいわ」

まどか「あ、ちょっと待って」

ほむら「??」

まどか「最後に1つやってみたかったことがあるの」

ほむら「やってみたかったこと?」

まどか「こうね、足で砂をぐりぐりーって削って」

ほむら(これってまさか……)

まどか「砂浜にかいた相合傘ー、なんてね!」

ほむら「ほびゃあああああああ!!!!」

まどか「ちょっ、ほむらちゃん!? 大丈夫!?」

ほむら「失礼。取り乱したわ」

まどか「平気なら良いんだけど……」

まどか「砂浜にかいた文字なんて、すぐに消えちゃう。
      世界中の誰も……、わたしとほむらちゃん以外は、誰ひとり知ることのないままに」

ほむら「そうね……」

まどか「それでもね。たとえ形に残らなくっても」


ざざーん


まどか「相合傘が存在したことは、事実だから」


ざざーん


まどか「けっして無意味なんかじゃないって、そう感じるんだ」

ほむら「……私も、同感よ」

まどか「この相合傘は、あえて写真には残さないでおこうか」

ほむら「クラスのみんなにはナイショね」

まどか「うん。世界中で2人だけの秘密」

――――

ぶろろろろろ


まどか「銭湯まではどのぐらいなの?」

ほむら「車なら……、10分とかからないんじゃないかしら」

まどか「近いんだね!」

ほむら「お風呂に入ったらそのまま夕食をとりましょう。
      せっかくだし、美味しい海鮮料理屋さんでも見つけられるといいわね」

まどか「海鮮料理! 海鮮料理!」

ほむら(まどかとお風呂! まどかとお風呂!)

ききーっ……

ほむら「到着よ」

まどか「今度はゆっくり停車だったね」

ほむら「……」

まどか「えらいえらい」

ほむら「ほむぅ……」

まどか「露天風呂もあるんだー」

ほむら「身体を洗ったらそっちも入ってみましょうか」

まどか「だね!」

ほむら(汗ばんだ服を脱ぐとすっきりするわね……)

まどか「んしょ、っと」

ほむら(まどかが服を脱ぐ音を聞いただけで胸が高鳴るわ)

まどか「それじゃ行こう、ほむらちゃん」

ほむら「ええ」

ほむら(まどかの身体に巻きついてるタオル、そこかわって)

まどか「シャンプーが目にはいったぁぁ……、染みるぅー」

ほむら(今なら裸をじろじろ見てもばれないんじゃないかしら!?)

まどか「ううぅ」

ほむら「……」ホムホム

まどか「ようやくひりひりがとれてきた」

ほむら「さっ、さあ。ボディーソープボディーソープ」

まどか「??」

まどか「お風呂上がったらさ」

ほむら「??」

まどか「あれやろっか。コーヒー牛乳一気飲み」

ほむら「私はいちごミルクにしようかしら」

まどか「それもいいねー」

ほむら「さて、と。身体を洗い終わったわ。まどかは?」

まどか「もうちょっとかかるから、先に露天風呂に行ってていいよ」

ほむら「いえ。せっかくだしまどかが洗い終わるのを待つわ」

まどか「そう? なら急いで洗っちゃうね」

まどか「う……外への扉、重いぃー。えいっ!」

がらがらがら

ほむら「ああ、ほてった身体に夜の空気が心地いいわ。ね、まどか」

まどか「……」

ほむら「まどか……?」

まどか「ほむらちゃん、お空を見て」

ほむら「空?」

まどか「うん」

ほむら「……綺麗な星空」

まどか「おうちの近くじゃこんな空絶対に見れないよ……」

ほむら「そうね……」

ちゃぽん……

まどか「あったかーい……」

ほむら「こんなに幸せでいいのかしら……。
      宝石みたいな星空と、あったかい温泉と、それから……」

まどか「それから?」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「今日は一緒に着いてきてくれてありがとう、まどか」

まどか「ううん! こちらこそ、とっても楽しかったし、綺麗なものも見れたし……。
      今日は1日ありがとう。それと……、運転お疲れ様」

ほむら「星が、手に掴めそうね……」

まどか「そうだね……」

――――


ほむら「いいお湯だったわ……」

まどか「はい、ほむらちゃん。いちごミルク」

ほむら「お金、払うわね。いくらだった?」

まどか「秘密だよーん。さ、いいから飲もう飲もう」

そうそう経血を膣液で薄めてー――ってなんでやねーん!



