キョン「ハルヒを徹底的に無視してたまに抱きついてみた」(120)

 

            ~教室~

ハルヒ「はぁ~今日も暑いわねぇ」

キョン「…」

ハルヒ「ねぇキョン!暑いわね!下敷きで扇ぎなさいよ」

キョン「…」

ハルヒ「ちょっと!暑さで鼓膜が溶けちゃったんじゃないの?キョン!」

キョン「…」

ハルヒ「ちょっとキョン!」ガンガン

キョン「…」

ハルヒ「…ふうったく暑いわね」

   (…機嫌わるいのかな。暑いからよね、きっと)

           キーンコーンカーンコーン

ハルヒ(結局今日はまだ一言もキョンと話してない…なんでよ)

キョン「よっこいせっと」

ハルヒ「キョン!今日は団活で次の映画についてのミーティングをするからね」

キョン「…」

ハルヒ「聞いてるの!私は少し準備があるから先に部室にいってなさいよ」

キョン「…」

ハルヒ「や、やっぱりアタシも一緒に行くわ」

キョン「…」

ハルヒ「ほら!行くわよ」グイグイ

ひょおおおおおおおおお!

ハルヒ「ふ~少しは涼しくならないかしらねぇキョン」

キョン「…」

ハルヒ「…ねぇってば」チョイチョイ

女子生徒「見て見て!涼宮さんったらキョン君のそで引っ張っちゃって」ヒソヒソ

女子生徒2「ホントだ。マジかわいいんですけどー」ヒソヒソ

男子生徒「ボフォッ涼宮さんはツンデレからデレデレにシフトチェンジでござるか」ゴニョゴニョ

男子生徒2「いいですなぁ~リア充死んでほしいすなぁ~」ボソボソ

ハルヒ「…くっ」カァァァァァァ

キョン「…」

ハルヒ「は、早く行きましょう!」

           ~部室~

ハルヒ「おっまたせー。みんなきてる」

みくる「はい、きてますよ」

ハルヒ「みくるちゃん聞いてよ。キョンの奴が今日はなんだかおかしいのよ」

みくる「ふえっ?どういう風におかしいんですか?」

ハルヒ「それがねー」

キョン「よお、長門。今日はまたえらく厚い本を読んでるんだな」

長門「…」コクリ

ハルヒ「…あ」

みくる「涼宮さん?」

ハルヒ(なんでよ…なんでよ)

うほひょおおお!

古泉「あの、今日は新しい映画の構想をお聞かせいただけるらしいですが」

ハルヒ「そっそうなのよ。有希、読書は一旦休憩よ」

長門「…そう」

ハルヒ「それでね、私が思いついたのは時代物とサイコサスペンスを合体させた傑作で」

古泉「…ほう、面白そうですね」

みくる「はい、冷茶です」

キョン「あ、ありがとうございます」ニコッ

ハルヒ「…それでね」(今みくるちゃんにニコってしてた…)

古泉「それでどうなるんですか?」

ハルヒ「…まあ細かいところはこれからよ。今日は映画の話はもういいわ」

みくる「え、もう終わりですか?」

ハルヒ「アタシはちょっとネットで調べものするから。また今度ね」

古泉「ええ、楽しみにしてます」

キョン「古泉、また野球盤やろうぜ」

古泉「ええ、いいですよ。今日は負けません」

ハルヒ(…古泉君にすら普通に話してる。やっぱりあたしも勇気を出して)

   「そ、そういえばキョンってどこの野球チームのファンなの?」

キョン「よっしゃ、ヒットだぜ!」

ハルヒ「…ねぇ」

古泉「あの、涼宮さんが聞いてますよ」

キョン「古泉、早く投げろよ」

古泉「あの、彼は広島ファンらしいですよ。ちなみに僕はドラゴンズです」

ハルヒ「ふ、ふーん」(…なんであたしだけ)

   

          ~2時間後~

長門「…」バタン

ハルヒ「じゃあ、今日も終りね。みんな先に帰ってていいわよ」

    (一人で帰らないと…泣きそう)