書け、猿は俺が面倒をみる

                                     f'´   f'´  f'´   f'´
                                     込   鼎  丱   仍
                                     |\ ∧  ∧  /|_
                                  ,.<::::二Λ .ト::| .|:::::| |::::/ /:::::::>、
                               /::::::::::::::::::Λ.|:::| .iM| .|::/ /::::::::::::::::ヽ
                              ,':::::::::::::::::::::::::Λ|::| |::::::| |/,ィ:::::::::::::::::::::::::',

.                                 {::::::::::::::::::::::∠三二ニ二三ミ:::::::::::::::::::::::::::}
                               {:::::::::::::::ァ=ュn二二二二三ヨ::::::::::::::::::::::::::}
.                              V::::::::::((ζ `‐riニニニニ―-- 、::::::::::::,'

                                ∨::::::::ヾL__,,LL_______   .!:::::::::, '   我が使命は
                                ∨:::::::::::::r「il}}{{;;illllli;;}}{{;;i,'  /:::::/    此のスレに近づく愚猿を
                , -―――――――――――――「__|―ュ_| i h、.  /:/     その肉の最後の一片までも

               '―――――――――――――――l |―‐[二==リ'ァ''/        殲滅する事――
                                   /..| | ̄`| ̄.... ]ヽ/ ヽ

                                 /   | |  /| ̄.|.!   l
                               __,//  ..| |/ . .|  .|.!    .|
                              / /    .| | . ../ |  .|.!     |    書 け 、 猿 は 俺 が 面 倒 を み る
                             ,/,-        | | /__.!  |.!     |
                          ,. - '´      / .....| | 丶    /    ト、
                      ,. - '´        /   ...| | 丶-‐ '      ヽ
                  ,. - ' ´         /     ...| |   Y         ヽ
               ,.- ' ´            /      ...| |  /|      ヽ   ヽ
           ,. - '´                       .ヽ.|  / .l      ヽ    ヽ
        ,. - '´                             /{( .|       ヽ    ヽ
    ,. - '´                                /-- ヽ       ヽ    ヽ
,. - '´                             /     ,イ     ヽ       ヽ    }

まどか「あー。ほむらちゃん牛乳でひげができてる!」

ほむら「ふふっ。そういうまどかだって」

まどか「うそっ!? うわー、人にいっておきながら恥ずかしい……」

ほむら(まあそういう少し抜けてるところが可愛いのよね)

まどか「それじゃ、お食事どころを探しに行こうか!」

――――

かたかたかた


ほむら「このお店なんてどうかしら?」

まどか「おおっ、なんとなく地元の漁師さんと繋がりのありそうな感じのお店だね」

ほむら「決定ね」

「いらっしゃいませー」

ほむら「2人でお願いします」

ほむら「はい。座敷の席で」

まどか「きたきた、海鮮丼! 具が多いー!」

ほむら(しまった。ついまどかと同じものを頼んでしまったわ)

ほむら(お昼のジュースの時と同じ轍を踏んでしまうなんて……不覚)

まどか「はい、あーん」

ほむら「……え?」

まどか「あーん」

ほむら「あーん……」

まどか「美味しい?」

ほむら「ええ。とっても美味しいわ」

まどか「よかった!」

ほむら(まどかああああああああ!! 好きぃいいいいいいいいいいい!!)

>>116

おいそれ俺の仕事や

――――


ほむら(もう頭がまどか一色で食べ物の味が分からなかったわ……)

まどか「美味しかったね!」

ほむら「そっ、そうね……」

まどか「さて、と。夜はどうしよっか?」

ほむら「いまから宿を探せるかは分からないし……。
      車の中で、ということになっても大丈夫かしら?」

まどか「うん、平気平気! あのリムジン、とっても広いもん!」

ほむら「……」ホムホム

まどか「ね。車まで、また手を繋いで歩こう?」

ほむら「ええ……!」

まどか「お店から車までだから、ほんの一瞬だったね」

ほむら「そうね。さ、今鍵を開けるわ」

まどか「……」

ほむら「まどか?」

まどか「ね! 車に戻るのは、やっぱり少し散歩してからにしようよ!」ギュッ

ほむら「別に構わないけれど……」

ほむら(気のせいかしら、まどかの指にこもる力が強くなったような)

ほむら(それにしても、まどかと手つなぎデートだなんて、まさしく至福の時だわ)

ほむら(まどかは、どう感じているのかしら)

変な伏線張るんじゃねえよぉ!!

まどか「流れ星はないかなー」

ほむら「うーん。狙って見つけられるようなものではないから、難しいんじゃないかしら」

まどか「そうだよねぇ」

ほむら「……」

まどか「だけど……、だけどもし、流れ星が落ちてきたら」

ほむら「??」

まどか「ほむらちゃんは、何をお願いする?」

ほむら「一泊二日の旅行を二泊三日にでも引きのばしてもらおうかしら」

まどか「あはは、謙虚だねー」

ほむら「謙虚なんかじゃないわ。この上なく欲張りなお願いよ」

まどか「そうかなぁー」

ほむら「で、まどかだったらどんなお願いをするの?」

まどか「わたし? わたしはね……」


かたかたかた


まどか「永遠をお願いするかな」

ほむら「永遠……?」

まどか「うん。永遠。ほむらちゃんとの永遠」

ほむら「……」

まどか「見つかるといいね、流れ星」

ほむら「そうね……」

まどか「はっくちゅん!」

ほむら「湯ざめしてしまったのかしら?」

まどか「そうかも……」

ほむら「そろそろ車に戻りましょう」

まどか「うん……」

まどか「ううぅ、いつの間にかだいぶ気温が下がってた……」

ほむら「……こうすると、あったかいわ」

まどか「ほっ、ほむらちゃん!?」

ほむら「私に抱きしめられるなんて嫌だったかしら?」

まどか「あ、ううん! 嫌なんかじゃないよ! ただ……」

ほむら「ただ?」

まどか「急だったから、驚いただけ」

ほむら「そう……」

まどか「このままだと歩きにくいね」

ほむら「手を繋ぐだけに戻す?」

まどか「ううん。歩きにくいけど、このままがいい」

ほむら「私もよ」

まどか「流れ星見つけたかったなぁ……」

ほむら「見つけたかったわね……」

その上嵐の前の静けさ

――――

からからからから


まどか「なーんか、不思議」

ほむら「何が?」

まどか「ついちょっと前まで、リムジンはさすがに無いよー、なんて思ってたのにさ」

ほむら「ほむぅ……」

まどか「今、車内に戻ってきたら、なぜか凄くホッとした気持ちになった」

ほむら「そう……」


かたかたかた

かたかたかた・・・

かたかたかた・・・?

ほむら「まどか。これは提案……、そう、あくまで提案なのだけど」

まどか「何かな?」

ほむら「別に歩いている時でなくても、手は繋げるわ」

まどか「……とっても素敵な提案だと思うよ」

ほむら「まどかぁぁ……」

まどか(リムジンよりもっと不思議なのはね、ほむらちゃん)

まどか(わたしの貴女に対する気持ち)

まどか(これって恋、なのかなあ……)

まどか(そんなわけないよね、女の子相手に……)

まどか(そう、そんなわけないのに……)

まどか(胸の中がほむらちゃんでいっぱいなのは、なんでだろう……)