みくる「涼宮さん大丈夫ですか?なんか具合が悪そうですけど」

ハルヒ「だ、大丈夫よ」

みくる「じゃあ、お先に失礼しますね」

古泉「ではまた明日。映画楽しみにしてますよ」

長門「…」

キョン「…」

              バタン

ハルヒ(明日から、どうしよう)

ハルヒ「…キョン…キョン。この一年間楽しかったじゃない」ブツブツ

          (明日はポニーにしてみよう)         

                ガチャリ

ハルヒ「へっ?」

キョン「…」

ハルヒ「どっどうしたのよ?忘れ物?」

キョン「…」ツカツカ

ハルヒ「ねぇっ何で今日は無視するのよ」

キョン「ハルヒっ」ダキッ

ハルヒ「ふ、ふぇぇっ?」


ハルヒ「ちょっちょっとキョン!?」

キョン「ハルヒっ」

ハルヒ「い、いきなり何すんのよこの変態」

キョン「…」ナデナデ ギュー

ハルヒ「ふあ…な、なんで今日無視したのよ」ギュッ

キョン「ずっとこうしたかったんだ」

ハルヒ「…答えになってないわよバカぁ」ウルウル

キョン「…俺たちに、言葉なんていらないだろう」

ハルヒ「う、…うん」
   (何かよくわからないけど…よかったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!)

うほひゃわあひゃあああああああああ!!!

キョン「…」

ハルヒ「…あ」(お互いに視線が外せない。これはキ、キスの流れ)

キョン「さ、帰ろうぜ」ニコッ

ハルヒ「ん~、え?あっ、そ、そうね」

キョン「帰りにアイスでも食べようぜ」

ハルヒ「もちろんキョンの奢りよね!」

キョン「…はいはい」

ハルヒ「…ねえキョン」

キョン「なんだ?」

ハルヒ「…手をつなぎましょうよ」

キョン「はいよ」

             ギュッ

            ~ハルヒ宅~

ハルヒ「はぁ~いいお湯だった」

母「随分とごきげんねぇハルヒ」

ハルヒ「べっつにー。さ、宿題でもしようかしらね」

            ガチャッ

ハルヒ「んんんんんんんんれしぃ~」ボフボフ

   「キョンっキョンっ!」ギューボフボフ

枕「………」

            ~キョン宅~

キョン「ただいまー」

妹「キョン君おかえり~。遅かったね、ご飯できてるよ」

キョン「ああ、もう少ししたら食うよ」

             ガチャ

キョン「ふぉぉぉぉぉぉぉぉ!マジかよぉぉぉぉぉ」ボフボフ
   
   (まさかここまで上手くいくとは…凄すぎるだろ)モフモフギュー

   (というかハルヒ、可愛すぎるだろぉぉぉ)ボフボフ

枕「………」

            ~3日前~

谷口「はぁ~彼女ほしいなぁ」

キョン「お前はいつもそれだな」

谷口「この雑誌に書いてあること試してるんだけどなぁ」

キョン「女のタイプ別、モテる男の必勝モード?こんなの読んでる奴がモテるかよ」

谷口「いや、結構いいとこついてると思うぜこの記事」

キョン「ふ~ん」

谷口「お前も結構興味示してんじゃねーか。その雑誌やるよ」

キョン「べ、別にいらんよ」

谷口「いーからいーから。とっとけよ」

キョン(ったく、谷口の奴変なものを押しつけやがって)

            ペラッ

   (なになに?容姿端麗・頭脳明晰・運動神経抜群の完璧女子!
    だけど傲岸不遜でちょっと寂しがり屋なあの娘をオトすには)

   (まさにハルヒみたいなタイプだな。なになに)

   (こういうタイプの女子には無視をし続けて最後に何も言わず抱きしめる
    シンデレがおすすめ!ただしある程度距離感が近づいてないと、ただの女性恐怖症
    と思われちゃうよ)

    (シンデレって馬鹿かよ)

    (でも、ハルヒを無視したらどうなるんだろうな)

          ~現在~

キョン「まさか本当に上手くいくとは。メンズ雑誌恐るべし」

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