不安感MAXでござる

まどか「ほむらちゃんさ、好きな人いる?」

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「わっ、私の、胸に……」

まどか「??」

ほむら「触ってみて……、くれるかしら?」

まどか「……」

ほむら「これが……、答えよ」

まどか(どくどくどくどく、って、ほむらちゃんの音がする)

まどか(張り裂けそうなぐらいに、指に伝わってくるよ……)

ちょっと鬱が多すぎて口が苦い
200%の糖分が欲しいな

まどか「全然不思議なんかじゃなかったんだね」

ほむら「えっ?」

まどか「ううん。なんでも」

まどか(女の子だからとか、男の子だからとか、そういうのじゃなくて)

まどか(ほむらちゃんだから、わたしは大好きで)

まどか(きっとほむらちゃんも、同じなんだ……)

まどか(だから……)

まどか「今度はわたしの胸に触ってみて、ほむらちゃん」

ほむら「だがそれが良い」

まどか「どう、かな……?」

ほむら「伝わってきたよ、まどかの鼓動」

まどか「……」

ほむら「とっても……、とっても嬉しい……」

まどか「わたしも。えへへ……」

ほむら「私、さっきまで自分の気持ちは間違っていると思っていた」

まどか「えっ?」

ほむら「凄く独りよがりで、おまけにその、一般的な嗜好じゃないから……。
      どこかでまどかに触れることを後ろめたく感じる自分がいたの」

まどか「……今は?」

ほむら「前より躊躇わずに、まどかに触れられるわ」

まどか「じゃ、もう一回抱きしめてくれる?」

ほむら「ええ。今夜は……、抱き合ったまま眠りましょう」

まどか「そうだね。そうしよう」

うわあああああああああああああ

からからから


まどか「あったかい……」

ほむら「暑い、じゃなくて?」

まどか「身体は暑いけど、心があったかいの」

ほむら「なんとなく分かる気がするわ」

まどか「ふぁあー……」

ほむら「あら、もしかして眠くなっちゃった?」

まどか「うん……。ごめんね、夜更かしは苦手で……」

ほむら「気にしないで。貴女は無理せず、ありのままのまどかでいてくれればいいのよ」

まどか「ありがとう……」

ほむら「それじゃあ、おやすみなさい」

まどか「うん。おやすみ」

だからその「からからから」をやめてくれ

怖すぎる

――――

翌朝


まどか(ん……、ぐるじい……)

ほむら「うぅー……」

まどか(って、うわっ!? ほ、ほむらちゃんの顔近っ!?)

ほむら「ううーん……、まろかぁ……」

まどか(寝言でまでわたしの名前呼んでるや……)

まどか(ほっぺつついちゃおうかな)

まどか「えいっ」

ほむら「はむっ……」

まどか(く、くくく、口で咥えられた!?)

まどか(あわわわわわわ)

ほむら「ちゅぷちゅぷ……、まろらぁ……」

まどか(や、やっと抜けた!)

まどか(朝からどきどきしちゃった……)

まどか(指についたほむらちゃんのよだれ、どうしよう……)

      /  カタカタカタカタカタ!  \
 \       カタカタカタカタカタ!゛     /
 <カラカラカラカ!_____ラカラカラカラ!>

    |<カタカタカ!      .|タカタカタ!>
    |<ホムホムホム!     | ホムホムホム!>
 <カラカラカラ!      カラカラカラカラカラ!>

    |<カタ!: (ノ'A`)>:     カタカタカタ!>
   / ̄ ̄ ̄ ̄: ( ヘヘ:: ̄ ̄ ̄ウェヒヒヒヒヒ!>
 <ウェヒヒヒヒヒ!         \ ウェヒヒヒヒヒ!>



まどか(直接口でなめとっても……)

ほむら「ほむー……、ほむー……」

まどか(だめだめ! そんなことしたら、なんかほむらちゃんに悪い気がする!)

まどか(わたし達は、そう……、プラトニックラブ? とかいうのなんだから!)

まどか(きちんとタオルか何かで拭こう、うん!)

まどか(ほむらちゃんのよだれに惑わされちゃうなんて、わたし変態なのかな……)

まどか(でも……)

ほむら「ほむぅ……」

まどか(指で唇をなぞるぐらいなら、いいよね?)

まどか(よーし。そーっと、そーっと)

ほむら「……」パチッ

まどか「わっ!? お、おお、おはようほむらちゃん!」

ほむら「おはよう、まどか……。あら? どうしてそんなに慌てた顔をしているの?」

まどか「なっ、なんでもないよ! あはははは……」

ほむら「??」

まどか「これからどうする?」

ほむら「そうね……。とりあえず歯を磨きたいわ」

まどか「泊まるつもりで来たから、歯ブラシなら持ってきたよ!」

ほむら「さすが保健委員ね。用意がいいわ」

まどか「保健委員関係ないような……。あっ、でも1本しかなかった」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「コンビニで買ってくるわ」

まどか「どちらにしろ水は必要だしね」

ほむら・まどか(まあ、私(わたし)はまどか(ほむらちゃん)と同じ歯ブラシを使ってもいいんだけど……)

――――


まどか「ドーナツ美味しいー」

ほむら「……」モッサモッサ

まどか「ほむらちゃんはカロリーメイトのポテト味?」

ほむら「ええ」

まどか「ポテト味って美味しいの?」

ほむら「……まずいわ」

まどか「あ、そうなんだ……」

ほむら「朝食が済んだらどこに行きましょう」

まどか「ほむらちゃんにお任せ、っていうのは、ありかな?」

ぶるるるる


まどか「しゅっぱーつ!」

ほむら「行き先は、本当に私に任せてくれていいのね?」

まどか「うん。ほむらちゃんの行きたいところがわたしの行きたいところだよ」

ほむら「そう……。わたしの行きたい場所は帰りの方角と一致しているから、
      夕方までには貴女を家に送れると思うわ」

まどか「じゃ、あと何時間かしたらこの旅行も終わりかぁー」

ほむら「……」

まどか「なんだかあっという間だったね」

ほむら「そうね……。まるで昨日という一日が、丸ごと1つの夢みたい」

まどか「でも、夢なんかじゃないよ」

ほむら「……うん」

まどか「朝の海も爽やかで綺麗だねー」

ほむら「いいものよね」

まどか「またこようね」

ほむら「……これたらいいわね」

――――

からからから


ほむら「さ、到着よ」

まどか「ほむらちゃんのきたかった場所って……、学校?」

ほむら「そう、学校よ」

まどか「でもどうして……?」

ほむら「ここが私と貴女の始まりの場所だから……」

まどか「あ」

ほむら「魔法を使えば施錠は外せるわ。こっそり侵入してしまいましょう」

まどか「ふふっ。なんだかわくわくしてきたよ」

まどか「誰もいない校舎って、靴の音がよく響くんだね」

ほむら「まったく別の場所みたいね」


かつかつかつ


まどか「あ。気が付いたら自分のクラスの教室にきてた」

ほむら「ふふっ。私の最初の目的地はここだからいいのよ」

まどか「そうなの?」

ほむら「……まどか。自分の席についてくれるかしら」

まどか「席に着いたよー!」

ほむら「そう。それじゃあいくわね」

まどか(いくって、何を……?)

がらがらがら……、かつかつかつ、ぴたっ

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

まどか(これって、転校初日の……)

ほむら「……何もかも、ここから始まったわ」

まどか「うん……、そうだね」

ほむら「隣の席に失礼してもいいかしら?」

まどか「うん!」

ほむら「よいしょ、と。……これが本当の私の席だったらよかったのにね」

まどか「てへへ。そうだね」

ほむら「まったく、先生ときたら気がきかないんだから」

まどか「あはは、ホントだよー」

まどか「わーい、座りながらほむらちゃんに手が届くー!」

ほむら「せっかくだし少しの間だけ隣の席を満喫しましょうか」

まどか「だね!」

ほむら「こんなに近かったら……、手を繋ぎながら授業を受ける、なんてこともできるかもね」

まどか「そしたらクラス中から噂になっちゃったりして!」

ほむら「その前に2人して先生に怒られるでしょうね」

まどか「2人で廊下に立ってろー、なんて?」

ほむら「それじゃあご褒美じゃない」

まどか「確かに!」

ほむら「とにかく、とっても楽しそうね」

まどか「だね。一緒なのがほむらちゃんになるだけで、こんなにも違うんだね」

ほむら「そうだわ。記念に黒板に落書きでもしていかない?」

まどか「ほむらちゃんいけないんだー」

ほむら「無免運転、不法侵入ときたら、もう怖いものなしよ」

まどか「そしてわたしもその片棒を担いでいるのでしたー!」


からからから


まどか「見てみて。ほむらちゃんだよー」

ほむら(まどかの絵はいつ見ても可愛いわ……)

まどか「ほむらちゃんは何描いてるの?」

ほむら「私? 私は……、まどかのつもり、だけど……」

まどか「なんで羽が生えてるの!? しかも頭にわっかまで!」

ほむら「まっ、まどかが天使すぎるのが悪いのよ!」

まどか「ええーっ!?」

だからその「からからから」っていうのやめてええええええええええええええ

ほむら「さて、次はグラウンドへ行きましょう」

まどか「その前にあれもやろうよ!」

ほむら「あれ?」

まどか「鹿目まどか。貴女は自分の人生が、貴いと思う? 家族や友達を、大切にしてる?」

ほむら「……よくそこまでしっかり覚えていたわね」

まどか「だってインパクトあったもん」

ほむら「あれは勘弁してもらえないかしら……」

まどか「ええーっ」

――――

グラウンド


ほむら「さて。まどか、今から貴女に魔法をかけてあげるわ」

まどか「魔法を?」

ほむら「そう。少し走ってみてくれる?」

まどか「走ってって……わっ!? は、早っ!?」

ほむら「その状態でジャンプしてみて。大丈夫、着地の衝撃は和らげるから」

まどか「わ、分かった! えいっ!!」

まどか(やっぱり高っ!?)

まどか(でも……、風を切る感覚がとっても気持ちいい)

ほむら「ずるっこだけど、いいものでしょう?」

まどか「あーっ! もしかして……、体育の時は、いつも魔法を使ってたの?」

ほむら「ふふっ、ばれなければいいのよ」

まどか「ほむらちゃんやっぱりいけないんだー」

ほむら「まどかだって人のことは言えないのよ?」

まどか「えっ……?」

ほむら「さあ。次に行きましょう」

まどか「あ、うん!」

――――

からからから


まどか「屋上まできて、何をするの?」

ほむら「私ね。前から一度やってみたいことがあったのよ」

まどか「やってみたいこと?」

ほむら「この場所で、2人きりでのんびり話してみたかった」

まどか「えーっ。そんなのいつだってできるよー!」

ほむら「ううん。やっておける時にやっておかないと」

まどか「……」

ほむら「美樹さやかと貴女は、時々ここでお喋りしてたわよね」

まどか「ああ……、うん。」

ほむら「実はあれにちょっと嫉妬しちゃってたんだ。
      それで、同じことを私もまどかとやりたいなって」

まどか「嫉妬だなんて、わたしとさやかちゃんはただの仲の良い友達だよー!」

ほむら「空が綺麗ね……」

まどか「魔法の力で空を飛んだりできないの?」

ほむら「それはちょっと……」

まどか「そっかぁ。ちょびっと残念」

ほむら「案外不便なものなのよ、魔法って」

まどか「そっかぁ……」

ほむら「まどかは今、幸せ?」

まどか「幸せだよ。ほむらちゃんは?」

ほむら「私もよ」

まどか「こんな幸せがいつまでも続けばいいのにね」

ほむら「ええ。本当に……」

まどか「なんだか少しうとうとしてきちゃった……」

ほむら「膝枕してあげるわ」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「どういたしまして」

まどか「ほむらちゃんのお膝、気持ちいい……」

ほむら「まどか。そのままでいいから聞いてくれる?」

まどか「うん……」

ほむら「来週、この町に……」

まどか「この町に?」

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「……ねえ。まどか」

まどか「うん……?」

ほむら「すぐに形が消えちゃった砂浜の相合傘にも、意味はあったのよね?」

まどか「あったよ。少なくとも私は、そう信じてる」

ほむら「そう。それならいいの……」

まどか「……」

ほむら「それなら私は、頑張れる……」

ほむら「さて、と。それじゃあそろそろ行きましょうか」

まどか「待って」

ほむら「……?」

まどか「キスしようよ」

ほむら「……」

からからから


まどか「こっ、こんなに恥ずかしいんだね……、キスって」

ほむら「そ、そそ、そうね……」

まどか「……」

ほむら「でも……、キスして良かったと思うわ」

まどか「うん。同じく」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「来週」

まどか「??」

ほむら「来週、もう一度ここで、お話ししましょう」

まどか「えっ?」

ほむら「そしてそこで……、二度目のキスを、しましょう」

まどか「……うん。いいよ」

――――


からからからから


まどか「嘘つき!!」

まどか「ほむらちゃんの馬鹿ぁ!」

まどか「黙っていなくならないって言ったのに!」

まどか「来週もう一度屋上で話そうって約束したのに!」

まどか「こんな……」


ぶつっ

――――



「思い出の上映会はどうだった、ほむらちゃん」

「今のは全て幻なの?」

「砂浜にかいた相々傘と同じだよ」

「……」

「わたしにはあらゆる並行世界が見える」

「その並行世界の内の1つから、更に一場面だけを切り出したものが、今のフィルムなの」

「だから、幻だけど幻じゃない」

「つまり……、どこかで確かに存在した出来事なのね」

「そう。だから、思い出上映会」

「わたしの魔法少女絡みの仕事は、ほむらちゃんを導いたことでひと段落ついた」

「ほむらちゃんも、ここにきたということは……、もう役目を終えたといっていいよね」

「そうなるのでしょうね……」

「それじゃさ。これから2人で、思い出上映会をのんびり楽しもうよ」

「2人で?」

「うん、2人で。これからずーっと、ずーっとね」

「そんなに幸せで……、いいのかしら……」

「いいんだよ」

「まどか……」

「……さ、次の思い出が始まるよ」

映画館のような装いの空間に、ぽつりと2人だけ、隣り合わせで座る少女達
2人の手は、指と指で深く繋がっている

黒塗りの細長い車がスクリーンから消え、一瞬だけ、場が完全な暗闇に支配された

―――その僅かな隙をついて
黒い長髪の少女は、桜色の唇で、現在進行形の思い出をつくった

「てへへ。ほむらちゃんにキスされちゃった」

「愛してるわ、まどか」

「うん。わたしも」

かたかたと、次の思い出のフィルムが回り始める
フィルムの中では、桃色の髪の少女と黒髪の少女が、2人肩を並べて歩いていた

「やっと見つけられたね、わたし達の永遠」

「ええ……」

2人の視線は、再びスクリーンにそそがれた





おわり

切ないハッピーエンドだな……

乙!

      /  カタカタカタカタカタ!  \
 \       カタカタカタカタカタ!゛     /
 <カラカラカラカ!_____ラカラカラカラ!>

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 <カラカラカラ!      カラカラカラカラカラ!>

    |<カタ!: (ノ;A;)>:     カタカタカタ!>
   / ̄ ̄ ̄ ̄: ( ヘヘ:: ̄ ̄ ̄ウェヒヒヒヒヒ!>
 <ウェヒヒヒヒヒ!         \ ウェヒヒヒヒヒ!>

乙・・・うあああああああああああああああああああ

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